JP2008276988A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電中において簡単な操作によりMEAの過熱を防止することができる燃料電池を提供する。
【解決手段】カソードとアノードとの間に電解質膜を配置した膜電極接合体を備える起電部と、液体燃料を収容する燃料供給源と、前記燃料供給源から前記起電部に燃料を供給する燃料供給手段と、前記起電部に隣接して設けられ、前記起電部の膜電極接合体に燃料を分散して供給するための複数の燃料供給口を有する燃料分散供給機構と、前記燃料分散供給機構と前記起電部との間に設けられ、前記燃料供給口に対応するように設けられた複数の開口を有し、前記起電部に供給される燃料の供給量を制御するために前記開口が前記燃料供給口に対して相対的に移動されるように外部から操作可能な燃料絞り機構と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯機器の動作に有効な平面配置の燃料電池に係り、特に内部気化型直接メタノール燃料電池に関する。
近年、電子技術の進歩により、電子機器の小型化、高性能化、ポータブル化が進んでおり、携帯用電子機器においては、使用される電池の高エネルギ密度化の要求が強まっている。このため、軽量で小型でありながら高容量の二次電池が要求されている。
このような二次電池への要求に対して、例えば、リチウムイオン二次電池が開発されてきた。また、携帯電子機器のオペレーション時間は、さらに増加する傾向にあり、リチウムイオン二次電池では、材料の観点からも構造の観点からもエネルギ密度の向上はほぼ限界にきており、更なる要求に対応できなくなりつつある。
このような状況のもと、リチウムイオン二次電池に代わって、小型の燃料電池が注目を集めている。特に、メタノールを燃料として用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC;Direct Methanol Fuel Cell)は、水素ガスを使用する燃料電池に比べ、水素ガスの取り扱いの困難さや、有機燃料を改質して水素を作り出す装置等が必要なく、小型化に優れていると考えられる。
DMFCでは、燃料極においてメタノールが酸化分解され、二酸化炭素、プロトンおよび電子が生成される。一方、空気極では、空気から得られる酸素と、電解質膜を経て燃料極から供給されるプロトン、および燃料極から外部回路を通じて供給される電子によって水が生成される。また、この外部回路を通る電子によって、電力が供給されることになる。
DMFCにおいては、このような構成で発電を進めるために、メタノールを供給するポンプや空気を送り込むブロワが補器として備えられ、システムとして複雑な形態を成したDMFCが開発されてきた。そのため、この構造のDMFCでは、小型化を図ることは難しかった。
そこで、メタノールをポンプで供給するのではなく、メタノールタンクと発電素子の間にメタノールの分子を通す膜を設け、メタノールを透過させる代わりに、メタノールタンクを発電素子の近傍まで近づけることで小型化が進められた。また、空気の取り入れについては、ブロワを用いず、発電素子に直接取り付けた吸気口を設置することで、小型DMFCが構築された。しかし、このような小型DMFCは、機構が簡略化された代わりに、温度などの外部環境要因の影響を受けた場合、発電素子に一定量のメタノールを送ることが難しくなっている。このため、出力を安定して高く発現することが困難となっていた。
そこで、このようなメタノールの供給量を制御することを目的として、燃料タンク部分と負極との間に多孔体を挿入して、メタノール供給量を絞る小型DMFCが例えば特許文献1において提案されている。
特開2004−171844号公報
しかし、従来のDMFCにおいては、カソード側の発熱反応により発電中にMEAが発熱して燃料電池全体の温度が上昇すると、それを所持しているユーザーが不快感を感じる場合がある。そこで、遮断弁などを用いてアノードへの燃料の供給を停止する必要があるが、所望の出力が得られなくなる。
