JP2008267374A - 内燃機関用点火装置および内燃機関用点火装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、自動車等における内燃機関の点火プラグに高電圧を供給し、火花放電を発生させる内燃機関用点火装置およびその製造方法に関するものである。
【解決手段】本発明における内燃機関用点火装置およびその製造方法は、センタ鉄心が絶縁ケースを貫通して外部に突出する長さを有する。前記センタ鉄心の長さは、前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にしてある。前記センタ鉄心の磁束密度は、一次コイル幅の中心部が最も高く、前記センタ鉄心の両端近傍に向かうにしたがい低下する。前記絶縁ケースよりはみ出した長さの長いセンタ鉄心は、磁束密度の高い部分で二次コイルに磁束を鎖交させることができるため、一次コイルに流す電流を遮断した場合の磁束の変化量も大きくすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明における内燃機関用点火装置およびその製造方法は、センタ鉄心が絶縁ケースを貫通して外部に突出する長さを有する。前記センタ鉄心の長さは、前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にしてある。前記センタ鉄心の磁束密度は、一次コイル幅の中心部が最も高く、前記センタ鉄心の両端近傍に向かうにしたがい低下する。前記絶縁ケースよりはみ出した長さの長いセンタ鉄心は、磁束密度の高い部分で二次コイルに磁束を鎖交させることができるため、一次コイルに流す電流を遮断した場合の磁束の変化量も大きくすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車等における内燃機関の点火プラグに高電圧を供給し、火花放電を発生させる内燃機関用点火装置および内燃機関用点火装置の製造方法に関するものである。本発明は、組立および作製が容易な小型で安価な内燃機関用点火装置および内燃機関用点火装置の製造方法に関するものである。
特開2001−351821号公報における内燃機関用点火コイルは、同心状に一次コイルおよび二次コイルが配設されたセンタ鉄心を、環状のサイド鉄心の内側に配設して、閉磁路鉄心を構成するとともに、前記センタ鉄心と前記サイド鉄心との間に永久磁石を配設している。前記永久磁石は、一次コイルの電流を遮断した際に、二次コイル側に高電圧を効率良く発生させている。
図11(イ)は従来例におけるコイル組立体を説明するための断面図で、(ロ)はセンタ鉄心の磁束密度分布を示す図である。図11(イ)において、コイル組立体70は、一次ボビンに一次コイルを、二次ボビンに二次コイルを同心的に巻回して、組み立てられている。図11(ロ)において、前記一次コイル72には、コイル幅とほぼ同じ幅のセンタ鉄心71が装着されている。前記センタ鉄心71の磁束密度分布は、符号73で示されている。図11(ロ)における磁束密度の傾向は、磁束密度の高い部分で二次コイルへ磁束を鎖交させている。
特開2001−351821号公報
前記特開2001−351821号公報に記載されている内燃機関用点火コイルは、センタ鉄心とサイド鉄心との間に永久磁石を配設し、一次コイルの電流が遮断された場合に、二次コイルに大きな電圧を発生させている。しかし、前記公報に記載された内燃機関用点火コイルは、永久磁石という高価な部材が必要であるため、作製費用が高価であるだけでなく、永久磁石の組み立て等の手数がかかり、安価なものとすることができなかった。
図11(イ)に示されている内燃機関用点火コイルは、一次コイルの巻き幅と同じ幅で、磁束密度が分布している。すなわち、一次コイルの巻き幅に対するセンタ鉄心の長さが短いため、磁束密度は、二次コイルに近い鉄心両端付近で低くなるという問題があった。
以上のような課題を解決するために、本発明は、センタ鉄心の長さを一次コイルの巻き幅より長くすることにより、磁束密度の高い部分で二次コイルへ磁束を鎖交させることができる内燃機関用点火装置および内燃機関用点火装置の製造方法を提供することを目的とする。
(第1発明)
第1発明の内燃機関用点火装置は、一次ボビンおよび二次ボビンに巻回されている一次コイルおよび二次コイルと、前記各コイルと磁気的に結合させるセンタ鉄心と、前記一次コイルおよび二次コイルと、前記センタ鉄心の少なくとも一部を収納する絶縁ケースとを少なくとも備え、前記二次コイルに発生した高電圧による火花が点火プラグで発生するように接続されており、前記センタ鉄心は、長手方向の長さを、前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にしたことを特徴とする。
