JP2008271887A - オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 Glu-A1遺伝子座にコードされるオーストラリア産の麺用小麦銘柄に特異的な遺伝子型を判定することによるオーストラリア産麺用小麦銘柄の判別方法、当該遺伝子型を検出し得るオリゴヌクレオチド、並びに当該オリゴヌクレオチドを含むオーストラリア産麺用小麦銘柄の判別用キットを提供する。
【選択図】 なし
Description
しかし、国産小麦は外国産小麦に比べて加工品質が劣るものが多く、国産小麦100%使用を銘打ちながら、外国産小麦をブレンドして加工品質を改良した製品が販売される偽装表示が大きな問題となっている。
それゆえ、原料小麦を明らかにする要望が、消費者をはじめとして小麦粉流通業者や食品加工業者などから高まっている。
そこで、ASWN等の外国産小麦を容易に判別できる方法の開発が望まれていた。
請求項2に記載の本発明は、遺伝子型の判定を、配列番号1に示す塩基配列中、第151位、第241位、第254位、第278位、第335位、第342位、第519位、第702位、第805位、第894位、第1001位、第1029位、第1267位、第1301位、第1401位、第1571位、第1649位、第1730位、第1766位、第1768位、第1938位、第1941位及び第1978位のうち少なくとも1箇所における変異を検出することにより行なう、請求項1に記載の判別方法である。
請求項3に記載の本発明は、変異の検出を、配列番号2〜21に示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなるオリゴヌクレオチドのうち少なくとも1種を用いて行なう、請求項1又は2に記載の判別方法である。
請求項4に記載の本発明は、変異の検出を、配列番号2〜10に示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなるオリゴヌクレオチドのうちいずれか1種、及び配列番号11〜21に示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなるオリゴヌクレオチドのうちいずれか1種を組み合わせたプライマーセットを用いた、小麦試料から抽出した核酸を鋳型とする遺伝子増幅反応によって行なう、請求項1〜3のいずれかに記載の判別方法である。
請求項5に記載の本発明は、配列番号1に示す塩基配列中、第151位、第241位、第254位、第278位、第335位、第342位、第519位、第702位、第805位、第894位、第1001位、第1029位、第1267位、第1301位、第1401位、第1571位、第1649位、第1730位、第1766位、第1768位、第1938位、第1941位及び第1978位のうち少なくとも1箇所における変異を検出し得るオリゴヌクレオチドである。
請求項6に記載の本発明は、配列番号2〜21のいずれかに示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなる請求項5に記載のオリゴヌクレオチドである。
請求項7に記載の本発明は、請求項5又は6に記載のオリゴヌクレオチドを含む、オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別用キットである。
本発明のオーストラリア産の麺用小麦銘柄の判別方法は、Glu-A1遺伝子座にコードされるオーストラリア産の麺用小麦銘柄に特異的な遺伝子型を判定することによってASWNを判別することを特徴とするものである。
本発明において判別対象とするASWNとは、特に「Calingiri」または「Calingiri」と同じ遺伝子を持つ品種を含むものである。近年市場で流通しているASWNにおいては、Calingiriが極めて高い含量でブレンドされている。実際、下記の実施例では、2002〜2006年に輸入されたASWNからはCalingiri由来のGlu-A1遺伝子が検出され、特に2006年輸入のASWNでは半数をCalingiriが占めていることが分かった。
本発明の方法において小麦粉を試料とする場合には、試料中のCalingiri含有量は特に制限されず、極微量でもCalingiriが含まれていれば判別可能である。
本発明の方法によれば、国内品種であるか海外品種であるかを問わず、全ての小麦品種とCalingiriを区別することができる。
本発明において小麦試料から核酸を抽出する方法としては、通常用いられる方法を採用することができ、例えば、市販のDNA抽出キットなどを用いてそのプロトコルに従って行なう方法が挙げられる。
なお、本発明において核酸とは、DNAであってもRNAであってもよい。
本発明において、「Glu-A1遺伝子座にコードされるASWNに特異的な遺伝子型」とは、上記したCalingiri特有のGlu-A1遺伝子型のことである。
なお、PCR条件のうち特にアニーリング温度は特異的増幅を行う上で重要であり、プライマーのGC含量に応じて、プライマーと鋳型とのハイブリッドが形成され、かつ、正しい塩基対の形成によらないミスマッチのハイブリッドが形成されないようなアニーリング温度を適宜選択する必要がある。
また、電気泳動法についても特に制限はなく、アガロースゲル電気泳動法、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、キャピラリー電気泳動法など、通常行われる方法で行えばよい。
すなわち、反応液中に存在するインターカレーターは、PCRによって変異部位特異的に結合したプライマーを起点として合成された2本鎖DNAに結合し、励起光の照射により蛍光を発する。この蛍光強度を測定することにより、増幅産物の生成量をモニターできる。
なお、インターカレーターからの蛍光はCalingiri由来DNAの量に比例するので、予め試料中のCalingiri由来DNA量と蛍光強度の間の検量線を作成しておくことによって、小麦試料におけるCalingiriの混入率の推定も可能である。