また、燃料過供給に伴う温度上昇によって出力劣化が生じる。本来はポンプによって燃料調整を行うが、出力、温度制御とポンプの駆動関係が必ずしも一致しない場合がある。そのため、過度に発電をしなくて良い場合、あるいは発熱量が多い場合に、アノードへの燃料供給を制御するための絞りを配置し、その絞りを動かすことによって、強制的に過供給を防ぎ、発電部の劣化を抑える。さらに多くの電力量を発電させたいときは「開(大)」、発電量を抑えたいときには「閉(小)」とすることで、強制的に発電量をコントロールできるようにする。ほとんど使用していないときの燃料消費対策とMEAの乾燥対策を含む。すなわち使っていないときにメタノールが多く流れるのを絞りで防ぐと同時に、完全に遮断するのではなく僅かにメタノールが通る制御を行うことによって水を作り、MEAの完全乾燥を防止する。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、発電中において簡単な操作によりMEAの過熱を防止することができる燃料電池を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池は、カソードとアノードとの間に電解質膜を配置した膜電極接合体を備える起電部と、液体燃料を収容する燃料供給源と、前記燃料供給源から前記起電部に燃料を供給する燃料供給手段と、前記起電部に隣接して設けられ、前記起電部の膜電極接合体に燃料を分散して供給するための複数の燃料供給口を有する燃料分散供給機構と、前記燃料分散供給機構と前記発電部との間に設けられ、前記燃料供給口に対応するように設けられた複数の開口を有し、前記発電部に供給される燃料の供給量を制御するために前記開口が前記燃料供給口に対して相対的に移動されるように外部から操作可能な燃料絞り機構と、を具備することを特徴とする。
前記燃料絞り機構は、前記開口と前記燃料供給口との二次元平面視野内での重なり面積を調整するための摺動可能なスライドシャッター部材を有することが好ましい。また、前記燃料絞り機構は、前記発電部および前記燃料分散供給機構を覆う外装ケースに取り付けられ、外部から操作することができる調節ダイヤルをさらに有することが好ましい(図1、図2、図4、図5)。燃料電池の外装ケースが過熱されると、ユーザーが不快感を示すようになる。このためユーザーが調節ダイヤルを回す操作をするだけで簡易に燃料電池の温度を下げることができる。
前記燃料絞り機構は、前記燃料供給源から前記燃料分散供給機構までの間に設けられ、燃料の供給流量を段階的に制御する遮断弁を有することができる(図6)。
燃料絞り機構のシャッター部材に用いる樹脂材料として、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK:ヴィクトレックス ピーエルシー社の商標)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルナフタレート(PEN)などの液体燃料で膨潤等を生じにくい硬質の樹脂を用いることが望ましい。
液体燃料としては、例えばメタノール水溶液、純メタノール、エタノール水溶液、純エタノール、プロパノール水溶液、ギ酸水溶液、ギ酸ナトリウム水溶液、酢酸水溶液、エチレングリコール水溶液、ジメチルエーテルなどの水素を含む有機系の水溶液、水素化ホウ素ナトリウム水溶液、水素化ホウ素カリウム水溶液、水素化リチウム水溶液などが用いられる。中でもメタノール水溶液は、炭素数が1で反応の際に発生するのが炭酸ガスであると共に、低温での発電反応が可能であり、産業廃棄物から比較的容易に製造することができるので好ましい。液体燃料は濃度100%から数%までの範囲で種々の濃度のものを用いることができるが、特にメタノール水溶液の場合は濃度60質量%以上のものを使用することが望ましい。その理由は、より少ない体積の燃料で発電できるからである。より望ましいメタノール燃料の濃度は80質量%以上である。
本発明によれば、使用中に燃料電池が温度上昇したときに、燃料供給量を絞るという簡単な操作をするだけで容易に燃料電池の温度を下げることができ、ノートパソコン、携帯電話、携帯オーディオ、携帯ゲーム機などのコードレス携帯機器などの電源として使い心地の良い燃料電池を提供できる。
以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、燃料電池の全体概要について図1および図2を参照して説明する。
燃料電池1は、燃料供給ライン52にポンプ51を備えている。このポンプ51は燃料を循環する循環ポンプではなく、あくまでも燃料供給源50から燃料分散供給機構11に液体燃料49を送液するための燃料供給ポンプである。このようなポンプ51で必要時に液体燃料49を送液することによって、燃料供給量の制御性を高めることができる。
燃料分散供給機構11からセル構造体20に供給された燃料は発電反応に使用され、その後に循環して燃料供給源50に戻されることはない。燃料電池1は燃料を循環しないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、液体燃料の供給にポンプ51を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なるため、図1に示す燃料電池1は例えばセミパッシブ型と呼称される方式を適用したものである。