第1発明の内燃機関用点火装置は、一次ボビンおよび二次ボビンに巻回されている一次コイルおよび二次コイルと、前記各コイルと磁気的に結合させるセンタ鉄心と、前記一次コイルおよび二次コイルと、前記センタ鉄心の少なくとも一部を収納する絶縁ケースとを少なくとも備え、前記二次コイルに発生した高電圧による火花が点火プラグで発生するように接続されており、前記センタ鉄心は、長手方向の長さを、前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にしたことを特徴とする。
(第2発明)
第2発明の内燃機関用点火装置は、センタ鉄心が前記一次コイルからはみ出した部分の少なくとも一方に折曲部が形成されていることを特徴とする。
第2発明の内燃機関用点火装置は、センタ鉄心が前記一次コイルからはみ出した部分の少なくとも一方に折曲部が形成されていることを特徴とする。
(第3発明)
第3発明の内燃機関用点火装置は、センタ鉄心が前記一次コイルからはみ出した部分に取り付け孔が設けられていることを特徴とする。
第3発明の内燃機関用点火装置は、センタ鉄心が前記一次コイルからはみ出した部分に取り付け孔が設けられていることを特徴とする。
(第4発明)
第4発明の内燃機関用点火装置は、一つのセンタ鉄心が複数個の内燃機関用点火コイルに共用されていることを特徴とする。
第4発明の内燃機関用点火装置は、一つのセンタ鉄心が複数個の内燃機関用点火コイルに共用されていることを特徴とする。
(第5発明)
第5発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、一次ボビンおよび二次ボビンに一次コイルおよび二次コイルが巻回されているコイル組立体と、前記コイル組立体と磁気的に結合させるとともに長さを前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にしたセンタ鉄心と、前記コイル組立体と前記センタ鉄心の少なくとも一部を収納する絶縁ケースとを少なくとも備えており、前記コイル組立体を前記絶縁ケースに組み付け、シリコーン樹脂が塗布された直方体からなる治具を前記コイル組立体および前記絶縁ケースに貫通させ、前記絶縁ケース内にエポキシ樹脂等を充填して、前記コイル組立体を封止し、前記治具を抜いた後に、前記センタ鉄心を前記コイル組立体および前記絶縁ケースに貫通させることを特徴とする。
第5発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、一次ボビンおよび二次ボビンに一次コイルおよび二次コイルが巻回されているコイル組立体と、前記コイル組立体と磁気的に結合させるとともに長さを前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にしたセンタ鉄心と、前記コイル組立体と前記センタ鉄心の少なくとも一部を収納する絶縁ケースとを少なくとも備えており、前記コイル組立体を前記絶縁ケースに組み付け、シリコーン樹脂が塗布された直方体からなる治具を前記コイル組立体および前記絶縁ケースに貫通させ、前記絶縁ケース内にエポキシ樹脂等を充填して、前記コイル組立体を封止し、前記治具を抜いた後に、前記センタ鉄心を前記コイル組立体および前記絶縁ケースに貫通させることを特徴とする。
(第6発明)
第6発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、第5発明のコイル組立体を絶縁ケースに組み付け、エポキシ樹脂等が充填された状態の複数の内燃機関用点火コイルをエンジンにそれぞれ取り付けた後に、センタ鉄心を前記それぞれのコイル組立体および前記それぞれの絶縁ケースに貫通させることを特徴とする。
第6発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、第5発明のコイル組立体を絶縁ケースに組み付け、エポキシ樹脂等が充填された状態の複数の内燃機関用点火コイルをエンジンにそれぞれ取り付けた後に、センタ鉄心を前記それぞれのコイル組立体および前記それぞれの絶縁ケースに貫通させることを特徴とする。
(第7発明)
第7発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、一次ボビンおよび二次ボビンに一次コイルおよび二次コイルが巻回されているコイル組立体と、前記コイル組立体と磁気的に結合させたセンタ鉄心と、前記コイル組立体と前記センタ鉄心の少なくとも一部を収納する絶縁ケースとを少なくとも備えており、前記コイル組立体が組み付けられた前記絶縁ケースの複数個を所定間隔をもって第1の治具により配置し、シリコーン樹脂が塗布された直方体からなる第2の治具を複数個のコイル組立体および絶縁ケースに貫通させ、前記それぞれの絶縁ケース内にエポキシ樹脂等を充填して、前記それぞれのコイル組立体を封止し、前記第2の治具を抜いた後に、前記センタ鉄心を前記それぞれのコイル組立体および前記それぞれの絶縁ケースに貫通させることを特徴とする。
