JP2008268810A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛇行補正制御される中間転写ベルト7とステアリングローラ9との間に進入したトナー粒子が中央側へ移動して、画像形成領域GAに凝集固着物を形成することを防止する。ステアリングローラ9に形成された凝集固着物は中間転写ベルト7の表面性を悪化させて転写画像の品質に悪影響を及ぼす。
【解決手段】ステアリングローラ9の軸端領域に蛇行補正制御の蛇行振幅よりも広い溝幅の円周溝9mを形成する。円周溝9mでは、蛇行補正制御に伴う中間転写ベルト7とステアリングローラ9とがトナー粒子(黒丸)を挟み込まないので、トナー粒子(黒丸)が幅方向に拡散移動しない。溝幅が蛇行振幅よりも広いので、中間転写ベルト7の内側面を連れ回りするトナー粒子(黒丸)も円周溝9mを越えて中央側へ上陸することが無い。
【選択図】図3

Description

本発明は、中間転写ベルト又は記録材搬送ベルトを備えた画像形成装置、詳しくはこれらのベルト部材を支持して回転させる回転体の構造に関する。
トナー像を担持する像担持体に接して中間転写ベルト又は記録材搬送ベルトを備えた画像形成装置が実用化されている。これらのベルト部材は、複数の回転体によって張力状態で支持されて循環する。
特許文献1には、ベルト部材の内側面にリブを形成し、リブ案内溝を形成した回転体でベルト部材を支持して循環させる画像形成装置が示される。ここでは、リブ案内溝がリブを案内して、ベルト部材が幅方向に位置ずれしたり脱落したりしないようにしている。
特許文献2には、ベルト部材のエッジをセンサで検知して回転体を制御することにより、ベルト部材を幅方向へ往復移動させて、回転体の幅方向の所定範囲に位置決める画像形成装置が示される。
特許文献3には、中間転写ベルトの内側面にゴムブレードを接触させて、下方に配置した回収容器へ内側面に付着したトナーを落下させるクリーニング装置が示される。
特開平10−158201号公報 特開平09−048533号公報 特開2002−351225号公報
特許文献2に示される画像形成装置では、ベルト部材の往復移動を可能にするために、ベルト部材には特許文献1に示されるようなリブが形成されず、従って、回転体にもリブ案内溝は形成されていない。また、特許文献1に示されるリブ案内溝がリブを拘束する構成であれば、特許文献2に示されるように、ベルト部材のエッジをセンサで検知して回転体を制御しなくてもベルト部材は幅方向に位置決めされる。
しかし、特許文献2に示される回転体では、ベルト部材の幅方向の往復移動に伴って、ベルト部材と回転体との間にトナーが進入して、回転体の表面に連れ回りする可能性がある。そして、ベルト部材と回転体との間に進入したトナーは、ベルト部材の往復移動に伴って幅方向に移動して、回転体の表面やベルト部材の内側面に固着する可能性がある。そして、固着したトナーは、時間経過とともに次々に後続のトナー粒子をせき止めて固着させてしまい、ベルト部材の表面に起伏が現れるような大きな塊に成長する可能性がある。そして、ベルト部材の表面に起伏が現れると正常なトナー像の転写が妨げられて画像品質が損なわれるので、画像品質を最初の状態に戻すには、ベルト部材を交換する必要がある。交換に際しては、当然、回転体の外周面を清掃して固着物を除去するか、又は固着物が付着した回転体を新品交換する必要がある。
ここで、特許文献3に示されるように、ベルト部材の内側面にクリーニング装置を付設すれば、ベルト部材の内側面にトナーの塊が形成されることは回避できる。しかし、回転体の表面を連れ回りするトナー粒子を除去することはできない。
また、クリーニングブレード等をベルト部材の幅一杯に摺擦させるとベルト部材の駆動抵抗が大きくなる。ベルト部材の内側にかなりの大きさのクリーニング装置の配置スペースを確保する必要がある。ベルト部材の局所的な張力が大きくなるので、ベルト部材の設計厚さを大きくする必要もある。
本発明は、ベルト部材の内側にクリーニング装置を配置することなく、ベルト部材と回転体との間にトナーが侵入しても画像品質に影響が及びにくい画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に接して配置された無端状の中間転写体又は記録材搬送体としてのベルト部材と、前記ベルト部材を支持して循環させる複数の回転体と、前記回転体を制御して、循環する前記ベルト部材を前記回転体の軸方向に往復移動させる移動機構と、循環する前記ベルト部材の幅方向の位置を検知する検知手段と、前記検知手段の出力に基づいて前記移動機構を制御して、前記ベルト部材の前記幅方向の位置を制御する制御手段とを備えたものである。そして、往復移動する前記ベルト部材の幅内に位置して前記像担持体がトナー像を担持する領域よりも外側に位置する前記回転体の部分に溝構造を有する。
本発明の画像形成装置では、回転体とベルト部材との間に進入して回転体に連れ回るトナーの幅方向の移動が溝構造によって制限される。回転体とベルト部材との相対的な往復移動に引き摺られたトナーの拡散移動が溝構造によって妨げられる。溝構造における回転体端部側の縁へ引き摺られて到達したトナーは、溝構造内では引き摺られないので回転体中央側へは移動しない。
従って、溝構造よりも内側に位置する回転体表面へのトナーの付着を防止できる。回転体表面にトナーに起因する凝集固着物が発生しなくなり、凝集固着物に起因してベルト部材の画像形成領域に起伏が形成されることもなくなる。ベルト部材の内側にクリーニング装置を配置することなく、ベルト部材と回転体との間にトナーが侵入しても画像品質に影響が及びにくい画像形成装置を提供できる。
