JP2008268433A - 電子写真装置 - Google Patents

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善久 斉藤
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龍哉 池末
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Abstract

【課題】高温高湿環境下で耐久部材を感光体に圧接放置しても、帯電部材表面と感光体表面間での貼り付き、固着等が生じない電子写真装置を提供する。
【解決手段】電子写真感光体、接触帯電方式である帯電手段、並びに結着樹脂、着色剤及び無機微粉体を含有するトナーを有する現像手段を有する電子写真装置であって、該電子写真感光体の表面が独立した凹形状部を複数有し、該凹形状部の短軸径が0.1μm以上3.0μm以下、隣接する凹形状部の壁面間距離が10μm以下、該凹形状部の最深部と開孔面との距離を示す深さが0.1μm以上であり、かつ、その個数が帯電部材と接触する表面100μm四方あたり10個以上であり、該無機微粉体の一次粒子の平均粒径が30nm以上500nm以下であり、かつ、該短軸径より小さく、さらに粒子形状が立方体状及び直方体状の少なくとも一方であることを特徴とする電子写真装置である。
【選択図】図10

Description

本発明は電子写真装置に関するものであり、詳しくは、表面層が均一な表面形状をもっている電子写真感光体と、無機微粉体を含有するトナーを有する電子写真装置に関する。
電子写真感光体としては、低価格及び高生産性などの利点から、光導電性物質(電荷発生物質や電荷輸送物質)として有機材料を用いた感光層(有機感光層)を支持体上に設けてなる電子写真感光体、いわゆる有機電子写真感光体が普及している。有機電子写真感光体としては、高感度及び材料設計の多様性などの利点から、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層してなる感光層、いわゆる積層型感光層を有する電子写真感光体が主流である。なお、この電荷発生物質としては、光導電性染料や光導電性顔料などが挙げられ、電荷輸送物質としては、光導電性ポリマーや光導電性低分子化合物などが挙げられる。
電子写真感光体は、その表面に、帯電、露光、現像、転写、クリーニングなどの電気的外力及び/または機械的外力が直接加えられるため、これら外力に対する耐久性も要求される。具体的には、これら外力による表面の傷や磨耗の発生に対する耐久性、すなわち耐傷性及び耐磨耗性などが要求される。
さて、電子写真感光体は、一般的には上述のように、帯電工程−露光工程−現像工程−転写工程−クリーニング工程からなる電子写真画像形成プロセスに用いられる。電子写真画像形成プロセスのうち、帯電工程に用いる帯電手段としてはコロナ帯電器が使用されてきた。しかしこの方法では、コロナ発生時にオゾンや窒素酸化物等のコロナ生成物が発生し、これが感光体表面に付着したり、感光体表面を劣化させたりする。このため、画像ににじみやボケを引き起こしたり、コロナワイヤの汚れが帯電の不均一を起こしたりして、画像の白抜けや黒スジ等の画像欠陥を引き起こしていた。
しかし近年は、低オゾン・低電力等の利点を有することから、接触帯電装置、すなわち電圧を印加した帯電部材を感光体に当接させて感光体の帯電を行う方式の装置が、提案され、かつ実用化されている。具体的には、帯電は帯電部材と感光体との間に1kV以上2kV以下程度の電圧を印加することにより、帯電部材と感光体との微小空隙で発生するギャップ放電によって行われる(例えば特許文献1、2)。
また、接触帯電装置においては、特に帯電部材としてローラ状の帯電ローラを用いたローラ帯電方式の装置が、帯電の安全性という点から好ましく用いられている。ローラ帯電方式の接触帯電装置では、帯電部材として導電性を有する弾性ローラ(帯電ローラ)を感光体に加圧当接させ、これに電圧を印加することにより感光体を帯電処理する。このように感光体表面に導電部材を接触させ、導電部材に電圧を印加することにより感光体表面を帯電させるいわゆる接触帯電方式の帯電工程を用いることによって、オゾンの発生が少なく、低電力の帯電が可能となった。
しかしながら、接触帯電装置では、帯電部材を感光体に当接させているために、連続して画像を出力した後、帯電部材を感光体に圧接放置した場合、特に高温高湿環境下で、帯電部材と感光体の貼り付き、或いは固着等の現象が生じる場合があった。これは、帯電部材表面、或いは感光体表面の樹脂が加水分解することによる化学的な結合が帯電部材と感光体表面間で生じることが主な原因であると考えられる。
特開昭57−017826号公報 特開昭58−040566号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、高温高湿環境下での耐久時、帯電部材を電子写真感光体に圧接放置しても、帯電部材表面と電子写真感光体表面間での貼り付き、固着等が生じない電子写真装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、電子写真感光体の表面に所定の微細な凹形状部を有し、かつ、無機微粉体を含有するトナーを使用することによって、上述の問題を効果的に改善することができることを見いだし、本発明に至った。
即ち、本発明は、支持体上に感光層を有する電子写真感光体、該電子写真感光体の表面に帯電部材を接触させて帯電させる接触帯電方式である帯電手段、並びに結着樹脂、着色剤及び無機微粉体を含有するトナーを有する現像手段を有する電子写真装置であって、該電子写真感光体の表面が独立した凹形状部を複数有し、該凹形状部の短軸径が0.1μm以上3.0μm以下、隣接する凹形状部の壁面間距離が10μm以下、該凹形状部の最深部と開孔面との距離を示す深さが0.1μm以上であり、かつ、その個数が帯電部材と接触する表面100μm四方あたり10個以上であり、該無機微粉体の一次粒子の平均粒径が30nm以上500nm以下であり、かつ、該短軸径より小さく、さらに粒子形状が立方体状及び直方体状の少なくとも一方であることを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば、高温高湿環境下での耐久時、帯電部材を電子写真感光体に圧接放置しても、帯電部材表面と電子写真感光体表面間での貼り付き、固着等が生じない電子写真装置を提供することができる。
<本発明による電子写真感光体の表面形状>
まずはじめに、本発明の電子写真感光体の表面形状について説明する。
本発明による電子写真感光体は、表面形状として、以下の特徴を有する電子写真感光体(有機電子写真感光体)である。表面が独立した凹形状部を複数有し、該凹形状部の短軸径が0.1μm以上3.0μm以下、隣接する凹形状部の壁面間距離が10μm以下、該凹形状部の最深部と開孔面との距離を示す深さが0.1μm以上である。しかも、該凹形状部の個数が帯電部材と接触する表面100μm四方あたり10個以上である。
図1には、独立した凹形状部を複数有する電子写真感光体表面の一例及び、各凹形状部の具体的な形状に関して、その表面及び断面の形状を示している。各々の凹形状部の表面の形状は、図1−bに示したように、円、楕円、正方形、長方形、三角形、六角形などの種々の形状が形成可能である。またその断面形状は、図1−cに示したように、三角形、四角形、多角形などのエッジを有するもの、連続した曲線からなる波型、前記三角形、四角形、多角形のエッジの一部あるいは全部に曲線を複合させたものなどの種々の形状が形成可能である。
電子写真感光体表面において形成される複数の凹形状部は、すべてが同一の形状、大きさ、深さであってもよいし、あるいはこれらが組み合わされたものでもよい。
次に、平均短軸径について説明する。まず各凹形状における短軸径を、図1−bに示したように、各凹形状開口部を水平方向に投影して得られた直線のうち、最小となる直線の長さと定義する。例えば、円の場合は直径、楕円の場合は短径、四角形の場合は辺のうち短い方を採用する。長軸径についても同様に各凹形状における長軸径を、各凹形状開口部を横切る直線のうち、最大となる直線の長さと定義する。例えば、円の場合は直径、楕円の場合は長径、四角形の場合は対角線のうち長い方を採用する。短軸径及び長軸径の測定にあたっては、例えば図1−c−3のように凹形状部と平坦部の境界が明瞭でない場合は、その断面形状も考慮した上で、粗面化する前の平滑面を基準とし、図のように凹形状部表面における最大長さを長軸径と定義する。さらに、図1−c−6のように粗面化する前の平滑面が不明瞭である場合は、隣り合う凹部同志の断面図において中心線を設け、短軸径及び長軸径を定義する。測定は対象となる感光体の表面を感光体回転方向に4等分し、該感光体回転方向と直交する方向に25等分して得られる計100箇所の領域のそれぞれの中に、一辺100μmの正方形の領域を設けて行う。このようにして得られた単位面積当たりの凹形状各々の短軸径・長軸径を統計処理し、その平均値を平均短軸径・平均長軸径と定義する。
本発明における凹形状部の深さは、図1−cで示すように、前述した長軸径をなす直線と凹形状部底面との最大距離と定義する。
本発明においては、該凹形状部の短軸径が0.1μm以上3.0μm以下、隣接する凹形状部の壁面間距離が10μm以下、該凹形状部の最深部と開孔面との距離を示す深さが0.1μm以上であり、好ましくは0.1μm以上0.5μm以下である。しかも、該凹形状部の個数が帯電部材と接触する表面100μm四方あたり10個以上であり、好ましくは100個以上である。
本発明においては、電子写真感光体の表面形状を上述のように浅く微細な凹形状とすることと、粒子形状が立方体状及び直方体状の少なくとも一方である無機微紛体を含有するトナーを使用することにより、この凹形状部に無機微粉体が滞留することが可能である。このため、帯電部材を感光体に圧接放置した場合、帯電部材と感光体の接触面積が低減するために、帯電部材と感光体の貼り付き、或いは固着等の発生を抑えることが可能となった。以下、上記粒子形状に関して、「立方体状及び直方体状の少なくとも一方」を「立方体状及び/または直方体状」という。
該凹形状部の短軸径が0.1μm以上3.0μm以下の場合でも、表面100μm四方あたりの凹形状部の個数が10個未満である場合は、凹形状部へ無機微粉体が滞留する量が極少となってしまう。これにより、帯電部材と感光体の接触面積が増加してしまうため本発明の効果が得られにくい傾向にある。また隣接する凹形状部の壁面間距離が10μmより大きい場合も、凹形状部の個数が減ってしまうため同様である。特に、高温、高湿環境下においてこの現象は顕著になりやすい。