このようなプライマーとしては、配列表の配列番号1に示す塩基配列を基に、3’末端側に上記した多型部位が少なくとも1箇所含まれるように設計したオリゴヌクレオチドを用いることが好ましい。例えば上流プライマーは、配列番号1の塩基配列の部分配列であって、その3’末端側に当該多型部位が少なくとも1箇所含まれるオリゴヌクレオチドを用いることができる。また下流プライマーは、配列番号1の塩基配列の相補的配列のうち、その3’末端側に当該多型部位が少なくとも1箇所含まれるオリゴヌクレオチドを用いることができる。これらのプライマーは15〜30塩基からなるものであることが好ましく、また上記多型部位を2箇所以上含んでいることが好ましい。
なお、プライマーセットとして用いる上流プライマー及び下流プライマーの両方に当該多型部位が含まれていることがPCR増幅の特異性を高める点で望ましいが、いずれか一方のプライマーに多型部位が含まれていれば多型を検出することができる。また、一方のプライマーが上記多型部位を含んでいない場合でも、もう一方のプライマーに2個以上の多型部位を含んでいれば、PCR増幅の特異性は十分に担保されるものと思われる。
(1)上流側プライマー151
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第134位〜第151位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー241c、335c、479c、519c、702c、805c、894c又は1029cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ130bp、222bp、367bp、407bp、590bp、693bp、782bp、917bpの増幅断片が得られる。
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第235位〜第254位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から7番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー335c、479c、519c、702c、805c、894c又は1029cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ121bp、266bp、306bp、489bp、592bp、681bp、816bpの増幅断片が得られる。なお、プライマー254/335cの組み合わせによるPCRでは、121bpのバンドの他にもう1つの増幅バンドが得られるが、その由来は不明である。
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第323位〜第342位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から13番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー479c、519c、702c、805c、894c又は1029cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ178bp、218bp、401bp、504bp、593bp、728bpの増幅断片が得られる。
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第982位〜第1001位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー1766c又は1938cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ804bp、977bpの増幅断片が得られる。
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第1248位〜第1267位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー1766c、1938c又は1978cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ531bp、713bp、751bpの増幅断片が得られる。なお、前記のPCRでは、531bpのバンドの他にもう1つの増幅バンドが得られるが、その由来は不明である。
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第1282位〜第1301位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー1766c、1938c又は1978cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ504bp、679bp、717bpの増幅断片が得られる。
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第1382位〜第1401位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー1766c、1938c又は1978cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ404bp、579bp、617bpの増幅断片が得られる。
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第1630位〜第1649位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー1766c、1938c又は1978cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ156bp、331bp、369bpの増幅断片が得られる。
