JP2008270970A - 電磁変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁変換器の外側寸法または放音孔が配列されている部材の外周寸法を変化させることなく、放射音の指向角または指向性を変更する。
【解決手段】電磁変換器10は、帯状の多極着磁パターンが形成された永久磁石板1,2と、永久磁石板1,2における多極着磁パターンの形成面と対向配置されるコイルパターン3aを設けた振動膜3と、永久磁石板1,2と振動膜3の間に配置された緩衝部材4と、永久磁石板1,2、振動膜3及び緩衝部材4を覆って支持するフレーム5,6とを備え、永久磁石板1とフレーム5に設けられ、振動膜3で発生した音を外部空間へ放射する放音孔1a,5aが電磁変換器10の行方向及び列方向に複数配列され、行方向及び列方向のうち少なくとも何れか1方向の配列間隔が不等間隔になるように配列されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、振動膜の表面にコイルパターンを備えてオーディオ信号から音声再生を行う電磁変換器に関するものである。
従来の電磁変換器は、永久磁石板と振動膜とを対向配置し、永久磁石板と振動膜との間には緩衝部材を配置している。これら永久磁石板、振動膜、及び緩衝部材はフレーム等に覆われ、例えばスピーカ筐体に取り付けられている。
例えば、特許文献1記載の電磁変換器は、永久磁石板と永久磁石板に対向する位置に設けられた振動膜と、永久磁石板と振動膜の間に介在する緩衝部材と、振動膜の永久磁石板に対する位置を規制する支持部材を具備しており、永久磁石板は平行縞状の多極着磁パターンを有し、そのニュートラルゾーンに多数の放音孔を配列した一体構造である。放音孔である放音孔は、ニュートラルゾーンに沿って一定ピッチで形成されている。永久磁石板のニュートラルゾーンに対応する位置に振動膜の面内でコイルの直線部分を横切るような向きに磁力線が通る。コイルに駆動電流を供給すると、その電流と磁界との相互作用により厚み方向に電磁力が発生して振動膜が振動する。この振動によって発生した音波が放音孔を通って外部に放出され、オーディオ再生が行われる。
特開平9−331596号公報
従来の電磁変換器は以上のように構成されているので、放音孔がニュートラルゾーンに沿って等間隔の一定ピッチで形成されており、振動膜面で均一な音圧分布が得られると仮定した場合、放音孔から放射される音の音圧分布も電磁変換器の面上でほぼ均一となる。そのため、空間内には電磁変換器の中心から左右または上下方向にそれぞれほぼ対称な音場が形成される。つまり、形成される遠方音場の電磁変換器の中央を中心とする半径一定の円周上において、電磁変換器の正面軸上に最大音圧レベルが得られるものとなる。言い換えると、電磁変換器の中心と音圧が最大となる点を結ぶ軸を音軸とし、その音軸を中心とする音圧パターンをメインローブとすると、音軸及びメインローブは電磁変換器の正面方向に存在することとなる。
ここで、従来の電磁変換器の音圧分布と指向特性について詳しく説明する。まず、図10は従来の電磁変換器の放音孔の配置例を示す電磁変換器の正面図である。
電磁変換器10は、長手方向であり電流が流れる方向(以下、電流方向と称する)の長さが約12cm、短手方向であり電流方向と直行する方向(以下、配列方向と称する)の長さが約6cmの矩形を形成している(ただし、図10は説明のため電流方向と配列方向の長さが異なっている)。電流方向及び配列方向には等間隔に穿孔された放音孔20が設けられており、電流方向に1列当たり20個、配列方向に1列当たり10個設けられている。また、放音孔20の直径は全て数mm程度であり、同じ強さの音が発せられているものとする。
次に、従来の電磁変換器10の音場シミュレーション結果を示す。このシミュレーション結果は、点音源に近似させるために、各放音孔20を平坦なバッフル面に配列したモデルを用いてシミュレーションしたものである。