本発明において、電子写真感光体表面の凹形状部の測定は、市販のレーザー顕微鏡により可能である。例えば、以下の機器や機器に付属した解析プログラムが利用可能である。(株)キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡VK−8550、VK−9000。(株)菱化システム製の表面形状測定システムSurface Explorer SX−520DR。オリンパス(株)製の走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000。レーザーテック(株)製のリアルカラーコンフォーカル顕微鏡オプリテクスC130。
これらのレーザー顕微鏡を用いて、所定の倍率によりある視野における凹形状部の個数及び凹形状部各々の短軸径・長軸径を計測することができ、単位面積当たりの凹形状部の平均短軸径・平均長軸径及び面積率を計算により求めることができる。また、解析ソフトによる自動計算も可能である。
なお、光学顕微鏡、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、走査プローブ顕微鏡などによる観察及び測定の利用も可能である。
<本発明による電子写真感光体の表面形状の形成方法>
次に、本発明による電子写真感光体の表面形状の形成方法について説明する。この表面形状の形成方法としては、上述の凹形状部に係る要件を満たし得る方法であれば、特に制限はないが、例えば、エキシマレーザー照射による加工が挙げられる。
以下の工程で放出されるレーザー光である。つまり、まず、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと、F、Clなどのハロゲンガスとの混合気体に、放電、電子ビーム、X線などでエネルギーを与えて励起して結合させる。その後、基底状態に落ちることで解離する際、エキシマレーザー光が放出される。
エキシマレーザーにおいて用いるガスとしては、ArF、KrF、XeCl、XeFが挙げられるが、いずれを用いてもよく、特にKrF、ArFが好ましい。凹形状部の形成方法としては、図2に示すような、レーザー光遮断部aとレーザー光透過部bとを適宣配列したマスクを使用する。マスクを透過したレーザー光のみがレンズで集光され、被加工物に照射されることにより、所望の形状と配列を有した凹形状部の形成が可能となる。一定面積内の多数の凹形状部を、凹形状部の形状、面積に関わらず瞬時に同時に加工できるため、工程は短時間ですむ。マスクを用いたレーザー照射により、1回照射当たり数mmから数cmが加工される。レーザー加工においては、図3に示すように、まず、ワーク回転用モーターdにより被加工物(電子写真感光体)fを自転させる。自転させながら、ワーク移動装置eにより、エキシマレーザー光照射器cによるレーザー照射位置を被加工物の軸方向上にずらしていくことにより、被加工物の表面全域に効率良く凹形状部を形成することができる。凹形状部の深さは、レーザー光の照射時間や照射回数などによって、前記所望の範囲内に調整が可能である。本発明によれば、凹形状部の大きさ、形状、配列の制御性が高く、高精度かつ自由度の高い粗面加工が実現できる。
また、本発明による電子写真感光体は、同じマスクパターンを用いて上述の加工を施されてもよく、これにより、感光体表面全体における粗面均一性が高くなる。その結果、電子写真装置において使用する際のクリーニングブレードにかかる力学的負荷は均一となる。また図4に示すように、感光体の任意の周方向線上に、凹形状形成部h及び凹形状非形成部gの双方が存在する配列となるようにマスクパターンを形成することにより、クリーニングブレードにかかる力学的負荷の偏在は一層防止できる。
本発明による電子写真感光体の表面形状の形成方法として、上述の他、所定の形状を有するモールドを電子写真感光体の表面に圧接し形状転写を行う方法が挙げられる。
図5は、本発明におけるモールドによる圧接形状転写加工装置の概略図の例を示す図である。加圧及び解除が繰り返し行える加圧装置Aに所定のモールドBを取り付けた後、感光体Cに対して所定の圧力でモールドBを当接させ形状転写を行う。その後、加圧を一旦解除し、感光体Cを回転させた後に、再度加圧そして形状転写工程を行う。この工程を繰り返すことにより、感光体全周にわたって所定の凹形状部を形成することが可能である。
また、例えば図6に示したように、まず、加圧装置Aに感光体Cの全周長程度の所定のモールドBを取り付ける。その後、感光体Cに対して所定の圧力をかけながら、感光体を回転、移動させることにより、感光体全周にわたって所定の凹形状部を形成することが可能である。
他の例として、シート状のモールドをロール状の加圧装置と感光体の間に挟み、モールドシートを送りながら表面加工することなども可能である。
なお、形状転写を効率的に行う目的で、モールドや感光体を加熱してもよい。
モールド自体の材質や大きさ、形状は適宜選択することができる。材質としては、微細表面加工された金属や樹脂フィルム、シリコンウエハーなどの表面にレジストによりパターンニングをしたもの、微粒子が分散された樹脂フィルム、所定の微細表面形状を有する樹脂フィルムに金属コーティングされたものなどが挙げられる。モールド形状の一例を図7に示す。
また、感光体に対して圧力の均一性を付与する目的で、モールドと加圧装置との間に弾性体を設置することも可能である。
本発明による電子写真感光体の表面形状の形成方法として、さらに、電子写真感光体の表面層形成時に表面を結露させることによる表面形状の形成方法が挙げられる。
電子写真感光体の表面層形成時に表面を結露させた表面の形成方法とは、次の順で行われる。結着樹脂及び特定の芳香族有機溶剤を含有し、芳香族有機溶剤の含有量が表面層用塗布液中の全溶剤質量に対し50質量%以上80質量%以下で含有する表面層用塗布液を作製し、該塗布液を塗布する塗布工程を経る。次いで、該塗布液を塗布された支持体を保持し、該塗布液を塗布された支持体の表面を結露させた支持体保持工程を経る。その後、支持体を加熱乾燥する乾燥工程により表面に各々独立した凹形状部が形成された表面層を作製する。上記、結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂及び不飽和樹脂が挙げられる。特には、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂あるいはジアリルフタレート樹脂が好ましい。さらには、ポリカーボネート樹脂あるいはポリアリレート樹脂であることが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。上記、特定の芳香族有機溶剤は、水に対して親和性の低い溶剤である。具体的には、1,2−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼンあるいはクロロベンゼンが挙げられる。上記、表面層用塗布液中に、芳香族有機溶剤を含有していることが重要であるが、凹形状部を安定的に作製する目的で、表面層用塗布液中に、さらに水との親和性の高い有機溶剤あるいは水を表面層用塗布液中に含有してもよい。水との親和性の高い有機溶剤としては、(メチルスルフィニル)メタン(慣用名:ジメチルスルホキシド)、チオラン−1,1−ジオン(慣用名:スルホラン)であることが好ましい。また、N,N−ジメチルカルボキシアミド、N,N−ジエチルカルボキシアミド、ジメチルアセトアミドあるいは1−メチルピロリジン−2−オンであることが好ましい。これらの有機溶剤は単独で含有することも、2種以上混合して含有することもできる。
上記、支持体の表面を結露させた支持体保持工程とは、表面層用塗布液を塗布された支持体を、支持体の表面が結露する雰囲気下に一定時間保持する工程を示す。この表面形成方法における結露とは、水の作用により表面層用塗布液を塗布された支持体に液滴が形成されたことを指す。支持体の表面を結露させる条件は、支持体を保持する雰囲気の相対湿度及び塗布液溶剤の揮発条件(例えば気化熱)によって影響される。しかし、表面層用塗布液中に、芳香族有機溶剤を全溶剤質量に対し50質量%以上含有しているため、塗布液溶剤の揮発条件の影響は少なく、支持体を保持する雰囲気の相対湿度に主に依存する。支持体の表面を結露させる相対湿度は、40%以上100%以下である。さらに相対湿度70%以上であることが好ましい。支持体保持工程には、結露による液滴形成が行われるのに必要な時間があればよい。生産性の観点から好ましくは1秒以上300秒以下であり、さらには10秒から180秒程度であることが好ましい。支持体保持工程には、相対湿度が重要であるが、雰囲気温度としては20℃以上80℃以下であることが好ましい。
上記、加熱乾燥する乾燥工程により、支持体保持工程によって表面に生じた液滴を、感光体表面の凹形状部として形成できる。均一性の高い凹形状部を形成するためには、速やかな乾燥であることが重要であるため、加熱乾燥が行われる。乾燥工程における乾燥温度は、100℃以上150℃以下であることが好ましい。加熱乾燥する乾燥工程の時間は、支持体上に塗布された塗布液中の溶剤及び結露工程によって形成した水滴が除去される時間があればよい。乾燥工程の時間は、20分以上120分以下であることが好ましく、さらには40分以上100分以下であることが好ましい。
上記、電子写真感光体の表面層形成時に表面を結露させた表面の形成方法により、感光体の表面には、各々独立した凹形状部が形成される。電子写真感光体の表面層形成時に表面を結露させた表面の形成方法は、水の作用により形成される液滴を、水との親和性の低い溶剤及び結着樹脂を用いて凹形状部を形成する方法である。この製造方法により作製された電子写真感光体の表面に形成された凹形状部の個々の形は、水の凝集力により形成されるため、均一性の高い凹形状部となっている。この製造方法は、液滴あるいは液滴が十分に成長した状態から液滴を除去する工程を経る製造方法であるため、電子写真感光体の表面の凹形状部は、例えば、液滴形状あるいはハニカム形状(六角形状)の凹形状部が形成される。液滴形状の凹形状部とは、感光体表面の観察では、例えば、円形状あるいは楕円形状に観察される凹形状部であり、感光体断面の観察では、例えば、部分円状あるいは部分楕円状に観察される凹形状部を示す。また、ハニカム形状(六角形状)の凹形状部とは、例えば、電子写真感光体の表面に液滴が最密充填されたことにより形成された凹形状部である。具体的には、感光体表面の観察では、例えば、凹形状部が円状、六角形状あるいは角の円い六角形状であり、感光体断面の観察では、例えば、部分円状あるいは角柱のような凹形状部を示す。
本発明において、所望の凹形状部を形成するために、表面層用塗布液中の溶剤種、溶剤含有量、支持体保持工程における相対湿度、保持工程における保持時間、加熱乾燥温度などによる制御が可能である。
