JP2008271887A - オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別方法 - Google Patents

オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008271887A
JP2008271887A JP2007120570A JP2007120570A JP2008271887A JP 2008271887 A JP2008271887 A JP 2008271887A JP 2007120570 A JP2007120570 A JP 2007120570A JP 2007120570 A JP2007120570 A JP 2007120570A JP 2008271887 A JP2008271887 A JP 2008271887A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheat
calingiri
primer
seq
pcr
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007120570A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4041524B1 (ja
Inventor
Tatsuya Ikeda
達哉 池田
Kanenori Takada
兼則 高田
Mikiko Yanaka
美貴子 谷中
Naoyuki Ishikawa
直幸 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Agriculture and Food Research Organization
Original Assignee
National Agriculture and Food Research Organization
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Agriculture and Food Research Organization filed Critical National Agriculture and Food Research Organization
Priority to JP2007120570A priority Critical patent/JP4041524B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4041524B1 publication Critical patent/JP4041524B1/ja
Publication of JP2008271887A publication Critical patent/JP2008271887A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】 小麦における外国産品種、特にオーストラリア産麺用小麦銘柄の混入の有無を明らかにするため、その構成品種を判別するDNAマーカーを開発すること。
【解決手段】 Glu-A1遺伝子座にコードされるオーストラリア産の麺用小麦銘柄に特異的な遺伝子型を判定することによるオーストラリア産麺用小麦銘柄の判別方法、当該遺伝子型を検出し得るオリゴヌクレオチド、並びに当該オリゴヌクレオチドを含むオーストラリア産麺用小麦銘柄の判別用キットを提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、小麦原料として用いられるオーストラリア産麺用小麦銘柄の判別に関する。
小麦を用いた製品には、うどん、パン、中華麺など様々な製品がある。食品の安全性と信頼性への関心の高まりから、国産小麦への需要が高まっている。
しかし、国産小麦は外国産小麦に比べて加工品質が劣るものが多く、国産小麦100%使用を銘打ちながら、外国産小麦をブレンドして加工品質を改良した製品が販売される偽装表示が大きな問題となっている。
それゆえ、原料小麦を明らかにする要望が、消費者をはじめとして小麦粉流通業者や食品加工業者などから高まっている。
ASWN (Australian Standard White Noodle)は、オーストラリア産の麺用小麦品種である「Arrino」や「Cadoux」、「Eradu」、「Calingiri」などがブレンドされた、オーストラリア産の日本麺用小麦銘柄である。このASWNは、うどんの主要原料であるほか、そうめんや即席麺の主原料としても広く流通しており、国産小麦への混入の可能性が高い小麦である。
小麦の判別については、いくつかの蛋白質の組成の違いを組み合わせて品種を判別する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、既知の検出手法は複雑な上、特定の外国産小麦を判別できるものではなかった。
そこで、ASWN等の外国産小麦を容易に判別できる方法の開発が望まれていた。
特開2005-69935号公報
本発明は、小麦における外国産品種、特にASWNの混入の有無を明らかにするため、その構成品種を判別するDNAマーカーを開発することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、グルテンを構成するタンパク質の1つである高分子量グルテニン・サブユニットの内、Glu-A1遺伝子座にコードされる新規な型の遺伝子を、ASWNにブレンドされるオーストラリアの軟質小麦品種であるCalingiriが持っていることを見出した(配列表の配列番号1参照)。そして、その新規な遺伝子型の塩基配列と、既知の配列とを比較することにより決定した多型(図1参照)をもとに、Calingiriを含むASWNの存在の有無を検出する方法を開発した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、請求項1に記載の本発明は、Glu-A1遺伝子座にコードされるオーストラリア産の麺用小麦銘柄に特異的な遺伝子型を判定することによる、オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別方法である。
請求項2に記載の本発明は、遺伝子型の判定を、配列番号1に示す塩基配列中、第151位、第241位、第254位、第278位、第335位、第342位、第519位、第702位、第805位、第894位、第1001位、第1029位、第1267位、第1301位、第1401位、第1571位、第1649位、第1730位、第1766位、第1768位、第1938位、第1941位及び第1978位のうち少なくとも1箇所における変異を検出することにより行なう、請求項1に記載の判別方法である。
請求項3に記載の本発明は、変異の検出を、配列番号2〜21に示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなるオリゴヌクレオチドのうち少なくとも1種を用いて行なう、請求項1又は2に記載の判別方法である。
