JP2008270463A - 超電導マグネット装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超電導コイルの経験磁場や起磁力を抑制でき、且つ製作性を良好にできること。
【解決手段】超電導コイル14A及び14Bで構成される超電導マグネット装置10において、これらの超電導コイル14A、14Bが対を成し、この対を成す超電導コイルは、超電導コイル14Aの内側に超電導コイル14Bが貫入し、それぞれの赤道面が交差するよう配置されて構成され、これらの超電導コイル14A及び14Bのそれぞれが発生する磁場B1、B2が、水平方向に相互に強め合い、鉛直方向に相互に弱め合うよう設けられたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、比較的大きな空間に均一な磁場を提供する超電導マグネット装置に関する。特に、コンピュータのメモリ等に用いられる半導体ウェハを製造するための単結晶引き上げ装置に適用する超電導マグネット装置に関する。
シリコンやガリウム砒素などの半導体は、小型から大型までのコンピュータのメモリ等に利用されており、記憶装置の大容量化、低コスト化、高品質化が要求されている。
単結晶引き上げ方法としては、坩堝内の融解した半導体材料から単結晶を引き上げるチョクラルスキー(CZ)法が広く知られている。近年では、CZ法から発展して、溶解した半導体材料に磁場を印加させることで半導体材料の対流を抑制し、大口径かつ高品質の半導体ウェハが製造されるようになっている。
半導体材料への磁場印加は、磁場分布のタイプにより一般に2種類に大別される。ひとつは、単結晶の引き上げ方向に対して横方向の磁場を与えるヘルムホルツ型であり、もうひとつは、単結晶引き上げ位置の上下それぞれから、打ち消し合うように逆向きの磁場を与えるカスプ型である。一般に、大きな起磁力が必要となるヘルムホルツ型では超電導マグネット装置が適用される場合が多い。
ヘルムホルツ型の超電導マグネット装置では、特許文献1に記載のように、坩堝を挟むように超電導コイルを対向させて配置する。最も単純な構成は、2個の円形ソレノイドコイルを対向配置する構成であり、超電導コイルの製作および組立が容易である。一方、鞍型のコイルを対向配置させる構成も知られている。
特開2004−51475号公報
ところが、前述の超電導マグネット装置において、ヘルムホルツ型の磁場を印加するために、超電導コイルとして円形ソレノイドコイルを対向配置する場合には、引き上げる単結晶が大口径化すると、超電導コイルが坩堝中心から遠ざかることになり、この坩堝中心に必要な磁場を確保するためには、超電導コイルの起磁力や経験磁場を著しく大きくしなければならないという課題があった。
また、超電導コイルの形状を鞍型等に工夫した場合には、同条件の円形ソレノイドコイルに比較すると、装置の外形寸法を小さくでき、同時に、鞍型の超電導コイル自身の起磁力や経験磁場が円形ソレノイドコイルほどは大きくならないという利点はあるものの、鞍型の超電導コイルが、三次元曲面に導線を巻き付けて製作されるため、その製作が複雑で手間がかかってしまう課題があった。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、超電導コイルの経験磁場や起磁力を抑制でき、且つ製作性が良好な超電導マグネット装置を提供することにある。
本発明は、複数の超電導コイルで構成される超電導マグネット装置において、少なくとも2個の超電導コイルが対を成し、この対を成す超電導コイルは、いずれか一方の内側に他方が貫入し、それぞれの赤道面が交差するよう傾斜配置されて構成されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、対を成す超電導コイルは、いずれか一方の内側に他方が貫入し、それぞれの赤道面が交差するよう傾斜配置されて構成されたことから、この対を成す超電導コイルに囲まれた空間内において、各超電導コイルが発生する磁場の成分を相互に強め合うことが可能となる。従って、この空間において必要な磁場の強さを得るために、各超電導コイルに発生する磁場を増大させる必要がない。この結果、各超電導コイルの起磁力及び経験磁場を抑制することができる。
また、対を成す超電導コイルのそれぞれは、三次元曲面に導線が巻き付けられて形成される鞍型コイルのような特殊なコイルではなく、通常のコイルで足りるので、超電導コイルの製造が容易となり、装置の製作性を良好にすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1の実施の形態(図1〜図9)
図1は、本発明に係る超電導マグネット装置の第1の実施の形態を示す斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。図3は、図1のIII−III線に沿う断面図である。