以下、本発明のいくつかの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の画像形成装置は、循環するベルト部材を幅方向に往復移動させて回転体の所定範囲に位置決める限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実現可能である。
従って、中間転写ベルトを用いた画像形成装置のみならず、記録材搬送ベルトを用いた画像形成装置でも実施できる。ベルト部材に接して配置される像担持体は、1つのみならず、2以上としても実施できる。
本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
なお、特許文献1乃至3に示される画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図、図2は中間転写ベルトを往復移動させる移動機構の平面図である。第1実施形態の画像形成装置100は、中間転写ベルト7の直線区間に感光ドラム1を配置した高速モノクロ複写機である。そして、中間転写ベルト7を支持するステアリングローラ9の軸端領域にトナー粒子の進入を防止するための円周溝(9m:図3)を形成してある。
図1に示すように、感光ドラム1の周囲には、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、一次転写ローラ5、および感光体クリーニング装置6が配置されている。感光ドラム1は、帯電極性がプラスのアモルファスシリコンドラムであって、不図示の電動モーターにより矢印R1方向に回転させられる。
帯電装置2は、コロナ放電を用いた非接触式のもので、不図示の電源によってバイアス電圧が印加されることにより、回転する感光ドラム1の表面を一様な正極性の電位に帯電させる。
露光装置3は、感光ドラム1の回転方向における帯電装置2の下流側に配設され、帯電した感光ドラム1の表面を露光して、形成すべき画像の静電像を書き込む。露光装置3は、画像データを走査線に展開した走査線信号に基づいてパルス幅変調されたレーザー光を多面体ミラーで走査して、回転する感光ドラム1の表面を露光させる。
現像装置4は、一成分現像剤(ブラック)を収容する容器4aを備えて露光装置3の下流側(一次転写ローラ5の上流側)に配設される。現像剤容器4aの感光ドラム1に面した開口部に現像スリーブ4bが回転自在に設置され、現像スリーブ4bの内側には、現像スリーブ4b上に現像剤を担持させるためのマグネットローラ4cが非回転に固定配置される。負極性に帯電した現像剤は、マグネットローラ4cの現像主極の磁気力に応答してブラシ状に穂立ちし、穂立ちの先端で感光ドラム1の表面を摺擦する。このとき、不図示の電源によって現像スリーブ4bに正極性の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。現像スリーブ4bに担持された負極性に帯電した現像剤は、相対的に正極性となる感光ドラム1の未露光部分(暗部)に移動して付着し、静電像をトナー像tに現像する。
感光ドラム1の下方には、駆動ローラ8、ステアリングローラ9、およびバックアップローラ10に懸架して、無端状の中間転写ベルト7が張設されている。中間転写ベルト7の大きさは、幅方向に350mmで周長が400mm、厚みは0.1mm程度である。駆動ローラ8は、φ30mmで幅方向の長さが375mmである。バックアップローラ10は、φ20mmで幅方向の長さが340mm、ステアリングローラ9は、φ20mmで幅方向の長さが370mmである。
中間転写ベルト7は、これらの複数の回転体によって支持されて感光ドラム1の表面と同等速度で循環する。ステアリングローラ9は、感光ドラム1と中間転写ベルト7とが接する一次転写部T1の下流側に配設されて、中間転写ベルト7の幅方向の寄りを制御する。
中間転写ベルト7は、例えばポリイミド、ポリカーボネート等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有された材料を用いて、体積抵抗率が10〜1010Ω・cmに調整されている。中間転写ベルト7の走行経路上には、感光ドラム1から中間転写ベルト7へトナー像tを転写する一次転写部T1と、中間転写ベルト7から記録材Pへトナー像tを転写する二次転写部T2とが設定されている。
一次転写部T1は、中間転写ベルト7を介して感光ドラム1に一次転写ローラ5を圧接して構成される。一次転写ローラ5は、両端部に配設した不図示のスプリングによって、感光ドラム1の表面に向かって付勢され、感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴って矢印R2方向に従動回転する。
電源D1は、一次転写ローラ5に正極性の転写電圧を印加して、接地電位に接続された感光ドラム1の基材との間(一次転写部T1)に転写電界を形成する。転写電界に応答して、感光ドラム1側の負極性に帯電したトナー像tが、一次転写ローラ5によって正極性に帯電した中間転写ベルト7へ移動する。このとき、一次転写ローラ5の表面電位によって決定される転写電流によってトナー像の転写電荷が充電される。
感光体クリーニング装置6は、一次転写部T1を通過して感光ドラム1の表面に残留した転写残トナー等の付着物を回収する。感光体クリーニング装置6のクリーニングブレード6aは、感光ドラム1の表面に対して所定の角度及び圧力で当接して、転写残トナー等の付着物を摺擦除去する。
二次転写部T2は、中間転写ベルト7を介してバックアップローラ10に二次転写ローラ11を圧接して構成される。二次転写ローラ11は、両端部に配設した不図示のスプリングによってバックアップローラ10に向かって付勢されており、中間転写ベルト7の循環速度と同等の表面速度で回転する。