第7発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、一次ボビンおよび二次ボビンに一次コイルおよび二次コイルが巻回されているコイル組立体と、前記コイル組立体と磁気的に結合させたセンタ鉄心と、前記コイル組立体と前記センタ鉄心の少なくとも一部を収納する絶縁ケースとを少なくとも備えており、前記コイル組立体が組み付けられた前記絶縁ケースの複数個を所定間隔をもって第1の治具により配置し、シリコーン樹脂が塗布された直方体からなる第2の治具を複数個のコイル組立体および絶縁ケースに貫通させ、前記それぞれの絶縁ケース内にエポキシ樹脂等を充填して、前記それぞれのコイル組立体を封止し、前記第2の治具を抜いた後に、前記センタ鉄心を前記それぞれのコイル組立体および前記それぞれの絶縁ケースに貫通させることを特徴とする。
(第8発明)
第8発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、第5発明から第7発明の治具または第2の治具を抜いた後、前記絶縁ケースにプロテクタが取り付けられてから、前記センタ鉄心が前記コイル組立体および前記絶縁ケースに貫通させたことを特徴とする。
第8発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、第5発明から第7発明の治具または第2の治具を抜いた後、前記絶縁ケースにプロテクタが取り付けられてから、前記センタ鉄心が前記コイル組立体および前記絶縁ケースに貫通させたことを特徴とする。
本発明によれば、センタ鉄心の磁束密度の高い部分を広げて、二次コイルへ磁束を鎖交させることができるため、永久磁石を設ける必要がない安価な内燃機関用点火装置とすることができる。
本発明によれば、鉄心を閉磁路にし、センタ鉄心の長さを一次コイルの巻き幅の2倍以上にすることにより、永久磁石を不要にしても、磁束の変化量を確保できる安価な内燃機関用点火装置とすることができる。
本発明によれば、鉄心を充填絶縁樹脂内に入れないため、熱応力により、前記充填絶縁樹脂に対する信頼性が向上した内燃機関用点火装置とすることができる。
本発明によれば、エンジンへの取り付け孔をセンタ鉄心に設けることができるため、絶縁ケースに取り付け部および取り付け孔を設ける必要がないため、小型で安価な内燃機関用点火装置とすることができる
本発明によれば、センタ鉄心を入れない状態で、治具を絶縁ケースとコイル組立体の貫通孔に挿入した後、エポキシ樹脂等を前記絶縁ケースに充填しているため、前記センタ鉄心の形状および長さに関係なく、製造ライン上を安定して搬送される。したがって、前記センタ鉄心は、最後に、前記絶縁ケースおコイル組立体の貫通孔に装着されるため、長いセンタ鉄心が曲がったり、あるいは傷つくことがない。
(第1発明)
第1発明の内燃機関用点火装置は、一次ボビンおよび二次ボビンに一次コイルおよび二次コイルが巻回されたコイル組立体と、前記コイル組立体およびセンタ鉄心の少なくとも一部を収納する絶縁ケースから少なくとも構成されている。前記二次コイルは、高電圧により火花が点火プラグで発生するように接続されている。
第1発明の内燃機関用点火装置は、一次ボビンおよび二次ボビンに一次コイルおよび二次コイルが巻回されたコイル組立体と、前記コイル組立体およびセンタ鉄心の少なくとも一部を収納する絶縁ケースから少なくとも構成されている。前記二次コイルは、高電圧により火花が点火プラグで発生するように接続されている。
前記センタ鉄心は、前記絶縁ケースを貫通して外部に突出する長さを有する。前記センタ鉄心の長さは、前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にした。前記センタ鉄心の磁束密度は、一次コイル幅の中心部が最も高く、前記センタ鉄心の両端部近傍に向かうにしたがい低下する。前記一次コイルよりはみ出した長さの長いセンタ鉄心は、磁束密度の高い部分で二次コイルに磁束を鎖交させることができるため、一次コイルに流す電流を遮断した場合の磁束の変化量も大きくすることができる。
(第2発明)
第2発明の内燃機関用点火装置は、センタ鉄心の長さが前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にしたため、前記センタ鉄心の一次コイルからはみ出した部分の長さを小さくするように、前記一次コイルからはみ出した部分の少なくとも一方をほぼ90度折り曲げている。
