JP2008267592A - 湯水混合バルブユニット及びそれを備えた湯水混合水栓 - Google Patents

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啓介 久田
Yasuo Hamada
靖夫 濱田
Satotoshi Kawabata
学利 川幡
Takahiro Taniguchi
隆博 谷口
Kazuhisa Onozawa
和久 斧澤
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Abstract

【課題】小型化を可能にしながら、湯水が通過する際に発生する通水音を低下させることができる湯水混合バルブユニット及びそれを備えた湯水混合水栓を提供する。
【解決手段】本発明は、湯水混合バルブユニット(8)であって、バルブユニット本体部(8a)と、湯流入孔、水流入孔、及び混合された湯水を流出させる湯水流出孔が形成された固定弁体摺動面(22d)を備えた固定弁体(22)と、湯流入孔及び水流入孔を開閉する可動弁体摺動面(24c)、及び可動弁体摺動面に形成された湯水混合室(24b)を備えた可動弁体(24)と、この可動弁体を摺動させる摺動操作部(8b)と、を有し、湯水混合室は、可動弁体摺動面に形成された凹部であり、湯水混合室の流入孔側の側壁面(25)には、流入孔側流路拡張凹部(25a)が形成されており、この流入孔側流路拡張凹部は、入口の幅が奥行きよりも広く形成されていることを特徴としている。
【選択図】図8

Description

本発明は、湯水混合バルブユニット及びそれを備えた湯水混合水栓に関し、特に、供給された湯及び水を混合して吐出させる湯水混合バルブユニット及びそれを備えた湯水混合水栓に関する。
特開2006−22945号公報には、混合水栓(湯水混合水栓)が記載されている。この混合水栓に内蔵された湯水混合バルブユニットは、湯及び水が流入する各流入孔及び混合された湯水が流出する流出孔が形成された固定板と、各流入孔を開閉するために、固定板上で摺動される可動板を備えている。可動板は、2部品から構成されており、これら2つの部品の間に消音部材である網体が配置されている。各流入孔から可動板内部に流入した湯及び水は、網体を通過した後、固定板の流出孔を通って吐出される。混合水栓から吐出される湯水が、網体を通過することによって、混合水栓内で発生するキャビテーションが抑制される。これにより、湯水が湯水混合バルブユニットを通過する際に発生する通水音を低下させている。
特開2006−22945号公報
しかしながら、特開2006−22945号公報に記載された混合水栓においては、固定板の各流入孔から流入した湯及び水が網体を通過するため、この通過の際に発生する流体抵抗により、流量が減少するという問題がある。また、流路に網体を設けているため、この網体にゴミ等の異物が詰まって流量が更に減少し、網体の清掃、或いは混合水栓のバルブユニットの交換が必要になる場合があるという問題がある。
一方、湯水混合バルブユニットの内部で発生するキャビテーションは、流路の急激な変化によって引き起こされる乱流や、局部的な負圧により発生することが知られている。従って、キャビテーションの発生を防止するために、固定板や可動板に形成する流路の面積を大きくすることが考えられる。しかしながら、固定板や可動板に形成される流路面積を拡大するためには、固定板や可動板を大型化する必要があり、特に、可動板の厚さを厚くしなければならないという問題がある。
従って、本発明は、小型化を可能にしながら、湯水が通過する際に発生する通水音を低下させることができる湯水混合バルブユニット及びそれを備えた湯水混合水栓を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、供給された湯及び水を混合して吐出させる湯水混合バルブユニットであって、バルブユニット本体部と、このバルブユニット本体部の中に配置され、供給された湯を流入させる湯流入孔、供給された水を流入させる水流入孔、及び混合された湯水を流出させる湯水流出孔が形成された固定弁体摺動面を備えた固定弁体と、固定弁体摺動面と摺動可能に配置され、湯流入孔及び水流入孔を開閉する可動弁体摺動面、及び湯流入孔及び水流入孔と湯水流出孔を連通させるように可動弁体摺動面に形成された湯水混合室を備えた可動弁体と、この可動弁体を固定弁体に対して摺動させ、湯流入孔及び水流入孔の開度を変化させる摺動操作部と、を有し、湯水混合室は、湯流入孔及び水流入孔近傍の流入孔側から湯水流出孔近傍の流出孔側に延びるように、可動弁体摺動面に形成された凹部であり、湯水混合室の流入孔側の側壁面には、流入孔側流路拡張凹部が形成されており、この流入孔側流路拡張凹部は、入口の幅が奥行きよりも広く形成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、固定弁体が、バルブユニット本体部の中に配置されており、固定弁体の固定弁体摺動面には、湯流入孔、水流入孔、及び湯水流出孔が形成されている。また、可動弁体の可動弁体摺動面は、固定弁体摺動面と摺動可能に配置され、湯流入孔及び水流入孔の開度を変化させる。さらに、可動弁体摺動面には湯水混合室が形成され、この湯水混合室は、湯流入孔及び水流入孔と湯水流出孔を連通させる。また、湯水混合室の流入孔側の側壁面には、流入孔側流路拡張凹部が形成されており、この流入孔側流路拡張凹部は、入口の幅が奥行きよりも広く形成されている。
このように構成された本発明によれば、湯水混合室の流入孔側の側壁面に、入口の幅が奥行きよりも広く形成された流入孔側流路拡張凹部が形成されているので、湯水混合室内におけるキャビテーション等の発生を効果的に抑制することができる。また、流入孔側流路拡張凹部は、湯水混合室の側壁面に形成されているので、流入孔側流路拡張凹部を形成しても可動弁体が大型化することがなく、湯水混合バルブユニットを小型化することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、流入孔側流路拡張凹部から連続するように、湯水混合室の流出孔側の側壁面に形成された流出孔側流路拡張凹部を有する。
