JP2008271447A - ワイヤレス通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のワイヤレス子器からそれぞれ送信される無線信号の混信を防止する。
【解決手段】ワイヤレス親器20は、要求信号を送信してから、ワイヤレス子器である検知センサ10から送信される応答信号を受信するまでの時間である応答時間を計時し、計時された応答時間と、応答信号に添付された待機時間情報で示される待機時間とから、検知センサ10において、待機時間経過した後に、無線信号の送信処理が開始されるまでに要する処理時間である送信開始処理時間を算出し、この送信開始処理時間に基づき、複数の検知センサ10それぞれに新たに設定する待機時間を算出し、検知センサ10に設定することで実現する。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数のワイヤレス子器とワイヤレス親器とが無線通信をするワイヤレス通信システムに関する。
外部から建物内への不法な侵入を防止するために、扉、窓などに設置した検知センサ(センサ)と、侵入を検知した検知センサから送信されるワイヤレス信号を受信して警報を発するワイヤレス親器(ワイヤレス防犯受信器)とを備え、検知センサ、ワイヤレス親器間のワイヤレス通信により防犯処理を行うワイヤレス通信システムが考案、実施されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−173837号公報
このようなワイヤレス通信システムでは、1つのワイヤレス親器で複数の検知センサからの無線信号を受け付ける構成となっているため、複数の検知センサからワイヤレス親器にほぼ同一のタイミングで無線信号が送信された場合などに、無線信号の重なり合いにより混信を生じてしまう虞がある。
このような混信を回避するために、ワイヤレス通信システムの各検知センサには、検知センサ毎にそれぞれ異なる、無線信号の送信開始処理を待機する送信開始処理待機時間(以下、単に待機時間と呼ぶ。)が設定されている。
通常、検知センサは、外部機器から送信される信号を受信したことに応じて、または自身による何らかの異常状態を検出したことに応じて無線信号を送信する。しかしながら、検知センサに設定された無線信号の送信開始処理を待機する待機時間がそれぞれ異なっているため、外部機器から送信される信号を受信したタイミングや何らかの異常状態を検出したタイミングが他の検知センサとほぼ同一であったとしても同時に無線信号を送信することがない。つまり、このように、検知センサ毎にそれぞれ異なる無線信号の送信開始処理を待機する待機時間を設定することで、無線信号の混信を回避することができる。
しかしながら、各検知センサに設定される待機時間は、無線信号の送信開始処理を待機する時間であり、検知センサが実際に無線信号を送信するには、検知センサの種別などよって異なる処理時間となる無線信号の送信開始処理を経る必要がある。したがって、上述したように検知センサ毎に異なる時間とした待機時間を設定したとしても、送信開始処理の処理時間が考慮されていないため、意図的に設けた待機時間のずれが送信開始処理の処理時間によって吸収されてしまい、無線信号の送信タイミングが一致し、無線信号の混信を引き起こしてしまうといった問題がある。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、複数のワイヤレス子器からそれぞれ送信される無線信号の混信を防止することができるワイヤレス通信システムを提供することを目的とする。
本発明のワイヤレス通信システムは、無線信号を送信する複数のワイヤレス子器と、前記ワイヤレス子器から送信される無線信号を受信して、前記ワイヤレス子器と無線通信をするワイヤレス親器とを備えるワイヤレス通信システムにおいて、前記ワイヤレス親器は、前記ワイヤレス子器に、現在、設定されている前記無線信号の送信開始処理を待機する待機時間を示す待機時間情報の送信を要求する要求信号を生成する要求信号生成手段と、前記要求信号生成手段によって生成された要求信号を無線信号として送信する要求信号送信手段とを有し、前記ワイヤレス子器は、前記ワイヤレス親器から送信される要求信号を受信したことに応