JP2008275129A - 固定式等速自在継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高作動角、高トルク負荷時においても、円滑な回転を確保することができると共にケージへの負荷を低減する。
【解決手段】 内球面に軸方向に延びる複数のトラック溝が円周方向に形成された外輪と、外球面13に外輪のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝14が円周方向に形成され、複数の外球面部19が円周方向に配設された内輪15と、外輪のトラック溝と内輪15のトラック溝14との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外輪の内球面と内輪15の外球面13との間に介在してボールを保持するポケットが円周方向に形成されたケージとを備え、内輪15の複数の外球面部19のうち、少なくとも一つの外球面部19は、軸方向全長に亘って切欠き20aを形成することにより外球面13aの円周方向幅W1を他の外球面部19の外球面13の円周方向幅W2よりも小さくする。
【選択図】 図5
【解決手段】 内球面に軸方向に延びる複数のトラック溝が円周方向に形成された外輪と、外球面13に外輪のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝14が円周方向に形成され、複数の外球面部19が円周方向に配設された内輪15と、外輪のトラック溝と内輪15のトラック溝14との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外輪の内球面と内輪15の外球面13との間に介在してボールを保持するポケットが円周方向に形成されたケージとを備え、内輪15の複数の外球面部19のうち、少なくとも一つの外球面部19は、軸方向全長に亘って切欠き20aを形成することにより外球面13aの円周方向幅W1を他の外球面部19の外球面13の円周方向幅W2よりも小さくする。
【選択図】 図5
Description
本発明は、例えば自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用されるもので、駆動側と従動側の二軸間で作動角度変位のみを許容する固定式等速自在継手に関する。
例えば、自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達する手段として使用される等速自在継手の一種に固定式等速自在継手がある。この固定式等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し得る構造を備えている。一般的に、前述した固定式等速自在継手としては、バーフィールド型(BJ)やアンダーカットフリー型(UJ)が広く知られている。
例えば、BJタイプの固定式等速自在継手は、内球面に軸方向に延びる複数のトラック溝が円周方向等間隔に形成された外側継手部材としての外輪と、外球面に外輪のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝が円周方向等間隔に形成された内側継手部材としての内輪と、外輪のトラック溝と内輪のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外輪の内球面と内輪の外球面との間に介在してボールを保持するケージとを備えている。
各ボールは、ケージに形成された複数のポケットのそれぞれに収容されて円周方向等間隔に配置されている。また、これら内輪、ボールおよびケージからなる内部部品は、外輪の内部に相対動作可能に収容されている。内輪は、外球面が形成された複数の突状部をトラック溝間に有する形状となっている。
この種の等速自在継手を、例えば自動車のドライブシャフトに使用した場合、外輪を従動軸に連結し、内輪に車体側のディファレンシャルに取り付けられた摺動式等速自在継手から延びる駆動軸をスプライン嵌合で連結した構造が一般的である。この等速自在継手では、外輪と内輪との間に作動角が付与されると、ケージに収容されたボールは常にどの作動角においても、その作動角の二等分面内に維持され、継手の等速性が確保される。
この固定式等速自在継手において、内輪は、一般的に以下の要領でもってケージに組み付けられる。まず、ケージの軸方向に対して内輪を90°回転させた向きに相対配置した上で、内輪のトラック溝間に位置する突状部をケージのポケットの一つに落とし込んだ状態でケージ内に内輪を挿入し、内輪の中心とケージの中心とが一致したところで内輪をケージの軸方向に対して90°回転させることにより、ケージの軸線に内輪の軸線を一致させて正規の姿勢で配置する(例えば、特許文献1,2参照)。