このように構成された本発明によれば、湯水混合室の流出孔側の側壁面にも流出孔側流路拡張凹部が形成されているので、湯水混合室を更に拡張することができ、キャビテーション等の発生を更に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、流出孔側流路拡張凹部は、その入口の幅が奥行きよりも広く形成されている。
このように構成された本発明によれば、湯水混合室内で発生する虞のある共振音を、より確実に防止することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、湯水混合室に取り付けられた網部材を有し、この網部材は、湯水混合室の開口部を覆うように延びる網本体部と、この網本体部から連続して、網本体部の両側に形成され、湯水混合室の両側の側壁面に沿って延びる網側面部と、この網側面部から連続して、流入孔側流路拡張凹部又は流出孔側流路拡張凹部に挿入される網挿入部と、を有する。
このように構成された本発明によれば、網部材を取り付けるための特別な部品を用いることなく、網部材を可動弁体に取り付けることができる。
本発明において、好ましくは、さらに、湯水混合室に取り付けられた網部材を有し、この網部材は、湯水混合室の開口部を覆うように可動弁体摺動面とほぼ平行に延びる網本体部、及びこの網本体部の両側に形成され流入孔側流路拡張凹部又は流出孔側流路拡張凹部に挿入される網挿入部を備え、湯水混合室は、流出孔側が可動弁体の側端面まで延びて開放されていると共に、湯水混合室の側壁面の間隔は流入孔側において広く、流出孔側において狭くなるように形成されており、網本体部には、可動弁体摺動面に対して傾斜するように折り曲げられた折曲部が形成されており、この折曲部は、網部材が湯水混合室の開放部から挿入されるとき可動弁体摺動面とほぼ平行になるように弾性変形され、網部材が所定の位置まで挿入されると、その縁部が、湯水混合室の側壁面の間隔が狭くなった部分に係合して、網部材を所定の位置に保持する。
このように構成された本発明においては、湯水混合室の開放された側端面から網部材が挿入されると、網部材の網本体部に設けられた折曲部が弾性変形され、可動弁体摺動面に対して傾斜していた折曲部が可動弁体摺動面とほぼ平行になる。網部材が所定の位置まで挿入されると、折曲部の縁部が、湯水混合室の側壁面の間隔が狭くなった部分と係合し、網部材が所定の位置に保持される。
このように構成された本発明によれば、網部材を取り付けるための特別な部品を用いることなく、網部材を可動弁体に取り付けることができる。
本発明において、好ましくは、折曲部は、網本体部に概ね円弧状の切欠を設け、網本体部を円弧の弦に沿って折り曲げることにより形成されている。
このように構成された本発明によれば、簡単な構造で網本体部に折曲部を形成することができる。
本発明において、好ましくは、網本体部の流入孔側には、固定弁体に向かって突出するように隆起された隆起部が形成されている。
このように構成された本発明によれば、固定弁体の湯流入孔及び水流入孔を通過した湯及び水が、網部材の隆起部によって速やかに整流され、通水音をさらに低下させることができる。
また、本発明の湯水混合水栓は、本発明の湯水混合バルブユニットと、この湯水混合バルブユニットを受け入れる水栓本体部と、湯水混合バルブユニットを通過した湯水を吐出させる吐水部と、を有することを特徴としている。
本発明の湯水混合バルブユニット及びそれを備えた湯水混合水栓によれば、小型化を可能にしながら、湯水が通過する際に発生する通水音を低下させることができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
まず、図1乃至図9を参照して、本発明の第1実施形態による湯水混合水栓を説明する。図1は、本発明の第1実施形態による湯水混合水栓全体を示す斜視図である。図2は、本実施形態による湯水混合水栓の斜視断面図である。また、図3は、本実施形態の湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合バルブユニットの斜視断面図である。
まず、図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態による湯水混合水栓1は、ほぼ鉛直方向に延びる水栓本体部2と、この水栓本体部2の側面から斜め上方に延び、先端に吐水口4が設けられた吐水部6と、を有する。さらに、湯水混合水栓1は、湯と水を適宜混合し、吐水流量を調節する湯水混合バルブユニット8と、この湯水混合バルブユニット8を操作するために水栓本体部2上部に取付けられた操作レバー10と、を有する。また、湯水混合水栓1は、水栓本体部2内に配置された通水路形成部16と、この通水路形成部16の上方に、湯水混合バルブユニット8を取り囲むように配置されたバルブ押さえ18と、を有する。
本実施形態の湯水混合水栓1は、操作レバー10を左右方向に回動させることにより、湯用給水管12及び水用給水管14から夫々供給された湯と水の混合比を変化させるように構成されている。また、湯水混合水栓1は、操作レバー10を上下方向に回動させることにより、湯と水が混合された湯水の吐水流量を調節し、吐水部6の吐水口4から吐水させるように構成されている。
水栓本体部2は、概ね円筒状の部材であり、内部に通水路形成部16を収容している。吐水部6は、水栓本体部2の側面から斜め上方に向けて延びる概ね楕円形断面の管であり、その先端部に吐水口4が設けられている。湯水混合バルブユニット8から流出した湯水は、通水路形成部16を介して水栓本体部2内に流入し、吐水部6を通って吐水口4から吐水されるように構成されている。