請求項4に記載の本発明は、変異の検出を、配列番号2〜10に示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなるオリゴヌクレオチドのうちいずれか1種、及び配列番号11〜21に示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなるオリゴヌクレオチドのうちいずれか1種を組み合わせたプライマーセットを用いた、小麦試料から抽出した核酸を鋳型とする遺伝子増幅反応によって行なう、請求項1〜3のいずれかに記載の判別方法である。
請求項5に記載の本発明は、配列番号1に示す塩基配列中、第151位、第241位、第254位、第278位、第335位、第342位、第519位、第702位、第805位、第894位、第1001位、第1029位、第1267位、第1301位、第1401位、第1571位、第1649位、第1730位、第1766位、第1768位、第1938位、第1941位及び第1978位のうち少なくとも1箇所における変異を検出し得るオリゴヌクレオチドである。
請求項6に記載の本発明は、配列番号2〜21のいずれかに示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなる請求項5に記載のオリゴヌクレオチドである。
請求項7に記載の本発明は、請求項5又は6に記載のオリゴヌクレオチドを含む、オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別用キットである。
本発明によれば、ASWNの構成品種を判別できるDNAマーカーを提供することにより、小麦におけるASWNの混入の有無を簡便かつ迅速に検出することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のオーストラリア産の麺用小麦銘柄の判別方法は、Glu-A1遺伝子座にコードされるオーストラリア産の麺用小麦銘柄に特異的な遺伝子型を判定することによってASWNを判別することを特徴とするものである。
本発明において「オーストラリア産の麺用小麦銘柄」とは、Australian Standard White Noodle(ASWN)を指す。ASWNは、上述のように、オーストラリアの麺用小麦品種のうちArrinoやCadoux、Eradu、Calingiriなど、うどんに適した品種をブレンドした日本麺用小麦銘柄である。
本発明において判別対象とするASWNとは、特に「Calingiri」または「Calingiri」と同じ遺伝子を持つ品種を含むものである。近年市場で流通しているASWNにおいては、Calingiriが極めて高い含量でブレンドされている。実際、下記の実施例では、2002〜2006年に輸入されたASWNからはCalingiri由来のGlu-A1遺伝子が検出され、特に2006年輸入のASWNでは半数をCalingiriが占めていることが分かった。
本発明の方法において小麦粉を試料とする場合には、試料中のCalingiri含有量は特に制限されず、極微量でもCalingiriが含まれていれば判別可能である。
本発明の方法によれば、国内品種であるか海外品種であるかを問わず、全ての小麦品種とCalingiriを区別することができる。
本発明の被検体である小麦試料とは、小麦植物体のどの組織でも使用可能である。例えば、種子、葉、茎などを試料とすることができ、小麦粉も使用可能である。
本発明において小麦試料から核酸を抽出する方法としては、通常用いられる方法を採用することができ、例えば、市販のDNA抽出キットなどを用いてそのプロトコルに従って行なう方法が挙げられる。
なお、本発明において核酸とは、DNAであってもRNAであってもよい。
Glu-A1遺伝子座には、1型、2*型及び欠失型と呼ばれる3種の遺伝子型が存在することが既に知られている。国内品種の「ホクシン」と「ハルユタカ」、オーストラリアの小麦品種である「Aroona」と「Eradu」が1型、「農林61号」をはじめとする農林登録品種の十数品種や、オーストラリアの麺用小麦品種である「Arrino」、「Cadoux」、北米のパン用品種である「AC Barrie」、「AC Domain」、「AC Majestic」、「Grandin」など大半の海外品種が2*型、「さぬきの夢2000」と「ふくさやか」を含む国産麺用小麦の大半が欠失型である。
本発明において、ASWNに特徴的に配合されているオーストラリアの麺用小麦品種である「Calingiri」のGlu-A1のDNA配列がはじめて決定され、当該配列が1型、2*型、欠失型の配列とは異なることが明らかとなった。そして、これらの4つの遺伝子型のDNA配列を比較した結果、配列表の配列番号1に示すCalingiriのGlu-A1のうち、第151位、第241位、第254位、第278位、第335位、第342位、第519位、第702位、第805位、第894位、第1001位、第1029位、第1267位、第1301位、第1401位、第1571位、第1649位、第1730位、第1766位、第1768位、第1938位、第1941位及び第1978位において、Calingiriに特異的な一塩基多型を見出した(図1参照)。
本発明において、「Glu-A1遺伝子座にコードされるASWNに特異的な遺伝子型」とは、上記したCalingiri特有のGlu-A1遺伝子型のことである。
本発明の方法では、上記の一塩基多型を検出することによって、Glu-A1遺伝子座にコードされる遺伝子型を判定、つまり配列番号1に示すCalingiri特異的なGlu-A1遺伝子型の有無を判定する。すなわち、被検体である小麦の核酸について上記の多型部位の塩基を調べ、配列番号1の第151位がチミン、第241位がグアニン、第254位がアデニン、第278位がシトシン、第335位がシトシン、第342位がアデニン、第519位がグアニン、第702位がアデニン、第805位がアデニン、第894位がチミン、第1001位がシトシン、第1029位がチミン、第1267位がアデニン、第1301位がアデニン、第1401位がアデニン、第1571位がチミン、第1649位がアデニン、第1730位がアデニン、第1766位がグアニン、第1768位がグアニン、第1938位がチミン、第1941位がグアニン、又は第1978位がアデニンであることが判明した場合には、当該被検体にCalingiri特異的遺伝子型が含まれていることが分かる。そして、当該遺伝子型が含まれていると認められた場合は、試料中にASWNが含まれていることが分かる。
本発明において、上記したCalingiri特異的な変異を検出する方法は特に限定されず、一般的に遺伝子多型を検出するために用いられている方法、例えばPCR法やリアルタイムPCR法などの遺伝子増幅法、遺伝子増幅反応と制限酵素処理を組み合わせる方法、ハイブリダイゼーション法、塩基配列決定法などを採用することができる。
PCR法による変異検出法は常法に従って行なえばよく、例えば、被検体から抽出した核酸を鋳型として、変異部位を含む遺伝子領域に選択的に結合するように設計したプライマーを用いてPCRを行なった後、電気泳動によりCalingiri特異的な増幅産物が得られたか否かを調べることによって行うことができる。当該増幅断片が得られていた場合には、被検体がASWN(Calingiri)を含んでいることが分かる。
