JP2008273041A - 液体収納容器、ヘッドカートリッジ、およびインクジェット記録装置 - Google Patents

液体収納容器、ヘッドカートリッジ、およびインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体収納容器に収納されたインクなどの液体を効率的に攪拌するための揺動部材を、簡易かつ安価に設置することができる液体収納容器、ヘッドカートリッジ、インクジェット記録装置、および液体収納容器の攪拌方法を提供すること。
【解決手段】インク容器10に設けた溝40内に、揺動部材100の揺動支点となる軸105を取り付ける。
【選択図】図6

Description

本発明は、インクなどの液体を収納する液体収納容器、その液体収納容器を備えるヘッドカートリッジ、および、その液体収納容器を用いて画像を記録可能なインクジェット記録装置に関するものである。
本発明の記録装置は、一般的な記録装置の他、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリント部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには、各種処理装置と複合的に組み合わされた産業用記録装置に適用することができる。
記録装置として、例えば、いわゆるシリアルタイプのインクジェット記録装置は、主走査方向に移動可能なキャリッジに、インクを吐出可能な記録ヘッドと、その記録ヘッドに供給するインクを収容するためのインクカートリッジと、が搭載される。画像の記録に際しては、キャリッジを主走査方向に移動させつつ、記録ヘッドの吐出口から記録媒体に向かってインクを吐出する動作と、主走査方向と交差する副走査方向に記録媒体を搬送する動作と、を繰り返す。記録ヘッドから吐出されたインク滴が記録媒体上に着弾することにより、所望の画像が記録される。
このようなインクジェット記録装置において用いられているインクの主流は、色材として染料を含有するインク(以下、単に「染料インク」ともいう)であった。しかし一般に、染料インクは耐光性および耐ガス性がやや低く、その染料インクによる記録物は、屋外掲示のような特殊用途において耐久性のある画像堅牢性を提供しにくい場合があった。
近年においては、色材として顔料を含有するインク(以下、単に「顔料インク」ともいう)を用いる記録装置が提供されてきている。顔料インクは耐光性および耐ガス性に優れ、それによる記録物も充分な画像堅牢性を発揮することができる。但し、顔料インクは、染料インクとは異なり、色材の分散性を考慮した取り扱いが要求される。
顔料インク中の顔料分子は、染料インク中の染料分子のようにインク溶液中には溶解せず、分散した状態で浮遊している。よって、顔料インクを収容するインクカートリッジが暫く静置されたままであると、そのインクカートリッジ内の顔料粒子は重力によって徐々に沈降し、インクカートリッジの高さ方向において顔料粒子の濃度傾斜が発生することがあった。すなわち、インクカートリッジの底部には色材濃度の高い層が位置し、その上部には色材濃度の低い層が位置することになる。この状態のインクカートリッジから記録ヘッドにインクを供給して画像の記録動作を開始し、そして記録動作を継続した場合には、記録動作の初期段階と後期段階において、画像に濃度差が発生するおそれがある。
具体的に説明するために、インクカートリッジの底部から記録ヘッドにインクを供給する構成のインクジェット記録装置を考える。この記録装置に、上述したように顔料粒子の濃度傾斜を有するインクカートリッジを装着して、記録を開始した場合、その当初においては、色材濃度の高いインクカートリッジ内の下層のインクが供給されるため、必要以上に高濃度な画像が記録される。その後、記録動作を続行することにより、インクカートリッジ内のインクの消費にしたがって、画像の記録濃度は徐々に低下する。そして、インクカートリッジ内のインクが少量になった状態においては、インクカートリッジ内には、当初の色材濃度よりも低い色材濃度のインクしか残存しなくなる。そのため、記録当初と同じ画像データに基づいて画像を記録したとしても、記録濃度が不十分となる。特に、顔料粒子の径や比重が大きい場合には、その沈降傾向が著しいため、インクカートリッジの非使用状態が数日間続くだけでも画像に影響が現れるほどの濃度傾斜が発生するおそれがある。
このように、インクカートリッジの使用に伴って、記録ヘッドから吐出されるインクの色材濃度が変化した場合には、インクカートリッジの使用初期と使用後期において記録画像に濃度差を発生させるだけではない。例えば、複数のカラーインクを用い、所定のカラーバランスのもとに所望の色相を表現するカラーインクジェット記録システムにおいては、カラーバランスが崩れるおそれがある。その場合には、より顕著な画像問題として認識されることになる。
インクカートリッジ内に残存するインク量の如何に拘わらず、記録ヘッドから吐出されるインク滴の色材濃度を所望の範囲内に維持するためには、少なくとも記録動作中に、インクカートリッジ内の顔料分子が一様に分散していることが望まれる。
このような顔料分子の一様な分散を実現するために、インクタンクの内部に、顔料分子を攪拌するための攪拌体を設ける構成が提案されている。
特許文献1には、手動操作が可能な攪拌体を備えたインクパックが開示されている。この攪拌体は、インクパックに対して、外部から挿入される形状になっている。外部に突出している攪拌体の一部は、インクパック内に延在している攪拌体の攪拌部を動作させるための操作部として作用する。つまり、ユーザが定期的あるいは必要に応じて攪拌部を揺動させることにより、インクパック内のインクを攪拌して、顔料分子を分散できるようになっている。
