JP2008275968A - 電気光学装置、電気光学装置の駆動方法及び電気機器 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の駆動方法及び電気機器 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的簡易な回路で表示パネルを高速駆動することができる電気光学装置、電気光学装置の駆動方法及び電気機器を提供する。
【解決手段】画素120に、表示階調に応じた画素電圧を印加する直前の1フレーム期間より短い所定期間、常に所定の電圧VODを印加する。走査線駆動回路10は、1フレーム期間に、各走査線311に所定期間をもって2回ずつ選択電圧を供給し、データ線駆動回路20は、走査線駆動回路10で選択された走査線311に対応する画素に対し、前記加速電圧に対応した加速信号を、データ線211を介して供給した後、前記所定期間後に、前記画素電圧に対応した画像信号を、データ線211を介して供給する。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、液晶などの電気光学物質を用いた電気光学装置、電気光学装置の駆動方法及びこの電気光学装置を有する電気機器に関する。
従来の液晶駆動装置としては、第1のフィールドでの液晶に印加する電圧値に相当するデータを記憶するフィールドメモリを備え、液晶パネルの任意の画素に印加する電圧の1フィールド間或いは数フィールド間の状態と液晶分子の温度状態とによって、印加する映像信号電圧値を補正することで、温度が低く液晶分子の応答速度が遅い場合であっても、適正な画像表示を実現するというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、フレームメモリとルックアップテーブルとを用いてオーバードライブを行う液晶パネル駆動装置としては、上記ルックアップテーブルを温度に対応して複数種類設け、周囲の温度に応じて当該ルックアップテーブルを選択的に切り替えて用いるというものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平3−135180号公報 特開2004−133159号公報
しかしながら、上記各特許文献に記載の従来装置にあっては、前フレームと現フレームでの画素電圧の変化の状態や周囲の温度に応じてオーバードライブ電圧(補償電圧)を設定しているため、フレームメモリやルックアップテーブル、温度センサが必要となり、回路規模が大きくなる。特に携帯機器では、広い温度範囲での使用が前提となるため、温度毎に対応した複数のルックアップテーブルが必要となり、さらに回路規模が大きくなることが懸念される。
また、1フレーム期間オーバードライブ電圧を印加する構成となっており、オーバードライブ電圧が例えば僅かに過剰になっても、オーバーシュート等の表示不良となってしまうため、精度の高い制御が要求される。
そこで、本発明は、比較的簡易な回路で表示パネルを高速駆動することができる電気光学装置、電気光学装置の駆動方法及び電気機器を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、第1の発明に係る電気光学装置は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素と、を備える電気光学装置において、
前記画素に、表示階調に応じた画素電圧を印加する直前の1フレーム期間より短い所定期間、常に所定の電圧を印加することを特徴としている。
これにより、前フレームと現フレームとのデータの差によらずに常に所定の電圧を印加するので、フレームメモリやルックアップテーブルを設ける必要がなくなり、回路規模が大きくなるのを抑制することができると共に、表示パネルの応答を早めて画像表示の品質を向上させることができる。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記走査線に対して所定の順番で選択電圧を供給する走査線駆動回路と、
選択された走査線に対応する画素に対し、所定の信号を、前記データ線を介して供給す
るデータ線駆動回路と、を備え、
前記走査線駆動回路は、前記走査線に選択電圧を順次供給する第1の選択回路と、該第1の選択回路による選択電圧の供給の1フレーム期間より短い所定期間前に、前記走査線に選択電圧を供給する第2の選択回路とを有し、
前記データ線駆動回路は、前記第1の選択回路で選択された走査線に対応する画素に対し、前記画素電圧に対応した画像信号を、前記データ線を介して供給し、前記第2の選択回路で選択された走査線に対応する画素に対し、前記所定の電圧に対応した信号を、前記データ線を介して供給することを特徴としている。
これにより、走査線駆動回路は各走査線に1フレーム期間に2回ずつ選択電圧を供給するので、先ず、選択した走査線に対応する画素に対し所定の電圧が印加され、その後、所定期間後に表示階調に応じた画素電圧が印加される。そのため、フレームメモリやルックアップテーブル等を設けることなく、表示パネルの応答を早めて画像表示の品質を向上させることができる。
さらに、第3の発明は、第2の発明において、前記第2の選択回路は、前記走査線に選択電圧を順次供給することを特徴としている。
これにより、各走査線において、第1の選択回路による選択電圧の供給の一定時間前に、第2の選択回路による選択電圧の供給を行うことができる。したがって、比較的簡易な回路構成で、各走査線に対する前記所定の電圧の印加を実現することができる。
また、第4の発明は、第2の発明において、前記データ線駆動回路は、周期的に極性反転させた画像信号を前記画素に対して供給するものであって、前記第2の選択回路は、同一極性の画像信号を供給する画素に対応した近接する複数の走査線に、選択電圧を同時に供給することを特徴としている。
これにより、複数の走査線に対応する画素に前記所定の電圧を同時に印加するので、本書き込み期間を確保したまま、前記所定の電圧を印加する期間を捻出することができる。そのため、低温時など、画素スイッチング素子の書き込み能力が低下した場合であっても、書き込み不足を抑制することができる。