図1〜図3に示す超電導マグネット装置10は、半導体ウェハを製造するための単結晶引き上げ装置11に水平磁場(横磁場)を印加するヘルムホルツ型の超電導マグネット装置であり、上述の磁場の印加により、単結晶引き上げ装置11の坩堝内における溶融した半導体材料に対流の発生を抑制して、大口径かつ高品質な半導体ウェハを製造可能とするものである。
この超電導マグネット装置10は、リング形状の真空容器12内に、同形状の冷媒容器13が収容され、この冷媒容器13内に少なくとも2個、例えば2個の超電導コイル14Aと14Bとが対を成して配置されて構成される。これらの超電導コイル14A及び14Bは共に円形状であり、例えば超電導コイル14Bが超電導コイル14Aの内側に貫入し、それぞれの赤道面15(図4)が交差するように傾斜配置される。ここでは、超電導コイル14A、14Bのそれぞれをコイル軸方向に2分するコイル中央面を赤道面15と定義する。
冷媒容器13には、液体ヘリウムまたは液体窒素などの冷媒Rが充填され、超電導コイル14A及び14Bはこれらの冷媒に浸漬されて冷却される。超電導コイル14A及び14Bのこのような冷却構造が確保されたことで、真空容器12の内側空間として鉛直方向に貫通して形成されるボア16が常温に保持され、常温ボアとして機能する。前述の単結晶引き上げ装置11は、このボア16内に配置される。
真空容器12には、図示を省略するが、超電導コイル14A、14Bのそれぞれへ電流を導入する電流リードと、冷媒容器13内へ冷媒を注入する注入口及び冷媒を放出する放出口を備えたポートとが設置されている。また、真空容器12と冷媒容器13との間に、これらの真空容器12及び冷媒容器13と同様なリング形状の輻射シールド(不図示)が配設されている。
上記電流リードを介して超電導コイル14A、14Bのそれぞれへ矢印α、β方向の電流が通電され(図1及び図4参照)、これにより超電導コイル14Aに磁場B1が、超電導コイル14Bに磁場B2がそれぞれ発生する。これらの磁場B1、B2は、水平方向の成分B1x、B2xを互いに強め合い、鉛直方向の成分B1z、B2zを互いに弱め合うように設けられ、水平方向の成分B1xとB2xとが合算されて水平磁場Bが発生する。
この水平磁場Bは、交差する一対の超電導コイル14A及び14Bに囲まれた、鉛直方向に貫通する空間17に発生し、この空間17内に真空容器12の前記ボア16が設けられる。従って、ボア16に配置される単結晶引き上げ装置11に上述の水平磁場Bが、単結晶引き上げ方向に対し直交する水平方向(横方向)に印加されることになる。
超電導コイル14Aの内側に貫入される超電導コイル14Bは、超電導コイル14Aよりも小径に形成されるので、超電導コイル14Bが囲む面積は、超電導コイル14Aが囲む面積よりも小さく設けられる。ここで、超電導コイル14A、14Bが発生する磁場B1、B2の強さHは、超電導コイル14A、14Bの起磁力をΦ、超電導コイル14A、14Bが囲む面積をSとすると、
[数1]
H=Φ/S
となる。従って、小径の超電導コイル14Bの起磁力を大径の超電導コイル14Aの起磁力よりも小さくすることで、超電導コイル14Aと14Bとがそれぞれ発生する磁場B1、B2の強さHを略同一に設定することが可能となる。例えば、大径の超電導コイル14Aの起磁力を1MAに、小径の14Bの起磁力を0.95MAにそれぞれ設定する。
超電導コイル14A、14Bの導線の巻き数をN、超電導コイル14A、14Bに流れる電流をIとすると、超電導コイル14A、14Bの起磁力Φが、
[数2]
Φ=I×N
で表せることから、超電導コイル14Aと14Bとにおいて起磁力Φを異ならせる方法としては、例えば超電導コイル14A、14Bの導線の巻き数Nやコイル形状を異ならせ、これらの超電導コイル14A、14Bへ導入される電流Iの値を同一にする方法が好ましい。
上述のように、超電導コイル14Aと14Bとのそれぞれに発生する磁場B1、B2の強さが略同一になったことで、超電導コイル14Aにより発生する磁場B1の鉛直方向の成分B1zと、超電導コイル14Bにより発生する磁場B2の鉛直方向の成分B2zとが打ち消され、超電導コイル14Aと14Bのそれぞれが晒される磁場(以下、経験磁場と称する)が抑制される。
また、超電導コイル14Aと14Bとのそれぞれに発生する磁場B1、B2の強さが略同一となったことで、超電導コイル14Aにより発生する磁場B1の水平方向の成分B1xと、超電導コイル14Bにより発生する磁場B2の水平方向の成分B2xとを合算した水平磁場Bは、均一性及び対称性の高い磁場分布となる。図5は、超電導コイル14Aと14Bとが交差する点における水平面18(図4)内の磁場分布の一例を示す。この図5において、交差する一対の超電導コイル14Aと14Bとが囲む空間17における中心軸Oを中心として、同心円状の等分布磁場が形成されていることがわかる。尚、図5中のx軸、y軸は、上記水平面18において直交する2軸を示す。
