JP2002130253A - ベルト装置、及び画像形成装置 - Google Patents

ベルト装置、及び画像形成装置

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JP2002130253A
JP2002130253A JP2000323767A JP2000323767A JP2002130253A JP 2002130253 A JP2002130253 A JP 2002130253A JP 2000323767 A JP2000323767 A JP 2000323767A JP 2000323767 A JP2000323767 A JP 2000323767A JP 2002130253 A JP2002130253 A JP 2002130253A
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belt
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drive roller
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JP2000323767A
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Tetsuo Yamanaka
哲夫 山中
Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
Hiroyasu Tsukasaki
浩保 司城
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動ローラ表面と無端状ベルト内周面との当
接部に異物が侵入して生じるスリップを防止するために
駆動ローラ表面に凹凸を形成する場合でも、無端状ベル
ト線速の制御が正確にできるベルト装置、及び画像形成
装置を提供する。 【解決手段】 出口ローラ62のローラ部62b表面の
うち両端部近傍領域Sに、異物収容部としての複数の凹
部70aをローラ軸方向に平行に設け周面を凹凸形状に
する。また、出口ローラ中央部には凹凸を設けず円柱形
状のままにしておく。4色重ね合わせ画像を転写紙上に
形成するために出口ローラを回転駆動すると、両端部近
傍領域ではその凹部にトナーなどの異物が進入し収容さ
れる。更に、出口ローラ中央部の部分が、ローラ1回転
当たりのベルト移動距離を常に正しく維持する。このた
め、異物進入による転写搬送ベルトのスリップ防止と、
転写搬送ベルトの搬送速度を出口ローラの回転数で正確
に制御することとの両方が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】複数のローラに張架された無
端状ベルトを備え、これら複数のローラのうち少なくと
も1以上のローラが回転駆動され、ローラの駆動力によ
って該ベルト表面が所定の経路に沿って移動するように
構成されたベルト装置、及び、該ベルト装置を用いた画
像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ
等の画像形成装置においては、像担持体又は転写材搬送
部材として、無端状ベルトを用いるものが知られてい
る。無端状ベルトの駆動機構としては、複数のローラに
張架し、これらのローラのうち1以上のローラの駆動力
により移動するよう構成したベルト装置が知られてい
る。そして、一般的に無端状ベルトの線速の制御は、駆
動ローラの回転数で行っている。
【0003】無端状ベルトの線速制御は、駆動ローラ外
径が等しければその回転数の制御も同じようにすればよ
い。これは、駆動ローラの断面が円形ではない場合でも
同様である。例えば駆動ローラ表面に凹部を形成した場
合においても、凹部のあるローラにベルトを張架したと
きのベルト内周面が形成する形状の実質的な径をローラ
外径とし、この外径が等しいローラを用いるときは、回
転数の制御も同じようにすればよいはずである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、駆動ローラ
