JP2008269361A - データ収集方法およびデータ収集システム - Google Patents

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Abstract

【課題】環境試料の採取、前処理、試料調製、測定・分析時の採取時情報や、試料処理情報や、測定結果情報を一貫して管理できるデータ収集方法およびデータ収集システムを提供する。
【解決手段】前処理に供する試料を収納したRFIDタグ12Bを貼付された第1の容器44Aと、前処理後の試料を収納するRFIDタグ12Cを貼付された第2の容器44Bとを、前処理に用いる試料処理装置50Cの近くに一旦配置し、試料処理装置50C、RFIDタグ12B、およびRFIDタグ12Cと、通信可能な第1の端末装置9Cを用い、第1の容器44Aおよび第2の容器44Bに貼付されたそれぞれのRFIDタグ12B、12CのID情報を取得し、試料処理装置50Cから取得した試料処理情報にRFIDタグ12B、12CのID情報を関係付け、通信回線を通じて分析センタサーバ6に取得された試料処理情報を送信する。
【選択図】図7

Description

本発明は環境試料を採取して、前処理および試料調製をし、調製された測定試料を測定して環境試料を分析する場合のデータ収集方法およびデータ収集に用いるデータ収集システムに関する。
環境等における有害物質検知、環境監視、放射能監視のために空気、水、土壌、植物等の環境試料を採取し、その採取された環境試料を分析し、環境等における有害物質濃度データ、放射能核種、その強度等のデータを蓄積し、季節変化、経年変化、突発事故等を監視するに当たっては、普段から継続的に膨大な数の環境試料を測定・分析する必要がある。
しかしながら、環境試料の採取環境のデータ、例えば、場所に係る情報も緯度経度高度のデータだけでなく、水田、畑地、河川、海浜等の地相等の情報、採取時の気象情報(例えば、気温、気圧、湿度等)も必要である。
また、採取試料そのものの形状、様態等の情報も記録しておき、最終的な測定・分析結果を解釈する上で必要なデータを採取試料に応じて採取時に記録しておく必要がある。
さらに、採取された環境試料は、測定・分析に都合の良い形態に変換したり分離濃縮したりする必要があり、環境試料ごとに適した前処理や試料調製を行なう。そして、前処理や試料調製の記録は、環境試料ごとに残し、適正な処理が行なわれて測定・分析された結果であること示し、測定・分析結果の品質を保つ必要がある。
工場における製品が完成するまでの製品管理における情報の収集方法においてRFIDタグを利用する方法が特許文献1に記載されている。
特開2006−318193号公報
前記のように環境試料の測定・分析の作業を専門に行なう分析センタには多くの環境試料が集まるので、効率的に処理しながらも、1つの環境試料に対応するデータは、他の環境試料のデータと取り違えられたりしないようにコントロールする必要がある。
しかも、前記したような環境試料を採取時の前記採取環境のデータ、採取試料そのものの様態等の情報、前処理や試料調製の記録は、従来手書きであった。また、環境試料の前処理や試料調製の段階で別の容器に次々と移し変えられるので、その都度、扱っている環境試料の識別をするための識別符号を書き込んだシールを容器に貼り付けて、環境試料の取り違えを防止する処置が必要であり、環境試料の識別をするための識別符号を書き込んだシール貼りは、多数の環境試料を測定・分析する上で煩雑な作業であった。
前記特許文献1における情報の収集方法においては、製品に貼付されたRFIDタグはラインへの導入のときから完成まで一貫して同じRFIDタグで追跡可能であり、製品組み立て段階で新たに組み込まれる部品の情報を追加する場合は、製品のRFIDタグのID情報に関係付けて部品に付けられたRFIDタグのID情報を追加すれば簡単に関係付けられるので、製品に組み込まれる部品の履歴情報を蓄積していくのは容易である。
しかしながら、環境試料を測定・分析するための前処理、試料調製の段階で試料を扱う容器は次々と変わるので、たとえ容器にRFIDタグが貼付されていても前記特許文献1に記載されたような情報の収集方法では、前処理、試料調製の段階で発生する記録情報を、受け入れた環境試料に対して一貫して関係付けるには煩雑な手作業なしでは難しかった。
本発明の目的は、このような手書き作業や、容器内の環境試料の識別のためのシール貼り作業等の煩雑な作業を大幅に低減し、環境試料の採取、前処理、試料調製、測定・分析の各段階の採取時情報や、試料処理情報や、測定結果情報を一貫して管理できるデータ収集方法およびデータ収集システム[ユビキタスネットワークシステム]を提供することにある。
前記目的を達成するために、第1の発明のデータ収集方法は、RFIDタグを貼付された採取容器に環境試料を採取し、RFIDタグと通信可能なRFIDタグリーダと、環境試料を採取した環境を画像情報として取得する撮像手段と、環境試料を採取した位置情報を取得する位置情報取得手段と、RFIDタグのID情報、画像情報、位置情報を含む収集した情報を送受信可能な通信手段とを有する携帯端末を用い、携帯端末は、採取容器に貼付されたRFIDタグのID情報を取得し、撮像手段で取得した画像情報、位置情報取得手段で取得した位置情報にそれぞれRFIDタグのID情報を関係付け、さらに気象情報を取得する気象情報取得装置からの気象情報を、通信手段を介して取得し、取得した気象情報をRFIDタグのID情報と関係付けることを特徴とする。
第2の発明のデータ収集方法は、前処理または試料調製に供する試料を収納したRFIDタグを貼付された第1の容器と、前処理後または試料調製後の試料を収納するRFIDタグを貼付された第2の容器とを、前処理または試料調製に用いる試料処理装置の近くに一旦配置し、試料処理装置との通信、第1の容器に貼付されたRFIDタグ、および第2の容器に貼付されたRFIDタグとの通信がそれぞれ可能な第1の端末装置を用い、第1の端末装置は、試料処理装置から試料の前処理または試料調製に関する情報を取得するとともに、第1の容器および第2の容器に貼付されたそれぞれのRFIDタグのID情報を取得し、試料処理装置から取得した試料処理情報にそれぞれ第1の容器および第2の容器に貼付されたRFIDタグのID情報を関係付け、通信回線を通じてデータ収集サーバに取得された試料処理情報を送信することを特徴とする。
第3の発明のデータ収集方法は、第2の発明の構成に加え、試料調製された測定試料を載せたRFIDタグを貼付された第2の容器である測定容器を、測定試料を測定する測定装置の近くに一旦配置し、測定装置との通信、および測定容器に貼付されたRFIDタグとの通信がそれぞれ可能な第2の端末装置を用い、第2の端末装置は、測定装置から測定試料に対する測定結果情報取得するとともに、測定容器に貼付されたRFIDタグのID情報を取得し、測定装置から取得した測定結果情報に測定容器に貼付されたRFIDタグのID情報を関係付け、通信回線を通じてデータ収集サーバに取得された測定結果情報を送信することを特徴とする。
本発明は、前記第1の発明から第3の発明のデータ収集方法を用いるデータ収集システムを含む。
本発明よれば、手書き作業や、容器内の環境試料の識別のためのシール貼り作業等の煩雑な作業を大幅に低減し、環境試料の採取、前処理、試料調製、測定・分析時の採取時情報や、試料処理情報や、測定結果情報を一貫して管理できるデータ収集方法およびデータ収集システムを提供できる。
先ず、環境試料の採取と測定・分析の目的を説明する。
《環境試料の採取、測定・分析の目的》
環境中には自然界には存在しない人工合成化学物質、人工核物質等が拡散され、微量でも人体に蓄積することにより害を及ぼすものがある。従って、それらの物質の量を、人間の食糧となる植物、動物、魚貝類等だけでなく、空気、土壌、湖沼や河川や海の水等の環境試料を採取してそれらの量を測定することが大切である。
例えば、生活環境に存在する放射能を測定する場合を例に、図1を参照しながら環境試料の採取から測定・分析までの流れの概要を説明する。生活環境に存在する放射能を測定する場合、特定地点における所定の一定期間ごとに、例えば、〔ステップS1〕1ヶ月ごとに液体、固体、エアロゾルを含む大気浮遊塵等の環境試料を採取(試料採取)し、〔ステップS2〕環境試料に対して必要に応じてろ過、灰化、溶解、蒸発乾固等の前処理をし、さらに、〔ステップS3〕共沈乾固、フィルタ分離等の試料調製をして、(ステップS4)放射線検出装置で測定し、放射線の種類や放出放射線のエネルギ等から放射性核種の特定、放射能強度の定量(α壊変物質の定性、定量)を行なう(測定・分析)。そして、(ステップS5)さらにその結果を用いて、例えば、大気浮遊塵の放射能測定結果から、人が呼吸することによって内部被曝する量を評価したり、核実験によって生じた人工元素の有無を調べたりする(解析評価)。