図11は、従来の電磁変換器の音圧分布を示す図である。図10に示した電磁変換器10の電流方向の中心を中心線Xとすると、中心線Xに接する水平面の範囲4m×4mの音圧分布を示している。電磁変換器10は図11の下辺中心部に存在し、図の上辺に向かって放射音が放射されている。図中の曲線は同音圧値を結んだものであり、等間隔の相対値である。また、図の下辺の中心と上辺の中心を結んだ線を正面音軸Aとする。図11(a)は電磁変換器の周波数(音圧)が2kHz、図11(b)は電磁変換器の周波数(音圧)が4kHzのときの音圧分布を示している。図11(a)及び図11(b)は、下辺中心部に存在する電磁変換器10の直前の音圧が一番大きく、その外側に音が拡がって音圧が小さくなっている様子を示している。図11(a)は電磁変換器10を中心に円に近い同心円状の分布を構成しているが、図11(b)では電磁変換器10の正面音軸A付近の音圧が高い状態となっている。
図12は、従来の電磁変換器の指向性を示す指向性ポーラーパターン図である。指向性ポーラーパターン図は、図11の音圧分布を示す図に内接する円上の音圧をプロットした半径2mの半円の円グラフである。図12において、同心円状の目盛は音圧値(dB)を示し、放射状の目盛は指向性を示す角度を示している。図12(a)は電磁変換器の周波数(音圧)が2kHz、図12(b)は電磁変換器の周波数(音圧)が4kHzのときの指向性ポーラーパターン図である。
図12(a)は、音軸(0°の方向)から離れた際の音圧値の低下が遅く、音軸から±90°の音圧低下値は−2dBであり、半減全角は存在しない。これに対して、図12(b)では、音軸(0°の方向)から離れるに従って音圧値の低下が早く、半減全角が算出可能であり、図12(a)よりも鋭い指向性を有していることが分かる。図12(b)において、音軸を基準として−6dBとなる角度を見ると±約60°であり、半減全角は約120°である。なお、受聴範囲の評価に用いた半減全角とは、音軸の音圧値よりも20log0.5dB(約6dB)減となる方向間の角度である。
図11及び図12に示した音場シミュレーション結果から分かるように、従来の電磁変換器10の放音孔20は電流方向及び配列方向にそれぞれ等間隔に穿孔されており、放音孔20から放射される放射音の音圧分布も電磁変換器10の放射面上でほぼ均一となり、電磁変換器の中央を中心とする半径一定の円周上において、電磁変換器の正面軸上に最大音圧レベルが得られ、メインローブは電磁変換器10の正面方向に存在する。電磁変換器10の放射面上でほぼ均一な音圧が形成されると、メインローブの指向角は矩形の電磁変換器10の長手方向または短手方向の放射音が放射される幅寸法に依存して決定される。
このように従来の電磁変換器は、指向角の変更や指向性の制御が必要な場合に、電磁変換器の外側寸法や放音孔が配列されている部材の外周寸法を変化させる必要があるという課題があった。また、電流方向または配列方向に垂直方向の指向性は音軸の両側において対称であるため、音放射方向が正面となり放射音の放射方向または指向角が任意に設定できないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、電磁変換器の外側寸法または放音孔が配列されている部材の外周寸法を変化させることなく、放射音の指向角または指向性を変更することができる電磁変換器を得ることを目的とする。
この発明に係る電磁変換機は、帯状の多極着磁パターンが形成された永久磁石板と、前記永久磁石板における多極着磁パターンの形成面と対向配置されるコイルパターンを設けた振動膜と、前記永久磁石板と前記振動膜の間に配置された緩衝部材と、前記永久磁石板、振動膜及び緩衝部材を覆って支持するフレームと、前記永久磁石板と前記フレームに、前記振動膜が発生させた音を外部空間へ放射する放音孔とを備えた電磁変換器において、前記放音孔は、電磁変換器の行方向及び列方向に複数配列され、前記行方向及び前記列方向のうち少なくとも何れか一方向の配列間隔が不等間隔である。
この発明によれば、電磁変換器の放音孔の配列間隔を不均一に変化させて配置するように構成したので、電磁変換器の外側寸法または放音孔が配列されている部材の外周寸法を変化させることなく指向性を制御する電磁変換器を得ることができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る電磁変換器の構成を示す分解斜視図である。