表面に凹部を形成した場合はベルトの線速を駆動ローラ
の回転数で制御することが難しくなってしまうことが分
かった。
【0005】それは、表面の凹部を精度良く形成するこ
とが容易ではないため、ローラの外径に個体差が生じ易
く、同じ凹部を設けた駆動ローラであっても回転数の制
御を1つひとつ変えなければならないためである。
【0006】また、駆動ローラ表面は一般的にゴムなど
の弾性層から成っており、この弾性層に凹部を形成する
ことになるため、ベルトのテンションで凸部が撓み押し
つぶされることになる。ところが、この凸部の撓み具合
はベルトテンションによって異なり、テンションの変化
によってローラ外径が変化しやすいため、1つの駆動ロ
ーラでも回転数の制御が難しくなってくる。
【0007】ここで、駆動ローラ表面と無端状ベルト内
周面との当接部に異物が侵入して生じる無端状ベルトの
スリップを防止するため、駆動ローラ表面に異物を収容
したり異物をローラ軸方向端部から排出したりするため
の溝を駆動ローラ表面に形成することが考えられる。こ
の場合においても、上記不具合が生じる恐れがある。
【0008】そして、無端状ベルトが転写紙をトナー像
の転写領域に担持搬送する紙搬送ベルトの場合は、転写
紙が予め設定した線速とは異なる線速で転写領域を通過
してしまい、転写倍率が所定倍率とは異なる倍率になっ
てしまう。
【0009】また、複数色の画像を重ね合わせてカラー
画像を形成するカラープリンタの場合は、各色トナー像
が順次転写される中間転写ベルトや、タンデム方式で直
接転写紙上に順次転写するための転写紙搬送ベルトが予
め設定した線速とは異なる線速で移動してしまい、画像
の位置ズレが生じてしまう。
【0010】これらの不具合は、駆動ローラ表面に溝を
形成することで無端状ベルトのスリップを防止する場合
だけでなく、駆動ローラ表面に溝以外の凹凸を形成して
スリップを防止する場合には常に生じる恐れがある。
【0011】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、駆動ローラ表面と無
端状ベルト内周面との当接部に異物が侵入して生じる無
端状ベルトの駆動ローラに対するスリップを防止するた
めに、駆動ローラ表面に凹凸を形成する場合において、
駆動ローラの回転数による無端状ベルト線速の制御が正
確にできるベルト装置、又は、該ベルト装置を用いた画
像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、複数のローラに張架された無端
状ベルトと、該複数のローラのうち少なくとも1以上の
回転駆動される駆動ローラとを有し、該駆動ローラの回
転によって該無端状ベルトを所定の経路に沿って摩擦駆
動するベルト装置において、上記駆動ローラ表面と上記
無端状ベルト内周面との間に侵入した異物を該無端状ベ
ルトの駆動に伴って収容するための異物収容部又は排出
するための異物排出手段としての凹部を、該駆動ローラ
表面の上記無端状ベルトに接する領域における駆動ロー
ラ軸方向中央部を除いた駆動ローラ軸方向両端部のみに
形成したことを特徴とするものである。
【0013】請求項1のベルト装置においては、異物収
容部又は異物排出手段としての凹部を駆動ローラ表面の
駆動ローラ軸方向両端部(以下、駆動ローラ両端部とい
う)のみに形成し、この凹部を設けている両端部に存在
する異物を凹部に収容する。一般的に、駆動ローラと無
端状ベルトとの間への異物侵入は、ベルト端部から侵入
する率が高い。従って、駆動ローラ軸方向中央部(以
下、駆動ローラ中央部という)を除いた両端部のみに凹
部を形成し、この領域の異物を凹部に回収したり駆動ロ
ーラ軸方向端部から排出したりすることで、スリップの
防止には十分に役立つ。更に、駆動ローラ中央部を円柱
のままにしておくことで、他の駆動ローラに入れ替えた
り、ベルトテンションを変えたりした場合でも円柱の部
分の外径が等しければベルト移動速度をローラの回転数
で正しく制御することが可能となる。
【0014】また、請求項2の発明は、請求項1のベル
