JP2008274081A - ポリオレフィン組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】化合物(1)及びステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸を含む粒状組成物が十分に分散されたポリオレフィン組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】式(1)で表される化合物及び金属石鹸を含む粒状組成物(A)、並びに、ポリオレフィンの粒状物(B)を溶融混練するポリオレフィン組成物の製造方法において、(A)の平均粒径(a)と(B)の平均粒径(b)との比(a/b)を3/1〜1/3に調整することを特徴とするポリオレフィン組成物の製造方法。
Figure 2008274081

(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xはヘテロ原子及び/又は環状基を含んでいてもよい炭素数1〜18のn価のアルコール残基を表す。nは2又は4の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、添加剤を含有するポリオレフィン組成物の製造方法に関する。
ポリオレフィンには、その熱劣化、酸化劣化を防止するために、フェノール系酸化防止剤やステアリン酸カルシウムなどの添加剤が配合されて、ポリオレフィン組成物として用いられる。
一般に、ポリオレフィンに粉末状態の添加剤を配合する際には、添加剤の粉立ちや粉塵爆発性などの問題があった。この問題を解決する方法として特許文献1に粒状の添加剤組成物(グラニュール)をポリオレフィンに配合することが特許文献1に提案され、具体的には、フェノール系酸化防止剤及びステアリン酸カルシウムの混合物を二軸スクリュー押出機で205℃に加熱して、直径2mmの孔から押出し成形して、最大長さ2〜4.5mmの粒状の添加剤組成物が開示されている。
ところで、添加剤が配合される前のポリオレフィンは250μm以下の粒状物であることが特許文献2に開示されている。また、特許文献3の実施例には添加剤が配合される前のポリオレフィンの重量平均粒径が390〜610μmであることが具体的に開示されている。
特開平8−333477号公報([0142][実施例2]、[0144][表2]) 特開平10−53679号公報([0021][表1]) 特開2000−143706号公報([実施例])
特許文献1には添加剤を含有する粒状組成物(A)をポリオレフィンの粒状物(B)に配合することについて具体的には何ら開示されていない。仮に、粒状組成物(A)の粒径(a)が2mm、ポリオレフィンの粒状物(B)の粒径(b)が250μmである場合、その粒径比(a/b)が約8で配合することになり、粒状組成物(A)の粒径(a)が2mm、ポリオレフィンの粒状物(B)の粒径(b)が610μmである場合、その粒径比(a/b)が約3.1で配合することになる。
本発明者らが、フェノール系酸化防止剤の1種である式(1)で表される化合物及びステアリン酸カルシウムを含む粒状組成物(A)に、粒径比(a/b)が5.2の平均粒径を有するポリオレフィンの粒状物(B)を配合して得られたポリオレフィン組成物について検討したところ、MFRのばらつきが大きく、ポリオレフィンへの添加剤の分散性が十分ではないという問題が明らかになった。
Figure 2008274081
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xはヘテロ原子及び/又は環状基を含んでいてもよい炭素数1〜18のn価のアルコール残基を表す。nは2又は4の整数を表す。)
本発明の目的は、化合物(1)及びステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸を含む粒状組成物が十分に分散されたポリオレフィン組成物の製造方法を提供することである。
すなわち、本発明は、式(1)で表される化合物及び金属石鹸を含む粒状組成物(A)、並びに、ポリオレフィンの粒状物(B)を溶融混練するポリオレフィン組成物の製造方法において、(A)の平均粒径(a)と(B)の平均粒径(b)との比(a/b)を3/1〜1/3に調整することを特徴とするポリオレフィン組成物の製造方法である。ここで、平均粒径とは、JIS K 0068で測定した篩い残分について重量基準の粒子径積算分布を求めた中央累積値である。
Figure 2008274081
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xはヘテロ原子及び/又は環状基を含んでいてもよい炭素数1〜18のn価のアルコール残基を表す。nは2又は4の整数を表す。)
本発明によれば、化合物(1)及び金属石鹸が十分に分散されたポリオレフィン組成物を得ることができる。また該ポリオレフィン組成物は添加剤が十分に分散されていることから、保存安定性に優れ、さらに、該ポリオレフィン組成物のMFRは、ほぼ一定であり、良好な成形品を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される化合物は、式(1)で示される化合物である。
化合物(1)におけるRはメチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基などの炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖アルキル基を表す。中でも、メチル基、t−ブチル基である場合が好ましい。