電源D2は、二次転写ローラ11に正極性の転写電圧を印加して、接地電位に接続されたバックアップローラ10との間(二次転写部T2)に転写電界を形成する。転写電界に応答して、中間転写ベルト7側の負極性に帯電したトナー像tが、二次転写ローラ11によって正極性に帯電した記録材へ移動する。このとき、二次転写ローラ11の表面電位によって決定される転写電流によってトナー像の転写電荷が充電される。
ベルトクリーニング装置12は、二次転写部T2を通過して中間転写ベルト7の表面に残留した転写残トナー等の付着物を回収する。ベルトクリーニング装置12のクリーニングブレード12aは、駆動ローラ8によって内側から支持された中間転写ベルト7の表面に対して所定の角度及び圧力で当接して、転写残トナー等の付着物を摺擦除去する。
二次転写部T2を通過してトナー像tが二次転写された記録材Pは、定着装置13へ受け渡される。定着装置13は、トナー像が二次転写された記録材Pを加熱加圧して、記録材Pの表面にトナー像を定着させる。
<中間転写ベルト蛇行補正制御>
図2に示すように、制御部15は、ステアリングローラ9を制御して中間転写ベルト7を幅方向に位置決める中間転写ベルト蛇行補正制御を実行する。中間転写ベルト蛇行補正制御では、ベルト端部検知センサ14a、14bの出力に基づいてステアリングローラ9の角度が調整される。
ベルト端部検知センサ14a、14bは、中間転写ベルト7の正常な蛇行制御範囲の限界位置に配置され、限界位置に接近する中間転写ベルト7の縁に接触して、中間転写ベルト7の幅方向の位置に応じた複数段階の出力を発生する。
制御部15は、ベルト端部検知センサ14a、14bの出力を検知して、中間転写ベルト7の幅方向の位置と移動方向とを識別して、ステアリングローラ9の角度を変化させる。ステアリングローラ9は、幅方向の正常な往復移動範囲(蛇行制御範囲)から逸脱しかかった中間転写ベルト7の移動方向を反転させて、幅方向の中心側へ向かって誘導する。
例えば、ベルト端部検知センサ14aが中間転写ベルト7を検知すると、制御部15は、揺動モータ16を作動させてステアリングローラ9の一端をA方向に動かす。すると、中間転写ベルト7がB方向に移動してベルト端部検知センサ14aが中間転写ベルト7を検知しなくなる。その後、ベルト端部検知センサ14bが中間転写ベルト7を検知すると、制御部15は、揺動モータ16を作動させてステアリングローラ9の一端をA方向の逆方向へ動かす。すると、中間転写ベルト7がB方向の逆方向へ移動してベルト端部検知センサ14bが中間転写ベルト7を検知しなくなる。
制御部15は、このような中間転写ベルト蛇行補正制御を繰り返すことで、ステアリングローラ9の軸方向へ移動自在な中間転写ベルト7を、正常な蛇行補正制御範囲で位置決めし、安定して循環させる。
なお、図2では、ステアリングローラ9の傾斜量、中間転写ベルト7の幅方向の移動余地を誇張して記載している。実際の中間転写ベルト蛇行補正制御における蛇行補正制御範囲は、基準位置に対して±1mm程度の範囲であって、揺動モータ16によるステアリングローラ9の傾斜調整量は、±0.5mm程度に過ぎない。また、ベルト端部検知センサ14a、14bの出力に基づいて中間転写ベルト7の幅方向の移動の反転が識別されると、制御部15は、ステアリングローラ9の傾斜量を減らして反転後の幅方向の移動速度の上昇を抑制する。このため、実際の中間転写ベルト7は、2秒〜30秒の周期で2mmの振幅をゆっくりと幅方向に往復しており、10枚程度の画像形成期間中であれば幅方向のほぼ一定位置に停止しているとみなせる。
<ステアリングローラの円周溝>
図3は第1実施形態のステアリングローラの軸端領域の構成の説明図、図4は比較例のステアリングローラの軸端領域の構成の説明図である。
図3に示すように、ステアリングローラ9の両方の軸端領域に円周溝9mが形成されている。円周溝9mは、中間転写ベルト7の幅方向の往復移動に伴って、中間転写ベルト7とステアリングローラ9との間に進入したトナー粒子(黒丸で図示)が内側の画像形成領域GAへ移動することを阻止する。
第1実施形態では、中間転写ベルト7を支持する複数の回転体のうちでステアリングローラ9だけに円周溝9mを形成してある。ステアリングローラ9は、感光ドラム1の下流側に位置してトナーの飛散を受け易く、また、中間転写ベルト7の両端に露出してトナーが付着するローラ長さ(面積)も最大だからである。
また、円周溝9mは、画像形成領域(最大画像幅)GAよりも軸端側に配置されている。画像形成領域GAへのトナーの移動、画像形成領域GAにおけるトナー等の固着を防止するためである。
また、円周溝9mは、中間転写ベルト7の正常な往復移動範囲の内側(常時中間転写ベルト7で覆われた範囲)に形成してある。円周溝9mの縁に中間転写ベルト7の縁が突き当たると、正常な往復移動が妨げられるからである。
画像形成装置(100:図1)は、最大画像幅が320mmである。また、上述したように、中間転写ベルト7の幅は350mm、ステアリングローラ9の長さは370mm、中間転写ベルト7が往復移動する振幅は基準位置に対して±1mm程度である。
従って、円周溝9mの配置領域は、軸端から(370−(350+2))/2=9mmよりも中央側であって、(370−(320+2))/2=24mmよりも軸端側である。そこで、第1実施形態では、ステアリングローラ9の両方の軸端からそれぞれの円周溝9mまでの距離L1を13mmとした。蛇行補正制御を通じた中間転写ベルト7の移動範囲は、ステアリングローラ9の軸端から9mm〜11mmの範囲に収まるため、軸端から13mmの円周溝9mが中間転写ベルト7の縁に干渉することは無い。
また、円周溝9mの溝幅L2に関しては、中間転写ベルト7の振幅である2mm以上が好ましい。円周溝9mの軸端側の縁でトナーが中間転写ベルト7に付着して連れ回っても、中間転写ベルト7の往復移動に伴って円周溝9mの溝幅を越えて中央側に拾い上げられる心配が無いからである。円周溝9mの溝幅が5mmあれば十分に異物の回り込みを防ぎ得ることは実験的にも確認されている。