なお、〔ステップS3〕の試料調製の段階では化学分離し、必要に応じ液体シンチレータを混合して測定試料を調製(化学分離、液シン混和)し、〔ステップS4〕の測定の段階で液体シンチレションカウンタによる放射線測定またはICP−MASS(Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometry:誘導結合プラズマ−質量分析)測定を行なうこともある。
このような環境放射能の測定は、季節変動があるのでその影響を取り除いて、長時間にわたる環境放射能の経時的変化を見極めて、異常の有無を判定する必要がある。
また、核施設や核実験による大気中への放射能の放出の有無、湖沼や河川や海の水への放射能の放出の有無の調査では、植物や魚介類、海草への蓄積、土壌や水底のヘドロ等への蓄積効果等を考慮して長期にわたる環境試料の採取と放射能測定の結果の蓄積が必要となる。
このように環境放射能の測定には多数の環境試料の採取とその測定・分析や、測定・分析結果の蓄積が必要である。
そして、蓄積された各観測地点での測定・分析結果の経時的変化を解析・評価することにより特定の観測地点における異常の検知ができ、また観測地点間の測定・分析結果の比較により、各地点における環境放射能の特異性が解析・評価できる。
つまり、環境放射能は火山噴火、黄砂、降水量等気象の影響をも受け、必ずしも核施設からの放射能放出や核実験にだけ影響されるものではない。
《データ収集システム》
以下に、前記のような多種多量の環境試料の放射能を測定・分析する場合を例に、図を参照しながら本発明の実施の形態に係るデータ収集システムを説明する。
(全体概要)
図2は環境放射能を測定・分析するためのデータ収集システムの全体概要を示す図である。本データ収集システム500は、空間的な配置構成としては、環境試料採取地点100と、分析センタ200と、統括管理センタ300とから構成される。そして、環境試料採取地点100には、作業者18Aが携帯端末2を携行して行き、環境試料13Aの採取にともなう各種情報を携帯端末2から無線基地局3を有するネットワーク4を介して分析センタ200の分析センタサーバ(データ収集サーバ)6に送信する。
環境試料は各種の様態をしているが、ここでは後記する葉菜試料13Aを例に示してある。
採取作業者18Aは、採取した環境試料13Aを採取容器11Aに入れて、トランスファーカード17を添えて分析センタ200に持ち込む。
分析センタ200では、複数の測定・分析作業者18Bが持ち込まれた環境試料13Aを、例えば、前処理、試料調製、測定・分析、測定・分析結果の報告書作成等の作業を流れ作業的に分担して行なう。測定・分析された結果は、前記前処理、試料調製、測定・分析等の各段階における作業記録情報を付して分析センタサーバ6のデータベース6aに格納される。
そして、環境試料の受け入れ、前記前処理、試料調製、測定・分析等の各段階の作業をした作業者18Bとは異なる管理作業者18Cが環境試料13Aの採取にともなう各種情報、前処理、試料調製、測定・分析等の各段階における作業記録情報を点検して、各段階での作業に不具合が無ければ、測定・分析結果を統括管理センタ300の中央サーバ1にネットワーク4を介して送信し、データベース1aに格納させる。
統括管理センタ300では、各分析センタ200から送信された測定・分析結果の報告を中央サーバ1で受信し、データベース1aに格納するとともに、環境試料が継続的な監視地点のものであればその地点における新しい追加データとして時系列的表示グラフの新たなプロットデータとする。また、現在から所定期間遡った時点までの最寄りの測定結果を地図上に数値で表示したりする。そしてこれらの測定結果を公開し、各地の自治体の関係機関、研究者等が利用可能とする。
以下に、前記した環境試料採取地点100および分析センタ200におけるデータ収集方法を詳細に説明する。
(環境試料採取地点におけるデータ収集)
次に図2から図6を参照しながら環境試料採取地点100におけるデータ収集方法について説明する。
図3は環境試料採取の時に用いる携帯端末の機能構成の概要を示すブロック図であり、図4は携帯端末で各種情報を収集する方法を説明する図である。図3に示すように携帯端末2は、図示しないCPU、メモリおよび周辺回路と、カメラレンズ23、各種キー25aを有する操作部25、液晶等を用いた表示部27、アンテナ21A、21B、21Cを備えている。そして、CPUはメモリに格納されたプログラムにより、機能構成として携帯端末2全体を制御する制御部31、カメラレンズ23を通して得られる影像を電子情報である画像情報に変換するカメラ部33、アンテナ21Aを介してRFIDタグ12A、12P(図2参照)と通信するRFIDタグ・リーダライタ(RFIDタグR/W)35、アンテナ21Bを介してGPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信して位置情報である緯度、経度、高度を算出して取得するGPS部37、アンテナ21Cを介して無線基地局3(図2参照)や気象測定装置41や温度計43と通信可能とする通信部39を有している。
携帯端末2の形状は、図4に示すような折りたたみ型の携帯電話のような形態が便利である。
カメラレンズ23とカメラ部33は請求項における撮像手段に、RFIDタグR/W35はRFIDタグリーダに、GPS部37は位置情報取得手段に、通信部39は通信手段に、気象測定装置41は気象情報取得装置に、それぞれ対応している。
制御部31は、作業者18Aが操作部25を操作するのに応じて、前記各種機能部を制御する。
カメラレンズ23を通した影像は、カメラ付き携帯電話と同様に操作部25の操作を介して制御部31に制御されて、カメラ部33により取り込まれ、図示しないメモリに記憶される。必要に応じ取得された画像情報は操作部25の操作により表示部27に表示され、作業者18Aが確認可能となっている。
例えば、図4に示すように手前に小川121があり、その向こうに葉物野菜125が植わった野菜畑123が広がり、その葉物野菜125を環境試料13Aとして、畑地の土壌を環境試料13Bとして、小川121の水を環境試料13Cとして採取する場合に、作業者18Aの操作部25の操作に応じて、採取地点の様子や野菜125の様態や、土壌の粒状や色、小川121の様態等を画像情報としてメモリに取り込む。
また、作業者18Aの操作部25の操作に応じて、現在位置の緯度、経度、高度(GPSロケーション情報)をGPS部37で取得し、気温、気圧、湿度を測定する気象測定装置41からの前記測定値(気象情報)を、通信部39を介して取得して、それぞれメモリに取り込む。必要に応じて温度計43の水温、地中温度等の測定値を、通信部39を介してメモリに取り込む。
ちなみに、気象測定装置41は測定値を表示する表示部41aを有し、温度計43は、棒状のセンサ部43aと測定値を表示する表示部43bをそれぞれ備えている。気象測定装置41および温度計43を作動状態にすると、測定値を自動的に微弱電波で測定値に識別符号を付したデジタル信号を発信し、携帯端末2側では通信部39を介して前記信号を受信し、制御部31が識別符号でその信号が何の測定値かを判別して表示部27に表示する。作業者18Aが表示された測定値(その他の測定情報)が安定した、つまり、平衡状態に達した測定値であることを確認して、操作部25を操作するのを受けて、識別符号を付して各測定値をメモリに取り込む。
次いで、作業者18Aは、操作部25操作してRFIDタグR/W35を起動し、自分の携帯している従業員カード19(図2参照)埋め込まれているRFIDタグ12PからID情報(担当者名情報)を読み取り、メモリに取り込む。同様に、環境試料13A、13B、13Cを入れたそれぞれの採取容器11A、11A、11Bに貼付されたRFIDタグ12AのID情報(採取容器ID)を同様にメモリに取り込む。
ちなみに、RFIDタグ12A、12Pは読み出し専用のRFIDタグであり、製造時に識別コード(ID情報)が書き込まれている。従って、あらかじめRFIDタグ12PのID情報は、従業員氏名等の所要のデータと関係付けて、分析センタサーバ6のデータベース6aに登録しておくことで、作業者18Aを識別できる。また、採取容器11A、11A、11Bに貼付されたRFIDタグ12Aはそれぞれ異なるID情報を書き込まれているので、容器を個別に識別できる。