nは2または4である。
Xは、n価のアルコール残基であり、Xに含まれる炭素数は1〜18である。ここで、アルコール残基とは、アルコールから水酸基の水素原子を除いた基を意味する。
また、Xには、酸素原子、イオウ原子、窒素原子などのヘテロ原子が含まれていてもよく、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造などの脂環式基、ベンゼン構造など芳香族基などの環状基が含まれていてもよい。もちろん環状基の炭素原子がヘテロ原子に置換されていてもよい。
アルコール残基をアルコールの形式で例示すれば、ステアリルアルコール、デシルアルコール、オクチルアルコール、トリエチレングリコール、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、ペンタエリスリトールなどが挙げられ、中でも、ステアリルアルコール、トリエチレングリコール、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、ペンタエリスリトールが好ましい。
化合物(1)の融点は、通常、70〜220℃程度、好ましくは、70〜150℃、さらに好ましくは、100〜130℃である。
上記化合物(1)の融点が220℃以下であると、プラスチックへの分散性が向上する傾向があり、70℃以上であると、高温下で保存して互着する場合を抑制する傾向があることから好ましい。
化合物(1)としては、例えば、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、ビス{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸}トリエチレングリコリル エステル、テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸}ペンタエリスリチル エステルなどが挙げられる。
化合物(1)の重量基準の平均粒径は、通常、1〜100μm程度、好ましくは、5〜70μm程度である。化合物(1)の平均粒径が、1μm以上であると、製造時間が短縮されたり、加熱温度が低減される傾向があり、一方、100μm以下であると、造粒しなくても高い流動性指数を示すことが多い。
本発明における流動性指数とは、Carrの流動性指数であり、粒状添加剤組成物の安息角度、圧縮度、スパチュラ角、および均一度または凝集度の4種類の値を測定し、それぞれに対して、多くの粉粒体で経験的に求められている最高25の指数を配点して、これらの合計指数(最高値は100、最低値は0)で示すものである[粉体工学会編、「粉体工学用語辞典」、第2版、日刊工業新聞社、2000年3月30日、p.56−p.57参照]。
本発明における平均粒径は、JIS K 0068で測定した篩い残分について重量基準の粒子径積算分布を求め、その中央累積値、すなわち、該積算分布の50重量%に相当する粒子径である。
本発明に用いられる金属石鹸とは、水酸基が置換されていてもよい炭素数10〜18の脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム族金属塩、鉄族金属塩、亜鉛塩である。
脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。
アルカリ金属としては、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどが挙げられる。
金属石鹸としては、中でも市販のステアリン酸カルシウム(通常、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウムの混合物)が好適である。
市販されている脂肪酸カルシウムとしては、例えば、登録商標 オーラブライト NC ステアリン酸カルシウムS(日本油脂製)、共同薬品製のステアリン酸カルシウム、品川化工製のステアリン酸カルシウム(商品名 SAK)などが挙げられる。
本発明に用いられる粒状組成物(A)は、化合物(1)及び金属石鹸を含む組成物であり、通常、組成物(A)を構成するすべての成分100重量部に対し、化合物(1)及び金属石鹸の合計は10〜100重量部、好ましくは10〜80重量部である。
化合物(1)及び金属石鹸の合計が上記範囲であると、粒状組成物(A)の量が少なくても化合物(1)及び金属石鹸の効果を発揮する傾向があることから好ましい。
粒状組成物(A)は、化合物(1)の融点以上で溶融混練すれば、化合物(1)及び脂肪酸カルシウムのみで粒状に成形することができるが、通常は、粒状組成物(A)に結合剤を混合して成形する。
結合剤としては、式(2)で表されるイオウ系化合物、低融点ポリエチレンワックス、パラフィン、多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪酸アミドなどが挙げられる。
(R2−Y−S−C24CO2−Z (2)
(式中、Rは炭素数12〜18のアルキル基を表し、Yは単結合又は−CCO−基を表し、Zは炭素数5〜18のm価のアルコール残基を表し、mは1〜4の整数を表す。)
ここで、イオウ系化合物(2)において、Rは炭素数12〜18の直鎖又は分岐鎖アルキル基を表し、Yは単結合又は−CCO−基を表し、mは1〜4の整数を表し、Zは炭素数5〜18のm価のアルコール残基を表す。
ここで、イオウ系化合物(2)中のRとしては、ドデシル基、テトラデシル基又はオクタデシル基などが好ましい。