このとき、PCR法は常法に従って行なうことができ、例えば、試料から抽出したDNAに、1組のプライマーセット、耐熱性DNAポリメラーゼ、反応用緩衝液およびdNTPsを加えた状態で、約90〜100℃の変性工程、約30〜75℃のアニーリング工程及び約70〜75℃の伸長工程の3工程を1サイクルとする反応を30〜40サイクル行なってDNAを増幅する。
なお、PCR条件のうち特にアニーリング温度は特異的増幅を行う上で重要であり、プライマーのGC含量に応じて、プライマーと鋳型とのハイブリッドが形成され、かつ、正しい塩基対の形成によらないミスマッチのハイブリッドが形成されないようなアニーリング温度を適宜選択する必要がある。
また、電気泳動法についても特に制限はなく、アガロースゲル電気泳動法、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、キャピラリー電気泳動法など、通常行われる方法で行えばよい。
上記の方法に替えて、SYBR Green I(Lonza社)などのインターカレーター(蛍光物質)を用いたリアルタイムPCR法によって、より簡便に変異を検出することもできる。
すなわち、反応液中に存在するインターカレーターは、PCRによって変異部位特異的に結合したプライマーを起点として合成された2本鎖DNAに結合し、励起光の照射により蛍光を発する。この蛍光強度を測定することにより、増幅産物の生成量をモニターできる。
なお、インターカレーターからの蛍光はCalingiri由来DNAの量に比例するので、予め試料中のCalingiri由来DNA量と蛍光強度の間の検量線を作成しておくことによって、小麦試料におけるCalingiriの混入率の推定も可能である。
本発明において、上記のCalingiri特異的変異を検出し得るプライマーとは、上述のようなPCR法や、インターカレーターを用いたリアルタイムPCR法などに用いられる、Calingiri特異的に増幅できるPCRプライマーを指す。
このようなプライマーとしては、配列表の配列番号1に示す塩基配列を基に、3’末端側に上記した多型部位が少なくとも1箇所含まれるように設計したオリゴヌクレオチドを用いることが好ましい。例えば上流プライマーは、配列番号1の塩基配列の部分配列であって、その3’末端側に当該多型部位が少なくとも1箇所含まれるオリゴヌクレオチドを用いることができる。また下流プライマーは、配列番号1の塩基配列の相補的配列のうち、その3’末端側に当該多型部位が少なくとも1箇所含まれるオリゴヌクレオチドを用いることができる。これらのプライマーは15〜30塩基からなるものであることが好ましく、また上記多型部位を2箇所以上含んでいることが好ましい。
なお、プライマーセットとして用いる上流プライマー及び下流プライマーの両方に当該多型部位が含まれていることがPCR増幅の特異性を高める点で望ましいが、いずれか一方のプライマーに多型部位が含まれていれば多型を検出することができる。また、一方のプライマーが上記多型部位を含んでいない場合でも、もう一方のプライマーに2個以上の多型部位を含んでいれば、PCR増幅の特異性は十分に担保されるものと思われる。
これらプライマーの具体例としては、本発明者らが図1に示す配列の違いに基づいて、コンピュータソフトウエアを使わずに設計した、以下の表1記載のものが挙げられる。表1の左欄にはプライマー名及び対応する配列表の配列番号を、中欄には配列番号1に示す塩基配列中の対応する部位を塩基番号で示す。なお、以下のプライマー配列は、下記の塩基配列の全長だけでなく、3’末端側の15塩基以上からなる部分配列であっても使用可能である。
これらのプライマーを用いる場合は、プライマー151,254,342,1001,1267,1301,1401,1649及び1768から選ばれたいずれか1つの上流側プライマーと、プライマー241c,335c,479c,519c,702c,805c,894c,1029c,1766c,1938c及び1978cから選ばれたいずれか1つの下流側プライマーとを組み合わせてなるプライマーセットとしてPCRに供する。このとき、得られる増幅長が1kbp未満となるようにする、特にリアルタイムPCR法に用いる場合は80〜250bpとなるようにするのが好ましい。
以下、各プライマーについて説明する。
(1)上流側プライマー151
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第134位〜第151位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー241c、335c、479c、519c、702c、805c、894c又は1029cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ130bp、222bp、367bp、407bp、590bp、693bp、782bp、917bpの増幅断片が得られる。
(2)上流側プライマー254
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第235位〜第254位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から7番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー335c、479c、519c、702c、805c、894c又は1029cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ121bp、266bp、306bp、489bp、592bp、681bp、816bpの増幅断片が得られる。なお、プライマー254/335cの組み合わせによるPCRでは、121bpのバンドの他にもう1つの増幅バンドが得られるが、その由来は不明である。
(3)上流側プライマー342
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第323位〜第342位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から13番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー479c、519c、702c、805c、894c又は1029cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ178bp、218bp、401bp、504bp、593bp、728bpの増幅断片が得られる。
(4)上流側プライマー1001
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第982位〜第1001位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー1766c又は1938cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ804bp、977bpの増幅断片が得られる。
(5)上流側プライマー1267