その後、作業者18Aは、操作部25を操作して、必要に応じて顧客コード、受注コード等を操作部25から入力し、取得した前記画像情報、GPSロケーション情報、気象情報(気温、気圧、湿度)、その他の測定情報(例えば、水温、地中温度等)、採取日時情報を前記作業員情報、採取容器IDをラベル付けして、通信部39を介して無線基地局3(図2参照)、ネットワーク4経由で分析センタ200の分析センタサーバ6に送信し、データベース6aに格納させる。
ちなみに、採取日時情報は、通常の携帯電話やパーソナルコンピュータが有するカレンダ・時計機能と同様の機能により容易に生成できる。
なお、携帯端末2から分析センタ200に送る情報の中に、文字情報や音声情報を加えても良い。文字情報の場合は操作部25からキー25aの操作で入力できるようにすれば良い。音声情報の場合は携帯端末2に小型マイク24と、マイク24で取得した音声信号をデジタル信号の音声情報に変換してメモリに取り込む機能構成部としての音声情報取得部34と、メモリに記憶された音声情報を音声信号に変換する機能構成部としての音声出力部36と、スピーカ26とを備えれば良い。この文字情報や音声情報を分析センタサーバ6に送信する場合も、前記作業員情報、採取容器IDをラベル付けして送信する。
このように、環境試料13(環境試料13A、13B、13Cを区別する必要がない場合は環境試料13と総称する)採取したときに、作業者18Aは、ほとんど手書き入力を必要とせず、環境試料採取地点100の様子や採取した環境試料13の様態を画像情報で記録でき、必要に応じて音声情報で地名や追加情報を記録し、前記作業員情報、採取容器IDでラベル付けして分析センタ200に送信することにより、簡便なデータ収集ができる。
さらに、環境試料13採取後の各種処理ごとに環境試料13を分析センタ200の分析者18B(図2参照)が識別するために用いる顧客や環境試料採取地点や環境試料の様態(葉菜、土壌、水等)等を従来手書きで記載した紙製等のトランスファーカードの代わりに、電子ペーパー型式のトランスファーカード17を用い、携帯端末2から分析センタ200に送信したのと同じ内容の情報をトランスファーカード17にダウンロードする。
トランスファーカード17は、図示しない駆動用マイクロプロセッサ、無線LAN通信モジュール、ROM、RAM、フラッシュメモリ、バッテリ、アンテナを内蔵し、操作部17aと電子ペーパーパネル17bを備えている。スピーカを備えていても良い。操作部17aの図示しないキー操作によりオン、オフ操作、表示ページ更新ができる。電子ペーパーパネル17bは、オフ状態でも表示が維持されるタイプのものである。トランスファーカード17のROMには、トランスファーカード17を識別するための識別符号であるトランスファーカードIDが書き込まれている。
なお、本実施の形態においては、環境試料採取地点100においてトランスファーカード17に携帯端末2から分析センタ200に送信したのと同じ内容の情報を形態端末2からダウンロードすることとしたが、この時点では前記内容の情報のダウンロードをせず、後記する分析センタ200における受け入れ手続きの段階で、分析センタサーバ6から前記内容の情報のダウンロードを行なっても良い。
図5は環境試料を採取する採取容器等の形状を説明する図であり、(a)および(b)は葉菜試料や土壌試料の場合の採取容器を示す図であり、(c)は液体試料の場合の採取容器を示す図であり、(d)はエアロゾル捕集フィルタを示す図であり、(e)は試料調製のときに用いられる電着捕集板を示す図であり、(f)は捕集材を収納する収納容器を示す図である。
図5の(a)、(b)に示すように葉菜や土壌を採取する採取容器11Aは、広口瓶の形状の、例えば、ガラス製またはポリエチレン製の容器であり、本体11aと蓋11bからなり密封できる容器である。採取容器11Aのくびれた部分にRFIDタグ12Aが貼付されている。ちなみに、図2、図4、図5に示すRFIDタグ12Aおよび後記するRFIDタグ12B、12C、12M、12Pは、例えば、本体のICチップは0.5mm以下の小型のもので、それにアンテナをつけたものである。2.4GHz帯のタグなら、λ/2で5cm、λ/4で2.5cm位の長さである。
図5の(c)に示すように液体を採取する採取容器11Bは、有底の円筒形の本体11cと蓋11dからなり、両者とも、例えば、ポリエチレン製で本体11cの口部外周側と蓋11dの内周側とにねじ溝が設けられ、蓋11dをきつく締めることにより密封できる容器である。採取容器11Bの口部より下側にRFIDタグ12Aが貼付されている。
図5の(d)に示すようにろ紙製の円盤形状のエアロゾル捕集フィルタ14Aは、エアロゾル捕集フィルタ14Aの周縁近くにRFIDタグ12Aが漉き込まれている。図5の(e)に示すように金属薄板製の円盤形状の電着捕集板14Bは、電着捕集板14Bの側面にRFIDタグ12Aが貼付されている。
図5の(f)に示すようにエアロゾル捕集フィルタ14Aや電着捕集板14Bを収納する捕集材収納容器11Cは、有底の薄い厚さの円筒形の本体11eと蓋11fからなり、両者ともポリエチレン製で本体11eの口部外周側と蓋11fの内周側とにねじ溝が設けられ、蓋11fをきつく締めることにより密封できる容器である。容器11Cの蓋11fの上面側にRFIDタグ12Aが貼付されている。
図6の(a)は空気中に浮遊しているエアロゾルを捕集する方法を説明する図であり、(b)はエアロゾル捕集フィルタを環境試料として採取容器に収納してデータ収集を行なう方法を説明する図である。図2、図4の説明と同じ機能、装置等には同じ符号を付し、説明を省略する。
空気中に浮遊するエアロゾル13Dは吸入口を有する吸引ノズル45aと図示しない排気口以外は密閉構造を形成可能な筐体構造の捕集装置45により捕集する。捕集装置45の筐体45bの前面側に設けられた図示しない扉を開けて、エアロゾル捕集フィルタ14Aをセットする。前記扉の裏面は筐体45bの前面側の開口部縁部と密着して密閉可能な構成であり、図示しない吸引ファンを所定時間回転させ、吸引ノズル45aから取り込まれた空気をエアロゾル捕集フィルタ14Aの上面側に導き、エアロゾル捕集フィルタ14Aを上面側から下面側に通過させ、その後吸引ファンの排気を図示しない排気口から排出する。単位時間当たりの空気の吸込み量は、あらかじめ性能仕様として検定されており、運転時間から捕集したエアロゾル13Dに対する空気体積が分かるようになっている。または、排気側に流量計を設けて空気の吸込み量を測定するようにしても良い。
筐体45bの前面側には操作部45cが設けられ、作業者18Aは操作部45cを操作して図示しないタイマを設定して前記吸引ファンを所定時間回転させる。
なお、捕集装置45には図示しない通信機能部が設けられ設定されたタイマ時間が終了すると、単位時間当たりの空気量とタイマ設定時間の値を、それぞれ識別符号を付して発信する構成となっている。
作業者18Aは、タイマ時間が近づいた時点で携帯端末2を動作状態にして通信部39(図3参照)を介してデータ収集可能な状態に設定しておくと、自動的に捕集装置45からの送信データを受信して、表示部27(図3参照)に表示する。作業者18Aが操作部25を操作して受信したデータ(その他の測定情報)をメモリに取り込む。
その後、作業者18Aは、捕集装置45からエアロゾル捕集フィルタ14Aを取り出し、捕集材収納容器11Cに収納し、蓋11fを強く締めて密閉する。
その後作業者18Aは操作部25を操作してRFIDタグR/W35(図3参照)を作動させ携帯端末2を捕集材収納容器11Cに翳すことにより、携帯端末2はエアロゾル捕集フィルタ14AのRFIDタグ12A、捕集材収納容器11Cに貼付されたRFIDタグ12AのそれぞれのID情報をメモリに取り込む。
なお、図2、図4の説明と同様に携帯端末2は気象装置41からの測定値、作業者18Aの従業員カード19のRFIDタグ12PのID情報もメモリに取り込む。
最後に作業者18Aが操作部25を操作して、必要に応じて顧客コード、受注コード等を操作部25から入力するのを携帯端末2は受け付け、取得した前記画像情報、GPSロケーション情報、気象情報(気温、気圧、湿度)、その他の測定情報(例えば、タイマ設定時間、単位時間空気吸込み量)、採取日時情報を前記作業員情報、採取容器IDをラベル付けして、通信部39を介して無線基地局3(図2参照)、ネットワーク4経由で分析センタ200の分析センタサーバ6に送信し、データベース6aに格納させる。また、携帯端末2から分析センタ200に送信したと同じ内容の情報を電子ペーパー型式のトランスファーカード17に送信し、記憶させる。
