JP2008270034A - 画像表示装置 - Google Patents

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光晴 池田
Toshiaki Kusunoki
敏明 楠
Etsuko Nishimura
悦子 西村
Tatsumi Hirano
辰巳 平野
Masamichi Terakado
正倫 寺門
Takahiro Ueno
高弘 上野
裕康 ▲柳▼瀬
Hiroyasu Yanase
Yukio Takasaki
幸男 高▲崎▼
Takaaki Ogasa
高揚 小笠
Hideyuki Shintani
英之 新谷
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Abstract

【課題】表示装置において配線の抵抗を下げるためにAl配線を用いた場合のヒロックを防止する。
【解決手段】Al配線を多層構造とし、各層にはAlと全率固溶しない元素を添加する。元素としては、Nd等の希土類金属、Ta当の高融点遷移金属、Pd等の貴金属化合物が良い。Alとこれらの元素の金属間化合物55が多層配線の界面151に析出し、Alの結晶粒が肥大化してヒロックが形成されることを防止する。
【選択図】図2

Description

本発明は表示装置に係り、特に低抵抗を維持し、かつ、ヒロックによる層間絶縁破壊の生じないAl合金配線に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)には配線抵抗による信号遅延や消費電力の増大を避けるために、低抵抗の配線が必要である。
配線抵抗が低い材料としてAl配線がよく用いられるが、Al配線は成膜時の基板加熱やパネルガラスの封着工程などの熱処理によりヒロックと呼ばれる突起物70を形成し易い。図7はこの突起物の例である。このヒロック70が例えば液晶ディスプレイにおけるTFTやFEDにおけるMIM陰極の下部電極に形成された場合、Au/Pt/Ir電極101との間に配置された絶縁層102を破壊し、短絡不良を引き起こすため、デバイスの信頼性を大きく損なうこととなる。
そのため、Al配線を画像表示装置に用いるためには、このヒロック70の発生を防止しなければならない。このヒロック70は配線にかかる熱が高く配線厚さが厚いほど成長し易く、ヒロック形成抑止方法としては一般的に図8に示すように高融点金属(Ta等)や希土類金属(Nd等)などの添加元素50を含有させたAl合金を用いることが用いられ、特にTFT配線やFEDのMIM陰極などに幅広く用いられている。
画像表示装置において表示面積を大画面化する際、消費電力の配線抵抗の上昇を回避する方法としてAl合金配線の厚膜化がなされるが、配線厚が厚くなると、図7に示すように、熱処理により成長する結晶粒60が大きくなりヒロック70が成長し易くなる。そのため、表示面積の大型化に伴い添加元素50を含有させる従来技術ではヒロック70の形成が抑止出来なくなってきた。
図9は、MIM電子源の下部電極103にAl合金が用いられた例である。図9において、ヒロック70が例えばガラス基板上121に形成したMIM陰極の電子源100上に成長すると下部電極103とAu/Pt/Ir電極101との間のトンネル絶縁層102を破壊し、短絡不良を引き起こす原因となる。さらにFEDの場合、図10に示すように、電子源100により放出された高エネルギーの電子を蛍光面131に射突させ発光させるため、他の画像表示装置とは異なり真空中に配置された陰極板120と陽極板130の間に、高電圧(〜10kV)を印加する。そのため、Al合金で構成されたコンタクト電極108にヒロック70が形成されると、図10に示す陰極板120と陽極板130でヒロック70を起点とした真空放電が発生し、画像表示装置そのものを破壊することとなる。
本発明の目的は、画像表示装置における表示面積の大面積化と信頼性の向上を実現するため配線上にヒロック70が発生しない画像表示装置を提供することである。
本発明は上記問題点を解決するものであり、具体的な手段は以下のとおりである。
(1)画面第1の方向に延在し、第1の方向と直角の第2の方向に配設された走査線と、画面第2の方向に延在して第1の方向に配設されたデータ信号線を有し、前記走査線と前記データ線との間には絶縁膜が形成されており、前記走査線と前記データ信号線とでかこまれた部分に画素電極が形成される表示装置であって、前記走査線または前記データ信号線はAl合金層を複数含み、前記複数のAl合金層は同一の添加元素を有することを特徴とする表示装置。
(2)前記複数のAl合金層は同一の成分を有することを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(3)前記複数のAl合金層各層の膜厚が300nm以下であることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(4)前記複数のAl合金層は各層の膜厚が実質的に等しいことを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(5)前記複数のAl合金層に添加された添加元素はAlと全率固溶しない元素であることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(6)前記複数のAl合金層はNd、またはその他の希土類元素を含むことを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(7)前記複数のAl合金層はTaなどの高融点遷移金属や、Pdなどの貴金属、その他CuやSiを含むことを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(8)前記複数のAl合金層は配向方向が異なることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(9)前記複数のAl合金層のうちの第1のAl合金層と第2のAl合金層の界面における添加元素の濃度は前記第1または第2のAl合金層内の添加元素の濃度よりも高いことを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(10)前記複数のAl合金層のうちの第1のAl合金層と第2のAl合金層の界面には結晶粒界の不連続面が形成されていることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(11)画面第1の方向に延在し、第1の方向と直角の第2の方向に配設された走査線と、画面第2の方向に延在して第1の方向に配設されたデータ信号線を有し、前記走査線と前記データ線との間には絶縁膜が形成されており、前記走査線と前記データ信号線とで囲まれた部分に画素電極およびTFTが形成され、前記TFTのゲート電極は前記走査線と接続し、前記TFTのソース電極は前記信号線と接続し、前記TFTのドレイン電極は前記画素電極と接続される表示装置であって、前記TFTのゲート電極はAl合金層を複数含み、前記複数のAl合金層は同一の添加元素を有することを特徴とする表示装置。
(12)前記複数のAl合金層は同一の成分を有することを特徴とする(11)に記載の表示装置。
(13)前記複数のAl合金層は膜厚が300nm以下であることを特徴とする(11)に記載の表示装置。
(14)前記複数のAl合金層に添加された添加元素はAlと全率固溶しない元素であることを特徴とする(11)に記載の表示装置。
(15)電子源がマトリクス状に形成された陰極板と蛍光面が形成された陽極板とが所定の間隔をもって配置された表示装置であって、前記電子源は複数のAl合金層からなる下部電極と、トンネル絶縁層と、薄膜金属層からなる電極とで形成され、前記複数のAl合金層は同一の添加元素を有することを特徴とする表示装置。
(16)前記複数のAl合金層は同一の成分を有することを特徴とする(15)に記載の表示装置。
(17)前記複数のAl合金層は膜厚が300nm以下であることを特徴とする(15)に記載の表示装置。
(18)前記複数のAl合金層に添加された添加元素はAlと全率固溶しない元素であることを特徴とする(15)に記載の表示装置。
(19)画面第1の方向に延在し、第1の方向と直角の第2の方向に配設された走査線と、画面第2の方向に延在して第1の方向に配設されたデータ信号線を有し、前記走査線と前記データ線との間には絶縁膜が形成されており、前記走査線と前記データ信号線との交差部付近に電子源が形成された表示装置であって、前記電子源はAl合金層からなる下部電極と、トンネル絶縁層と、薄膜金属層からなる電極とで形成され、前記データ信号線は前記下部電極と接続し、前記走査線はコンタクト電極を介して前記電子源を構成する前記薄膜金属層からなる電極と接続し、前記コンタクト電極は複数のAl合金層で構成され、前記複数のAl合金層は同一の添加元素を有することを特徴とする表示装置。
(20)画面第1の方向に延在し、第1の方向と直角の第2の方向に配設された走査線と、画面第2の方向に延在して第1の方向に配設されたデータ信号線を有し、前記走査線と前記データ線との間には絶縁膜が形成されているおり、前記走査線と前記データ信号線とでかこまれた部分に画素電極が形成される表示装置であって、前記走査線もしくは前記データ信号線はAl合金層を複数含み、前記複数のAl合金層はAl合金ターゲットをスパッタリングすることによって形成され、前記複数のAl合金層は特定の時間をおいてスパッタリングされることを特徴とする表示装置。
(21)前記スパッタリングは容器内に複数のターゲットが設置され、表示装置の基板が前記容器内を移動し、前記ターゲットに対向するごとにスパッタリングされることによって前記複数のAl合金層が形成されることを特徴とする(20)に記載の表示装置。
(22)前記スパッタリングは容器内に単一のターゲットが設置され、表示装置の基板が前記容器内を移動し、前記ターゲットに対向するごとにスパッタリングされることによって前記複数のAl合金層が形成されることを特徴とする(20)に記載の表示装置。
(23)前記スパッタリングは1Pa以下のArガス分圧で行われることを特徴とする(20)に記載の表示装置。
手段毎の効果は次のとおりである。
手段(1)によれば、同一の添加元素を含む複数のAl合金層で配線を形成するので、配線抵抗を低く抑えることが出来るとともに、Al合金配線からのヒロックを防止することが出来る。
手段(2)によれば、複数のAl合金層は同一の成分を有するので、複数のAl合金配線層の製作が容易である。
手段(3)によれば、複数のAl合金層の各々の膜厚が300nm以下なので、ヒロックを効果的に抑制することが出来る。
手段(4)によれば、複数のAl合金層の膜厚が実質的に等しいので、各Al合金層にかかる応力を均一化することができる。加えて製造工程を簡易化することができる。
手段(5)乃至(7)によれば、Al合金を形成するための添加元素はAlと全率固溶しない元素であるため、金属間化合物の析出が生じ易く、Alの結晶粒の成長を抑止することが出来る。
手段(8)によれば、複数のAl合金層の配向方向が異なるために、界面におけるAlの拡散経路が分断されることによって、Al結晶粒の成長が阻害され、ヒロックを防止することが出来る。
手段(9)によれば、複数のAl合金層の界面において添加元素の濃度が高いために、界面を越えてのAl結晶粒の成長が阻止され、その結果ヒロックを防止することが出来る。
手段(10)によれば、複数のAl合金層の界面において結晶粒の粒界に不連続な面が形成されるので、Al結晶粒の成長を抑制し、ヒロックを防止することが出来る。