ト装置において、上記駆動ローラ表面の上記凹部が形成
された領域における該凹部以外の凸部の上記無端状ベル
トに対する接触圧を、上記駆動ローラ軸方向中央部にお
ける該駆動ローラ表面の該無端状ベルトに対する接触圧
よりも小さくしたことを特徴とするものである。
【0015】請求項2のベルト装置においては、無端状
ベルトと駆動ローラ両端部の凸部との接触圧を駆動ロー
ラ中央部との接触圧に比して小さくし、無端状ベルトが
上記凸部との接触部に比して駆動ローラ中央部との接触
部でより強い摩擦力を受けるようにする。これによっ
て、無端状ベルトがが凹部の形成されていない駆動ロー
ラ中央部で摩擦駆動されるようにする。
【0016】また、請求項3の発明は、請求項2のベル
ト装置において、上記駆動ローラ表面の上記凹部が形成
された領域における該凹部以外の凸部の先端を結んでな
る形状の径である凸部最大外径L2を、上記駆動ローラ
軸方向中央部における中央部外径L1よりも小さくした
ことを特徴とするものである。
【0017】請求項3のベルト装置においては、凹部を
形成している駆動ローラ両端部の凸部先端を結んでなる
形状の径である凸部最大外径L2を、駆動ローラ中央部
の外径L1より小さくし、無端状ベルトの駆動ローラ両
端部の凸部との接触圧を駆動ローラ中央部との接触圧に
比して小さくする。これによって、無端状ベルトが上記
凸部との接触部に比して駆動ローラ中央部との接触部で
より強い摩擦力を受け、凹部の形成されていない駆動ロ
ーラ中央部で摩擦駆動されるようにする。
【0018】また、請求項4の発明は、請求項2のベル
ト装置において、上記駆動ローラ表面の上記凹部が形成
された領域における該凹部以外の凸部を弾性部材からな
る薄層ブレードから構成したことを特徴とするものであ
る。
【0019】請求項4のベルト装置においては、凹部を
形成している駆動ローラ両端部の凸部を弾性部材からな
る薄層ブレードで形成し、この薄層ブレードに無端状ベ
ルトの圧力がある程度以上かかると、薄層ブレードが撓
むようにする。これによって、無端状ベルトの薄層ブレ
ードへの接触圧を駆動ローラ中央部への接触圧に比して
小さくする。そして、無端状ベルトが薄層ブレードとの
接触部に比して駆動ローラ中央部との接触部でより強い
摩擦力を受け、凹部の形成されていない駆動ローラ中央
部で摩擦駆動されるようにする。
【0020】また、請求項5の発明は、像担持体上にト
ナー像を形成する現像装置と、該像担持体上に形成した
トナー像を転写材上に転写する転写装置とを有する画像
形成装置において、上記トナー像又は上記転写材を搬送
する搬送装置のうち、少なくとも1以上の搬送装置とし
て、請求項1、2、3又は4のベルト装置を用いること
を特徴とするものである。
【0021】請求項5の画像形成装置においては、トナ
ー像又は転写材を搬送する搬送装置に請求項1、2、3
又は4のベルト装置を用いることで、搬送装置における
無端状ベルトが駆動ローラに対してスリップすることを
防止すると共に、無端状ベルトの移動速度を駆動ローラ
の回転数で正確に制御できるようにする。これによっ
て、転写紙搬送ベルトが駆動ローラに対してスリップし
て生じる転写倍率上の不具合や、複数の画像を順次重ね
合わせる為の転写材を担持搬送する搬送ベルトが駆動ロ
ーラに対してスリップして生じる画像の位置ズレなどの
発生を防止すると共に、これらのベルトの線速が正しく
制御できない場合に生じる転写倍率上の不具合や位置ズ
レなども防止する。
【0022】また、請求項6の発明は、請求項5の画像
形成装置において、上記駆動ローラ表面の上記凹部が形
成された領域における凸部の先端を結んでなる形状の径
である凸部最大外径L2を、上記駆動ローラ軸方向中央
部における中央部最大外径L1よりも小さくし、該画像
形成装置に使用されるトナーの1粒あたりの粒径をTと
するとき、該中央部最大外径L1と該凸部最大外径L2
との関係が、次式の条件を満たすことを特徴とするもの
である。
【数1】L1/2−L2/2<T
【0023】請求項6の画像形成装置においては、凹部
を形成している駆動ローラ両端部の凸部先端を結んでな
る形状の径である凸部最大外径L2を、駆動ローラ中央