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第1248位〜第1267位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー1766c、1938c又は1978cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ531bp、713bp、751bpの増幅断片が得られる。なお、前記のPCRでは、531bpのバンドの他にもう1つの増幅バンドが得られるが、その由来は不明である。
(6)上流側プライマー1301
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第1282位〜第1301位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー1766c、1938c又は1978cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ504bp、679bp、717bpの増幅断片が得られる。
(7)上流側プライマー1401
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第1382位〜第1401位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー1766c、1938c又は1978cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ404bp、579bp、617bpの増幅断片が得られる。
(8)上流側プライマー1649
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第1630位〜第1649位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー1766c、1938c又は1978cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ156bp、331bp、369bpの増幅断片が得られる。
(9)上流側プライマー1768
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第1749位〜第1768位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から18番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー1938c又は1978cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ211bp、249bpの増幅断片が得られる。
(10)下流側プライマー241c
本プライマーは、配列番号1の第241位〜第261位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から8番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
(11)下流側プライマー335c
本プライマーは、配列番号1の第335位〜第353位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から12番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
(12)下流側プライマー479c
本プライマーは、配列番号1の第479位〜第498位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。本プライマーはCalingiri特異的多型部位を含んでいないが、当該多型部位を少なくとも1箇所、好ましくは2箇所以上含む上流側プライマーと組み合わせて使用することによって、Calingiri特異的に増幅断片が得られる。
(13)下流側プライマー519c
本プライマーは、配列番号1の第519位〜第538位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
(14)下流側プライマー702c
本プライマーは、配列番号1の第702位〜第721位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
(15)下流側プライマー805c
本プライマーは、配列番号1の第805位〜第824位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
(16)下流側プライマー894c
本プライマーは、配列番号1の第894位〜第913位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
(17)下流側プライマー1029c
本プライマーは、配列番号1の第1029位〜第1048位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
(18)下流側プライマー1766c
本プライマーは、配列番号1の第1766位〜第1783位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から16番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
(19)下流側プライマー1938c
本プライマーは、配列番号1の第1938位〜第1958位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から17番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
(20)下流側プライマー1978c
本プライマーは、配列番号1の第1978位〜第1996位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
次に、本発明において、PCRと制限酵素処理を組み合わせる方法による変異検出法は常法に従って行なえばよく、例えば、被検体から抽出したDNAを鋳型として、変異部位を含む遺伝子領域を増幅するように設計したプライマーを用いてPCRを行なった後、PCR産物に含まれる変異部位を認識する制限酵素で処理し、次いで電気泳動および臭化エチジウム染色を行なって、そのバンドパターンにより制限酵素による切断の有無を調べる。制限酵素により切断されている場合は、被検体がASWN(Calingiri)を含んでいると分かる。
ここでプライマーとしては、上記した多型部位が少なくとも1箇所含まれる任意の遺伝子領域の5’末端側の部分配列からなるオリゴヌクレオチド(上流プライマー)、及び当該遺伝子領域の3’末端側の部分配列に対する相補鎖からなるオリゴヌクレオチド(下流プライマー)であって、上記多型部位を含まないものを用いることができる。これらのプライマーは15〜30塩基からなるものであることが好ましい。
また、PCRについては前述した通りの方法で行えばよい。制限酵素処理や電気泳動法についても常法に従って行なうことができ、特に制限はない。
