JP2008269760A - スメア除去方法及びスメア除去機能を備えた磁気記録再生装置 - Google Patents

スメア除去方法及びスメア除去機能を備えた磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】製造された薄膜磁気ヘッドのスメアを除去することができるスメアの除去方法が提供される。
【解決手段】このスメアの除去方法は、感磁部であるMR効果積層体を間に挟む2つの電極層を有するデータ読み出し用のMR効果素子を備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、この2つの電極層間に、MR効果素子の破壊電圧未満のストレス電圧を印加して、スメアを焼き切るものである。この方法においては、MR効果素子の電気抵抗又は出力電圧を測定しながらストレス電圧を印加し、この電気抵抗又は出力電圧の値が、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値から規定される上限規定値に増大しながら達するまで、ストレス電圧の値を増加させることが好ましい。
【選択図】図4

Description

本発明は、薄膜磁気ヘッドがデータ読み出し用として備えている磁気抵抗(MR)効果素子において、スメアを除去する方法に関する。また、この除去方法を用いたデータのバックアップ方法及びこの除去方法を用いた薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する。さらに、本発明は、スメア除去機能を備えた磁気記録再生装置に関する。
近年、磁気記録再生装置、特に磁気ディスク装置の大容量小型化に伴い、薄膜磁気ヘッドにおいてさらなる高感度化かつ高出力化が要求されている。この要求に対応すべく、非常に高い抵抗変化率が期待できる、巨大磁気抵抗(GMR)効果及びトンネル磁気抵抗(TMR)効果がデータの読み出しに利用されており、特に、高記録密度化に対応した垂直通電型(CPP)構造のCPP−GMR効果素子又はTMR効果素子を有するヘッドの開発が積極的に行われている。
CPP構造は、感磁部であるMR効果積層体の積層面に対して垂直にセンス電流を流す構造である。この構造においては、MR効果積層体を間に挟む2つのシールド層が、電極としての役割を果たす。一方、従来の面内通電型(CIP)構造のCIP−GMR効果素子及び異方性MR効果素子においては、センス電流がMR効果積層体の積層面に対して平行に流れる。この場合、2つのシールド層は、MR効果積層体から絶縁されていなければならない。現在、高記録密度化に対応したリードギャップの狭小化によって、このCIP構造においては、シールド層とMR効果積層体との間に絶縁不良が発生しやすくなっており、深刻な問題となっている。この点、CPP構造は、シールド層そのものを電極として用いているので、本質的にこのような問題は生じない。このため、CPP構造は、高記録密度化においてCIP構造よりも有利とみなされている。
このCPP構造を有するMR効果素子において、薄膜磁気ヘッドの製造歩留まりを低下させる要因の1つに、スメアの発生が挙げられる。通常、薄膜磁気ヘッドの浮上面(ABS)又はこのABS側のヘッド端面には、ヘッド製造工程のMRハイト工程としての研磨の際に、研磨痕(傷)が残る。この研磨痕が、ABS側のヘッド端面に達しているMR効果素子の端に及んで形成されると、場合によっては、電極層(シールド層)端の一部又はMR効果積層体の端の一部が引きずられて、MR効果積層体内が、又はMR効果積層体と電極層とが、電気的に短絡してしまう。この短絡を引き起こす痕がスメアである。このようなスメアは、実質的なセンス電流の減少を引き起こし、結果として、読み出し出力が基準に満たない不良品をもたらし得る。
また、スメアは、薄膜磁気ヘッドと磁気記録媒体との接触又は衝突によっても発生し得る。すなわち、このような接触又は衝突によって、ABS又はABS側のヘッド端面にひっかき傷が形成され、場合によっては、同じく電極層端の一部又はMR効果積層体の端の一部が引きずられて、MR効果積層体内が、又はMR効果積層体と電極層とが、電気的に短絡してしまう。この短絡を引き起こす傷がスメアとなる。このようなスメアは、実質的なセンス電流の減少を引き起こし、読み出し出力低下のエラーをもたらし得る。
このスメアを検出する方法として、例えば、特許文献1は、スライダ(薄膜磁気ヘッド)に設けられたR+又はR−パッドとSパッドとの間の電気抵抗値を測定し、測定値が1kΩ以下の場合にスメアが存在すると判定する技術を開示している。また、スメアの発生を防止する製造時の加工方法として、特許文献2は、主揺動と副揺動とを組み合わせたラッピング加工を開示している。さらに、スメアを除去する製造時の加工方法として、特許文献3は、特殊なスラリを用いたポリッシング加工を施すことによって、スメアを除去する技術を開示している。
特開2004−355740号公報 特開2004−249375号公報 特開2000−242917号公報
しかしながら、これらの先行技術においては、製造された薄膜磁気ヘッドの使用時に発生したスメアを除去することができない。実際、磁気記録再生装置に搭載された薄膜磁気ヘッドに、上述したような加工を施すことは不可能であり、ヘッドを取り出して加工を行うにしても、相当の工数が必要となってしまう。さらに、ヘッドの製造工程においてスメアを除去する場合においても、上述した特許文献3に開示されたポリッシング加工のような、特殊な調整が必要な手間のかかる工程を経ずに、スメアが除去されることが望まれる。
従って、本発明の目的は、製造された薄膜磁気ヘッドのスメアを除去することができるスメアの除去方法、この除去方法を用いたデータのバックアップ方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、搭載された薄膜磁気ヘッドのスメアを除去する機能を備えた磁気記録再生装置を提供することにある。
本発明について説明する前に、明細書において用いられる用語の定義を行う。基板の素子形成面に形成された、ヘッド内の積層構造において、基準となる層よりも基板側(素子形成面側)にある層又はその部分は「下部」とし、又は「下」にあるとし、基板(素子形成面)とは反対側、すなわち積層方向の側にある層又はその部分は「上部」とし、又は「上」にあるとする。
本発明によれば、感磁部であるMR効果積層体を間に挟む2つの電極層を有するデータ読み出し用のMR効果素子を備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、この2つの電極層間に、MR効果素子の破壊電圧未満のストレス電圧を印加して、スメアを焼き切る、薄膜磁気ヘッドのスメア除去方法が提供される。この除去方法によれば、スメアが、素子を破壊する恐れなく確実に除去可能となる。
この本発明によるスメアの除去方法において、MR効果素子の電気抵抗又は出力電圧を測定しながらストレス電圧を印加し、この電気抵抗又は出力電圧の値が、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値から規定される上限規定値に増大しながら達するまで、ストレス電圧の値を増加させることも好ましい。また、この際、MR効果素子の非磁性中間層がアルミナを含む場合に、上限規定値を、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値の少なくとも97.8%の値とすることも好ましい。さらに、MR効果素子の非磁性中間層がマグネシアを含む場合に、上限規定値を、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値の少なくとも97.3%の値とすることも好ましい。このようなストレス電圧印加の形態を採用することによって、スメアがより確実に除去可能となる。
さらに、この際、MR効果素子の非磁性中間層がAl(アルミナ)を含む場合に、印加するストレス電圧を515mV以下とすることが好ましい。また、MR効果素子の非磁性中間層がMgO(マグネシア)を含む場合に、印加するストレス電圧を527mV以下とすることが好ましい。