手段(11)によれば、アクティブマトリクスの画像表示装置におけるTFTのゲート電極を同一の添加元素を含む複数のAl合金層で形成するので、ゲート配線抵抗を低く抑えることが出来るとともに、複数のAl合金層で形成されたゲート電極からのヒロックを抑制して、ゲート絶縁膜の絶縁破壊を防止することが出来る。
手段(12)によれば、ゲート電極を構成する複数のAl合金層は同一の成分を有するのでTFTの製作が容易である。
手段(13)によれば、ゲート電極を構成する複数のAl合金層の各々は膜厚が300nm以下であるので、ゲート電極からのヒロックを効果的に抑制することが出来る。
手段(14)によれば、ゲート電極を構成する複数のAl合金層はAlと全率固溶しない元素を含むため、金属間化合物の析出が生じ易く、Alの結晶粒の成長を抑止することが出来、ゲート電極のヒロックを防止することが出来る。
手段(15)によれば、FEDの電子源としてMIMを用いた場合、下部電極を同一の添加元素を含む複数のAl合金層で構成するので、下部電極と同一プロセスで形成されるデータ信号線の抵抗を小さく抑えることが出来るとともに、MIM電子源における下部電極からのヒロックを防止してMIM電子源の破壊を防止することができる。
手段(16)によれば、MIMの下部電極を構成する複数のAl合金層は同一の成分を有するのでFEDの製作が容易である。
手段(17)によれば、MIMの下部電極を構成する複数のAl合金層は各膜厚が300nm以下であるために、Al合金層からのヒロックを効果的に抑制することが出来る。
手段(18)によれば、MIMの下部電極を構成する複数のAl合金層はAlと全率固溶しない元素を含むため、界面付近に金属間化合物の析出が生じ易く、Alの結晶粒の成長を抑止することが出来、下部電極のヒロックを防止することが出来る。
手段(19)によれば、MIM電子源と走査線との接続を安定的に行うためのコンタクト電極を同一の添加元素を含む複数のAl合金層で構成するので、全膜厚を大きくして接続の信頼性をあげた場合でも、コンタクト電極からのヒロックを防止することが出来、FEDの陰極板と陽極板の間の放電を防止することが出来る。
手段(20)によれば、複数のAl合金配線層はスパッタリングで形成され、同一成分のターゲットから時間をおいてスパッタリングすることによって形成されるので、複数のAl合金配線層を容易に積層することが出来る。
手段(21)によれば、真空容器内に複数のターゲットが設置され、基板はターゲットの前でスパッタリング膜を形成し、ターゲット間を移動するときには膜は形成されないため、Al合金層を界面とを効率的に形成することが出来る。
手段(22)によれば、ターゲットは単一であるが、基板を移動することによって、手段(21)と同様な効果を小規模の設備においても得ることができる。
手段(23)によれば、スパッタリングは1Pa以下のArガス分圧で行われるために、Arガスの巻き込みが少なく、良質のAl合金層を形成することが出来る。
実施例にしたがって、本発明の詳細な内容を開示する。
図1は基板上に2層のAl合金層からなる2層配線が形成されている状態を示している。上層1501と下層1502の境界には界面151が形成されている。上層1501と下層1502は同一の添加元素50を含んでいる。図2に示すように、2層膜の界面151には添加元素とAlの金属間化合物55が偏析している。また、図3に示すように、界面151には結晶粒界の不連続面152が形成されている。さらに、図4に示すように、この2層配線は界面151を挟んで上層1501と下層1502とは配向方向153が異なっている。
2層配線の上層1501と下層1502とは略同じ厚さであり、各々300nm以下である。同一の添加元素50を含む複数のAl合金層で構成するので熱工程を経ても配線におけるヒロック70の形成は抑えることが出来る。
添加元素50はAlと全率固溶しない元素が有効である。全率固溶しない元素を用いる理由としては、添加元素50の固溶度が低いほど析出し易く、スパッタ時のマイグレーションにより界面151に添加元素50を偏析させるのに有効であるためである。具体的な添加元素50としてはNd,Ce等の希土類元素の他、Ta等の高融点遷移金属、Pd等の貴金属、Cu、Si等がよい。その中でもNd等の希土類元素は、例えば高融点遷移金属のTaでは475℃前後で析出するのに対し、Ndでは300℃前後で析出するなど、低温でAlと金属間化合物を形成し析出するため、特に有効である。また、図5に示すように、結晶粒60の粒径は各層で実質的に同じとするとさらに良い。ヒロック70は図7に示すように、Al結晶粒成長が原因と考えられるので、本実施例の構成によってAl結晶粒子の成長を抑えることが出来たことが原因と考えられる。
本実施例の多層膜はスパッタリングによって形成する。すなわち、図6に示すように、Al合金のスパッタターゲット80を複数用意する。スパッタリングは1Pa以下の真空中で行う。スパッタ膜にAr等を巻き込むことを防止するためである。そして、このスパッタターゲット80の前を基板121を通過させる。スパッタターゲット80の前では、基板上にスパッタ膜が形成され、次のスパッタターゲット80までの時間は膜形成がなされない。そして、次のスパッタターゲット80において、再びスパッタ膜が形成される。最初のスパッタ膜と次のスパッタ膜との境界に上記のような界面151が形成される。
本実施例の膜形成は上記のようなスパッタターゲット80が複数設置されているような、比較的大型の連続膜形成装置でなくともよい。例えば、スパッタターゲット80が一つで、最初の膜をスパッタしたあと、基板121をスパッタターゲット80がある場所から移動し、一定時間後再び、基板121をスパッタターゲット80の前に設置して膜を形成しても同様な膜を形成することが出来る。さらには、最初の膜を形成したあと、基板121を移動することなく、そのままの位置におき、一定時間経過後に再びスパッタリングを行っても同様な膜を形成することが出来る。