本プライマーは、配列番号1の塩基配列の第1749位〜第1768位からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から18番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。本プライマーと下流側プライマー1938c又は1978cとを対で用いて遺伝子増幅反応を行なうと、Calingiri特異的にそれぞれ211bp、249bpの増幅断片が得られる。
本プライマーは、配列番号1の第241位〜第261位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から8番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
本プライマーは、配列番号1の第335位〜第353位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から12番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
本プライマーは、配列番号1の第479位〜第498位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。本プライマーはCalingiri特異的多型部位を含んでいないが、当該多型部位を少なくとも1箇所、好ましくは2箇所以上含む上流側プライマーと組み合わせて使用することによって、Calingiri特異的に増幅断片が得られる。
本プライマーは、配列番号1の第519位〜第538位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
本プライマーは、配列番号1の第702位〜第721位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
本プライマーは、配列番号1の第805位〜第824位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
本プライマーは、配列番号1の第894位〜第913位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
本プライマーは、配列番号1の第1029位〜第1048位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
本プライマーは、配列番号1の第1766位〜第1783位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から16番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
本プライマーは、配列番号1の第1938位〜第1958位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端及び5’末端から17番目にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
本プライマーは、配列番号1の第1978位〜第1996位の相補的塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。3’末端にCalingiri特異的多型部位を含んでいるため、Calingiri由来Glu-A1に対して特異的にハイブリダイズする。
また、PCRについては前述した通りの方法で行えばよい。制限酵素処理や電気泳動法についても常法に従って行なうことができ、特に制限はない。
このとき、プローブの標識および検出は常法に従って行なうことができ、特に制限はない。
すなわち、プローブとしては、変異部位を含む遺伝子領域に選択的に結合するように設計し、かつ5’末端にレポーター蛍光色素および3’末端に消光物質を結合させたオリゴヌクレオチドを用いる。レポーター色素と消光物質がプローブに結合した状態では、励起光を照射してもレポーター色素からの蛍光は検出されない。
プライマーとしては、変異部位を含む遺伝子領域を増幅できる1組のプライマーセットを用意する。具体的には、変異部位が少なくとも1箇所含まれる任意の遺伝子領域の5’末端側の部分配列からなるオリゴヌクレオチド(上流プライマー)、及び当該遺伝子領域の3’末端側の部分配列に対する相補鎖からなるオリゴヌクレオチド(下流プライマー)であって、上記多型部位を含まないものを用いる。これらのプライマーは15〜30塩基からなるものであることが好ましい。
上記のプローブおよびプライマーを用いて、被検体のゲノムDNAを鋳型としてリアルタイムPCRを行なう。被検体にCalingiriが含まれる場合は、鋳型DNAに結合しているプローブがDNAポリメラーゼによる伸長反応により分解されることにより、消光物質から遊離したレポーター色素の蛍光が検出されるようになる。この蛍光強度を測定することによって増幅産物の生成量をモニターできる。
なお、レポーターからの蛍光はCalingiri由来DNAの量に比例するので、予め試料中のCalingiri由来DNA量と蛍光強度の間の検量線を作成しておくことによって、小麦試料におけるCalingiriの混入率の推定も可能である。
なお、ハイブリッド形成の際の反応温度は反応の特異性を保つ上で重要であり、プローブのGC含量に応じて、プローブと鋳型とのハイブリッドが形成され、かつ、正しい塩基対の形成によらないミスマッチのハイブリッドが形成されないような温度を適宜選択する必要がある。
本発明のASWNの判別用キットは、上記オリゴヌクレオチドの他に、DNAポリメラーゼや緩衝液などのPCR用試薬なども含んでいて良い。
CalingiriのGlu-A1遺伝子を以下の方法で増幅した。