図に示した電磁変換器10の永久磁石板1及び2は、振動膜3との対向面のほぼ前面に焼結フェライト磁石からなる帯状の多極着磁パターン(N極とS極とが交互に現れる平行縞状の多極着磁パターン)が形成され、永久磁石板1の板面には多極着磁パターンの間隙である着磁のニュートラルゾーンに沿って一定のピッチで複数の放音孔1aが設けられている。振動膜3は、永久磁石板1における多極着磁パターンの形成面と対向配置され、表面に形成されているコイルパターン3aに電流が流れると、永久磁石板1と電磁的に結合して厚み方向に振動する。なお、振動膜3の表面に形成されているコイルパターン3aは、電磁変換器10の長手方向により長い直線部分を有する蛇行形状の導線パターンからなるコイルが、薄く柔軟な樹脂フィルム3b上にプリント配線されている構造であり、その導線パターンの直線部分が永久磁石板1のニュートラルゾーンに対応する位置に設けられている。
緩衝部材4a及び4bは、永久磁石板1及び2と振動膜3の間に配置され、振動膜3が永久磁石板1及び2とぶつかることによる異音の発生を防止するとともに、サスペンションとしての機能を有する。永久磁石板1及び2、振動膜3、緩衝部材4a及び4bは積層され、上側フレーム5と下側フレーム6によって覆われている。上側フレーム5の上面には、前述の永久磁石板1の各放音孔1aと連通するように複数の放音孔5aが設けられている。
次に、電磁変換器10の動作について説明する。振動膜3は、永久磁石板1における多極着磁パターンの形成面と対向配置されているので、表面に形成されているコイルパターン3aにオーディオ信号である電流が流れると、そのコイルパターン3aと永久磁石板1の多極着磁パターンとが電磁的に結合し、フレミングの法則に従って振動膜3にオーディオ振動が発生する。オーディオ振動によって発生した音波が放音孔1a及び5aを通って外部に放出され、オーディオ再生が行われる。
次に、電磁変換器10の永久磁石板1及び上側フレーム5に設けられた放音孔の配置について説明する。
図2は、この発明の実施の形態1に係る電磁変換器の正面図である。電磁変換器10は、長手方向であり電流が流れる方向(以下、電流方向と称する(列方向))の長さが約12cm、短手方向であり電流方向と直行する方向(以下、配列方向と称する(行方向))の長さが約6cmの矩形を形成しているものとする(ただし、図2は説明のため電流方向と配列方向の長さが異なっている)。電流方向の中心を中心線Xとし、配列方向の中心を中心線Yとする。電流方向及び配列方向には等間隔に穿孔された放音孔20が設けられており、電流方向に1列当たり20個、配列方向に1列当たり10個設けられている。放音孔20は、電流方向と配列方向共に各列を交互にずらし、斜眼の斜線の交点に放音孔20を配置した配列パターンである斜眼配列パターンを有している。
放音孔20の電流方向の配列間隔は、電磁変換器10の左右両端部で最も狭いピッチとなり、中央線Yに向かうに従い徐々に広いピッチとなるように構成している。電流方向の配列間隔として、図3(a)に示すように最小間隔Lに対して1.1倍(或いは、1.2倍、1.3倍・・・)ずつ等比に拡げる、図3(b)に示すように、最小間隔Lに対して1.1倍、1.2倍、1.3倍・・・と漸増値で拡げる等が考えられる。配列方向の配列間隔は全て均一のピッチとなるように構成している。また、放音孔20の直径は全て数mm程度であり、同じ強さの音が発せられているものとする。
次に、図2の構成を有する電磁変換器10における音場シミュレーションの結果を説明する。なお、説明では、点音源に近似させるため、各放音孔を平坦なバッフル面に配列したモデルの音場シミュレーション結果を用いて説明する。
図4は、この発明の実施の形態1に係る電磁変換器の音圧分布を示す図であり、電磁変換器10の中心線Xに接する水平面の範囲4m×4mの音圧分布を示している。電磁変換器10は図11の下辺中心部に存在し、図の上辺に向かって放射音が放射されている。図中の曲線は同音圧値を結んだものであり、等間隔の相対値である。また、図の下辺の中心と上辺の中心を結んだ線を正面音軸Aとする(以下、音圧分布を示す図において同様)。