しかし、溝幅L2が大きければ、その分、円周溝9mの溝内および溝幅に位置する中間転写ベルト7の部分に許容できる異物量も多くなるので有利である。そこで、第1実施形態では、ステアリングローラ9の両軸端の円周溝9mの溝幅L2をそれぞれ10mmとした。
また、円周溝9mの深さD1に関しては、3mm程度あれば、十分に中心側への異物の回り込みを阻止でき、深さD1が大きければ、その分、円周溝9mに許容できる異物量も多くなる。
しかし、円周溝9mの深さD1を深くし過ぎると、円周溝9mの部分が細くなり過ぎてステアリングローラ9の強度が損なわれ、疲労破損や変形の可能性が生じる。
そこで、第1実施形態では、円周溝9mの深さD1が6mmでも耐久試験において破損が生じないことを確認した上で、深さD1を5mmとした。
第1実施形態では、以上の予備実験結果を踏まえて、深さD1が5mmで溝幅L2が10mmの円周溝9mを、ステアリングローラ9の両端にそれぞれ軸端からの距離L1を13mmとして形成した。
図4に示すように、比較例のステアリングローラ9Jは、図3のステアリングローラ9から円周溝9mを除いたもの、すなわち、画像形成装置100で使用されていた従来のステアリングローラである。円周溝9mの無いステアリングローラ9Jの場合、中間転写ベルト7とステアリングローラ9Jとの間に進入したトナー粒子(黒丸で図示)が、中間転写ベルト7の往復移動に伴って軸方向へ自由に移動する。トナー粒子が中間転写ベルト7とステアリングローラ9Jとの間を移動しつつ中間転写ベルト7の幅方向に移動して、内側の画像形成領域GAへ移動し易くなる。
<実験結果>
図4に示すように、ステアリングローラ9Jを搭載した画像形成装置(100:図1)を用いて、23度C絶対湿度50%の環境下でA4サイズのベタ黒画像を連続出力する耐久試験を行った。ベタ黒画像の連続出力は、加速試験の一種であって、トナーが激しく消費されて、ステアリングローラ9Jの軸端部を含む画像形成装置100内構造へのトナーの飛散量も著しくなる。
このような条件下では、20000枚を連続出力した時点で、早々に中間転写ベルト7の表面の起伏に起因すると考えられる濃淡の画像ムラが発生した。濃淡のムラは、薄いハーフトーン画像の場合において特に顕著に発生した。
試験を中断して中間転写ベルト7を観察したところ、中間転写ベルト7の表面に画像ムラに対応する凹凸の起伏が発生しており、画像ムラが中間転写ベルト7の表面の起伏に起因していることが確認された。
また、中間転写ベルト7およびステアリングローラ9Jを取り外して詳細に観察したところ、中間転写ベルト7の内側面で多くの傷(凹凸)が発見された。そして、中間転写ベルト7に重なる範囲のステアリングローラ9Jの表面には、軸方向の中央領域に至るまで、トナー粒子を含む黒色の凝集固着物が無数に形成されていた。また、ステアリングローラ9Jにおける凝集固着物の分布は、軸方向の中央領域から両方の軸端部に近づくほど著しくなっていた。
この観察結果によれば、比較例のステアリングローラ9Jの場合、ステアリングローラ9Jと中間転写ベルト7との間へ進入したトナー粒子等が中間転写ベルト7に起伏を発生させることは明らかである。軸端部から進入したトナー粒子等がステアリングローラ9Jと中間転写ベルト7との相対移動に駆動されて中央側へ拡散していることが明らかである。中央側へ拡散するトナー粒子等がステアリングローラ9Jの各所にせき止められて凝集固着物を成長させ、中間転写ベルト7に損傷や起伏を発生させていることが明らかである。この現象は以下のように説明される。
(1)画像形成装置(100:図1)では、中間転写ベルト7の蛇行補正制御を前提として、ステアリングローラ9Jは、その長さが中間転写ベルト7の幅よりも大きく、ステアリングローラ9Jの両端部はむき出しの状態である。
(2)感光ドラム(1:図1)周りで発生する飛散トナー等の異物は、むき出しになったステアリングローラ9Jの表面に付着し、中間転写ベルト7の往復移動の過程で中間転写ベルト7の内側面へ進入する。
(3)進入した異物は、繰り返し行われる中間転写ベルト蛇行補正制御によって、画像形成領域GAにまで拡散移動する。
(4)拡散移動の過程で、異物等の一部がステアリングローラ9Jの画像形成領域GAの表面で固着して凝集固着物の核を形成する。
(5)凝集固着物の核が中間転写ベルト7の内側面をつれ回る異物やステアリングローラ9Jの表面を移動する後続の異物をせき止めて凝集固着物を成長させる。
(6)成長した凝集固着物が、ついには薄い中間転写ベルト7を押し出して変形させ、画像形成領域GAの表面性に影響を及ぼして転写不良や画像ムラを発生させる。
次に、図3に示すように、第1実施形態のステアリングローラ9を搭載した画像形成装置(100:図1)を用いて、同様に、23度C絶対湿度50%の環境下でA4サイズのベタ黒画像を連続出力する耐久試験を行った。
今回は、このような条件下で30000枚を連続出力した後でも、円周溝9mの内側領域に位置する中間転写ベルト7の画像形成領域GAを含む表面には、凹凸の起伏が観察されなかった。当然、中間転写ベルト7の表面の起伏による画像ムラも発生しなかった。
また、中間転写ベルト7を取り外して内側面を観察したところ、目立った凝集固着物は観察されなかった。
一方、ステアリングローラ9の外周面に関しては、円周溝9mよりも外側の領域にこそ相当量の凝集固着物が観察されたが、円周溝9mよりも内側の領域には、凝集固着物は観察されなかった。
この観察結果によれば、第1実施形態のステアリングローラ9を搭載した画像形成装置(100:図1)では、円周溝9mによってトナー粒子等の異物の移動が阻止されて画像形成領域GAへ到達しないことが明らかである。この現象は以下のように説明される。