さらにまた、第5の発明は、第1の発明において、前記画素は、データ線、走査線、及び画素電極に接続されると共に、接続された当該走査線が選択されたときに前記画素電極が前記データ線と導通状態となる画素スイッチング素子と、前記画素電極とコモン電極との間に介挿された画素容量と、前記画素電極と前記走査線毎に設けられた容量線との間に介挿された蓄積容量と、を有し、
前記走査線に対して所定の順番で選択電圧を順次供給する走査線駆動回路と、
選択された走査線に対応する画素に対し、当該画素の表示階調に応じた画像信号を、前記データ線を介して供給するデータ線駆動回路と、
前記走査線駆動回路により前記選択電圧を供給する前又は後の1フレーム期間より短い所定期間、前記容量線の電圧を変化させることで、前記画素に前記所定の電圧を印加する容量線駆動回路と、を備えることを特徴としている。
これにより、本書き込みより手前の所定期間、画素電圧の絶対値を容量線の電圧を変化させる前と比較して大きくすることができ、画素に前記所定の電圧を印加することができる。そのため、フレームメモリやルックアップテーブル等を設けることなく、表示パネルの応答を早めて画像表示の品質を向上させることができる。また、本書き込み期間を全く短くすることなく、前記所定の電圧を印加する期間を捻出することができるため、低温時など、画素スイッチング素子の書き込み能力が低下した場合であっても、書き込み不足を確実に防止することができる。
或いは、表示階調に応じた電圧に所定の電圧だけ加減算した電圧を本書き込み時に画素に印加しておき、本書き込みから所定の期間が経過した後に、容量線の電圧を変化させて、画素電圧の絶対値を小さくし、表示階調に応じた画素電圧にすることでも、同様に表示パネルの応答を早めることができる。
さらに、第6の発明の電気機器は、第1乃至第5の発明の何れか1つの電気光学装置を備えることを特徴としている。
これにより、パネルの高速応答を実現した電気機器とすることができる。
また、第7の発明の電気光学装置の駆動方法は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素と、を備える電気光学装置の駆動方法において、
前記画素に、表示階調に応じた画素電圧を印加する直前の1フレーム期間より短い所定期間、常に所定の電圧を印加することを特徴としている。
これにより、前フレームと現フレームとのデータの差によらずに常に所定の電圧を印加することができるので、フレームメモリやルックアップテーブルを設ける必要がなくなり、回路規模が大きくなるのを抑制することができると共に、表示パネルの応答を早めて画像表示の品質を向上させることができる電気光学装置の駆動方法とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1の実施形態における電気光学装置1の構成を示すブロック図である。
この図1に示すように、電気光学装置1は、表示領域100を有し、この表示領域100の周辺に、走査線駆動回路10、データ線駆動回路20が配置された周辺回路内蔵型のパネル構造となっている。また制御回路30は、上記周辺回路内蔵型のパネルと、例えばFPC(flexible printed circuit)基板によって接続されている。
表示領域100は、画素120が配列する領域であり、本実施形態では、320行の走査線311が行(X)方向に延在すると共に、240列のデータ線211が列(Y)方向に延在しており、これらの320行の走査線311と240列のデータ線211との交差に対応して、画素120がそれぞれ配列している。
なお、本実施形態では、画素120が表示領域100において、縦320行×横240列でマトリクス状に配列している場合について説明するが、本発明をこの配列に限定する趣旨ではない。
次に、画素120の詳細な構成について説明する。
図2は、画素120の構成を示す図であり、i行及びこれに隣接する(i+1)行と、j列及びこれに隣接する(j+1)列との交差に対応する2×2の計4画素分の構成を示している。
この図2に示すように、各画素120は、画素容量(液晶容量)130と、スイッチング素子として機能するnチャンネル型の薄型トランジスタ(以下、TFTと称す)241とを有する。各画素120については互いに同一構成であるため、i行j列に位置するもので代表して説明すると、当該i行j列の画素120において、TFT241のゲートはi行目の走査線311に接続され、そのソースはj列目のデータ線211に接続され、そのドレインは画素容量130の一端たる画素電極231に接続されている。
また、画素容量130の他端は、コモン電極110である。このコモン電極110にはコモン電圧Vcomが印加されており、図1に示されるように、全ての画素120にわたって共通である。ここで、コモン電圧Vcomは、論理信号のHレベルに相当する電圧Vddと論理信号のLレベルに相当する電圧Vssとの中間電圧Vcで一定である。また、
本実施形態では、電圧Vssは接地電位Gndであって、電圧ゼロの基準とする。
そして、画素容量130では、画素電極231とコモン電極110との差電圧が保持されると共に、画素容量130の透過(または反射)光量が、当該保持電圧の実効値に応じて変化する構成となっている。
この電気光学装置1では、コモン電極110の電圧を基準電圧として、この基準電圧よりも高い電圧でデータ線311に画像信号を供給する正極性書込と、基準電圧よりも低い電圧でデータ線311に画像信号を供給する負極性書込とを交互に行う。
ところで、TFT241はオフ状態であっても、そのオフ抵抗が理想的な無限大にならないので、画素容量130に蓄積された電荷が当該TFT241を介して少なからずリークする。このリークにより画素容量130の保持電圧が低下するのを抑えるために、蓄積容量140が画素毎に形成されている。この蓄積容量140の一端は、画素電極231(TFT241のドレイン)に接続され、その他端は、コモン電極110に接続されている。これにより、画素120毎に、画素容量130と蓄積容量140とが、TFT241のドレインとコモン電極110との間において並列的に接続されるので、TFT241のオフリークの影響が低減されるようになっている。