じて、前記待機時間情報を添付した応答信号を生成する応答信号生成手段と、前記応答信号生成手段によって生成された応答信号を無線信号として送信する応答信号送信手段とを有し、さらに、前記ワイヤレス親器は、前記要求信号送信手段によって要求信号を送信してから、前記ワイヤレス子器の応答信号送信手段によって送信される応答信号を受信するまでの時間である応答時間を計時する計時手段と、前記計時手段によって計時された応答時間と、前記応答信号に添付された待機時間情報で示される待機時間とから、前記ワイヤレス子器において、前記待機時間経過した後に、無線信号の送信処理が開始されるまでに要する処理時間である送信開始処理時間を算出する送信開始処理時間算出手段と、前記送信開始処理時間算出手段によって算出された送信開始処理時間に基づき、前記複数のワイヤレス子器それぞれに新たに設定する無線信号の送信開始処理を待機する待機時間を算出する待機時間算出手段と、前記待機時間算出手段によって算出された待機時間を示す待機時間情報を前記ワイヤレス子器に設定する待機時間設定信号を生成する待機時間設定信号生成手段と、前記待機時間設定信号生成手段によって生成された待機時間設定信号を無線信号として送信する待機時間設定信号送信手段とを有する。
また、本発明のワイヤレス通信システムは、前記ワイヤレス親器の待機時間算出手段は、前記送信開始処理時間算出手段によって算出された送信開始処理時間のうち最大の送信開始処理時間に所定時間だけ加算した基準待機時間を算出し、前記基準待機時間を整数倍することで、前記複数のワイヤレス子器にそれぞれ新たに設定する待機時間を算出する。
本発明によれば、複数のワイヤレス子器からそれぞれ送信される無線信号の混信を防止することを可能とする。さらには、送信開始処理時間を考慮して、待機時間を算出しているので、待機時間を必要以上に長く設定することを防止できる。
また、本発明によれば、各ワイヤレス子器に新たに設定する待機時間を、各ワイヤレス子器から取得された送信開始処理時間の最大の値に、さらに所定時間を加算した基準待機時間の整数倍とすることで、いかなる送信開始処理時間にも影響を受けることがないため、各ワイヤレス子器から送信される無線信号の混信を防止することを可能とする。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態として示すワイヤレス通信システム1について説明をする。ワイヤレス通信システム1は、当該ワイヤレス通信システム1においてワイヤレス子器として機能する複数の検知センサ10(nは、自然数)と、検知センサ10と所定の周波数帯域を利用して双方向に無線通信することができるワイヤレス親器20とを備えている。
検知センサ10は、ワイヤレス親器20に無線信号を送信し、ワイヤレス親器20から送信される無線信号を受信するアンテナ11、無線送受信部12と、送信するデータに基づき所定の周波数の搬送波を変調し、受信した無線信号に変調されているデータを復調して取り出す変復調部13と、当該検知センサ10を統括的に制御する信号処理部14と、少なくとも当該検知センサ10を一意に特定する識別情報を記憶しているデータ記憶部15と、侵入者を検知するセンサ部16とを備えている。
また、データ記憶部15は、当該検知センサ10から送信する無線信号の送信開始処理を待機する送信開始処理待機時間(以下、単に待機時間と呼ぶ。)を示す待機時間情報を記憶している。データ記憶部15には、当該検知センサ10の工場出荷時には、デフォルトの待機時間情報が記憶されているが、後述するワイヤレス親器20による待機時間情報の自動設定処理により随時更新されていくことになる。
このような構成の検知センサ10は、小型形状をしており図示しない電池などの電源を内蔵しているため、住宅をはじめとする様々な建物内外のあらゆる場所に設置可能となっている。検知センサ10が設置される場所は、センサ部16のセンシング方式によって決定される。
センサ部16は、ワイヤレス通信システム1で防犯管理している建物内、建物周囲領域内へ不当に侵入した侵入者の存在といった、管理管轄領域内での何らかの異常状態を検知することができるセンサであり、例えば、窓や扉(ドア)の開閉を検知することで侵入者の存在を間接的に検知するマグネットセンサ(開閉センサ)や、物体の温度と人の温度との温度差を検出することで侵入者の存在を直接的に検知する熱線センサなどを利用することができる。