また、アルコール残基とはアルコールの水酸基の水素原子以外の部分をいう。好適なアルコール残基Zをアルコールで例示すれば、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ペンタエリスリトールが挙げられる。特に、イオウ系化合物(2)におけるYが単結合である場合は、Rがドデシル基であり、mが4であり、Zがペンタエリスリトール残基である化合物が好ましい。また、Yが−CCO−基である場合は、Rがドデシル基、テトラデシル基又はオクタデシル基であり、mが1であり、Zが上記Rに対応する炭素数12、14又は18のアルコール残基であることが好ましい。
尚、Yが−CCO−基である場合は、通常、アルコール残基とRはエステル基で結合している。具体的には、−CCO−Rとなっている。
イオウ系化合物(2)の具体例としては、次の化合物などが挙げられる。
3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−ドデシル エステル、
3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−テトラデシル エステル、
3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−オクタデシル エステル、
テトラキス(3−ドデシルチオプロピオン酸)ペンタエリスリチル エステル
中でも、 3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−ドデシル エステル、 3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−テトラデシル エステル、 3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−オクタデシル エステルが好ましい。
粒状組成物(A)において、化合物(1)及びイオウ系化合物(2)の合計100重量部に対するイオウ系化合物(2)の含有量は、3〜70重量部、好ましくは、8〜35重量部である。イオウ系化合物(2)の含有量が3重量部以上であると、粒状組成物(A)の製造時間の短縮化、加熱温度の低減化、及び流動性指数の向上化の傾向があることから好ましい。70重量部以下であると、粗大顆粒の生成を抑制する傾向があることから好ましく、35重量部以下であるとさらに粗大顆粒の生成を抑制する傾向があり,顆粒の大きさを制御しやすいことからとりわけ好ましい。
粒状組成物(A)が後述する添加剤を含む場合には、粒状組成物(A)100重量部に対し、イオウ系化合物(2)を8重量部以上混合すると、粒状組成物(A)の製造時間が短縮されたり、加熱温度が低減される傾向があることからとりわけ好ましい。
また、粒状組成物(A)において、化合物(1)及びイオウ系化合物(2)の合計100重量部に対する化合物(1)の含有量は、通常、97〜3重量部である。
尚、粒状組成物(A)においては、粒状組成物(A)1個のそれぞれの中に上記の重量比率で化合物(1)及びイオウ系化合物(2)を含有することを意味するのではなく、粒状組成物(A)全体が、上記重量比率で化合物(1)及びイオウ系化合物(2)を含んで構成されていることを意味する。
また、イオウ系化合物(2)を含む粒状組成物(A)は、通常、JIS−Z 8841(1993)10項 解説表1 造粒物の形状及び名称に記載の不規則形状の顆粒集合体である。
粒状組成物(A)は、顆粒特性(顆粒化操作性)に影響を与えない範囲で、さらに下記の添加剤群から選ばれる少なくとも一種の添加剤を含むことができる。通常は、粒状組成物(A)中における上記添加剤の合計含有量は、0〜90重量%程度である。前記添加剤としては、融点が70℃以上である有機系添加物、または無機系添加物が顆粒特性の観点から好ましい。
また、本発明で用いられる添加剤の平均粒径としては、0.1〜100μmの範囲であることが好ましく、0.5〜70μmの範囲であることが特に好ましい。
市販の添加剤をそのまま用いる場合は、予め公知の方法で好ましい平均粒径に調整した後、使用することが好ましい。
[添加剤群:中和剤、滑剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、顔料、難燃剤、充填剤、及び、フェノール系酸化防止剤(1)以外のフェノール系酸化防止剤]
上記の添加剤としては、以下の化合物等が挙げられる。
合成ハイドロタルサイト、天然ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム等の中和剤;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ポリエチレンワックス等の滑剤;
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン ジホスフォナイト、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン等のリン系酸化防止剤;
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3、−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}−1,6−ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]等のヒンダードアミン系光安定剤;
2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等の紫外線吸収剤;
炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、カーボンブラック、カーボンファイバー、ゼオライト、金属粉、金属酸化物などの充填剤
次の帯電防止剤;
4級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤、ベタイン型の両性界面活性剤、リン酸アルキル型のアニオン界面活性剤、第1級アミン塩、第2級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アミン塩やピリジン誘導体等のカチオン界面活性剤、
硫酸化油、石鹸、硫酸化エステル油、硫酸化アミド油、オレフィンの硫酸化エステル塩類、脂肪アルコール硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、琥珀酸エステルスルホン酸塩や燐酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、
多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪アミノまたは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物やポリエチレングリコール等のノニオン界面活性剤、カルボン酸誘導体やイミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤等の帯電防止剤、又はこれらのうち、融点が70℃を越える帯電防止剤;
アルミニウムシリケート、合成シリカ、天然シリカ、ゼオライト、カオリンや珪藻土等の無機アンチブロッキング剤又はポリメチルメタアクリル酸架橋物等の有機アンチブロッキング剤;
カーボンブラック、酸化チタン、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ペリレン又はペリニン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロ−ピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、ジスアゾ縮合系顔料やベンズイミダゾロン系顔料等の顔料;
デカブロモビフェニル、三酸化アンチモン、リン系難燃剤、水酸化アルミニウム等の難燃剤;
2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H、3H、5H)−トリオン、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス (6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤(1)以外のフェノール系酸化防止剤;
粒状組成物(A)は、通常、結合剤の軟化点〜融点の温度範囲において造粒することによって、調製される。具体例としては、例えば、化合物(1)、金属石鹸及び結合剤を含む混合物を結合剤の軟化点〜融点の温度範囲で攪拌造粒する方法、化合物(1)及び金属石鹸を含む混合物を、該混合物の一部もしくは全部が軟化する温度以上で押出し成形して造粒する方法(いわゆる、溶融押出)、該混合物の一部もしくは全部が軟化する温度未満の温度で押し出し成形して造粒する方法(いわゆる、乾式押出)、該混合物をロールや打錠機で圧縮し成形して造粒する方法などが挙げられる。
中でも、前者の攪拌造粒する方法が、粒状組成物(A)を加熱することがなく、化合物(1)の熱劣化を低減する傾向があることから好ましい。
中でも結合剤がイオウ系化合物(2)であると、軟化点〜融点の温度範囲が、40〜70℃、好ましくは45〜55℃の範囲という低温で造粒できることから好ましい。
尚、軟化点とは、JIS K2425で測定した値である。
攪拌造粒は、通常、攪拌造粒機を用いて行われ、攪拌造粒機への加熱方法としては、例えば、攪拌造粒機中の酸化防止剤等を攪拌する際に、剪断力に起因する発熱を利用して設定する方法、例えば、攪拌造粒機のジャケット等に熱媒を通して昇温する方法、例えば、これらの方法を組合せる方法などが挙げられる。
攪拌造粒機への添加剤等の投入方法としては、例えば、化合物(1)、金属石鹸、イオウ系化合物(2)及び必要に応じて他の添加剤を一括して投入した後、攪拌造粒する方法、例えば、化合物(1)、金属石鹸及び必要に応じて他の添加剤を一括して投入、攪拌した後、所望の温度まで昇温後、イオウ系化合物(2)を投入し攪拌造粒する方法、例えば、同様に、所望の温度まで混合物を攪拌しながら昇温し、別にイオウ系化合物(2)を加温して液状にしたものを噴霧して攪拌造粒する方法などが挙げられる。
本発明で用いられる攪拌造粒機とは、通常、内部に撹拌翼を有し、撹拌翼の先端部と攪拌造粒機内部の壁面との間(クリアランス)が、通常、30mm以下、好ましくは、0.1〜5mm程度(実施例では約1mm)のクリアランスを有する内部撹拌型の造粒機である。
攪拌造粒機の具体例としては、例えば、ハイスピードミキサー(攪拌転動造粒機)、ヘンシェルミキサー(高速攪拌造粒機)、バーティカルグラニュレーター、ファーママトリックス、スーパーミキサー、GRAL−グラル、シュギミキサー、ハイスピーダー、ニュースピードニーダ等の竪型ミキサーや、レディゲミキサー、スパルタンリューザー、ピンミキサー等の横型ミキサーなどが挙げられる。また、造粒のための攪拌翼とは異なり、粗大な造粒粒子の解砕・整粒に供するチョッパーと呼ばれる攪拌翼を具備していてもよい。
