JP2008269822A - 透明導電性積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】通常の真空成膜法によりプラスチック基材上にITO膜の成膜を行うと、非晶質の中に結晶質が混在した膜になってしまう問題が発生する。また、成膜時に水や水素等の還元性ガスを導入し非晶質膜を得る方法は、各々のガスを使用するための装置が別途必要となる。
【解決手段】本発明は、基材の少なくとも一方の面に有機層とITO薄膜層とを順次積層した透明導電性積層体であって、有機層の含水率が0.5%以上であり、ITO薄膜層が、CuKα線を用いたX線回折測定において30°〜31°の範囲に酸化インジウムの結晶のピークをもたない、非晶質な膜であることを特徴とし、更に、有機層が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのいずれかを主成分とすることを特徴とする透明導電性積層体である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、基材の少なくとも一方の面に有機層とITO薄膜層とを順次積層した透明導電性積層体であって、有機層の含水率が0.5%以上であり、ITO薄膜層が、CuKα線を用いたX線回折測定において30°〜31°の範囲に酸化インジウムの結晶のピークをもたない、非晶質な膜であることを特徴とし、更に、有機層が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのいずれかを主成分とすることを特徴とする透明導電性積層体である。
【選択図】図1
Description
本発明は、主として、ディスプレイに利用される、透明導電性積層体に関する。
透明導電膜は、導電性と光学的な透明性とを合わせ持つという特性を有しているため、産業的には、透明電極、電磁波遮蔽膜、面状発熱膜、反射防止膜等として使用されている。また、学問的にも多くの研究がなされている。
これまでに透明導電膜の形成材料としては、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛等の酸化物、またそれらの混合酸化物が利用されている。この中で現在最も一般的に利用されているのが、酸化インジウムと酸化錫との混合酸化物であり、ITOと呼ばれている。通常、このITOからなる透明導電膜は、ガラスやプラスチック基材上に成膜される。
ITO膜は透明性、導電性に優れており、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ用電極として利用されている。ITO膜をディスプレイ用電極として使用するには、膜をエッチングしてパターン化し、そのパターニング形状が均一であることが重要である。
ITO膜のエッチングには酸が用いられる。その際、ITO膜が結晶質と非晶質の混在した膜であると、酸に溶解する速度の違いから均一なパターンを得ることが困難になる。
そのため、均一なパターンを得るためには完全な結晶質膜か非晶質膜であることが望ましい。しかし、結晶質膜を得るためには高温での成膜が必要となり、耐熱性の問題からプラスチック基材上で行うことは困難である。そのためプラスチック基材では、結晶質の混在しない非晶質膜を成膜することが重要である。
非晶質なITO膜を成膜する方法としては、特許文献1に挙げられるような、スパッタリング法における導入ガスに、水や水素といった還元性のガスを用いる方法が知られている。
以下に上記背景技術文献を示す。
特開平9―050712号公報
通常の真空成膜法によりプラスチック基材上にITO膜の成膜を行うと、成膜時の部分的な過熱により、基材が変形することや、非晶質の中に結晶質が混在した膜になってしまう問題が発生する。
また、成膜時に水や水素等の還元性ガスを導入し非晶質膜を得る方法は、各々のガスを使用するための装置が別途必要となる。
本発明は、上記の問題点を解決するものであって、その目的とするところは、特別な装置を使用することなく、プラスチック基材に非晶質ITO膜を持つ透明導電性積層体を供給することにある。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、基材の少なくとも一方の面に有機層とITO薄膜層とを順次積層した透明導電性積層体であって、有機層の含水率が0.5%以上であり、ITO薄膜層が、CuKα線を用いたX線回折測定において30°〜31°の範囲に酸化インジウムの結晶のピークをもたない、非晶質な膜であることを特徴とする透明導電性積層体である。
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1の発明を前提とし、有機層が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのいずれかを主成分とすることを特徴とする透明導電性積層体である。
本発明によれば、真空成膜法でITO膜を形成する際に、予め基材に成膜した有機層からの水の放出により、水を導入する特別な装置を使用することなく、非晶質なITO膜を持つ透明導電性積層体を得られる。また、プラスチック基板上に成膜することにより、可撓性を有する透明導電性積層体を得られる。
本発明の透明導電性積層体の実施の形態について、図面(図1)、(図2)に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の透明導電性積層体4の層構成を表す断面図である。この透明導電性積層体4は、基材1上に有機層2およびITO薄膜層3を順次積層したものからなっている。
基材1としてはガラスやプラスチックフィルムが使用出来る。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリアミド;ポリイミド;ポリアリレート;ポリカーボネート;ポリアクリレート;ポリエーテルスルフォン、これらの共重合体の無延伸あるいは延伸フィルムを用いることが出来る。また、透明性の高い他のプラスチックフィルムを用いることも出来る。その厚さは基材の可撓性を考慮し、10〜200μm程度のものが用いられる。