部の外径L1より小さくし、無端状ベルトの駆動ローラ
両端部の凸部との接触圧を駆動ローラ中央部との接触圧
に比して小さくする。更に、本発明においては、上記L
1とL2との関係が、数1の関係を満たすようにし、駆
動ローラ両端部の凸部先端と無端状ベルト内周面との間
の間隔をトナー1粒あたりの粒径をTより狭くして、そ
の間にトナーが侵入しないようにする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、画像形成装置で
ある電子写真方式のカラーレーザプリンタ(以下「レー
ザプリンタ」という)に適用した実施形態について説明
する。図1は、本実施形態に係るレーザプリンタの概略
構成図である。このレーザプリンタは、イエロー
(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各
色の画像を形成するための4組のトナー像形成部1Y、
1M、1C、1K(以下、各符号の添字Y、M、C、K
は、それぞれイエロー、マゼンダ、シアン、黒用の部材
であることを示す)が、転写紙の移動方向(図中の矢印
A方向)における上流側から順に配置されている。この
トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kはそれぞれ、像
担持体としての感光体ドラム11Y、11M、11C、
11Kを有する感光体ユニットと、現像ユニットとを備
えている。また、各トナー像形成部1Y、1M、1C、
1Kの配置は、各感光体ユニット内の感光体ドラム11
Y、11M、11C、11Kの回転軸が平行になるよう
に且つ転写紙移動方向に所定のピッチで配列するよう
に、設定されている。
【0025】また、本レーザプリンタは、上記トナー像
形成部1Y、1M、1C、1Kのほか、光書込ユニット
2、給紙カセット3,4、レジストローラ対5、転写紙
を担持して各トナー像形成部の転写位置を通過するよう
に搬送する転写搬送部材としての転写搬送ベルト60を
有するベルト装置としての転写ユニット6、ベルト定着
方式の定着ユニット7、排紙トレイ8等を備えている。
また、本レーザプリンタは、図示していない手差しトレ
イ、トナー補給容器、廃トナーボトル、両面・反転ユニ
ット、電源ユニットなども備えている。
【0026】上記光書込ユニット2は、光源、ポリゴン
ミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像デー
タに基づいて各感光体ドラム11Y、11M、11C、
11Kの表面にレーザ光を走査しながら照射する。
【0027】図2は、上記転写ユニット6の概略構成を
示す拡大図である。この転写ユニット6で使用した転写
搬送ベルト60は、体積抵抗率が109〜1011Ωc
mである高抵抗の無端状単層ベルトであり、その材質は
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)である。この転写搬
送ベルト60は、各トナー像形成部の感光体ドラム11
Y、11M、11C、11Kに接触対向する各転写位置
を通過するように、4つの接地された支持ローラ61〜
64に掛け回されている。
【0028】これらの支持ローラのうち、転写紙移動方
向上流側の入口ローラ61には、電源65aから所定電
圧が印加された静電吸着ローラ65が対向するように配
置されている。この2つのローラ61,65の間を通過
した転写紙は転写搬送ベルト60上に静電吸着される。
【0029】また、転写紙移動方向下流側の出口ローラ
62は転写搬送ベルト60を摩擦駆動する駆動ローラで
あり、図示しない駆動源に接続されている。
【0030】また、転写搬送ベルト60の外周面には、
電源66aから所定のクリーニング用電圧が印加された
バイアスローラ66が接触するように配置されている。
このバイアスローラ66により転写搬送ベルト60上に
付着したトナー等の異物が除去される。
【0031】また、各転写位置において転写電界を形成
する転写電界形成手段として、感光体ドラム11Y、1
1M、11C、11Kに接触対向する接触対向部を形成