上述の交差する一対の超電導コイル14Aと14Bの交差角度θ(図4)は、任意の角度であっても構わないが、これらの超電導コイル14Aと14Bとが水平面18に対してそれぞれ約45度傾斜し、上記交差角度θが直角に設定されることが好ましい。超電導コイル14A及び14Bにより発生する水平磁場Bと、超電導コイル14A及び14Bにより囲まれる空間17とはそれぞれ、図6に示すように、交差角度θに対して三角関数の依存性があり、いずれか一方が大きくなると、他方が小さくなる関係にある。この図6に示すように、水平磁場Bと空間17とを共に大きく設定するためには、交差角度θが直角(90度)であることが最も妥当となる。これにより、十分なスペースの空間17に水平磁場Bを効率良く発生させることが可能となる。
従って、本実施の形態によれば、次の効果(1)〜(7)を奏する。
(1)対を成す超電導コイル14A及び14Bは、大径の超電導コイル14Aの内側に小径の超電導コイル14Bが貫入し、それぞれの赤道面15が交差するよう傾斜配置されて構成されたことから、この対を成す超電導コイル14A及び14Bに囲まれた空間17内において、各超電導コイル14A、14Bが発生する磁場B1、B2の水平方向の成分B1x、B2xを相互に強め合って水平磁場Bを発生することが可能となる。従って、この空間17において必要な磁場の強さを得るために、各超電導コイル14A、14Bにて発生する磁場B1、B2を増大させる必要がない。この結果、各超電導コイル14A、14Bの経験磁場及び起磁力を抑制することができる。
このように、超電導コイル14A、14Bの経験磁場を抑制できるので、これらの超電導コイル14A、14Bに電流が流れた場合の電磁応力を小さくできる。この結果、剛性の高い導線を使用して超電導コイル14A、14Bを製作する必要がないので、自由度の高いコイル設計を実現できる。
更に、超電導コイル14A、14Bの経験磁場が抑制されたので、経験磁場の関数となる超電導コイル14A、14Bの上限温度を高く設定できる。この結果、超電導コイル14A、14Bの運転時の温度と上記上限温度との差である温度マージンを拡大することができる。
また、超電導コイル14A、14Bの起磁力を抑制できることで、これらの超電導コイル14A、14Bにおける導線の巻き数を減少でき、コイル構造を簡素化できる。
(2)対を成す超電導コイル14A、14Bのそれぞれは、3次元曲面に導線が巻き付けられて形成される鞍型コイルのような特殊なコイルではなく、通常のコイルで足りるので、超電導コイル14A、14Bの製造が容易となり、超電導マグネット装置10の製作性を良好にすることができる。
(3)超電導コイル14Aの内側に貫入される超電導コイル14Bが、超電導コイル14Aに比べて小径となるため、この超電導コイル14Bの起磁力を大径の超電導コイル14Aに比べて小さくして、これらの超電導コイル14Aと14Bとでそれぞれ発生する磁場B1、B2の強さを略同一としている。このため、磁場B1、B2のそれぞれの鉛直方向の成分B1z、B2zが互いに打ち消されて、超電導コイル14A、14Bの経験磁場を良好に抑制できる。と同時に、磁場B1、B2のそれぞれの水平方向の成分B1x、B2xが合算された水平磁場Bの均一性及び対称性を向上させることができる。
(4)超電導コイル14Aと14Bとの交差角度θが直角に設定されたので、これらの超電導コイル14Aと14Bにより囲まれた空間17に水平磁場Bを効率良く発生させることができると共に、この空間17のスペースを十分に確保できる。
(5)超電導コイル14Aと14Bが、冷媒容器13内に充填された冷媒に浸漬されて冷却されることから、特別な冷却構造ではなく、単純な冷却構造となるので、冷却構造を簡素化できる。
(6)超電導コイル14A、14Bが冷媒に浸漬されて良好に冷却されるので、真空容器12のボア16を低温空間に設定する必要がなく、常温空間に保持できる。このため、水平磁場Bが存在する磁場空間となるボア16の利用に制限がなく、ボア16の自由な利用を実現できる。
(7)水平磁場Bが発生する真空容器12のボア16に単結晶引き上げ装置11が配置されて、この単結晶引き上げ装置11の坩堝内における溶融状態の半導体材料に磁場を印加できる。このため、単結晶引き上げ装置11による単結晶引き上げ径が大きくなった場合にも、超電導コイル14A及び14Bの経験磁場や起磁力を過大に増大させることがなく、且つ超電導コイル14A及び14Bの製作性の複雑化を回避しつつ、高品質な半導体ウェハを製造することができる。
尚、本実施の形態においては、図7に示すように、超電導コイル14Aは同軸上に配置された複数個(例えば2個)の超電導コイル19、20が隣接して、または離間して配置されて構成されてもよい。同様に、超電導コイル14Bも、同軸上に配置された複数個(例えば2個)の超電導コイル21、22が配置されて構成されてもよい。超電導コイル14A、14Bでは、内側ほど経験磁場が強くなるので、外側の超電導コイル20、22を剛性のより低い導線で構成することが可能となり、コストを低減できる。