また、特許文献1には、記録動作時にキャリッジが移動する際の慣性力を利用して、タンク内のインクを攪拌させる揺動部材を設けたインクカートリッジが開示されている。一例として、インクカートリッジケースと一体に成形された撹拌体が示されている。この例では、攪拌体がインクカートリッジケースの天井から底部に向けて垂れ下がるように延出し、その下端部に円柱状の錘部が形成されている。その攪拌体は、キャリッジの加速・停止・反転の動作に伴う慣性力によって、天井の付け根部分を支点としてキャリッジの移動方向に揺動し、インクカートリッジ内のインクを攪拌する。
また、特許文献1には、他の例として、インクカートリッジケースに固定されずに、インクカートリッジ内の底面を自由に移動可能な撹拌体も開示されている。この攪拌体は、キャリッジの加速・停止・反転の動作に伴う慣性力によって、インクカートリッジ内の底面を移動してインクを攪拌する。
また、特許文献2には、キャリッジの移動に伴う慣性力によって、揺動中心軸の左右に揺動する軸状錘と、この軸状錘と一体になって左右に揺動する複数のフィンと、を備えた攪拌機構が開示されている。この構成によれば、複数枚のフィンがインクカートリッジの高さ方向に並列に配置されているため、インクカートリッジ内の上層部から下層部にかけてインクが均等に攪拌される。
特開2005−066520号公報 特開2004−216761号公報
しかしながら、上記特許文献に記載の構成においては、攪拌領域が限定されているため、沈降した顔料粒子を容器内部の全体に渡って攪拌するには、十分ではなく、効率が悪いものであった。
例えば、特許文献1に記載された、手動式の揺動部材を備えた構成では、その揺動部材の動きの自由度が少ないことから、インクカートリッジ内の限られた領域のインクしか攪拌することができない。特に、攪拌部の支点となる攪拌体とインクカートリッジとの接合部分の近傍では、攪拌部の移動域が狭いために充分な攪拌効果が得られない。
また、特許文献1に開示された、円柱状の錘部を設けた構成では、慣性力を効率的に利用してはいるものの、やはり攪拌可能な範囲が充分でない。さらに、インクカートリッジ内の底面を自由に移動可能な撹拌体を用いた場合には、インクカートリッジの底部近傍のインクに対する攪拌は期待できるものの、その撹拌体から離れているカートリッジ上層部領域に対する撹拌性は期待できない。
一方、特許文献2に開示された構成では、複数のフィンがインクカートリッジの高さ方向に配備されているため、高さ方向における攪拌の均等性はある程度期待できる。しかし、インクカートリッジ内の中心軸付近はフィンの揺動量が小さいため、撹拌効果は小さい。また、このように複数のフィンや回転軸を備える揺動部材は複雑な構成となるため、インクカートリッジ自体も高価なものになってしまう。
上述したように、インクカートリッジ内における顔料インクは、顔料粒子が重力にしたがって徐々に沈降することにより、インクカートリッジの高さ方向に顔料粒子の濃度傾斜が生じる。インクカートリッジ内の濃度差を解消するには、インクカートリッジの下層に沈降する高濃度のインクを積極的に上層部に巻き上げるか、もしくは上層部の低濃度のインクを下層部に流し込むように、インクを攪拌することが効率的である。
本発明の目的は、液体収納容器に収納されたインクなどの液体を効率的に攪拌するための揺動部材を、簡易かつ安価に設置することができる液体収納容器、ヘッドカートリッジ、インクジェット記録装置、および液体収納容器の攪拌方法を提供する。
本発明の液体収納容器は、液体を収納可能な液体収納部内に揺動部材を備え、前記揺動部材には、一端側の開口部と他端側の開口部とを連通して液体を案内するための中空部が形成された液体収納容器であって、前記揺動部材に、当該揺動部材の揺動支点となる支点部を設け、前記液体収納容器に、前記支点部を前記液体収納部内の定位置に支持する支持部を設けたことを特徴とする。
本発明のヘッドカートリッジは、上記の液体収納容器と、前記液体収納容器から供給された液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、を備えることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置は、インクを収納可能なインクタンクと、前記インクタンク内のインクを吐出可能な記録ヘッドと、を搭載可能なキャリッジを備えたインクジェット記録装置において、前記インクタンクは、インクを収納可能なインク収納部内に揺動部材を備え、前記揺動部材には、一端側の開口部と他端側の開口部とを連通してインクを案内するための中空部が形成され、前記揺動部材に、当該揺動部材の揺動支点となる支点部を設け、前記液体収納容器に、前記支点部を前記液体収納部内の定位置に支持する支持部を設け、前記インクジェット記録装置は、前記支点部を揺動支点として前記揺動部材を揺動させるように、前記キャリッジを往復移動させる手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、液体収納容器に設けた支持部によって、液体収納部内に備わる揺動部材の揺動支点部を支持することにより、液体を効率的に攪拌するための揺動部材を最適な位置に簡易かつ安価に設置することができる。これにより、液体収納容器の液体を攪拌する上で効果的な流れを生じさせ、全域を攪拌し、その液体の濃度傾斜を少なくすることができる。
例えば、液体収納容器が顔料インクを収納するインクカートリッジを構成する場合には、その顔料インクを効率よく攪拌して、その顔料成分の濃度を均一化することにより、長期間放置した後においても高品位の画像を記録することができる。また、画像の記録動作前におけるインクの攪拌時間を短縮することもできる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態における液体収納容器は、いわゆるシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置に搭載可能なインクカートリッジ(カートリッジタイプのインクタンク)としての適用例である。