<本発明による電子写真感光体>
次に、本発明による電子写真感光体について説明する。
上述のとおり、本発明の電子写真感光体は、支持体と、この支持体上に設けられた有機感光層(以下、単に「感光層」ともいう。)とを有する。本発明による電子写真感光体は、一般的には、円筒状支持体上に感光層を形成した円筒状有機電子写真感光体が広く用いられるが、ベルト状或いはシート状などの形状も可能である。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよい。本発明による電子写真感光体は、電子写真特性の観点から、積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層には、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層であっても、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層であってもよい。本発明による電子写真感光体において、積層型感光層を採用する場合、また、電荷発生層を積層構造としてもよく、また、電荷輸送層を積層構成としてもよい。さらに、耐久性能向上等を目的とし感光層上に保護層を設けることも可能である。
支持体の材料としては、導電性を示すもの(導電性支持体)であればよい。例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製(合金製)などが挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体などを用いることもできる。
支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
支持体と、後述の中間層または感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、導電性顔料や抵抗調節顔料を結着樹脂に分散及び/または溶解させた導電層用塗布液を用いて形成されてもよい。導電層用塗布液には、加熱または放射線照射により硬化重合する化合物を添加してもよい。導電性顔料や抵抗調節顔料を分散させた導電層は、その表面が粗面化される傾向にある。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、さらには1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることがより一層好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体/共重合体が挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂などが挙げられる。
導電性顔料及び抵抗調節顔料としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレスなどの金属(合金)の粒子や、これらをプラスチックの粒子の表面に蒸着したものなどが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズなどの金属酸化物の粒子でもよい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合するだけでもよいし、固溶体や融着の形にしてもよい。
支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層の材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロースなどが挙げられる。また、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチンなどが挙げられる。中間層は、これらの材料を溶剤に溶解させることによって得られる中間層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
中間層の膜厚は0.05μm以上7μm以下であることが好ましく、さらには0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
次に本発明における感光層について説明する。
本発明において感光層に用いられる電荷発生物質としては、例えば、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、各種の中心金属及び各種の結晶系(α、β、γ、ε、X型など)を有するフタロシアニン顔料が挙げられる。また、アントアントロン顔料や、ジベンズピレンキノン顔料や、ピラントロン顔料や、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、インジゴ顔料や、キナクリドン顔料や、非対称キノシアニン顔料や、キノシアニン顔料などが挙げられる。さらに、アモルファスシリコンであってもよい。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、例えば、ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物などが挙げられる。また、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物などが挙げられる。
感光層を電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離する場合、電荷発生層は、以下の方法で形成することができる。つまり、まず、電荷発生物質を0.3倍量以上4倍量以下(質量比)の結着樹脂及び溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライターまたはロールミルなどを用いる方法で分散する。分散して得た電荷発生層用塗布液を塗布する。これを乾燥させることによって、電荷発生層を形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂とを溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、上記電荷輸送物質のうち単独で成膜性を有するものは、結着樹脂を用いずにそれ単独で成膜し、電荷輸送層とすることもできる。
電荷発生層及び電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体及び共重合体などが挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、さらには0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
電荷輸送層の膜厚は5μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには10μm以上35μm以下であることがより好ましい。
前述したように、電子写真感光体に要求される特性の一つである耐久性能の向上にあたっては、上述の機能分離型感光体の場合、表面層となる電荷輸送層の材料設計は重要である。その例としては、高強度の結着樹脂を用いたり、可塑性を示す電荷輸送物質と結着樹脂との比率をコントロールしたり、高分子電荷輸送物質を使用するなどが挙げられるが、より耐久性能を発現させるためには表面層を硬化系樹脂で構成することが有効である。
本発明においては、電荷輸送層自体を硬化系樹脂で構成することが可能である。また上述の電荷輸送層上に第二の電荷輸送層或いは保護層として硬化系樹脂層を形成することが可能である。硬化系樹脂層に要求される特性は、膜の強度と電荷輸送能力の両立であり、電荷輸送物質及び重合或いは架橋性のモノマーやオリゴマーから構成されるのが一般的である。
電荷輸送物質としては、公知の正孔輸送性化合物及び電子輸送性化合物を用いることができる。重合あるいは架橋性のモノマーやオリゴマーとしては、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合系の材料、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基などを有する逐次重合系の材料が挙げられる。得られる電子写真特性、汎用性や材料設計、製造安定性などの観点から正孔輸送性化合物と連鎖重合系材料の組み合わせが好ましく、さらには正孔輸送性基及びアクリロイルオキシ基の両者を分子内に有する化合物を硬化させる系が特に好ましい。
硬化手段としては、熱、光、放射線など公知の手段が利用できる。
硬化層の膜厚は、電荷輸送層の場合は前述と同様5μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには10μm以上35μm以下であることがより好ましい。第二の電荷輸送層あるいは保護層の場合は、0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、さらには1μm以上10μm以下であることがより好ましい。
本発明においては上述の方法により作製された表面層を有する電子写真感光体に対して、前述のレーザー加工あるいはモールドによる圧接形状転写加工を行うことにより、所望の凹形状部を形成することが可能である。また、表面層形成時に表面を結露させることによる表面形状の形成方法を用いる場合には、前述のように表面層の製造方法を制御することにより、所望の凹形状部を形成することが可能である。
本発明による電子写真感光体は、上述の通り、特定の凹形状部をその表面に有する。この形状は、表面が摩耗しにくい電子写真感光体を適用したときに最も効果的に作用する。上述のとおり、表面が摩耗しにくい電子写真感光体は、高耐久である一方で、クリーニング性能や各種の画像欠陥などの問題が顕著になるからである。
本発明による表面が磨耗しにくい電子写真感光体とは、その表面の弾性変形率が、40%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましく、50%以上であることがより一層好ましい。弾性変形率が40%未満である場合には、表面が磨耗しやすい傾向にある。
また、本発明による電子写真感光体の表面のユニバーサル硬さ値(HU)は、150N/mm以上であることが好ましい。
弾性変形率が40%未満である場合やユニバーサル硬さ値が150N/mm未満である場合には、表面が磨耗しやすい傾向にある。
以上のように表面が摩耗しにくい電子写真感光体は、上記の微細表面形状が初期から繰り返し使用後まで変化が非常に小さく、或いは変化しないため、長期間繰り返し使用した場合にも初期の性能を良好に維持することができる。