通水路形成部16は、水栓本体部2の内側に収納された概ね円柱状の部材であり、その底面は、湯用給水管12及び水用給水管14が接続されるように構成されている。また、通水路形成部16の内部には、湯用給水管12が接続される湯供給通路16a、水用給水管14が接続される水供給通路16b(図示せず)が、その軸線方向に貫通するように形成されている。さらに、通水路形成部16には、湯水混合バルブユニット8で混合された湯水が流入する湯水流出通路17が形成されている。
この湯水流出通路17は、湯水混合水栓1の後方に向けてL字型に屈曲されている。また、湯水流出通路17の下流端は、通水路形成部16の側面まで延びており、湯水流出通路17に流入した湯水は通水路形成部16の側面から流出し、通水路形成部16と水栓本体部2との間の空間に流入するように構成されている。
一方、湯水混合バルブユニット8は、湯用給水管12から湯供給通路16aを介して流入した湯、及び水用給水管14から水供給通路16b介して流入した水を適宜混合し、湯水流出通路17に流出させるように構成されている。また、湯水混合バルブユニット8は、段付きの概ね円筒状のバルブユニット本体部8aと、このバルブユニット本体部8aに回動可能に取り付けられた摺動操作部である操作ロッド8bと、を有する。湯水混合バルブユニット8は、操作ロッド8bを水平な軸線を中心に回動させることにより、吐水、止水及び流量調整可能に構成されている。さらに、操作ロッド8bを鉛直な軸線を中心に回動させることにより、湯及び水の混合比を変化させ、湯水の温度調整ができるように構成されている。湯水混合バルブユニット8の詳細な構成については後述する。
バルブ押さえ18は、上端がすぼまった概ね円筒状の部材であり、その下端には、雌ねじ部18aが形成されている。この雌ねじ部18aを通水路形成部16の上端部外周に形成された雄ねじ部16cと螺合させることにより、バルブ押さえ18と通水路形成部16の間に湯水混合バルブユニット8を挟み、湯水混合バルブユニット8を固定するように構成されている。
操作レバー10は、バルブ押さえ18の上端部を覆うように形成された操作レバー取付部10aと、この操作レバー取付部10aから延びるハンドル部10bと、を有する。操作レバー取付部10aの内部には湯水混合バルブユニット8の操作ロッド8bが固定されており、使用者がハンドル部10bを操作することにより、操作ロッド8bを水平方向軸線及び鉛直方向軸線を中心に回動させることができるように構成されている。
次に、図3を参照して、湯水混合水栓1に内蔵されている湯水混合バルブユニット8を説明する。図3は、湯水混合バルブユニット8の斜視断面図である。
図3に示すように、湯水混合バルブユニット8は、バルブユニット本体部8aと、操作ロッド8bと、このバルブユニット本体部8aの中に収納された固定弁体である固定ディスク22と、この固定ディスク22に対して摺動可能な可動弁体である可動ディスク24と、を有する。
操作ロッド8bは、水平方向に向けられた支軸26を中心に回動可能に構成されている。また、この支軸26は、バルブユニット本体部8aに対して、湯水混合バルブユニット8の中心を通る鉛直方向軸線を中心に回動可能に構成されている。従って、操作ロッド8bは、支軸26を中心に回動可能であると同時に、鉛直方向軸線を中心に回動可能に支持されている。
次に、図4及び図5を参照して、固定ディスク22の構成を説明する。図4は、固定ディスク22の上面図であり、図5は、図4のV−V線に沿う断面図である。
図4及び図5に示すように、固定ディスク22は、概ね円板状の部材であり、湯流入孔22a、水流入孔22b、及び湯水流出孔22cが、上面の固定弁体摺動面22dに形成されている。また、固定ディスク22は、バルブユニット本体部8aに対して固定されており、その固定弁体摺動面22d上で可動ディスク24が摺動されるように構成されている。概ね三日月形に形成された湯流入孔22a及び水流入孔22bは、通水路形成部16に設けられた湯供給通路16a及び水供給通路16bと夫々連通するように構成されており、供給された湯及び水が流入するようになっている。また、概ね長円形に形成された湯水流出孔22cは、通水路形成部16に設けられた湯水流出通路17と連通するように構成されている。
次に、図6乃至図9を参照して、可動ディスク24の構成を説明する。図6は可動ディスク24の底面図であり、図7は側面図、図8は図6のVIII−VIII線に沿う断面図であり、図9は図8のIX−IX線に沿う断面図である。
図6乃至図9に示すように、可動ディスク24は、概ね長円形板状の部材であり、その上面には操作ロッド受入凹部24aが、下面には湯水混合室24bが夫々形成されている。また、可動ディスク24の下面は、固定ディスク22の固定弁体摺動面22dと摺動される可動弁体摺動面24cとして機能する。操作ロッド受入凹部24aは、操作ロッド8bの下端部を受入れており、操作ロッド8bが支軸26を中心に回動されることにより、可動ディスク24が固定ディスク22に対して前後方向に移動されるように構成されている。また、操作ロッド8bが鉛直方向軸線を中心に回動されると、これと係合している可動ディスク24も固定ディスク22に対して回動されるように構成されている。
また、可動ディスク24には湯水混合室24bが設けられており、この湯水混合室24bは、可動弁体摺動面24cに凹部を形成することにより構成されている。また、湯水混合室24bは、可動ディスク24の中央付近で、湯流入孔22a及び水流入孔22bの近傍に位置する流入孔側から、可動ディスク24の端部で、湯水流出孔22cの近傍に位置する流出孔側に延びるように形成されている。この形状により、湯水混合室24bは、固定ディスク22の湯流入孔22a及び水流入孔22bと、湯水流出孔22cを連通させる。