また、本実施の形態においては、超電導コイル14A、14Bを、図8に示す楕円形状、図9に示すレーストラック形状、または矩形状に形成してもよい。このような形状の超電導コイル14A、14Bも、3次元曲面に導線を巻いて製作される鞍型コイルに比べて製作が容易で、且つ超電導コイル14A、14Bを交差させるための組立作業も容易であるため、製作性の良好な超電導マグネット装置を実現できる。
[B]第2の実施の形態(図10)
図10は、本発明に係る超電導マグネット装置の第2の実施の形態を示す縦断面図である。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の超電導マグネット装置25が前記第1の実施の形態の超電導マグネット装置10と異なる点は、超電導マグネット装置10の冷媒容器13及び冷媒Rが省略され、超電導コイル14A及び14Bが、真空容器12内の真空雰囲気において、冷凍機26により伝熱部材27を介して間接に冷却された点である。冷凍機26は、真空容器12に1台または複数台設置される。
本実施の形態における超電導マグネット装置25においても、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(7)と同様な効果を奏するほか、次の効果(8)を奏する。
(8)超電導コイル14A及び14Bが冷凍機26により冷却され、真空容器12内に冷媒容器13及び冷媒Rが不要となったので、冷媒容器13のためのスペースを削減して超電導マグネット装置25の小型化を実現できると共に、冷媒容器13及び冷媒Rの省略による超電導マグネット装置25の軽量化を実現できる。
[C]第3の実施の形態(図11、図12)
図11は、本発明に係る超電導マグネット装置の第3の実施の形態を示す縦断面図である。この第3の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の超電導マグネット装置30が前記第1の実施の形態の超電導マグネット装置10と異なる点は、超電導コイル14A及び14Bの外側である真空容器12の外側に、この真空容器16の外側へ漏洩する漏洩磁場32を捕捉する磁性体としての鉄ヨーク31が設置された点である。この鉄ヨーク31は、円筒形状に形成されて、真空容器12の外側に配置される。磁性体としては、鉄製の鉄ヨーク31以外に、コバルトまたはニッケルにて構成された円筒形状のヨークであってもよい。
従って、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(7)と同様な効果を奏するほか、次の効果(9)を奏する。
(9)超電導コイル14A及び14Bの外側である真空容器12の外側に鉄ヨーク31が設置されて、真空容器12の外側へ漏洩する漏洩磁場32が捕捉されることから、超電導マグネット装置30の外側への漏洩磁場32を低減できる。
尚、真空容器12の外側に鉄ヨーク31を設置する代わりに、真空容器12の一部を磁性体にて構成してもよい。
[D]第4の実施の形態(図13、図14)
図13は、本発明に係る超電導マグネット装置の第4の実施の形態を示す縦断面図である。この第3の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の超電導マグネット装置40が前記第1の実施の形態の超電導マグネット装置10と異なる点は、冷媒容器13内において超電導コイル14A及び14Bの外側にキャンセルコイル41が配置された点である。このキャンセルコイル41は、超電導コイル14A及び14Bの外側である真空容器12の外側へ漏洩する漏洩磁場43を相殺する磁場42を発生して、この漏洩磁場43を低減する。
従って、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(7)と同様な効果を奏するほか、次の効果(10)を奏する。
(10)超電導コイル14A及び14Bの外側である真空容器12の外側にキャンセルコイル41が配置され、このキャンセルコイル41が発生する磁場42により、真空容器12の外側へ漏洩する漏洩磁場43が相殺されるので、超電導マグネット装置40の外側への漏洩磁場43を低減できる。特に、鉄ヨーク31を備えた超電導マグネット装置30の場合に比べて、超電導マグネット装置40の軽量化を実現できる。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、第2〜第4の実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様に、超電導コイル14A、14Bのそれぞれが、同軸上に配置された径の異なる複数個の超電導コイル19及び20等、超電導コイル21及び22等にて構成されてもよい。更に、超電導コイル14A及び14Bは円形状に限らず、楕円形状、レーストラック形状または矩形状に形成されてもよい。