第2発明の内燃機関用点火装置は、センタ鉄心の長さが前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にしたため、前記センタ鉄心の一次コイルからはみ出した部分の長さを小さくするように、前記一次コイルからはみ出した部分の少なくとも一方をほぼ90度折り曲げている。
(第3発明)
第3発明の内燃機関用点火装置は、絶縁ケースからはみ出したセンタ鉄心部分に取り付け孔が設けられている。前記センタ鉄心に設けられた取り付け孔は、前記絶縁ケースに取り付け孔を設ける必要がないため、内燃機関用点火コイルを小型にすることができる。
第3発明の内燃機関用点火装置は、絶縁ケースからはみ出したセンタ鉄心部分に取り付け孔が設けられている。前記センタ鉄心に設けられた取り付け孔は、前記絶縁ケースに取り付け孔を設ける必要がないため、内燃機関用点火コイルを小型にすることができる。
(第4発明)
第4発明の内燃機関用点火装置は、一本の連続したセンタ鉄心に、複数個が取り付けられている。第4発明は、たとえば、一本のセンタ鉄心に4個の内燃機関用点火コイルを取り付けた場合、4気筒エンジンに共用することができ、全体で小型化が可能で、組立、製造、安価なものとすることができる。
第4発明の内燃機関用点火装置は、一本の連続したセンタ鉄心に、複数個が取り付けられている。第4発明は、たとえば、一本のセンタ鉄心に4個の内燃機関用点火コイルを取り付けた場合、4気筒エンジンに共用することができ、全体で小型化が可能で、組立、製造、安価なものとすることができる。
(第5発明)
第5発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、一次ボビンおよび二次ボビンに一次コイルおよび二次コイルを巻回したコイル組立体と、前記コイル組立体と磁気的に結合させるとともに長さを前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にしたセンタ鉄心と、前記コイル組立体と前記センタ鉄心の少なくとも一部を収納する絶縁ケースとから構成されている内燃機関用点火コイルの製造方法に関するものである。前記コイル組立体は、前記絶縁ケースの内部に組み付けられる。前記絶縁ケースには、一方から他方に抜ける貫通孔が予め成形されている。
第5発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、一次ボビンおよび二次ボビンに一次コイルおよび二次コイルを巻回したコイル組立体と、前記コイル組立体と磁気的に結合させるとともに長さを前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にしたセンタ鉄心と、前記コイル組立体と前記センタ鉄心の少なくとも一部を収納する絶縁ケースとから構成されている内燃機関用点火コイルの製造方法に関するものである。前記コイル組立体は、前記絶縁ケースの内部に組み付けられる。前記絶縁ケースには、一方から他方に抜ける貫通孔が予め成形されている。
直方体からなる治具は、後から外し易いようにシリコーン樹脂が塗布されている。前記コイル組立体および前記絶縁ケースは、前記シリコーン樹脂が塗布されている治具が貫通される。その後、前記コイル組立体は、前記絶縁ケース内にエポキシ樹脂等が充填されて固定される。次に、前記治具は、前記コイル組立体および絶縁ケースから抜かれる。その後、前記センタ鉄心は、前記コイル組立体および前記絶縁ケースに貫通される。前記センタ鉄心は、前記絶縁ケースを貫通して外部に突出する長さを有する。
前記センタ鉄心の長さを前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にしたため、前記センタ鉄心の磁束密度は、一次コイル幅の中心部が最も高く、前記センタ鉄心の両端部近傍に向かうにしたがい低下する。前記一次コイルよりはみ出した長さの長いセンタ鉄心は、磁束密度の高い部分で二次コイルに磁束を鎖交させることができるため、一次コイルに流す電流を遮断した場合の磁束の変化量も大きくすることができる。第5発明は、温度の高いエポキシ樹脂等内に鉄心を入れないため、熱応力による不都合がなく、信頼性の高い内燃機関用点火装置とすることができる。また、前記2倍以上あるセンタ鉄心は、製造ライン上に載置された状態で、搬送される途中に、他の物にぶつかり、曲げられたり、あるいは傷つく恐れがなくなり、最後に、損傷のない新しいものを前記絶縁ケースおよびコイル組立体の貫通孔に挿入することができる。
(第6発明)