ポンプ51の種類は特に限定されるものではないが、少量の液体燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーポンプ(ロータリーベーンポンプ)、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。ロータリーポンプはモータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
ポンプ51の送液量は燃料電池1の主たる対象物が小型電子機器であることから、10μL/分〜1mL/分の範囲とすることが好ましい。送液量が1mL/分を超えると一度に送液される液体燃料の量が多くなりすぎて、全運転期間に占めるポンプ51の停止時間が長くなる。このため、セル構造体20への燃料の供給量の変動が大きくなり、その結果として出力の変動が大きくなる。これを防止するためのリザーバをポンプ51と燃料分散供給機構11との間に設けてもよいが、そのような構成を適用しても燃料供給量の変動を十分に抑制することはできず、さらに装置サイズの大型化等を招いてしまう。
一方、ポンプ51の送液量が10μL/分未満であると、装置立ち上げ時のように燃料の消費量が増える際に供給能力不足を招くおそれがある。これによって、燃料電池1の起動特性等が低下する。このような点から、10μL/分〜1mL/分の範囲の送液能力を有するポンプ51を使用することが好ましい。ポンプ51の送液量は10〜200μL/分の範囲とすることがより好ましい。このような送液量を安定して実現する上でも、ポンプ51には電気浸透流ポンプやダイアフラムポンプを適用することが好ましい。
燃料電池1においては、必要時にポンプ51を動作させて燃料供給源50から燃料分散供給機構11に液体燃料を供給する。燃料分散供給機構11に導入された液体燃料は、複数の燃料供給口14にそれぞれ導かれる。そして、複数の燃料供給口14からセル構造体20の全面に対して燃料が供給されて発電反応が生起される。このように、ポンプ51で燃料供給源50から燃料分散供給機構11まで液体燃料を送液する場合においても、燃料分散供給機構11は有効に機能するため、セル構造体20に対する燃料供給量を均一化することが可能となる。
ポンプ51の吐出口側には遮断弁53が設けられている。この遮断弁53は、制御装置60によりON/OFF制御されるようになっている。
次に、図2を参照して燃料電池の内部構造の概要を説明する。
燃料電池1は、外側が外装ケース21で覆われ、内部に発電部としてのセル積層体20および燃料分散供給機構11の流路板13が収納されている。外装ケース21の端部は流路板13にかしめ加工され、これにより発電部20と外装ケース21とが一体化されている。また、起電部10の内部の適所にはOリング8a,8bがそれぞれ設けられ、外装ケース21と起電部10との間がシールされ、内部の燃料が外部に漏れ出さないようにされている。
起電部10は、複数の単位セルを有している。複数の単位セルは、ほぼ同一平面上に並んで配置され、直列に電気接続されている。単位セルの各々は、膜電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)10a、カソード導電層7aおよびアノード導電層7bを備えている。カソード導電層7aの側には保湿板(図示せず)が設けられ、外気の空気の通過を阻害せず、外部からの微小の埃や異物の混入、さらには接触などを防止するようになっている。この保湿板としては、好ましくは気孔率が例えば20〜60%の多孔性フィルムなどが用いられる。なお、エア導入のために、外装ケース21の主面に複数の通気孔(図示せず)が開口している。エアは、通気孔を通って内部に入り、保湿板(図示せず)を透過して、MEAのカソード触媒層2に供給される。
起電部10の内部には種々のフレームや部材によって各種のスペースや間隙が形成されている。それらのスペースや間隙のうち、アノード側のスペースは流路板13の液溜り41および気化室16として用いられ、カソード側のスペースには保湿板(図示せず)が収納されている。
図3に示すように、流路板13の側面において燃料導入口12が開口している。燃料導入口12には供給管52が接続され、燃料供給源としての燃料供給源50から流路板13の液溜り41に液体燃料が注入されるようになっている。