図1は、本例におけるインクジェット記録装置の外観斜視図である。この記録装置は、記録媒体に対しての記録を行なう装置本体M1000と、記録媒体を装置内へ供給するための給紙部M3022と、記録後の記録媒体を受容する排紙トレイM1004と、から主に構成されている。
図2は、装置本体M1000の内部機構を説明するための斜視図である。装置本体M1000の主な内部機構は、シャーシM3019に設置・保護されている。M4001はキャリッジであり、不図示の記録ヘッドカートリッジを搭載した状態で矢印Xの主走査方向へ往復移動可能である。記録動作コマンドが入力されると、給紙部M3022に積載されている記録媒体の1枚が給紙され、キャリッジM4001上の記録ヘッドカートリッジによって画像が記録可能な位置まで搬送される。その後、キャリッジM4001が主走査方向に移動しながら、記録ヘッドカートリッジの記録ヘッドが画像データに基づいてインクを吐出する記録走査と、搬送手段によって記録媒体を矢印Yの副走査方向へ搬送する動作と、を繰り返す。これにより、記録媒体に順次画像が形成される。
図3は、本例における記録ヘッドカートリッジH1001とインクカートリッジ(液体収納容器)の斜視図である。記録ヘッドカートリッジH1001の一側には、吐出口からインク滴を吐出可能な記録ヘッドH1000が備えられ、その反対側には、記録ヘッドH1000にインクを供給するためのインクカートリッジ1が着脱可能に装着される。本例の記録ヘッドカートリッジH1001には、6色分のインクカートリッジ1が独立に装着できるようになっている。
記録ヘッドH1000には、微細な記録素子が複数配列されており、各記録素子にはインクを吐出させるための機構が備わっている。例えば、発熱抵抗体(ヒータ)を有する電気熱変換素子が配備された構成では、インクの吐出信号に応じて、個々の電気熱変換素子に電圧パルスが印加される。これにより、発熱抵抗体の近傍のインクが急激に加熱され、そのときに生じる膜沸騰の作用によって、インク滴が吐出口から吐出される。インクを吐出するための吐出エネルギー発生手段としては、電気熱変換素子の他、ピエゾ素子などを用いることもできる。
(インクカートリッジ全体の構成)
図4は、インクカートリッジ1の外観斜視図である。インクカートリッジ1は、内部にインク収納室を備えた容器であり、主に、インク容器10と蓋部材20から構成されている。インクカートリッジ1の底部には、記録ヘッドH1000にインクを供給可能なインク供給口30が備えられている。
本例のインクカートリッジ1は、図5のような一般的なインクカートリッジ、つまりインクの収納量の減少に伴って容積が変化するタイプのインクカートリッジに対して、図6のように揺動部材(撹拌部材)100を備えた構成となっている。すなわち、インク容器10は、例えば、ポリプロピレンによって形成されており、その内壁に設けられた溝(支持部)40に軸101が支持され、その軸101に、インクを攪拌するための揺動部材100が取り付けられている。
インク容器10内には、図5のように、ばね部材50、板部材60、および可撓性フィルム70が収容され、そしてインク容器10の開口部は蓋部材20によって封じられる。インク容器10の内壁には、揺動部材100を支持するための溝40が形成されており、その溝40は、インク容器10の底面に沿って水平に延在して、インク容器10の幅方向における途中位置まで形成されている。蓋部材20には、溝40に対応する個所に突出壁20Aが設けられており、インク容器10に蓋部材20が取り付けられることにより、突出壁20Aが溝40を覆って、水平方向における軸101の移動を規制する構成となっている。このように軸101は、溝40によって上下方向の位置が規制され、かつ突出壁(規制部材)20Aによって水平方向の位置が規制されて、その位置が固定される。突出壁20Aは、水平方向において軸101の位置を固定する他、軸101の軸線方向における若干のスライドを許容する構成、あるいは溝40の延在方向における軸101の若干の移動を許容する構成としてもよい。
インク供給口30を形成するインク容器10の部位には、メニスカス形成部材31が備えられている。メニスカス形成部材31は、例えば、ポリプロピレンの繊維材料から形成されて毛細管力を有する毛管部材、または、この毛管部材とフィルター部材(透過寸法は15〜30μm程度、材質はステンレス材料やポリプロピレン等)を組み合わせた吸収体である。メニスカス形成部材32とインク容器10の内部との間は、インク流路によって連通されており、インク容器10内のインク収納室(インク収納部)80から、記録ヘッドH1000にインクが供給できるようになっている。また、メニスカス形成部材32内にはインクによるメニスカスが形成され、外部からの気泡がインク容器10内に侵入しないようになっている。メニスカス形成部材31は、押え部材32によって外側から押されて止められている。
インク容器10の開口周縁部には可撓性フィルム70が溶着され、これにより、インク容器10内にインク収納室80(図7参照)が形成される。インクは、可撓性フィルム70とインク容器10とによって形成されたインク収納室内(インク収納部内)に収容される。可撓性フィルム70は、例えば、ポリプロピレンの薄膜のような、厚み20〜100μm程度のフィルム部材であればよい。ばね部材50は、板部材60を介して可撓性フィルム70を外方に付勢する。外方に付勢された可撓性フィルム70は、図7のように、インク収納室80の外側に向かって突出する凸型となる。この可撓性フィルム70は、蓋部材20によって保護され、また凸型部の突出量が制限される。このようなばね部材50の付勢力により、インク収納室80内は負圧状態となる。
蓋部材20には、不図示の大気連通部が設けられており、インク収納室80の外側は大気圧に保たれる。ばね部材50と板部材60は、例えば、ステンレス材料により形成されている。