なお、液晶にかかる電界方向を基板面垂直方向とした場合、蓄積容量140の他端が形成される基板とコモン電極110が形成される基板とは互いに別々になるが、図示しない導通材により、蓄積容量140の他端とコモン電極110との電気的な接続を図ることにより、図2に示されるような回路構成にすることができる。また、この蓄積容量140の他端とコモン電極110とは、両者間の電圧が一定であれば、必ずしも同電位である必要はない。
図1の制御回路30は、各種制御信号を出力して電気光学装置1における各部の制御等をするものである。ここで、上記制御信号については、適宜後述するものとする。
走査線駆動回路10は、制御回路30による制御にしたがって、走査線311を所定の順番で選択すると共に、選択した走査線311に対しHレベルに相当する選択電圧Vddを、それ以外の走査線311に対しLレベルに相当する非選択電圧Vssを、それぞれ走査信号として供給するものである。
以下、1、2、3、…、320行目の走査線311に供給される走査信号を、それぞれY1、Y2、Y3、…、Y320と表記し、走査信号について特に行を特定しないで一般的に説明する場合にはYiと表記する。また、1、2、3、…、240列目のデータ線211に供給されるデータ信号を、それぞれX1、X2、X3、…、X240と表記し、特に列を指定しないで一般的に説明する場合にはXjと表記する。
詳細には、走査線駆動回路10は、少なくとも2つのシフトレジスタを有し、第1のシフトレジスタで、制御回路30から供給されるスタートパルスDy1をクロック信号Cly1にしたがって順次シフトすることによって、走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y320をこの順番で順次Hレベルとし、実際に表示させようとする階調に見合った画素電圧とは関係の無い所定の電圧VODを書き込む所謂加速電圧書き込みを行うために、走査線311を順次駆動する。以下、液晶の応答の遅さを改善する(液晶の応答速度を加速させる)ために本書き込みを開始する前の1フレーム期間より短い期間に所定の電圧を印加する電圧を加速電圧ということにする。
また、走査線駆動回路10は、第2のシフトレジスタで、制御回路30からスタートパルスDy1より所定時間(例えば、10水平走査期間(10H))遅れて供給されるスタートパルスDy2をクロック信号Cly2にしたがって順次シフトすることによって、走
査信号Y1、Y2、Y3、…、Y320をこの順番で順次Hレベルとし、実際に表示させようとする階調に見合った画素電圧を書き込む所謂本書き込みを行うために、走査線311を順次駆動する。
つまり、走査線駆動回路10は、1フレームの画面を表示するのに要する期間である1フレーム期間に、走査線311を前記所定時間の間隔をもって2回選択する。ここで、各走査線311は互いに重畳しないように選択するものとし、本実施形態では、1水平走査期間(1H)を2分割し、前半を本書き込み期間、後半を加速電圧書き込み期間とする。
ここで、第1のシフトレジスタが第2の選択回路に対応し、第2のシフトレジスタが第1の選択回路に対応している。
なお、本実施形態では、走査線駆動回路10をレジスタ方式で駆動するものとして説明したが、デコーダ方式等で駆動することもできる。
データ線駆動回路20は、走査線駆動回路10により走査線311が選択された際に、各データ線211に所定の信号を供給するものである。
詳細には、データ線駆動回路20は、本書き込みを行う場合には、走査線駆動回路10により選択される走査線311に位置する画素120の表示階調(制御回路30から供給される表示データDaで指定された階調)に見合った電圧であって、制御回路30から供給される極性指定信号Polで指定された書込極性に応じた電圧のデータ信号(画像信号)を、データ線211に供給する。
また、データ線駆動回路20は、加速電圧書き込みを行う場合には、予め設定した所定電圧であって、極性指定信号Polで指定された書込極性に応じた電圧のデータ信号(加速信号)を、データ線211に供給する。このように、加速電圧書き込みを行う場合、前記画像信号と同じ極性の加速信号をデータ線211に供給する。
ここで、本実施形態ではノーマリーブラックモードとし、上記加速電圧VODは白表示に必要な電圧に設定するものとする。なお、ノーマリーホワイトモードとする場合には、当該加速電圧VODは、黒表示に必要な電圧に設定する。
また、極性指定信号Polは、Hレベルであれば、奇数行の走査線に対して正極性書込を指定し、偶数行の走査線に対して負極性書込を指定する一方、Lレベルであれば、奇数行の走査線に対して負極性書込を指定し、偶数行の走査線に対して正極性書込を指定する信号であり、あるフレームの期間にわたってHレベルに維持され、次のフレームでは論理反転してLレベルとなる。このため、本実施形態では、画素への書き込み極性が1行毎に反転する1Hライン反転駆動方式となる。ここで、1フレーム周波数は、例えば60Hzとする。
このように、極性指定信号Polを1フレームの期間毎に論理反転させて、書込極性を反転することにより、直流成分の印加による液晶の劣化を防止することができる。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
図3は、第1の実施形態の動作を説明するためのタイムチャートである。
この図3において、Yiはi行目の走査線311の信号、Xjはデータ線211の信号(TFT241のソース電圧)である。また、Vcは正極性書込における画像信号および負極性書込における画像信号の中心電圧である。なお、ここでは、説明を簡略化するために、加速電圧書き込みの3.5H後に、本書き込みが行われるものとする。
あるフレーム期間において、時刻t1から時刻t2までの間、走査線駆動回路10の第2の選択回路によって最初にi行目の走査線311が選択されて、走査信号YiがHレベルとなる。このとき、走査信号YiがHレベルとなるタイミングで、データ線駆動回路20は、各データ線211に加速電圧VODに対応したデータ信号X1、X2、X3、…、X
240を供給する。