実施例に用いられたハイスピードミキサーの攪拌翼について、さらに詳しく説明すると、攪拌翼の断面は底部から10〜50°(実施例は中心部が30〜45°、先端部が20〜25°)の角度で傾斜しており、底部から化合物(1)などを含む混合物及び生成する顆粒を掬いあげるようになっている。
攪拌造粒機内部の壁面と接する翼端は、適宜、形状を設計してもよいが、実施例に用いたハイスピードミキサーの場合、中心部に向かって傾斜が付けられており、混合物が中心部に掬い上げられ、底部と壁面との隅に混合物が滞留しないようになっている。
攪拌速度としては、選定する攪拌翼の形状によっても異なるが、通常、翼先端速度は2〜40m/s程度、好ましくは、4〜20m/sである。翼先端速度が40m/s以下では、生成した顆粒が攪拌翼によって粉砕されるのを抑制する傾向があることから好ましく,2m/s以上では得られる顆粒の流動性が向上する傾向があることから好ましい。
攪拌造粒機で混合する際に、添加剤の劣化を抑制させる観点から、窒素などの不活性ガス雰囲気下で混合することが好ましい。
混合終了後、添加剤の劣化を抑制させる観点から、造粒温度より低い冷気、好ましくは、40℃より低い冷気を通気したり、冷却庫で保存するなどして冷却することが好ましい。
また、得られる粒状組成物(A)の品質を安定させるために、篩によって大きい顆粒(例えば、5mm以上、好ましくは3mm以上)や小さい顆粒(例えば、0.1mm以下、好ましくは0.3mm以下、より好ましくは0.5mm以下)を除いてもよい。
このようにして得られる粒状組成物(A)は、上述した顆粒集合体であり、粒状組成物(A)は、通常、0.1〜5mmの平均粒径を有する。そして、Heubach testにおける粉塵飛散率が1重量%以下である粒状組成物(A)は、取り扱い時の粉塵飛散量が少なく、作業環境上の観点からも好ましい。特に平均粒径が0.1〜2mmの顆粒からなる粒状組成物(A)は、ポリオレフィンに配合する際の分散性も良好である。
粒径の調整は、攪拌翼の攪拌速度、チョッパーの攪拌速度、攪拌時間、加熱温度にて調整する。具体的には、粒径を大きくするためには、攪拌速度を早くしたり、チョッパーの攪拌速度を遅くすればよい。同じ攪拌速度でも、攪拌時間を長くすることで、粒径を大きくすることができる。また、同じ攪拌時間でも、加熱温度を高くすることで、粒径を大きくすることができる。
本発明に用いられるポリオレフィンの粒状物(B)に用いられるポリオレフィンは、エチレン及び又はα−オレフィンに由来する構造単位を含有する炭素−炭素結合を主鎖とする高分子である。
このようなポリオレフィンとしては、たとえばポリプロピレン、例えば高密度ポリエチレン(HD−PE)、低密度ポリエチレン(LD−PE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン、メチルペンテンポリマー、エチレン/アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、ポリスチレン類、例えばポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)などのポリスチレン、アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂、特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、メタクリル樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール、グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエステル樹脂、ジアリルフタレートプリポリマー、シリコーン樹脂、1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ ブタジエン共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/メチルメタクリレート共重合体などが挙げられ、中でも成型加工性の良さから、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィンとしてポリプロピレン系樹脂を用いる場合、具体的には、結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体などが挙げられる。これらのポリプロピレンは単独で使用してもよく、2種以上をブレンドして使用しても良い。
ポリプロピレン系樹脂におけるポリプロピレン以外のα−オレフィンとしては、炭素原子数4〜12のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられ、さらに好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、たとえば、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−オクテンランダム共重合体などが挙げられる。
プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体としては、たとえば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体などが挙げられる。
プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体における主にプロピレンからなる共重合体成分としては、たとえば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分などが挙げられ、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分としては、たとえば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−1−オクテン共重合体成分などが挙げられる。なお、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分におけるエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンの含有量は、特に制限はないが、通常0.01〜20重量%である。
また、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレンブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)ブロック共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ヘキセン)ブロック共重合体などが挙げられる。
ポリオレフィンの粒状物(B)としてポリプロピレン系樹脂を用いる場合、好ましくは、結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体である。さらに好ましくは、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体である。
ポリプロピレン系樹脂の結晶性は、剛性、耐傷つき性の観点からは、結晶性が高いものが好ましい。結晶性が高いポリプロピレン系樹脂としては、結晶性の指標として用いられるA.Zambelliらによって発表された方法(Macromolecules 6、925、1973)に従って求められるポリプロピレン分子中のペンタッド単位でプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率(ペンダット分率と称し、[mmmm]で表す。)が0.95以上のものが好ましい。
ポリオレフィンの粒状物(B)の製造方法は特に制限されるものではなく、従来公知の適宜の重合触媒を用いて、公知の重合方法により製造されたポリオレフィンの粒状物(B)を用いることができる。また、市販のポリオレフィンの粒状物(B)を用いてもよい。
ポリオレフィンの粒状物(B)としてポリプロピレン系樹脂を用いる場合には、重合触媒としては、たとえば、チーグラー型触媒、チーグラー・ナッタ型触媒、シクロペンタジエニル環を有する周期表第IV族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、またはシクロペンタジエニル環を有する周期表第IV族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒系などが挙げられる。
また、ポリオレフィンの粒状物(B)としてポリプロピレン系樹脂を用いる場合には、重合方法としては、例えば、不活性炭化水素溶媒によるスラリー重合法、溶媒重合法、無溶媒による液相重合法、気相重合法、またはそれらを連続的に行う液相−気相重合法などが挙げられ、これらの重合方法は、回分式であってもよく、連続式であってもよい。また、ポリプロピレン系樹脂を一段階で製造する方法であってもよく、二段階以上の多段階で製造する方法であってもよい。特に、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、プロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分からなるポリプロピレン系ブロック共重合体の製造方法として、好ましくは、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分を製造する段階とプロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンの共重合体成分を製造する段階からなる少なくとも二段階以上の多段階の製造方法が挙げられる。
なお、ポリオレフィンの粒状物(B)のメルトインデックス(MI)は、特に限定されないが、たとえばポリプロピレン系樹脂の場合には、成型加工性などから、0.01〜100g/10分の範囲内であることが好ましい。
ポリオレフィンの粒状物(B)の平均粒径としては、通常、10〜2000μmであり、好ましくは100〜1500μmである。平均粒径が10μm以上であると原料投入口から投入が容易となる傾向があることから好ましく、2000μm以下であると、原料投入時の発塵や、原料混合時の噴出が抑制される傾向があることから好ましい。このように、平均粒径が上記範囲であると、平2軸押し出し機での混合、成型が容易であることから、好ましい。
本発明は、粒状組成物(A)の平均粒径(a)とポリオレフィンの粒状物(B)の平均粒径との比(a/b)が3/1〜1/3、好ましくは、2/1〜1/2、とりわけ好ましくは1/1〜1/2である(A)および(B)を用い、(A)及び(B)を溶融混練するポリオレフィン組成物の製造方法である。
上記粒径比の調整方法としては、例えば、ポリオレフィンの粒状物(B)を粉砕する方法、押出成形などで得られた粒状組成物(A)を粉砕する方法などが挙げられるが、中でも、粒状組成物(A)を攪拌造粒法によって調整すると、粉塵が生じるような粉末を生じることなく、かつ、ポリオレフィンの粒状物(B)に好適な粒径比を有する粒状組成物(A)を簡便に得ることができる。