さらに、湯水混合室24bは、可動弁体摺動面24cに対してほぼ垂直に形成された側壁面25を有し、側壁面25の流入孔側及び流出孔側には、流入孔側流路拡張凹部25a及び流出孔側流路拡張凹部25bが夫々形成されている。これらの流入孔側流路拡張凹部25a及び流出孔側流路拡張凹部25bは、連続するように、側壁面25の上端に沿って形成されている。この流入孔側流路拡張凹部25a及び流出孔側流路拡張凹部25bにより、側壁面25から可動ディスク24の外周に向かって流路が拡張される。また、流入孔側流路拡張凹部25aの入口の幅W1(図7)は、流入孔側流路拡張凹部25aの奥行きD1(図6)よりも広く形成されている。同様に、流出孔側流路拡張凹部25bの入口の幅W2(図7)は、流出孔側流路拡張凹部25bの奥行きD2(図6)よりも広く形成されている。
なお、本実施形態においては、可動ディスク24の厚さは約8mmであり、この可動ディスク24に、幅約9mm、深さ約3.5mmの湯水混合室24bが形成されている。さらに、湯水混合室24bの側壁面25に形成された流入孔側流路拡張凹部25aの入口の幅W1は約2mmであり、奥行きD1は約1.5mmである。また、湯水混合室24bの流出孔側に形成された流出孔側流路拡張凹部25bの入口の幅W2は約2mmであり、奥行きD2は約1.5mmである。好ましくは、流入孔側流路拡張凹部25aの奥行きD1は、入口の幅W1の約20〜80%とし、湯水混合室24bの幅の約5〜20%とする。即ち、流入孔側流路拡張凹部25aの奥行きD1を、入口の幅W1の80%よりも大きくし、或いは、湯水混合室24bの幅の20%よりも大きくしても、通水音の低減効果は殆ど増大せず、逆に、可動ディスク24の強度を低下させる結果になる。また、流入孔側流路拡張凹部25aの奥行きD1が、入口の幅W1の20%よりも小さい場合、或いは、湯水混合室24bの幅の5%よりも小さい場合には、十分な通水音の低減効果が得られず、通水音が低く響く不快な音が発生した。
また、可動ディスク24は、図2に示すように、最も後方(図2における右側)に移動された状態では、湯流入孔22a及び水流入孔22bを可動弁体摺動面24cによって閉鎖し、止水状態とするように構成されている。さらに、可動弁体摺動面24cは、可動ディスク24が止水状態から移動されると、固定ディスク22の湯流入孔22a及び水流入孔22bの開度が変化されるような形状に構成されている。即ち、止水状態から、操作ロッド8bを、支軸26を中心に回動させ、可動ディスク24を前方(図2における左側)に移動させると、固定ディスク22の湯流入孔22a及び水流入孔22bと可動ディスク24の湯水混合室24bが重なるようになる。
この状態では、湯流入孔22a及び水流入孔22bを通って流入した湯及び水は、湯水混合室24bの中に流入して混合され、さらに湯水流出孔22cを通って流出する。湯水流出孔22cを通過した湯水は、バルブ流出孔8cを通って通水路形成部16の湯水流出通路17に流入する。図3に示す可動ディスク24を最も前方に移動させた状態では、湯流入孔22a及び水流入孔22bは、最も開放された状態となり、吐水流量も最大になる。
一方、操作ロッド8bを、鉛直方向軸線を中心に回動させ、可動ディスク24を回動させた場合には、湯流入孔22aと水流入孔22bの開度の割合が変化する。即ち、操作レバー10(操作ロッド8b)を、湯側に回動させた場合には、湯用給水管12と連通する湯流入孔22aの開度が大きくなり、水用給水管14と連通する水流入孔22bの開度が小さくなる。これにより、水の流入量が減り、湯の流入量が増えるので、吐水される湯水の温度が高くなる。逆に、操作レバー10を、水側に回動させた場合には、水の流入量が増え、湯の流入量が減るので、吐水される湯水の温度が低くなる。なお、図2に示すように、可動ディスク24が最も後方に移動されている場合には、操作ロッド8bを、鉛直方向軸線を中心に回動させても湯流入孔22a及び水流入孔22bは閉鎖されたままであり、止水状態が維持される。
また、本明細書において、湯水混合室24bの流入孔側の側壁面とは、湯水混合室24bの側壁面のうち、可動ディスク24を摺動操作したときに、固定ディスク22の湯流入孔22a及び水流入孔22bと重なることがある部分を意味し、湯水混合室24bの流出孔側の側壁面とは、それ以外の部分を意味している。
次に、本発明の第1実施形態による湯水混合水栓1の作用を説明する。まず、図2に示す止水状態においては、可動ディスク24が固定ディスク22に設けられた湯流入孔22a及び水流入孔22bを閉鎖しているので、湯用給水管12及び水用給水管14を介して供給された水及び湯は、湯水混合バルブユニット8内に流入せず、止水状態になる。次に、操作レバー10(操作ロッド8b)を、支軸26を中心に上方に回動させると、可動ディスク24は前方に移動され、湯流入孔22a及び水流入孔22bが開いて吐水状態となる。操作レバー10が湯水混合水栓1の正面に向けられている場合には、湯流入孔22a及び水流入孔22bの開度はほぼ等しくなり、ほぼ同量の水及び湯が湯水混合バルブユニット8内に流入する。
湯水混合バルブユニット8内に配置された固定ディスク22の湯流入孔22a、水流入孔22bを夫々通過した湯及び水は、可動ディスク24に形成された湯水混合室24b内に流入して混合される。湯水混合室24b内に流入した湯及び水の圧力変動は、流入孔側流路拡張凹部25a及び流出孔側流路拡張凹部25bによって抑制され、湯水混合室24b内における乱流やキャビテーションの発生が抑制される。なお、本実施形態においては、流入孔側流路拡張凹部25aの入口の幅W1が、奥行きD1よりも広く形成されているが、本発明の発明者は、流入孔側流路拡張凹部25aの入口の幅W1が奥行きD1よりも狭い場合には、湯水混合バルブユニット8から発生する騒音が逆に増大されてしまうことを見出している。即ち、流入孔側流路拡張凹部25aの奥行きが大きい場合には、拡張凹部の内部に空気溜まりが形成されてしまい、この空気溜まりが空気ばねのような作用を起こして共振音を発生させると考えられている。即ち、この場合には、キャビテーションによって発生する騒音とは異なる「ゴゴゴ・・」という共振音の発生が確認されている。さらに、本実施形態においては、可動ディスク24は、一部品により形成されているため、可動ディスクを構成する一部の部品が共振することにより共振音が発生することはない。