本発明において、電子写真感光体の表面のユニバーサル硬さ値(HU)及び弾性変形率は、25℃/50%RH環境下、微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した値である。このフィシャースコープH100Vは、測定対象(電子写真感光体の周面)に圧子を当接し、この圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読することにより連続的硬さが求められる装置である。
本発明においては、圧子として対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用い、電子写真感光体の周面に圧子を押し当て、以下の条件で行った。
圧子に連続的にかける荷重の最終(最終荷重):6mN
圧子に最終荷重6mNをかけた状態を保持する時間(保持時間):0.1秒
また、測定点は273点とした。
図8は、フィシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの概略を示す図である。また、図9は、フィシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの一例を示す図である。図8及び図9において、縦軸は圧子にかけた荷重F(mN)を、横軸は圧子の押し込み深さh(μm)を示す。図8は、圧子にかける荷重を段階的に増加させて荷重が最大になった(A→B)後、段階的に荷重を減少させた(B→C)ときの結果を示す。図9は、圧子にかける荷重を段階的に増加させて最終的に荷重を6mNとし、その後、段階的に荷重を減少させたときの結果を示す。
ユニバーサル硬さ値(HU)は、圧子に最終荷重6mNをかけたときの該圧子の押し込み深さから下記式により求めることができる。なお、下記式中、HUはユニバーサル硬さ(HU)を、Fは最終荷重を、Sは最終荷重をかけたときの圧子の押し込まれた部分の表面積をそれぞれ示す。また、hは最終荷重をかけたときの圧子の押し込み深さ(mm)を示す。
また、弾性変形率は、圧子が測定対象(電子写真感光体の周面)に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち、圧子の測定対象(電子写真感光体の周面)に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めることができる。具体的には、弾性変形仕事量Weを全仕事量Wtで除した値(We/Wt)が弾性変形率である。なお、全仕事量Wtは図8中のA−B−D−Aで囲まれる領域の面積であり、弾性変形仕事量Weは図8中のC−B−D−Cで囲まれる領域の面積である。
本発明の電子写真感光体の各層には各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの劣化防止剤や、フッ素原子含有樹脂粒子などの潤滑剤などが挙げられる。
<電子写真装置>
次に、本発明による電子写真装置について説明する。図10は、本発明の電子写真感光体を備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
図10において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(図示せず)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。なお、帯電手段3は、図10に示すような帯電ローラなどを用いた接触帯電方式である帯電部材(接触帯電手段)である。
電子写真感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の周面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(図示せず)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して給送されてもよい。また、転写材の代わりに、一旦中間転写体や中間転写ベルトにトナー像を転写した後、さらに転写材(紙など)に転写するシステムも可能である。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の周面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。さらに前露光手段(図示せず)からの前露光光(図示せず)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。また、クリーニングブレードを用いないクリーニングレスシステムに対しても、本発明による電子写真感光体は有効である。
なお、図10に示すように、帯電手段3が帯電ローラなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6及びクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。このプロセスカートリッジは、複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図10では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
<無機微粉体及び現像剤>
本発明において、トナーに外添される無機微紛体は、一次粒子の平均粒径が30nm以上500nm以下であり、かつ、該短軸径より小さく、さらに粒子形状が立方体状及び/または直方体状であるペロブスカイト型結晶である。また、無機微紛体は、凝集体の粒径が600nm以上の粒子が1個数%以下であるペロブスカイト型結晶であることがより好ましい。
従来、トナーに外添される無機微粉体に使用されているチタン酸ストロンチウムは焼結工程を経て製造されており、粒子の形状が球状、または球状に近い多面体状である。このため、帯電部材を感光体に圧接放置した場合、特に摩耗量の少ない平滑な感光体を用いた場合は、すり抜けやすく、感光体と帯電部材の間に存在しにくいため、帯電部材と感光体の貼り付き、或いは固着等が発生してしまう。また、表面層に浅く微細な凹形状部を有する感光体を使用した場合も同様に、無機微粉体の形状が球形に近いために、凹形状部に無機微粉体が上手く滞留できない。このため、帯電部材と感光体の接触面積が大きくなってしまい、帯電部材と感光体の貼り付き、或いは固着等が発生すると推測される。
粒子形状が立方体状及び/または直方体状であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は、形状が角張っているため球状に近い多面体状のものと比べてすり抜けが生じにくい。このため、表面層に浅く微細な凹形状部を有する感光体を使用した場合は、凹形状部での無機微粉体の滞留が可能となり、帯電部材と感光体の貼り付き、或いは固着等の発生を抑えることが可能になる。
本発明において用いる無機微粉体はペロブスカイト型の結晶を持つものが好ましい。ペロブスカイト型無機微粉体の中でもさらに好ましいものは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウムであるが、その中でもチタン酸ストロンチウムがさらに好ましい。
本発明において使用されるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は、一次粒子の平均粒径が30nm以上500nm以下であり、さらには50nm以上250nm以下であるものが好ましい。
また、該無機微粉体は着色粒子表面に必ずしも一次粒子として存在するとは限らず、凝集体として存在する場合もあるが、その場合でも凝集体の粒径が600nm以上の粒子が1個数%以下であることが好ましい。
なお、本発明における無機微粉体の粒径については、走査型電子顕微鏡FE−SEM((株)日立製作所製S−4700)にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して求めた。
なお、立方体、直方体である無機微紛体の粒径は、図11に示した微紛体の形状の中で最も長い辺の長さ(T1)と最も短い辺の長さ(S1)としたとき、式(1)を持って無機微紛体の粒径とした。
無機微紛体の粒径=(T1+S1)/2 (1)
本発明において着色粒子に対するペロブスカイト型無機微紛体の添加量は、0.1質量%以上7.0質量%以下がより好ましい。
本発明で用いる結着樹脂及び着色剤を含有し、さらに該トナーには一次粒子の平均粒径が30nm以上500nm以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体が外添してあるトナーについて作製方法含めて詳細に記述する。
ペロブスカイト型結晶の無機微紛体は、例えば、硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水酸化チタンスラリーのpHを調整して得たチタニアゾルの分散液に、ストロンチウムの水酸化物を添加して、反応温度まで加温することで合成することができる。該含水酸化チタンスラリーのpHは0.5以上1.0以下とすることで、良好な結晶化度及び粒径のチタニアゾルが得られる。
また、チタニアゾル粒子に吸着しているイオンを除去する目的で、該チタニアゾルの分散液に、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質を添加することが好ましい。このときナトリウムイオン等を含水酸化チタン表面に吸着させないために、該スラリーのpHを7以上にしないことが好ましい。また、反応温度は60℃以上100℃以下程度が好ましく、所望の粒度分布を得るためには昇温速度を30℃/時間以下にすることが好ましく、反応時間は3時間以上7時間以下であることが好ましい。
また、該無機微粉体の結晶構造がペロブスカイト型(3種類の異なる元素で構成された面心立方格子)であることを確認するには、X線回折測定を行うことで確認することができる。
さらに、該無機微粉体は現像特性を考慮し、摩擦帯電極性、環境による摩擦帯電量を制御、またドラム傷の防止の点から、微粉体の表面を処理したほうが好ましい。
表面処理剤としては、カップリング剤やシリコーンオイル、脂肪酸金属塩などの処理剤が挙げられる。
表面処理を行うことで、例えば、親水基と疎水基を有する化合物であるカップリング剤の場合、親水基側が無機微粉体表面を覆うことで疎水基側が外側になるので、微粉体の疎水化処理がなされ、環境による摩擦帯電量の変動を抑制させることができる。また、アミノ基、フッ素などの官能基を導入したカップリング剤により、摩擦帯電量の制御も容易にできる。さらに、上述のような表面処理剤で表面を処理することにより、無機微粉体中に含まれるドラム傷の原因となる、遊離している平均粒径よりも小さいかけらなどの微粉を無機微粉体表面に固定する担持作用があるので、ドラム傷の防止効果もあるので好ましい。