なお、エアロゾルの捕集を例に前記したが、浮遊塵の捕集も同様に行なうことができる。核実験により発生した人工元素を捕集する場合は、捕集フィルタを取り付けた捕集装置を航空機の機外に取り付け、高層大気中を飛行させて浮遊塵を捕集する。
《分析センタにおけるデータ収集》
(ブースの構成)
次に、図7および図8を参照しながら分析センタ200における作業の流れとデータ収集方法を説明する。図7は分析センタの構成を示す配置図であり、図8はブースに配置される端末装置の機能構成を示すブロック図である。
分析センタサーバ6がゲート5とLAN(Local Area Network)7を介してネットワーク4と接続されている。分析センタサーバ6は、例えば、エンジニアリングワークステーションまたはパーソナルコンピュータであり、図示しない表示装置、キーボード、マウス等の入力装置、記憶装置であるデータベース6aを備えている。
また、分析センタ200における環境試料13A等の受け入れから前処理、試料調製、測定・分析、分析の品質チェックの詳細な作業ステップごとに電磁波遮蔽機能を有するパーティション111で間切られたブース120(図中では120A、120B、120C、120E、120F、120Gと表示)で行なわれ、各ブース120には、LAN7に接続された端末装置9(図7中では9A、9B、9C、9E、9F、9Gと表示)が設置されている。端末装置9は、図8に示すように端末装置9全体を制御する制御部71と、RFIDタグ12(図7中では12A、12B、12C、12D、12E、12Pと表示)とアンテナ21Aを介して通信可能なRFIDタグR/W72と、前記したトランスファーカード17や後記する各処理装置50(図7中では、50A、50C、50Eと表示)とアンテナ21Cを介して通信可能な通信部73と、LAN7を介しての通信やパーソナルコンピュータ8との通信を制御するLAN通信部74と、メモリ76と、表示部9aと、操作部9bと、を備えている。制御部71は、表示部9a、RFIDタグR/W72、通信部73、LAN通信部74と接続され、それらを制御する。
操作部9bは制御部71に、RFIDタグ12およびトランスファーカード17からのID情報やトランスファーカードIDの読み取り指示や、各処理装置50の発信するオン、オフ信号およびに日時情報を受信させる指示を入力し、制御部73にRFIDタグR/W72、通信部73を制御させて、受信した情報をメモリ76に一時記憶させる。そして、操作部9bの操作を受けてLAN通信部74を制御してそれらの情報を分析センタサーバ6に送信させたり、また、トランスファーカード17に通信部73を制御してダウンロードしたりする。そのために、少なくとも、オン/オフボタン81、読み取りボタン82、記録書き込みボタン83が用意されている。
なお、操作部9bに各ボタン81、82、83を設ける代わりに、表示部9aをタッチパネル式の表示部9aとして、端末装置9に搭載するソフトウェアによってアイコンボタンを表示部9aに表示させ、そのアイコンボタンで前記各ボタン81、82、83等の役目をさせても良い。
必要に応じてパーソナルコンピュータ8が端末装置9を介してLAN7に接続されている。パーソナルコンピュータ8は入出力装置として表示装置、キーボード、マウスを備えている。
(受け入れ手続き)
以下に、各ブース120におけるデータ収集の方法を代表的な例で説明する。
例えば、図7に示すようにブース120Aでは、測定・分析作業者18Bがパーソナルコンピュータ8を用いて、環境試料13A(葉菜試料)の受け入れ手続をする。
この作業ステップは後記する図9に示すフローチャートのステップS11に対応する。
ブース120Aには、端末装置9Aと、作業テーブル113Aと、端末装置9Aに接続したパーソナルコンピュータ8とが設置されている。パーソナルコンピュータ8には、受け入れ手続き用のプログラムが搭載されており、端末装置9Aから送信されたRFIDタグ12AのID情報やトランスファーカード17のトランスファーカードIDを受け付けて、自動的にデータベース6aに格納された前記ID情報がラベル付けされた採取容器11Aに環境試料13Aを採取した時にデータベース6aに格納した情報(以下、「採取時情報」と称する)を読み出し、表示装置に表示させることができる。そして、受け入れた環境試料13Aに受け入れ識別コードを付加して、以後の分析センタ200内での記録管理は、受け入れ試料識別コードに従って整理されるように登録できる機能を有している。
なお、測定・分析作業者18BはRFIDタグ12Pが内蔵された従業員カード19を胸に付けている。
以下に、具体的な受け入れ作業時のデータ収集方法を説明する。
測定・分析作業者18Bは、環境試料13Aを入れた採取容器11Aとその環境試料13Aを採取した時に作業員18Aが採取時情報をダウンロードしたトランスファーカード17を作業テーブル113Aに載せる。
測定・分析作業者18Bが操作部9b(図8参照)の読み取りボタン82を操作して、端末装置9Aにトランスファーカード17のトランスファーカードIDと採取容器11Aに貼付されたRFIDタグ12AのID情報と、従業員カード19のRFIDタグ12PのID情報を読み取らせる。読み取られたトランスファーカードID、RFIDタグ12A、12PそれぞれのID情報はメモリ76(図8参照)に一時記憶されるとともに、LAN通信部74を介してパーソナルコンピュータ8にも送信される。
パーソナルコンピュータ8の受け入れ手続き用のプログラムは、データベース6aに格納されたRFIDタグ12AのID情報がラベル付けされた採取時情報を読み出し、表示装置に表示する。
測定・分析作業者18Bは、トランスファーカード17を操作して電子ペーパーパネル17b(図8参照)に表示された内容と表示装置に表示された内容をチェックする。両者の内容に間違いがなければ、キーボードまたはマウスを操作して受け入れ手続き用のプログラムに受け入れ試料識別コードを自動発生させて、受け入れ試料識別コードと、採取容器11AのRFIDタグ12AのID情報およびトランスファーカード17のトランスファーカードIDと、を関係付けて、追加ラベルとして前記採取時情報に付け加え、管理履歴情報として登録する(データベース6aにおける受け入れ試料識別コードの登録)。その際、受け入れ手続き用のプログラムはLAN通信部74を介して端末装置9Aの制御部71に指令を送り、トランスファーカード17にも追加ラベルとして受け入れ試料識別コードと採取容器11AのRFIDタグ12AのID情報との関係付けを書き込ませる(トランスファーカード17への受け入れ試料識別コードの登録)。
以後の分析センタ200内での記録管理は、登録された管理履歴情報に次々と各作業ステップにおける記録情報を追加する形で、受け入れ試料識別コードに従ってなされる。
測定・分析作業者18Bが、操作部9bの記録書き込みボタン83を操作すると登録受け入れ作業記録として前記した受け入れ試料識別コードでラベル付けされて、RFIDタグ12P、RFIDタグ12AそれぞれのID情報、日時情報がデータベース6aに書き込まれるとともに、トランスファーカード17にもダウンロードされる。
もし、一箇所の採取地点において複数の環境試料13A(ここでは例示的に同じ符号とするが、様態の異なる環境試料13B、13Cでも良い)がそれぞれ個別の採取容器11A(ここでは例示的に同じ符号とするが、形状の異なる採取容器11B、11Cでも良い)に採取された場合は、2つ目以降の採取容器11Aを1つずつ作業テーブル113Aに載せ、新たな採取時情報のダウンロードされていないトランスファーカード17を作業テーブル113Aに載せる。そして、再び読み取りボタン82を操作して、端末装置9Aにトランスファーカード17のトランスファーカードIDと採取容器11に貼付されたRFIDタグ12のID情報と、従業員カード19のRFIDタグ12PのID情報を読み取らせる。読み取られたトランスファーカードID、RFIDタグ12A、12PそれぞれのID情報はメモリ76(図8参照)に一時記憶されるとともに、LAN通信部74を介してパーソナルコンピュータ8にも送信される。
パーソナルコンピュータ8の受け入れ手続き用のプログラムは、データベース6aに格納されたRFIDタグ12AのID情報がラベル付けされた採取時情報を読み出し、表示装置に表示する。