(1)画像形成装置(100:図1)では、中間転写ベルト7の蛇行補正制御を前提として、ステアリングローラ9は、その長さが中間転写ベルト7の幅よりも大きく、ステアリングローラ9の両端部はむき出しの状態である。
(2)感光ドラム(1:図1)周りで発生する飛散トナー等の異物は、むき出しになったステアリングローラ9の表面に付着し、中間転写ベルト7の往復移動の過程で中間転写ベルト7の内側面へ進入する。
(3)進入した異物は、繰り返し行われる中間転写ベルト蛇行補正制御によって、円周溝9mの縁までは拡散移動するが、円周溝9mを越えて画像形成領域GAに達することは無い。
(4)画像形成領域GAを拡散移動するトナー粒子等の異物がほとんど無いため、ステアリングローラ9の画像形成領域GAの表面に凝集固着物の核が形成されにくい。
(5)画像形成領域GAを拡散移動するトナー粒子等の異物がほとんど無いため、画像形成領域GAの凝集固着物が成長しない。
(6)凝集固着物が成長しないので、薄い中間転写ベルト7の画像形成領域GAの表面性は良好な状態に維持されて、転写不良や画像ムラが発生しない。
<第1実施形態の効果>
第1実施形態の画像形成装置100では、像担持体の一例である感光ドラム1は、トナー像を担持する。ベルト部材の一例である中間転写ベルト7は、像担持体に接して配置された無端状の中間転写体、又は記録材搬送体である。複数の回転体の一例である駆動ローラ8、ステアリングローラ9、バックアップローラ10は、ベルト部材を張力状態で支持して循環させる。移動機構の一例である揺動モータ16は、回転体の一例であるステアリングローラ9を制御して、循環するベルト部材を回転体の軸方向に往復移動させる。
検知手段の一例であるベルト端部検知センサ14a、14bは、循環するベルト部材の幅方向の位置を検知する。制御手段の一例である制御部15は、検知手段の出力に基づいて移動機構を制御して、ベルト部材の幅方向の位置を制御し、ベルト部材の往復移動の振幅を一定範囲内に位置決める。
溝構造の一例である円周溝9mは、往復移動するベルト部材の幅内における像担持体がトナー像を担持する領域よりも外側に位置する回転体の部分に配置される。
溝構造の一例である円周溝9mは、前記往復移動の振幅よりも大きい溝幅を有する。
溝構造の一例である円周溝9mは、回転体の一例であるステアリングローラ9の両端に配置される。
このような構成によって、トナー粒子等の異物がステアリングローラ9の軸方向に移動しても、円周溝9mの溝幅L2で滞留して、それ以上は中央側へ進めず、画像形成領域GAへの侵入が阻止される。
また、中間転写ベルト7の蛇行補正制御範囲よりも余裕を持たせた中央側に円周溝9mを設けたので、中間転写ベルト7の縁が円周溝9mに落ち込んだり、引っ掛かったりしない。このため、耐久試験を通じて、中間転写ベルト7の走行に悪影響を及ぼす弊害はなかった。
また、円周溝9mを画像形成領域GAの外側に設けたので、円周溝9mによる静電的な影響で画像ムラ、転写ムラが発生しないで済む。画像形成領域GAに円周溝9mを設けてしまうと、ステアリングローラ9に接しない中間転写ベルト7の裏面には、不必要に電荷が蓄積されて、不良画像の発生を招いてしまうからである。
つまり、一般的に、ベルト部材を架け回す回転体の多くは、ベルト部材の裏面に蓄積された電荷を逃がすために接地電位に接続されている。例えば、図1に示すバックアップローラ10は、二次転写ローラ11との間に転写電界を形成するために接地電位に接続されている。従って、接地電位に接続されているべき回転体に円周溝を形成して、ベルト部材が部分的に接地電位に接続されなくなると、円周溝を通過する部分としない部分とで、ベルト部材の裏面に蓄積された電荷量がばらついてしまう。このため、円周溝を通過した画像形成領域では、異常放電系の不良画像が発生し易くなる。
ところで、上述した特許文献3に示される内側面クリーニング装置は、フェルト、ゴムブレードといった清掃部材を用いて中間転写ベルトの内側面をつれ回る異物を除去している。しかし、中間転写ベルトを懸架する回転体に付着して連れ回っている異物に対しては、中間転写ベルトの内側面クリーニング装置は無力である。内側面クリーニング装置では清掃しきれなかった異物が少しずつ回転体の表面に固着して成長する可能性があるからである。また、回転体に固着した異物は簡単に剥離してベルト部材の内側面に移転することがないため、回転体から付着した異物を除去することは難しい。このようにして回転体に固着した異物によって、ベルト部材の内側面には回復不能な凹凸の起伏が形成されてしまう。そして、起伏がベルト部材の表面性に影響を及ぼす結果、転写不良、クリーニング不良、画像ムラ等を生じる可能性がある。
また、内側面クリーニング装置は、中間転写ベルトの幅全体を摺擦するため、当接圧力を増してクリーニング効果を上げようとすると、中間転写ベルト7に大きな摩擦負荷がかかってしまう。このため、中間転写ベルト7を循環させるための消費電力が大きくなり、中間転写ベルト7を懸架する回転体の疲労負荷が高まり、中間転写ベルト7も伸び易くなる。異物の付着具合によって、清掃部材とベルト部材との摩擦抵抗の変動幅が大きくなると、駆動トルクが不安定になって安定したベルト駆動を行うことができなくなる可能性もある。
また、特許文献2に示されるように、回転体のつばやベルト部材のリブに頼らずに自律的にベルト部材の幅方向の位置決めを行っている場合、ベルト部材の蛇行に伴ってベルト部材の幅方向の往復移動が生じる。また、ベルト部材の蛇行余地を確保するために回転体の軸端領域はむき出し状態である。このため、回転体にトナー粒子等の異物が付着し易い上に回転体の軸方向に異物が拡散移動し易くなる。このため、回転体に溝を形成する効果は、自律的にベルト部材の幅方向の位置決めを行う画像形成装置においてとりわけ顕著である。