ドイツ特許DE19514868C1
特開平9−177810号公報
特許第3678026号公報
ところで、前述した特許文献1,3で開示されているように、内輪のケージへの組み付けにおいて、内輪の突状部をケージのポケットに落とし込むことを容易にするため、内輪の外球面の外輪開口側端部に大きな切欠き部を形成するようにしている。また、このような組み付けにおいては、内輪の突状部をケージのポケットに落とし込むため、ケージのポケットの大きさは、落とし込む内輪の突状部よりも大きくなくてはならない。
しかしながら、外球面の外輪開口側端部に大きな切欠き部を形成した内輪形状の場合、前述の切欠き部を形成した分だけ内輪の外球面がケージの内球面に当接する接触角度(軸方向角度)が小さくなる。なお、接触角度とは、内輪の外球面とケージの内球面とが当接する部位の軸方向両端位置が継手中心に対してなす角度を意味する。また、上述のように、ケージのポケット部の大きさが、落とし込む内輪の突状部の大きさにより制限されてしまう。
このように、内輪の外球面がケージの内球面に当接する接触角度が、外球面の外輪開口側端部に切欠き部を形成していない内輪形状の場合よりも小さくなると、継手が高作動角をとり、高トルクが負荷された場合、過大な負荷によるケージの変形を内輪の外球面で支えることが困難となる。
その結果、継手の円滑な回転を得ることが困難となって継手の作動性を損なう可能性があり、また、ケージの強度が低下する可能性がある。ケージの強度を向上させるには、ケージのポケットの大きさを小さくして、開口部面積を小さくすれば良いが、落とし込む内輪の突状部よりも小さくできないため、現状では、ケージの強度向上は困難である。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、高作動角、高トルク負荷時においても、円滑な回転を確保することができると共にケージへの負荷を低減し得る固定式等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明に係る固定式等速自在継手は、内球面に軸方向に延びる複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外球面に外側継手部材のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝が形成され、複数の外球面部が円周方向に配設された内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外側継手部材の内球面と内側継手部材の外球面との間に介在してボールを保持するポケットが円周方向に形成されたケージとを備え、内側継手部材の複数の外球面部のうち、少なくとも一つの外球面部は、軸方向全長に亘って切欠きを形成することにより外球面の円周方向幅を他の外球面部よりも小さくしたことを特徴とする。
ここで、内側継手部材の「外球面部」とは、複数のトラック溝間に配設され、径方向外側に向けてトラック溝底から隆起した突状部位を意味し、その突状部位の外周球状面を「外球面」と称す。
この固定式等速自在継手において、内側継手部材をケージに組み付けるに際しては、内側継手部材の外球面部をケージのポケットの一つに落とし込んだ状態でその内側継手部材をケージに挿入するようにしている。
本発明では、内側継手部材の複数の外球面部のうち、少なくとも一つの外球面部は、軸方向全長に亘って切欠きを形成することにより外球面の円周方向幅を他の外球面部よりも小さくし、内側継手部材のケージへの組み付け時、外球面の円周方向幅を他の外球面部よりも小さくした外球面部をケージのポケットに落とし込むようにする。
このように、少なくとも一つの外球面部について、その外球面の円周方向幅を他の外球面部よりも小さくしたことにより、外球面の円周方向幅を小さくした分だけ、ケージにおける全てのポケットの開口面積を小さくすることができるので、ケージの強度向上が図れる。
なお、本発明では、「少なくとも一つの外球面部」としたことにより、例えば、全ての外球面部について、その外球面の円周方向幅を小さくすれば、内側継手部材のケージへの組み付け時、ポケットに対して落とし込む内側継手部材の外球面部を位置合わせする必要がないので、組み付け作業性の向上が図れる。