膜電極接合体10aは、カソード触媒層2及びカソードガス拡散層4からなるカソード極と、アノード触媒層3及びアノードガス拡散層5からなるアノード極と、カソード触媒層2とアノード触媒層3の間に配置されるプロトン伝導性の電解質膜6とを備えている。カソード触媒層2及びアノード触媒層3に含有される触媒としては、例えば、白金族元素の単体金属(Pt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等)、白金族元素を含有する合金などを挙げることができる。アノード触媒には、メタノールや一酸化炭素に対する耐性の強いPt−Ru、カソード触媒には、白金を用いることが望ましいが、これに限定されるものでは無い。また、炭素材料のような導電性担持体を使用する担持触媒を使用しても、あるいは無担持触媒を使用してもよい。
電解質膜6は、アノード触媒層3において発生したプロトンをカソード触媒層2に輸送するためのものであり、電子伝導性を持たず、プロトンを輸送することが可能な材料により構成されている。例えば、スルホン酸基を有するフッ素系樹脂(例えば、パーフルオロスルホン酸重合体)、スルホン酸基を有するハイドロカーボン系樹脂、タングステン酸やリンタングステン酸などがあげられるが、具体的には、デュポン社製のナフィオン膜(登録商標)、旭硝子社製のフレミオン膜(登録商標)、あるいは旭化成工業社製のアシプレックス膜(登録商標)などにより構成されている。なお、ポリパーフルオロスルホン酸系の樹脂膜以外にも、トリフルオロスチレン誘導体の共重合膜、リン酸を含浸させたポリベンズイミダゾール膜、芳香族ポリエーテルケトンスルホン酸膜、あるいは脂肪族炭化水素系樹脂獏などプロトンを輸送可能な電解質膜6を構成するようにしてもよい。
カソード触媒層2はカソードガス拡散層4上に積層され、かつアノード触媒層3はアノードガス拡散層5上に積層されている。カソードガス拡散層4はカソード触媒層2に酸化剤を均一に供給する役割を担うものであるが、カソード触媒層2の集電体も兼ねている。一方、アノードガス拡散層5はアノード触媒層3に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層3の集電体も兼ねている。カソード導電層7aの内側の面はカソードガス拡散層4に接し、アノード導電層7bの内側の面はアノードガス拡散層5に接している。これらのカソード導電層7a及びアノード導電層7bには、例えば金などの電気特性と化学安定性に優れた金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)をそれぞれ使用することができる。
矩形枠状のカソードシール材8aは、カソード導電層7aとプロトン伝導性電解質膜6との間に位置すると共に、カソード触媒層2及びカソードガス拡散層4の周囲を囲んでいる。一方、矩形枠状のアノードシール材8bは、アノード導電層7bとプロトン伝導性電解質膜6との間に位置すると共に、アノード触媒層3及びアノードガス拡散層5の周囲を囲んでいる。カソードシール材8a及びアノードシール材8bは、MEA10からの燃料漏れ及び酸化剤漏れを防止するためのオーリングである。
気液分離膜(図示せず)は、液体燃料(例えばメタノール溶液)の気化成分のみを透過させて、液体燃料そのものは透過させない性質を有している。これにより流路板13と気化室16とが仕切られている。気液分離膜には例えばシリコンシートやPTFE膜などの多孔膜を用いる。ここで、液体燃料の気化成分とは、液体燃料として液体のメタノールを使用した場合は気化したメタノールを意味し、液体燃料としてメタノール水溶液を使用した場合にはメタノールの気化成分と水の気化成分からなる混合ガスを意味する。
気化室16は、気液分離膜を透過してきた気化燃料を一時的に収容しておく蒸気溜りとして機能する。この気化室16及び気液分離膜の透過メタノール量抑制効果により、一度に多量の気化燃料がアノード触媒層3に供給されるのを回避することができ、メタノールクロスオーバーの発生を抑えることができる。
次に、燃料絞り機構30について説明する。
燃料絞り機構30は、複数の開口32を有するスライドシャッター部材31、互いに噛み合うラック33とピニオン34、回転軸35、調節ダイヤル(ツマミ)36を備えている。流路板13の適所にスペースが形成され、このスペース内にスライドシャッター部材31が摺動可能な状態で収容されている。スライドシャッター部材31とラック33とは互いに連結され、ラック33が変位するとそれに追随してスライドシャッター部材31も変位するようになっている。