また、上述のような表面処理剤の場合には分子レベルでの表面処理のために、該無機微粉体の形状がほとんど変化せず、概略立方体、直方体形状による掻き取り力が維持されるのでより好ましい。
カップリング剤としてはチタネート系、アルミニウム系、シラン系カップリング剤等が挙げられる。脂肪酸金属塩としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられ、また脂肪酸であるステアリン酸などでも同様の効果が得られる。
処理の方法は、処理する表面処理剤などを溶媒中に溶解、分散させ、その中に無機微粉体を添加した、撹拌しながら溶媒を除去して処理する湿式方法や、カップリング剤、脂肪酸金属塩と無機微粉体を直接混合して撹拌しながら処理を行う乾式方法などが挙げられる。
また、表面処理については無機微粉体を完全に処理、被覆する必要は無く、効果が得られる範囲で無機微粉体が露出していてもよい。つまり表面の処理が不連続に形成されていてもよい。
本発明のトナーの製造方法は特に限定されず、懸濁重合法、乳化重合法、会合重合法、混練粉砕法などが用いられる。
次に混練粉砕法におけるトナーの製造方法について説明する。
本発明の粉砕法トナーに用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体等を単独または混合して使用できる。また、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等を単独または混合して使用できる。中でもスチレン−アクリル、スチレン−メタクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
また本発明の粉砕法トナーを正帯電性に制御する場合は、以下の化合物を添加する。脂肪酸金属塩等による変性物。トリブチルベンジジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩。アミン及びポリアミン系化合物。高級脂肪酸の金属塩。アセチルアセトン金属錯体。ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド。ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート。また、負帯電性に制御する場合は、有機金属錯体、キレート化合物が有効で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体を用いることができる。使用量は結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上15質量部以下、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下である。
本発明の粉砕法トナーには、必要に応じて以下の離型剤を添加することができる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスまたはその酸化物。カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪族エステルを主成分とするワックスまたは、その一部または全部を脱酸化したもの。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類。ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類。ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール。ソルビトールなどの多価アルコール類。リノール酸アミドなどの脂肪酸アミド類。メチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類。エチレンビスオレイン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類。N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族ビスアミド類。ステアリン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩。脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンなどのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類。ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物。植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化物。添加量は結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下、好ましくは0.5質量部以上10質量部以下である。
次にこれらの結着樹脂、離型剤、荷電制御剤、着色剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により十分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して、樹脂類を互いに相溶せしめる。その中に荷電制御剤、着色剤を分散または溶解せしめ、冷却固化後、機械的に所望の粒度に微粉砕し、さらに分級によって粒度分布をシャープにする。あるいは、冷却固化後、ジェット気流下でターゲットに衝突させて得られた微粉砕物を、熱または機械的衝撃力によって球形化する。
着色粒子としては、粒子自体が比較的硬く、そのためにドラム表面の付着物の掻き取り力が高い磁性体を含有した磁性粒子のほうがより好ましい。
このようにして得られた着色粒子に、本発明に用いるペロブスカイト型無機微粉体を外添してトナーとする。
さらに本発明においては、現像性、耐久性を向上させるためにさらに次の無機微粉体を添加することもできる。マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモン等の金属酸化物。硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩。カオリン等の粘土鉱物。アパタイト等のリン酸化合物。酸化珪素、炭化珪素、窒化珪素等の珪素化合物。カーボンブラックやグラファイト等の炭素粉末。
同様の目的で以下の有機粒子や複合粒子を添加することもできる。ポリアミド樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、シリコンゴム粒子、ウレタン粒子、メラミン−ホルムアルデヒド粒子、アクリル粒子等の樹脂粒子。ゴム、ワックス、脂肪酸系化合物、樹脂等と金属、金属酸化物、塩、カーボンブラック等の無機粒子とからなる複合粒子。ポリ弗化エチレン、ポリ弗化ビニリデン等のフッ素樹脂。弗化カーボン等のフッ素化合物。ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩。脂肪酸、脂肪酸エステル等の脂肪酸誘導体。硫化モリブデン、アミノ酸及びアミノ酸誘導体。
本発明に適用されるトナーは、特に限定されず、粉砕法、重合法等により製造される。
また、現像手段としては特に限定されず、一成分現像法、二成分現像法等が挙げられる。
本発明のトナーを二成分系現像剤として用いる場合にはキャリア粉と混合して用いられる場合には、トナーとキャリア粉との混合比はトナー濃度として0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。
本発明に使用しうるキャリアとしては、公知のものが全て使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面フッ素系樹脂、ビニル系樹脂或いはシリコーン系樹脂等で処理したものなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例にしたがってより詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
≪トナーの作製≫
<着色粒子製造例>
・スチレンアクリル樹脂 100部
(スチレン−ブチルアクリレート共重合比=78:22)
・磁性体 80部
・サリチル酸金属化合物 2部
・ポリエチレンワックス 4部
上記を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押し出し混練機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後、分級して平均粒径7.0μmの着色粒子を得た。
<ペロブスカイト型無機微粉体の製造例1>
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンを純水で濾液の電気伝導度が2200μS/cmになるまで洗浄した。該含水酸化チタンスラリーにNaOHを添加して吸着している硫酸根をSOとして0.24質量%になるまで洗浄した。次に該含水酸化チタンスラリーに塩酸を添加してスラリーのpHを1.0としてチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを6.2として上澄み液の電気伝導度が120μS/cmになるまで純水を用いてデカンテーションによって洗浄した。得られた含水酸化チタンをX線回折により調べたところアナターゼ型TiOのピークのみを示した。
以上のようにして得られた含水率91質量%のメタチタン酸533g(0.6モル)をSUS製反応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応容器内を窒素ガス置換した。Sr(OH)・8HO(純度95.5質量%)183.6g(0.66モル)を加え、さらに蒸留水を加えて0.3モル/リットル(SrTiO換算)、SrO/TiOモル比1.10のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸点温度(101℃)まで28℃/1時間で昇温し、沸点で3時間反応を行った。反応後40℃まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄み液を除去し、2.5リットルの純水を加えてデカンテーションを行うという操作を2回繰り返して洗浄を行った後、ヌッチェで濾過を行った。得られたケーキを110℃の大気中で4時間乾燥した。