本発明において、ハイブリダイゼーション法による変異検出法は常法に従って行なえばよく、例えば、変異部位を含む遺伝子領域に選択的に結合するように設計したプローブを蛍光色素や放射性同位元素などで標識し、一本鎖化した被検体DNAをメンブレンフィルター等に固定したものとハイブリダイズさせた後、被検体のDNAとプローブとの結合の有無を調べることによって行うことができる。プローブと結合していた場合には、被検体がASWN(Calingiri)を含んでいることが分かる。
このとき、プローブの標識および検出は常法に従って行なうことができ、特に制限はない。
上記の方法に替えて、TaqManプローブなどのプローブとプライマーを併用したリアルタイムPCR法によって、より簡便に変異を検出することもできる。
すなわち、プローブとしては、変異部位を含む遺伝子領域に選択的に結合するように設計し、かつ5’末端にレポーター蛍光色素および3’末端に消光物質を結合させたオリゴヌクレオチドを用いる。レポーター色素と消光物質がプローブに結合した状態では、励起光を照射してもレポーター色素からの蛍光は検出されない。
プライマーとしては、変異部位を含む遺伝子領域を増幅できる1組のプライマーセットを用意する。具体的には、変異部位が少なくとも1箇所含まれる任意の遺伝子領域の5’末端側の部分配列からなるオリゴヌクレオチド(上流プライマー)、及び当該遺伝子領域の3’末端側の部分配列に対する相補鎖からなるオリゴヌクレオチド(下流プライマー)であって、上記多型部位を含まないものを用いる。これらのプライマーは15〜30塩基からなるものであることが好ましい。
上記のプローブおよびプライマーを用いて、被検体のゲノムDNAを鋳型としてリアルタイムPCRを行なう。被検体にCalingiriが含まれる場合は、鋳型DNAに結合しているプローブがDNAポリメラーゼによる伸長反応により分解されることにより、消光物質から遊離したレポーター色素の蛍光が検出されるようになる。この蛍光強度を測定することによって増幅産物の生成量をモニターできる。
なお、レポーターからの蛍光はCalingiri由来DNAの量に比例するので、予め試料中のCalingiri由来DNA量と蛍光強度の間の検量線を作成しておくことによって、小麦試料におけるCalingiriの混入率の推定も可能である。
上記のハイブリダイゼーション法や、プローブとプライマーを併用したリアルタイムPCR法などに用いられる、Calingiri特異的にハイブリダイズするプローブとしては、配列表の配列番号1に示す塩基配列のうち、上記した多型部位が少なくとも1箇所含まれる任意の部分配列又はその相補的配列からなるオリゴヌクレオチドを用いることが好ましい。これらのプローブは15〜30塩基からなるものであることが好ましく、また上記多型部位を2箇所以上含んでいることが好ましい。なお、表1に示したプライマーは、上記の変異検出法におけるプローブとしても使用することができる。
なお、ハイブリッド形成の際の反応温度は反応の特異性を保つ上で重要であり、プローブのGC含量に応じて、プローブと鋳型とのハイブリッドが形成され、かつ、正しい塩基対の形成によらないミスマッチのハイブリッドが形成されないような温度を適宜選択する必要がある。
本発明において、塩基配列決定法による変異検出法は常法に従って行なえばよく、例えばダイレクトシークエンス法、サーマルサイクルシークエンス法、自動DNA塩基配列決定法などにより上記したCalingiri特異的変異部位の塩基を決定すればよい。
本発明はさらに、上述のプライマーあるいはプローブとして用いられるオリゴヌクレオチドのうち少なくとも1種を含むASWNの判別用キットを提供する。このキットは、本発明のASWNの判別方法に用いるためのキットである。
本発明のASWNの判別用キットは、上記オリゴヌクレオチドの他に、DNAポリメラーゼや緩衝液などのPCR用試薬なども含んでいて良い。
以下に、試験例および実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
試験例1
CalingiriのGlu-A1遺伝子を以下の方法で増幅した。
CalingiriのDNA抽出はDellaportaら(1983)の方法に従って行った。グラインダーで小麦種子2粒から削り取った胚にDNA抽出バッファー(100mM Tris-Cl, 50mM EDTA, 500mM NaCl, 1.25% SDS (w/v) pH 8.0)を500μl加え、よく攪拌し、65℃で15分間置いた。次に、160mlの5M 酢酸カリウムを加えてよく混ぜ、氷上に10分間置いた後、12500rpm, 5分間の遠心分離を行った。上澄み500mlを新しいチューブに移し、330μlのイソプロパノールを加えてよく混ぜ、氷上に5分間以上置いた後、12500rpm, 5分間の遠心分離を行った。上澄みを捨て、500mlの70% エタノールを加え、12500rpm, 1分間の遠心分離を行った。上澄みを捨て、スピードバックで5分間乾燥後、RNase (6μg/ml)を含むTE(10mM Tris-Cl, 1mM EDTA, pH8.0)を50μlずつ加え、よく攪拌した。これを65℃で10分間インキュベートし、−20℃で保存したもの1μlをPCR反応に用いた。
PCR条件は、94℃, 5分間、(94℃, 30秒間、55℃, 30秒間、72℃, 3分間)×35サイクル、72℃, 5分間で行い、反応液組成(25μL)はTaKaRa LA Taq 0.5U ,15mM MgCl, 1×LA Taq bufferとした。増幅に利用したプライマー配列は、上流プライマー:5'-GACTAAGCGGTTGGTTCTT(配列表の配列番号22)、下流プライマー:5'-AGGTAGTACCCTGATTGCAG(配列番号23)である。
PCRにより増幅されたDNA断片の配列を決定し、配列表の配列番号1に示す。既知のGlu-A1遺伝子との比較により、当該配列は、CalingiriのGlu-A1遺伝子のうち、開始コドンから48番目の塩基から始まる部分配列であることが分かった。
また、図1(図1−1〜5)に、配列番号1に示すCalingiriのGlu-A1遺伝子の部分配列と、それに対応するGlu-A1遺伝子の各遺伝子型である1型(Glu-A1a)、2*型(Glu-A1b)、及び欠失型(Glu-A1c)の塩基配列との比較を示す。図1中、*は4種類の遺伝子型で一致する塩基を、括弧内の数字は開始コドンからの位置を示す。
図1に示すように、CalingiriのGlu-A1遺伝子配列は第151位、第241位、第254位、第278位、第335位、第342位、第519位、第702位、第805位、第894位、第1001位、第1029位、第1267位、第1301位、第1401位、第1571位、第1649位、第1730位、第1766位、第1768位、第1938位、第1941位及び第1978位の塩基において他の遺伝子型と相違しており、1型、2*型、欠失型のどれにも対応しない新しい遺伝子型であることが分かった。
実施例1
図1に示す配列の違いに基づいて、前記表1に記載のプライマーを用いてPCRを行った。鋳型DNAとして、国産小麦21品種及び海外小麦11品種から、試験例1に記載した方法で抽出したDNAを用いた。
PCR条件及び用いたプライマーセットは以下の通りである。
PCR条件:
図2,図3,図13,図14:94℃, 5分間、(94℃, 30秒間、64℃, 30秒間、72℃, 30秒間)×35サイクル、72℃, 5分間、AmpliTaq Gold 0.5U, 15mM MgCl, 1×AmpliTaq Gold buffer、反応液量25μL
図4〜12、図15,図16:94℃, 5分間、(94℃, 30秒間、55℃, 30秒間、72℃, 3分間)×35サイクル、72℃, 5分間、TaKaRa LA Taq 0.5U, 15mM MgCl, 1×LA Taq buffer、反応液量25μL
上流プライマー/下流プライマー:
図2:342/479c、図3:342/805c、図4:151/241c、図5:254/335c、図6:254/519c、図7:254/702c、図8:1649/1766c、図9:1768/1938c、図10:1768/1978c、図11:254/894c、図12:254/1029c、図13:1001/1776c、図14:1267/1776c、図15:1301/1776c、図16:1041/1766c
PCR後の電気泳動パターンを図2〜16に示す。
図2〜16中、Mは分子量マーカー(図2〜図10:バイオラッド EZLoad Molecular Ruler 100bp、図11〜図16:φX174/HaeIII 処理物)を示す。各レーン1〜32の小麦品種名は以下の通りである。
1:あやひかり,2:イワイノダイチ,3:キタノカオリ,4:きたもえ,5:きぬの波,6:さぬきの夢2000,7:シラネコムギ,8:シロガネコムギ,9:タマイズミ,10:チクゴイズミ,11:ダブリュ8号,12:ナンブコムギ,13:つるぴかり,14:ニシノカオリ,15:ニシホナミ,16:農林61号,17:ニシノカオリ,18:春よ恋,19:ふくさやか,20:ホクシン,21:ミナミノカオリ,22:Calingiri,23:Arrino,24:Cadoux,25:Eradu,26:AC Barrie,27:AC Domain,28:AC Majestic,29:Grandin,30:Alturas,31:Eden,32:Jubilee
22から25はオーストラリアの麺用品種、26から29は北米のパン用品種、30から32は北米の菓子用品種である。
図2〜16における矢印は、Calingiri特異的なPCR産物のバンドを指す。各図について、予想されるPCR産物のサイズを以下に示す。
図2:178bp、図3:504bp、図4:130bp、図5:121bp、図6:306bp、図7:489bp、図8:156bp、図9:211bp、図10:249bp、図11:681bp、図12:816bp、図13:804bp、図14:531bp、図15:504bp、図16:404bp
なお、図5と図14については、上記サイズのバンド以外に予想されないPCR産物も生じているが、その由来は不明である。
図2〜16の結果から分かるように、上記プライマーを用いてCalingiri(レーン22)特異的なPCR産物を得ることができた。
実施例2
過去3カ年に輸入したASWN及び農林61号から作られた小麦粉から抽出したDNAを用いてPCRを行った。DNA抽出は小麦粉約20mgを用い、上記したDellaportaら(1983)の方法に従った。PCR条件及びプライマーは実施例1の図2と同様である。PCR後の電気泳動パターンを図17に示す。
図17中、Mは分子量マーカー(φX174/HaeIII 処理物)を示す。各レーン1〜4の小麦品種名は1:ASWN(2002年輸入),2:ASWN(2003年輸入),3:ASWN(2004年輸入),4:農林61号である。矢印はCalingiri特異的なPCR産物のバンド(178 bp)を指す。
図17から分かるように、2002〜2004年に輸入したASWN小麦粉の全てからCalingiri特異的遺伝子型が検出された。
実施例3
2006年輸入のASWNの種子10粒から個別に抽出したDNA、及び2005年輸入のASWN由来の小麦粉から抽出したDNAを用いてPCRを行った。DNA抽出方法、PCR条件及びプライマーは実施例2と同様である。PCR後の電気泳動パターンを図18に示す。
図18中、Mは分子量マーカー(φX174/HaeIII 処理物)を示す。各レーン1〜11は1〜10:ASWN(2006年輸入)種子1粒ずつ,11:ASWN小麦粉(2005年輸入)である。矢印はCalingiri特異的なPCR産物のバンド(178 bp)を指す。
図18の結果から、最近のASWNの種子中、半数が本発明の方法により検出されるGlu-A1遺伝子を持っていることが明らかとなった。2006年輸入のASWNについて、種子の硬度を測定する単一穀粒評価システム(SKCS)によって推定された軟質品種の構成割合は、軟質:硬質=52:48であった。このことは、軟質小麦のほとんどがこの遺伝子型を持つことを示している。
実施例4
2006年輸入の種々の外国小麦銘柄及び群馬県産の農林61号の小麦粉から抽出したDNAを用いてPCRを行った。各外国小麦銘柄は、カナダ産のパン用小麦銘柄である1CW(No.1 Canada Western Red Spring Wheat)、アメリカ産のパン用小麦銘柄であるHRW(Hard Red Winter)とDNS(Dark Northern Spring)、アメリカ産の菓子用小麦銘柄であるWW(Western White)、オーストラリア産の硬質小麦銘柄であるPH(Prime Hard)、及びASWNを用いた。DNA抽出方法、PCR条件及びプライマーは実施例2と同様である。PCR後の電気泳動パターンを図19に示す。
図19中、Mは分子量マーカー(φX174/HaeIII 処理物)を示す。各レーン1〜7の小麦銘柄は1:1CW,2:HRW,3:DNS,4:WW,5:農林61号,6:PH,7:ASWNである。矢印はCalingiri特異的なPCR産物のバンド(178 bp)を指す。
図19の結果から、ASWN(レーン7)以外の外国小麦銘柄にはCalingiriが含まれないことが明らかとなった。
本発明は、従来の方法と異なり、簡便にASWNの混入が検出可能であり、製造メーカーや検査機関における製品の原材料の検査の有効かつ迅速な手法となるもので、広範な利用が期待できる。今後、試薬メーカーなどと共同で検査キットとして開発することも期待できる。