また、この本発明によるスメアの除去方法において、ストレス電圧を印加する前に、MR効果素子の電気抵抗又は出力電圧を測定し、測定した電気抵抗又は出力電圧の値が、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値から規定される下限規定値よりも小さい場合に、MR効果素子の2つの電極層間に、ストレス電圧を印加することも好ましい。また、この際、下限規定値を、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値の93%の値とすることも好ましい。この判定によって、スメアの有無を確認し、スメアが存在すると判定されたもののみを、スメア除去の対象とすることができる。
なお、ストレス電圧が、時間とともに値が増加する連続的な電圧であることも好ましく、パルス状の電圧であることも好ましい。
本発明によれば、さらに、感磁部であるMR効果積層体を間に挟む2つの電極層を有するデータ読み出し用のMR効果素子を備えた薄膜磁気ヘッドであって、スメアの発生によってデータの読み出しが正常にできなくなった薄膜磁気ヘッドにおいて、この2つの電極層間に、MR効果素子の破壊電圧未満のストレス電圧を印加し、スメアを焼き切ることによって除去し、その後、スメアが除去された薄膜磁気ヘッドを用いてデータの読み出しを行い、読み出されたデータをバックアップ用の磁気ディスク装置又はメモリに保存するデータのバックアップ方法が提供される。
本発明によれば、さらにまた、少なくとも1つの磁気記録媒体と、
少なくとも1つの磁気記録媒体からデータの読み出すための、感磁部であるMR効果積層体を間に挟む2つの電極層を有するMR効果素子を備えた薄膜磁気ヘッドが、自身の先端部に装着された少なくとも1つのヘッドジンバルアセンブリ(HGA)と、
2つの電極層間にスメア除去用のストレス電圧を印加し、さらに、MR効果素子の電気抵抗又は出力電圧を測定するための電圧印加及び抵抗測定回路と、
この電圧印加及び抵抗測定回路における電気抵抗又は出力電圧の測定結果に基づいて、ストレス電圧の印加の要不要、開始時点又は終了時点を判定するための判定回路と、
この判定回路における判定結果を受けて、MR効果素子の電気抵抗又は出力電圧の値の情報、スメアによるエラー情報又はスメア除去の情報を、インターフェースを介して外部に出力し、さらに、電圧印加及び抵抗測定回路の電圧印加動作及び抵抗測定動作を制御するためのコントローラと
を備えている磁気記録再生装置が提供される。
ここで、この本発明による磁気記録再生装置において、電圧印加及び抵抗測定回路が、2つの電極層間の電気抵抗又は出力電圧を測定しながらストレス電圧を印加し、判定回路が、電気抵抗又は出力電圧の値が初期の正常な電気抵抗又は出力電圧の値から規定される上限規定値に達するか否かを判定し、コントローラが、電気抵抗又は出力電圧の値が上限規定値に達したとの判定を受けた場合に、電圧印加及び抵抗測定回路にストレス電圧の印加の終了を指示することも好ましい。また、この際、MR効果素子の非磁性中間層がアルミナを含んでおり、上限規定値が、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値の少なくとも97.8%であることも好ましい。さらに、MR効果素子の非磁性中間層がマグネシアを含んでおり、上限規定値が、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値の少なくとも97.3%であることも好ましい。
さらに、この際、MR効果素子の非磁性中間層がアルミナを含んでおり、印加されるストレス電圧が515mV以下であることが好ましい。また、MR効果素子の非磁性中間層がマグネシアを含んでおり、印加されるストレス電圧が527mV以下であることも好ましい。
また、電圧印加及び抵抗測定回路が、ストレス電圧を印加する前にMR効果素子の電気抵抗又は出力電圧を測定し、判定回路が、電気抵抗又は出力電圧の値が初期の正常な電気抵抗又は出力電圧の値から規定される下限規定値よりも小さいか否かを判定し、コントローラが、電気抵抗又は出力電圧の値が下限規定値よりも小さいとの判定を受けた場合に、電圧印加及び抵抗測定回路にストレス電圧の印加の開始を指示することも好ましい。また、この際、下限規定値が、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値の93%の値であることも好ましい。
また、この本発明による磁気記録再生装置において、電圧印加及び抵抗測定回路が印加するストレス電圧が、時間とともに値が増加する連続的な電圧であることも好ましく、パルス状の電圧であることも好ましい。
さらに、電圧印加及び抵抗測定回路が、スメアの発生によってデータの読み出しができなくなったMR効果素子の2つの電極層間に、ストレス電圧を印加してスメアを除去し、スメアが除去されたMR効果素子がデータの読み出しを行い、コントローラが、読み出されたデータをバックアップ用の磁気ディスク装置又はメモリに送信することも好ましい。また、電圧印加及び抵抗測定回路に接続されており、外部から電圧印加動作又は抵抗測定動作を指示するための電圧印加用スイッチをさらに備えていることも好ましい。さらに、MR効果素子がTMR効果素子であることも好ましい。
本発明によれば、スメアが、素子を破壊する恐れなく確実に除去可能となる。
以下に、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同一の要素は、同一の参照番号を用いて示されている。また、図面中の構成要素内及び構成要素間の寸法比は、図面の見易さのため、それぞれ任意となっている。
図1は、本発明による磁気記録再生装置の一実施形態における構成を概略的に示す斜視図である。なお、同図において、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)及び薄膜磁気ヘッドのそれぞれを拡大して表示している図は、磁気ディスクに対向する側が上を向いた状態となっている。
図1に示した磁気記録再生装置は、磁気ディスク装置であって、スピンドルモータ11の回転軸の回りを回転する、磁気記録媒体としての複数の磁気ディスク10と、複数の駆動アーム14が設けられたアセンブリキャリッジ装置12と、各駆動アーム14の先端部に取り付けられており薄膜磁気ヘッド(スライダ)21を備えたHGA17と、書き込み及び読み出し動作を制御し、さらに後に詳述するスメア除去動作を制御するための記録再生及びスメア除去制御回路13とを備えている。記録再生及びスメア除去制御回路13の構成については、後に詳しく説明する。
アセンブリキャリッジ装置12は、薄膜磁気ヘッド21を磁気ディスク10に形成されたトラック上に位置決めするための装置である。同装置内において、駆動アーム14は、ピボットベアリング軸16に沿った方向にスタックされており、ボイスコイルモータ(VCM)15によってこの軸16を中心にして角揺動可能となっている。磁気ディスク10、駆動アーム14、HGA17及びスライダ21は、単数であってもよい。
同じく図1によれば、HGA17において、薄膜磁気ヘッド21は、各磁気ディスク10の表面に対して所定の間隔(浮上量)をもって対向するように、サスペンション20の先端部に固着されている。さらに、配線部材25の一端が、薄膜磁気ヘッド21の端子電極に電気的に接続されている。
サスペンション20は、ロードビーム22と、このロードビーム22に固着されており弾性を有するフレクシャ23と、ロードビーム22の基部に設けられたベースプレート24と、フレクシャ23上に設けられておりリード導体及びその両端に電気的に接続された接続パッドからなる配線部材25とを備えている。なお、図示されていないが、サスペンション20の途中にヘッド駆動用ICチップが装着されていてもよい。
同じく図1によれば、薄膜磁気ヘッド21は、素子形成面31と適切な浮上量を得るように加工された浮上面(ABS)30とを有するスライダ基板210と、素子形成面31に形成された、データ読み出し用のMR効果素子33及びデータ書き込み用の電磁コイル素子34と、MR効果素子33及び電磁コイル素子34を覆うように形成された被覆層39と、被覆層39の上層面から露出した4つの信号端子電極35とを備えている。ここで、ABS30が、磁気ディスク10に対向する面となる。4つの信号端子電極35は、2つ単位でMR効果素子33及び電磁コイル素子34にそれぞれ接続されている。
MR効果素子33及び電磁コイル素子34の一端は、ABS30側のヘッド端面300に達している。これらの端が磁気ディスク10の表面と対向することによって、信号磁界の感受による読み出しと信号磁界の印加による書き込みとが行われる。なお、これらの端が達しているヘッド端面300の所定の領域上には、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等からなる極めて薄い保護膜がコーティングされていてもよい。