得られたチタン酸ストロンチウムは、一次粒子の平均径が200nmで600nm以上の凝集体は0.2個数%であった。このチタン酸ストロンチウムを無機微粉体a−1とする。
<ペロブスカイト型無機微粉体の製造例2〜4>
ペロブスカイト型無機微粉体の製造例1でチタン酸ストロンチウムの反応温度、温度までの昇温速度、反応時間、分散液のpHを調整して、以下の特性をもつペロブスカイト型無機微粉体a−2〜a−4を作製した。以下の表1にまとめる。
<トナー製造例1〜4>
着色粒子100部と、一次粒径約7nmのシリカ100部にジメチルシリコーンオイル20部で表面処理した疎水性シリカ(BET=130m/g)1.5部と、無機微粉体a−1〜a−4を各1.5部、ヘンシェルミキサーFM10Bにて、外添した。こうしてトナーb−1〜b−4をそれぞれ得た。
≪感光体の製造≫
<感光体製造例K1>
直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、以下の成分からなる溶液を約20時間、ボールミルで分散し導電層用塗料を調製した。
酸化スズの被覆層を有する硫酸バリウム粒子からなる粉体 60部
(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)
酸化チタン 15部
(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)
レゾール型フェノール樹脂 43部
(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70質量%)
シリコーンオイル 0.015部
(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)
シリコーン樹脂 3.6部
(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)
2−メトキシ−1−プロパノール 50部
メタノール 50部
このようにして調製した導電層用塗料をアルミニウムシリンダー上に浸漬法によって塗布し、140℃のオーブンで1時間加熱硬化することにより、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、以下の成分をメタノール400部/n−ブタノール200部の混合液に溶解した溶液を、上述の導電層の上に浸漬塗布し、100℃のオーブンで30分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.45μmの中間層を形成した。
共重合ナイロン樹脂 10部
(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)
メトキシメチル化6ナイロン樹脂 30部
(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)
次に、以下の成分を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、酢酸エチル700部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン 20部
(CuKα特性X線回折において、7.4°及び28.2°(ブラッグ角2θ±0.2°))に強いピークを有するもの)
下記構造式(1)のカリックスアレーン化合物 0.2部
ポリビニルブチラール 10部
(商品名:エスレックBX−1、積水化学(株)製)
シクロヘキサノン 600部
これを浸漬コーティング法で塗布し、80℃のオーブンで15分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.170μmの電荷発生層を形成した。
次いで、以下の成分をモノクロロベンゼン600部及びメチラール200部の混合溶媒中に溶解して電荷輸送層用塗料を調製した。これを用いて、前記電荷発生層上に電荷輸送層を浸漬塗布し、110℃のオーブンで30分間加熱乾燥することにより、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
下記構造式(2)の正孔輸送性化合物 120部
ポリカーボネート樹脂 100部
(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)
(モールド圧接形状転写による凹形状部の形成)
この電子写真感光体に対して、図6に示す構成の装置において、図12に示した形状転写用のモールド(短軸径:2.2μm、長軸径:2.2μm、間隔:0.5μm、高さ:0.6μmの円柱形状)を設置し、表面加工を行った。加工時の電子写真感光体表面の温度が120℃になるように、電子写真感光体及びモールドの温度を制御し、2.94MPa(30kg/cm)の圧力で加圧しながら、感光体を周方向に回転させ形状転写を行った。
(形成した凹形状部の観察)
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図13に示すように、短軸系:2.2μm、長軸径:2.2μm、深さ:0.3μmの円柱状の凹形状部が0.5μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均短軸径、長軸径、平均深さ、個数は表2に示した通りであった。
(弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)の測定)
得られた電子写真感光体を、23℃/50%RH環境下に24時間放置した後、弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)を測定した。その結果、弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
<感光体製造例K2>
感光体製造例K1と同様に電子写真感光体を作成した。
(モールド圧接形状転写による凹形状部の形成)
感光体製造例K1で使用したモールドを、図14に示した形状転写用のモールド(短軸径:3.0μm、長軸径:4.0μm、間隔:1.0μm、高さ:1.0μmの六角柱形状)にかえた以外は、感光体製造例K1と同様に加工を行った。
(形成した凹形状部の観察)
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図15に示すように、短軸系:3.0μm、長軸径:4.0μm、深さ:0.5μmの六角柱状の凹形状部が1.0μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均短軸径、長軸径、平均深さ、個数は表2に示した通りであった。
(弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)の測定)
得られた電子写真感光体を、23℃/50%RH環境下に24時間放置した後、弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)を測定した。その結果、弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
<感光体製造例K3>
感光体製造例K1と同様に電子写真感光体を作成した。
(モールド圧接形状転写による凹形状部の形成)
感光体製造例K1で使用したモールドを、図16に示した形状転写用のモールド(短軸径:0.1μm、長軸径:0.1μm、間隔:0.9μm、高さ:0.2μmの山形形状)にかえた以外は、感光体製造例K1と同様に加工を行った。
(形成した凹形状部の観察)
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図17に示すように、短軸系:0.1μm、長軸径:0.1μm、深さ:0.1μmの山形柱状の凹形状部が0.9μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均短軸径、長軸径、平均深さ、個数は表2に示した通りであった。
(弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)の測定)
得られた電子写真感光体を、23℃/50%RH環境下に24時間放置した後、弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)を測定した。その結果、弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
<感光体製造例K4>
感光体製造例K1と同様に電子写真感光体を作製した。
(モールド圧接形状転写による凹形状部の形成)
感光体製造例K1で使用したモールドを、図18に示した形状転写用のモールド(短軸径:2.0μm、長軸径:3.0μm、間隔:5.0μm、高さ:0.2μmの四角柱形状)にかえた以外は、感光体製造例K1と同様に加工を行った。
(形成した凹形状部の観察)
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図19に示すように、短軸径:2.0μm、長軸径:3.0μm、深さ:0.1μmの四角柱形状の凹形状部が5.0μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均短軸径、長軸径、平均深さ、及び個数は表2に示した通りであった。
(弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)の測定)
得られた電子写真感光体を、23℃/50%RH環境下に24時間放置した後、弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)を測定した。その結果、弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
<感光体製造例K5>
感光体製造例K1と同様に電子写真感光体を作製した。
(モールド圧接形状転写による凹形状部の形成)
感光体製造例K1で使用したモールドを、図20に示した形状転写用のモールド(短軸径:2.2μm、長軸径:3.0μm、間隔:1.0μm(短軸側)、1.0μm(長軸側)、高さ:1.0μmの楕円柱形状)にかえた。これ以外は、感光体製造例K1と同様に加工を行った。
(形成した凹形状部の観察)
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図21に示すように、短軸径:2.2μm、長軸径:3.0μm、深さ:0.5μmの楕円柱形状の凹形状部が、短軸側:1.0μm、長軸側:1.0μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均短軸径、長軸径、平均深さ、及び個数は表2に示した通りであった。
(弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)の測定)
得られた電子写真感光体を、23℃/50%RH環境下に24時間放置した後、弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)を測定した。その結果、弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
<感光体製造例K6>
感光体製造例K1と同様に電子写真感光体を作製した。
次にモールド圧接形状転写のかわりに、以下のレーザー加工により、電子写真感光体の表面形状加工を行った。
(エキシマレーザーによる凹形状部の形成)
得た電子写真感光体の最表面層にKrFエキシマレーザー(波長λ=248nm)を用いて凹形状部を形成した。この時、図22に示すように、直径7μmの円形のレーザー光透過部bが15μm間隔で配列するパターンを有する石英ガラス製のマスクを用いて、行った。なお、エキシマレーザーの照射エネルギーは、0.9J/cmとし、1回照射当たりの照射面積は、2mm四方とした。図3に示すように、被加工物を回転させ、照射位置を軸方向にずらしつつ照射を行った。
(形成した凹形状部の観察)
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図23に示すように、短軸径:2.2μm、長軸径:2.2μm、深さ:0.7μmのエッジを有さない円柱状の凹形状部が短軸側:5.0μm、長軸側:5.0μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均短軸径、長軸径、平均深さ、及び個数は表2に示した通りであった。
(弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)の測定)
得られた電子写真感光体を、23℃/50%RH環境下に24時間放置した後、弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)を測定した。その結果、弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
<感光体製造例K7>
感光体製造例K1と同様に電子写真感光体を作製した。が、凹形状部の形成は行わなかった。
(弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)の測定)
得られた電子写真感光体を、23℃/50%RH環境下に24時間放置した後、弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)を測定した。その結果、弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
<感光体製造例K8>
感光体製造例K1と同様に電子写真感光体を作製した。
(モールド圧接形状転写による凹形状部の形成)
感光体製造例K1で使用したモールドを、短軸径:5.0μm、長軸径:5.0μm、間隔:10.0μm、高さ:0.6μmの円柱形状にかえた以外は、感光体製造例K1と同様に加工を行った。
(形成した凹形状部の観察)
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、短軸径:5.0μm、長軸径:5.0μm、深さ:0.3μmの円柱形状の凹形状部が10.0μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均短軸径、長軸径、平均深さ、及び個数は表2に示した通りであった。
(弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)の測定)
得られた電子写真感光体を、23℃/50%RH環境下に24時間放置した後、弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)を測定した。その結果、弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
<感光体製造例K9>
感光体製造例K1と同様に電子写真感光体を作製した。
(モールド圧接形状転写による凹形状部の形成)
感光体製造例K4で使用したモールドを、短軸径:12.5μm、長軸径:15.0μm、間隔:10.0μm、高さ:2.0μmの四角柱形状にかえた以外は、感光体製造例1と同様に加工を行った。
(形成した凹形状部の観察)
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、短軸径:12.5μm、長軸径:15.0μm、深さ:1.0μmの四角柱形状の凹形状部が10.0μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均長軸径、平均深さ、及び個数は表2に示した通りであった。
(弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)の測定)
得られた電子写真感光体を、23℃/50%RH環境下に24時間放置した後、弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)を測定した。その結果、弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
<感光体製造例K10>
感光体製造例K1と同様に電子写真感光体を作製した。
(モールド圧接形状転写による凹形状部の形成)
感光体製造例K5で使用したモールドを、短軸径:2.0μm、長軸径:5.0μm、間隔:100.0μm(短軸側)、100.0μm(長軸側)、高さ:0.2μmの楕円柱形状にかえた以外は、感光体製造例K5と同様に加工を行った。
(形成した凹形状部の観察)
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、短軸径:2.0μm、長軸径:5.0μm、深さ:0.1μmの四角柱形状の凹形状部が短軸側:100.0μm、長軸側:100μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均短軸径、長軸径、平均深さ、及び個数は表2に示した通りであった。
(弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)の測定)
得られた電子写真感光体を、23℃/50%RH環境下に24時間放置した後、弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)を測定した。その結果、弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
<感光体製造例K11>
感光体製造例K1と同様にして、導電層、中間層、電荷発生層を形成した。
(結露法による凹形状部の形成)
次に、モノクロロベンゼン550部及びメチラール280部、水20部の混合溶剤に、構造式(2)の正孔輸送性化合物70部およびポリカーボネート樹脂100部(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を溶解し、電荷輸送物質を含有する表面層用塗布液を調合した。表面層用塗布液を調合する工程は、相対湿度45%および雰囲気温度25℃の状態で行った。
以上のように調製した表面層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬コーティングし、円筒状支持体上に表面層用塗布液を塗布する工程を行った。表面層用塗布液を塗布する工程は、相対湿度45%および雰囲気温度25℃の状態で行った。
塗布工程終了から180秒後、予め装置内を相対湿度50%および雰囲気温度25℃の状態にされていた円筒状支持体保持工程用装置内に、表面層用塗布液が塗布された円筒状支持体を180秒間保持した。
円筒状支持体保持工程終了から60秒後、予め装置内が120℃に加熱されていた送風乾燥機内に、円筒状支持体を入れ、乾燥工程を60分間行った。
このようにして、複数の凹形状部を有し膜厚20μmの電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
(形成した凹形状部の観察)
得た電子写真感光体の表面形状をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製VK−9500)で拡大観察した。その結果、図24に示すように、短軸径:2.0μm、長軸径:2.0μm、深さ:0.5μmの山形柱状の凹形状部が3.0μm間隔で形成されていることがわかった。なお、100μm四方あたりの凹形状部の平均短軸径、長軸径、平均深さ、及び個数は表2に示した通りであった。
(弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)の測定)
得られた電子写真感光体を、23℃/50%RH環境下に24時間放置した後、弾性変形率及びユニバーサル硬さ(HU)を測定した。その結果、弾性変形率値は55%、ユニバーサル硬さ(HU)値は180N/mmであった。
<実施例1>
上述のように作製したトナーb−1と電子写真感光体K1を、キヤノン(株)製の電子写真プリンター サテラLBP5900の現像を一成分現像系へと改造したものに装着し、以下のように評価を行った。評価は白黒単色モードで行った。
まず、40.5℃/80%RH環境下で、電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるように電位の条件を設定し、文字画像(印字比率4%)を1000枚連続プリントした。プリント終了後そのまま1週間この環境へ放置した。その後、5℃、5%RH環境下へ装置を移動し、1週間放置を行った。その後、23℃、50%RH環境下へ装置を移動し、白ベタ画像、黒ベタ画像、ハーフトーン画像、文字画像(印字比率4%)をプリントした。これらの画像での黒斑点、白斑点、かぶり等の画像異常の有無について評価と、感光体との貼り付き評価を行った。結果を表3に示す。
◎:いずれの画像においても感光体貼り付きによる画像不良無し、電子写真感光体表面においても帯電ローラの貼り付き無し。
○:いずれの画像においても感光体貼り付きによる画像不良無し、電子写真感光体表面の一部にごく軽微な帯電ローラの貼り付き有り。
△:一部の画像において感光体貼り付きによる画像不良有り、電子写真感光体表面の一部にごく軽微な帯電ローラの貼り付き有り。