以上は2層膜を例にとって説明したが、3層以上の多層膜の場合も同様にして形成することが出来る。本実施例によって、電気抵抗が小さく、かつ、ヒロック70の発生のない配線を形成することが出来る。
次に、下部電極103を多層膜化したMIM電子源100を有するFED画像表示装置の実施例を述べる。
図11は本発明の実施例2の説明図であり、MIM型薄膜電子源100を用いた画像表示装置を例とした模式断面図である。ガラス基板121には信号線駆動回路に接続する信号線を構成する多層Al-Nd下部電極103、走査線駆動回路に接続し走査線となる上部電極107、電子を放出する電子源100が形成されている。電子源100は多層Al-Nd下部電極103(信号線)上に配置され、トンネル絶縁層102を介した多層Al-Nd下部電極103(信号線)と、上部電極107(走査線)とコンタクト電極108を経由し接続されたAu/Pt/Ir薄膜電極101に電圧をかけることにより、電子が放出される。
次に、本発明のMIM型薄膜電子源100を用いた画像表示装置の製造方法の実施例について、図12〜18を用い説明する。先ず図12に示したとおり、ガラス等の絶縁性の基板上に下部電極103となるAl合金多層膜150を成膜する。この多層膜の成膜は複数のスパッタターゲット80を備えたインライン方式のスパッタを用い、各ターゲット毎、同じ成膜条件(Arガス圧、成膜パワー)を保ちつつ、基板ホルダーを複数のAl-Ndスパッタターゲット80前を通過させることにより形成した。本発明においては全膜厚を同一としつつ多層膜の層数を1,2,3,5層として試作したが、各膜厚を同じとすることによって、膜にかかる応力の均一化、製造工程の管理の容易化を図ることが出来る。
スパッタターゲット80はAl-2at.%Nd合金とし、Arガス圧はArの巻き込みを抑制し緻密な膜を形成するため、1Pa以下とする。図19にArガス圧とスパッタ成膜レートおよび成膜されたAl-Nd膜の比抵抗を示す。Arガス圧が1Pa以下では成膜レート、比抵抗は殆ど同じであるが、1Pa以上になるとArガスによる散乱のため成膜レートが低下し比抵抗も上昇する。したがって緻密な膜を形成するには1Pa以下のAr分圧で成膜するのが好ましく、ここでは0.4Paとした。パワー密度はNdのスプラッシュを防止するため、3.2W/cm2以下とした。このようにして形成されたAl−Nd膜におけるNdの成分は2%±0.2%であった。
また、添加元素50はAlと全率固溶しない元素が有効である。全率固溶しない元素を用いる理由としては、添加元素50の固溶度が低いほど析出し易く、スパッタ時のマイグレーションにより界面151に添加元素50を偏析させるのに有効であるためである。具体的な添加元素50としてはNd,Ce等の希土類元素の他、Ta等の高融点遷移金属、Pd等の貴金属、Cu、Si等がよい。その中でもNd等の希土類元素は、例えば高融点遷移金属のTaでは475℃前後で析出するのに対し、Ndでは300℃前後で析出するなど、低温でAlと金属間化合物を形成し析出するため、特に有効である。
成膜後はパターンニング工程、エッチング工程によりストライプ形状の下部電極103を形成した。本実施例の画像表示装置の場合、これは信号線となる。Al合金のエッチングには例えば燐酸、酢酸、硝酸の混合水溶液でのウエットエッチングを用いる。この電極を形成するためのレジストのパターンニングには露光器もしくは印刷法を用いる。
次に、この下部電極103上に陽極酸化膜のトンネル絶縁層102により形成された電子源100と厚い陽極酸化膜のフィールド絶縁層104を形成する。まず、図13に示した下部電極103の電子源100となる部分をレジスト膜140でマスクし、それ以外の部分を選択的に厚く陽極酸化してフィールド絶縁層104とする。この陽極酸化の化成電圧は200V前後とし、それにより厚さ約270 nmのフィールド絶縁層104が形成される。その後、レジスト膜140を除去し、その残りの部分に約6V前後の化成電圧で陽極酸化を施すことにより、厚さ10nm前後のトンネル絶縁層102を成長させる。この状況を図14に示す。
次に、図15に示すように、陽極酸化膜上に層間絶縁層105(SiN)とAu/Pt/Ir薄膜電極101を分離するSi層106をスパッタリングにより成膜する。それぞれスパッタ法を用いて形成するが、この層間絶縁層105の成膜は、成膜ガスにArとN2を用いた反応性スパッタで成膜した。層間絶縁層105、Si分離層106の厚さは共に200nmである。次に図16に示すように電子源100の給電線、本実施例においては走査線となるAl/Al-Nd層をスパッタ法を用い各4.0um、600nmの厚さで成膜する。
その後図17に示すようにホト・エッチング工程により下部電極103とは直行した上部電極107を形成した。エッチングには、下部電極103と同様に例えば燐酸、酢酸、硝酸の混合水溶液を用いた。続いて先ほどのSi層106と層間絶縁層105(SiN)をドライエッチを用い選択的にエッチングし、パターンニングする。エッチングガスには例えばCF4やSF6を主成分とする混合ガスを用いる。
続いて、Al-Nd層を600nmの厚さで成膜しAl/Al-Nd上部電極107と同様のホト・エッチング工程を経て、上部電極107とAu/Pt/Ir電極101を接続するためのコンタクト電極108を作成する。最後に、図18に示すように、層間絶縁膜105、Si層106をドライエッチによりエッチングし電子放出部を開口させ、Au/Pt/Ir薄膜電極101を合計約3nm前後で成膜し、電子源100が完成となる。
以上の工程により、下部電極103上のヒロック70の形成が抑止され、耐熱性が向上したMIM陰極ができる。本実施例において、下部電極103の全膜厚は600nmとして層数を1層の場合、2層の場合、3層の場合、5層の場合について試作した。この場合膜厚は1層であれば600nm、2層であれば300nm、3層であれば、200nm、5層であれば120nmとなる。これらの膜に対して熱処理を施したMIM陰極の電子源100の下部電極103におけるヒロック数密度の1層あたりの膜厚依存性を図20示す。熱処理は450℃の温度で30分加熱した。