している転写搬送ベルト60の裏面に接触するように、
転写バイアス印加部材67Y、67M、67C、67K
を設けている。この転写バイアス印加部材67Y、67
M、67C、67Kはマイラ製の固定ブラシであり、各
転写バイアス電源9Y、9M、9C、9Kから転写バイ
アスが印加される。この転写バイアス印加部材で印加さ
れた転写バイアスにより、転写搬送ベルト60に転写電
荷が付与され、各転写位置において該転写搬送ベルト6
0と感光体ドラム表面との間に所定強度の転写電界が形
成される。
【0032】先に示した図1中の一点鎖線は、転写紙の
搬送経路を示している。給紙カセット3、4から給送さ
れた転写紙100は、図示しない搬送ガイドにガイドさ
れながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ対5が
設けられている一時停止位置に送られる。このレジスト
ローラ対5により所定のタイミングで送出された転写紙
は、転写搬送ベルト60に担持され、各トナー像形成部
1Y、1M、1C、1Kに向けて搬送され、各転写ニッ
プを通過する。
【0033】各トナー像形成部1Y、1M、1C、1K
の感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上で現
像された各トナー像は、それぞれ各転写ニップで転写紙
100に重ね合わされ、上記転写電界やニップ圧の作用
を受けて転写紙100上に転写される。この重ね合わせ
の転写により、転写紙100上にはフルカラートナー像
が形成される。
【0034】トナー像が転写された後の感光体ドラム1
1Y、11M、11C、11Kの表面に潤滑剤が塗布さ
れた後にクリーニングされた後、除電されて次の静電潜
像の形成に備えられる。
【0035】一方、フルカラートナー像が形成された転
写紙100は、定着ユニット7でこのフルカラートナー
像が定着された後、排紙トレイ8上に排出される。
【0036】ところで、転写搬送ベルト60が駆動ロー
ラとしての出口ローラ62に対してスリップするという
不具合の原因である出口ローラ62と転写搬送ベルト6
0との間の異物の侵入を防止するために、出口ローラ6
2表面に凹部を形成することが考えられる。上記スリッ
プは、所望の転写倍率が得られなかったり、部分的に転
写倍率が変動したりする転写倍率上の不具合や、重ね合
わせ画像の位置ズレ等の原因となるからである。
【0037】しかしながら、表面に凹部を形成したロー
ラは外径に個体差が生じ易く、転写搬送ベルト60の線
速を出口ローラ62の回転数では精度良く制御できなく
なってしまう恐れがある。そして、出口ローラ62線速
の精度が低下すると、転写倍率上の画像の不具合や、重
ね合わせ画像の位置ズレなどの不具合が発生する恐れが
ある。本実施形態のプリンタにおいては、上記転写搬送
ベルト60の異物進入に起因するスリップ防止と線速の
正確な制御とを同時に実現できる構成を有している。次
に、本実施形態の特徴部である出口ローラ62を、以下
の実施例1〜3で説明する。
【0038】〔実施例1〕図3は、実施例1にかかる出
口ローラ62の拡大斜視図である。この出口ローラ62
は、芯金62aにゴムのローラ部62bが設けられてい
る。ローラ部62bの材質としては、エチレン−ポリプ
ロピレンターポリマー(EPDM)、シリコーンゴムな
どを用いることができる。このローラ部の硬度は40°
〜90°の範囲であればよい。そして、本実施形態にお
いては、出口ローラ62の表面のうち、ローラの軸方向
中央部領域を除いた両端部近傍領域Sに、異物収容部と
しての複数の凹部70aをローラ軸方向に平行になるよ
う設け、出口ローラ62の両端部近傍領域Sの周面を凹
凸形状にしている。また、出口ローラ62の軸方向中央
部領域(以下、出口ローラ中央部という)には凹凸を設
けず円柱形状のままにしている。この両端部近傍領域S
は、出口ローラ62の軸方向で転写搬送ベルト60が接
する領域にかかるように設定している。
【0039】上記構成において、4色重ね合わせ画像を
転写紙100上に形成するために出口ローラ62を回転
駆動すると、この駆動力によって転写搬送ベルト60が