CalingiriのDNA抽出はDellaportaら(1983)の方法に従って行った。グラインダーで小麦種子2粒から削り取った胚にDNA抽出バッファー(100mM Tris-Cl, 50mM EDTA, 500mM NaCl, 1.25% SDS (w/v) pH 8.0)を500μl加え、よく攪拌し、65℃で15分間置いた。次に、160mlの5M 酢酸カリウムを加えてよく混ぜ、氷上に10分間置いた後、12500rpm, 5分間の遠心分離を行った。上澄み500mlを新しいチューブに移し、330μlのイソプロパノールを加えてよく混ぜ、氷上に5分間以上置いた後、12500rpm, 5分間の遠心分離を行った。上澄みを捨て、500mlの70% エタノールを加え、12500rpm, 1分間の遠心分離を行った。上澄みを捨て、スピードバックで5分間乾燥後、RNase (6μg/ml)を含むTE(10mM Tris-Cl, 1mM EDTA, pH8.0)を50μlずつ加え、よく攪拌した。これを65℃で10分間インキュベートし、−20℃で保存したもの1μlをPCR反応に用いた。
また、図1(図1−1〜5)に、配列番号1に示すCalingiriのGlu-A1遺伝子の部分配列と、それに対応するGlu-A1遺伝子の各遺伝子型である1型(Glu-A1a)、2*型(Glu-A1b)、及び欠失型(Glu-A1c)の塩基配列との比較を示す。図1中、*は4種類の遺伝子型で一致する塩基を、括弧内の数字は開始コドンからの位置を示す。
図1に示すように、CalingiriのGlu-A1遺伝子配列は第151位、第241位、第254位、第278位、第335位、第342位、第519位、第702位、第805位、第894位、第1001位、第1029位、第1267位、第1301位、第1401位、第1571位、第1649位、第1730位、第1766位、第1768位、第1938位、第1941位及び第1978位の塩基において他の遺伝子型と相違しており、1型、2*型、欠失型のどれにも対応しない新しい遺伝子型であることが分かった。
図1に示す配列の違いに基づいて、前記表1に記載のプライマーを用いてPCRを行った。鋳型DNAとして、国産小麦21品種及び海外小麦11品種から、試験例1に記載した方法で抽出したDNAを用いた。
PCR条件及び用いたプライマーセットは以下の通りである。
図2,図3,図13,図14:94℃, 5分間、(94℃, 30秒間、64℃, 30秒間、72℃, 30秒間)×35サイクル、72℃, 5分間、AmpliTaq Gold 0.5U, 15mM MgCl2, 1×AmpliTaq Gold buffer、反応液量25μL
図4〜12、図15,図16:94℃, 5分間、(94℃, 30秒間、55℃, 30秒間、72℃, 3分間)×35サイクル、72℃, 5分間、TaKaRa LA Taq 0.5U, 15mM MgCl2, 1×LA Taq buffer、反応液量25μL
図2:342/479c、図3:342/805c、図4:151/241c、図5:254/335c、図6:254/519c、図7:254/702c、図8:1649/1766c、図9:1768/1938c、図10:1768/1978c、図11:254/894c、図12:254/1029c、図13:1001/1776c、図14:1267/1776c、図15:1301/1776c、図16:1041/1766c
図2〜16中、Mは分子量マーカー(図2〜図10:バイオラッド EZLoad Molecular Ruler 100bp、図11〜図16:φX174/HaeIII 処理物)を示す。各レーン1〜32の小麦品種名は以下の通りである。
1:あやひかり,2:イワイノダイチ,3:キタノカオリ,4:きたもえ,5:きぬの波,6:さぬきの夢2000,7:シラネコムギ,8:シロガネコムギ,9:タマイズミ,10:チクゴイズミ,11:ダブリュ8号,12:ナンブコムギ,13:つるぴかり,14:ニシノカオリ,15:ニシホナミ,16:農林61号,17:ニシノカオリ,18:春よ恋,19:ふくさやか,20:ホクシン,21:ミナミノカオリ,22:Calingiri,23:Arrino,24:Cadoux,25:Eradu,26:AC Barrie,27:AC Domain,28:AC Majestic,29:Grandin,30:Alturas,31:Eden,32:Jubilee
22から25はオーストラリアの麺用品種、26から29は北米のパン用品種、30から32は北米の菓子用品種である。
図2:178bp、図3:504bp、図4:130bp、図5:121bp、図6:306bp、図7:489bp、図8:156bp、図9:211bp、図10:249bp、図11:681bp、図12:816bp、図13:804bp、図14:531bp、図15:504bp、図16:404bp
なお、図5と図14については、上記サイズのバンド以外に予想されないPCR産物も生じているが、その由来は不明である。
図2〜16の結果から分かるように、上記プライマーを用いてCalingiri(レーン22)特異的なPCR産物を得ることができた。
過去3カ年に輸入したASWN及び農林61号から作られた小麦粉から抽出したDNAを用いてPCRを行った。DNA抽出は小麦粉約20mgを用い、上記したDellaportaら(1983)の方法に従った。PCR条件及びプライマーは実施例1の図2と同様である。PCR後の電気泳動パターンを図17に示す。
図17中、Mは分子量マーカー(φX174/HaeIII 処理物)を示す。各レーン1〜4の小麦品種名は1:ASWN(2002年輸入),2:ASWN(2003年輸入),3:ASWN(2004年輸入),4:農林61号である。矢印はCalingiri特異的なPCR産物のバンド(178 bp)を指す。
図17から分かるように、2002〜2004年に輸入したASWN小麦粉の全てからCalingiri特異的遺伝子型が検出された。