湯水混合室24b内で混合された湯及び水は、固定ディスク22の湯水流出孔22cを通って、湯水混合バルブユニット8の底面のバルブ流出孔8cから流出される。バルブ流出孔8cから流出した湯水は、湯水流出通路17を通過して、水栓本体部2と通水路形成部16の間の空間に流入し、通水路形成部16の外周を回って湯水混合水栓1の前面側に流れる。湯水混合水栓1の前面側に流れた湯水は、吐水部6を通って吐水口4から吐水される。
また、操作レバー10を右方向又は左方向に回動させると、流入する湯及び水の混合比が変化し、吐水される湯水の温度を調節することができる。さらに、操作レバー10を下方に回動させていくと、湯水混合バルブユニット8に流入する湯及び水の量が減少し、止水状態となる。
本発明の第1実施形態の湯水混合水栓装置によれば、湯水混合室の流入孔側の側壁面に、入口の幅が奥行きよりも広く形成された流入孔側流路拡張凹部が形成されているので、湯水混合室内におけるキャビテーション等の発生を効果的に抑制することができる。また、流入孔側流路拡張凹部は、湯水混合室の側壁面に形成されているので、流入孔側流路拡張凹部を形成しても可動ディスクの厚さが増すことがなく、湯水混合バルブユニット全体をコンパクトに構成することができる。
また、本実施形態の湯水混合水栓装置によれば、湯水混合室の流出孔側の側壁面にも流出孔側流路拡張凹部が形成されているので、湯水混合室を更に拡張することができ、キャビテーション等の発生を更に抑制することができる。
次に、図10乃至図13を参照して、本発明の第2実施形態による湯水混合水栓を説明する。本実施形態の湯水混合水栓は、可動ディスクの構造が、上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の点については説明を省略する。
次に、図10乃至図13を参照して、本発明の第2実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている可動ディスクの構成を説明する。図10は可動ディスクの底面図であり、図11は図10のXI−XI線に沿う断面図であり、図12は図10のXII−XII線に沿う断面図であり、図13は図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。
図10乃至図13に示すように、本発明の第2実施形態における可動ディスク224は、概ね長円形板状の部材であり、その上面には操作ロッド受入凹部224aが、下面には湯水混合室224bが夫々形成されている。また、可動ディスク224の下面は、固定ディスク22の固定弁体摺動面22dと摺動される可動弁体摺動面224cとして機能する。
また、可動ディスク224には湯水混合室224bが設けられており、この湯水混合室224bは、可動弁体摺動面224cに凹部を形成することにより構成されている。また、湯水混合室224bは、可動ディスク224の中央付近で、湯流入孔22a及び水流入孔22bの近傍に位置する流入孔側から、可動ディスク224の端部で、湯水流出孔22cの近傍に位置する流出孔側に延びるように形成されている。
さらに、湯水混合室224bは、可動弁体摺動面224cに対してほぼ垂直に形成された側壁面225を有する。本実施形態においては、側壁面225の流入孔側は概ね円形に形成され、流出孔側は、流入孔側よりも幅の狭い平行な壁面として形成されている。また、側壁面225の流入孔側及び流出孔側には、流入孔側流路拡張凹部225a及び流出孔側流路拡張凹部225bが夫々形成されている。これらの流入孔側流路拡張凹部225a及び流出孔側流路拡張凹部225bは、連続するように、側壁面225の上端に沿って形成されている。この流入孔側流路拡張凹部225a及び流出孔側流路拡張凹部225bにより、側壁面225から可動ディスク224の外周に向かって流路が拡張される。また、流入孔側流路拡張凹部225aの入口の幅W1(図11)は、流入孔側流路拡張凹部225aの奥行きD1(図10)よりも広く形成されている。一方、本実施形態においては、流出孔側流路拡張凹部225bの奥行きD2(図10)は、流出孔側流路拡張凹部225bの入口の幅W2(図7)よりも深く形成されている。
なお、本実施形態においては、可動ディスク224の厚さは約8mmであり、この可動ディスク224に、直径約9mmの円形と、幅約6mmの長方形を組み合わせた形状の開口を有する湯水混合室224bが形成されている。さらに、湯水混合室224bの側壁面225に形成された流入孔側流路拡張凹部225a及び流出孔側流路拡張凹部225bの入口の幅W1、W2は夫々約2mmである。一方、流路拡張凹部の奥行きは、流入孔側流路拡張凹部225aにおいてD1=約1.5mmであるのに対して、流出孔側流路拡張凹部225bでは、D2=約3mmになっている。
本実施形態においては、流出孔側流路拡張凹部225bの奥行きD2が、入口の幅W2よりも深くなっているが、流出孔側においては、流路拡張凹部の奥行きが深くなっていても、共振音は発生しないことが確認されている。また、本実施形態においては、湯水混合室224bの開口を小さく構成することができるので、固定ディスク22に形成された湯流入孔22a及び水流入孔22bを閉鎖するための可動弁体摺動面224cを、広く確保することができる。