このように、検知センサ10は、センサ部16としてマグネットセンサが使用されている場合には、窓や扉(ドア)などに設置され、熱線センサが使用されている場合には、建物の壁や天井などに設置されることになる。
信号処理部14は、センサ部16によって、ワイヤレス通信システム1の管理管轄領域内へ不当に侵入した侵入者の存在が検知されたことに応じて、データ記憶部15に記憶されている当該検知センサ10を一意に特定する識別情報を読み出し、無線送受信部12、変復調部13を制御して、読み出した識別情報を添付した検知信号を無線信号としてアンテナ11を介してワイヤレス親器20に送信する。
また、信号処理部14は、ワイヤレス親器20や他の外部機器などから送信され、アンテナ11、無線送受信部12を介して無線信号が受信されたことに応じて、変復調部13で復調された無線信号に添付されている識別情報と、データ記憶部15に記憶されている当該検知センサ10を一意に特定する識別情報とを比較し、自身に対して送信された無線信号であるかどうかを判定する。
信号処理部14は、識別信号が一致した場合には、自身に対して送信された無線信号であると判断して、送信された無線信号の命令要求に応じた処理を実行する。例えば、信号処理部14は、上述した命令要求に応じて、データ記憶部15に記憶されている当該検知センサ10を一意に特定する識別情報を読み出し、無線送受信部12、変復調部13を制御して、読み出した識別情報を添付した無線信号をアンテナ11を介してワイヤレス親器20に送信する。
信号処理部14は、ワイヤレス親器20に対して無線信号を送信する際、データ記憶部15に記憶された待機時間情報を読み出し、待機時間情報で示される待機時間だけ待機してから無線信号を送信するために必要となる送信開始処理を実行することになる。この送信開始処理を実行するのにかかる処理時間(送信開始処理時間)は、各検知センサ10の処理速度などといったスペックや現在の信号処理状態などに応じて異なっている。
ここで、図2に示すタイミングチャートを用いて、データ記憶部15に記憶された待機時間情報、送信開始処理を実行するのに要する送信開始処理時間がそれぞれ異なる検知センサ10、10において、ワイヤレス親器20または外部機器から送信される無線信号の送信を要求する命令要求信号を同時に受信した場合に無線信号を送信するまでの様子について説明する。なお、この命令要求信号を同時び受信する替わりに、検知センサ10、10の各センサ部16で何らかの異常状態を同時に検出したとしてもよい。
図2に示すように、まず、検知センサ10、10は、外部機器から送信された無線信号の送信を要求する命令要求信号Sをそれぞれ時刻t1に受信する。
検知センサ10は、データ記憶部15に待機時間を100msとする待機時間情報を記憶している。これにより、検知センサ10の信号処理部14は、時刻t1から100ms経過した時刻t2まで待機状態を継続し、時刻t2となったことに応じて、無線信号を送信するための送信開始処理を実行する。例えば、この送信開始処理を実行する送信開始処理時間として10msだけ要したとすると、検知センサ10の信号処理部14は、時刻t2から10ms経過した時刻t3から無線信号を送信する信号送信期間SS1へと処理を移行することになる。
一方、検知センサ10は、データ記憶部15に待機時間を200msとする待機時間情報を記憶している。これにより、検知センサ10の信号処理部14は、時刻t1から200ms経過した時刻t4まで待機状態を継続し、時刻t4となったことに応じて、無線信号を送信するための送信開始処理を実行する。例えば、この送信開始処理を実行する送信開始処理時間として20msだけ要したとすると、検知センサ10の信号処理部14は、時刻t4から20ms経過した時刻t5から無線信号を送信する信号送信期間SS2へと処理を移行することになる。
このように、検知センサ10は、無線信号の送信を要求する命令要求信号を受信した場合やセンサ部16で何らかの異常状態を検出した場合、待機時間と送信開始処理を実行する送信開始処理時間とを加算した時間後に実際に無線信号を送信することになる。したがって、図2に示す検知センサ10、10の場合、待機時間と送信開始処理時間とを加算した時間がそれぞれ110msと、220msと全く異なっているため、ワイヤレス親器20に送信される無線信号の混信を防止することができる。