インク収納室80内のインクが記録ヘッドへの供給によって消費されるにつれて、ばね部材50の縮みを伴って可撓性フィルム70が撓み、インク収納室80の容積が減少していく。本例のインクカートリッジ1は、板部材60がインク容器10の内壁に接触するまで、インク収納室80内のインクを消費することが可能である。
(充填されるインクの組成)
本例において使用されるインクは、例えば、顔料成分を含有するインク(顔料インク)である。その顔料インクの顔料は、例えば、分散剤や活性剤を用いる樹脂分散剤タイプの顔料(樹脂分散型顔料)や、活性剤分散タイプの顔料であってもよい。その顔料は、水不溶性色剤自体の分散性を高めることによって、分散剤等を用いることなく分散可能としたマイクロカプセル型顔料であってもよく、また、顔料粒子の表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散型顔料)でもよい。更には、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基が化学的に結合することによって、改質された顔料(ポリマー結合型自己分散顔料)を用いることもできる。もちろん、これらの分散方法の異なる顔料を組み合わせて使用することも可能である。本発明において使用できる顔料は、特に限定されるものではない。
下表1に、本例に使用する顔料インクの組成を2種類(顔料インク1,2)例示する。しかし本発明は、これらの組成に限定されるものではない。
本例において使用する顔料インクは下表1に示すインク配合比であって、顔料分散体1には自己分散型の顔料が使用され、顔料分散体2には樹脂分散型の顔料が使用されている。また、顔料分散体1と顔料分散体2は、いずれも顔料に水を加えて、顔料濃度が10質量%となるように分散させることにより、分散液を調合している。各溶剤の配合は、下表1に記載されている。
Figure 2008273041
インクカートリッジに注入する顔料インクの比重は、揺動部材の比重より小さいものが望ましい。本例における揺動部材は、ステンレス材料であって比重が8.0g/cm3であり、顔料インクの比重は1.0〜1.1g/cm3であり、揺動部材より顔料インクの比重が小さい。
(攪拌機構の構成)
図6は、揺動部材100の設置状態を説明するための斜視図である。
揺動部材100を回転自在に貫通する軸105の両側は、インク容器10の内壁に形成された溝状の溝40に案内される。軸105は、揺動部材100が揺動する際の支点となる。軸105は、その軸線方向における揺動部材100のスライドを許容してもよく、また、そのスライド範囲は所定の範囲に制限してもよい。軸105は、前述したように、溝40により支持されて上下方向(溝40の延在方向)の位置が規制され、かつ蓋部材20の突出壁20Aによって水平方向の位置が規制される。
このように軸105は、揺動部材100の揺動中心上に位置する支点部を構成する軸部であり、溝40は、軸105を定位置に誘導して支持するための支持部を形成する。したがって溝40は、その定位置にまで延在する端部を含み、その端部において、軸105の位置が規制されることになる。また溝40は、インク容器(容器本体)10の開口部近傍から、蓋部材20の取り付け方向に沿って延在する。また、本例における揺動部材100は、インク供給口(液体供給口)30が重力方向の下側を向いている図6の状態において、そのインク供給口30の重力方向の上方に支持される。これにより、インク供給口30付近においてインクを効率よく攪拌することができる。
揺動部材100には、インク容器10の重力方向の下側に位置する下側開口部102と、その上側に位置する上側開口部103と、が形成され、それらの開口部102,103の間に中空部104が形成される。このように揺動部材100は、内部が中空の中空部104となるように管状に成形されている。さらに、揺動部材100は、インク収納室80内にインクが充填されると、開口部102,103および中空部104がインクに没する構成となっている。
また、本例の揺動部材100は、ステンレス材料によって形成されている。本発明における揺動部材の材質は、これに限られるものではない。しかし、揺動部材100の形成材料は、インク収納室80内に収容されたインクよりも比重が大きい材料であることが望ましい。さらに、使用するインクの比重、粘度、および後述するキャリッジの移動速度等によって、揺動部材100の移動速度が変わって、撹拌効率が変わることがあるため、揺動部材100の比重は、種々の条件に応じて適宜選択されることが望ましい。
(攪拌機構の動作および作用)
図7は、本例における揺動部材100の動作を説明するためのインクカートリッジ1の側断面図であり、図4のVIII−VIII線に沿う断面図に相当する。
図7(a)は、揺動部材100の第1の状態を示す。キャリッジM4001は記録媒体の記録幅の範囲で主走査方向(矢印X方向)往復移動するため、その移動方向が反転する際には、減速、停止、および反対方向への加速が行なわれる。その際、インクカートリッジ1には慣性力が働く。その慣性力が矢印X2方向に働く場合、つまりキャリッジM4001の移動方向が矢印X2方向からX1方向に反転する場合、揺動部材100は図7(a)のように、支持部101を支点として矢印A1方向に回転する。このとき上側開口部103側は、インク容器10の内壁に接触する方向に変位する。ここでは、このように慣性力がX2方向に働いている状態を第1の状態としている。キャリッジM4001の移動方向が矢印X2方向からX1方向に反転した後、キャリッジM4001が矢印X1方向の等速移動するときには、慣性力は働かなくなり、揺動部材100は第1の状態のままに保たれる。