また、内側継手部材の複数の外球面部のうち、180°対向位置にある二つの外球面部について、軸方向全長に亘って切欠きを形成することにより外球面の円周方向幅を他の外球面部よりも小さくすれば、内側継手部材のケージへの組み付け時、二つの外球面部の両方をケージの180°対向位置にある二つのポケットにそれぞれ落とし込むことができるので、内側継手部材のケージへの組み付けが容易となる。
なお、本発明は、軸方向の縦断面が単一の円弧面形状を有するトラック溝を持つ外側継手部材および内側継手部材を具備したバーフィールド型の固定式等速自在継手(BJ)や、軸方向と平行な直線部分を有するトラック溝を持つ外側継手部材および内側継手部材を具備したアンダーカットフリー型の固定式等速自在継手(UJ)のいずれにも適用可能である。
本発明では、内側継手部材の複数の外球面部のうち、少なくとも一つの外球面部は、軸方向全長に亘って切欠きを形成することにより外球面の円周方向幅を他の外球面部よりも小さくしたことにより、内側継手部材のケージへの組み付け時、その外球面の円周方向幅を他の外球面部よりも小さくした外球面部をケージのポケットに落とし込むようにする。
これにより、外球面の円周方向幅を小さくした分だけ、ケージにおける全てのポケットの開口面積を小さくすることができ、ケージの強度が向上する。その結果、継手が高作動角をとり、高トルクが負荷された場合でも、過大な負荷に対して十分なケージ強度を確保することができ、円滑に回転して作動性が良好で、信頼性の高い長寿命の固定式等速自在継手を提供できる。
本発明に係る固定式等速自在継手の実施形態を詳述する。図1に示す実施形態は、軸方向の縦断面が単一の円弧面形状を有するトラック溝を持つ外側継手部材および内側継手部材を具備したバーフィールド型の固定式等速自在継手(BJ)を例示する。
なお、図示しないが、軸方向と平行な直線部分を有するトラック溝を持つ外側継手部材および内側継手部材を具備したアンダーカットフリー型の固定式等速自在継手(UJ)についても適用可能である。また、これらバーフィールド型やアンダーカットフリー型以外のトラック溝形状を有する他の固定式等速自在継手にも適用可能である。
図1に示すBJタイプの固定式等速自在継手は、内球面10に軸方向に延びる複数のトラック溝11が円周方向等間隔に形成された外側継手部材としての外輪12と、外球面13に外輪12のトラック溝11と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝14が円周方向等間隔に形成された内側継手部材としての内輪15と、外輪12のトラック溝11と内輪15のトラック溝14との間に介在してトルクを伝達する複数のボール16と、外輪12の内球面10と内輪15の外球面13との間に介在してボール16を保持するケージ17とを備えている。
各ボール16は、ケージ17に形成された複数のポケット18のそれぞれに収容されて円周方向等間隔に配置されている。このボール16の数、換言すれば、トラック溝11,14、ケージ17のポケット18の数は任意であるが、例を挙げるならば5〜8である。この実施形態では、6個の場合を例示しているが、ボール16が8個の場合、コンパクトな等速自在継手を実現することができる。また、これら内輪15、ボール16およびケージ17からなる内部部品は、外輪12の内部に相対動作可能に収容されている。
このBJタイプの等速自在継手におけるトラック溝11,14は、軸方向の縦断面が単一の円弧面形状を有する。外輪12のトラック溝11の曲率中心O1および内輪15のトラック溝14の曲率中心O2は、ボール中心を含む継手中心Oに対して等距離fだけ軸方向逆向きにオフセットされている(トラックオフセット)。なお、外輪12の内球面10(ケージ17の外球面21)の曲率中心および内輪15の外球面13(ケージ17の内球面22)の曲率中心は前述の継手中心Oと一致している。このように、トラックオフセットを設けることにより、一対のトラック溝11,14でもって外輪12の奥側から開口側に向けて径方向間隔が徐々に増加する楔状のボールトラックが形成されている。
なお、UJタイプの等速自在継手では、外輪および内輪が、軸方向と平行な直線部分を有するトラック溝を持つ点でBJタイプの等速自在継手と異なるのみであり、他の構成部品についてはBJタイプの等速自在継手と同一である。
等速自在継手を、例えば自動車のドライブシャフトに使用した場合、外輪12を従動軸に連結し、車体側のディファレンシャルに取り付けられた摺動式等速自在継手から延びる駆動軸(シャフト)を内輪15にスプライン嵌合で連結した構造としている。この等速自在継手では、外輪12と内輪15との間に作動角が付与されると、ケージ17に収容されたボール16は常にどの作動角においても、その作動角の二等分面内に維持され、継手の等速性が確保される。