1層あたりの膜厚が600nmでは、ヒロック数密度が高かったのに対し、膜厚300 nm以下ではヒロック70の数密度が低下し、実用上問題のない値となっている。また、図21に示すように、抵抗率は1層あたりの膜厚が減少しても下部電極103の抵抗率は殆ど変化しないことを確認した。この結果、下部電極103の多層膜化により低抵抗率を維持しながら、ヒロック70の形成が抑止された画像表示装置を提供できることが実証された。
本発明の実施例よりヒロック70の形成が抑制できた理由を説明する。Alヒロック70とは融点の低い金属を熱処理することにより形成される析出物であり、その構造は図7で示したとおり純Al結晶粒60の集まりである。このことから、ヒロック70の形成を防止するためには、Al結晶粒60が膜内部に分散し巨大化しないようにする構造をとればよい。
そこで本発明の有効性を示すため、まず、二次イオン質量分析(SIMS)による添加元素Ndの深さ方向対する分布の測定結果を図22に示した。単層膜では膜内部ではほぼ一様にNdが分布していたのに対し、2層膜では界面付近でNd密度が高くなっている。これは、母体金属Alに対し全率固溶しないNdが自己拡散し、ポテンシャルの低い界面付近で捕捉され偏析したためである。その結果、ヒロック形成要因である純Al結晶粒60の成長を阻害し、熱処理後のヒロック形成は防止できる。
次に、X線回折による多層膜の配向性について図23に示す。図23において、実線は単層膜600nmであり、点線は200nmの層を3層形成した多層膜である。単層膜では、X線入射角約17°付近で回折されたのに対し、3層膜では約17°と約19°の2方向に回折されている。これはガラス基板上に直接成膜した単層膜と、1度成膜を止め、さらにAl-Nd膜上に成膜した3層膜では結晶の成長方位(配向性)が異なるためである。その結果、界面151でAlの拡散経路が分断され、熱処理後のヒロック形成は防止できる。
次に、電子顕微鏡による多層膜の界面形状の模式図を図24に示す。その断面はAl-Nd金属間化合物の偏析物が表面とガラス面付近の他、成膜境界面を中心に分布しており、その界面151は不連続な結晶粒で構成されている。この結果から、ヒロック形成要因である純Al結晶粒の成長が阻害されていることが確認できる。また、多層膜における膜厚を揃えることにより、結晶粒のサイズは異なるものの、平均的にはほぼ同じとなり、ヒロック形成の要因となる応力が膜内部で均一化される構造となっている。結晶粒のサイズは次のようにして評価することができる。すなわち、膜表面の法線方向に平行な集束イオンビーム(FIB)をAl−Nd多層膜に照射し、露出させた断面を透過電子顕微鏡(TEM)により観察し、その粒径を評価した。
液晶表示装置、有機EL表示装置等の画像表示装置は画面の横方向に延在して縦方向に配設された多数の走査線と画面縦方向に延在して横方向に配設された多数のデータ信号線を有し、走査線と信号線で囲まれた部分に画素が形成される。画素は画素電極と画素電極への画像信号の供給を制御する薄膜トランジスタ(以後TFTという)を含む。
本実施例はTFTに本発明を適用した場合の例である。本発明の下部電極103を多層膜化したTFT素子を用いた画像表示装置の実施例について、製造方法を図25〜30を用い説明する。先ず図25に示したとおり、ガラス等の絶縁性の基板121上に下部電極103となるAl合金多層膜150を成膜する。この多層膜の成膜は複数のターゲットを備えたインライン方式のスパッタを用い、同じ成膜条件(Arガス圧、成膜パワー)を保ちつつ、基板ホルダーを複数のAl-Ndターゲット前を通過させることにより形成する。
本発明においては多層膜の層数を1,2,3,5層として試作したが、膜にかかる応力の緩和と製造工程の簡易化から、各層の膜厚はほぼ同じ膜厚とした。スパッタターゲット80はAl-2at.%Nd合金とし、Arガス圧はArの巻き込みを抑制し緻密な膜を形成するために、1Pa以下とする。ここでは0.4Paとした。パワー密度はNdのスプラッシュを防止するため、3.2W/cm2以下とした。このようにして形成されたAl−Nd膜におけるNdの平均濃度は2%±0.2%であった。
成膜後は図26に示すように、パターンニング工程、エッチング工程によりストライプ形状の下部電極103を形成した。本実施例の画像表示装置の場合、これはゲート電極201となる。Al合金のエッチングは例えば燐酸、酢酸、硝酸の混合水溶液でのウエットエッチングを用いる。この電極を形成するためのレジストのパターンニングにはフォトリソグラフィもしくは印刷法が用いられる。
次に、図27に示すように、この下部電極(ゲート電極201)上にゲート絶縁層202となる窒化シリコン膜204をプラズマCVDにより成膜する。厚さは300nm程度とした。次に、a−Si:H層203とチャンネル保護層となるSiN膜を成膜し、パターニング工程、ドライエッチ工程を経てチャンネル205を形成した。この状況を図28に示す。ドライエッチのエッチングガスには例えばCF4やSF6を主成分とする混合ガスを用いる。
さらに、燐をドーピングしたN+型の水素化アモルファスSi(N+ a-Si:H)206を成膜し、図29に示すように、パターンニングすることによりN+型の水素化アモルファスSi(N+ a-Si:H)層206と水素化アモルファスSi(a-Si:H)層203を形成する。最後に、図30に示すように、ゲート電極201と同様インライン方式のスパッタを用いた膜厚約300nmのAl-Nd合金膜を成膜し、そのAl-Nd合金膜をフォトリソグラフィのパターニングにより分離させ、ソース電極207とドレイン電極208を形成した。