走査信号YiがHレベルになると、i行目の走査線311に対応する画素におけるTFT241がオンするので、これらの画素電極231には、データ信号X1、X2、X3、…、X240が印加される。これにより、i行1列〜i行240列の画素容量130及び蓄積容量140の並列容量には、それぞれ加速電圧VODに応じた正極性の電圧が書き込まれる。
次に、時刻t3から時刻t4までの間、走査線駆動回路10の第2の選択回路によってi+1行目の走査線311が選択されて、走査信号Yi+1がHレベルとなる。このとき、走査信号Yi+1がHレベルとなるタイミングで、データ線駆動回路20は、各データ線211に加速電圧VODに対応したデータ信号X1、X2、X3、…、X240を供給する。これにより、i+1行1列〜i+1行240列の画素容量130及び蓄積容量140の並列容量には、それぞれ加速電圧VODに応じた負極性の電圧が書き込まれる。
同様に、時刻t5から時刻t6までの間、i+2行1列〜i+2行240列の画素容量130及び蓄積容量140の並列容量に、それぞれ加速電圧VODに応じた正極性の電圧が書き込まれ、時刻t7から時刻t8までの間、i+3行1列〜i+3行240列の画素容量130及び蓄積容量140の並列容量に、それぞれ加速電圧VODに応じた負極性の電圧が書き込まれる。
そして、時刻t8から時刻t9までの間、走査線駆動回路10の第1の選択回路によってi行目の走査線311が選択されて、走査信号YiがHレベルとなる。このとき、走査信号YiがHレベルとなるタイミングで、データ線駆動回路20は、各データ線211に、i行目の走査線311に対応する画素の表示データDaで指定された電圧のデータ信号X1、X2、X3、…、X240をそれぞれ供給する。これにより、i行1列〜i行240列の画素容量130及び蓄積容量140の並列容量には、それぞれ表示階調に応じた正極性の電圧が書き込まれる。
また、時刻t10から時刻t11までの間、走査線駆動回路10の第1の選択回路によってi+1行目の走査線311が選択されて、走査信号Yi+1がHレベルとなる。このとき、走査信号Yi+1がHレベルとなるタイミングで、データ線駆動回路20は、各データ線211に、i+1行目の走査線311に対応する画素の表示データDaで指定された電圧のデータ信号X1、X2、X3、…、X240をそれぞれ供給する。これにより、i+1行1列〜i+1行240列の画素容量130及び蓄積容量140の並列容量には、それぞれ表示階調に応じた負極性の電圧が書き込まれる。
すなわち、i行目の走査線311に着目すると、時刻t1で各データ線311に加速電圧VODが書き込まれるため、この時刻t1から本書き込みがなされる時刻t8までの3.5H期間は、各データ線311に印加される電圧は加速電圧VODを維持する。また、時刻t8から次の加速電圧書き込みが行われるまでの期間は、各データ線311に印加される電圧はそれぞれ表示階調に応じた画素電圧を維持する。このように、本書き込みが行われる前の一定期間(ここでは、3.5H)、加速電圧が印加される。
なお、図示しないが、時刻t2から時刻t3までの間は、i−3行目の走査線311の本書き込みが行われており、時刻t4から時刻t5までの間は、i−2行目の走査線311の本書き込みが行われており、時刻t6から時刻t7までの間は、i−1行目の走査線311の本書き込みが行われている。また、時刻t9から時刻t10までの間は、i+4行目の走査線311の加速電圧書き込みが行われており、時刻t11から時刻t12までの間は、i+5行目の走査線311の加速電圧書き込みが行われている。
このように、1水平走査期間(1H)を2分割し、前半を本書き込み期間、後半を加速電圧書き込み期間とすることで、各走査線311を互いに重畳しないように駆動することができる。
ところで、表示装置に用いられる液晶の応答の遅さを改善するためには、現在のフレームの入力画像信号と1フレーム前の入力画像信号とに応じて、現在フレームの画像信号が1フレーム前よりも大きい場合には、現在フレームの画像信号より大きい画像信号で液晶を駆動し、逆に現在フレームの画像信号が1フレーム前よりも小さい場合には、現在フレームの画像信号より小さい画像信号で液晶を駆動する、所謂オーバードライブ駆動を行うというのが一般的である。
図4は、一般的なオーバードライブ駆動と本実施形態におけるオーバードライブ駆動との違いを示す概念図である。
図4(a)に示すように、3フレーム目から4フレーム目にかけて透過率が変化し、印加する画素電圧が変化する場合、一般的なオーバードライブ駆動では、図4(b)のαに示すように、透過率の変化前後の状態に応じたオーバードライブ電圧を、透過率が変化した時点から1フレーム期間印加する。
このようなオーバードライブ駆動を行う液晶駆動装置としては、第1のフィールドでの液晶に印加する電圧値に相当するデータを記憶するフィールドメモリを備え、液晶パネルの任意の画素に印加する電圧の1フィールド間或いは数フィールド間の状態と、液晶分子の温度状態によって印加する映像信号電圧値を補正することで、温度が低く液晶分子の応答速度が遅い場合であっても、適正な画像表示を実現するというものがある。
また、フレームメモリとルックアップテーブルとを用いてオーバードライブ駆動を行う液晶パネル駆動装置としては、上記ルックアップテーブルを温度に対応して複数種類設け、周囲の温度に応じて当該ルックアップテーブルを選択的に切り替えて用いるというものがある。
しかしながら、これらの場合、前フレームと現フレームでの画素電圧の変化の状態や周囲の温度に応じてオーバードライブ電圧(補償電圧)を設定しているため、フレームメモリやルックアップテーブル、温度センサが必要となり、回路規模が大きくなる。特に携帯機器では、広い温度範囲での使用が前提となるため、温度毎に対応した複数のルックアップテーブルが必要となり、さらに回路規模が大きくなる。
また、1フレーム期間オーバードライブ電圧を印加する構成となっているため、オーバードライブ電圧が例えば僅かに過剰になっても、オーバーシュート等の表示不良となってしまうため、精度の高い制御が要求される。
