JP2008274040A - ゴム用添加剤 - Google Patents

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哲男 鷹野
Masaaki Dobashi
正明 土橋
Hirohiko Ishida
浩彦 石田
Kumiko Kikuchi
久美子 菊地
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Abstract

【課題】 天然ゴム由来の悪臭のみならず、ゴム製造工程中に合成ゴムや添加剤薬品から発生する特有の臭気成分から生じる作業空間の臭気問題を簡便に解決できるゴム用添加剤及びゴム組成物、並びにゴム製造工程の作業環境を向上させる方法の提供。
【解決手段】 分子中にエステル構造を有し、総炭素数が3〜13である少なくとも1種の香料(A)を含有するゴム用添加剤、、この添加剤を含有するゴム組成物、並びにゴムの製造工程において、この添加剤を添加する、ゴム製造工程の作業環境を向上させる方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゴムの製造工程中に発生する臭気をマスキングするのに好適な香料を含有するゴム用添加剤、及びその添加剤を含有するゴム組成物、並びにその添加剤を添加する、ゴム製造工程の作業環境を向上させる方法に関する。
ゴムの製造には様々な原材料が使用され、その中には悪臭成分を含むものもある。悪臭のもととなる原材料としては、天然ゴムや合成ゴム、様々な添加剤薬品などがある。ゴム工場での製造工程中、混練り工程や加硫工程などでは特に高温となるため、悪臭成分が放出されやすく、その臭気が問題になることが多い。そのため、これまでにも多くの対策が試みられているが、悪臭成分にも様々な種類があり、完全に悪臭を防止できる手段は確立されていないのが現状である。
悪臭成分の由来は様々である。例えば、一般に天然ゴムは、ゴムの樹の樹液(天然ゴムラテックス)を凝固・乾燥して得られる。現在の製造技術では、天然の非ゴム成分である脂肪酸やタンパク質などは完全に除去できないため、天然ゴム製造時における乾燥工程中や、ゴム組成物の混練り工程中で、非ゴム成分が酸化したり分解するなどして悪臭成分を生じる。
また、合成ゴムにおいても、製造工程中の未反応モノマーや溶媒の残留があり、これらが悪臭の原因となる。また、ゴム組成物に配合される添加剤も、不純物として悪臭成分をはじめから含んでいたり、練り工程中で酸化したり分解したりして悪臭成分を生じる。
その結果、ゴム組成物の製造工程中で、高温になったゴム組成物から悪臭成分が放出され、作業環境が悪化する。また、これら臭気が工場内外に漏れると環境問題になりかねない。
この悪臭対策のため、製造設備の排気ダクトに脱臭フィルターを設置したり、排気管中に脱臭成分を散布するなどして、悪臭成分を排気中から直接除去する方法が知られている(特許文献1参照)。
また原材料に対する対策としては、特に天然ゴム由来の臭気を低減する方法がいくつか提案されている。例えば、天然ゴムを製造するに際し、酸化防止剤を添加して非ゴム成分の酸化反応を抑制して悪臭成分の生成を低減する方法(特許文献2参照)や、天然ゴムラテックスを凝固前又は凝固後に水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液に接触させることにより、臭気成分の揮発性脂肪酸を不揮発性の脂肪酸に変える方法(特許文献3参照)などが知られている。
しかしながら、上記特許文献1に記載されている技術は、特定の消臭成分を用いるものであるから、悪臭成分の種類によってはなお効果が十分でない場合がある。また、設備にかかる費用負担はかなり大きく、より簡便に臭気問題を解決する方法が切望されている。
また、上記特許文献2に記載されている技術は、天然ゴムに酸化防止剤を添加することにより高温の練り工程における酸化反応などにより天然ゴムの不純物から悪臭成分が生成することを抑制するものであるが、元来含まれている悪臭成分や、酸化反応以外により生成する悪臭成分には効果がない。
また、上記特許文献3に記載されている技術は、臭気成分の一部である揮発性脂肪酸を不揮発性の脂肪酸に変えることにより臭いを低減するものであるが、それ以外の臭気成分であるアルデヒド類、窒素環状化合物、アンモニアなどの臭気には効果がなく、この技術では未だ天然ゴムの臭気を低減できないという課題を有する。
また、上記特許文献2や3の対策は天然ゴムに限定されており、その他合成ゴムや添加剤薬品から発生する臭気のことは全く考慮されていない。
また、タイヤ製品自身から持続的に香りを揮発させるために、香料及び無機多孔質粒子を含有するタイヤ用ゴム組成物が提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献4に記載されている技術は、タイヤ製品自身から持続的に香りを揮発させるため揮発性の低い香料や、持続性のある重厚な香りを有する香料が中心であり、ゴム製造現場においては作業空間内での香りの広がりに乏しく、また特有の臭気に対する改善効果も低かった。