2006年輸入のASWNの種子10粒から個別に抽出したDNA、及び2005年輸入のASWN由来の小麦粉から抽出したDNAを用いてPCRを行った。DNA抽出方法、PCR条件及びプライマーは実施例2と同様である。PCR後の電気泳動パターンを図18に示す。
図18中、Mは分子量マーカー(φX174/HaeIII 処理物)を示す。各レーン1〜11は1〜10:ASWN(2006年輸入)種子1粒ずつ,11:ASWN小麦粉(2005年輸入)である。矢印はCalingiri特異的なPCR産物のバンド(178 bp)を指す。
図18の結果から、最近のASWNの種子中、半数が本発明の方法により検出されるGlu-A1遺伝子を持っていることが明らかとなった。2006年輸入のASWNについて、種子の硬度を測定する単一穀粒評価システム(SKCS)によって推定された軟質品種の構成割合は、軟質:硬質=52:48であった。このことは、軟質小麦のほとんどがこの遺伝子型を持つことを示している。
2006年輸入の種々の外国小麦銘柄及び群馬県産の農林61号の小麦粉から抽出したDNAを用いてPCRを行った。各外国小麦銘柄は、カナダ産のパン用小麦銘柄である1CW(No.1 Canada Western Red Spring Wheat)、アメリカ産のパン用小麦銘柄であるHRW(Hard Red Winter)とDNS(Dark Northern Spring)、アメリカ産の菓子用小麦銘柄であるWW(Western White)、オーストラリア産の硬質小麦銘柄であるPH(Prime Hard)、及びASWNを用いた。DNA抽出方法、PCR条件及びプライマーは実施例2と同様である。PCR後の電気泳動パターンを図19に示す。
図19中、Mは分子量マーカー(φX174/HaeIII 処理物)を示す。各レーン1〜7の小麦銘柄は1:1CW,2:HRW,3:DNS,4:WW,5:農林61号,6:PH,7:ASWNである。矢印はCalingiri特異的なPCR産物のバンド(178 bp)を指す。
図19の結果から、ASWN(レーン7)以外の外国小麦銘柄にはCalingiriが含まれないことが明らかとなった。
M:分子量マーカー,1:あやひかり,2:イワイノダイチ,3:キタノカオリ,4:きたもえ,5:きぬの波,6:さぬきの夢2000,7:シラネコムギ,8:シロガネコムギ,9:タマイズミ,10:チクゴイズミ,11:ダブリュ8号,12:ナンブコムギ,13:つるぴかり,14:ニシノカオリ,15:ニシホナミ,16:農林61号,17:ニシノカオリ,18:春よ恋,19:ふくさやか,20:ホクシン,21:ミナミノカオリ,22:Calingiri,23:Arrino,24:Cadoux,25:Eradu,26:AC Barrie,27:AC Domain,28:AC Majestic,29:Grandin,30:Alturas,31:Eden,32:Jubilee,矢印:Calingiri特異的なPCR産物
(図17)
M:分子量マーカー,1:ASWN(2002年輸入),2:ASWN(2003年輸入),3:ASWN(2004年輸入),4:農林61号,矢印:Calingiri特異的なPCR産物(178 bp)
(図18)
M:分子量マーカー,1〜10:ASWN(2006年輸入)種子1粒ずつ,11:ASWN小麦粉(2005年輸入)
(図19)
M:分子量マーカー,1:1CW,2:HRW,3:DNS,4:WW,5:農林61号,6:PH,7:ASWN
Claims (7)
- Glu-A1遺伝子座にコードされるオーストラリア産の麺用小麦銘柄に特異的な遺伝子型を判定することによる、オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別方法。
- 遺伝子型の判定を、配列番号1に示す塩基配列中、第151位、第241位、第254位、第278位、第335位、第342位、第519位、第702位、第805位、第894位、第1001位、第1029位、第1267位、第1301位、第1401位、第1571位、第1649位、第1730位、第1766位、第1768位、第1938位、第1941位及び第1978位のうち少なくとも1箇所における変異を検出することにより行なう、請求項1に記載の判別方法。
- 変異の検出を、配列番号2〜21に示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなるオリゴヌクレオチドのうち少なくとも1種を用いて行なう、請求項1又は2に記載の判別方法。
- 変異の検出を、配列番号2〜10に示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなるオリゴヌクレオチドのうちいずれか1種、及び配列番号11〜21に示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなるオリゴヌクレオチドのうちいずれか1種を組み合わせたプライマーセットを用いた、小麦試料から抽出した核酸を鋳型とする遺伝子増幅反応によって行なう、請求項1〜3のいずれかに記載の判別方法。
- 配列番号1に示す塩基配列中、第151位、第241位、第254位、第278位、第335位、第342位、第519位、第702位、第805位、第894位、第1001位、第1029位、第1267位、第1301位、第1401位、第1571位、第1649位、第1730位、第1766位、第1768位、第1938位、第1941位及び第1978位のうち少なくとも1箇所における変異を検出し得るオリゴヌクレオチド。
- 配列番号2〜21のいずれかに示す塩基配列の全部又は3’末端側の15塩基以上の部分からなる請求項5に記載のオリゴヌクレオチド。
- 請求項5又は6に記載のオリゴヌクレオチドを含む、オーストラリア産麺用小麦銘柄の判別用キット。
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