ここで、動作時の振動又は外的な衝撃等によって、MR効果素子33の一端と磁気ディスク10の表面とが接触又は衝突する場合があり得る。このような接触又は衝突が発生すると、ABS30又はヘッド端面300に、保護膜を突き破ってひっかき傷が形成される。さらに、場合によっては、MR効果素子33の電極層端の一部又はMR効果積層体の端の一部が引きずられて、MR効果積層体内が、又はMR効果積層体と電極層とが、電気的に短絡してしまう。この短絡を引き起こす傷がスメアとなる。このスメアは、実質的なセンス電流の減少を引き起こし、読み出し出力低下のエラーをもたらし得る。本発明は、このようなスメアを除去する方法を提供するものである。
図2は、薄膜磁気ヘッド21の要部の構成を概略的に示す、図1のa−a線断面図である。同図において、電磁コイル素子34は、垂直磁気記録用であるが、当然に、ヘッド端面側の端部で書き込みギャップ層を挟持した上下部磁極層及び書き込みコイル層を備えた長手磁気記録用の電磁コイル素子であってもよい。
図2において、MR効果素子33は、TMR効果素子又はCPP−GMR効果素子であり、MR効果積層体332と、この積層体の少なくとも後方を取り囲むように形成された絶縁層333と、MR効果積層体332及び絶縁層333を挟む位置に配置されている2つの電極層である下部電極層330及び上部電極層334とを含む。MR効果積層体332は、非常に高い感度で磁気ディスクからの信号磁界を感受する。上下部電極層334及び330は、MR効果積層体332に対して積層面に垂直な方向のセンス電流を印加するための電極であるとともに、この積層体332が雑音となる外部磁界を受けることを防止する磁気シールドとしての役割も兼ねている。
電磁コイル素子34は、本実施形態において垂直磁気記録用であり、NiFe(パーマロイ)、CoFeNi、CoFe、FeN又はFeZrN等の軟磁性材料から形成された主磁極層340と、Cu(銅)等の導電材料から形成された書き込みコイル層343と、NiFe(パーマロイ)、CoFeNi、CoFe、FeN又はFeZrN等の軟磁性材料から形成された補助磁極層345を備えている。主磁極層340は、書き込みコイル層343に書き込み電流を印加することによって発生した磁束を、書き込みがなされる磁気ディスク10の磁気記録層まで収束させながら導くための導磁路である。ここで、主磁極層340のヘッド端面300側の端部における層厚方向の長さ(厚さ)は、他の部分に比べて小さくなっている。この結果、高記録密度化に対応した微細な書き込み磁界を発生させることができる。なお、書き込みコイル層343は、本実施形態において1層であるが、2層以上又はヘリカルコイルでもよい。また、巻き数も図2での数に限定されるものではない。
補助磁極層345のヘッド端面300側の端部は、他の部分よりも層断面が広いトレーリングシールド部3450となっている。このトレーリングシールド部3450を設けることによって、トレーリングシールド部3450の端部と主磁極層340の端部との間において磁界勾配がより急峻になる。この結果、信号出力のジッタが小さくなって読み出し時のエラーレートが低減可能となる。
さらに、本実施形態においては、MR効果素子33と電磁コイル素子34との間に、バッキングコイル部36及び素子間シールド層37が設けられている。バッキングコイル部36は、電磁コイル素子34から発生してMR効果素子33内の上下部電極層334及び330を経由する磁束ループを打ち消す磁束を発生させて、磁気ディスクへの不要な書き込み又は消去動作である広域隣接トラック消去(WATE)現象の抑制を図っている。
図3は、MR効果積層体332の一実施形態における層構成を概略的に示す、図2のヘッド端面300側から見たb−b線断面図である。
図3において、MR効果積層体332は、TMR効果積層体であり、下部金属層40と、下地層41と、反強磁性材料からなる反強磁性層42と、強磁性材料からなる磁化固定層43と、酸化物層からなる非磁性中間層としてのトンネルバリア層44と、強磁性材料からなる磁化自由層45と、上部金属層46とが順次積層された多層構造を有している。
下部金属層40は、下部電極層330上に形成されており、MR効果積層体332を下部電極層330に電気的に接続する。ここで、下部金属層40は、例えば、厚さ0.5〜7nm程度のTa、Hf、Nb、Zr、Ti、Mo又はW等から形成されており、下部電極層330は、例えば、厚さ0.3〜5μm程度のNiFe、CoFeNi、CoFe、FeN又はFeZrN等の軟磁性導電材料から形成されている。また、上部金属層46は、この上に上部電極層334が形成されることによって、MR効果積層体332を上部電極層334に電気的に接続する。従って、磁界検出の際のセンス電流は、MR効果積層体332内の各層面に対して垂直な方向に流れることになる。ここで、上部金属層46は、例えば、厚さ1〜20nm程度のTa、Ru、Hf、Nb、Zr、Ti、Cr、Mo又はW等から形成されており、上部電極層334は、例えば、厚さ0.5〜5μm程度のNiFe、CoFeNi、CoFe、FeN又はFeZrN等の軟磁性導電材料から形成されている。
反強磁性層42は、下部金属層40上に下地層41を介して設けられている。ここで、下地層41は、例えば、厚さ3〜8nm程度のNiCr又はNiFe等から形成されており、反強磁性層42は、例えば、厚さ3〜18nm程度のIrMn、PtMn、NiMn又はRuRhMn等から形成されている。この反強磁性層42上に積層された磁化固定層43は、この反強磁性層42側から、第1の強磁性膜43a、非磁性膜43b、第2の強磁性膜43cが順次成膜されて積み重なった、いわゆるシンセティックフェリ構造を有している。第1の強磁性膜43aには、反強磁性層42との交換結合により交換バイアス磁界が印加される。これにより磁化固定層42全体の磁化が安定的に固定される。ここで、第1の強磁性膜43aは、例えば、厚さ1〜4nm程度のCoFe等から形成されており、非磁性膜43bは、例えば、厚さ0.5〜2nm程度のRu、Rh、Ir、Cr、Re又はCu等から形成されており、さらに、第2の強磁性膜43cは、例えば、厚さ1〜5nm程度のCoFe等から形成されている。
トンネルバリア層44は、この磁化固定層43上に設けられており、さらに、磁化自由層45が、磁化固定層43との間でこのトンネルバリア層44を挟むように設けられている。磁化自由層45は、このトンネルバリア層44側から、高分極率膜45a及び軟磁性膜45bが順次成膜されて積み重なった構造を有している。ここで、磁化自由層45の磁化は、磁化固定層43の磁化との間で、トンネルバリア層44をトンネル効果の障壁とした強磁性トンネル結合を形成している。従って、磁化自由層45の磁化方向が信号磁界に応答して変化すると、磁化固定層43及び磁化自由層45内の伝導電子のアップ及びダウンスピンバンドの状態密度の変動によってトンネル電流が増減し、結果としてMR効果積層体332の電気抵抗値が変化する。この変化量を計測することによって、微弱であって局所的な信号磁界を高感度で確実に検出することが可能となる。
ここで、トンネルバリア層は、例えば、膜厚0.6〜2nm程度のAl、Mg、Ti、Hf、Zn、Ta、Zr、Mo、W、Sn、Ni、Gd、Nb、Ga若しくはGe等の金属、又はSi等からなるベース膜に酸化処理を施して得られた酸化膜から形成されていてもよい。例えば、Al(アルミナ)又はMgO(マグネシア)から形成されていてもよい。また、高分極率膜45aは、例えば、厚さ0.5〜2nm程度のCoFe等から形成されており、軟磁性膜45bは、厚さ1〜8nm程度のNiFe等から形成されている。
なお、MR効果積層体332を構成する各層の態様は、以上に述べたものに限定されるものではない。例えば、磁化固定層43は、強磁性膜からなる単層構造又はその他の層数の多層構造であってもよい。さらに、磁化自由層45は、高分極率膜の存在しない単層構造、又は磁歪調整用の膜を含む3層以上の多層構造であってもよい。さらに、反強磁性層、磁化固定層、トンネルバリア層及び磁化自由層が、逆順に、すなわち、磁化自由層、トンネルバリア層、磁化固定層及び反強磁性層の順に積層されていてもよい。また、MR効果積層体332は、トンネルバリア層の代わりに非磁性金属からなる非磁性中間層を有するCPP−GMR効果積層体であってもよい。