図7(b)は、揺動部材100の第2の状態を示す。第2の状態は、第1の状態とは逆に慣性力がX1方向に働く場合、つまりキャリッジM4001の移動方向が矢印X1方向からX2方向に反転する場合、揺動部材100は図7(b)のように、支持部101を支点として矢印A2方向に回転する。このとき上側開口部103側は、インク収納室80内の板部材60に近づく方向に変位する。ここでは、このように慣性力がX1方向に働いている状態を第2の状態としている。キャリッジM4001の移動方向が矢印X1方向からX2方向に反転した後、キャリッジM4001が矢印X2方向の等速移動するときには、慣性力は働かなくなり、揺動部材100は第2の状態のままに保たれる。
記録動作に伴ってキャリッジM4001が往復移動を繰り返すため、揺動部材100は、繰り返し図7(a),(b)の第1および第2の状態となって、インク収納室80内のインクを攪拌する。
図7(c)は、揺動部材100が揺動するときの開口部102,103の変位方向、変位量、およびインクの流れを示す。
揺動部材100の揺動に伴う上側開口部103の変位量X(103)は、下側開口部102の変位量X(102)より大きい。そのため、上側開口部103とその近傍のインクとの相対的な移動速度は、下側開口部102とその近傍のインクとの相対的な移動速度よりも速くなる。上側開口部103、下側開口部102、および中空部104が共にインクに没しているとき、2つの開口部102,103の速度差により、下側開口部102の近傍のインクと、上側開口部103の近傍のインクと、の間に圧力差が生じる。
本例では、上側開口部103とその近傍のインクとの相対的な移動速度は、下側開口部102とその近傍のインクとの相対的な移動速度よりも速いため、上側開口部103近傍のインクの圧力は、下側開口部102近傍のインクより低くなる。したがって、下側開口部102から上側開口部103に向かって、中空部104を通してインクの流れB1,B2,B3が生じる。このインクの流れを利用して、インク収納室80の下層部に沈降しがちな顔料粒子を上層部にまで持ち上げることができ、この結果、インク収納室80内の顔料粒子を攪拌することができる。
本発明者らは、インクの攪拌効果を検証するために、揺動部材の中空部がインク中に没する位置まで、顔料インクをインクタンクに注入した。そして、顔料インクの沈降する現象を短期間で検証するために、そのインクタンクを加温保存した。その加温保存は、温度60℃で90日間保存した。このように加温保存したインクタンクを常温環境化に置き、そして温度をさました後に、揺動部材を揺動させずにインクタンク内の重力方向の下側に位置する顔料インクを採取した。また、同様に加温保存した後の別のインクタンクにおいては、揺動部材を揺動させてから、インクタンク内の重力方向の下側に位置する顔料インクを採取した。そして、これら両者のインクタンクから採取した顔料インクの顔料濃度を比較した。
下表2は、このように加温保存後に攪拌せずに採取した顔料インクの顔料濃度と、加温保存後に上述した方法によって攪拌してから採取した顔料インクの顔料濃度と、を示す。下表2中の顔料濃度は、加温保存前の顔料濃度を100としたときの相対値である。下表2に示すように、撹拌をしなかったときの前者の顔料濃度は170であり、撹拌をしたときの後者の顔料濃度は120未満であった。これにより、上述した撹拌方法を実施することにより、インクの顔料濃度を加温保存前の顔料濃度に近づくことが確認できた。
Figure 2008273041
このように第1の実施形態においては、揺動部材が揺動したときに、その下側に形成される開口部の移動速度が、その上側に形成される開口部よりも遅くなるように構成することにより、インク容器内の下層部から上層部に向かうインクの流れを生じさせる。そのインクの流れにより、インク容器内にて、濃度の濃いインクと薄いインクとを対流させて、効率よく攪拌することができる。この結果、インクタンクの使用初期と使用後期において、記録画像に濃度差が生じることを防止したり、複数のカラーインクを用いた時に発生するカラーバランスの崩れを防止することができる。
揺動部材の上側開口部と下側開口部の移動速度差を大きくするためには、揺動部材100の揺動支点が下側開口部に近く、上側開口部から遠いほど有利である。揺動部材が剛体である場合には、少なくとも揺動部材の揺動支点から、上側開口部および下側開口部までの距離が異なっている必要がある。
また、揺動部材100が一方向に揺動し、続いて逆方向に反転する直前に、中空部104内のインクに慣性力を働かせることにより、その中空部104内のインクに上側開口部103に向かう流れを生じさせることもできる。揺動方向の反転時に、中空部104内のインクは、慣性力によって下側開口部102から上側開口部103に向かう推進力を受け、その中空部104を通して、図7(c)のようなインクの流れB1,B2,B3が生じる。このインクの流れを利用して、インク収納室80の下層部に沈降しがちな顔料粒子を上層部にまで持ち上げることができる。この結果、インク収納室80内の顔料粒子を効率よく攪拌することができる。揺動部材100の揺動方向は、必ずしも反転する必要は無い。慣性力によって、インク収納室の底部に位置する顔料粒子を揺動部材の中空部を経由して容器上部へ巻き上げるための充分な推進力が加えられればよく、揺動部材の一方向の揺動の後、その揺動部材が停止しても構わない。
また、揺動部材100の揺動によって中空部104内のインクに遠心力を働かせることにより、その中空部104内のインクに、上側開口部103に向かう流れを生じさせることもできる。また、揺動部材100の外壁とインク収納室80の内壁との相対的な近接および離間変位によって、機械的にインクの流れを生じさせることもできる。
いずれの構成においても、中空部を有する揺動部材を液体収納容器内に備え、その揺動部材を揺動させることにより、その中空部の一端側から液体を中空部内に流入させて、その中空部の他端側から液体を流出させるように、液体を中空部内に案内できればよい。それにより、液体収納容器内の液体を攪拌する上において、効果的な液体の流れを生じさせることができる。