スライドシャッター部材31の開口32は、流路板13の開口14に1対1に対応する位置にそれぞれ配置されている。開口32の開口面積は、流路板13の開口14の開口面積と実質的に同じに形成されている。図4の(a)に示すようにスライドシャッター部材31の開口32が流路板13の開口14に同軸に重なり合う位置では、シャッターは全開状態になり、このときの絞り率は0%となる。
回転軸35の基端側には調節ダイヤル36が取り付けられ、軸35の先端側にはピニオン34が取り付けられている。調節ダイヤル36は、燃料電池の外側を覆う外装ケース21から突出するように取り付けられ、ユーザーが手動で回すことができるような大きさである。調節ダイヤル36の外周面は滑り止め加工されている。調節ダイヤル36をユーザーが手動で回すと、ピニオン34が回転し、ラック33とともにスライドシャッター部材31が摺動し、図4の(b)に示すように流路板13の開口14に対してスライドシャッター部材31の開口32の位置がずれる。この開口位置ずれ量(シフト量)が燃料絞り率に対応するものであり、開口位置ずれ量が大きくなるに従って燃料絞り率が増加し、100%(完全遮断)に順次近づく。
外装ケース21および流路板13は、耐メタノール性に優れ、液体燃料で膨潤等を生じにくい、ポリフェニレンサルファイド(PPS)同士でつくられている。外装ケース21は、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK:ヴィクトレックス ピーエルシー社の商標)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、などの液体燃料で膨潤等を生じにくい硬質のプラスチックでつくることが望ましいが、耐食性に優れたコーティングを施せばステンレス鋼やニッケル金属などの金属材料でつくることもできる。
流路板13の内部に積層された液体燃料含浸層を設けるようにしてもよい。液体燃料含浸層として、例えば多孔質ポリエステル繊維、多孔質オレフィン系樹脂等多硬質繊維や、連続気泡多孔質体樹脂が好ましい。液体燃料含浸層は、液溜り41内の液体燃料が減少した場合や燃料電池本体が傾斜して載置され燃料供給が偏った場合においても、気液分離膜(図示せず)に均等に液体燃料が供給され、その結果、アノード触媒層3に均等に燃料を供給することが可能となる。ポリエステル繊維以外にも、ポリエチレン系の樹脂などの各種ポリマーにより構成してもよく、スポンジまたは繊維の集合体など液体の浸透性を利用して液体を保持することができる材料により構成する。本液体燃料含浸部は,本体の姿勢に関わらず適量の燃料を供給するのに有効である。
なお、上記の実施の形態では燃料絞り機構にスライド式のシャッターを用いているが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、シャッターの可変機能を遮断弁に持たせるようにしてもよい。遮断弁を段階的に開閉することにより液体燃料の供給液量を絞ることができるからである。
本実施形態の燃料電池によれば、使用中に燃料電池が温度上昇したときに、燃料供給量を絞るという簡便な操作をするだけで容易に温度を下げることができる。
(第2の実施の形態)
次に図6を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態が上記の実施の形態と重複する部分の説明は省略する。
本実施形態の燃料電池1Aでは、燃料絞り機構30Aを燃料供給源50から燃料分散供給機構11の流路板13までの間の燃料供給ライン52に設けている。本実施形態の燃料絞り機構30Aは上記第1実施形態の燃料絞り機構30と実質的に同じ構成である。すなわち、燃料絞り機構30Aは上述した調節ダイヤル(図示せず)を備えている。
本実施形態においても、使用中に燃料電池が温度上昇したときに、燃料供給量を絞るという簡便な操作をするだけで容易に温度を下げることができる。
図7は種々の液量絞り条件下で発電したときの燃料電池の温度変化をそれぞれ示す特性線図である。図8は種々の液量絞り条件下で発電したときの燃料電池の出力密度の変化をそれぞれ示す特性線図である。燃料電池として図1に示す液量絞り機構を有するものを用いた。燃料電池の温度測定は、カソード側の外装ケースの表面に熱電対を直接接触させて行った。図中にて特性線E1,E2は100%の液量絞り条件(全開条件)で発電したときの結果(比較例1)、特性線F1,F2は50%の液量絞り条件で発電したときの結果(実施例1)、特性線G1,G2は20%の液量絞り条件で発電したときの結果(実施例2)をそれぞれ示す。これらの図から明らかなように、各実施例1、2においてそれぞれ良好な結果が得られた。特に、実施例1の条件ではMEAの過熱を防いで外装ケース温度が50℃未満になるように簡易な操作を行うのみで温度制御することができる一方で、発電出力の低下を必要最小限度に抑えることができるので、これを実際に手にとって使用するエンドユーザーにおいて使い心地が非常に良いことを期待できる。一方、比較例1のように、絞りがない状態では温度が50℃以上に上昇してしまい、携帯機器としては使用に課題を残す。しかしながら、常に50℃を超えているわけではないため、絞り率を変更することで表面温度を低下させるとが可能となり、実施例1と同様な状態で使用することができる。