また、同じく図3に示すように、少なくとも磁化自由層45のトラック幅方向の両側に、絶縁層48を介して、硬磁性材料からなるハードバイアス層47を設けてもよい。また、図示されていないが、磁化自由層45と上部金属層46との間に、バイアス非磁性層、バイアス強磁性層及びバイアス反強磁性層が順次積層されたインスタックバイアス積層体が設けられてもよい。これらのバイアス手段は、磁化自由層45にバイアス磁界を印加することにより磁化自由層45の磁区構造を安定させて、線形の安定した素子出力を可能にする。
同じく図3において、問題となるスメアの例を示す。スメア49は、ヘッド端面300上であって少なくともMR効果素子33の端面上に存在している。従って、スメア49は、破線で示されているように、同図の断面上にあるわけではない点に留意すべきである。
スメア49は、下部電極層330、上部電極層334又はMR効果積層体332の端面の一部が引きずられることによって形成されており、少なくともMR効果素子33の端面上に存在している。このスメア49の存在によって、磁化固定層43と磁化自由層45とが、下部電極層330と磁化自由層45とが、又は磁化固定層43と上部電極層334とが、電気的に短絡してしまう。その結果、実質的なセンス電流の減少が引き起こされ、読み出し出力低下のエラーが生じ得る。本発明は、後に詳述するように、上下部電極層334及び330間にストレス電圧を印加して、例えばこのスメア49を、焼き切ることによって除去するものである。
図4は、本発明による磁気記録再生装置が備えている記録再生及びスメア除去制御回路13(図1)の一実施形態を、概略的に示す回路ブロック図である。
図4によれば、記録再生及びスメア除去制御回路13は、電圧印加及び抵抗測定回路50と、判定回路51と、ハードディスクコントローラ(HDC)52と、ヘッドアンプ53と、リードライト(R/W)チャネル54と、インターフェース55とを備えている。さらに、電圧印加用スイッチ56が設けられていてもよい。
ヘッドアンプ53は、図示していないがライタアンプとリーダアンプとを備えている。ライタアンプは、R/Wチャネル54からの書き込み入力信号を増幅して書き込み電流を形成し、電磁コイル素子34の書き込みコイル層に、この書き込み電流を印加するための書き込み増幅手段である。また、リーダアンプは、MR効果素子33のMR効果積層体から出力される読み出し電圧を増幅して読み出し出力信号を形成し、R/Wチャネル54に出力するための読み出し増幅手段である。R/Wチャネル54は、HDC52から受け取ったデータ信号をコード変調し、書き込み入力信号を形成してヘッドアンプ53に出力する一方、ヘッドアンプ53から出力された読み出し出力信号をコード復調し、データ信号を形成してHDC52に出力する。
電圧印加及び抵抗測定回路50は、MR効果素子33と判定回路51とHDC52とに接続されており、MR効果素子33の上下部電極層間にスメア除去用のストレス電圧を印加し、さらに、MR効果素子33の電気抵抗又は出力電圧を測定するための回路である。この回路50による電圧印加と電気抵抗又は出力電圧の測定とは、HDC52の指示によって行われてもよいし、この回路50に接続されており、外部から電圧印加動作又は抵抗測定動作を指示するための電圧印加用スイッチ56の指示によって行われてもよい。判定回路51は、電圧印加及び抵抗測定回路50とHDC52とに接続されており、電圧印加及び抵抗測定回路50における電気抵抗又は出力電圧の測定結果に基づいて、ストレス電圧の印加の要不要、ストレス電圧の印加の開始時点又は終了時点を判定、判断するための回路である。
HDC52は、判定回路51における判定結果を受けて、MR効果素子33の電気抵抗又は出力電圧値の情報、スメアによるエラー情報又はスメア除去の情報を、インターフェース55を介して外部に出力し、さらに、電圧印加及び抵抗測定回路50の電圧印加動作及び抵抗測定動作を制御するためのコントローラである。また、HDC52は、インターフェース55を介して外部のホストシステムから受け取ったデータ信号に、エラー訂正コードを追加してR/Wチャネル54に出力する一方、R/Wチャネル54から受け取ったデータ信号にエラー訂正処理を施して、インターフェース55を介して外部のホストシステムに送信する機能を備えている。さらに、データ信号のバッファを制御したり、インターフェース55を制御したりする機能を備えていてもよい。
このように、磁気記録再生装置が、上述した電圧印加及び抵抗測定回路50と判定回路51とHDC52とを有する記録再生及びスメア除去制御回路13を備えていることによって、ストレス電圧が、後述するような種々のモードで、MR効果素子33の上下部電極層間に適切に印加されて、スメアが除去可能となる。
なお、磁気記録再生装置が複数の薄膜磁気ヘッドを搭載している場合、接続されるヘッドの構成及び個数に対応した電圧印加及び抵抗測定回路及び判定回路が設けられることが好ましい。
図5(A)〜(F)は、実際に、ストレス電圧をMR効果素子に印加した際の素子の電気抵抗及び出力電圧を測定した例を示すグラフである。ここで、図5(A)〜(C)は、スメアが発生している場合の測定結果を示しており、図5(D)〜(F)は、スメアが発生していない場合の測定結果を示している。なお、各図において、横軸は、単調に増加させながら印加したストレス電圧である。また、縦軸は、ストレス電圧の増加に伴って変化したMR効果素子の電気抵抗及び出力電圧であり、電圧印加初期の値を100として規格化されている。
ここで、MR効果素子の電気抵抗は、MR効果素子と接続された2つの信号端子電極35(図1)間の電気抵抗を測定して求められた。この電気抵抗の測定値の変化は、主に、MR効果素子の上下部電極層間の電気抵抗の変化に相当している。また、MR効果素子の出力電圧の変化は、主に、上下部電極層間に一定のセンス電流を流した際の上下部電極層間の電圧変化に相当している。さらに、測定に用いたヘッドのMR効果素子は、いずれも、Alをトンネルバリア層としたTMR効果素子であり、スメアが発生していない本来の素子の電気抵抗値とセンス電流が実効的に流れる層面の面積との積である面抵抗RAは2.7Ωμmであった。また、ストレス電圧として、パルス幅が1秒のパルス電圧が用いられた。
図5(A)〜(C)によれば、スメアが発生している薄膜磁気ヘッドの場合、MR効果素子における電圧印加初期の電気抵抗値(縦軸の100に相当、各図の左上に数値を明示)は、平均して214.2Ωであり、図5(D)〜(F)のスメアが発生していない場合の平均値274.4Ωを、サンプル間のばらつき範囲を超えて下回っている。すなわち、スメアの存在が、素子内に短絡を発生させて素子の電気抵抗を低下させていることが分かる。これらのヘッドにおいてストレス電圧を増加させていくと、電気抵抗値及び出力電圧値が、あるストレス電圧の点から急激に増大する。ここで、この急激な増大は、ストレス電圧によって、短絡の原因であるスメアが焼き切られて、本来のMR効果素子の抵抗値が回復したことに起因している。
また、図5(A)〜(C)においては、電気抵抗値及び出力電圧値ともに、急激な上昇の前に、すなわちストレス電圧が300〜350mV程度の範囲内で、極小値を示している。このような極小値を示すのは、最初、ある程度のストレス電圧が印加されると、場合によっては、スメアと電極層又はMR効果積層体との間の接触抵抗がむしろ減少することが原因であると考えられる。なお、電気抵抗値及び出力電圧値における、このような極小値を示す振る舞いは、必ずしも明確に現れるものではない。
以上のように、ストレス電圧を印加することによって、いずれのヘッドにおいてもスメアを除去することができ、さらに、電気抵抗又は出力電圧をモニタすることによって、スメアの発生及びその除去を確認可能であることが理解される。
同じく図5(A)〜(C)において、ストレス電圧をさらに増加させると、ストレス電圧が500〜550mVを超えたあたりで、電気抵抗値及び出力電圧値がともに急落する。この急落は、MR効果素子が破壊されたことを示し、この際の閾値となるストレス電圧値が素子破壊電圧となる。当然に、スメア除去のために印加されるストレス電圧は、素子破壊電圧未満の値を上限とし、トンネルバリア層の電気絶縁性を破壊しない電圧となる。
一方、図5(D)〜(F)によれば、スメアが発生していない薄膜磁気ヘッドの場合、ストレス電圧を増加させていっても、電気抵抗値及び出力電圧値は、素子破壊電圧まで大きな変化を示さない。従って、印加したストレス電圧とMR効果素子の電気抵抗及び出力電圧との関係を調べることによって、スメアの存在(スメアによるエラー)又はスメア除去の情報を得ることができる。特に、電圧印加初期のより小さい電気抵抗値、電気抵抗又は出力電圧の極小値を示す振る舞い、さらには素子破壊電圧に至る前の電気抵抗又は出力電圧の増大が、スメアの存在を判定するのに利用可能となる。