測定・分析作業者18Bは、キーボードまたはマウスを操作して受け入れ手続き用のプログラムに受け入れ試料識別コードを自動発生させて、受け入れ試料識別コードと、採取容器11AのRFIDタグ12AのID情報およびトランスファーカード17のトランスファーカードIDと、を関係付けて、追加ラベルとして前記採取時情報に付け加え、管理履歴情報として登録する(データベース6aにおける受け入れ試料識別コードの登録)。その際、受け入れ手続き用のプログラムはLAN通信部74を介して端末装置9Aの制御部71に指令を送り、トランスファーカード17にも追加ラベルとして受け入れ試料識別コードと採取容器11AのRFIDタグ12AのID情報との関係付けを書き込ませる(トランスファーカード17への受け入れ試料識別コードの登録)とともに、データベース6aに格納された採取時情報をも書き込ませる。この、採取時情報をも書き込ませるかどうかの制御部71における判断は、トランスファーカード17に採取時情報が書き込まれているか否かで容易に判定できる。
そして、測定・分析作業者18Bが、操作部9bの記録書き込みボタン83を操作すると登録受け入れ作業記録として前記した受け入れ試料識別コードでラベル付けされて、RFIDタグ12P、RFIDタグ12AそれぞれのID情報、日時情報がデータベース6aに書き込まれるとともに、トランスファーカード17にもダウンロードされる。
これにより、一箇所の採取地点で複数の環境試料13Aを採取した場合でも、個別の容器11Aごとに受け入れ試料識別コードを付与して管理履歴情報を登録でき、以後の分析センタ200内での管理履歴情報を確実に管理できる。
前記した受け入れ手続では、試料識別コードの登録だけを例示的に説明したが、実際には、顧客コードや受注コードによって、例えば、放射線測定、特定有害物質測定、等の測定・分析の目的が異なるので、採取時情報に記録された顧客コードや受注コードに応じて、あらかじめデータベース6aに登録された顧客コードや受注コードと対応付けられた測定・分析対象表を検索して測定・分析対象を判定し、前記管理履歴情報に記録することにより、トランスファーカード17にも測定・分析対象が記録されるので、測定・分析作業者18Bは、トランスファーカード17に表示された測定・分析対象に応じて前処理、試料調製等の作業ステップを行なえば良いので、手書きによる作業指示を記載したトランスファーカードを使う場合に比して、転記ミス等の錯誤を防止できる。
なお、必要に応じて、測定・分析作業者18Bは、採取時情報に含まれる画像情報、音声情報、GPSロケーション情報等から採取地や環境試料の様態等のデータを文字情報やコードに置き換え入力する。
(前処理、試料調製、測定・分析の段階の詳細な作業ステップ)
次に、各処理装置50等を用いた前処理、試料調製、測定・分析の段階の詳細な作業ステップごとの記録のデータ収集方法を、典型例を用いて説明する。
ブース120に設置された処理装置50は、端末装置9の通信部73と通信可能とする通信機能、処理装置50を識別する識別コードやメモリ、オン/オフ信号や、必要に応じて運転データや測定データを、前記通信機能を介して端末装置9の通信部73に送信させる機能を有している。
なお、ここで言う処理装置50は、前処理、試料調製、測定・分析の段階の詳細な作業ステップで用いる電子レンジ、高温灰化装置、マイクロウェーブ分解装置、撹拌装置、遠心分離装置、吸引ろ過装置、レジンカラム分離装置、電着装置、α線測定装置等を代表的に総称したものである。以下の具体的な作業ステップの説明では、それぞれの装置の名称で符号50の後にA、C、E等の符号を加えて用いている。
(灰化処理)
先ず、灰化処理の作業ステップを例に説明する。この作業ステップは後記する図9のフローチャートにおけるステップS14に対応する。
ブース120Bには端末装置9B、高温灰化装置50Aが設置されている。ブース120Bでは測定・分析作業者18Bが、高温灰化装置50Aを用いて環境試料13Aを灰化し、容器44Aに移す作業を行なう。高温灰化装置50Aには、電源オン/オフスイッチ51aとタイマ51bが設けられている。
測定・分析作業者18Bは、環境試料13Aを入れた採取容器11Aと、灰化された試料を入れる空の容器44Aと、トランスファーカード17とを作業テーブル113Bに載せる。空の容器44AにはRFIDタグ12Bが貼付されている。
測定・分析作業者18Bが操作部9b(図8参照)の読み取りボタン82を操作して、端末装置9Aにトランスファーカード17のトランスファーカードIDと採取容器11Aに貼付されたRFIDタグ12AのID情報と、容器44Aに貼付されたRFIDタグ12BのID情報と、従業員カード19のRFIDタグ12PのID情報を読み取らせる。
そして、測定・分析作業者18Bは環境試料13Aを坩堝に移して、その坩堝を高温灰化装置50A内にセットし、電源オン/オフスイッチ51aをオンにし、タイマ51bを所定の時間に設定する。タイマ51bが起動すると高温灰化装置50Aからオン信号が端末装置9Bに送信され、通信部73が受信して、制御部71がオン信号受信の日時を日時情報としてメモリ76に一時記憶させるとともに表示部9aに表示する。タイマ51bの設定時間に達すると高温灰化装置50Aは通電を停止し、高温灰化装置50Aからオフ信号が端末装置9Bに送信される。その後、高温灰化装置50Aの電源オン/オフスイッチ51aはオフ状態となる。通信部73はオフ信号を受信して、制御部71がオフ信号受信の日時を日時情報としてメモリ76に一時記憶させるとともに表示部9aに表示する。
測定・分析作業者18Bは、坩堝を取り出して冷ました後、灰化された試料を容器44Aに移す。そして、測定・分析作業者18Bは操作部9bの記録書き込みボタン83を操作する。制御部71はメモリ76に一時記憶されたID情報を用いてデータベース6aの登録済みのラベルを検索してID情報と関係付けられた受け入れ試料識別コードを見つけ、識別コードのラベルの下に記録情報(試料処理情報)として、採取容器11Aと容器44AそれぞれのRFIDタグ12A、12BのID情報の対応付け、高温灰化装置50Aの識別コード、オンオフ時の日時情報、測定・分析作業者18BのRFIDタグ12PのID情報をデータベース6aに書き込む。その際制御部71は同様の記録情報をトランスファーカード17に書き込む。
こうして、容器44Aに灰化された試料が入れられても、容器44Aは採取容器11Aを介して受け入れ試料識別コードに対応付けられ、一貫した管理が引き継がれる。
ここで容器11Aが本発明の第1の容器に対応し、容器44Aが第2の容器に対応する。
(灰化試料の分解)
次の例は、後記する図9のフローチャートにおけるステップS15に対応する。
ブース120Cには端末装置9C、マイクロウェーブ分解装置50Cが設置されている。ブース120Cでは測定・分析作業者18Bが、灰化された試料に所定の薬品を加えて、マイクロウェーブ分解装置50Cで試料を分解する作業を行なう。マイクロウェーブ分解装置50Cには、電源オン/オフスイッチとタイマが設けられている。
測定・分析作業者18Bは、灰化された試料の容器44Aと、作業用容器44Bと、硝酸フッ化水素混合溶液を入れた容器45Aと、トランスファーカード17とを作業テーブル113Cに載せる。作業用容器44BにはRFIDタグ12Cが、容器45AにはRFIDタグ12Dが、それぞれ貼付されている。
測定・分析作業者18Bが操作部9b(図8参照)の読み取りボタン82を操作して、端末装置9Cにトランスファーカード17のトランスファーカードIDと容器44Aに貼付されたRFIDタグ12BのID情報と、容器44Bに貼付されたRFIDタグ12CのID情報と、容器45Aに貼付されたRFIDタグ12DのID情報と、従業員カード19のRFIDタグ12PのID情報を読み取らせる。
そして、測定・分析作業者18Bは、灰化された試料を容器44Aから容器44Bに移し、容器45Aの硝酸フッ化水素混合溶液を容器44Bに加え、その後溶液を撹拌する。容器44Bをマイクロウェーブ分解装置50C内にセットし、マイクロウェーブ分解装置50Cの電源オン/オフスイッチをオンにし、タイマを所定の時間に設定する。タイマが起動するとマイクロウェーブ分解装置50Cからオン信号が端末装置9Cに送信され、通信部73が受信して、制御部71がオン信号受信の日時を日時情報としてメモリ76に一時記憶させるとともに表示部9aに表示する。タイマの設定時間に達するとマイクロウェーブ分解装置50Cは運転を停止し、マイクロウェーブ分解装置50Cからオフ信号が端末装置9Cに送信される。その後、マイクロウェーブ分解装置50Cの電源オン/オフスイッチはオフ状態となる。通信部73はオフ信号を受信して、制御部71がオフ信号受信の日時を日時情報としてメモリ76に一時記憶させるとともに表示部9aに表示する。