しかしながら、待機時間は、各検知センサ10のデータ記憶部15に記憶されているものの、送信開始処理を実行する送信開始処理時間は、未知の値である。したがって、異なる検知センサ10同士において、待機時間と送信開始処理時間とを加算した時間が一致してしまった場合などには、ワイヤレス親器20に送信される無線信号の混信を防止できる保証がない。
そこで、ワイヤレス親器20は、後述するように、ワイヤレス通信システム1を構成する各検知センサ10に対してデータ記憶部15に記憶されている待機時間情報を通知するよう要求する待機時間情報要求信号を送信し、待機時間情報を取得して、未知の値である送信開始処理時間を算出する。ワイヤレス親器20は、算出した各検知センサ10の送信開始処理時間に基づき、上述したような無線信号の混信を防止することができるような待機時間を算出する。
信号処理部14は、このようなワイヤレス親器20による新たな待機時間の算出処理に必要となるデータ記憶部15に記憶されている現在の待機時間を示す待機時間情報を、待機時間情報要求信号の応答信号に添付してワイヤレス親器20に無線信号として送信する。
図1に示すように、ワイヤレス親器20は、検知センサ10に無線信号を送信し、検知センサ10から送信される無線信号を受信するアンテナ21、無線送受信部22と、送信するデータに基づき所定の周波数の搬送波を変調し、受信した無線信号に変調されているデータを復調して取り出す変復調部23と、当該ワイヤレス親器20を統括的に制御する信号処理部24と、信号処理部24に設けられ後述する応答時間を計時するタイマ24Aと、ワイヤレス通信システム1を構成する全ての検知センサ10の識別情報を記憶したデータ記憶部25と、当該ワイヤレス親器20の各種機能を操作するための例えば、押下ボタンなどである操作部26と、表示部27と、検知センサ10から送信された検知信号を受信したことに応じて鳴動し、周囲にいる人に対して、侵入者が検知されたことを報知する音響部28とを備える。
このような構成のワイヤレス親器20は、検知センサ10に較べて大型な装置となっており、例えば、建物内の所定の場所に、表示部27を視認し易く、操作部26を操作し易い位置に固定的に設置されることになる。したがって、電源は、固定電源を使用する。
表示部27は、例えば、LED(Light Emitting Diode)といった発光素子や、発光ランプなどである。表示部27は、検知センサ10から送信された無線信号を受信した場合や、操作部26が操作された場合に、信号処理部24による点灯、消灯、点滅制御に応じて表示形態を変えることで、信号受信状況や、操作状況などをユーザに視覚的に提示する。例えば、検知センサ10から送信された検知信号を受信した場合には、検知センサ10の設置により侵入者を検知することが可能となった検知エリアを特定する発光ランプが点滅し、侵入者の位置をユーザに通知する。
表示部27は、ユーザが一瞥して表示結果を視認することができればどのようなものであってもよく、例えば、赤色光、緑色光、青色光を発光することができるLEDを用い、発光色の組み合わせを変えることで上述した消灯、点灯、点滅と同じように表示形態を変えることもできる。また、このようなLEDばかりではなく、例えば、小型で薄型のEL(Electric Luminescence)発光パネルなどであってもよい。また、表示部27は、文字情報や画像情報を表示することができる液晶ディスプレイなどを用いることもできる。
データ記憶部25は、ワイヤレス通信システム1を構成する検知センサ10の全ての識別情報を、検知センサ10を設置した検知エリアを特定することができる情報に対応付けて記憶している。検知エリアを特定することができる情報は、例えば、検知エリアと対応付けられた発光ランプである表示部27を特定する情報であったり、液晶ディスプレイや発光パネルである表示部27に表示させるシンボル情報などである。
これにより、検知センサ10から送信された検知信号より取得される識別情報から、データ記憶部25に対応付けられた情報を取得し、表示部27を介してユーザに提示することで、侵入者が検知された検知エリアを特定することができる。