図4(a)は電磁変換器の周波数(音圧)が2kHz、図4(b)は電磁変換器の周波数(音圧)が4kHzのときの音圧分布を示している。図4(a)は、下辺の中心部に存在する電磁変換器10を中心に円に近い同心円状の分布を構成しているが、従来例で示した図11(a)よりも正面音軸A付近の音圧が高い状態となっており、放音孔の配列を変化させたことによる音圧分布の変化が分かる。図4(b)は、従来例で示した図11(b)と比較すると、正面音軸A付近の主音圧分布とは別に正面音軸Aから±約60°の方向に−40dB近く低下する音圧の谷が形成されその外側のほぼ±90°方向にはサイドローブが形成されており音圧分布のパターンも変化している。
図5は、この発明の実施の形態1に係る電磁変換器の指向性を示す指向性ポーラーパターン図である。指向性ポーラーパターン図は、図4の音圧分布を示す図に内接する円上の音圧をプロットした半径2mの半円の円グラフである。図5において、同心円状の目盛は音圧値(dB)を示し、放射状の目盛は指向性を示す角度を示している(以下、指向性ポーラーパターンを示す図において同様)。図5(a)は電磁変換器の周波数(音圧)が2kHz、図5(b)は電磁変換器の周波数(音圧)が4kHzのときの指向性ポーラーパターン図である。
図5(a)において、音軸(0°の方向)から±90°の音圧低下値は−7dBである。さらに、音軸を基準として−6dBとなる角度を見ると±約80°であり、半減全角は約160°である。従来例で示した図12(a)を比較すると、図5(a)の方が音軸から離れるに従って音圧値の低下がはやく鋭い指向性を有していることが分かる。図5(b)では、音軸(0°の方向)を基準として−6dBとなる角度を見ると±約30°であり、半減全角は約60°である。また、音軸から±約60°方向に音圧の谷が形成され、その外側にはサイドローブが形成されている。このように図5(b)は、従来例で示した図12(b)よりも鋭い指向性を有し、その指向性パターンも変化していることが分かる。なお、音軸とは電磁変換器10の中心と音圧が最大となる点を結ぶ軸である。また、受聴範囲の評価に用いた半減全角とは、音軸の音圧値よりも20log0.5dB(約6dB)減となる方向間の角度である(以下、同様)。
以上のように、実施の形態1によれば、放音孔の配列を変化させ、電磁変換器の電流方向の配列間隔について電磁変換器の左右両端部で最も狭いピッチとなり、中央部に向かうに従い徐々に広いピッチとなるように構成したので、電磁変換器の外側寸法を変えることなく指向角及び指向性を制御することが可能となり、所望の音響特性を実現することができる。
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2に係る電磁変換器の正面図である。この電磁変換器は、図2に示した実施の形態1に係る電磁変換器の放音孔の配列を変化させて構成している。以下、実施の形態1に係る電磁変換器の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
放音孔20は、電流方向の配列間隔が電磁変換器10の左右両端部で最も広いピッチとなり、中央線Yに向かうに従い徐々に狭いピッチとなるように構成している。電流方向の配列間隔として、最小間隔Lに対して1.1倍(或いは、1.2倍、1.3倍・・・)ずつ等比に拡げる、最小間隔Lに対して1.1倍、1.2倍、1.3倍・・・と漸増値で拡げる等が考えられる。配列方向の配列間隔は全て均一のピッチとなるように構成されている。また、放音孔20の直径は全て数mm程度であり、同じ強さの音が発せられているものとする。
次に、図6の構成を有する電磁変換器10における音場シミュレーションの結果を説明する。
図7は、この発明の実施の形態2に係る電磁変換器の音圧分布を示す図である。図7(a)は電磁変換器の周波数(音圧)が2kHz、図7(b)は電磁変換器の周波数(音圧)が4kHzのときの音圧分布を示している。図7(a)の正面音軸A付近の音圧は、従来例で示した図11(a)よりも高く、実施の形態1で示した図4(a)よりも低い。また、図7(b)は、従来例で示した図11(b)よりも狭い音圧分布を有しているが、サイドローブは形成されておらず、実施の形態1で示した図4(b)よりも広い音圧分布を形成していることが分かる。