次に、図14及び図15を参照して、本発明の第3実施形態による湯水混合水栓を説明する。本実施形態の湯水混合水栓は、可動ディスクの構造が、上述した第2実施形態とは異なる。従って、ここでは、本実施形態の第2実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の点については説明を省略する。
図14及び図15を参照して、本発明の第3実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている可動ディスクの構成を説明する。図14は可動ディスクの分解斜視図であり、図15は可動ディスクを底面側から見た斜視図である。
図14に示すように、本実施形態においては、可動ディスク324に形成された湯水混合室324bの流出孔側の端部が閉鎖されている点が、上述した本発明の第2実施形態とは異なる。また、本実施形態においては、湯水混合室324bには、網部材330が取り付けられている。
網部材330は、1枚の金網を凸型に折り曲げることにより形成されており、湯水混合室324bを覆うように延びる網本体部330aと、網本体部330aの両側に、湯水混合室324bの両側の側壁面に沿って延びる網側面部330bと、この網側面部330bから連続して、流出孔側流路拡張凹部325bに挿入される網挿入部330cと、を有する。
このように形成された網部材330は、網本体部330aを弾性変形させながら、網挿入部330cを流出孔側流路拡張凹部325bに挿入して、可動ディスク324に取り付けられる。網挿入部330cが流出孔側流路拡張凹部325bに挿入されると、図15に示すように、網挿入部330cが流出孔側流路拡張凹部325bに係合され、可動ディスク324に固定される。この状態においては、網部材330の網本体部330aと、可動ディスク324の可動弁体摺動面324cが、ほぼ面一となる。
本発明の第3実施形態の湯水混合水栓によれば、網部材を取り付けるために、シール部材等の特別な部品を用いることなく、一部品から構成された可動ディスクに網部材を取り付けることができる。
次に、図16乃至図19を参照して、本発明の第4実施形態による湯水混合水栓を説明する。本実施形態の湯水混合水栓は、可動ディスクの構造が、上述した第3実施形態とは異なる。従って、ここでは、本実施形態の第3実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の点については説明を省略する。
まず、図16乃至図18を参照して、本発明の第4実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている可動ディスクの構成を説明する。図16は可動ディスクの斜視図である。図17は可動ディスク単体の斜視図であり、図18は可動ディスクに取り付けられる網部材の斜視図である。
図16に示すように、本実施形態の湯水混合水栓に内蔵されている可動弁体である可動ディスク424には、網部材430が取り付けられている。
また、図17に示すように、可動ディスク424は、概ね長円形板状の部材であり、その上面には操作ロッド受入凹部が形成され、下面には湯水混合室424bが夫々形成されている。また、可動ディスク424の下面は可動弁体摺動面424cとして機能する。
また、可動ディスク424の湯水混合室424bは、可動弁体摺動面424cに凹部を形成することにより構成されている。さらに、湯水混合室424bは、可動ディスク424の中央付近で湯流入孔及び水流入孔の近傍に位置する流入孔側から、湯水流出孔の近傍に位置する流出孔側に延び、流出孔側は可動ディスク424の側端面まで延びて開放されている。
さらに、湯水混合室424bは、可動弁体摺動面424cに対してほぼ垂直に形成された側壁面425を有し、側壁面425の流入孔側及び流出孔側には、流入孔側流路拡張凹部425a及び流出孔側流路拡張凹部425bが夫々形成されている。これらの流入孔側流路拡張凹部425a及び流出孔側流路拡張凹部425bは、連続するように、側壁面425の上端に沿って形成されている。また、側壁面425は、その流出孔側においては平行に形成され、間隔が狭くなっており、流入孔側においては概ね円形に形成され、間隔が広くなっている。
図18に示すように、網部材430は、1枚の金網を門型に折り曲げることにより形成されており、湯水混合室424bを覆うように、可動弁体摺動面424cとほぼ平行に延びる網本体部430aと、この網本体部430aから連続して網本体部430aの両側に延び、流入孔側流路拡張凹部425a及び流出孔側流路拡張凹部425bに挿入される網挿入部430cと、を有する。
また、網本体部430aの流入孔側には、概ね半円形の折曲部432が形成されている。折曲部432は、網本体部430aに半円の円弧状の切欠を設け、この切り欠かれた円弧の弦432aに沿って網本体部430aを折り曲げることによって、可動弁体摺動面424cに対して傾斜されるように構成されている。
次に、図19を参照して、本発明の第4実施形態の湯水混合水栓に内蔵されている可動ディスク424の組立手順を説明する。図19(a)は網部材430の可動ディスク424への挿入方向を示す図であり、(b)は網部材430を挿入している途中の状態を示す図である。
まず、図19(a)に示すように、本実施形態における可動ディスク424を組立てる際には、網部材430を、可動ディスク424に形成された湯水混合室424bの流出孔側の開放部から挿入する。この際、網部材430を、折曲部432が形成されている側から可動ディスク424に挿入する。このように網部材430を挿入すると、図19(b)に示すように、折曲部432の両側の端部が流出孔側流路拡張凹部425bの中に受け入れられる。これにより、折曲部432は、流出孔側流路拡張凹部425bの縁によって押され、可動弁体摺動面424cに対してほぼ平行になるように弾性変形され、即ち、折曲部432が網本体部430aとほぼ同一面上に位置するように弾性変形される。