これに対して、第1実施形態では、ステアリングローラ9に円周溝9mを設けたので、ステアリングローラ9の軸端領域に付着したトナー粒子等が画像形成領域GAへ移動しにくくなっている。これにより、長期間に渡る多枚数の画像形成を通じて、ステアリングローラ9の凝集固着物が中間転写ベルト7の表面性を損なわせることが減り、表面性に起因する転写不良や画像ムラが阻止される。中間転写ベルト7を支持するステアリングローラ9の中間転写ベルト7が走行する範囲内で且つ、画像形成領域GA外の領域に円周溝9mを設けることで、中間転写ベルト7の内側面への異物の侵入を防ぎ、中間転写ベルト7の表面性の劣化を抑制できる。
なお、第1実施形態ではステアリングローラ9の両端にだけ円周溝9mを配置したが、駆動ローラ8、バックアップローラ10にも同様な溝構造を配置してもよい。
また、第1実施形態ではステアリングローラ9の片方の軸端領域に円周溝9mを1つ配置したが、平行な複数条の円周溝を配置してもよい。
また、円周溝9mが中間転写ベルト7を不必要に拘束しないために、ステアリングローラ9の表面と円周溝9mの縁とが交差する角部は、アール仕上げしてもよい。
また、円周溝9mから落下して中間転写ベルト7の内周面を連れ回る異物を減らすために、円周溝の縁の起立面や円周溝9mの底面に粘着テープ等の異物回収手段を配置してもよい。
<第1実施形態の変形例>
図5は変形例の画像形成装置の構成の説明図、図6は揺動補正制御におけるステアリングローラの動作の説明図である。変形例の画像形成装置100Hでは、第1実施形態の画像形成装置100におけるステアリングローラ9を制御して中間転写ベルト7を蛇行補正制御する機構がカム20を用いている。これ以外は第1実施形態と同様であるため、図5、図6中、第1実施形態と共通する構成には図1乃至図4と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図5に示すように、ステアリングローラ9は、軸方向の一端(正面側)が、回動軸9cに軸支された回動アーム9bに支持されて昇降可能に組み立てられている。回動アーム9bは、制御部15が揺動モータ16を制御してカム20を回転させることにより、図6に示すように、ステアリングローラ9の軸方向の一端(正面側)を昇降させる。この昇降に伴ってステアリングローラ9に対する中間転写ベルト7の巻き付き角度が変化して、中間転写ベルト7が幅方向に移動する。
<第2実施形態>
図7は第2実施形態の画像形成装置の構成の説明図、図8はステアリングローラの軸方向における受容器の配置の説明図である。第2実施形態の画像形成装置200は、図1に示す画像形成装置100のステアリングローラ9の直下に従動ローラ18を設けて確保した空間に受容器17a、17bを配置している。これ以外は、第1実施形態と同様に構成されるので、図7中、図1〜図4と共通する構成には共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図7に示すように、中間転写ベルト7は、駆動ローラ8、ステアリングローラ9、従動ローラ18、バックアップローラ10に支持されて循環する。ステアリングローラ9の直下に従動ローラ18を配置して、ステアリングローラ9の下方に受容器17a、17bの配置空間を確保している。
図8に示すように、第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、ステアリングローラ9両軸端の円周溝9mの溝幅(L2:図3)をそれぞれ10mmとした。
受容器17a、17bは、溝幅(L2:図3)よりも広い15mmの幅を持たせて形成され、対応する円周溝9mの直下に配置されている。特許文献3に示されるベルト部材の内側面クリーニング装置がベルト部材の全幅に渡って配置されるのに対し、受容器17a、17bは、ステアリングローラ9の軸端部のごく限られた空間を占めて配置される。受容器17a、17bの幅は、円周溝9mの溝幅よりも大きいので、円周溝9mから落下する異物を確実に受け止める。
制御部15は、ステアリングローラ9の軸方向の一端を昇降させることにより、中間転写ベルト7を幅方向に往復移動させる(図5参照)
第2実施形態の画像形成装置200では、溝構造の一例である円周溝9mは、回転体の両端に配置され、ステアリングローラ9の下側に、ステアリングローラ9の円周溝9mで回収された異物を収容するために受容器17a,17bが配設されている。
すなわち、支持回転体の一例である従動ローラ18は、ベルト部材の一例である中間転写ベルト7を支持して溝構造を有する回転体の直下に空間を確保させる。
そして、回収容器の一例である受容器17a、17bは、回転体の一例であるステアリングローラ9の直下の空間における両端に一対配置されて、溝構造がベルト部材から分離したトナーを回収する。
その結果、ステアリングローラ9の円周溝9mで回収された異物が、ボタ落ちした場合でも、中間転写ベルト7の内側面への落下、連れ回りが防止され、ステアリングローラ9を始めとする回転体の表面への再付着を回避できる。
<第3実施形態>
図9は第3実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。第3実施形態の画像形成装置300は、画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdでそれぞれ形成したイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を記録材搬送ベルト7Aに担持した記録材に順次重ねて転写するタンデム型フルカラー画像形成装置である。
そして、制御部15は、第1実施形態と同様に、ステアリングローラ9Aを制御して記録材搬送ベルト7Aの蛇行補正制御を行う。ステアリングローラ9Aには、図3を参照して後述するように、第1実施形態と同様に、円周溝9mが形成されている。