本実施形態のように、揺動部材における鉛直方向下側の開口部近傍に揺動支点を設けた場合、インク収納室の下層部に沈降しがちな顔料粒子を容易かつ確実に上層部にまで持ち上げることができる。すなわち、揺動部材の鉛直方向中央部よりも下側に揺動支点を位置させることにより、重力方向下方に位置する開口部から導入したインクを重力方向上方に位置する開口部から導出することができる。つまり、中空部を経由して、重力方向の下方から上方に向かってインクを案内して攪拌することができる。この結果、液体収納容器に収納されたインクなどの液体の全域を効率的に攪拌して、その液体の濃度傾斜を少なくすることができる。撹拌の効果は、インク収容室の寸法、揺動部材の内径、揺動部材の周囲長、揺動部材の表面積、揺動部材の長さ、揺動部材の比重、揺動部材の移動速度、揺動部材の移動距離、インクの粘度、接触角、インクの比重等のパラメータにより差が生じる。しかしながら、このようなパラメータは、インクタンク内のインクが揺動部材の中空部を経由して、容器内部を移動するために充分な推進力が得られるのであれば、どのように設定してもよい。タンク内のインクに作用する遠心力、および慣性力によって、このような推進力が発生するように、揺動部材500を揺動させればよい。このような揺動部材の揺動によって、インクタンク内のインクを撹拌することが可能となる。
また本例では、キャリッジの往復移動により、揺動部材を揺動させる方法を示した。しかし、本発明の液体収容器は、例えば、その物流中の移動時等の振動により揺動部材が揺動した場合においても、撹拌効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態における液体収納容器は、前述した図1から図3の記録装置に搭載可能なインクカートリッジとしての適用例である。
本例のインク容器10には、図8のように、先端に凹部141を有する突起部140が設けられており、その凹部141にが軸105をくわえ込むことにより、前述した実施形態と同様に、軸105の上下方向および水平方向の位置を規制する構成となっている。例えば、突起部140をインク容器10と共に樹脂材料により形成することにより、凹部141が弾性変形を伴って軸105をくわえ込む構成(スナップフィット構成)とすることができる。また、105の軸線方向の移動はインク容器10の内壁によって規制することができ、また、突起部140の凹部141と、インク容器10の内壁と、の間に、軸105の両端を挟むように保持してもよい。また、蓋部材20にも凹部141と同様の凹部を備え、それらの凹部によって、軸105を上下方向から、あるいは水平方向から挟み込むように保持してもよい。
このように、揺動部材100の軸105の位置を固定することにより、顔料が沈降しやすい特定の箇所などに揺動部材100を支持して、より効率的にインクを攪拌することができる。また、突起部140はインク容器10と一体的に形成することができ、例えば、インク容器10と共に射出成形することができる。また、蓋部材20にも凹部141と同様の凹部を設ける場合、その凹部は蓋部材20と一体的に形成することができ、例えば、蓋部材20と共に射出成形することができる。
また、図9のように、突起部140の先端以外の部分に、軸105を固定するための凹部142を設けても同様の効果を得ることができる。図9においては、突起部140の中間部分に凹部142が形成されている。凹部142は、図9のように突起部140のみによって形成する構成に特定されない。例えば、インク容器10側と蓋部材20側のそれぞれに突起部を設け、それらの突起部を突き合わせることによって、凹部142を形成するようにしてもよい。その場合、それらの突起部には、凹部142を上下方向あるいは水平方向に分割したような形状の部分が形成される。
図8および図9のように軸105を支持する構成においては、揺動部材100を備えた軸105を凹部141および142内に落とし込むことにより、揺動部材100を容易に取り付けることができる。軸105は、揺動部材100の揺動中心上に位置して支点部を構成する軸部であり、凹部141および142は、軸105と記支持部は、前記軸部とはまり合う支持部を構成する。
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態におけるインクカートリッジの内部の斜視図である。本例のインクカートリッジにおいて、揺動部材が備わる液体収納部(インク収納部)は、液体の収納量が減っても容積が変化しない構成となっている。
本例のインクカートリッジにおける容器本体401は、例えばポリプロピレンで形成されており、その内部には、インクを攪拌するための揺動部材500が収容される。容器本体401の上側の開口部は、蓋部材402によって封じられる。インクカートリッジの内部は、仕切壁413によって2つの空間に仕切られ、かつ、それらの空間は、仕切413の下端に形成される連通部414を通して互いに連通されている。一方の空間は、仕切壁413の連通部414を除いて実質的に密閉されており、インクを直接収納可能なインク収納室411を形成している。他方の空間には、インクを保持する第1および第2の負圧発生部材415,416が収納されており、インクに負圧を付与する負圧発生室412を形成している。負圧発生室412には、大気連通口417と供給口403が形成されている。大気連通口417は、蓋部材402に形成されていて、インクの消費に伴ってインクカートリッジ内に大気を導入する。供給口403は、容器本体401に形成されていて、インクカートリッジ内のインクを記録ヘッドにインクに供給すべく、そのインクを外部に導出可能である。供給口403には、インクを保持する不図示のメニスカス形成部材が備えられている。メニスカス形成部材内にインクのメニスカスが形成されることにより、外部からの気泡がインクカートリッジ内に侵入しないようになっている。