網部材430が可動ディスク424の所定の位置まで挿入されると、折曲部432は、側壁面425の流入孔側まで移動される。流入孔側においては側壁面425の間隔が広くなっているため、弾性変形されていた折曲部432は、図18に示すもとの形状に復帰する。折曲部432がもとの形状に復帰すると、図16に示すように、折曲部432の円弧状の縁部432bは、側壁面425の流入孔側の、ほぼ円形に形成された部分と係合するようになる。これにより、網部材430が可動ディスク424の流出孔側に抜けるのが防止され、網部材430は所定の位置に保持される。
本発明の第4実施形態の湯水混合水栓によれば、網部材を取り付けるために、シール部材等の特別な部品を用いることなく、一部品から構成された可動ディスクに網部材を取り付けることができる。
また、本実施形態の湯水混合水栓によれば、簡単な構成で、湯水混合室の端部が開放されたタイプの可動ディスクに網部材を保持することができる。
次に、図20及び図21を参照して、本発明の第5実施形態による湯水混合水栓を説明する。本実施形態の湯水混合水栓は、可動ディスクに取り付けられている網部材の構造が、上述した第4実施形態とは異なる。従って、ここでは、本実施形態の第4実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の点については説明を省略する。
まず、図20及び図21を参照して、本発明の第5実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている可動ディスクの構成を説明する。図20は可動ディスクの斜視図である。図21は可動ディスクに取り付けられる網部材の斜視図である。
図20に示すように、本実施形態の湯水混合水栓に内蔵されている可動弁体である可動ディスク524には、網部材530が取り付けられている。可動ディスク524単体の構成は、図17に示した第4実施形態における可動ディスク424と同一であるので説明を省略する。
図21に示すように、網部材530は、1枚の金網を門型に折り曲げることにより形成されており、湯水混合室524bを覆うように、可動弁体摺動面524cとほぼ平行に延びる網本体部530aと、この網本体部530aから連続して網本体部530aの両側に延び、流入孔側流路拡張凹部及び流出孔側流路拡張凹部に挿入される網挿入部530cと、を有する。
また、網本体部530aの流入孔側には、截頭円錐状の隆起部534が設けられている。隆起部534は、網部材530の網本体部530aをプレス加工することにより、網本体部530aから固定弁体である固定ディスクに向かって突出するように形成されている。さらに、この隆起部534の縁に沿って、概ね半ドーナツ形の折曲部532が形成されている。折曲部532は、網本体部530aに、半円弧状の切欠を同心円状に2つ設け、これら2つの切欠の間の半ドーナツ形の部分を、円弧の弦532aに沿って折り曲げることによって形成されている。これにより、折曲部532は、可動弁体摺動面524cに対して傾斜される。
また、本実施形態における可動ディスク524を組立てる際には、網部材530を、湯水混合室524bの開放部から挿入する。これにより、折曲部532の両側の端部が流出孔側流路拡張凹部の中に受け入れられ、折曲部532は、可動弁体摺動面524cに対してほぼ平行になるように弾性変形される。
網部材530が可動ディスク524の所定の位置まで挿入されると、折曲部532は、湯水混合室524bの側壁面の流入孔側まで移動される。これにより、弾性変形されていた折曲部532は、図21に示すもとの形状に復帰する。折曲部532がもとの形状に復帰すると、図20に示すように、折曲部532の円弧状の縁部532bは、湯水混合室524bの側壁面と係合するようになる。これにより、網部材530が可動ディスク524の流出孔側に抜けるのが防止され、網部材530は所定の位置に保持される。
本発明の第5実施形態の湯水混合水栓によれば、網部材を取り付けるために、シール部材等の特別な部品を用いることなく、一部品から構成された可動ディスクに網部材を取り付けることができる。
また、本実施形態の湯水混合水栓によれば、簡単な構成で、湯水混合室の端部が開放されたタイプの可動ディスクに網部材を保持することができる。
さらに、本実施形態の湯水混合水栓によれば、網部材に隆起部が設けられているので、固定ディスクの湯流入孔及び水流入孔を通過した湯及び水が、網部材の隆起部によって速やかに整流され、通水音をさらに低下させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。
本発明の第1実施形態による湯水混合水栓全体を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による湯水混合水栓の斜視断面図である。 本発明の第1実施形態による湯水混合水栓に内蔵されている湯水混合バルブユニットの斜視断面図である。 固定ディスクの上面図である。 図4のV−V線に沿う断面図である。 可動ディスクの底面図である。 可動ディスクの側面図である。 図6のVIII−VIII線に沿う断面図である。 図8のIX−IX線に沿う断面図である。 本発明の第2実施形態における可動ディスクの底面図である。 図10のXI−XI線に沿う断面図である。 図10のXII−XII線に沿う断面図である。 図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。 本発明の第3実施形態における可動ディスクの分解斜視図である。 可動ディスクを底面側から見た斜視図である。 本発明の第4実施形態における可動ディスクの斜視図である。 可動ディスク単体の斜視図である。 可動ディスクに取り付けられる網部材の斜視図である。 (a)網部材の可動ディスクへの挿入方向を示す図、及び(b)網部材を挿入している途中の状態を示す図である。 本発明の第5実施形態における可動ディスクの斜視図である。 可動ディスクに取り付けられる網部材の斜視図である。