図8は、この発明の実施の形態2に係る電磁変換器の指向性を示す指向性ポーラーパターン図である。図8(a)は電磁変換器の周波数(音圧)が2kHz、図8(b)は電磁変換器の周波数(音圧)が4kHzのときの指向性ポーラーパターン図である。図8(a)において、音軸(0°の方向)から±90°の音圧低下値は−4dBであり、半減全角が存在しない。従来例で示した図12(a)よりも鋭い指向性を有し、実施の形態1で示した図5(a)よりも広い指向性を有していることが分かる。
図8(b)では、音軸(0°の方向)を基準として−6dBとなる角度を見ると±約35°であり、半減全角は約70°である。また、実施の形態1で示した図5(b)のようなサイドローブは形成されていない。これらのことから、従来例で示した図12(b)より鋭い指向性を有し、実施の形態1で示した図5(b)より広い指向角及び指向性を有していることが分かる。
以上のように、実施の形態2によれば、放音孔の配列を変化させ、電磁変換器の電流方向の配列間隔について電磁変換器の左右両端部で最も広いピッチとなり、中央部に向かうに従い徐々に狭いピッチとなるように構成したので、電磁変換器の外側寸法を変えることなく指向角及び指向性を制御することが可能となり、所望の音響特性を実現することができる。
なお、上述した実施の形態1−2では、放音孔の配列について、電磁変換器の電流方向の配列間隔を変化させる例を示したが、配列方向の配列間隔を変化させるように構成してもよい。また、電流方向及び配列方向の配列間隔を同時に変化させるように構成してもよい。
実施の形態3.
上述した実施の形態1及び2では、放音孔の配列間隔を変化させる例を示したが、実施の形態3では放音孔の配列間隔は一定とし、放音孔の孔径を変化させる構成を示す。以下、実施の形態1に係る電磁変換器の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
図9は、この発明の実施の形態3に係る電磁変換器の正面図であり、図9(a)では放音孔20の孔径を電流方向の列毎に変化させ、電磁変換器10の左右両端部が最も大きく、中心に向かうに従い徐々に小さくなるように構成している。図9(b)は、放音孔20の孔径を電流方向の列毎に変化させ、電磁変換器10の左右両端部が最も小さく、中心に向かうに従い徐々に大きくなるように構成している。放音孔20の孔径を変化させる例として、最小孔径Mに対して1.1倍(或いは、1.2倍、1.3倍・・・)ずつ等比に拡げる、最小孔径Mに対して1.1倍、1.2倍、1.3倍・・・と漸増値で拡げる等が考えられる。
放音孔20の孔径が大きくなると放射される音圧も大きくなるため、図9(a)の構成は実施の形態1の電磁変換器の左右両端部の音圧が大きい形態に相当し、図9(b)の構成は実施の形態2の電磁変換器の中心部の音圧が大きい形態に相当する。また、図9(a)及び図9(b)に示した電磁変換器の指向性は、それぞれ実施の形態1または実施の形態2に対応したものとなる。
以上のように、実施の形態3によれば、放音孔の孔径について電磁変換器の電流方向の列毎に変化させるように構成したので、電磁変換器の外側寸法を変えることなく指向角及び指向性を制御することが可能となり所望の音響特性を実現することができる。
なお、上述した実施の形態3では、放音孔の孔径について電磁変換器の電流方向の列毎に変化させる例を示したが、配列方向の列毎に放音孔の孔径を変化させるようにしてもよい。また、上述した実施の形態1−3では、放音孔の配列間隔と放音孔の孔径をそれぞれ別々に変化させる例を示したが、放音孔の配列間隔と放音孔の孔径を同時に変化させるように構成してもよい。
さらに、上述した実施の形態1−3では、放音孔を斜眼配列パターンで配置する構成を示したがこれに限定されるものではない。また、上述した実施の形態1−3では、放音孔を振動膜上のコイルパターンまたは永久磁石板の着磁パターンに従って穿孔されている例を示したが、着磁パターンとは独立して穿孔されていても同様の効果が得られる。