この等速自在継手の製造において、内輪15は、次の要領でもってケージ17に組み付けられる。つまり、ケージ17の軸方向に対して内輪15を90°回転させた向きに相対配置した上で、図2〜図4に示すようにその内輪15のトラック溝14間に位置する一つの外球面部19をケージ17のポケット18の一つに落とし込んだ状態でその内輪15をケージ17に挿入するようにしている。
その後、図示しないが、内輪15の中心とケージ17の中心とが一致したところで内輪15をケージ17の軸方向に対して90°回転させることにより、ケージ17の軸線に内輪15の軸線を一致させて正規の姿勢で配置する。
この等速自在継手の一部品である内輪15,115を図5(a)(b)および図6(a)(b)に示す。図5(a)(b)は図1に示す等速自在継手に組み込まれた本発明品としての内輪15〔(a)は内輪15の正面図、(b)は内輪15の側面図〕を示し、その本発明品と比較するため、従来品としての内輪115〔(a)は内輪115の正面図、(b)は内輪115の側面図〕を図6(a)(b)に示す。
本発明品における内輪15と従来品における内輪115は、複数のトラック溝14,114間に配設され、径方向外側に向けてトラック溝底から隆起した複数の突状部位を有し、以下の説明において、外球面部19,119はこの突状部位を指し、外球面13,113はその突状部位である外球面部19,119の外周球状面を指す。
従来品の内輪115は、図6(a)(b)に示すように、全ての外球面部119について同一形状の外球面113を有する。これに対して、本発明品の内輪15は、図5(a)(b)に示すように、複数の外球面部19のうち、一つの外球面部19について軸方向全長に亘って切欠き20aを形成することによりその外球面13aの円周方向幅W1を他の外球面部19における外球面13の円周方向幅W2よりも小さくしている(W1<W2)。他の外球面部19については、従来品における外球面部119の外球面113の円周方向幅W2と同一である。
この内輪15のケージ17への組み付け時、内輪15の外球面部19が落とし込まれるケージ17のポケット18は、図4に示すように、軸方向で対向するフラットな長辺部18aと円周方向で対向するフラットな短辺部18bとからなる矩形状をなし、隣接する長辺部18aと短辺部18bとの間に位置する隅部18cを所定の曲率半径を持つR形状としている。
図7は、本発明品の内輪15の外球面部19を落とし込んだ状態のケージ17のポケット18(図4参照)を示し、図8は、従来品の内輪115の外球面部119を落とし込んだ状態のケージ117のポケット118を示す。
ケージ17,117のポケット18,118は、内輪15,115の外球面部19,119を落とし込むためにその外球面13a,113の軸方向長さL1よりも大きな軸方向長さL0を有し、また、外球面13a,113の円周方向幅W1,W2よりも大きな円周方向幅W3,W4を有することにより、内輪15,115の組み付けを可能にしている。
なお、ポケット18,118の軸方向長さL0は、フラットな長辺部18a,118aにその両端に位置する隅部18c,118cを含めた寸法であり、ポケット18,118の円周方向幅W3,W4は、フラットな短辺部18b,118bのみでその両端に位置する隅部18c,118cを含まない寸法としている。
本発明品の内輪15では、一つの外球面部19について、軸方向全長に亘って切欠き20aを形成してその外球面13aの円周方向幅W1を他の外球面部19における外球面13の円周方向幅W2、つまり、従来品の内輪115の外球面部119における外球面113の円周方向幅W2よりも小さくしている。
これにより、その外球面部19を落とし込むケージ17のポケット18の短辺部18bの円周方向幅W3(図7参照)を、従来品の内輪115の外球面部119を落とし込むケージ117のポケット118の短辺部118bの円周方向幅W4(図8参照)よりも小さくすることができる(W3<W4)。
このように、外球面13aの円周方向幅W1を小さくした分だけ、ケージ17における全てのポケット18の短辺部18bの円周方向幅W3を小さくすることができることから、隅部18cの曲率半径を従来品よりも大きくすることができる(図7において、鎖線は従来品の隅部118cを示し、実線は本発明品の隅部18cを示す)。
このように、ポケット18の短辺部18bの円周方向幅W3を小さくして隅部18cの曲率半径を大きくすることができることから、隅部18cでの応力集中を緩和し、全てのポケット18についてその開口面積を小さくすることができるため、ケージ17の強度向上が図れる。