図9に示すように、記録材搬送ベルト7Aは、駆動ローラ8Aと、ステアリングローラ9Aとに掛け渡され、駆動ローラ8Aに駆動されて矢印R4方向に循環する。駆動ローラ8Aとステアリングローラ9Aとの間の直線区間に、上流側からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdが配列している。
記録材Pは、カセット21から分離ローラ22によって1枚ずつに分離して取り出され、レジローラ23によって感光ドラム1aのトナー像にタイミングを合わせて記録材搬送ベルト7Aへ受け渡される。記録材Pは、吸着ローラ24に帯電されて記録材搬送ベルト7Aに吸着して、感光ドラム1aの転写部を通過してイエロートナー像を転写される。
感光ドラム1b、1c、1dには、記録材P上のイエロートナー像と重なり合うタイミングでマゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が形成され、記録材搬送ベルト7Aに担持された記録材Pへ順次重ねて転写される。4色のトナー像を重ねて転写された記録材Pは、分離帯電器25を通過して帯電を解除されることにより、記録材搬送ベルト7Aから曲率分離して定着器13へ受け渡される。定着器13で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された記録材Pは画像形成装置300の本体外部に排出される。
画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdは、現像器4a、4b、4c、4dで使用されるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外はほぼ同様に構成される。従って、以下では、専ら画像形成部Saについて説明し、画像形成部Sb、Sc、Sdについては、構成部材に付した符号末尾のaをb、c、dに読み替えて理解されるものとする。
感光ドラム1aを中心にして、帯電ローラ2a、露光装置3a、現像器4a、転写ローラ5a、およびクリーニング装置6aが配置される。画像形成部Saでは、負極性に帯電した感光ドラム1aの表面電位を露光によって低下させ、負極性に帯電したトナーを露光部分に付着させる反転現像方式を採用している。
感光ドラム1aは、回転自在に支持された円筒状の電子写真感光体であって、接地電位に接続された導電性基体の外周に光導電層を配置している。感光ドラム1aは、直径φ70mmで矢印方向に100mm/secで回転駆動される。感光ドラム1aとしては、アルミニウム等の剛体円筒基体上に感光層としてOPC(有機光導電体)を形成して構成されている。感光層は、OPCの他にアモルファスシリコン、CdS、酸化亜鉛、セレン等を使用できる。又、感光ドラム1aは、例えば周長が記録材の搬送方向長さ以上の感光体ベルトに置き換えてもよい。
帯電ローラ2aは、感光ドラム1aに圧接して従動回転する抵抗性のゴムローラ部材であって、不図示の電源によって、周波数70Hzのサイン波交流に−620Vの直流電圧を重畳した帯電電圧を印加されて、感光ドラム1aを−600Vに接触帯電させる。
露光装置3aは、走査線の画像信号で変調したレーザービームを、多面体ミラーで走査して、回転する感光ドラム1の表面を走査露光することにより、帯電した感光ドラム1aの表面に静電像を形成する。感光ドラム1aの非露光部である画像部は−600Vを維持し、露光部である非画像部は−50Vまで電位が低減される。
現像装置4aは、感光ドラム1aの表面と反対方向に回転する現像スリーブに現像剤を担持させ、露光部電位と非露光部電位との中間に定めた直流電圧に交流電圧を重畳した現像電圧を印加して、感光ドラム1aの静電像を現像する。現像剤は、トナーに磁性キャリアを混合した二成分現像剤である。
転写ローラ5aは、鉄製の直径φ8mmの芯金に、EPDM材の発泡されたゴムの厚み4mmの弾性層を被せており、記録材搬送ベルト7Aを介して感光ドラム1aに圧接して、感光ドラム1aと中間転写ベルト7Aとの間に転写部を形成する。不図示の電源から転写ローラ5aに正極性の直流電圧を印加することにより、転写部に転写電界が形成され、転写電界に応答して、感光ドラム1aの負極性のトナー像が記録材搬送ベルト7Aに移動する。
クリーニング装置6aは、クリーニングブレードを感光ドラム1aに摺擦させて、転写部を通過して感光ドラム1aに残留した転写残トナーを除去する。
ベルトクリーニング装置12は、クリーニングブレードを記録材搬送ベルト7Aに摺擦して、記録材搬送ベルト7Aの表面に付着したトナー粒子等の異物を除去する。
記録材搬送ベルト7Aは、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に、カーボン等の導電剤を添加して体積抵抗率を10〜1012Ω・cmに調整しており、厚みは50〜200μmである。ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)等の汎用樹脂やそれらの複合材等を採用してもよい。
ステアリングローラ9Aの長さが370mmあるのに対して、記録材搬送ベルト7Aの幅は350mmなので、ステアリングローラ9Aの端部10mmづつが、記録材搬送ベルト7Aから露出してむき出しの状態になっている。
その結果、画像形成装置300内の飛散トナー、紙粉等の異物がむき出しになったステアリングローラ9A表面に付着し、記録材搬送ベルト7Aの後述する蛇行補正制御に伴って記録材搬送ベルト7Aの裏面へ巻き込まれてしまう。そして、第1実施形態で説明したように、異物が画像形成領域にまで拡散して凝集固着物を形成すると、記録材搬送ベルト7Aの表面性を損なわせて画像品質に影響を及ぼす可能性がある。
<記録材搬送ベルト蛇行補正制御>