摩擦駆動される。このとき、出口ローラ62の両端部近
傍領域Sではその凹部70aにトナーなどの異物が進入
し収容される。このため、異物進入による転写搬送ベル
ト60のスリップを防止することができる。更に、出口
ローラ62中央部の部分が、ローラ1回転当たりのベル
ト移動距離を常に正しく維持する。このため、転写搬送
ベルト60の搬送速度を出口ローラ62の回転数で正確
に制御することもできる。
【0040】上記実施例1の出口ローラ62を用いるこ
とによって、転写搬送ベルト60が出口ローラ62に対
してスリップしたり、転写搬送ベルト60の線速が出口
ローラ62の回転数で正しく制御できかったりして生じ
る転写倍率上の不具合や、複数の画像を順次重ね合わせ
る際の画像の位置ズレなどを防止することができ、良好
な転写画像を得ることができる。
【0041】〔実施例2〕図4は、実施例2にかかる出
口ローラ62の軸方向一端からみた平面図である。この
出口ローラ62は、実施例1と同様に出口ローラ62の
両端部近傍領域Sのみにローラ軸方向に平行な凹部71
aを形成したものである。そして、この凹部71aを仕
切るために設けた両端部近傍領域Sの凸部71bを結ん
でなる形状の径である最大外径L2を、出口ローラ62
中央部外径L1より小さくし、更にトナー1粒あたりの
粒径をTとするときにL1とL2のの関係が、次式の関
係を満たすようにしている。
【数2】L1/2−L2/2<T
【0042】このように出口ローラ62の外径を設定す
ることによって、出口ローラ62の両端部近傍領域Sの
凸部71b先端が出口ローラ62中央部の表面に比して
常にわずかだけ低くなる。その差はトナー粒径より小さ
い。具体的には、トナーに粒径が10μmのものを使用
する場合、出口ローラ62の両端部近傍領域Sの凸部先
端が出口ローラ62中央部表面に比して10μm未満の
差をもって低くなるよう凸部71bを形成する。
【0043】これによって、転写搬送ベルト60と出口
ローラ62との接触部は、両端部近傍領域Sの凸部71
bとの接触圧に比して出口ローラ中央部との接触圧の方
が確実に高くなる。従って、転写搬送ベルト60を出口
ローラ62の凹部71aが形成されていない中央部で確
実に摩擦駆動することができる。更に、転写搬送ベルト
60が出口ローラ62に張架されているとき、その内周
面は出口ローラ中央部の外径に沿った形状になっている
ため、出口ローラ両端部近傍領域Sの凸部71b先端と
転写搬送ベルト内周面との間の間隔はトナー1粒あたり
の粒径Tより狭くなり、その間にトナーが侵入すること
もない。この部分にトナーが侵入することがなければ、
出口ローラ62軸方向両端部からローラと転写搬送ベル
ト60との間に侵入したトナーを出口ローラ62の凹部
71aに収容することができ、出口ローラ中央部に侵入
することを防止できる。
【0044】実施例2の構成の出口ローラ62を用いる
ことによって、出口ローラ両端部近傍領域Sの凸部最大
外径L2を、出口ローラ中央部の外径L1より小さくし
たことに起因する出口ローラ両端部近傍領域Sの凸部7
1b先端と転写搬送ベルト内周面との間へのトナーの侵
入を防止しつつ、転写搬送ベルト60の線速を正確に制
御することが出来る。よって、本実施例2においては、
転写搬送ベルト60のスリップと線速の制御不良によっ
て生じる転写倍率上の不具合や、複数の画像を順次重ね
合わせる際の画像の位置ズレなどを防止することがで
き、良好な転写画像を得ることができる。
【0045】〔実施例3〕図5は、実施例3にかかる出
口ローラ62の部分拡大図である。この出口ローラ62
は、出口ローラ62の両端部近傍領域Sのみにローラ軸
方向に平行な凹部72aを形成するために、凹部72a
を仕切るための凸部を弾性部材からなる薄層ブレード7
2bで構成したものである。薄層ブレードを構成する材
質は、本実施例においては、出口ローラ62のローラ部
62bを構成する材質が弾性を有しているため、これと
同じものを使用している。このように出口ローラ両端部
近傍領域Sの凸部を薄層ブレード72bで構成すること
によって、転写搬送ベルト60が張架された状態で薄層