本発明に係る超電導マグネット装置の第1の実施の形態を示す斜視図。 図1のII−II線に沿う断面図。 図1のIII−III線に沿う断面図。 (A)が図1における対を成す超電導コイルのIV矢視断面図、(B)が同コイルが発生する磁場の向きを説明する説明図。 図1〜図4の対を成す超電導コイルが交差する位置における水平面内の磁場の分布を示す磁場分布図。 図1〜図4における対を成す超電導コイルの交差角度と、これらの超電導コイルに囲まれる空間、超電導コイルにより発生する水平磁場との関係を示すグラフ。 図1〜図4の対を成す超電導コイルの他の第1態様であり、(A)が斜視図、(B)が図7(A)のVII矢視断面図。 図1〜図4の対を成す超電導コイルの他の第2態様を示す斜視図。 図1〜図4の対を成す超電導コイルの他の第3態様を示す斜視図。 本発明に係る超電導マグネット装置の第2の実施の形態を示す縦断面図。 本発明に係る超電導マグネット装置の第3の実施の形態を示す縦断面図。 図11のXII−XII線に沿う断面図。 本発明に係る超電導マグネット装置の第4の実施の形態を示す縦断面図。 図13のXIV−XIV線に沿う断面図。
符号の説明
10 超電導マグネット装置
11 単結晶引き上げ装置
14A、14B 超電導コイル
15 赤道面
16 ボア
17 空間
19、20、21、22 超電導コイル
25 超電導マグネット装置
26 冷凍機
30 超電導マグネット装置
31 鉄ヨーク(磁性体)
32 漏洩磁場
40 超電導マグネット装置
41 キャンセルコイル
42 磁場
43 漏洩磁場
B 水平磁場
B1、B2 磁場
R 冷媒
θ 交差角度

Claims (12)

  1. 複数の超電導コイルで構成される超電導マグネット装置において、
    少なくとも2個の超電導コイルが対を成し、この対を成す超電導コイルは、いずれか一方の内側に他方が貫入し、それぞれの赤道面が交差するよう傾斜配置されて構成されたことを特徴とする超電導マグネット装置。
  2. 対を成す前記超電導コイルは、それぞれが発生する磁場が、水平方向に相互に強め合い、鉛直方向に相互に弱め合うよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の超電導マグネット装置。
  3. 対を成す前記超電導コイルは、それぞれが囲む面積が異なって形成され、それぞれが発生する磁場の強さを略同一とすべく、それぞれの起磁力が異なって構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の超電導マグネット装置。
  4. 対を成す前記超電導コイルは、交差角度が直角に設定されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の超電導マグネット装置。
  5. 対を成す前記超電導コイルのそれぞれは、同軸上に配置された径の異なる複数の超電導コイルにて構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の超電導マグネット装置。
  6. 対を成す前記超電導コイルのそれぞれは、円形形状、楕円形状、矩形状またはレーストラック形状に形成されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の超電導マグネット装置。
  7. 対を成す前記超電導コイルに囲まれる空間に、常温ボアが設けられたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の超電導マグネット装置。
  8. 対を成す前記超電導コイルのそれぞれが、冷媒中に浸漬されて冷却可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の超電導マグネット装置。
  9. 対を成す前記超電導コイルのそれぞれが真空雰囲気に配置され、冷凍機により冷却可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の超電導マグネット装置。
  10. 対を成す前記超電導コイルの外側に、これらの超電導コイルの外側へ漏洩する漏洩磁場を捕捉する磁性体が配置されたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の超電導マグネット装置。
  11. 対を成す前記超電導コイルの外側に、これらの超電導コイルの外側へ漏洩する漏洩磁場を相殺する磁場を発生するためのキャンセルコイルが配置されたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の超電導マグネット装置。
  12. 対を成す前記超電導コイルに囲まれた空間内に単結晶引き上げ装置が配置され、この単結晶引き上げ装置に、対を成す前記超電導コイルから磁場が印加されるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の超電導マグネット装置。
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