図6(A)及び(B)は、種々の規格のTMR効果素子において、素子破壊電圧を測定した結果を示すグラフである。また、図6(C)及び(D)は、スメアが存在する素子における平均的なストレス電圧と電気抵抗との関係を示すグラフである。さらに、図6(E)は、種々の規格のTMR効果素子であってスメアが存在することにより電気抵抗が低下している素子における、ストレス電圧と電気抵抗との関係を示すグラフである。
ここで、図6(A)、(C)及び(E)は、トンネルバリア層がAlの素子における測定結果を示しており、図6(B)及び(D)は、トンネルバリア層がMgOの素子における測定結果を示している。なお、いずれの図においても、横軸は印加電圧又はストレス電圧であり、縦軸は素子の電気抵抗である。ただし、図6(C)〜(E)の縦軸は、各サンプルにおいて電気抵抗の最大値を100とした場合の規格化された電気抵抗となっている。電圧の印加は、1ステップを25mVとして電圧値を段階的に増加させつつ行われた。また、図6(A)及び(B)に示したサンプル数、及び図6(C)及び(D)における平均的なグラフを得るためのサンプル数は、いずれも100個であった。
図6(A)によれば、トンネルバリア層がAlであるTMR効果素子の最大許容印加電圧は、平均値で560.2mVであった。また、ばらつきを示す3σは、44.9mVであって、この平均値の約8%となった。ちなみに、素子破壊電圧は、この最大許容印加電圧に電圧印加の1ステップ分を加えた値となる。統計学的な常識から、最大許容印加電圧の平均値からばらつき3σだけ小さい値を、スメア除去のためのストレス電圧の上限値とすると、この上限値は、515mVとなる。従って、トンネルバリア層がAlであるTMR効果素子におけるスメア除去のためのストレス電圧は、515mV以下であることが好ましい。
一方、図6(B)によれば、トンネルバリア層がMgOであるTMR効果素子の最大許容印加電圧は、平均値で585.9mVであり、また、ばらつきを示す3σは、60.5mVであって、この平均値の約10%となった。図6(A)の場合と同じく、最大許容印加電圧の平均値からばらつき3σだけ小さい値を、スメア除去のためのストレス電圧の上限値とすると、この上限値は527mVとなる。従って、トンネルバリア層がMgOであるTMR効果素子におけるスメア除去のためのストレス電圧は、527mV以下であることが好ましい。
表1に、トンネルバリア層がAl及びMgOそれぞれの場合の、最大許容印加電圧の平均値、ばらつき3σ及び好ましいストレス電圧の上限値をまとめている。
Figure 2008269760
次に、これらのストレス電圧の上限値から、電気抵抗の上限規定値を求める。
上述したように図6(C)は、トンネルバリア層がAlであるTMR効果素子の平均的な電気抵抗の振る舞いを示している。この振る舞いにおいて、ストレス電圧が上述した上限値である515mVである場合の規格化された電気抵抗は、97.8%となっている。ここで、平均的な電気抵抗の振る舞いにおいては最大許容印加電圧を印加した際の電気抵抗値が、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗値とほぼ一致することが確認されている。従って、素子の電気抵抗値がスメアの存在しない正常な場合の電気抵抗値の97.8%に達した時点で、ストレス電圧が上限に達したとしてストレス電圧の印加を終了すれば、十分なストレス電圧が印加されてスメアが適切に除去されることが分かる。
以上の結果から、トンネルバリア層がAlであるTMR効果素子においては、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗値の97.8%を上限規定値として、電気抵抗がこの上限規定値に増大しながら達するまで、ストレス電圧を増加させることが好ましいことが理解される。なお、97.8%を超えた値を上限規定値とすることも可能であり、TMR効果素子の破壊のリスクをどこまで許容するかによって選択される。
一方、図6(D)は、トンネルバリア層がMgOであるTMR効果素子の平均的な電気抵抗の振る舞いを示している。この振る舞いにおいて、ストレス電圧が上述した上限値である515mVである場合の規格化された電気抵抗は、97.3%となっている。従って、トンネルバリア層がMgOであるTMR効果素子においては、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗値の97.3%を上限規定値として、電気抵抗がこの上限規定値に増大しながら達するまで、ストレス電圧を増加させることが好ましいことが理解される。なお、トンネルバリア層がAlの場合と同様にして、97.3%を超えた値を上限規定値とすることも可能であり、TMR効果素子の破壊のリスクをどこまで許容するかによって選択される。
次に、TMR効果素子の電気抵抗値によるスメアの有無の判断、すなわちスメア除去を行うか否かの判断について説明する。
図6(E)によれば、トンネルバリア層がAlであるいずれのTMR効果素子においても、電圧が印加される前の電気抵抗は、スメアの存在により、スメアの存在しない正常な場合に比べて低下している。低下した電気抵抗値は、いずれにおいても、電気抵抗の最大値を100とした場合に93未満となっており、少なくとも7%を超える低下となっている。なお、いずれのTMR効果素子においても、最大許容印加電圧を印加するまでの間に示した電気抵抗の最大値が、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗値とほぼ一致することが確認されている。従って、電圧が印加される前の電気抵抗がスメアの存在しない正常な値の93%未満であればスメアが存在すると判断することによって、スメアが存在する素子に対して確実にスメアを除去することができる。
以上の結果から、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗値の93%の値を下限規定値とした上で、測定した電気抵抗値がこの下限規定値よりも小さい場合に、スメア除去のためのストレス電圧を印加することが好ましいことが理解される。
なお、トンネルバリア層がMgOであるTMR効果素子の場合においても、電圧が印加される前の電気抵抗は、スメアの存在により、スメアの存在しない正常な場合に比べて少なくとも7%を超えて低下することが確認されている。従って、トンネルバリア層がMgOである素子においても、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗値の93%の値を下限規定値とした上で、測定した電気抵抗値がこの下限規定値よりも小さい場合に、スメア除去のためのストレス電圧を印加することが好ましいことが理解される。
また、印加すべきストレス電圧の下限値は、図5(A)〜(C)及び図6(A)〜(E)において、電気抵抗値(出力電圧値)の上昇が見られるのが300〜350mV程度であることから、300mVとすることが好ましい。また、確実を期すため、同下限値を100mVとすることも好ましい。
図7(A)〜(D)は、本発明によるスメアの除去方法における種々の実施形態を示すフローチャートである。
図7(A)によれば、磁気記録再生装置を起動させて、最初に、MR効果素子の電気抵抗を測定して、この電気抵抗値が所定の下限規定値未満であるかどうかを判定する(ステップSa1)。この下限規定値としては、図6(E)を用いて説明したように、同じ構成及びサイズであるスメアの存在しない正常なMR効果素子における電気抵抗値の93%の値を用いることができる。例えば、磁気記録再生装置がヘッド搭載時のMR効果素子における電気抵抗の初期値を記憶しておき、この値から下限規定値を算出してもよい。なお、これらの電気抵抗の測定及び判定は、電圧印加及び抵抗測定回路50並びに判定回路51(図4)にそれぞれ行わせることができる。この判定の結果、素子の電気抵抗値が下限規定値以上であれば、スメアは発生していないと判断して装置の駆動を継続する。