信号処理部24は、検知センサ10から送信され、アンテナ21、無線送受信部22を介して検知信号が受信されたことに応じて、変復調部23で復調された検知信号に添付されている識別情報と、データ記憶部25に記憶されている検知センサ10を一意に特定する識別情報とを比較し、対応付けて記憶されている情報を読み出すとともに、音響部28を鳴動させる。そして、信号処理部24は、読み出した情報で特定される侵入者が検知された検知エリアを表示部27を介してユーザに提示する。
また、信号処理部24は、検知センサ10から送信される検知信号を受信したことに応じて、検知信号により取得される識別情報を添付した応答信号を生成し、変復調部23、無線送受信部22、アンテナ21を介して検知センサ10に送信する。応答信号を受信した検知センサ10は、応答信号に添付された識別情報を参照することで自身宛の応答信号であることを把握することができる。
ワイヤレス親器20は、検知エリア毎に切モード、報知モード、警戒モードといったワイヤレス親器20の動作モードである監視モードを設定することができる。
例えば、検知エリアを切モードに設定すると、この検知エリアに設置された検知センサ10から送信される検知信号を受信したとしても報知、通報がなされない。また、検知エリアを報知モードにすると、この検知エリアに設置された検知センサ10から送信される検知信号を受信したことに応じて、音響部28、表示部27でそれぞれ報知音の発報や、報知表示(例えば、緑色ランプ点灯)がなされる。さらに、検知エリアを警戒モードにすると、この検知エリアに設置された検知センサ10から送信される検知信号を受信したことに応じて、音響部28、表示部27でそれぞれ警報音(警報メッセージ)の発報や、警報表示(例えば、赤色ランプ点灯)がなされる。
また、信号処理部24は、各検知センサ10において無線信号の送信開始処理を実行するのに要する送信開始処理時間に基づいた新たな待機時間を算出する処理を行う。ここで、図3を用いて、送信開始処理時間に基づいた新たな待機時間を算出する処理について説明をする。
信号処理部24は、ワイヤレス通信システム1が構築された際に、ユーザによってなされる操作部26の操作に応じて、図3に示すように、ワイヤレス通信システム1を構成する各検知センサ10に対してデータ記憶部15に記憶されている待機時間情報を通知するよう要求する待機時間情報要求信号QSを生成して送信する。
また、信号処理部24は、この待機時間情報要求信号QSに対して各検知センサ10から無線信号として送信される応答信号RSを受信し、応答信号RSに添付されているデータ記憶部15に記憶されている現在の待機時間情報を取得する。
そして、信号処理部24は、取得した待機時間情報から各検知センサ10の送信開始処理時間を算出する。図3に示すように、信号処理部24は、タイマ24Aによって計時される待機時間情報要求信号QSを検知センサ10に送信してから、検知センサ10によって返信される応答信号RSを受信するまでの時間を応答時間RTとする。そして、信号処理部24は、取得した待機時間情報で示される待機時間を待機時間WTとし、応答信号RSの送受信処理に要する時間である応答信号処理時間を応答信号処理時間RPTとして、送信開始処理時間STを、以下に示す(1)式を用いて算出する。
送信開始処理時間ST=応答時間RT−待機時間WT−応答信号処理時間RPT
・ ・ ・(1)
さらに、信号処理部24は、算出した送信開始処理時間STに基づき、各検知センサ10に設定する新たな待機時間を算出する。具体的には、信号処理部24は、算出された各検知センサ10の送信開始処理時間の中で最も長い処理時間となる送信開始処理時間Tmaxを選択する。そして、信号処理部24は、選択した送信開始処理時間Tmaxを越えるように所定時間分の加算時間Taddを加算して、新たな待機時間を算出する際の基準となる基準待機時間WTstを以下に示す(2)式を用いて算出する。
基準待機時間WTst=送信開始処理時間Tmax+加算時間Tadd
・ ・ ・(2)
そして、信号処理部24は、以下に示す(3)式のように、この基準待機時間WTstを整数倍(m=0,1,2…)することで得られる値を新たな待機時間である待機時間WTnewとして各検知センサ10に割り当てる。