なお、これらの基材は、複数のフィルムの積層体であってもよく、紫外線硬化タイプまたは熱硬化タイプのハードコート処理が施されたものでも良く、適当なセラミック薄膜を一定の膜厚で形成されたものでも良い。
これらの基材は、易接着処理、プラズマ処理、コロナ処理などの表面処理が施されていてもよい。
これらの基材は、帯電防止加工などの機能性付与がなされていてもよい。
有機層2を構成する材料は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのいずれかを50%以上含有していれば良い。
有機層2の厚さは、0.01μm以下では塗膜の均一性が得られず、50μm以上では膜にクラックが生じ易くなるため、0.1〜50μmの範囲にあることが好ましい。
有機層2の含水率は、ITO成膜の工程に耐えうる強度を保つ限り、0.5%以上のいくらの値であっても構わない。
有機層2の積層方法としては、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法などの従来公知の方法を用いることが可能である。
有機層2の含水率の測定方法としては、カールフィッシャー法、熱天秤による測定、分圧計による測定などの方法を用いることが可能である。
ITO薄膜層3を形成する材料としては、酸化インジウムと酸化錫の混合比に特別な指定はなく、用途に応じて適宜選択される。その厚さは、200nm以上では膜が硬くなりクラックが生じ易くなるため、膜の均一性が得られる20〜200nm程度であることが好ましい。
ITO薄膜層3には、必要に応じて、導電性及び耐熱特性の制御のためZn、Al、W等の添加元素を含有させることが出来る。
ITO薄膜層3の成膜法である真空成膜法に特別な指定は無いが、DCスパッタ、RFスパッタ等のスパッタ法による成膜が好ましい。
本発明においては、ITO薄膜層3のX線回折測定にCuKα線を用いたとき、酸化インジウムの結晶を示すピークが30°〜31°に存在せず、非晶質な膜であることを特徴としている。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
図1の層構成の有機層2を、100μm厚のPETフィルムを基材1として、ポリビニルアルコールの水、メタノール混合溶液を用い、マイクログラビア法にて0.3μmの厚さに塗布した。
塗布後、120℃のオーブンにて乾燥を行い、有機層2を形成した。有機層2の含水率は、常温・常湿放置後カールフィッシャー法を用いて測定した。
有機層2上に、直流マグネトロンスパッタリング法にて酸化インジウム:酸化錫=9:1のITOターゲットを用いて、膜厚30nmのITO薄膜層3を形成した。
成膜時に水や水素といった還元性ガスの導入は行わず、酸素:アルゴン=40:1のガスを導入して0.44Paとして成膜した。
得られた透明導電性積層体4のX線回折測定に、CuKα線を用いて行ったところ、30°〜31°に酸化インジウムの結晶化ピークは確認されず、非晶質な膜になっていることが確認された。
以下に、本発明の比較例につて説明する。
<比較例>
図2に示すように、100μm厚のPETフィルムを基材1とし、その上に、酸化インジウム:酸化錫=9:1のITOターゲットを用いて、直流マグネトロンスパッタリング法にて膜厚30nmの ITO薄膜層3を形成した。
図2に示すように、100μm厚のPETフィルムを基材1とし、その上に、酸化インジウム:酸化錫=9:1のITOターゲットを用いて、直流マグネトロンスパッタリング法にて膜厚30nmの ITO薄膜層3を形成した。
得られた透明導電性積層体4のX線回折測定を、CuKα線を用いて行ったところ、3
0°〜31°に酸化インジウムの結晶化ピークが確認され、結晶質な膜になっていることが確認された。
0°〜31°に酸化インジウムの結晶化ピークが確認され、結晶質な膜になっていることが確認された。
<表1>に、実施例と比較例の含水率および、ITO薄膜の結晶性を示す。
1・・・ 基材
2・・・ 有機層
3・・・ ITO薄膜層
4・・・ 透明導電性積層体
2・・・ 有機層
3・・・ ITO薄膜層
4・・・ 透明導電性積層体
Claims (2)
- 基材の少なくとも一方の面に有機層とITO薄膜層とを順次積層した透明導電性積層体であって、
前記有機層の含水率が0.5%以上であり
前記ITO薄膜層が、CuKα線を用いたX線回折測定において30°〜31°の範囲に酸化インジウムの結晶のピークをもたない、非晶質な膜であることを特徴とする透明導電性積層体。 - 前記有機層が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのいずれかを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007107853A JP2008269822A (ja) | 2007-04-17 | 2007-04-17 | 透明導電性積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2007107853A Pending JP2008269822A (ja) | 2007-04-17 | 2007-04-17 | 透明導電性積層体 |
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2007
- 2007-04-17 JP JP2007107853A patent/JP2008269822A/ja active Pending
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