特開2005−144272号公報 特開2006−176593号公報 特開平8−302069号公報 特開2004−203954号公報
本発明の課題は、天然ゴム由来の悪臭のみならず、ゴム製造工程中に合成ゴムや添加剤薬品から発生する特有の臭気成分から生じる作業空間の臭気問題を簡便に解決できるゴム用添加剤及びゴム組成物、並びにゴム製造工程の作業環境を向上させる方法を提供することにある。
本発明は、分子中にエステル構造を有し、総炭素数が3〜13である少なくとも1種の香料(A)を含有するゴム用添加剤、更に下記(B−1)〜(B−21)からなる群から選ばれる少なくとも1種の香料(B)を含有するゴム用添加剤、この添加剤を含有するゴム組成物、並びにゴムの製造工程において、この添加剤を添加する、ゴム製造工程の作業環境を向上させる方法を提供する。
(B−1)2,6−ノナジエナール
(B−2)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オン,1,5−ジメチル−オキシム(シムライズ社からブッコキシムとして市販されている。)
(B−3)7−メチル−3,5−ジヒドロ−2H−ベンゾジオキセピン−3−オン(DANISCO INGREDIENTS社からカローンとして市販されている。)
(B−4)2−メチル−3−(p−メトキシフェニル)−プロパナール(IFF社からカントキサールとして市販されている。)
(B−5)cis−3−ヘキセノール
(B−6)1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフトアルデヒド(IFF社からサイクレモン Aとして市販されている。)
(B−7)1−(ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン{1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オンと1−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オンの混合物がフィルメニッヒ社からダイナスコン 10として市販されている。}
(B−8)p−エチルーα,α―ジメチルヒドロシンナミックアルデヒド(IFF社からフロワロゾンとして市販されている。)
(B−9)α−メチル−3,4−メチレンジオキシヒドロシンナミックアルデヒド(IFF社からヘリオナールとして市販されている。)
(B−10)イソシクロシトラール(2,4,6−トリメチルー3−シクロヘキセンー2−メタノール)
(B−11)イソシクロゲラニオール(2,4,6−トリメチルー3−シクロヘキセンー1−カルボキシアルデハイド)
(B−12)シス−3−ヘキセニルメチルカーボネート(IFF社からリファロームとして市販されている。)
(B−13)ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド(2.4−ジメチル体、3,5−ジメチル体や3,6−ジメチル体などの混合物で、クエストインターナショナル社からリグストラールとして、IFF社からトリプラールとして、花王社からはシクロバータルとして市販されている。)
(B−14)5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンと2−メトキシフェノールとの付加反応生成物の水素化物(花王社からマグノールとして市販されている。)(B−15)オシメン
(B−16)2−ノネナールジメチルアセタール(小川香料社からパルマベールとして市販されている。)
(B−17)2−シクロヘキシルプロパナール(花王社からポレナールIIとして市販されている。)
(B−18)スチラリルアルコール
(B−19)trans−3−ヘキセノール
(B−20)3,5,5−トリメチルヘキシルアルデヒド
(B−21)4−メチル−3−デセン−5−オール(ジボダン社からウンデカベルトールとして市販されている。)
本発明のゴム用添加剤を用いてゴム製造を行なうと、香りの広がりが速く、かつゴム製造時特有の臭気に対して非常に高い緩和効果が得られ、ゴム製造工程の作業環境を向上させることができる。
[ゴム用添加剤]
本発明のゴム用添加剤は、香料(A)を含有し、更に香料(B)を含有することが好ましい。ゴム製造工程特有の匂いを効率的に改善するためには香りの質のバランスが重要であり、香料(A)は香りの広がりが速く、作業空間中に爽やかさを付与することができる。更に香料(B)は、グリーン系の香気を有するため、香料(B)を含有するとゴム製造時特有の匂いに対して優れた感覚的調和効果を付与することができる。
香料(A)は、香りの広がりが速く、作業空間中に爽やかさを付与する観点から、分子中にエステル構造を有し、総炭素数が3〜13の化合物である。これらの香料(A)の中では、香りの広がりが速く、作業空間中に爽やかさを付与する観点から、総炭素数5〜12の香料が好ましい。具体的には例えば、ギ酸エチル等の総炭素数3の化合物、酢酸エチル等の総炭素数4の化合物、プロピオン酸エチル等の総炭素数5の化合物、酪酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチル等の総炭素数6の化合物、酢酸イソアミル、2−メチル酪酸エチル等の総炭素数7の化合物、カプロン酸エチル、酢酸ヘキシル等の総炭素数8の化合物、酢酸ベンジル、酪酸2−メチルブチル、カプロン酸アリル等の総炭素数9の化合物、イソ吉草酸イソアミル、酪酸ヘキシル、吉草酸アミル、エナント酸アリル、酢酸スチラリル、プロピオン酸ベンジル等の総炭素数10の化合物、ギ酸リナリル、酪酸ベンジル等の総炭素数11の化合物、酢酸o−t−ブチルシクロヘキシル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、酢酸リナリル、酢酸ターピニル等の総炭素数12の化合物、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボン酸エチル(フルーテート、花王社)、酢酸ノピル、プロピオン酸ターピニル等の総炭素数13の化合物が挙げられる。
香料(B)は、グリーン系の香気を有し、ゴム製造時特有の匂いに対して優れた感覚的調和効果を得る観点から、上記(B−1)〜(B−21)からなる群から選ばれる少なくとも1種のグリーン香気を有する香料であり、(B−3)、(B−9)、(B−10)、(B−13)、(B−14)、(B−21)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明のゴム用添加剤中の、香料(A)と香料(B)の含有比率は、香料(B)/香料(A)(重量比)=0.001〜0.4が好ましく、0.002〜0.4がより好ましく、0.01〜0.3が更に好ましい。
本発明のゴム用添加剤は、香料(A)及び香料(B)以外の香料(C)を含んでいても良い。香料(C)は、香料(A)と香料(B)をバランス良く調和させて、香りを整える効果を有する。香料(C)としては、例えば、ヘキシルシンナミックアルデヒド、リリアールなどが挙げられる。
本発明の香料成分中の香料(A)の含有量は、本発明の効果を発現する観点から、50〜100重量%が好ましく、50〜99.9重量%がより好ましく、55〜95重量%が更に好ましく、55〜85重量%が特に好ましい。香料(B)の含有量は、本発明の効果を発現する観点から、0.1〜20重量%が好ましく、0.1〜15重量%がより好ましく、0.1〜10重量%が更に好ましい。
本発明のゴム用添加剤は、香料(A)、好ましくは香料(A)及び香料(B)を含む調合香料を含有する。なお、ここで調合香料とは、希釈剤は含めず、香料のみをいう。本発明のゴム用添加剤中の香料成分の含有量は1〜100重量%が好ましく、2〜100重量%がより好ましい。
本発明の添加剤は、香料成分の希釈剤を含有することができる。希釈剤としては、香料成分を希釈できるものであれば特に限定されないが、引火点200℃以上であることが好ましい。引火点が高い希釈剤を用いることで、添加剤の引火点を150℃以上に調整することが、製造工程の安全管理上の観点から好ましい。
また希釈剤は、ほぼ無臭であり、かつ香料成分と分離せずに混和するものが好ましい。具体的には、オイル類、エステル類、グリコール類、(ポリ)エーテル類、ケトン類などの有機化合物が挙げられ、香料との混和性の観点からはエステル類、グリコール類及び(ポリ)エーテル類から選ばれる有機化合物が好ましく、特にエステル類から選ばれる有機化合物が好ましい。希釈剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、トリメリット酸トリ(2−エチルへキシル)、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ポリプロピレングリコールなどが好ましく用いられる。
香料と希釈剤との配合割合は任意に可能であるが、添加剤の引火点が150℃以上になるように適宜調整することが好ましく、その場合は、例えば、香料成分100重量部に対して、希釈剤30重量部以上が好ましく、50〜9900重量部がより好ましい。
また、本発明の添加剤は、香料成分及びその希釈剤を担持するための無機粉体を含有することができる。無機粉体に担持させることにより、仮に着火しても連続燃焼できないようにすることができ、安全性上の観点から好ましい。
本発明に用いられる無機粉体としては、シリカ、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、ゼオライトなどが挙げられ、シリカが好ましい。吸油量が大きい無機粉体の方が、香料成分の担持量を大きくできる観点から好ましい。無機粉体の割合は、香りの効果を強め、また無機粉体からの香料成分や希釈した香料成分の染み出しを抑制する観点から、香料成分又は希釈した香料成分100重量部に対して、無機粉体40〜300重量部が好ましく、60〜200重量部がより好ましい。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、ゴムと本発明の添加剤を含有する。
本発明のゴム組成物中の本発明の添加剤の含有量は、作業環境が改善される濃度であれば特に限定されないが、作業環境の改善を十分に行い、また匂いが強すぎて逆に作業環境を悪くしたり、製品に強い匂いが残留するのを抑制する観点から、ゴム100重量部に対し、香料成分の量が0.0001〜0.5重量部となる割合が好ましく、0.001〜0.3重量部となる割合がより好ましい。
本発明のゴム組成物をマスターバッチとして用いる場合には、本発明の組成物中の本発明の添加剤の含有量は、ゴム100重量部に対し、香料成分の量が0.001〜5重量部となる割合が好ましく、0.01〜3重量部となる割合がより好ましい。
本発明において、ゴムとしては、通常のゴム工業界で用いられる各種ゴムを用いることができ、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられ、ジエン系ゴム、特に天然ゴム、SBRが好ましい。これらのゴムは1種以上を用いることができる。
また、本発明のゴム組成物は、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常のゴム工業界で用いられる配合剤、例えば、カーボンブラックやシリカなどの有機/無機充填剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、スコーチ防止剤、軟化剤/可塑剤、老化防止剤、カップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸、その他の各種添加剤などを含有することができる。
[ゴム製造工程の作業環境を向上させる方法]
本発明においては、ゴム製造工程の作業環境を向上させるために、本発明の添加剤を添加する。
一般にゴムの製造は、まず原料を混練して未加硫ゴム組成物を調製し、それを成形後にさらに熱をかけて加硫することで行われる。混練工程には、通常の混練機、例えばバンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー等を用いることができる。加硫には、各種のプレスや連続式の押出加硫機等が用いられる。
混練工程でもっとも良く用いられるバンバリーミキサーでは、高いシアと圧力のために、混合中に温度が激しく上昇する。そのため、練り工程を複数回に分け、温度が上昇したところで一度ミキサーから中間混練物を取り出し、一旦冷やしてから再度混練するということが行われる。また、イオウなどの加硫剤や加硫促進剤などは、混練工程で加硫が発生することを避けるため、最後の混練りで加えるのが一般的である。この中間混練物取り出し時には特に悪臭が放出されやすい。
また、ロール混練機は開放型であるので、常に悪臭が放出されうる状態にある。
本発明の添加剤の添加方法は、特に限定されず、上記のような各種混練機を用いて、通常のゴム組成物原料と共に添加混合することができる。添加するタイミングも特に限定されないが、本発明の効果を効率よく発揮させるためには、できるだけ早い時点で添加する方がより好ましい。バンバリーミキサーのように混練が複数回にわたる場合、適当なタイミングで添加することが可能である。また、ロールのようにいつでも添加が可能な状態のものは、任意のタイミングで添加することが可能である。
また、臭い成分は悪臭に限らず温度が高い方がゴム組成物から放出されやすい。例えば、悪臭成分の放出を少なくするためにより低い温度で混練するように工夫することは可能であるが、高いシア下では低温化にも限界がある。また、低温化すると逆にゴム組成物に代わりにシアがかかりすぎてゴムの分子量が低下するなどして、物性が悪化するなどの問題点がある。バンバリーミキサーでは、低温取り出しするには混練時間を短くせざるを得ず、必然的に混練り回数が増加して製造効率が悪化する。
本発明の方法を用いれば、ゴム組成物の温度が高くなっても悪臭成分とともに香料成分も放出されるため、ゴム組成物の温度が高くても作業環境を悪化させることなく混練を行うことができる。混練温度は120〜180℃の範囲が好ましい。
また加硫工程では、ゴムに架橋反応を起こさせるために熱をかけるか、電子線などを照射することなどが行われ、ゴム組成物は高温にさらされる。その結果、加硫ゴム組成物を型から取り外す際に、やはり悪臭が放出されやすい。型を予め冷却した後に脱型すれば、悪臭の放出を抑えることは可能であるが、製造効率が著しく悪化する。本発明の添加剤を用いることは、この脱型時の作業環境の改善にも有効である。脱型温度は120〜180℃の範囲が好ましい。
本発明の添加剤の添加量は、ゴム100重量部に対し、香料成分の量が0.0001〜0.5重量部となる割合が好ましく、0.001〜0.3重量部となる割合がより好ましい。
実施例1
表1に示す香料(A)を用い、各香料100重量部をシリカ(日本シリカ工業株式会社製 ニップシールVN3)100重量部とヘンシェルミキサーを用いて3分間混合し、本発明の各種添加剤を調製した。得られた添加剤を用い、表2に示す配合割合となるように未加硫ゴム組成物を、バンバリーミキサーを用いて3回に分けて混練した。始めの2回はイオウと加硫促進剤を除いて行い、排出時のゴム組成物の温度は約140℃であった。最後の混練りはイオウと加硫促進剤も加え、ミキサー内を冷却し、ゴム組成物の温度を約100℃に保持した。得られた未加硫ゴム組成物を、その後さらに165℃で20分加硫して、加硫ゴム組成物を製造した。
ゴム製造時のバンバリーミキサーの取り出し口、及び約3m離れた地点での匂いを、下記の5段階の判定基準にて判定した。その判定結果を表1に示した。
・作業環境の匂い判定基準
5:ゴム製造時特有の臭気が非常に改善されている
4:ゴム製造時特有の臭気が改善されている
3:ゴム製造時特有の臭気がやや改善されている
2:ゴム製造時特有の臭気が強い
1:ゴム製造時特有の臭気が非常に強い
Figure 2008274040
Figure 2008274040
注)
*1:テックハービング社製天然ゴム
*2:東海カーボン社製 シースト3
*3:N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
*4:N−(1,3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−フェニレンジアミン
実施例2
表3に示す組成の調合香料を用い、各調合香料100重量部をシリカ(日本シリカ工業株式会社製 ニップシールVN3)100重量部とヘンシェルミキサーを用いて3分間混練し、本発明の添加剤及び比較添加剤を調製した。得られた添加剤を用い、実施例1と同様にして加硫ゴム組成物を製造し、同様に匂いを判定した。その判定結果を表3に示した。
Figure 2008274040

Claims (6)

  1. 分子中にエステル構造を有し、総炭素数が3〜13である少なくとも1種の香料(A)を含有するゴム用添加剤。
  2. 更に下記(B−1)〜(B−21)からなる群から選ばれる少なくとも1種の香料(B)を含有する請求項1記載のゴム用添加剤。
    (B−1)2,6−ノナジエナール
    (B−2)ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オン,1,5−ジメチル−オキシム
    (B−3)7−メチル−3,5−ジヒドロ−2H−ベンゾジオキセピン−3−オン
    (B−4)2−メチル−3−(p−メトキシフェニル)−プロパナール
    (B−5)cis−3−ヘキセノール
    (B−6)1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフトアルデヒド
    (B−7)1−(ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン
    (B−8)p−エチルーα,α―ジメチルヒドロシンナミックアルデヒド
    (B−9)α−メチル−3,4−メチレンジオキシヒドロシンナミックアルデヒド
    (B−10)イソシクロシトラール
    (B−11)イソシクロゲラニオール
    (B−12)シス−3−ヘキセニルメチルカーボネート
    (B−13)ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド
    (B−14)5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンと2−メトキシフェノールとの付加反応生成物の水素化物
    (B−15)オシメン
    (B−16)2−ノネナールジメチルアセタール
    (B−17)2−シクロヘキシルプロパナール
    (B−18)スチラリルアルコール
    (B−19)trans−3−ヘキセノール
    (B−20)3,5,5−トリメチルヘキシルアルデヒド
    (B−21)4−メチル−3−デセン−5−オール
  3. 香料(A)と香料(B)の含有比率が、香料(B)/香料(A)(重量比)=0.001〜0.4である、請求項2記載のゴム用添加剤。
  4. 更に無機粉体を含有する請求項1〜3いずれかに記載のゴム用添加剤。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載のゴム用添加剤を含有するゴム組成物。
  6. ゴムの製造工程において、請求項1〜4いずれかに記載のゴム用添加剤を添加する、ゴム製造工程の作業環境を向上させる方法。
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