待機時間WTnew=基準待機時間WTst×m ・ ・ ・(3)
ただし、m=0,1,2…
例えば、信号処理部24は、ワイヤレス通信システム1を構成する検知センサ10に付与されている機器IDの小さい順に、(3)式を用いて算出する待機時間WTnewを割り当てていく。具体的には、信号処理部24は、待機時間WTnewを添付した待機時間設定信号を無線信号として各検知センサ10に送信することで新たな待機時間の設定を行う。
続いて、図4に示すフローチャートを用いて、ワイヤレス通信システム1のワイヤレス親器20によって実行される各検知センサ10に対する新たな待機時間の設定処理動作について説明をする。
まず、ステップS1において、ユーザによりワイヤレス親器20の操作部26が操作される。
ステップS2において、ワイヤレス親器20の信号処理部24は、操作部26の操作に応じて、待機時間情報要求信号を生成する。そして、信号処理部24は、変復調部23、無線送受信部22を制御してアンテナ21を介して待機時間情報要求信号を各検知センサ10に送信する。
ステップS3において、ワイヤレス親器20の信号処理部24は、ステップS2で待機時間情報要求信号を送信したことに応じて、タイマ24Aによる計時を開始する。
ステップS4において、ワイヤレス親器20の信号処理部24は、待機時間情報要求信号を受信した各検知センサ10から返信される応答信号を受信する。信号処理部24は、受信した応答信号に添付されている待機時間情報を取得する。
ステップS5において、ワイヤレス親器20の信号処理部24は、ステップS4で各検知センサ10から応答信号を受信したことに応じて、タイマ24Aで計時されている時間を各検知センサ10の応答時間RTとして取得する。
ステップS6において、ワイヤレス親器20の信号処理部24は、ステップS4で取得した待機時間情報で示される待機時間WTと、ステップS5で取得した応答時間RTと、応答信号処理時間RPTとから、上述した(1)式を用いて、各検知センサ10の送信開始処理時間STを算出する。
ステップS7において、ワイヤレス親器20の信号処理部24は、ステップS6で算出した各検知センサ10の送信開始処理時間STの中で最も長い処理時間となる送信開始処理時間Tmaxを選択する。そして、信号処理部24は、上述した(2)式を用いて、選択した送信開始処理時間Tmaxに所定の加算時間Tadd(例えば、10ms程度)を加算して基準待機時間WTstを算出する。
ステップS8において、ワイヤレス親器20の信号処理部24は、ステップS7で算出した基準待機時間WTstを上述した(3)式に適用し、新たな待機時間である待機時間WTnewを算出する。
ステップS9において、ワイヤレス親器20の信号処理部24は、ステップS8で算出される待機時間WTnewを待機時間設定信号に添付して、各検知センサ10に送信し待機時間WTnewを設定する。例えば、機器IDの小さい検知センサ10から順に、小さい待機時間WTnewが設定されるようにする。上述した(3)式より、最も小さい待機時間WTnewは、ゼロとなるため、最も小さい機器IDの検知センサ10には、ゼロの待機時間WTnewが設定されることになる。
このように、ワイヤレス親器20の信号処理部24は、ワイヤレス子器である複数の検知センサ10から取得した現在、設定されている待機時間と計時した応答時間とを用いて、各検知センサ10の送信開始処理時間を算出する。そして、信号処理部24は、算出した送信開始処理時間に基づき、新たに各検知センサ10に設定する無線信号の送信開始処理を待機する待機時間を算出する。これにより、ワイヤレス通信システム1を構成する複数の検知センサ10毎に異なる送信開始処理時間を考慮した新たな待機時間を設定することができるため、複数の検知センサ10からそれぞれ送信される無線信号の混信を防止することができる。さらには、送信開始処理時間を考慮して、新たな待機時間を算出しているので、待機時間を必要以上に長く設定することを防止できる。