これに対して、第1の実施形態では、図4(c)のβに示すように、本書き込みを開始する前の1フレーム期間より短い期間(例えば、10H期間)、常に加速電圧を印加する。これにより、例えば、黒状態の液晶を中間調へ変化させる場合に、加速電圧の印加によって液晶の配向変化が速くなり、その後、所定の表示画素電圧の印加によって所望の階調表示となる。即ち、加速電圧は、液晶の応答速度を速めるためだけに作用し、階調表示には影響し難い。このように、フレームメモリやルックアップテーブルを必要とすることなく、液晶の応答速度を速めることができる。
また、本書き込みを開始する前の1フレーム期間より短い期間だけ加速電圧VODを印加するので、加速電圧VODが僅かに過剰になることに起因するオーバーシュート等の表示不良の発生を抑制することができる。
このように、第1の実施形態では、画素に対して、表示階調に応じた画素電圧を印加する直前の所定期間、常に所定の電圧を印加するので、前フレームと現フレームとのデータ
の差によらずに常に所定の電圧を印加することができる。そのため、フレームメモリやルックアップテーブルを設ける必要がなくなり、回路規模が大きくなるのを抑制することができると共に、表示パネルの応答を早めて画像表示の品質を向上させることができる。
また、走査線駆動回路は、走査線に選択電圧を順次供給する第1の選択回路と、該第1の選択回路による選択電圧の供給の所定期間前に、前記走査線に選択電圧を供給する第2の選択回路とを有し、データ線駆動回路は、前記第1の選択回路で選択された走査線に対応する画素に対し、画素電圧に対応した画像信号を、データ線を介して供給し、前記第2の選択回路で選択された走査線に対応する画素に対し、前記所定の電圧に対応した信号を、データ線を介して供給する。
したがって、走査線駆動回路は、常に走査線に対し1フレーム期間に2回選択電圧を供給するので、先ず、選択した走査線に対応する画素に対し所定の加速電圧が印加され、その後、所定期間後に表示階調に応じた画素電圧が印加される。そのため、フレームメモリやルックアップテーブル等を設けることなく、表示パネルの応答を早めて画像表示の品質を向上させることができる。
さらに、第2の選択回路は走査線に選択電圧を順次供給するので、各走査線において、第1の選択回路による選択電圧の供給の一定期間前に、第2の選択回路による選択回路の供給を行うことができ、比較的簡易な回路構成で、各走査線に対する加速電圧の印加を実現することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、1水平走査期間を、本書き込み期間と加速電圧書き込み期間とで2等分する場合について説明したが、加速電圧は正確な電圧にならなくても良いことから、加速電圧書き込み期間を本書き込み期間に比べて短く設定することもできる。また、加速電圧での画素極性を本書き込みの画素極性と同じにすることで、本書き込みが容易になる。これらにより、本書き込み期間が短いことに起因する書き込み不足を抑制することができる。
さらに、上記第1の実施形態においては、加速電圧VODを温度によらず一定とする場合について説明したが、温度が高くなるにしたがって、加速電圧値や加速電圧の印加時間を小さくする制御を付け加えることもできる。この場合にも、電圧、時間の一方あるいは両方の温度に関する関数(又はテーブル)を用意するだけで実現可能であり、フレームメモリは不要であるため、回路規模が大きくなる心配はない。これにより、例えば使用温度が高くなり、液晶の粘性が低くなった場合であっても、加速電圧による光学応答が階調表示に影響することを防止することができる。
次に、本発明における第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において、走査線を順次駆動して加速電圧を印加しているのに対し、複数本の走査線を同時に駆動して加速電圧を印加するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態における電気光学装置1は、走査線駆動回路10の駆動方式が第1の実施形態における走査線駆動回路10と異なる点を除いては、前述した第1の実施形態と同様の構成を有するため、構成の異なる部分を中心に説明する。
走査線駆動回路10は、制御回路30から供給される制御信号にしたがって、走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y320をこの順番でHレベルとし、実際に表示させようとする階調に見合った電圧を書き込む所謂本書き込みを行うために、走査線311を順次駆動する。
また、走査線駆動回路10は、上記本書き込みの前に所定の加速電圧VODを書き込むために、走査信号Y1とY3、Y2とY4、Y5とY7、…、Y318とY320をこの順
番で2つずつHレベルとする。即ち、本実施形態では、1Hライン反転駆動方式を採用するものとし、同一極性の画像信号を供給する画素に対応した近接する2つの走査線に対して、加速電圧書き込みを行うための選択電圧を同時に供給するものとする。ここで、加速電圧VODは、前述した第1の実施形態と同様に、白表示に必要な電圧に設定する。
つまり、走査線駆動回路10は、1フレーム期間に走査線311を所定期間の間隔をもって2回駆動する。このとき、上記所定期間は各走査線311で異なる期間となる。また、本書き込みを行う走査線311と加速電圧書き込みを行う走査線311とは互いに重畳しないように駆動するものとする。
次に、第2の実施形態の動作について説明する。
図5は、第2の実施形態の動作を説明するためのタイムチャートである。
この図5において、Yiはi行目の走査線311の信号、Xjはデータ線211の信号(TFT241のソース電圧)である。また、Vcは正極性書込における画像信号および負極性書込における画像信号の中心電圧である。
あるフレーム期間において、時刻t21から時刻t22までの間、走査線駆動回路10によって最初にi行目とi+2行目の走査線311が選択されて、走査信号YiとYi+2がHレベルとなる。このとき、走査信号Yi及びYi+2がHレベルとなるタイミングで、データ線駆動回路20は、各データ線211に加速電圧VODに対応したデータ信号X1、X2、X3、…、X240を供給する。