画像形成装置300では、制御部15は、ベルト端部検知センサ14a、14bの出力に基づいてステアリングローラ9Aを制御して記録材搬送ベルト7Aを幅方向に位置決める。ベルト端部検知センサ14a、14bは、記録材搬送ベルト7Aの縁に接触して、記録材搬送ベルト7Aの幅方向の位置に応じた出力を発生する。
制御部110は、ベルト端部検知センサ14a、14bの出力を検知して、記録材搬送ベルト7Aの幅方向の位置と移動方向とに応じて揺動モータ16を作動させることにより、ステアリングローラ9Aの角度を変化させる。ステアリングローラ9Aは、幅方向の正常な往復移動範囲(蛇行制御範囲)から逸脱しかかった記録材搬送ベルト7Aの移動方向を反転させて、幅方向の中心側へ向かって誘導する。
<ステアリングローラの円周溝>
ステアリングローラ9Aの軸端部には、図3に示す第1実施形態のステアリングローラ9と同様な円周溝9mが形成されている。ここでは、図3を参照して、図3中のステアリングローラ9をステアリングローラ9A、中間転写ベルト7を記録材搬送ベルト7Aと読み替えて説明する。
図3に示すように、ステアリングローラ9Aの両方の軸端領域に円周溝9mが形成されている。円周溝9mは、記録材搬送ベルト7Aの幅方向の往復移動に伴って、記録材搬送ベルト7Aとステアリングローラ9Aとの間に進入したトナー粒子(黒丸で図示)が内側の画像形成領域GAへ移動することを阻止する。
円周溝9mは、画像形成領域(最大画像幅)GAよりも軸端側に配置されている。画像形成領域GAへのトナーの移動、画像形成領域GAにおけるトナー等の固着を防止するためである。
円周溝9mは、記録材搬送ベルト7Aの正常な往復移動範囲の内側(常時中間転写ベルト7で覆われた範囲)に形成してある。円周溝9mの縁に記録材搬送ベルト7Aの縁が突き当たると、正常な往復移動が妨げられるからである。
第3実施形態では、最大画像幅(GA)が320mm、記録材搬送ベルト7Aの幅が350mmであり、記録材搬送ベルト7Aの幅方向の振幅は、基準位置に対して±1mm程度である。このため、最大13mmの溝幅で円周溝9mを設けることが可能である。
しかし、円周溝9mの溝幅は、5mm程度でも十分に異物の回り込みを防ぐことができることが実験的に確認されているので、溝幅を10mmとして、ローラ端部より13mmの位置に円周溝9mを設けた。また、溝の深さは、3mm程度あれば、十分に異物の回り込みを防ぎ得ることが実験的に確認されており、あまり深くしすぎると、ローラ強度が弱くなってしまうため、3mm〜6mmが望ましく、結局、5mmとした。
このようなステアリングローラ9を搭載して画像形成装置300の耐久試験を行ったところ、30000枚程度出力しても、円周溝9mの内側に位置する記録材搬送ベルト7Aの画像形成領域GAに凹凸の発生が観察されず、不良画像も発生しなかった。
第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。 中間転写ベルトの駆動機構の平面図である。 ステアリングローラの軸端領域の構成の説明図である。 比較例のステアリングローラの軸端領域の構成の説明図である。 変形例の画像形成装置の構成の説明図である。 揺動補正制御におけるステアリングローラの動作の説明図である。 第2実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。 ステアリングローラの軸方向における受容器の配置の説明図である。 第3実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。
符号の説明
1 像担持体(感光ドラム)
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 一次転写ローラ
7 ベルト部材(中間転写ベルト)
8 回転体(駆動ローラ)
9 回転体(ステアリングローラ)
9m 溝構造(円周溝)
10 回転体(バックアップローラ)
11 二次転写ローラ
12 ベルトクリーニング装置
13 定着装置
14a、14b 検知手段(ベルト端部検知センサ)
15 制御手段(制御部)
16 移動機構(揺動モータ)
18 支持回転体(従動ローラ)
17a,17b 回収容器(受容器)
20 移動機構(カム)

Claims (3)

  1. トナー像を担持する像担持体と、
    前記像担持体に接して配置された無端状の中間転写体又は記録材搬送体としてのベルト部材と、
    前記ベルト部材を支持して循環させる複数の回転体と、
    前記回転体を制御して、循環する前記ベルト部材を前記回転体の軸方向に往復移動させる移動機構と、
    循環する前記ベルト部材の幅方向の位置を検知する検知手段と、
    前記検知手段の出力に基づいて前記移動機構を制御して、前記ベルト部材の前記幅方向の位置を制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、
    往復移動する前記ベルト部材の幅内に位置して前記像担持体がトナー像を担持する領域よりも外側に位置する前記回転体の部分に溝構造を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記溝構造は、前記往復移動の振幅よりも大きい溝幅を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記溝構造は、前記回転体の両端に配置され、
    前記ベルト部材を支持して前記溝構造を有する回転体の直下に空間を確保させる支持回転体と、
    前記空間における前記両端に一対配置されて、前記溝構造が前記ベルト部材から分離したトナーを回収する回収容器と、を有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
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