これに対して、素子の電気抵抗値が下限規定値未満であれば、スメアが発生していると判断し、ストレス電圧として所定のパルス幅のパルス電圧をMR効果素子に印加する(ステップSa2)。このストレス電圧の印加は、判定回路51(図4)の判定結果を受けたHDC(図4)の指示の下、電圧印加及び抵抗測定回路50(図4)に行わせることができる。その後、装置を再起動し(ステップSa3)、MR効果素子の電気抵抗値が所定の上限規定値以上であるかどうかを判定する(ステップSa4)。この上限規定値としては、図6(A)及び(B)を用いて説明したように、同じ構成及びサイズであるスメアの存在しない正常なMR効果素子における電気抵抗値の97.8%の値(トンネルバリア層がAlの場合)又は97.3%の値(トンネルバリア層がMgOの場合)を用いることができる。例えば、上述した下限規定値の場合と同様、磁気記録再生装置がヘッド搭載時のMR効果素子における電気抵抗の初期値を記憶しておき、この値から上限規定値を算出してもよい。
ステップSa4における判定の結果、この素子の電気抵抗値が上限規定値以上であれば、スメアは除去されたと判断して装置の駆動を継続する。これに対して、素子の電気抵抗値が上限規定値未満であれば、スメアがなお存在していると判断し、スメアが除去されたと判定されるまでステップSa2以降のステップを繰り返す。
図7(B)によれば、磁気記録再生装置を起動させて、最初に、MR効果素子の電気抵抗を測定して、この電気抵抗値が所定の下限規定値未満であるかどうかを判定する(ステップSb1)。この下限規定値は、ステップSa1と同様に設定することができる。また、電気抵抗の測定及び判定も、同じく電圧印加及び抵抗測定回路50並びに判定回路51(図4)にそれぞれ行わせることができる。この判定の結果、素子の電気抵抗値が下限規定値以上であれば、スメアは発生していないと判断して、装置の駆動を継続する。
これに対して、素子の電気抵抗値が下限規定値未満であれば、スメアが発生していると判断し、ストレス電圧として時間とともに値が増加する連続的な電圧をMR効果素子に印加する(ステップSb2)。この際、電気抵抗値は継続的にモニタリングされる。このストレス電圧の印加及び電気抵抗値のモニタリングも、判定回路51(図4)の判定結果を受けたHDC(図4)の指示の下、電圧印加及び抵抗測定回路50(図4)に行わせることができる。その後、電気抵抗値のモニタリングにおいて、MR効果素子の電気抵抗値が所定の上限規定値に達しているかどうかを判定する(ステップSb3)。ここで、この上限規定値は、ステップSa4と同様に設定することができる。
ステップSb3における判定の結果、この電気抵抗値が上限規定値未満の場合、時間とともに値が増加する連続的なストレス電圧の印加を継続する(ステップSb2)。これに対して、電気抵抗値が上限規定値に達して上限規定値以上となった場合、連続的なストレス電圧の印加を終了し(ステップSb4)、装置を再起動し(ステップSb5)、その後、装置の駆動を継続する。
図7(C)によれば、磁気記録再生装置を起動させて、最初に、MR効果素子の電気抵抗を測定して、この電気抵抗値が所定の下限規定値未満であるかどうかを判定する(ステップSc1)。この下限規定値は、ステップSa1と同様に設定することができる。また、電気抵抗の測定及び判定も、同じく電圧印加及び抵抗測定回路50並びに判定回路51(図4)にそれぞれ行わせることができる。この判定の結果、素子の電気抵抗値が下限規定値以上であれば、スメアは発生していないと判断して装置の駆動を継続する。
これに対して、素子の電気抵抗値が下限規定値未満であれば、スメアが発生していると判断し、印加するストレス電圧としてのパルス電圧の電圧値を設定する(ステップSc2)。次いで、設定されたストレス電圧としてのパルス電圧をMR効果素子に印加する(ステップSc3)。このストレス電圧の設定及び印加は、判定回路51(図4)の判定結果を受けたHDC(図4)の指示の下、電圧印加及び抵抗測定回路50(図4)に行わせることができる。その後、装置を再起動し(ステップSc4)、MR効果素子の電気抵抗値が所定の上限規定値以上であるかどうかを判定する(ステップSc5)。ここで、この上限規定値は、ステップSa4と同様に設定することができる。
ステップSc5における判定の結果、この素子の電気抵抗値が上限規定値以上であれば、スメアは除去されたと判断して装置の駆動を継続する。これに対して、素子の電気抵抗値が上限規定値未満であれば、スメアがなお存在していると判断し、印加するストレス電圧としてのパルス電圧の電圧値を段階的に増加させて(ステップSc2)、以下、スメアが除去されるまで上述したステップを繰り返す。
以上、本発明によるスメアの除去方法によれば、スメアが発生した薄膜磁気ヘッドが確実に選別される。また、スメアを焼き切るためのストレス電圧が、上述した種々のモードで適切に印加されることによって、スメアが、素子を破壊する恐れなく確実に除去可能となる。なお、図7(A)〜(C)のいずれの実施形態においても、電気抵抗の代わりに素子の出力電圧をスメアの有無の判定に用いてもよい。また、図7(A)〜(C)のいずれの実施形態においても、装置の再起動ステップ(ステップSa3、Sb5、Sc4)は、電気抵抗値を測定し上限規定値と比較するトリガとして設けられることが好ましいが、省略されてもよい。さらに、以上の実施形態においては、スメアが存在しているかどうかの最初の判定を、磁気記録再生装置の起動時に行っているが、例えば、装置の駆動中における任意の時点で行うことも可能である。その場合、電圧印加用スイッチ56(図4)を用いて判定及びストレス電圧印加を指示してもよい。さらに、本発明によるスメアの除去方法は、磁気記録再生装置内において実施されるものに限定されないことも明らかである。すなわち、例えば、単独の薄膜磁気ヘッド又は薄膜磁気ヘッドを搭載したHGAに対して直接行うことも可能である。
また、以上に述べた本発明によるスメアの除去方法を用いて、データのバックアップを行うことも可能である。例えば、磁気記録再生装置において、薄膜磁気ヘッドにスメアが発生してデータの読み出しが正常にできなくなった場合に、スメアを除去してヘッドを少なくとも一時的に復活させる。この復活したヘッドを用いて、磁気記録媒体上のデータのバックアップを行うことができる。この場合、例えば、図4において、HDC52が、判定回路51からの判定結果によりスメアが除去されたと判断し、MR効果素子33にデータの読み出しを行わせる。次いで、バックアップのためのデータが、ヘッドアンプ53及びR/Wチャネル54を介して、HDC52に受け取られた後、インターフェース55を介して、外部のバックアップ用の磁気ディスク装置又はメモリに保存される。ここで、バックアップ先としての磁気記録媒体又はメモリが磁気記録再生装置内に設けられていてもよい。以上の方法により、スメアの発生によって読み出し不可能となったヘッドを少なくとも一時的に復活させて、データのバックアップを確実に行うことが可能となる。
ここで、図7(D)を用いて、スメアの有無を判定する他の形態を説明する。以上に述べた図7(A)〜(C)の実施形態においては、磁気記録再生装置の起動時におけるスメアの有無の判定は、電気抵抗値と所定の下限規定値との比較によって行われている。これに対して、図7(D)によれば、磁気記録再生装置を起動させて、最初に、検査用の電圧として時間とともに増加する連続的な電圧を印加しながら、MR効果素子の電気抵抗値をモニタリングする(ステップSd1)。この際、電圧は、電圧規定値、例えば図5(A)〜(C)における300〜350mV程度の範囲内の値に達するまで増加させられる。次いで、測定された検査用の電圧と電気抵抗値との関係において、測定のばらつきを超えて電気抵抗の極小値が検出されるか否かを判定する(ステップSd2)。なお、検査用の電圧の印加、電気抵抗の測定及び極小値の判定は、電圧印加及び抵抗測定回路50及び判定回路51(図4)にそれぞれ行わせることができる。この判定の結果、極小値が無ければ、スメアは発生していないと判断して装置の駆動を継続する。
これに対して、極小値が検出されていれば、スメアが発生していると判断し、
以下、ステップSa2(図7(A))、ステップSb2(図7(B))又はステップSc2(図7(C))に進み、スメアが除去されたと判定されるまで、上述した所定のステップを繰り返す。
以上の方法によれば、電気抵抗値が極小値を示すMR効果素子に対して、より少ない印加電圧によってスメアの有無の判定を行い得る。電気抵抗値が極小値を示さないMR効果素子については判定が行えないものの、この方法を、例えば、製造工程における1つの検査として採用することにより、歩留まりの向上に貢献することができる。
また、次に示すように、以上に述べた本発明によるスメアの除去方法を、スライダの機械加工工程において万が一スメアが発生した場合にも応用することができる。
図8(A)〜(C)は、本発明によるスメアの除去方法を、薄膜磁気ヘッドの製造方法に適用した一形態を示すフローチャート及び概略図である。