符号の説明
1 本発明の第1実施形態による湯水混合水栓
2 水栓本体部
4 吐水口
6 吐水部
8 湯水混合バルブユニット
8a バルブユニット本体部
8b 操作ロッド(摺動操作部)
8c バルブ流出孔
10 操作レバー
10a 操作レバー取付部
10b ハンドル部
12 湯用給水管
14 水用給水管
16 通水路形成部
16a 湯供給通路
16b 水供給通路
16c 雄ねじ部
17 湯水流出通路
18 バルブ押さえ
18a 雌ねじ部
22 固定ディスク(固定弁体)
22a 湯流入孔
22b 水流入孔
22c 湯水流出孔
22d 固定弁体摺動面
24 可動ディスク(可動弁体)
24a 操作ロッド受入凹部
24b 湯水混合室
24c 可動弁体摺動面
25 側壁面
25a 流入孔側流路拡張凹部
25b 流出孔側流路拡張凹部
26 支軸
224 可動ディスク
224a 操作ロッド受入凹部
224b 湯水混合室
224c 可動弁体摺動面
225 側壁面
225a 流入孔側流路拡張凹部
225b 流出孔側流路拡張凹部
324 可動ディスク
324b 湯水混合室
324c 可動弁体摺動面
330 網部材
330a 網本体部
330b 網側面部
330c 網挿入部
424 可動ディスク
424b 湯水混合室
424c 可動弁体摺動面
425 側壁面
425a 流入孔側流路拡張凹部
425b 流出孔側流路拡張凹部
430 網部材
430a 網本体部
430c 網挿入部
432 折曲部
432a 弦
432b 縁部
524 可動ディスク
524b 湯水混合室
524c 可動弁体摺動面
530 網部材
530a 網本体部
530c 網挿入部
532 折曲部
532a 弦
532b 縁部
534 隆起部

Claims (8)

  1. 供給された湯及び水を混合して吐出させる湯水混合バルブユニットであって、
    バルブユニット本体部と、
    このバルブユニット本体部の中に配置され、供給された湯を流入させる湯流入孔、供給された水を流入させる水流入孔、及び混合された湯水を流出させる湯水流出孔が形成された固定弁体摺動面を備えた固定弁体と、
    上記固定弁体摺動面と摺動可能に配置され、上記湯流入孔及び上記水流入孔を開閉する可動弁体摺動面、及び上記湯流入孔及び上記水流入孔と上記湯水流出孔を連通させるように上記可動弁体摺動面に形成された湯水混合室を備えた可動弁体と、
    この可動弁体を上記固定弁体に対して摺動させ、上記湯流入孔及び上記水流入孔の開度を変化させる摺動操作部と、を有し、
    上記湯水混合室は、上記湯流入孔及び上記水流入孔近傍の流入孔側から上記湯水流出孔近傍の流出孔側に延びるように、上記可動弁体摺動面に形成された凹部であり、上記湯水混合室の流入孔側の側壁面には、流入孔側流路拡張凹部が形成されており、この流入孔側流路拡張凹部は、入口の幅が奥行きよりも広く形成されていることを特徴とする湯水混合バルブユニット。
  2. さらに、上記流入孔側流路拡張凹部から連続するように、上記湯水混合室の流出孔側の側壁面に形成された流出孔側流路拡張凹部を有する請求項1記載の湯水混合バルブユニット。
  3. 上記流出孔側流路拡張凹部は、その入口の幅が奥行きよりも広く形成されている請求項2記載の湯水混合バルブユニット。
  4. さらに、上記湯水混合室に取り付けられた網部材を有し、この網部材は、上記湯水混合室の開口部を覆うように延びる網本体部と、この網本体部から連続して、上記網本体部の両側に形成され、上記湯水混合室の両側の側壁面に沿って延びる網側面部と、この網側面部から連続して、上記流入孔側流路拡張凹部又は上記流出孔側流路拡張凹部に挿入される網挿入部と、を有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の湯水混合バルブユニット。
  5. さらに、上記湯水混合室に取り付けられた網部材を有し、この網部材は、上記湯水混合室の開口部を覆うように上記可動弁体摺動面とほぼ平行に延びる網本体部、及びこの網本体部の両側に形成され上記流入孔側流路拡張凹部又は上記流出孔側流路拡張凹部に挿入される網挿入部を備え、上記湯水混合室は、流出孔側が上記可動弁体の側端面まで延びて開放されていると共に、上記湯水混合室の上記側壁面の間隔は流入孔側において広く、流出孔側において狭くなるように形成されており、上記網本体部には、上記可動弁体摺動面に対して傾斜するように折り曲げられた折曲部が形成されており、この折曲部は、上記網部材が上記湯水混合室の開放部から挿入されるとき上記可動弁体摺動面とほぼ平行になるように弾性変形され、上記網部材が所定の位置まで挿入されると、その縁部が、上記湯水混合室の上記側壁面の間隔が狭くなった部分に係合して、上記網部材を所定の位置に保持する請求項2又は3に記載の湯水混合バルブユニット。
  6. 上記折曲部は、上記網本体部に概ね円弧状の切欠を設け、上記網本体部を上記円弧の弦に沿って折り曲げることにより形成されている請求項5記載の湯水混合バルブユニット。
  7. 上記網本体部の流入孔側には、上記固定弁体に向かって突出するように隆起された隆起部が形成されている請求項5又は6記載の湯水混合バルブユニット。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の湯水混合バルブユニットと、
    この湯水混合バルブユニットを受け入れる水栓本体部と、
    上記湯水混合バルブユニットを通過した湯水を吐出させる吐水部と、
    を有することを特徴とする湯水混合水栓。
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