第1および第2の負圧発生部材415,416は、例えば、ポリプロピレンの繊維材料から形成されていて毛管力を発生する。これらの負圧発生部材415,416は互いに圧接されている。第1の負圧発生部材415の毛管力をP1、第2の負圧発生部材416の毛管力をP2、メニスカス形成部材の毛管力をP3とした場合、それらの毛管力は、P1<P2<P3の関係にある。
このように構成されたインクカートリッジにおいて、負圧発生室412内のインクが記録ヘッドによって消費されると、大気連通口417から負圧発生室412に空気が導入され、その空気が仕切壁413の連通部414を通してインク収納室411に入る。このように空気がインク収納室411内に入る代わりに、そのインク収納室411内のインクが連通部414を通して負圧発生室412内に入って、負圧発生部材415、416に吸収される。このように、連通部414を通して、空気とインクの気液交換が行なわれる。
仕切壁413とインク収納室411の内壁には、上下方向に延在する溝(支持部)550が形成されており、揺動部材500を回転自在に貫通する軸505の両端は、これらの溝550の間に上方から案内される。図10においては、仕切壁413側の溝550のみが現されており、インク収納室411の内壁側の溝550は現されていない。溝550の下端は、インク収納室411の底面よりも若干上方に位置しており、軸505の端部は、上方から溝505の下端の位置まで落とし込まれる。軸505は、揺動部材500が揺動する際の支点となる。
蓋部材402には、溝550に対応する個所に突出壁551が設けられており、容器本体401に蓋部材402が取り付けられることにより、突出壁551が溝550を覆って、上下方向における軸501の移動を規制する構成となっている。図10においては、仕切壁413側の溝550に対応する突出壁551のみが現されており、インク収納室411の内壁側の溝550に対応する突出壁551は現されていない。このように軸501は、溝505によって水平方向の位置が規制され、かつ突出壁551によって上下方向の位置が規制される。本例における軸501は、インク供給口(液体供給口)403が重力方向の下側を向いている図10の状態において、重力方向の上方から前記容器本体402に取り付けられる。
揺動部材500には、前述した実施形態の揺動部材と同様に、容器本体401の重力方向の下側に位置する下側開口部502と、その上側に位置する上側開口部503と、が形成され、それらの開口部502,503の間に中空部504が形成される。本例の揺動部材500は、開口部502,503の開口形状、および中空部504の断面形状は円形となっている。
揺動部材500は、前述した実施形態の揺動部材と同様に機能して、インク収納室411内のインクを攪拌することができる。また、溝505の下端の位置をインク収納室411の底部から若干上方の位置に設定して、その位置に、揺動部材500の軸105の位置を固定することにより、顔料が沈降しやすい箇所に揺動部材500を支持して、より効率的にインクを攪拌することができる。また、揺動部材500を取り付けた軸505を溝550内に落とし込むことにより、揺動部材500を容易に取り付けることができる。
(他の実施形態)
上述した実施形態において、揺動部材は、その重力方向の下方寄りの位置(下側開口部寄りの位置)が揺動支点となっており、これにより、揺動部材の中空部内を下方から上方に向かう液体の流れを生じさせる構成となっている。しかし、揺動部材の上方寄りの位置(上側開口部よりの位置)に揺動支点を設定してもよい。この場合には、上部開口部と下部開口部と移動速度の差によって、揺動部材の中空部内を上方から下方に向かう液体の流れを生じさせて、前述した実施形態と同様に液体を攪拌することができる。つまり、上部開口部と下部開口部の一方寄りに位置する支持部を支点として揺動部材を揺動させることにより、揺動部材の中空部に、下方から上方、または上方から下方への向かうインクの流れを積極的に生じさせることができる。その液体の流れの方向は、液体の収納空間の形状、液体の種類などに応じて最適に設定することができる。また、その液体の流れは、少なくとも2つの開口部と、その間の中空部を通して生じればよい。したがって、揺動部材における中空部および開口部の位置、形状、および数などは任意である。
また、液体の流れを生じさせるための流動手段は、開口部と液体とを相対移動させたときに、ベルヌーイの定理により開口部付近に生じる液体の負圧を利用する他、液体の遠心力や慣性力などを利用することができる。すなわち、揺動部材の揺動に伴う中空部内の液体の遠心力を利用したり、揺動部材の移動停止時における中空部の内または外の液体の慣性力などを利用することができる。
また、揺動部材の中空部内における液体の流れと、揺動部材の動きによって液体が機械的に攪拌されるときの液体の動きと、を組み合わせることにより、より効率よく液体を攪拌することができる。
上述した実施形態は、本発明における液体収納容器の一例として、いわゆるシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置に搭載可能なインクカートリッジ(カートリッジタイプのインクンタンク)としての適用例を示したものである。しかしながら、本発明はインクカートリッジのみに適応されるものではない。液体を案内する中空部を備えた揺動部材を有する液体収納容器を、例えば、載置台に搭載し、往復移動することで、揺動部材を揺動させる形態で液体を撹拌するものであれば適用可能である。また、インクタンク(液体収納容器)と、そのインクタンク内から供給されるインク(液体)を吐出可能なインクジェット記録ヘッド(液体吐出ヘッド)と、を備えたインクジェットカートリッジ(ヘッドカートリッジ)を構成することもできる。また、液体収納容器の移動は、往復移動に限らず、例えば、ある方向に移動した後、一旦停止してから再度同一方向に移動させるという動作であっても、揺動部材を揺動し、液体を撹拌することが可能である。