ブレード72bにベルトの圧力がある程度以上かかると
薄層ブレード72bは撓む。これによって、転写搬送ベ
ルト60の薄層ブレード72bへの接触圧が出口ローラ
中央部への接触圧に比して小さくなり、転写搬送ベルト
60を出口ローラ62の凹部72aが形成されていない
中央部で確実に摩擦駆動することができる。
【0046】実施例3の構成の出口ローラ62を用いる
ことによって、出口ローラ両端部近傍領域Sの凸部を薄
層ブレード72bで形成するという容易な構成で、転写
搬送ベルト60のスリップと線速の制御不良によって生
じる転写倍率上の不具合や、複数の画像を順次重ね合わ
せる際の画像の位置ズレなどを防止することができ、良
好な転写画像を得ることができる。
【0047】尚、本実施形態実施例1〜3はいずれも出
口ローラ表面の凹部を溝状に形成したが、独立した円形
の凹部を複数形成するなど、凹部の形状や配置などは、
さまざまな対応が考えられる。
【0048】更に、以上の実施形態においては、転写搬
送ベルト60上に感光体ドラム11Y,11M,11
C,11Kが複数並べて配設されるタンデム式のプリン
タにおける転写ユニット6に本発明を適用したが、本発
明が適用可能なプリンタ及びベルト駆動装置はこの構成
に限るものではない。複数のローラに張架された無端状
ベルトをそのローラのうちの少なくとも1以上のローラ
で回転駆動するベルト駆動装置を有するプリンタにおい
て、そのベルト駆動装置ならばいずれにも適用可能であ
る。
【0049】
【発明の効果】請求項1のベルト装置によれば、駆動ロ
ーラ表面と無端状ベルト内周面との当接部に異物が侵入
して生じる無端状ベルトの駆動ローラに対するスリップ
を防止するために、駆動ローラ表面に凹凸を形成する場
合において、駆動ローラの回転数による無端状ベルト線
速の制御が正確にできるという優れた効果がある。
【0050】請求項2のベルト装置によれば、無端状ベ
ルトが凹部の形成されていない駆動ローラ中央部で摩擦
駆動されるので、駆動ローラの回転数による無端状ベル
ト線速の制御がより正確にできるという優れた効果があ
る。
【0051】請求項3のベルト装置によれば、無端状ベ
ルトが凹部の形成されていない駆動ローラ中央部で摩擦
駆動されるようにすることを、駆動ローラ両端部の外径
を中央部より小さくするという容易な構成で実現できる
という優れた効果がある。
【0052】請求項4のベルト装置によれば、無端状ベ
ルトが凹部の形成されていない駆動ローラ中央部で摩擦
駆動されるようにすることを、駆動ローラ両端部の凸部
を弾性部材からなる薄層ブレードにするという容易な構
成で実現できるという優れた効果がある。
【0053】請求項5の画像形成装置によれば、無端状
ベルトが駆動ローラに対してスリップすることによって
生じる画像上の不具合と、無端状ベルトの線速の制御が
正確に出来ずに生じる画像上の不具合とを同時に防止で
きるという優れた効果がある。
【0054】請求項6の画像形成装置によれば、駆動ロ
ーラ両端部の凸部最大外径L2を、駆動ローラ中央部の
外径L1より小さくしたことに起因する駆動ローラ両端
部の凸部先端と無端状ベルト内周面との間へのトナーの
侵入を防止しつつ、無端状ベルトの線速の制御が正確に
出来るという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るレーザプリンタの概略構成
図。
【図2】転写ユニットの概略構成を示す拡大図。
【図3】実施例1にかかる出口ローラの拡大斜視図。
【図4】実施例2にかかる出口ローラの軸方向端部から
見た平面図。
【図5】実施例3にかかる出口ローラの部分拡大図。
【符号の説明】