×:いずれの画像においても感光体貼り付きによる画像不良発生、電子写真感光体全面に多数の帯電ローラの貼り付き有り。
結果、いずれのテスト画像においても、感光体貼り付きによる画像不良は観察されず、また顕微鏡による電子写真感光体表面の観察においても、帯電ローラの貼り付きは観察されなかった。
<実施例2>
トナーb−2と電子写真感光体K2を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表3に示した。
結果、いずれのテスト画像においても、感光体貼り付きによる画像不良は観察されず、また顕微鏡による電子写真感光体表面の観察においても、帯電ローラの貼り付きは観察されなかった。
<実施例3>
トナーb−3と電子写真感光体K3を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表3に示した。
結果、いずれのテスト画像においても、感光体貼り付きによる画像不良は観察されず、また顕微鏡による電子写真感光体表面の観察においては、電子写真感光体表面の一部にごく軽微な帯電ローラの貼り付きが観察された。これは短軸径と無機微粉体の粒径が規格下限値であるために、無機微粉体の凹形状部での滞留量が少なくなるために、帯電部材と感光体が微細であるが接触してしまうためだと推測される。
<実施例4>
トナーb−1と電子写真感光体K4を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表3に示した。
結果、いずれのテスト画像においても、感光体貼り付きによる画像不良は観察されず、また顕微鏡による電子写真感光体表面の観察においては、電子写真感光体表面の一部にごく軽微な帯電ローラの貼り付きが観察された。これは、凹形状部の深さが下限値であるために、無機微粉体の凹形状部での滞留量が少なくなり、帯電部材と感光体が微細であるが接触してしまうためだと推測される。
<実施例5>
トナーb−4と電子写真感光体K5を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表3に示した。
結果、いずれのテスト画像においても、感光体貼り付きによる画像不良は観察されず、また顕微鏡による電子写真感光体表面の観察においても、帯電ローラの貼り付きは観察されなかった。
<実施例6>
トナーb−4と電子写真感光体K6を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表3に示した。
結果、いずれのテスト画像においても、一部の画像において感光体貼り付きによる画像不良が観察され、また顕微鏡による電子写真感光体表面の観察においては、電子写真感光体表面の一部にごく軽微な帯電ローラの貼り付きが観察された。これは、凹形状部の深さが好ましい上限値0.5μmを超えるために、無機微粉体の凹形状部での滞留量が少なくなり、帯電部材と感光体の接触面積が増加してしまうためだと推測される。
<実施例7>
トナーb−1と電子写真感光体K11を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表3に示した。
結果、いずれのテスト画像においても、感光体貼り付きによる画像不良は観察されず、また顕微鏡による電子写真感光体表面の観察においても、帯電ローラの貼り付きは観察されなかった。
<比較例1>
トナーb−1と電子写真感光体K7を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表3に示した。
結果、いずれのテスト画像においても、感光体貼り付きによる画像不良は観察され、また顕微鏡による電子写真感光体表面の観察においても、帯電ローラの貼り付きが観察された。本比較例では、粒子形状が立方体状及び/または直方体状であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を用いたトナーを使用しても、感光体表面に浅く微細な凹形状部が形成されていない。このため、凹形状部へ無機微粉体が滞留することができないために、帯電部材と感光体の接触面積が増加してしまうためだと推測される。
<比較例2>
トナーb−1と電子写真感光体K8を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表3に示した。
結果、一部のテスト画像において感光体貼り付きによる画像不良が観察され、また顕微鏡による電子写真感光体表面の観察においても、帯電ローラの貼り付きが観察された。本比較例では、粒子形状が立方体状及び/または直方体状であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を用いたトナーを使用しても、凹形状部の短軸径が3.0μmを超え、さらに凹形状部の壁面間距離が10μmを超える。このため、凹形状部へ無機微粉体が滞留する量が極少となってしまい、帯電部材と感光体の接触面積が増加してしまうため本発明の効果が得られにくい傾向にあるためだと推測される。
<比較例3>
トナーb−1と電子写真感光体K9を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表3に示した。
結果、いずれのテスト画像においても感光体貼り付きによる画像不良が観察され、また顕微鏡による電子写真感光体表面の観察においても、帯電ローラの貼り付きが観察された。本比較例では、粒子形状が立方体状及び/または直方体状であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を用いたトナーを使用しても、凹形状部の短軸径が3.0μmを超え、さらに凹形状部の壁面間距離が10μm以上を超え、深さが1.0μmと深い。このため、凹形状部へ無機微粉体が滞留する量が極少となってしまい、帯電部材と感光体の接触面積が増加してしまうため本発明の効果が得られにくい傾向にあるためだと推測される。
<比較例4>
トナーb−1と電子写真感光体K10を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表3に示した。
結果、いずれのテスト画像においても感光体貼り付きによる画像不良が観察され、また顕微鏡による電子写真感光体表面の観察においても、帯電ローラの貼り付きが観察された。本比較例では、粒子形状が立方体状及び/または直方体状であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を用いたトナーを使用しても、凹形状部の壁面間距離が10μmを超え、さらに、100μm四方あたりの凹形状部の個数が10個未満である。このため、凹形状部へ無機微粉体が滞留する量が極少となってしまい、帯電部材と感光体の接触面積が増加してしまうため本発明の効果が得られにくい傾向にあるためだと推測される。
本発明における電子写真感光体表面の凹形状部の例を示す図である。 本発明におけるマスクの配列パターンの例(部分拡大図)を示す図である。 本発明におけるレーザー加工装置の概略図の例を示す図である。 本発明により得られた感光体最表面の凹形状部の配列パターンの例(部分拡大図)を示す図である。 本発明におけるモールドによる圧接形状転写加工装置の概略図の例を示す図である。 本発明におけるモールドによる圧接形状転写加工装置の概略図の別の例を示す図である。 本発明におけるモールドの形状の例を示す図である。 フィシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの概略を示す図である。 フィシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの一例を示す図である。 本発明による電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 無機微粉体の粒径測定における長辺と短辺の概略図である。 感光体製造例K1で使用したモールドの形状を示す図である。 感光体製造例K1により得られた感光体最表面の凹形状部の配列パターン(部分拡大図)を示す図である。 感光体製造例K2で使用したモールドの形状を示す図である。 感光体製造例K2により得られた感光体最表面の凹形状部の配列パターン(部分拡大図)を示す図である。 感光体製造例K3で使用したモールドの形状を示す図である。 感光体製造例K3により得られた感光体最表面の凹形状部の配列パターン(部分拡大図)を示す図である。 感光体製造例K4で使用したモールドの形状を示す図である。 感光体製造例K4により得られた電子写真感光体表面の凹形状部の配列パターン(部分拡大図)を示す図である。 感光体製造例K5で使用したモールドの形状を示す図である。 感光体製造例K5により得られた電子写真感光体表面の凹形状部の配列パターン(部分拡大図)を示す図である。 感光体製造例K6で使用したマスクの配列パターンの例(部分拡大図)を示す図である。 感光体製造例K6により得られた電子写真感光体表面の凹形状部の配列パターン(部分拡大図)を示す図である。 感光体製造例K11により得られた電子写真感光体表面の凹形状部の配列パターン(部分拡大図)を示す図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
a レーザー光遮蔽部
b レーザー光透過部
c エキシマレーザー光照射器
d ワーク回転用モーター
e ワーク移動装置
f 電子写真感光体
g 凹形状非形成部
h 凹形状形成部
A 加圧装置
B モールド
C 感光体
P 転写材

Claims (2)

  1. 支持体上に感光層を有する電子写真感光体、該電子写真感光体の表面に帯電部材を接触させて帯電させる接触帯電方式である帯電手段、並びに結着樹脂、着色剤及び無機微粉体を含有するトナーを有する現像手段を有する電子写真装置であって、該電子写真感光体の表面が独立した凹形状部を複数有し、該凹形状部の短軸径が0.1μm以上3.0μm以下、隣接する凹形状部の壁面間距離が10μm以下、該凹形状部の最深部と開孔面との距離を示す深さが0.1μm以上であり、かつ、その個数が帯電部材と接触する表面100μm四方あたり10個以上であり、該無機微粉体の一次粒子の平均粒径が30nm以上500nm以下であり、かつ、該短軸径より小さく、さらに粒子形状が立方体状及び直方体状の少なくとも一方であることを特徴とする電子写真装置。
  2. 前記凹形状部の最深部と開孔面との距離を示す深さが0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置。
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