一方、実施例2では外装ケースの温度が40℃未満と低めに抑えられたが、出力の低下がやや低下する傾向にある。
以上の結果を総合すると、燃料絞り率が周囲の条件に対応して調整できるように燃料絞り機構の調節ダイヤルの操作可能範囲をストッパやリミッタ等の機械要素を燃料絞り機構に付加することが望ましい。
以上、種々の実施の形態を挙げて説明したが、本発明は上記各実施の形態のみに限定されるものではなく、種々変形および組み合わせることが可能である。
本発明の実施形態に係る燃料電池を示す構成ブロック図。 本発明の実施形態に係る燃料電池を示すブロック断面図。 液分散供給機能をもつ流路板の概要を示す斜視図。 (a)は全開状態の燃料絞り機構を示す部分断面図、(b)はほぼ半開状態に絞ったときの燃料絞り機構を示す部分断面図。 手動式の燃料絞り機構の操作部分を示す部分拡大図。 本発明の他の実施形態に係る燃料電池を示す構成ブロック図。 各種の絞り条件で発電したときの燃料電池の温度変化を示す特性線図。 各種の絞り条件で発電したときの燃料電池の出力密度の変化を示す特性線図。
符号の説明
1,1A…燃料電池、
2…カソード触媒層、3…アノード触媒層、
4…カソードガス拡散層、5…アノードガス拡散層、
6…固体電解質膜、
7a…カソード導電層(正極リード)、17a…孔、
7b…アノード導電層(負極リード)、17b…孔、
8a,8b…シール部材(Oリング)、
10…起電部(MEA)、10a…膜電極接合体(MEA)、
11…燃料分散供給機構、
12…燃料導入口、
13…流路板、
14…燃料供給口、
16…気化室、
20…発電部(セル積層体)、
21…外装ケース、22…通気孔、
30,30A…燃料絞り機構、
31…スライドシャッター部材、32…開口、33…ラック、34…ピニオン、
35…回転軸、36…調節ダイヤル(手動操作部分)、
49…液体燃料、50…燃料供給源(燃料タンク)、
51…ポンプ(送液手段)、52…流路、53…遮蔽弁、60…制御装置。

Claims (5)

  1. カソードとアノードとの間に電解質膜を配置した膜電極接合体を備える起電部と、
    液体燃料を収容する燃料供給源と、
    前記燃料供給源から前記起電部に燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記起電部に隣接して設けられ、前記起電部の膜電極接合体に燃料を分散して供給するための複数の燃料供給口を有する燃料分散供給機構と、
    前記燃料分散供給機構と前記起電部との間に設けられ、前記燃料供給口に対応するように設けられた複数の開口を有し、前記起電部に供給される燃料の供給量を制御するために前記開口が前記燃料供給口に対して相対的に移動されるように外部から操作可能な燃料絞り機構と、
    を具備することを特徴とする燃料電池。
  2. 前記燃料絞り機構は、前記開口と前記燃料供給口との二次元平面視野内での重なり面積を調整するための摺動可能なスライドシャッター部材を有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記燃料絞り機構は、前記発電部および前記燃料分散供給機構を覆う外装ケースに取り付けられ、外部から操作することができる調節ダイヤルをさらに有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の液体型燃料電池。
  4. 前記燃料絞り機構は、前記燃料供給源から前記燃料分散供給機構までの間に設けられ、燃料の供給流量を段階的に制御する遮断弁を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の燃料電池。
  5. 燃料の濃度が60質量%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の燃料電池。
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