溶融混練は、通常、押出混練機を用いて、粒状組成物(A)及びポリオレフィンの粒状物(B)に加熱混練する方法である。中でも、2軸などの多軸又は単軸のスクリューを備えた押出混練機が温度制御が容易であり好ましい。特に、多軸押出造粒機の方が、粒状組成物(A)中の化合物(1)、金属石鹸及び他の添加剤などの分散にも優れる傾向があることから好ましい。押出混練機の場合、スクリューを備えた部分等の加熱混合部において、設定温度をポリオレフィンの軟化点から該軟化点から−20℃下回る温度の温度範囲に設定することによりポリオレフィン組成物を製造することができる。
また、投入口より徐々に設定温度を高くなるように設定し、加熱混合部よりアダプター部およびダイス部が同じ温度か、若干高めに設定すると、生産安定性が向上することから好ましい。
以下、実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
製造例(粒状組成物(A)の製造)
ハイスピードミキサー(深江パウテック製、容量2L)中に、フェノール系酸化防止剤として3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン(商品名:スミライザーGA−80、住友化学製)を43g、及びトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(商品名:イルガフォス168、チバスペシャルティケミカルズ社製)を86g、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−テトラデシル エステル(商品名:スミライザーTPM、住友化学製)を86g、ステアリン酸カルシウム(共同薬品製)86gを投入した。投入後、攪拌羽根の回転数500rpm、チョッパー羽根の回転数1000rpmで攪拌し、顆粒状の粒状組成物(A)を得た。これをJIS K 0069に記載の方法により篩によって分級して、重量基準の粒子径積算分布を求め、その分布から得られる中央累積値(50重量%径)を平均粒径として表1に示した。
Figure 2008274081
実施例及び比較例(ポリプロピレンの性能評価)
粒状のポリプロピレン((B)、MFR=8、平均粒径=0.75mm)100重量部に対し、製造例で得た粒状組成物(A)0.175重量部をドライブレンドし、ポリプロピレンの粒状物(B)と粒状組成物(A)の混合物を得た。この混合物をホッパーより投入し、30mmφの単軸押出機(田辺プラスチック社製DH−30−180、L/D28)を使用して220℃、スクリュー回転数50rpmで押出し、ペレットサンプルを得た。
得られたペレットを4回サンプリングし、メルトインデクサー(テクノセブン社製L217−E14011)を使用して、230℃で、シリンダー内に15分滞留させた後、荷重2.16kgでのMFRを測定した。結果を表2に示した。MFR値は、小さい程、熱安定性に優れることを意味する。また、4回サンプリングして測定したMFR値の標準偏差が小さい程、MFR値のバラツキが小さく、粒状組成物(A)のポリプロピレン(B)への分散性が良好であり、熱安定性が揃ったポリプロピレン組成物が得られたことを意味する。
Figure 2008274081
本発明の方法によれば顆粒状添加剤のポリオレフィンポリオレフィンへの分散性が良好であり、熱安定性に優れたポリオレフィン樹脂組成物を得ることができ、フィルム、成形材料やパイプ等製品に加工し利用できる。

Claims (6)

  1. 式(1)で表される化合物及び金属石鹸を含む粒状組成物(A)、並びに、ポリオレフィンの粒状物(B)を溶融混練するポリオレフィン組成物の製造方法において、(A)の平均粒径(a)と(B)の平均粒径(b)との比(a/b)を3/1〜1/3に調整することを特徴とするポリオレフィン組成物の製造方法。ここで、平均粒径とは、JIS K 0068で測定した篩い残分について重量基準の粒子径積算分布を求めた中央累積値である。
    Figure 2008274081
    (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表す。Xはヘテロ原子及び/又は環状基を含んでいてもよい炭素数1〜18のn価のアルコール残基を表す。nは2又は4の整数を表す。)
  2. 粒状組成物(A)は、さらに結合剤を含み、該結合剤の軟化点〜融点の温度範囲において造粒されてなる組成物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 結合剤がイオウ系化合物(2)である請求項2に記載の製造方法。
    (R2−Y−S−C24CO2−Z (2)
    (式中、Rは炭素数12〜18のアルキル基を表し、Yは単結合又は−CCO−基を表し、mは1〜4の整数を表し、Zは炭素数5〜18のm価のアルコール残基を表す。)
  4. 金属石鹸が、ステアリン酸カルシウム及び/又はパルミチン酸カルシウムである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 粒状組成物(A)の平均粒径が、0.1〜5mmである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. ポリオレフィンの粒状物(B)が、ポリプロピレン系樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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