CalingiriのGlu-A1遺伝子の部分塩基配列と、対応する1型(Glu-A1a)、2*型(Glu-A1b)、欠失型(Glu-A1c)との比較結果を示す図である。図中、*は4つの配列とも同じ塩基を、括弧内の数字は開始コドンからの位置を示す。 上に同じ。 上に同じ。 上に同じ。 上に同じ。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット342/479cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット342/805cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット151/241cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット254/335cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット254/519cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット254/702cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット1649/1766cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット1768/1938cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット1768/1978cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット254/894cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット254/1029cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット1001/1776cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット1267/1776cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット1301/1776cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 国産小麦品種及び海外小麦品種のDNAに対してプライマーセット1041/1766cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 過去3カ年に輸入したASWN及び農林61号の小麦粉のDNAに対してプライマーセット342/479cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 2006年輸入のASWNの種子及び2005年輸入のASWN由来の小麦粉のDNAに対してプライマーセット342/479cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。 2006年輸入の種々の外国小麦銘柄及び農林61号の小麦粉のDNAに対してプライマーセット342/479cを用いてPCRを行った場合の電気泳動図である。
符号の説明
(図2〜16)
M:分子量マーカー,1:あやひかり,2:イワイノダイチ,3:キタノカオリ,4:きたもえ,5:きぬの波,6:さぬきの夢2000,7:シラネコムギ,8:シロガネコムギ,9:タマイズミ,10:チクゴイズミ,11:ダブリュ8号,12:ナンブコムギ,13:つるぴかり,14:ニシノカオリ,15:ニシホナミ,16:農林61号,17:ニシノカオリ,18:春よ恋,19:ふくさやか,20:ホクシン,21:ミナミノカオリ,22:Calingiri,23:Arrino,24:Cadoux,25:Eradu,26:AC Barrie,27:AC Domain,28:AC Majestic,29:Grandin,30:Alturas,31:Eden,32:Jubilee,矢印:Calingiri特異的なPCR産物
(図17)
M:分子量マーカー,1:ASWN(2002年輸入),2:ASWN(2003年輸入),3:ASWN(2004年輸入),4:農林61号,矢印:Calingiri特異的なPCR産物(178 bp)
(図18)
M:分子量マーカー,1〜10:ASWN(2006年輸入)種子1粒ずつ,11:ASWN小麦粉(2005年輸入)
(図19)
M:分子量マーカー,1:1CW,2:HRW,3:DNS,4:WW,5:農林61号,6:PH,7:ASWN

Claims (7)

  1. Glu-A1遺伝子座にコードされるオーストラリア産の麺用小麦銘柄に特異的な遺伝子型を判定することによる、オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別方法。
  2. 遺伝子型の判定を、配列番号1に示す塩基配列中、第151位、第241位、第254位、第278位、第335位、第342位、第519位、第702位、第805位、第894位、第1001位、第1029位、第1267位、第1301位、第1401位、第1571位、第1649位、第1730位、第1766位、第1768位、第1938位、第1941位及び第1978位のうち少なくとも1箇所における変異を検出することにより行なう、請求項1に記載の判別方法。
  3. 変異の検出を、配列番号2〜21に示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなるオリゴヌクレオチドのうち少なくとも1種を用いて行なう、請求項1又は2に記載の判別方法。
  4. 変異の検出を、配列番号2〜10に示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなるオリゴヌクレオチドのうちいずれか1種、及び配列番号11〜21に示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなるオリゴヌクレオチドのうちいずれか1種を組み合わせたプライマーセットを用いた、小麦試料から抽出した核酸を鋳型とする遺伝子増幅反応によって行なう、請求項1〜3のいずれかに記載の判別方法。
  5. 配列番号1に示す塩基配列中、第151位、第241位、第254位、第278位、第335位、第342位、第519位、第702位、第805位、第894位、第1001位、第1029位、第1267位、第1301位、第1401位、第1571位、第1649位、第1730位、第1766位、第1768位、第1938位、第1941位及び第1978位のうち少なくとも1箇所における変異を検出し得るオリゴヌクレオチド。
  6. 配列番号2〜21のいずれかに示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなる請求項5に記載のオリゴヌクレオチド。
  7. 請求項5又は6に記載のオリゴヌクレオチドを含む、オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別用キット。
JP2007120570A 2007-05-01 2007-05-01 オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別方法 Expired - Fee Related JP4041524B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007120570A JP4041524B1 (ja) 2007-05-01 2007-05-01 オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007120570A JP4041524B1 (ja) 2007-05-01 2007-05-01 オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4041524B1 JP4041524B1 (ja) 2008-01-30