本発明は、液体収納容器に設けた支持部によって、揺動部材の揺動支点となる支点部を支持し、その揺動部材の支点部を液体収納部内の定位置に支持することができればよく、それらの支点部および支持部の構成は上述した実施形態にみに特定されない。例えば、支点部を凹部とし、支持部を凸部としてもよい。支持部は、例えば樹脂材料によって、液体収納容器と共に射出成形により一体成形することができる。
本発明の第1の実施形態における記録装置の外観斜視図である。 図1の記録装置の内部機構を説明するための斜視図である。 図2におけるキャリッジに搭載可能な記録ヘッドカートリッジとインクカートリッジの斜視図である。 図3のインクカートリッジの斜視図である。 図3のインクカートリッジの基本構成を説明するための分解斜視図である。 図3のインクカートリッジにおける揺動部材の固定方法を説明するための要部の斜視図である。 (a),(b),(c)は、それぞれ、図6における揺動部材の動作を説明するためのインクカートリッジの断面図である。 本発明の第2の実施形態における揺動部材の固定方法を説明するための要部の斜視図である。 本発明の第2の実施形態における揺動部材の他の固定方法を説明するための要部の斜視図である。 本発明の第3の実施形態における揺動部材の固定方法を説明するための要部の斜視図である。
符号の説明
1 インクカートリッジ(液体収納容器)
10 インク容器
50,550 溝(支持部)
80 インク収納室
100,500 揺動部材
102,502 下側開口部
103,503 上側開口部
104,504 中空部
105,505 軸(支点部)
140 突起部
141,142 凹部(支持部)

Claims (12)

  1. 液体を収納可能な液体収納部内に揺動部材を備え、前記揺動部材には、一端側の開口部と他端側の開口部とを連通して液体を案内するための中空部が形成された液体収納容器であって、
    前記揺動部材に、当該揺動部材の揺動支点となる支点部を設け、
    前記液体収納容器に、前記支点部を前記液体収納部内の定位置に支持する支持部を設けた
    ことを特徴とする液体収納容器。
  2. 前記支持部は、前記液体収納容器に一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の液体収納容器。
  3. 前記支点部は、前記揺動中心上に位置する軸部であり、
    前記支持部は、前記軸部を前記定位置に誘導する溝を含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体収納容器。
  4. 前記溝は、前記定位置にまで延在する端部を含み、
    前記軸部は、前記溝の前記端部において位置が規制される
    ことを特徴とする請求項3に記載の液体収納容器。
  5. 前記溝の延在方向における前記軸部の位置を規制する規制部材を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の液体収納容器。
  6. 前記液体収納部は、容器本体の開口部に蓋部材が取り付けられることによって形成され、
    前記溝は、前記容器本体の前記開口部近傍から、前記蓋部材の取り付け方向に沿って延在し、
    前記規制部材は前記蓋部材に備わる
    ことを特徴とする請求項5に記載の液体収納容器。
  7. 前記液体収納部内の液体を外部に供給可能な液体供給口を備え、
    前記蓋部材は、前記液体供給口が重力方向の下側を向いている状態において、重力方向の上方から前記容器本体に取り付けられる
    ことを特徴とする請求項6に記載の液体収納容器。
  8. 前記液体収納部内の液体を外部に供給可能な液体供給口を備え、
    前記定位置は、前記液体供給口が重力方向の下側を向いている状態において、前記開口部の重力方向の上方に前記揺動部材を支持する位置である
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の液体収納容器。
  9. 前記支点部は、前記揺動中心上に位置する軸部であり、
    前記支持部は、前記軸部とはまり合う凹部を含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体収納容器。
  10. 前記液体収納部は、容器本体の開口部に蓋部材が取り付けられることによって形成され、
    前記凹部は、前記容器本体に設けられた突起部と、前記蓋部材に設けられた突起部と、の間に形成される
    ことを特徴とする請求項9に記載の液体収納容器。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の液体収納容器と、
    前記液体収納容器から供給された液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、
    を備えることを特徴とするヘッドカートリッジ。
  12. インクを収納可能なインクタンクと、前記インクタンク内のインクを吐出可能な記録ヘッドを、を搭載可能なキャリッジを備えたインクジェット記録装置において、
    前記インクタンクは、インクを収納可能なインク収納部内に揺動部材を備え、
    前記揺動部材には、一端側の開口部と他端側の開口部とを連通してインクを案内するための中空部が形成され、
    前記揺動部材に、当該揺動部材の揺動支点となる支点部を設け、
    前記液体収納容器に、前記支点部を前記液体収納部内の定位置に支持する支持部を設け、
    前記インクジェット記録装置は、前記支点部を揺動支点として前記揺動部材を揺動させるように、前記キャリッジを往復移動させる手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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