走査信号Yi及びYi+2がHレベルになると、i行目とi+2行目の走査線311に対応する画素におけるTFT241がオンするので、これらの画素電極231には、データ信号X1、X2、X3、…、X240が印加される。これにより、i行1列〜i行240列とi+2行1列〜i+2行240列の画素容量130及び蓄積容量140の並列容量には、それぞれ加速電圧VODに応じた負極性の電圧が書き込まれる。
次に、時刻t23から時刻t24までの間、走査線駆動回路10によってi+1行目とi+3行目の走査線311が選択されて、走査信号Yi+1とYi+3がHレベルとなる。このとき、走査信号Yi+1及びYi+3がHレベルとなるタイミングで、データ線駆動回路20は、各データ線211に加速電圧VODに対応したデータ信号X1、X2、X3、…、X240を供給する。これにより、i+1行1列〜i+1行240列とi+3行1列〜i+3行240列の画素容量130及び蓄積容量140の並列容量には、それぞれ加速電圧VODに応じた正極性の電圧が書き込まれる。
そして、時刻t24から時刻t25までの間、走査線駆動回路10によってi行目の走査線311が選択されて、走査信号YiがHレベルとなる。このとき、走査信号YiがHレベルとなるタイミングで、データ線駆動回路20は、各データ線211に、i行目の走査線311に対応する画素の表示データDaで指定された電圧のデータ信号X1、X2、X3、…、X240をそれぞれ供給する。これにより、i行1列〜i行240列の画素容量130及び蓄積容量140の並列容量には、それぞれ表示階調に応じた負極性の電圧が書き込まれる。
また、時刻t25から時刻t26までの間、走査線駆動回路10によってi+1行目の走査線311が選択されて、走査信号Yi+1がHレベルとなる。このとき、走査信号Yi+1がHレベルとなるタイミングで、データ線駆動回路20は、各データ線211に、i+1行目の走査線311に対応する画素の表示データDaで指定された電圧のデータ信号X1、X2、X3、…、X240をそれぞれ供給する。これにより、i+1行1列〜i+1行240列の画素容量130及び蓄積容量140の並列容量には、それぞれ表示階調に応じた正極性の電圧が書き込まれる。
同様に、時刻t26から時刻t27までの間、i+2行1列〜i+2行240列の画素容量130及び蓄積容量140の並列容量に、それぞれ表示階調に応じた負極性の電圧が書き込まれ、時刻t28から時刻t29までの間、i+3行1列〜i+3行240列の画素容量130及び蓄積容量140の並列容量に、それぞれ表示階調に応じた正極性の電圧が書き込まれる。
すなわち、i行目の走査線311に着目すると、時刻t21で各データ線311に加速電圧VODが書き込まれるため、この時刻t21から本書き込みがなされる時刻t24までの2H期間は、各データ線311に印加される電圧は加速電圧VODを維持する。また、時刻t24から次の加速電圧書き込みが行われるまでの期間は、各データ線311に印加される電圧はそれぞれ表示階調に応じた画素電圧を維持する。
また、i+1行目の走査線311に着目すると、時刻t23で各データ線311に加速電圧VODが書き込まれるため、この時刻t23から本書き込みがなされる時刻t25までの4/3H期間は、各データ線311に印加される電圧は加速電圧VODを維持する。また、時刻t25から次の加速電圧書き込みが行われるまでの期間は、各データ線311に印加される電圧はそれぞれ表示階調に応じた画素電圧を維持する。
このように、それぞれ本書き込みが行われる所定期間(i行目の走査線311の場合は2H、i+1行目の走査線311の場合は4/3H)前に、加速電圧書き込みがなされる。
なお、図示しないが、時刻t22から時刻t23までの間は、i−1行目の走査線311の本書き込みが行われている。また、時刻t27から時刻t28までの間は、i+4行目とi+6行目の走査線311の加速電圧書き込みが行われており、時刻t29から時刻t30までの間は、i+5行目とi+7行目の走査線311の加速電圧書き込みが行われている。
このように、本書き込みを行う走査線311と加速電圧書き込みを行う走査線311とを互いに重畳しないように駆動している。ここで、本実施形態における本書き込み期間は、一般的なオーバードライブ駆動の3分の2(1Hの3分の2)程度となる。これを以下に詳述する。
本実施形態では、同時に2本の走査線311を駆動して加速電圧VODを印加するため、図5の時刻t24からt30までの4H期間に、本書き込みを4回、加速電圧書き込みを2回行うことになる。したがって、本書き込み期間と加速電圧書き込み期間とを等期間に設定した場合であっても、本書き込み期間は2/3Hを確保することができる。
一方、前述した第1の実施形態では、1本ずつ走査線311を駆動して順次加速電圧VODを印加するため、図3の時刻t8からt13までの4H期間に、本書き込み及び加速電圧書き込みをそれぞれ4回ずつ行う必要がある。したがって、本書き込み期間と加速電圧書き込み期間とを等期間に設定した場合、本書き込み期間は1/2Hとなる。
このように、上記第2の実施形態では、走査線駆動回路は、同一極性の画像信号を供給する近接した複数の走査線に選択電圧を同時に供給し、データ線駆動回路は、複数の走査線に対応する画素に加速電圧を同時に印加するので、本書き込み期間を確保したまま、加速電圧を印加する期間を捻出することができる。そのため、低温時など、画素スイッチング素子の書き込み能力が低下した場合であっても、書き込み不足を抑制することができる。
なお、上記第2の実施形態においては、同時に2本の走査線311を駆動して加速電圧を印加する場合について説明したが、同時に3本以上の走査線311を駆動して加速電圧
を印加することもできる。このとき、同時選択する走査線311は、書き込み電圧の極性が同一な近接した走査線311であればよい。
また、上記第2の実施形態においては、本書き込み期間と加速電圧書き込み期間とを等期間に設定する場合について説明したが、加速電圧は正確な電圧にならなくても良いことから、加速電圧書き込み期間を本書き込み期間に比べて短く設定することもできる。これにより、本書き込み期間が短いことに起因する書き込み不足をより抑制することができる。
さらに、上記第2の実施形態においては、温度が高くなるにしたがって、加速電圧値や加速電圧の印加時間を小さくする制御を付け加えることもできる。これにより、例えば使用温度が高くなり、液晶の粘性が低くなった場合であっても、加速電圧による光学応答が階調表示に影響することを防止することができる。
次に、本発明における第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、前述した第1及び第2の実施形態において、本書き込みより手前でデータ線を介して加速電圧を印加することで画素電圧の絶対値を大きくしているのに対し、容量線の電圧を変化させることで、本書き込みより手前で画素電圧の絶対値を大きくするようにしたものである。
図6は、第3の実施形態における画素120の構成を示す図である。
この図6に示すように、各画素120は、画素容量(液晶容量)130と、スイッチング素子として機能するnチャンネル型の薄型トランジスタ(以下、TFTと称す)241とを有する。各画素120については互いに同一構成であるため、i行j列に位置するもので代表して説明すると、当該i行j列の画素120において、TFT241のゲートはi行目の走査線311に接続され、そのソースはj列目のデータ線211に接続され、そのドレインは画素容量130の一端たる画素電極231に接続されている。
また、画素容量130の他端は、コモン電極110である。このコモン電極110にはコモン電圧Vcomが印加されており、全ての画素120にわたって共通である。
そして、画素容量130では、画素電極231とコモン電極110との差電圧が保持されると共に、画素容量130の透過(または反射)光量が、当該保持電圧の実効値に応じて変化する構成となっている。
また、各画素120には、蓄積容量140が形成されている。この蓄積容量140の一端は、画素電極231(TFT241のドレイン)に接続され、その他端は、i行目の容量線251に接続されている。ここで、画素容量130及び蓄積容量140における容量値を、それぞれCpix及びChとする。
すなわち、本実施形態では、画素120を構成する容量線251が、走査線毎に対応して設けられており、これらの容量線251の電圧は、図示しない容量線駆動回路によって行ごとに個別に駆動可能となっている。そして、本書き込み前の所定期間、容量線251の電圧を変化させるように構成されている。なお、このときの極性はどちらでもよい。
次に、第3の実施形態の動作について説明する。
図7は、第3の実施形態の動作を説明するタイムチャートである。
この図7において、Yiはi行目の走査線311の信号、Xjはデータ線211の信号(TFT241のソース電圧)、Vhは容量線251の電圧である。また、Vcは正極性書込における画像信号および負極性書込における画像信号の中心電圧である。なお、ここでは、説明を簡略化するために、加速電圧書き込みの4H後に、本書き込みが行われるものとする。
i行目の走査線311について着目すると、先ず、時刻t31で、容量線駆動回路によって容量線251の電圧をΔVhだけ変化させる。そして、時刻t32から時刻t33までの間、走査線駆動回路10によってi行目の走査線311が選択されて、走査信号YiがHレベルとなる。このとき、走査信号YiがHレベルとなるタイミングで、データ線駆動回路20は、各データ線211に、i行目の走査線311に対応する画素の表示データDaで指定された電圧のデータ信号X1、X2、X3、…、X240をそれぞれ供給する。これにより、i行1列〜i行240列の画素容量130及び蓄積容量140の並列容量には、それぞれ表示階調に応じた正極性の電圧が書き込まれる。
これにより、i行目の走査線311に対応した画素120の画素電圧の絶対値は、図中ハッチング部に示すように、容量線251の電圧Vhを変化させた時刻t31から本書き込みが行われる時刻t32までの4H期間、容量線251の電圧Vhを変化させる前と比較して大きくなる。そして、時刻t32から次の容量線251の電圧変化が行われるまでの期間は、画素電圧の絶対値は、表示階調に応じた大きさを維持する。このように、本書き込みが行われる前の一定期間(ここでは、4H)、加速電圧VODの印加に相当する画素電圧の変化ΔVpixが行われて、加速電圧書き込みがなされる。
ここで、画素電圧の変化ΔVpixは、概ね次式で表される。
ΔVpix=(Ch/(Ch+Cpix))・ΔVh ………(1)
このように、上記第3の実施形態では、走査線駆動回路により選択電圧を供給する前の所定期間、容量線の電圧を変化させるので、本書き込みより手前の所定期間、画素電圧の絶対値を容量線の電圧を変化させる前と比較して大きくして、画素に所定の加速電圧を印加することができる。そのため、フレームメモリやルックアップテーブル等を設けることなく、表示パネルの応答を早めて画像表示の品質を向上させることができる。
また、本書き込み期間を全く短くすることなく、加速電圧を印加する期間を捻出することができるため、低温時など、画素スイッチング素子の書き込み能力が低下した場合であっても、書き込み不足を確実に防止することができる。
なお、表示階調に応じた電圧に所定の電圧だけ加減算した電圧を本書き込み時に画素に印加しておき、本書き込みから所定の期間が経過した後に、容量線の電圧を変化させて、画素電圧の絶対値を小さくし、表示階調に応じた画素電圧にすることでも、同様に表示パネルの応答を早めることが出来、同様の効果を得る。
なお、上記第3の実施形態においては、温度が高くなるにしたがって、容量線251の電圧変化量や電圧変化時間を小さくする制御を付け加えることもできる。これにより、例えば使用温度が高くなり、液晶の粘性が低くなった場合であっても、加速電圧による光学応答が階調表示に影響することを防止することができる。
なお、上記各実施形態においては、走査線駆動回路10で、飛び越し走査方式(インタレース方式)による駆動方式を採用することもできる。これにより、加速電圧の印加に伴って駆動電圧に生じる光学応答のリップルの見かけ上の周波数を高くすることができ、当該リップルに起因するチラツキ等の発生を抑制して、表示パネルの表示性能を向上させることができる。また、この場合、1行ずつ飛び越し走査をする場合に限らず、隣接する複数本の走査線を飛び越して走査することもできる。