JP2008271887A true JP2008271887A (ja) 2008-11-13

Family

ID=39078331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007120570A Expired - Fee Related JP4041524B1 (ja) 2007-05-01 2007-05-01 オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4041524B1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011109963A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Nisshin Flour Milling Inc ヌードル品種小麦の判定方法
JP2013061184A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Nisshin Flour Milling Inc 微量元素を利用した国内産小麦の産地判別方法
JP2013061183A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Nisshin Flour Milling Inc 微量元素及び同位体比を利用したオーストラリア産小麦の産地判別方法
KR101546428B1 (ko) 2013-10-08 2015-08-25 대한민국 국내 육성밀 품종 판별용 scar 마커 및 이의 용도

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105734148B (zh) * 2016-04-01 2019-06-21 中国科学院遗传与发育生物学研究所 一种对普通小麦Glu-A1基因座位不同等位变异进行分型的方法和应用

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011109963A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Nisshin Flour Milling Inc ヌードル品種小麦の判定方法
JP2013061184A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Nisshin Flour Milling Inc 微量元素を利用した国内産小麦の産地判別方法
JP2013061183A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Nisshin Flour Milling Inc 微量元素及び同位体比を利用したオーストラリア産小麦の産地判別方法
KR101546428B1 (ko) 2013-10-08 2015-08-25 대한민국 국내 육성밀 품종 판별용 scar 마커 및 이의 용도

Also Published As

Publication number Publication date
JP4041524B1 (ja) 2008-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101823368B1 (ko) 돈육내 다가 불포화지방산 함량 조절용 snp 마커 및 그의 용도
JP2012235778A (ja) アセトアルデヒド脱水素酵素2及びアルコール脱水素酵素2の遺伝子変異を同時に検出する方法
JP5940874B2 (ja) NPM1遺伝子のexon12変異の検出用プローブおよびその用途
Hird et al. Rapid detection of chicken and turkey in heated meat products using the polymerase chain reaction followed by amplicon visualisation with vistra green
KR20140092498A (ko) 돼지의 육질형질 판단용 일배체형 마커 및 이의 용도
Wang et al. Rapid visual detection of eight meat species using optical thin-film biosensor chips
JP4041524B1 (ja) オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別方法
JP2013090622A (ja) 多型検出用プローブ、多型検出方法、薬効判定方法及び多型検出用キット
Bottero et al. Differentiation of five tuna species by a multiplex primer-extension assay
JP5290957B2 (ja) 免疫関連遺伝子の多型の検出用プローブおよびその用途
CN107937493B (zh) 一种用于等位基因pcr的发夹修饰引物
JP6153758B2 (ja) 多型検出用プローブ、多型検出方法、薬効判定方法及び多型検出用キット
KR101686438B1 (ko) 육질 및 스트레스에 대한 내성이 강화된 흑돼지 및 그의 제조방법
US9315871B2 (en) Mutation detection probe, mutation detection method, method of evaluating drug efficacy, and mutation detection kit
JP2010004878A (ja) タラロマイセス属に属する菌類の検出方法
KR20210156598A (ko) 돈육의 단백질 함량 예측용 마커 및 이의 용도
JP5548389B2 (ja) ビソクラミス属に属する菌類の検出方法
JP5520449B2 (ja) 核酸の検出方法
KR102336624B1 (ko) 돈육의 콜라겐 함량 예측용 마커 및 이의용도
JP3805692B2 (ja) 牛、豚、鶏検出用プライマー
KR102449286B1 (ko) 표고버섯 신품종 설백향 판별용 caps 마커 및 이의 용도
Sztankoova et al. Simultaneous genotyping of 4 SNPs in promoter III of the ovine ACACA
JP4650420B2 (ja) 塩基判定方法及び塩基判定用キット
KR101337668B1 (ko) 돼지의 마이오신 중쇄 슬로우 아형 증가 및 육질 향상 여부 확인용 dna 단편 표지인자
CN114317794A (zh) 水稻snp标记及其应用

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071109

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141116

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees