JP2008275891A - レンズアレイ作成用マスクおよびレンズアレイ作成方法 - Google Patents

レンズアレイ作成用マスクおよびレンズアレイ作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画素サイズの微細化に伴う光利用効率の低下を抑制できるレンズアレイを作成するためのレンズアレイ作成用マスクを提供すること。
【解決手段】イメージセンサに使用される複数の球面レンズを備えてなるレンズアレイを作成するためのレンズアレイ作成用マスクは、透明基板1と、前記複数の球面レンズに対応した透明基板1上の複数のパターン領域P1,P2であって、複数の第1のパターン領域P1と複数の第2のパターン領域P2とを含み、これらの複数の第1および第2のパターン領域P1,P2が市松模様状に配置された前記複数のパターン領域と、第1のパターン領域P1を通過した光の位相と第2のパターン領域P2を通過した光との位相差が180°となるように、第2のパターン領域P2に設けられた位相変換手段3とを備えている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、複数の球面レンズを備えてなるレンズアレイ作成用マスクおよびレンズアレイ作成方法に関する。
CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサなどのイメージセンサには、光利用効率を高める目的のために、マイクロレンズアレイが使用されている。マイクロレンズアレイは、二次元的に配列された複数の微細なレンズ(マイクロレンズ)で構成されている。イメージセンサの画素毎に形成されたマイクロレンズは、オンチップマイクロレンズと呼ばれる。
マイクロレンズの作成は、半導体プロセスで使用されているフォトリソグラフィ技術を用いて行われている(特許文献1)。しかしながら、画素サイズが2μm以下という微細な寸法になると、従来のマイクロレンズの作成方法では、期待通りの光利用効率を有するマイクロレンズアレイを作成することが困難となる。
特開平10−74927号公報
本発明の目的は、画素サイズの微細化に伴う光利用効率の低下を抑制できるレンズアレイを作成するためのレンズアレイ作成用マスクおよびレンズアレイ作成方法を提供することにある。
本発明に係るレンズアレイ作成用マスクは、複数の球面レンズを備えてなるレンズアレイを作成するためのレンズアレイ作成用マスクであって、透明基板と、前記複数の球面レンズに対応した前記透明基板上の複数のパターン領域であって、複数の第1のパターン領域と複数の第2のパターン領域とを含み、これらの複数の第1および第2のパターン領域が市松模様状に配置された前記複数のパターン領域と、前記第1のパターン領域を通過した光の位相と前記第2のパターン領域を通過した光との位相差が180°となるように、前記第2のパターン領域に設けられた位相変換手段とを具備してなることを特徴とする。
本発明に係るレンズアレイ作成方法は、本発明に係るレンズアレイ作成用マスクを用いてレジスト膜を露光する工程と、前記レジスト膜を現像する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、画素サイズの微細化に伴う光利用効率の低下を抑制できるレンズアレイを作成するためのマイクロレンズ作成用マスクおよびマイクロレンズアレイを含む半導体装置の製造方法を実現できるようになる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
本発明者等は、画素サイズが2μm以下という微細な寸法になると、従来のマイクロレンズの作成方法では、期待通りの光利用効率を有するマイクロレンズアレイを作成することが困難となる原因を突き止めた。以下、この点についてさらに説明する。
従来のマイクロレンズの作成方法で、図1に示されるようなグレーティングマスクが使用されている。図1において、黒色の領域はクロム等で形成された遮光部を示している。遮光部のX方向およびY方向のピッチは一定である。グレーティングマスクは、一レンズ分(一画素分)に対応する、遮光部を有するパターン領域が、二次元的(X方向、Y方向)にマトリクス状に配置された構成を備えている。
図2に、一レンズ分(一画素分)に対応するパターン領域内の遮光部の分布密度の一例を示す。図2では、パターン領域内が四つの領域R1−R4に分けられた例が示されている。領域R1、領域R2、領域R3、領域R4の順で遮光部の割合が高くなっている(遮光部の面積割合はR1<R2<R3<R4、透過光量的にはR1>R2>R3>R4)。すなわち、パターン領域内の中心部を通過する光の光量が最も多く(図2では最大)、中心部から離れるに従って通過する光の光量が少なくなるように、遮光部の分布密度は決められている。グレーティングマスクは、このような遮光部の分布密度を有するパターン領域が、図1に示されるように、二次元的(X方向、Y方向)にマトリクス状に配置された構成を備えている。なお、図1では、パターン領域内に設けられた複数の矩形状の遮光部において、パターン領域の中心から離れるに従って遮光部の寸法を大きくすることで、上記分布密度を実現している。
図3は、このような従来のグレーティングマスクを用いて作成された、画素サイズが2μmの隣り合う二つのマイクロレンズML1,ML2を模式的に示す断面図である。図3に示すように、レンズ間の円弧が隣り合っている部分、つまり、急峻な形状変化(パターン変化)を示す部分では形状がだれている。形状がだれている部分(無効領域)はレンズとして機能せず、これが光利用効率の低下の原因となる。
そこで、本発明者等は、上記事情を考慮して、マイクロレンズ作成用マスクの一つとして、図4に示されるグレーティングマスクを提案する。
図4の実施形態のグレーティングマスクが、図3の従来のグレーティングマスクと異なる点は、位相シフタが設けられていない第1のパターン領域P1と位相シフタが設けられた第2のパターン領域P2とが上下左右に交互に配置され、市松模様状に配置されていることにある。第1のパターン領域P1および第2のパターン領域P2はそれぞれマイクロレンズアレイの一マイクレンズ分(一画素分)に相当する領域である。図4において、位相シフタ下の遮光部は白色の領域で示されている。
図5を用いて、実施形態のグレーティングマスクの効果について説明する。図5において、1は実施形態のグレーティングマスクの一部を構成する透明基板、2は同グレーティングマスクの一部を構成する遮光膜、3は同グレーティングマスクの一部を構成する位相シフタ、10は同グレーティングマスクに照射される光(露光光)を示している。透明基板1は例えば石英ガラス基板、遮光膜2は例えばクロム膜、位相シフタ3は例えばシリコン窒化膜またはシリコン酸化膜で構成されている。
第1のパターン領域P1を通過した光11は光10に対して位相変化はないが、第2のパターン領域P2を通過した光12は光10に対して180度位相が変化する。なお、図5では、簡単のため、一つの第1のパターン領域P1と一つの第2のパターン領域P2としか示していないが、実際には、複数の第1のパターン領域P1と複数の第2のパターン領域P2とが市松模様状に配置される。
光11および光12は、グレーティングマスク下に配置されている、マイクロレンズアレイとなるレジスト膜に照射される。このとき、レンズ間の円弧が隣り合う部分、つまり、急峻な形状変化(パターン変化)を示す部分では、光11と光12とが相殺し合い、この部分では光強度は十分に弱められる。その結果、レジスト膜上においては、図5に示されるような光強度分布13が形成される。本実施形態のマイクロレンズの作成方法では、上記レジスト膜はネガタイプである。一方、上述した従来のマイクロレンズの作成方法では、ネガタイプおよびポジタイプのいずれのレジスト膜も使用可能である。
光強度分布13を有する光で露光されたレジスト膜を現像したところ、図6に示すように、レンズ間の円弧が隣り合っている部分、つまり、急峻な形状変化(パターン変化)を示す部分においてもパターン変化が忠実に反映されたマイクロレンズML1,ML2が得られた。すなわち、複数の球面型レンズとして機能するマイクロレンズを無効領域なく配置されてなるマイクロレンズアレイを実現できることが確認された。
なお、光12の光量は位相シフタ3の影響で光11の光量からずれる。これは例えば位相シフタ3の透過率が著しく低い場合に起こる。このとき、光12の光量と光11の光量との差(光量ずれ)を抑制する必要がある場合(例えば位相シフタ3によるレンズ形状の劣化を抑制することが必要となる場合)には、位相シフタ3が設けられた領域内の遮光部の分布密度、配置、形状、透過率などを最適化すれば良い。基本的には、位相シフタ3が設けられた分だけ光量が減少するので、光量の減少が抑制されるように、遮光部の分布密度、配置、形状、透過率などは最適化される。
例えば、図2の場合、領域R1〜領域R4を通過する光のうち、領域R1を通過した光の光量が最も多くなければいけないので、領域R1に配置される遮光部の寸法を小さくして、遮光部の分布密度を下げる。また、領域R4に配置される遮光部のパターンを変えること(遮光パターンの補正)でも可能である。
また、位相シフタ3は光11にも影響を与える。例えば、光11の強度分布は図5に示された理想的な光強度分布からずれる。このような位相シフタ3の影響を無視できない場合には、位相シフタ3が設けられてない領域内の遮光部についても、遮光部の分布密度、配置、形状、透過率などを最適化すれば良い。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、X方向およびY方向と平行な断面において無効領域が生じない例の場合について説明したが、X方向およびY方向のどちらか一方と平行な断面だけに関してのみ無効領域が生じないように位相シフタを設けても、従来よりも光利用効率を高められる。また、図7に示すように、X軸に対して反時計方向に45°傾いた方向と平行な断面(A−A‘断面)において無効領域が生じないように位相シフタを設けても構わない。さらにまた、X方向、Y方向および上記45°傾いた方向と平行な断面において無効領域が生じないように位相シフタを設けても構わない。基本的には、なるべく無効領域が少なくなるように位相シフタを設けることが良い。
また、上記実施形態では、パターン領域内の複数の矩形状の遮光部をX方向およびY方向に配置する場合について説明したが、図8に示すように、同心円状に配置することで、上述した遮光部の分布密度を実現しても構わない。
また、位相シフタ3を設ける代わりに、透明基板1の表面に溝を掘ることでも位相差を180°にしても構わない。上記溝は遮光部側の表面に設けられる。
また、本発明の対象となるレンズ作成用マスクは、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサなどのイメージセンサにおけるマイクロレンズアレイ全般に適用可能である。さらに、本発明の対象となるマイクロレンズ作成用マスクは、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサなどのイメージセンサにおける層内レンズアレイ全般に適用可能である。なお、層内レンズアレイとは、マイクロレンズアレイ下に設けられるレンズアレイであって、マイクロレンズアレイと同様に光利用効率を高める目的で使用されるものである。
さらに、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
従来のグレーティングマスクを示す平面図。 一レンズ分(一画素分)に対応するパターン領域内の遮光部の分布密度の一例を示す図。 従来のグレーティングマスクを用いて作成された隣接する二つのマイクロレンズを示す断面図。 実施形態のグレーティングマスクを示す平面図。 実施形態のグレーティングマスクの効果を説明するための図。 実施形態のグレーティングマスクを用いて作成された隣接する二つのマイクロレンズを示す断面図。 実施形態の変形例を説明するための図。 実施形態の他の変形例を説明するための図。
符号の説明
ML1,ML2…マイクロレンズ、P1…第1のパターン領域、P2…第2のパターン領域、1…透明基板、2…遮光膜、3…位相シフタ(位相変換手段)、10,11,12…光、13…光強度分布。

Claims (5)

  1. 複数の球面レンズを備えてなるレンズアレイを作成するためのレンズアレイ作成用マスクであって、
    透明基板と、
    前記複数の球面レンズに対応した前記透明基板上の複数のパターン領域であって、複数の第1のパターン領域と複数の第2のパターン領域とを含み、これらの複数の第1および第2のパターン領域が市松模様状に配置された前記複数のパターン領域と、
    前記第1のパターン領域を通過した光の位相と前記第2のパターン領域を通過した光との位相差が180°となるように、前記第2のパターン領域に設けられた位相変換手段と
    を具備してなることを特徴とするレンズアレイ作成用マスク。
  2. 前記球面レンズは、イメージセンサのマイクロレンズまたは層内レンズであることを特徴とする請求項1に記載のレンズアレイ作成用マスク。
  3. 前記位相変換手段は、位相シフタまたは前記透明基板に設けられた溝であることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズアレイ作成用マスク。
  4. 前記第1のパターン領域は複数の第1の遮光部を備え、前記第2のパターン領域は複数の第2の遮光部を備え、前記複数の第1の遮光部の分布密度と前記複数の第2の遮光部の分布密度とが異なることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のレンズアレイ作成用マスク。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のレンズアレイ作成用マスクを用いてレジスト膜を露光する工程と、
    前記レジスト膜を現像する工程と
    を含むことを特徴とするレンズアレイ作成方法。
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