以上の工程により、下部電極(ゲート電極201)上のヒロック70の形成が抑止され、耐熱性が向上したTFT素子ができる。本実施例において、下部電極(ゲート電極201)の全膜厚は600nmとして層数を1層の場合、2層の場合、3層の場合、5層の場合について試作した。この場合膜厚は1層であれば600nm、2層であれば300nm、3層であれば、200nm、5層であれば120nmとなる。
熱処理を施したTFT素子のゲート電極201におけるヒロック数密度の1層あたりの膜厚依存性を図31示す。熱処理は実施例1と同様、450℃の温度で30分加熱した。1層あたりの膜厚が600nmではヒロック数密度が高かったのに対し、膜厚300 nm以下ではヒロック70の数密度が低下し、実用上問題のない値となっている。また、抵抗率も図19で確認したとおり1層あたりの膜厚が減少しても下部電極103の抵抗率は殆ど変化しない。以上のことからTFT素子の下部電極103を多層膜化することにより低抵抗率を維持しながらヒロック70の形成が抑止された画像表示装置を提供できることが実証された。
本実施例は、コンタクト電極108を多層膜化したMIM型陰極を有す画像表示装置における実施例である。図32は本発明の実施例4の説明図であり、MIM型薄膜電子源100を用いた画像表示装置を例とした模式断面図である。ガラス基板121には信号線駆動回路に接続する信号線を構成する下部電極103、走査線駆動回路に接続し走査線となる上部電極107、電子を放出する電子源100が形成されている。電子源100は下部電極103(信号線)上に配置され、トンネル絶縁層102を介した下部電極103(信号線)と、上部電極107(走査線)と多層コンタクト電極108を経由し接続されたAu/Pt/Ir薄膜電極101に電圧をかけることにより、電子が放出される。
次に、本発明のMIM型薄膜電子源100を用いた画像表示装置の製造方法の実施例について、図33〜39を用い説明する。先ず図33に示したとおり、ガラス等の絶縁性の基板121上に下部電極103となるAl合金膜を成膜する。この膜の成膜はインライン方式のスパッタを用いた。本実施例における下部電極103の層数は、実施例1と異なり1層とし、ターゲットはAl-2at.%Nd合金とした。
Arガス圧は実施例1と同様にArの巻き込みを抑制し緻密な膜を形成するために、1Pa以下とする。ここでは0.4Paとした。パワー密度はNdのスプラッシュを防止するため、3.2W/cm2以下とした。このようにして形成されたAl−Nd膜におけるNdの平均濃度は2%±0.2%であった。
添加元素50も実施例1と同様にAlと全率固溶しない元素が有効である。全率固溶しない元素を用いる理由としては、添加元素50の固溶度が低いほど析出し易く、スパッタ時のマイグレーションにより界面151に添加元素50を偏析させるのに有効であるためである。具体的な添加元素50としてはNd,Ce等の希土類元素の他、Ta等の高融点遷移金属、Pd等の貴金属、Cu,Si等がよい。その中でもNd等の希土類元素は、例えば高融点遷移金属のTaでは475℃前後で析出するのに対し、Ndでは300℃前後で析出するなど、低温でAlと金属間化合物を形成し析出するため、特に有効である。
成膜後はパターンニング工程、エッチング工程によりストライプ形状の下部電極103を形成した。本実施例の画像表示装置の場合、これは信号線となる。Al合金のエッチングは例えば燐酸、酢酸、硝酸の混合水溶液でのウエットエッチングを用いる。この電極を形成するためのレジストのパターンニングには露光器もしくは印刷法により形成できる。
次に、この下部電極103上に陽極酸化膜のトンネル絶縁層102により形成された電子源100と厚い陽極酸化膜のフィールド絶縁層104を形成する。まず、図34に示すように、下部電極103の電子源100となる部分をレジスト140でマスクし、それ以外の部分を選択的に厚く陽極酸化してフィールド絶縁層104とする。この陽極酸化の化成電圧は200V前後とし、それにより厚さ約270 nmのフィールド絶縁層104が形成される。その後、レジスト膜140を除去し、その残りの部分に約6V前後の化成電圧で陽極酸化を施すことにより、厚さ10nm前後のトンネル絶縁層102を成長させる。この状況を図35に示す。
次に、図36に示すように、その上に層間絶縁層105(SiN)とAu/Pt/Ir薄膜電極を分離するためのSi層106をスパッタにより成膜する。それぞれスパッタ法を用い、この層間絶縁層105の成膜は、成膜ガスにArとN2を用いた反応性スパッタで成膜した。層間絶縁層105、Si分離層106の厚さは共に200nmである。続いて、ドライエッチを用い、先ほどのSi層106と層間絶縁層(SiN)105を選択的にエッチングし、パターンニングする。エッチングガスには例えばCF4やSF6を主成分とする混合ガスを用いる。
次に、図37に示すように、電子源100の給電線、本実施例においては走査線となるAl/Al-Nd層をスパッタを用い各4.0um 、600nmの厚さで成膜し、ホト・エッチング工程により下部電極103とは直行した上部電極107を形成した。エッチングには、下部電極103と同様に例えば燐酸、酢酸、硝酸の混合水溶液を用いた。続いて先ほどのSi層106と層間絶縁層(SiN)105をドライエッチを用い選択的にエッチングし、パターンニングする。エッチングガスには例えばCF4やSF6を主成分とする混合ガスを用いる。
続いて、Al-Nd層を600nmの厚さで成膜し、Al/Al-Nd上部電極107と同様のホト・エッチング工程を経て、上部電極107とAu/Pt/Ir電極101を接続するためのコンタクト電極108を作成する。この状況を図38に示す。ただし、本実施例では実施例1とは異なり、コンタクト電極上のヒロック形成を抑止するため、コンタクト電極108となるAl-Nd膜を多層膜とした。その層数は実施例1と同様に1,2,3,5層、各膜厚はほぼ同じとなるようにした。その他、成膜条件も実施例1の下部電極103と同様に、複数のスパッタターゲット80を備えたインライン方式のスパッタを用い、各ターゲット毎に同じ成膜条件(ガス圧、成膜パワー)を保ちつつ、基板ホルダーを複数のAl-Ndターゲット前を通過させることにより形成する。