また、基準待機時間WTstを、ワイヤレス通信システム1を構成する検知センサ10から取得された送信開始処理時間の最大の値に、さらに所定時間を加算した値とし、各検知センサ10に新たに設定する待機時間WTnewを、この基準待機時間WTstの整数倍とすることで、いかなる送信開始処理時間にも影響を受けることがないため、各検知センサ10から送信される無線信号の混信を防止することができる。
なお、本発明の実施の形態として示すワイヤレス通信システム1に、図示しない中継器を設け、検知センサ10とワイヤレス親器20との無線通信を中継させるようにしてもよい。これにより、広範囲かつ確実な検知センサ10とワイヤレス親器20との無線通信を実現することができる。このとき、ワイヤレス通信システム1に設けられた各中継器にて、上述した応答時間の計時を行うようにすることで、ワイヤレス親器20のみにて応答時間の計時を実行する場合と比較して、より正確に送信開始処理時間を算出できるため、各検知センサ10に設定する新たな待機時間を効率よく算出することができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明の実施の形態として示すワイヤレス通信システムの構成について説明するための図である。 前記ワイヤレス通信システムの検知センサの無線信号の送信タイミングについて説明するための図である。 前記ワイヤレス通信システムにおいて、新たな待機時間を算出する処理について説明するための図である。 前記ワイヤレス通信システムにおいて、新たな待機時間を算出する際のワイヤレス親器の処理動作について説明するための図である。
符号の説明
1 ワイヤレス通信システム
10 検知センサ
14 信号処理部
15 データ記憶部
20 ワイヤレス親器
24 信号処理部
24A タイマ

Claims (2)

  1. 無線信号を送信する複数のワイヤレス子器と、前記ワイヤレス子器から送信される無線信号を受信して、前記ワイヤレス子器と無線通信をするワイヤレス親器とを備えるワイヤレス通信システムにおいて、
    前記ワイヤレス親器は、前記ワイヤレス子器に、現在、設定されている前記無線信号の送信開始処理を待機する待機時間を示す待機時間情報の送信を要求する要求信号を生成する要求信号生成手段と、前記要求信号生成手段によって生成された要求信号を無線信号として送信する要求信号送信手段とを有し、
    前記ワイヤレス子器は、前記ワイヤレス親器から送信される要求信号を受信したことに応じて、前記待機時間情報を添付した応答信号を生成する応答信号生成手段と、前記応答信号生成手段によって生成された応答信号を無線信号として送信する応答信号送信手段とを有し、
    さらに、前記ワイヤレス親器は、前記要求信号送信手段によって要求信号を送信してから、前記ワイヤレス子器の応答信号送信手段によって送信される応答信号を受信するまでの時間である応答時間を計時する計時手段と、
    前記計時手段によって計時された応答時間と、前記応答信号に添付された待機時間情報で示される待機時間とから、前記ワイヤレス子器において、前記待機時間経過した後に、無線信号の送信処理が開始されるまでに要する処理時間である送信開始処理時間を算出する送信開始処理時間算出手段と、
    前記送信開始処理時間算出手段によって算出された送信開始処理時間に基づき、前記複数のワイヤレス子器それぞれに新たに設定する無線信号の送信開始処理を待機する待機時間を算出する待機時間算出手段と、
    前記待機時間算出手段によって算出された待機時間を示す待機時間情報を前記ワイヤレス子器に設定する待機時間設定信号を生成する待機時間設定信号生成手段と、
    前記待機時間設定信号生成手段によって生成された待機時間設定信号を無線信号として送信する待機時間設定信号送信手段とを有すること
    を特徴とするワイヤレス通信システム。
  2. 前記ワイヤレス親器の待機時間算出手段は、
    前記送信開始処理時間算出手段によって算出された送信開始処理時間のうち最大の送信開始処理時間に所定時間だけ加算した基準待機時間を算出し、
    前記基準待機時間を整数倍することで、前記複数のワイヤレス子器にそれぞれ新たに設定する待機時間を算出すること
    ことを特徴とする請求項1記載のワイヤレス通信システム。
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