この発明の実施の形態1に係る電磁変換器の構成を示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る電磁変換器の正面図である。 この発明の実施の形態1に係る電磁変換器の放音孔の配列間隔例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る電磁変換器の音圧分布を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る電磁変換器の指向特性を示す指向性ポーラーパターン図である。 この発明の実施の形態2に係る電磁変換器の正面図である。 この発明の実施の形態2に係る電磁変換器の音圧分布を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る電磁変換器の指向特性を示す指向性ポーラーパターン図である。 この発明の実施の形態3に係る電磁変換器の正面図である。 従来の電磁変換器の正面図である。 従来の電磁変換器の音圧分布を示す図である。 従来の電磁変換器の指向特性を示す指向性ポーラーパターン図である。
符号の説明
1,2 永久磁石板、1a,5a,20 放音孔、3 振動膜、3a コイルパターン、3b 樹脂フィルム、4a,4b 緩衝部材、5 上側フレーム、6 下側フレーム 、10 電磁変換器、A 正面音軸、X,Y 中心線。

Claims (9)

  1. 帯状の多極着磁パターンが形成された永久磁石板と、
    前記永久磁石板における多極着磁パターンの形成面と対向配置されるコイルパターンを設けた振動膜と、
    前記永久磁石板と前記振動膜の間に配置された緩衝部材と、
    前記永久磁石板、振動膜及び緩衝部材を覆って支持するフレームと、
    前記永久磁石板と前記フレームに、前記振動膜が発生させた音を外部空間へ放射する放音孔とを備えた電磁変換器において、
    前記放音孔は、電磁変換器の行方向及び列方向に複数配列され、前記行方向及び前記列方向のうち少なくとも何れか一方向の配列間隔が不等間隔であることを特徴とする電磁変換器。
  2. 帯状の多極着磁パターンが形成された永久磁石板と、
    前記永久磁石板における多極着磁パターンの形成面と対向配置される導体コイルパターンを設けた振動膜と、
    前記永久磁石板と前記振動膜の間に配置された緩衝部材と、
    前記永久磁石板、振動膜及び緩衝部材を覆って支持するフレームと、
    前記永久磁石板と前記フレームに、前記振動膜が発生させた音を外部空間へ放射する放音孔とを備えた電磁変換器において、
    前記放音孔は、電磁変換器の行方向及び列方向に複数配列され、前記行方向及び前記列方向のうち少なくとも何れか一方向の配列毎に孔径が異なることを特徴とする電磁変換器。
  3. 放音孔は、行方向及び列方向のうち少なくとも何れか一方向の配列毎に孔径が異なることを特徴とする請求項1記載の電磁変換器。
  4. 放音孔は、行方向及び列方向のうち少なくとも何れか一方向の配列間隔が、電磁変換器の中心部に比して外周部が狭い配列間隔であることを特徴とする請求項1または請求項3記載の電磁変換器。
  5. 放音孔は、行方向及び列方向のうち少なくとも何れか一方向の配列間隔が、電磁変換器の中心部に比して外周部が広い配列間隔であることを特徴とする請求項1または請求項3記載の電磁変換器。
  6. 放音孔の行方向及び列方向の配列間隔は、電磁変換器の行方向及び列方向の中心軸に関して対称であることを特徴とする請求項1及び請求項3から請求項5のうちのいずれか1項記載の電磁変換器。
  7. 放音孔の孔径は、電磁変換器の中心部に比して外周部が大きいことを特徴とする請求項2または請求項3記載の電磁変換器。
  8. 放音孔の孔径は、電磁変換器の中心部に比して外周部が小さいことを特徴とする請求項2または請求項3記載の電磁変換器。
  9. 放音孔の孔径は、電磁変換器の行方向及び列方向の中心軸に関して対称であることを特徴とする請求項2、請求項3、請求項7及び請求項8のうちのいずれか1項記載の電磁変換器。
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