なお、内輪15の外球面13aに形成される切欠き20aは、切削加工により形成することが可能であるが、コスト面から鍛造加工により仕上げることが望ましい。また、切欠き20は、内輪15の強度を考慮して、その内輪15をケージ17に組み付けることが可能な最小の深さで形成することが好ましい。
また、切欠き20aは、図5(a)(b)に示すように、外球面13aの円周方向両側に形成して中央部分に外球面13aを残す形状としているが、これ以外に、例えば、図9(a)(b)および図10(a)(b)に示す形態のものが可能である。図9(a)(b)に示す切欠き20bは、円周方向片側に形成して円周方向半分に外球面13bを残す形状を有する。また、図10(a)(b)に示す切欠き20cは、円周方向片側にテーパ状に形成して円周方向半分に外球面13cを残す形状を有する。
この切欠き20a〜20cは、内輪15の複数の外球面部19のうち、一つの外球面部19について形成すれば、ケージ17への落とし込みが可能であるが、図11(a)(b)に示すように、180°対向位置にある二つの外球面部19について、切欠き20aを形成すれば、内輪15のケージ17への組み付け時、二つの外球面部19の両方をケージ17の180°対向位置にある二つのポケット18にそれぞれ落とし込むことができるので、内輪15のケージ17への組み付けが容易となる。
また、図示しないが、全ての外球面部19について、切欠き20a〜20cを形成して外球面13a〜13cの円周方向幅を小さくすれば、内輪15のケージ17への組み付け時、ポケット18に対して落とし込む内輪15の外球面部19を位置合わせする必要がないので、組み付け作業性の向上が図れる。
ここで、外球面13a〜13cに切欠き20a〜20cを形成することによりその外球面13a〜13cの円周方向幅が小さくなるが、内輪15の外球面13a〜13cがケージ17の内球面22に当接する接触角度(軸方向角度)は従来と同一であるため、内輪15の外球面13a〜13cがケージ17の内球面22に当接する接触角度が小さくなることはなく、継手が高作動角をとり、高トルクが負荷された場合であっても、過大な負荷によるケージ17の変形を内輪15の外球面13a〜13cで支えることが容易で、ケージ強度を確保することができ、継手の円滑な回転を得て良好な作動性を確保できる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
10 内球面
11 トラック溝
12 外側継手部材(外輪)
13,13a〜13c 外球面
14 トラック溝
15 内側継手部材(内輪)
16 ボール
17 ケージ
18 ポケット
19 外球面部
20a〜20c 切欠き
11 トラック溝
12 外側継手部材(外輪)
13,13a〜13c 外球面
14 トラック溝
15 内側継手部材(内輪)
16 ボール
17 ケージ
18 ポケット
19 外球面部
20a〜20c 切欠き
Claims (4)
- 内球面に軸方向に延びる複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外球面に前記外側継手部材のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝が形成され、複数の外球面部が円周方向に配設された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材の内球面と内側継手部材の外球面との間に介在してボールを保持するポケットが円周方向に形成されたケージとを備え、前記内側継手部材の複数の外球面部のうち、少なくとも一つの外球面部は、軸方向全長に亘って切欠きを形成することにより外球面の円周方向幅を他の外球面部よりも小さくしたことを特徴とする固定式等速自在継手。
- 前記内側継手部材の複数の外球面部のうち、180°対向位置にある二つの外球面部は、軸方向全長に亘って切欠きを形成することにより外球面の円周方向幅を他の外球面部よりも小さくした請求項1に記載の固定式等速自在継手。
- 前記外側継手部材および内側継手部材は、軸方向の縦断面が単一の円弧面形状を有するトラック溝が形成されている請求項1又は2に記載の固定式等速自在継手。
- 前記外側継手部材および内側継手部材は、軸方向と平行な直線部分を有するトラック溝が形成されている請求項1又は2に記載の固定式等速自在継手。
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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