図8(A)によれば、最初に、スライダ用の基板ウエハの素子形成面に、データ読み出し用のMR効果素子を形成する(ステップSm1)。次いで、データ書き込み用の電磁コイル素子を形成する(ステップSm2)。その後、これらの素子を保護するための被覆層と、これらの素子に電気的に接続される信号端子電極とを形成する(ステップSm3)。以上により、ウエハ薄膜工程が終了する。ここで、図8(B)によれば、ウエハ薄膜工程が終了した基板ウエハ60上には、MR効果素子と電磁コイル素子と信号端子電極とを含む素子パターン61が、マトリクス状に並んでいる。
次いで、図8(A)に戻って、ウエハ薄膜工程が終了したウエハ基板を、樹脂等を用いて切断分離用治具に接着して切断し、複数のヘッド素子が列状に並んだ加工バーを切り出す(ステップSm4)。その後、この加工バーを樹脂等を用いて研磨用治具に接着し、この加工バーに、ABSの位置及びMR効果積層体のMRハイト(ABSに垂直な方向の長さ)を決定するMRハイト加工としての研磨を施す(ステップSm5)。
本発明によるスメアの除去方法を適用する場合、この除去方法を、この研磨(ステップSm5)の後に行うことが好ましい。これにより、この研磨の際に、万が一、スメアが発生していないかどうかを判定することが可能となり、さらに、保護膜の形成前にスメアを除去可能となる。この場合、この研磨(ステップSm5)の後、MRハイト加工が施された加工バーの各MR効果素子に対して、電気抵抗値の測定を行い、スメアの有無を判定する。ここで、図8(C)に示すように、加工バー62に形成された各MR効果素子の信号端子電極に、電圧印加及び抵抗測定回路に接続されたプローブ63を接触させて判定を行う。この判定は、図7(A)〜(D)において述べたように、電気抵抗値と上述した下限規定値とを比較し、又は電気抵抗の極小値を示す振る舞いがあるか否かを調べることによって実施可能となる。図8(A)に戻って、スメアが発生していると判定された場合、MR効果素子用の信号端子電極を介してMR効果素子の上下部電極層間に、電気抵抗値が上述した上限規定値に達するまでストレス電圧を印加し、焼き切ることによってこのスメアを除去する(ステップSm6)。
次いで、スメアを除去した後、焼き切られたスメアの残留物を除去するため、研磨(ステップSm5)を施した面を洗浄することが好ましい(ステップSm7)。この洗浄として、例えば、純水中における超音波洗浄を用いることができる。その後、研磨を施した面に、MR効果素子端及び電磁コイル素子端を保護するための、例えばDLC等からなる保護膜を形成する(ステップSm8)。次いで、保護膜が形成された加工バーを樹脂等を用いてレール形成用治具に接着し、フォトリソグラフィ法及びイオンビームエッチング法等を用いてABSにレールを形成する加工を行う(ステップSm9)。その後、レールが形成された加工バーを、樹脂等を用いて切断用治具に接着し、溝入れ処理を行った後に切断し、個々のスライダ(薄膜磁気ヘッド)への分離を行う(ステップSm10)。これにより、スライダを形成する機械加工工程が終了するとともに、薄膜磁気ヘッドの製造工程が完了する。
このように、本発明によるスメアの除去方法を薄膜磁気ヘッドの製造方法に適用した場合、特殊な調整が必要な手間のかかる工程を経ずに、スメアが除去可能であることが理解される。
図9は、スメアが発生した薄膜磁気ヘッドに対してスメアの除去を行った実施例を示すグラフである。ここで、薄膜磁気ヘッドは、トンネルバリア層がAlであるTMR効果素子を備えていた。また、同図において、横軸はストレス電圧であり、縦軸はこのTMR効果素子の電気抵抗である。
本実施例として、読み出し動作が不良となった磁気記録再生装置の薄膜磁気ヘッドを用いた。このヘッドが有するMR効果素子の電気抵抗値は、270.0Ωであった。ここで、図6(E)から求められたように、読み出し動作が不良となる前における初期の電気抵抗値346.3Ωの93%、すなわち322.1Ωを下限規定値とすると、この電気抵抗値270.0Ωは、この下限規定値よりも大幅に小さくなっていることが分かる。これによりスメアが発生していると判定された。そこで、このMR効果素子の信号端子電極間に、パルス幅が1秒であるパルス状のストレス電圧を印加し、パルス電圧値を徐々に増加させた。
図9によれば、このパルス電圧が500mVに達したところで、MR効果素子の電気抵抗値が大幅に回復した。ここで、図6(C)から求められたように、読み出し動作が不良となる前における初期の電気抵抗値346.3Ωの97.8%、すなわち338.7Ωを上限規定値とすると、パルス電圧が500mVに達した際の電気抵抗値344.3Ωは、この上限規定値を上回っていた。これにより、スメアが焼き切られて除去されたことが確認された。
以上により、本発明のスメア除去方法、及びこのスメア除去の機能を備えた磁気記録再生装置は、スメアを検出し、さらに除去するのに非常に有効であることが理解される。
以上述べた実施形態は全て、本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は、他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
本発明による磁気記録再生装置の一実施形態における構成を概略的に示す斜視図である。 薄膜磁気ヘッドの要部の構成を概略的に示す、図1のa−a線断面図である。 MR効果積層体の一実施形態における層構成を概略的に示す、図2のヘッド端面側から見たb−b線断面図である。 本発明による磁気記録再生装置が備えている記録再生及びスメア除去制御回路の一実施形態を、概略的に示す回路ブロック図である。 ストレス電圧をMR効果素子に印加した際の素子の電気抵抗及び出力電圧を測定した例を示すグラフである。 種々の規格のTMR効果素子において素子破壊電圧を測定した結果を示すグラフと、スメアが存在する素子における平均的なストレス電圧と電気抵抗との関係を示すグラフと、種々の規格のTMR効果素子であってスメアが存在することにより電気抵抗が低下している素子におけるストレス電圧と電気抵抗との関係を示すグラフとである。 本発明によるスメアの除去方法における種々の実施形態を示すフローチャートである。 本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法の一実施形態を示すフローチャート及び概略図である。 スメアが発生した薄膜磁気ヘッドに対してスメアの除去を行った実施例を示すグラフである。
符号の説明
10 磁気ディスク
11 スピンドルモータ
12 アセンブリキャリッジ装置
13 記録再生及びスメア除去制御回路
14 駆動アーム
15 VCM
16 ピボットベアリング軸
17 HGA
20 サスペンション
21 薄膜磁気ヘッド
210 スライダ基板
22 ロードビーム
23 フレクシャ
24 ベースプレート
25 配線部材
30 ABS
31 素子形成面
33 MR効果素子
330 下部電極層
332 MR効果積層体
333 絶縁層
334 上部電極層
34 電磁コイル素子
340 主磁極層
343 書き込みコイル層
345 補助磁極層
3450 トレーリングシールド部
35 信号端子電極
36 バッキングコイル部
37 素子間シールド層
39 被覆層
40 下部金属層
41 下地層
42 反強磁性層
43 磁化固定層
44 トンネルバリア層
45 磁化自由層
46 上部金属層
47 ハードバイアス層
48 絶縁層
49 スメア
50 電圧印加及び抵抗測定回路
51 判定回路
52 HDC
53 ヘッドアンプ
54 R/Wチャネル
55 インターフェース
56 電圧印加用スイッチ
60 基板ウエハ
61 素子パターン
62 加工バー
63 プローブ

Claims (24)

  1. 感磁部である磁気抵抗効果積層体を間に挟む2つの電極層を有するデータ読み出し用の磁気抵抗効果素子を備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、該2つの電極層間に、該磁気抵抗効果素子の破壊電圧未満のストレス電圧を印加してスメアを焼き切ることを特徴とする薄膜磁気ヘッドのスメア除去方法。
  2. 前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗又は出力電圧を測定しながら前記ストレス電圧を印加し、該電気抵抗又は出力電圧の値が、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値から規定される上限規定値に増大しながら達するまで、該ストレス電圧を増加させることを特徴とする請求項1に記載のスメア除去方法。