測定・分析作業者18Bは、容器44を取り出す。そして、測定・分析作業者18Bは操作部9bの記録書き込みボタン83を操作する。制御部71はメモリ76に一時記憶されたID情報を用いてデータベース6aの登録済みのラベルを検索してID情報と関係付けられた受け入れ試料識別コードを見つけ、識別コードのラベルの下に記録情報(試料処理情報)として、容器44A、容器44Bおよび容器45AそれぞれのRFIDタグ12B、12C、12DのID情報の対応付け、マイクロウェーブ分解装置50Cの識別コード、オンオフ時の日時情報、測定・分析作業者18BのRFIDタグ12PのID情報をデータベース6aに書き込む。その際制御部71は同様の記録情報をトランスファーカード17に書き込む。
こうして、容器44Bに試料が移されても、容器44Bは採取容器44Aを介して受け入れ試料識別コードに対応付けられ、一貫した管理が引き継がれる。
ここで容器44Aが本発明の第1の容器に対応し、容器44Bが第2の容器に対応する。
(放射線測定)
次の例は、後記する図9のフローチャートにおけるステップS26に対応する。
ブース120Eには端末装置9E、α線測定装置50Eが設置されている。ブース120Eでは測定・分析作業者18Bが、調製された測定試料15を、α線測定装置50Eで測定・分析する作業を行なう。α線測定装置50Eには、電源オン/オフスイッチと各種の動作制御ボタンが設けられている。ここで用いるα線測定装置50Eは、測定室内のガス置換、バックグラウンド測定、試料からのα線測定、核種同定、放射線強度定量等を自動的に行なうことができる放射線測定装置である。そして、測定・分析結果の核種同定、放射線強度定量等の情報をα線測定装置50Eの識別符号を付して端末装置9Eに送信する機能を有している。
測定・分析作業者18Bは、測定試料15を収納した容器43と、トランスファーカード17とを作業テーブル113Eに載せる。容器43にはRFIDタグ12Mが貼付されている。
測定・分析作業者18Bが操作部9b(図8参照)の読み取りボタン82を操作して、端末装置9Eにトランスファーカード17のトランスファーカードIDと容器43に貼付されたRFIDタグ12MのID情報と、従業員カード19のRFIDタグ12PのID情報を読み取らせる。
そして、測定・分析作業者18Bは、容器43の蓋をはずして、容器43をα線測定装置50E内にセットし、測定モードする。α線測定装置50Eが起動するとα線測定装置50Eからオン信号が端末装置9に送信され、通信部73が受信して、制御部71がオン信号受信の日時を日時情報としてメモリ76に一時記憶させるとともに表示部9aに表示する。α線測定装置50Eの測定および分析が終了するとα線測定装置50Eからオフ信号と前記測定・分析結果情報が端末装置9Eに送信される。通信部73はオフ信号および測定・分析結果情報を受信して、制御部71がオフ信号受信の日時を日時情報として測定・分析結果情報(測定結果情報)に加えてメモリ76に一時記憶させるとともに表示部9aに表示する。
測定・分析作業者18Bは、容器43を取り出す。そして、測定・分析作業者18Bは操作部9bの記録書き込みボタン83を操作する。制御部71はメモリ76に一時記憶されたID情報を用いてデータベース6aの登録済みのラベルを検索してID情報と関係付けられた受け入れ試料識別コードを見つけ、識別コードのラベルの下に記録情報として、測定・分析結果情報の識別コード、オンオフ時の日時情報、測定・分析作業者18BのRFIDタグ12PのID情報、測定・分析結果情報をデータベース6aに書き込む。その際制御部71は同様の記録情報をトランスファーカード17に書き込む。
こうして、容器43を介して受け入れ試料識別コードに対応付けられ、α線測定装置50Eの測定・分析結果情報が採取容器11Aから一貫した管理が引き継がれて記録される。
ここで容器43が本発明の第2の容器である測定容器に対応する。
(解析評価、報告書作成)
次の例は、後記する図9のフローチャートにおけるステップS27に対応する。
図7に示すようにブース120Fでは、測定・分析作業者18Bがパーソナルコンピュータ8を用いて、解析評価をして報告書を作成する。
ブース120Fには、端末装置9Fと、作業テーブル113Fと、端末装置9Fに接続したパーソナルコンピュータ8とが設置されている。パーソナルコンピュータ8には、報告書作成用のプログラムが搭載されており、端末装置9Fから送信されたトランスファーカード17のトランスファーカードIDを受け付けて、自動的にデータベース6aに格納された前記トランスファーカードIDが対応付けられた試料識別コードがラベル付けされた管理履歴情報検索できる機能を有している。
測定・分析作業者18Bは、データベース6aから読み出された管理履歴情報中の測定・分析結果情報や環境試料13Aの計量データ等から単位重量当りに含まれるα線放出核種の量を評価し、その結果が基準値を満たしているか等を判断し、評価結果を入力し、報告書作成用のプログラムを用いて報告書を作成し、データベース6aの試料識別コードでラベル付けされた管理履歴情報に記録情報する。
測定・分析作業者18Bは、トランスファーカード17を操作して電子ペーパーパネル17b(図8参照)に表示された内容とデータベース6aから検索されて表示装置に表示された管理履歴情報の内容をチェックすることもできる。
トランスファーカード17を再利用していても、トランスファーカードIDにもとづいて検索される管理履歴情報は、後記する書き込み禁止フラグが立てられていないものだけなので、検索において混乱することはない。
実施の形態における端末装置9A,9B、9Cは本発明の第1の端末装置に、端末装置9Eは第2の端末装置に対応する。
(分析センタにおける試料の前処理、試料調製、測定・分析の詳細な作業の流れの例)
図9は環境試料(葉菜試料)を受け入れた後の分析センタにおける試料の前処理、試料調製、測定・分析の詳細な作業の流れを1例として示したフローチャートである。これらの作業手順は、試料の様態に応じて変えるものであり、基準等によって定められている。
分析センタ200に環境試料13A(図7参照)を受け入れると(ステップS11)、先ず試料13Aの重量を計量する(ステップS12)。その後電子レンジで乾燥させ(ステップS13)、次いで高温灰化装置50A(図7参照)で灰化する(ステップS14)。灰化された試料に硝酸フッ化水素混合溶液を加え、マイクロウェーブ分解装置50C(図7参照)で試料を分解する(ステップS15)。次いで、亜硝酸Na溶液を加え、撹拌、加熱する(ステップS16)。その後、メンブランフィルタで吸引ろ過する(ステップS17)。ステップS12からステップS17までが分析用の試料溶液を得るための第1段階の前処理であり、ステップS17で得られたろ液が分析用の試料溶液である。
試料溶液に三価の水酸化鉄(水酸化鉄(III))を加え(ステップS18)、さらに、水酸化Naを加え、撹拌、加熱後、遠心分離を行なう(ステップS19)。得られた沈殿物に塩酸・アンモニア水を加え、水酸化物沈殿を生成する(ステップS20)。生成された水酸化物沈殿にアンモニア水を加え、加熱・煮沸後、再度遠心分離を行なう(ステップS21)。硝酸等で沈殿物を溶解し、レジンカラム分離溶液とする(ステップS22)。ステップS18からステップS22までがα壊変物質を捕集するための第2段階の前処理である。
レジンカラム分離溶液をレジンカラムに流す(カラム分離)(ステップS23)。レジンカラムに溶離液を流してα壊変物質を溶離(溶離液でα壊変物質を溶離)する(ステップS24)。このステップS23、S24がレジンカラムによる分離という第3段階の前処理である。ステップS25では、α壊変物質の定量が可能なように測定試料を調製するため、ステップS24で溶離した溶液を蒸発乾固させ、ろ紙上に捕集(ろ紙上に蒸発乾固物を捕集)する(ステップS25)。このろ紙上に載せられた蒸発乾固物の形態がα線測定試料15(図7参照)である。
ステップS26では、半導体検出器を用いたα線測定装置50E(図7参照)でα線の測定を行なう。このステップS26の作業で、α線測定装置50Eはα線のエネルギと強度を測定し、α線を放射する核種の特定と、その量を定量できる。
なお、ステップS11からステップS26までの作業記録は、前記のように各ブース120(図7の端末装置9によりデータ収集され、受け入れられた1つの環境試料13Aに対してデータベース6aに累積されていく。