ターゲットはAl-2at.%Nd合金、ガス圧は0.4Pa以下、パワー密度は3.2W/cm2とした。続いて、層間絶縁膜105、Si層106をドライエッチにより加工し、電子放出部を開口する。最後に図39に示すように、Au/Pt/Ir薄膜電極101を合計約3nm前後で成膜し、電子源100が完成となる。このようにして形成されたコンタクト電極108におけるNdの平均濃度は2%±0.2%であった。
以上の工程により、上部電極上のヒロック70の形成が抑止され、耐熱性が向上したMIM陰極が製造できる。MIM-FEDにおけるコンタクト電極108と陽極板130の放電回数の膜厚依存性を図40に示す。図40はコンタクト電極108のトータルの膜厚は600nmとして層数を1層の場合、2層の場合、3層の場合、5層の場合について試作した。この場合、各膜厚は1層であれば600nm、2層であれば300nm、3層であれば、200nm、5層であれば120nmとなる。1層あたりの膜厚が600nmでは10時間で12回放電していたのに対し、膜厚が300nm以下では放電回数が減少し、本発明の有効性が実証できた。
以上、本発明を実施するための最良の形態について、実施例1〜4の図11〜40を基に詳細に説明した。なお、以上では実施例にMIM型電子源を備えたFEDとTFT素子を用いたが、本発明はAl合金を用いる他の配線や画像表示装置にも適用可能であり、これに限定したものではない。
本発明に係る多層Al合金配線の模式断面図である。 本発明に係る多層Al合金配線における界面例の模式断面図である。 本発明に係る多層Al合金配線における界面例の模式断面図である。 本発明に係る多層Al合金配線における界面例の模式断面図である。 本発明に係る多層Al合金配線における界面例の模式断面図である。 本発明に係る多層Al合金配線の製造手法の例を説明する図である。 Alヒロックの断面形状の模式図である。 ヒロック形成抑止の従来技術を説明する模式断面図である。 下部電極にヒロックが形成された場合に発生する問題点の説明図である。 コンタクト電極にヒロックが形成された場合に発生する問題点の説明図である。 実施例2の断面図である。 実施例2によるMIM電子源の製造工程である。 実施例2によるMIM電子源の製造工程である。 実施例2によるMIM電子源の製造工程である。 実施例2によるMIM電子源の製造工程である。 実施例2によるMIM電子源の製造工程である。 実施例2によるMIM電子源の製造工程である。 実施例2によるMIM電子源の最終製造工程である。 スパッタ法により作成したAl-Nd膜の抵抗率に対する成膜ガス圧依存性を説明する図である。 本発明における熱処理によりAl-Nd膜上に形成されたヒロック数密度の1層あたりの膜厚依存性を示す図である。 本発明の熱処理前後におけるAl-Nd膜の抵抗率に対する1層あたりの膜厚依存性を示す図である。 本発明における添加元素Ndの深さ方向の分布を示す図である。 本発明における熱処理後のAl-Nd膜の配向性に対する1層あたりの膜厚依存性を示す図である。 本発明におけるAl-Nd2層膜の電子顕微鏡による界面形状の模式図である。 本発明によるTFTの製造工程である。 本発明によるTFTの製造工程である。 本発明によるTFTの製造工程である。 本発明によるTFTの製造工程である。 本発明によるTFTの製造工程である。 本発明によるTFTの最終製造工程である。 本発明において、熱処理によりTFTゲート配線上に形成されたヒロック密度の層数依存性を示す図である。 実施例4の断面図である。 実施例4によるFEDの製造工程である。 実施例4によるFEDの製造工程である。 実施例4によるFEDの製造工程である。 実施例4によるFEDの製造工程である。 実施例4によるFEDの製造工程である。 実施例4によるFEDの製造工程である。 実施例4によるFEDの最終製造工程である。 本発明実施例4における画像表示装置の放電回数に対する1層あたりの膜厚依存性を示す図である。
符号の説明
50・・・添加元素、55・・・ALの金属間化合物、60・・・結晶粒、61・・・結晶粒界、70・・・ヒロック、80・・・スパッタターゲット、100・・・電子源、101・・・Au/Pt/Ir電極、102・・・トンネル絶縁膜、103・・・下部電極、104・・・フィールド絶縁膜、105・・・層間絶縁膜、106・・・Si層、107・・・上部電極、108・・・コンタクト電極、120・・・陰極板、121・・・ガラス基板、130・・・陽極板、131・・・蛍光面、140・・・レジスト、150・・・Al合金多層膜、151・・・界面、152・・・結晶粒界の不連続面153・・・配向方向、201・・・ゲート電極、202・・・ゲート絶縁膜、203・・・a−Si:H、204・・・窒化シリコン膜、205・・・チャンネル保護膜、206・・・N+a−Si:H、207・・・ソース電極、208・・・ドレイン電極、1501・・・上層、1502・・・下層

Claims (23)

  1. 画面第1の方向に延在し、第1の方向と直角の第2の方向に配設された走査線と、画面第2の方向に延在して第1の方向に配設されたデータ信号線を有し、前記走査線と前記データ線との間には絶縁膜が形成されており、前記走査線と前記データ信号線とでかこまれた部分に画素電極が形成される表示装置であって、
    前記走査線または前記データ信号線はAl合金層を複数含み、前記複数のAl合金層は同一の添加元素を有することを特徴とする表示装置。