  3. 前記磁気抵抗効果素子の非磁性中間層がアルミナを含む場合に、前記上限規定値を、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値の少なくとも97.8%の値とすることを特徴とする請求項2に記載のスメア除去方法。
  4. 前記磁気抵抗効果素子の非磁性中間層がアルミナを含む場合に、前記ストレス電圧を515mV以下とすることを特徴とする請求項2又は3に記載のスメア除去方法。
  5. 前記磁気抵抗効果素子の非磁性中間層がマグネシアを含む場合に、前記上限規定値を、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値の少なくとも97.3%の値とすることを特徴とする請求項2に記載のスメア除去方法。
  6. 前記磁気抵抗効果素子の非磁性中間層がマグネシアを含む場合に、前記ストレス電圧を527mV以下とすることを特徴とする請求項2又は5に記載のスメア除去方法。
  7. 前記ストレス電圧を印加する前に、前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗又は出力電圧を測定し、測定した該電気抵抗又は出力電圧の値が、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値から規定される下限規定値よりも小さい場合に、該磁気抵抗効果素子の前記2つの電極層間に、前記ストレス電圧を印加することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のスメア除去方法。
  8. 前記下限規定値を、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値の93%の値とすることを特徴とする請求項7に記載のスメア除去方法。
  9. 前記ストレス電圧が、時間とともに値が増加する連続的な電圧であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のスメア除去方法。
  10. 前記ストレス電圧が、パルス状の電圧であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のスメア除去方法。
  11. 感磁部である磁気抵抗効果積層体を間に挟む2つの電極層を有するデータ読み出し用の磁気抵抗効果素子を備えた薄膜磁気ヘッドであって、スメアの発生によってデータの読み出しが正常にできなくなった薄膜磁気ヘッドにおいて、該2つの電極層間に、該磁気抵抗効果素子の破壊電圧未満のストレス電圧を印加し、該スメアを焼き切ることによって除去し、その後、スメアが除去された該薄膜磁気ヘッドを用いてデータの読み出しを行い、読み出されたデータをバックアップ用の磁気ディスク装置又はメモリに保存することを特徴とするデータのバックアップ方法。
  12. 少なくとも1つの磁気記録媒体と、
    前記少なくとも1つの磁気記録媒体からデータの読み出すための、感磁部である磁気抵抗効果積層体を間に挟む2つの電極層を有する磁気抵抗効果素子を備えた薄膜磁気ヘッドが、自身の先端部に装着された少なくとも1つのヘッドジンバルアセンブリと、
    前記2つの電極層間にスメア除去用のストレス電圧を印加し、さらに、前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗又は出力電圧を測定するための電圧印加及び抵抗測定回路と、
    前記電圧印加及び抵抗測定回路における電気抵抗又は出力電圧の測定結果に基づいて、前記ストレス電圧の印加の要不要、開始時点又は終了時点を判定するための判定回路と、
    前記判定回路における判定結果を受けて、前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗又は出力電圧の値の情報、スメアによるエラー情報又はスメア除去の情報を、インターフェースを介して外部に出力し、さらに、前記電圧印加及び抵抗測定回路の電圧印加動作及び抵抗測定動作を制御するためのコントローラと
    を備えていることを特徴とする磁気記録再生装置。
  13. 前記電圧印加及び抵抗測定回路が、前記2つの電極層間の電気抵抗又は出力電圧を測定しながら前記ストレス電圧を印加し、前記判定回路が、該電気抵抗又は出力電圧の値が初期の正常な電気抵抗又は出力電圧の値から規定される上限規定値に達するか否かを判定し、前記コントローラが、該電気抵抗又は出力電圧の値が該上限規定値に達したとの判定を受けた場合に、該電圧印加及び抵抗測定回路に該ストレス電圧の印加の終了を指示することを特徴とする請求項12に記載の磁気記録再生装置。
  14. 前記磁気抵抗効果素子の非磁性中間層がアルミナを含んでおり、前記上限規定値が、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値の少なくとも97.8%であることを特徴とする請求項13に記載の磁気記録再生装置。
  15. 前記磁気抵抗効果素子の非磁性中間層がアルミナを含んでおり、前記ストレス電圧が515mV以下であることを特徴とする請求項13又は14に記載の磁気記録再生装置。
  16. 前記磁気抵抗効果素子の非磁性中間層がマグネシアを含んでおり、前記上限規定値が、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値の少なくとも97.3%であることを特徴とする請求項13に記載の磁気記録再生装置。
  17. 前記磁気抵抗効果素子の非磁性中間層がマグネシアを含んでおり、前記ストレス電圧が527mV以下であることを特徴とする請求項13又は16に記載の磁気記録再生装置。
  18. 前記電圧印加及び抵抗測定回路が、前記ストレス電圧を印加する前に前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗又は出力電圧を測定し、前記判定回路が、該電気抵抗又は出力電圧の値が初期の正常な電気抵抗又は出力電圧の値から規定される下限規定値よりも小さいか否かを判定し、前記コントローラが、該電気抵抗又は出力電圧の値が該下限規定値よりも小さいとの判定を受けた場合に、該電圧印加及び抵抗測定回路に前記ストレス電圧の印加の開始を指示することを特徴とする請求項12から17のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
  19. 前記下限規定値が、スメアの存在しない正常な場合の電気抵抗又は出力電圧の値の93%の値であることを特徴とする請求項18に記載の磁気記録再生装置。
  20. 前記電圧印加及び抵抗測定回路が印加する前記ストレス電圧が、時間とともに値が増加する連続的な電圧であることを特徴とする請求項12から19のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
  21. 前記電圧印加及び抵抗測定回路が印加する前記ストレス電圧が、パルス状の電圧であることを特徴とする請求項12から19のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
  22. 前記電圧印加及び抵抗測定回路が、スメアの発生によってデータの読み出しができなくなった前記磁気抵抗効果素子の前記2つの電極層間に、前記ストレス電圧を印加して該スメアを除去し、スメアが除去された該磁気抵抗効果素子がデータの読み出しを行い、前記コントローラが、読み出されたデータをバックアップ用の磁気ディスク装置又はメモリに送信することを特徴とする請求項12から21のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
  23. 前記電圧印加及び抵抗測定回路に接続されており、外部から電圧印加動作又は抵抗測定動作を指示するための電圧印加用スイッチをさらに備えていることを特徴とする請求項12〜17のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
  24. 前記磁気抵抗効果素子がトンネル磁気抵抗効果素子であることを特徴とする請求項12から23のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
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