ステップS27では、測定・分析結果の解析評価を行ない、報告を行なう。例えば、作業者18Bは、ブース120Fにおいてパーソナルコンピュータ8を用いて、環境試料13Aの採取時の単位重量に含まれている放射性核種の量を評価し、基準値に対する評価を行ない、電子情報の形の報告書として提出し、データベース6aに登録する。
ステップS28では、作業者18C(図7参照)が、ブース120Gにおいて提出された報告書と、試料採取時の情報および分析センタ200内での試料13A受け入れから報告書作成までの記録情報を、パーソナルコンピュータ8を用いて点検して、過誤や異常が無いかを点検する(分析作業の品質チェック)。異常が無ければ、管理履歴情報を閉じる処理をする。ここで「閉じる処理」とは、これ以上記録の追加や変更ができないように、チェック者である作業者18CのRFIDタグ12PのID情報を付加して、書き込み禁止のフラグを立てる処理である。
ステップS29では、作業者18Cは、分析作業の品質チェックを通過した報告書の評価結果を統括管理センタ300の中央サーバ1に送信する。
最後に作業者18Cはトランスファーカード17(図7参照)に記録されたデータを消去する(電子ペーパーのデータ消去、ステップS30)。そしてトランスファーカード17は、再使用される。
以上、本実施の形態によれば、環境試料採取地点100における採取時情報の分析センタサーバ6へのデータ収集、分析センタ200における環境試料の受け入れ、前処理、試料調製、測定・分析の各詳細な作業ステップにおける記録情報(試料処理情報)や測定・分析結果情報(測定結果情報)の分析センタサーバ6へのデータ収集が、携帯端末2や端末装置9(9A〜9E)を用いることにより、従来は図10の(a)に示すように容器にメモシールをして識別し、前処理や試料調製や測定・分析した測定・分析作業者18Bが一々情報を手書きし、最終的な記録を作るために手書きされた記録や測定結果の情報を手入力するという煩わしさを、図10の(b)に示すように略無くすことができる。
トランスファーカード17は、電子ペーパー形式であるので、これも手書き入力の煩わしさを無くすことができ、かつ、試料容器と一緒にトランスファーカード17を扱うので、作業の進行状況が容易にチェックでき、記入漏れも防止できる。
また、端末装置9と、RFIDタグ12やトランスファーカード17や処理装置50との通信は、電磁波遮蔽機能を有するパーティション111で間仕切られた各ブース120内で行なわれるのでその作業ステップで用いられている以外の他の容器に貼付されているRFIDタグのID情報を読み取ることは無い。
さらに、採取容器11Aに貼付されたRFIDタグのID情報に一貫して関係付けられて、分析センタサーバ6のデータベース6aに採取時情報や、記録情報や、測定・分析結果情報が格納される。従って、分析センタ200内で発生した記録情報や測定・分析結果情報を容易に検索でき、測定・分析結果におかしいと思われる点があり、何か間違いをしていないか追跡調査する場合に、前処理の内容、前処理や試料調製を行なった測定・分析作業者18Bの特定等のトレースが容易に行なえる。
その結果、複数の測定・分析作業者18Bで分担して前処理、試料調製を行なっていても、記録情報、測定・分析結果情報の手書き記入の場合に生じやすい記載ミスを防止できる。
特に、トランスファーカード17に記録情報や分析・結果情報を、端末装置9を介して蓄積し、その内容を表示部17bに表示させて確認できるので、手書きのトランスファーカードの場合のような書き込みミスが防止できる。
(変形例)
(1) 前記実施の形態では、採取容器11Aや、前処理等に使用される容器44A、44B(図7参照)や、容器43に貼付されたRFIDタグ12(図7中では12A、12B、12C、12M)は読み出し専用としたが書き込み可能なタイプとし、ステップS11において採取容器11AのRFIDタグ12Aに所定の識別符号を付した受け入れ試料識別コードを書き込み、以後の各ブース120B、120C等における処理作業ステップごとに、端末装置9が所定の識別符号を付した受け入れ試料識別コードが記録されていないRFIDタグ12には、受け入れ試料識別コードの書き込みをするようにしても良い。
このようにRFIDタグ12A、12B、12C、12Mに受け入れ試料識別コードを書き込むことによって、データベース6aに格納された受け入れ試料識別コードごとに関係付けられた記録情報チェックすることなく前処理後または試料調製後に試料を入れる容器のRFIDタグ12に、受け入れ試料識別コードを引き継がせることができる。
(2) 前記実施の形態では、端末装置9にオン/オフボタン、読み取りボタン、記録書き込みボタンを用意するとしたがそれに限定されるものではない。RFIDタグR/Wの電波覆域にRFIDタグ12が入ればそれを認識してID情報を読み出し、処理装置50からの処理情報を受信し、RFIDタグ12がRFIDタグR/Wの電波覆域からなくなったことを検出して、記録情報のデータベース6aへの書き込みを行なうようにしても良い。
(3) 前記実施の形態において試料容器とトランスファーカード17の入れ違いが生じた時には、容器のRFIDタグ12のID情報とランスファーカード17に記録された容器のRFIDタグ12のID情報と食い違いが出るので、端末装置9が通信可能となった容器のRFIDタグ12のID情報とトランスファーカード17に記録されたRFIDタグ12のID情報をチェックするプログラムを端末装置9または分析センタサーバ6に、搭載すれば、容易に食い違いを検出でき、測定・分析作業者18Bに端末装置9から警告を出力させることができ、トランスファーカード17と容器の食い違いを防止することができる。
なお、本実施の形態では、電子ペーパー形式のトランスファーカード17を用いることとしたが、それに限定されるものではない。
トランスファーカード17の代わりに従来と同様に紙製のトランスファーカードに各作業者18A、18B、18Cが作業ステップごとに記録していく方法と組み合わせても良い。
環境試料の採取から測定・分析までの流れの概要を示すフローチャートである。 環境放射能を測定・分析するためのデータ収集システムの全体概要を示す図である。 環境試料採取の時に用いる携帯端末の機能構成の概要を示すブロック図である。 携帯端末で各種情報を収集する方法を説明する図である。 環境試料を採取する採取容器等の形状を説明する図であり、(a)および(b)は葉菜試料や土壌試料の場合の採取容器を示す図であり、(c)は液体試料の場合の採取容器を示す図であり、(d)はエアロゾル捕集フィルタを示す図であり、(e)は試料調製のときに用いられる電着捕集板を示す図であり、(f)は捕集材を収納する収納容器を示す図である。 (a)は空気中に浮遊しているエアロゾルを捕集する方法を説明する図であり、(b)はエアロゾル捕集フィルタを環境試料として採取容器に収納してデータ収集を行なう方法を説明する図である。 分析センタの構成を示す配置図である。 ブースに配置される端末装置の機能構成を示すブロック図である。 環境試料(葉菜試料)を受け入れた後の分析センタにおける試料の前処理、試料調製、測定・分析の詳細な作業の流れを示すフローチャートである。 (a)は従来の分析センタにおけるデータ収集の方法を示す模式図であり、(b)は本実施の形態におけるデータ収集の方法を示す模式図である。
符号の説明
1 中央サーバ
2 携帯端末
3 無線基地局
4 ネットワーク
5 ゲート
6 分析センタサーバ
1a、6a データベース
7 LAN
8 パーソナルコンピュータ
9、9A、9B、9C、9D、9E、9F、9G 端末装置
11A、11B、11C 採取容器
12A、12B、12C、12M、12P RFIDタグ
13A、13B、13C 環境試料
13D エアロゾル
19 従業員カード
21A、21B、21C アンテナ
23 カメラレンズ
24 マイク
25 操作部
25a キー
26 スピーカ
27 表示部
31 制御部
33 カメラ部
34 音声情報取得部
35 RFIDタグR/W
36 音声出力部
37 GPS部
39 通信部
41 気象測定装置
43 温度計
44A、44B 容器
71 制御部
72 RFIDタグR/W
73 通信部
74 LAN通信部
100 環境試料採取地点
120A、120B、120C、120E、120F、120G ブース
200 分析センタ
300 統括管理センタ
500 データ収集システム

Claims (9)

  1. 環境試料を採取して、前処理および試料調製をし、該調製された測定試料を測定して前記環境試料を分析する場合のデータ収集方法であって、
    RFIDタグを貼付された採取容器に環境試料を採取し、