  2. 前記複数のAl合金層は同一の成分を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記複数のAl合金層は各層の膜厚が300nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記複数のAl合金層は各層の膜厚が実質的に等しいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  5. 前記複数のAl合金層に添加された添加元素はAlと全率固溶しない元素であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  6. 前記複数のAl合金層はNd、またはその他の希土類元素を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  7. 前記複数のAl合金層はTaなどの高融点遷移金属や、Pdなどの貴金属、その他CuやSiを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  8. 前記複数のAl合金層は配向方向が異なることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  9. 前記複数のAl合金層のうちの第1のAl合金層と第2のAl合金層の界面における添加元素の濃度は前記第1または第2のAl合金層内の添加元素の濃度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  10. 前記複数のAl合金層のうちの第1のAl合金層と第2のAl合金層の界面には結晶粒界の不連続面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  11. 画面第1の方向に延在し、第1の方向と直角の第2の方向に配設された走査線と、画面第2の方向に延在して第1の方向に配設されたデータ信号線を有し、前記走査線と前記データ線との間には絶縁膜が形成されており、前記走査線と前記データ信号線とで囲まれた部分に画素電極およびTFTが形成され、前記TFTのゲート電極は前記走査線と接続し、前記TFTのソース電極は前記信号線と接続し、前記TFTのドレイン電極は前記画素電極と接続される表示装置であって、
    前記TFTのゲート電極はAl合金層を複数含み、前記複数のAl合金層は同一の添加元素を有することを特徴とする表示装置。
  12. 前記複数のAl合金層は同一の成分を有することを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
  13. 前記複数のAl合金層は膜厚が300nm以下であることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
  14. 前記複数のAl合金層に添加された添加元素はAlと全率固溶しない元素であることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
  15. 電子源がマトリクス状に形成された陰極板と蛍光面が形成された陽極板とが所定の間隔をもって配置された表示装置であって、
    前記電子源は複数のAl合金層からなる下部電極と、トンネル絶縁層と、薄膜金属層からなる電極とで形成され、前記複数のAl合金層は同一の添加元素を有することを特徴とする表示装置。
  16. 前記複数のAl合金層は同一の成分を有することを特徴とする請求項15に記載の表示装置。
  17. 前記複数のAl合金層は膜厚が300nm以下であることを特徴とする請求項15に記載の表示装置。
  18. 前記複数のAl合金層に添加された添加元素はAlと全率固溶しない元素であることを特徴とする請求項15に記載の表示装置。
  19. 画面第1の方向に延在し、第1の方向と直角の第2の方向に配設された走査線と、画面第2の方向に延在して第1の方向に配設されたデータ信号線を有し、前記走査線と前記データ線との間には絶縁膜が形成されており、前記走査線と前記データ信号線との交差部付近に電子源が形成された表示装置であって、 前記電子源はAl合金層からなる下部電極と、トンネル絶縁層と、薄膜金属層からなる電極とで形成され、
    前記データ信号線は前記下部電極と接続し、前記走査線はコンタクト電極を介して前記電子源を構成する前記薄膜金属層からなる電極と接続し、前記コンタクト電極は複数のAl合金層で構成され、前記複数のAl合金層は同一の添加元素を有することを特徴とする表示装置。
  20. 画面第1の方向に延在し、第1の方向と直角の第2の方向に配設された走査線と、画面第2の方向に延在して第1の方向に配設されたデータ信号線を有し、前記走査線と前記データ線との間には絶縁膜が形成されているおり、前記走査線と前記データ信号線とでかこまれた部分に画素電極が形成される表示装置であって、
    前記走査線もしくは前記データ信号線はAl合金層を複数含み、前記複数のAl合金層はAl合金ターゲットをスパッタリングすることによって形成され、前記複数のAl合金層は特定の時間をおいてスパッタリングされることを特徴とする表示装置。
  21. 前記スパッタリングは容器内に複数のターゲットが設置され、表示装置の基板が前記容器内を移動し、前記ターゲットに対向するごとにスパッタリングされることによって前記複数のAl合金層が形成されることを特徴とする請求項20に記載の表示装置。
  22. 前記スパッタリングは容器内に単一のターゲットが設置され、表示装置の基板が前記容器内を移動し、前記ターゲットに対向するごとにスパッタリングされることによって前記複数のAl合金層が形成されることを特徴とする請求項20に記載の表示装置。
  23. 前記スパッタリングは1Pa以下のArガス分圧で行われることを特徴とする請求項20に記載の表示装置。
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