1 トナー像形成部 2 光書込みユニット 3,4 給紙カセット 5 レジストローラ対 6 転写ユニット(ベルト装置) 7 定着ユニット 8 廃紙トレイ 9 転写バイアス電源 10 感光体ユニット 11Y,11M,11C,11K 感光体ドラム 60 転写搬送ベルト 61〜64 支持ローラ 62 出口ローラ 70a、71a、72a 凹部 71b 凸部 72b 薄層ブレード 100 転写紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 G03G 15/16 3J103 (72)発明者 司城 浩保 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H032 AA05 AA15 BA18 BA19 BA23 BA30 2H072 AB07 BA03 BA12 CA01 CA02 CA07 CB09 3F033 GA02 GC05 GD01 GE01 3F101 AB01 LA02 LA05 LA07 LB03 3J049 AA01 BF01 BF06 BH01 CA10 3J103 AA02 AA64 AA74 AA83 FA30 GA02 GA52

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のローラに張架された無端状ベルト
    と、該複数のローラのうち少なくとも1以上の回転駆動
    される駆動ローラとを有し、該駆動ローラの回転によっ
    て該無端状ベルトを所定の経路に沿って摩擦駆動するベ
    ルト装置において、 上記駆動ローラ表面と上記無端状ベルト内周面との間に
    侵入した異物を該無端状ベルトの駆動に伴って収容する
    ための異物収容部又は排出するための異物排出手段とし
    ての凹部を、該駆動ローラ表面の上記無端状ベルトに接
    する領域における駆動ローラ軸方向中央部を除いた駆動
    ローラ軸方向両端部のみに形成したことを特徴とするベ
    ルト装置。
  2. 【請求項2】請求項1のベルト装置において、上記駆動
    ローラ表面の上記凹部が形成された領域における該凹部
    以外の凸部の上記無端状ベルトに対する接触圧を、上記
    駆動ローラ軸方向中央部における該駆動ローラ表面の該
    無端状ベルトに対する接触圧よりも小さくしたことを特
    徴とするベルト装置。
  3. 【請求項3】請求項2のベルト装置において、上記駆動
    ローラ表面の上記凹部が形成された領域における該凹部
    以外の凸部の先端を結んでなる形状の径である凸部最大
    外径L2を、上記駆動ローラ軸方向中央部における中央
    部外径L1よりも小さくしたことを特徴とするベルト装
    置。
  4. 【請求項4】請求項2のベルト装置において、上記駆動
    ローラ表面の上記凹部が形成された領域における該凹部
    以外の凸部を弾性部材からなる薄層ブレードから構成し
    たことを特徴とするベルト装置。
  5. 【請求項5】像担持体上にトナー像を形成する現像装置
    と、 該像担持体上に形成したトナー像を転写材上に転写する
    転写装置とを有する画像形成装置において、 上記トナー像又は上記転写材を搬送する搬送装置のう
    ち、少なくとも1以上の搬送装置として、請求項1、
    2、3又は4のベルト装置を用いることを特徴とする画
    像形成装置。
  6. 【請求項6】請求項5の画像形成装置において、 上記駆動ローラ表面の上記凹部が形成された領域におけ
    る凸部の先端を結んでなる形状の径である凸部最大外径
    L2を、上記駆動ローラ軸方向中央部における中央部最
    大外径L1よりも小さくし、 該画像形成装置に使用されるトナーの1粒あたりの粒径
    をTとするとき、該中央部最大外径L1と該凸部最大外
    径L2との関係が、次に示される次式の条件を満たすこ
    とを特徴とする画像形成装置。 L1/2−L2/2<T
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008268810A (ja) * 2007-04-25 2008-11-06 Canon Inc 画像形成装置
US8644724B2 (en) 2010-07-27 2014-02-04 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming device

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