    前記RFIDタグと通信可能なRFIDタグリーダと、前記環境試料を採取した環境を画像情報として取得する撮像手段と、前記環境試料を採取した位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記RFIDタグのID情報、前記画像情報、前記位置情報を含む収集した情報を送受信可能な通信手段とを有する携帯端末を用い、
    該携帯端末は、前記採取容器に貼付されたRFIDタグのID情報を取得し、前記撮像手段で取得した画像情報、前記位置情報取得手段で取得した位置情報にそれぞれ前記RFIDタグのID情報を関係付け、
    さらに気象情報を取得する気象情報取得装置からの前記気象情報を、前記通信手段を介して取得し、前記取得した気象情報を前記RFIDタグのID情報と関係付けることを特徴とするデータ収集方法。
  2. 環境試料を採取して、前処理および試料調製をし、該調製された測定試料を測定して前記環境試料を分析する場合のデータ収集方法であって、
    前記前処理または試料調製に供する試料を収納したRFIDタグを貼付された第1の容器と、前記前処理後または前記試料調製後の試料を収納するRFIDタグを貼付された第2の容器とを、前記前処理または試料調製に用いる試料処理装置の近くに一旦配置し、
    前記試料処理装置との通信、前記第1の容器に貼付されたRFIDタグ、および第2の容器に貼付されたRFIDタグとの通信がそれぞれ可能な第1の端末装置を用い、
    該第1の端末装置は、前記試料処理装置から前記試料の前処理または試料調製に関する情報を取得するとともに、前記第1の容器および前記第2の容器に貼付されたそれぞれのRFIDタグのID情報を取得し、
    前記試料処理装置から取得した試料処理情報にそれぞれ前記第1の容器および前記第2の容器に貼付されたRFIDタグのID情報を関係付け、
    通信回線を通じてデータ収集サーバに前記取得された試料処理情報を送信することを特徴とするデータ収集方法。
  3. 前記試料調製された測定試料を載せたRFIDタグを貼付された前記第2の容器である測定容器を、前記測定試料を測定する測定装置の近くに一旦配置し、
    前記測定装置との通信、および前記測定容器に貼付されたRFIDタグとの通信がそれぞれ可能な第2の端末装置を用い、
    該第2の端末装置は、前記測定装置から前記測定試料に対する測定結果情報取得するとともに、前記測定容器に貼付されたRFIDタグのID情報を取得し、
    前記測定装置から取得した測定結果情報に前記測定容器に貼付されたRFIDタグのID情報を関係付け、
    通信回線を通じてデータ収集サーバに前記取得された測定結果情報を送信することを特徴とする請求項2に記載のデータ収集方法。
  4. 請求項1に記載のデータ収集方法で収集された情報を、前記携帯端末は、採取時情報として前記通信回線を通じて前記データ収集サーバに送信して格納させ、
    前記第1の容器は前記採取容器または前記採取容器内の前記環境試料が前処理された試料を収納している容器であって、
    前記第1の端末装置は、前記1の容器に貼付されたRFIDタグのID情報と前記2の容器に貼付されたRFIDタグのID情報を関係付けるラベルを生成し、
    前記第1の容器に貼付されたRFIDタグのID情報にもとづいて前記採取時情報を前記データ収集サーバで検索し、
    前記取得された試料処理情報を、前記ラベルを付して前記採取時情報と関係付けて前記データ収集サーバに格納させることを特徴とする請求項2に記載のデータ収集方法。
  5. 前記第2の容器である測定容器に貼付されたRFIDタグのID情報は、前記試料調製のときに格納された前記試料処理情報に添付された前記ラベルに含まれ、
    前記試料調製された測定試料を載せたRFIDタグを貼付された前記第2の容器である測定容器を、前記測定試料を測定する測定装置の近くに一旦配置し、
    前記測定装置との通信、および前記測定容器に貼付されたRFIDタグとの通信がそれぞれ可能な第2の端末装置を用い、
    該第2の端末装置は、前記測定装置から前記測定試料に対する測定結果情報取得するとともに、前記測定容器に貼付されたRFIDタグのID情報を取得し、
    前記測定容器に貼付されたRFIDタグのID情報にもとづいて前記採取時情報を前記データ収集サーバで検索し、
    前記取得された測定結果情報を、前記採取時情報と関係付けて前記データ収集サーバに格納させることを特徴とする請求項4に記載のデータ収集方法。
  6. 環境試料を採取して、前処理および試料調製をし、該調製された測定試料を測定して前記環境試料を分析する場合のデータ収集システムであって、
    採取された前記環境試料を収納するRFIDタグを貼付された採取容器と、
    前記RFIDタグと通信可能なRFIDタグリーダ前記環境試料を採取した環境を画像情報として取得する撮像手段、前記環境試料を採取した位置情報を取得する位置情報取得手段、および前記RFIDタグのID情報、前記画像情報、前記位置情報を含む収集した情報を送受信可能な通信手段、を有する携帯端末と、
    前記携帯端末と通信回線を通じて接続するデータ収集サーバと、を備え、
    前記携帯端末は、前記採取容器に貼付されたRFIDタグのID情報を取得し、前記撮像手段で取得した画像情報、前記位置情報取得手段で取得した位置情報にそれぞれ前記RFIDタグのID情報を関係付け、
    さらに気象情報を取得する気象情報取得装置からの前記気象情報を、前記通信手段を介して取得し、前記取得した気象情報を前記RFIDタグのID情報と関係付け、
    取得した情報を採取時情報として前記通信回線を通じて前記データ収集サーバに送信して格納させることを特徴とするデータ収集システム。
  7. 前記前処理または試料調製に供する試料を収納したRFIDタグを貼付された第1の容器と、
    前記前処理後または前記試料調製後の試料を収納するRFIDタグを貼付された第2の容器と、
    前記前処理または試料調製に用いる試料処理装置と、
    前記試料処理装置との通信、前記第1の容器に貼付されたRFIDタグ、および第2の容器に貼付されたRFIDタグとの通信がそれぞれ可能な第1の端末装置と、を備え、
    前記第1の容器は前記採取容器または前記採取容器内の前記環境試料が前処理された試料を収納している容器であって、
    前記第1の端末装置は、前記試料処理装置から前記試料の前処理または試料調製に関する情報を取得するとともに、前記第1の容器および前記第2の容器に貼付されたそれぞれのRFIDタグのID情報を取得し、
    前記第1の容器および前記第2の容器に貼付されたRFIDタグのID情報を関係付けるラベルを生成し、
    前記第1の容器に貼付されたRFIDタグのID情報にもとづいて前記採取時情報を前記データ収集サーバで検索し、
    前記取得された試料処理情報を、前記ラベルを付して前記採取時情報と関係付けて前記データ収集サーバに格納させることを特徴とする請求項6に記載のデータ収集システム。
  8. 前記試料調製された測定試料を載せたRFIDタグを貼付された前記第2の容器である測定容器と、
    前記測定試料を測定する測定装置と、
    前記測定装置との通信、および前記測定容器に貼付されたRFIDタグとの通信がそれぞれ可能な第2の端末装置と、を備え、
    該第2の端末装置は、前記測定装置から前記測定試料に対する測定結果情報を取得するとともに、前記測定容器に貼付されたRFIDタグのID情報を取得し、
    前記測定容器に貼付されたRFIDタグのID情報は、前記試料調製のときに格納された前記試料処理情報に添付された前記ラベルに含まれ、
    前記測定容器に貼付されたRFIDタグのID情報にもとづいて前記採取時情報を前記データ収集サーバで検索し、
    前記取得された測定結果情報を前記採取時情報と関係付けて前記データ収集サーバに格納させることを特徴とする請求項7に記載のデータ収集システム。
  9. 通信機能とメモリ機能と駆動用マイクロプロセッサと操作部と表示部とを備え、前記第1および第2の端末装置と無線通信が可能な電子ペーパーを用いて、
    前記採取時情報、前記試料処理情報、前記測定結果情報を取得し、
    それらの情報を取得すると共に、前記第1の容器または第2の容器に貼付されたRFIDタグのID情報も取得することを特徴とする請求項5に記載のデータ収集方法。
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