また、上記各実施形態においては、本発明を、液晶を用いた電気光学装置に適用する場合について説明したが、液晶以外の電気光学物質を用いた電気光学装置に適用することもできる。例えば、有機ELや発光ポリマーなどのOLED素子を電気光学物質として用いた表示パネルや、着色された液体とこの液体に分散された白色の粒子とを含むマイクロカプセルを電気光学物質として用いた電気泳動表示パネル、極性が相違する領域ごとに異なる色に塗り分けられたツイストボールを電気光学物質として用いたツイストボールディス
プレイパネル、黒色トナーを電気光学物質として用いたトナーディスプレイパネル、ヘリウムやネオン等の高圧ガスを電気光学物質として用いたプラズマディスプレイパネルなど、各種の電気光学装置に対して本発明を適用することができる。
次に、上述した電気光学装置1を適用した電子機器について説明する。
図8は、電気光学装置1を適用した携帯電話1200の構成を示す斜視図である。
この図8に示すように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1201のほか、受話口1202、送話口1203とともに、上述した表示領域100を備えるものである。なお、電気光学装置1のうち、表示領域100以外の構成要素については電話器に内蔵されるので、外観としては現れない。
また、電気光学装置1が適用される電子機器としては、図8に示される携帯電話の他にも、デジタルスチルカメラや、ノートパソコン、液晶テレビ、ビューファインダ型(またはモニタ直視型)のビデオレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示装置として、上述した電気光学装置1が適用可能であることは言うまでもない。
第1の実施形態における電気光学装置の構成を示すブロック図ある。 画素の構成を示す図である。 第1の実施形態の動作を説明するためのタイムチャートである。 一般的なオーバードライブ駆動と本実施形態におけるオーバードライブ駆動との違いを示す概念図である。 第2の実施形態の動作を説明するためのタイムチャートである。 第3の実施形態における画素の構成を示す図である。 第3の実施形態の動作を説明するためのタイムチャートである。 本発明の電気光学装置を適用した携帯電話を示す図である。
符号の説明
1…電気光学装置、10…走査線駆動回路、20…データ線駆動回路、30…制御回路、110…コモン電極、120…画素、130…画素容量、140…蓄積容量、211…データ線、231…画素電極、241…TFT、251…容量線、311…走査線、1200…携帯電話

Claims (7)

  1. 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素と、を備える電気光学装置において、
    前記画素に、表示階調に応じた画素電圧を印加する直前の1フレーム期間より短い所定期間、常に所定の電圧を印加することを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記走査線に対して所定の順番で選択電圧を供給する走査線駆動回路と、
    選択された走査線に対応する画素に対し、所定の信号を、前記データ線を介して供給するデータ線駆動回路と、を備え、
    前記走査線駆動回路は、前記走査線に選択電圧を順次供給する第1の選択回路と、該第1の選択回路による選択電圧の供給の1フレーム期間より短い所定期間前に、前記走査線に選択電圧を供給する第2の選択回路とを有し、
    前記データ線駆動回路は、前記第1の選択回路で選択された走査線に対応する画素に対し、前記画素電圧に対応した画像信号を、前記データ線を介して供給し、前記第2の選択回路で選択された走査線に対応する画素に対し、前記所定の電圧に対応した信号を、前記データ線を介して供給することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記第2の選択回路は、前記走査線に選択電圧を順次供給することを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記データ線駆動回路は、周期的に極性反転させた画像信号を前記画素に対して供給するものであって、前記第2の選択回路は、同一極性の画像信号を供給する画素に対応した近接する複数の走査線に、選択電圧を同時に供給することを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  5. 前記画素は、データ線、走査線、及び画素電極に接続されると共に、接続された当該走査線が選択されたときに前記画素電極が前記データ線と導通状態となる画素スイッチング素子と、前記画素電極とコモン電極との間に介挿された画素容量と、前記画素電極と前記走査線毎に設けられた容量線との間に介挿された蓄積容量と、を有し、
    前記走査線に対して所定の順番で選択電圧を順次供給する走査線駆動回路と、
    選択された走査線に対応する画素に対し、当該画素の表示階調に応じた画像信号を、前記データ線を介して供給するデータ線駆動回路と、
    前記走査線駆動回路により前記選択電圧を供給する前又は後の1フレーム期間より短い所定期間、前記容量線の電圧を変化させることで、前記画素に前記所定の電圧を印加する容量線駆動回路と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  6. 前記請求項1乃至5の何れか1項に記載の電気光学装置を備える電気機器。
  7. 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素と、を備える電気光学装置の駆動方法において、
    前記画素に、表示階調に応じた画素電圧を印加する直前の1フレーム期間より短い所定期間、常に所定の電圧を印加することを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
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