第6発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、第5発明において、コイル組立体を絶縁ケースに組み付け、エポキシ樹脂等が充填された状態の複数の内燃機関用点火装置をエンジンに対して、それぞれの所定位置に取り付ける。その後、センタ鉄心は、前記それぞれのコイル組立体および前記それぞれの絶縁ケースに貫通される。多気筒からなるにエンジンおいて、内燃機関用点火装置は、車種により異なった間隔に配置されている。このような場合、コイル組立体が絶縁ケースに組み付けられ、エポキシ樹脂等を充填した後の内燃機関用点火装置をそれぞれの位置に配置した後、前記センタ鉄心は、前記それぞれのコイル組立体および絶縁ケースに貫通される。
第6発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、第5発明において、コイル組立体を絶縁ケースに組み付け、エポキシ樹脂等が充填された状態の複数の内燃機関用点火装置をエンジンに対して、それぞれの所定位置に取り付ける。その後、センタ鉄心は、前記それぞれのコイル組立体および前記それぞれの絶縁ケースに貫通される。多気筒からなるにエンジンおいて、内燃機関用点火装置は、車種により異なった間隔に配置されている。このような場合、コイル組立体が絶縁ケースに組み付けられ、エポキシ樹脂等を充填した後の内燃機関用点火装置をそれぞれの位置に配置した後、前記センタ鉄心は、前記それぞれのコイル組立体および絶縁ケースに貫通される。
(第7発明)
第7発明において、内燃機関用点火装置の製造方法は、多気筒用エンジンの内燃機関用点火コイルが同じ間隔で配置されているという前提で、予め、内燃機関用点火コイルの完成品を工場で組み立てる点で、第6発明と異なっている。すなわち、第1の治具には、それぞれのコイル組立体および絶縁ケースからなる半製品の内燃機関用点火コイルが所定間隔をもって配置される。シリコーン樹脂が塗布された直方体からなる第2の治具は、それぞれのコイル組立体および絶縁ケースに貫通される。その後、前記それぞれの絶縁ケース内にエポキシ樹脂等が充填され、前記それぞれのコイル組立体が封止される。
第7発明において、内燃機関用点火装置の製造方法は、多気筒用エンジンの内燃機関用点火コイルが同じ間隔で配置されているという前提で、予め、内燃機関用点火コイルの完成品を工場で組み立てる点で、第6発明と異なっている。すなわち、第1の治具には、それぞれのコイル組立体および絶縁ケースからなる半製品の内燃機関用点火コイルが所定間隔をもって配置される。シリコーン樹脂が塗布された直方体からなる第2の治具は、それぞれのコイル組立体および絶縁ケースに貫通される。その後、前記それぞれの絶縁ケース内にエポキシ樹脂等が充填され、前記それぞれのコイル組立体が封止される。
前記第2の治具は、シリコーン樹脂が塗布されているため、前記それぞれのコイル組立体および前記それぞれの絶縁ケースから容易に抜かれる。前記センタ鉄心は、前記それぞれのコイル組立体および前記それぞれの絶縁ケースに貫通され、内燃機関用点火コイルとなる。
(第8発明)
第8発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、第5発明の治具または第2発明の第2の治具を抜いた後、前記絶縁ケースにプロテクタが取り付けられる。その後、前記センタ鉄心は、前記コイル組立体および前記絶縁ケースに貫通される。
第8発明における内燃機関用点火装置の製造方法は、第5発明の治具または第2発明の第2の治具を抜いた後、前記絶縁ケースにプロテクタが取り付けられる。その後、前記センタ鉄心は、前記コイル組立体および前記絶縁ケースに貫通される。
図1(イ)は本発明の実施例で、センタ鉄心とコイル組立体を説明するための図で、(ロ)は本発明の内燃機関用点火装置の全体を示す概略斜視図である。図1(イ)において、一次ボビン121上には、一次コイル122が巻回されている。また、前記一次コイル122の上には、二次ボビン123が同心的に設けられている。前記二次ボビン123には、二次コイル124が巻回されている。コイル組立体12は、前記一次ボビン121、一次コイル122、二次ボビン123、二次コイル124から少なくとも構成されている。
前記コイル組立体12には、センタ鉄心11が貫通している。前記センタ鉄心11は、長手方向の長さを、前記一次コイル122の巻き幅の2倍以上としている。前記センタ鉄心11は、前記のような長さとすることで、図に示すような閉磁路の内の磁束密度を長手方向で一次コイル122の巻き幅の中心となる部分が最も高く、両端に向かうにしたがい、低下する。前記長さが長いセンタ鉄心11は、磁束密度の高い部分で二次コイル124へ磁束を鎖交させることができ、閉磁路における一次コイル122に流す電流を遮断した場合の磁束の変化量を大きくすることができる。したがって、本実施例における内燃機関用点火装置は、永久磁石を設ける必要がなくなった。
図1(ロ)に示す内燃機関用点火装置10の概略斜視図は、センタ鉄心11が絶縁ケース13からはみ出している状態が判る。なお、前記センタ鉄心11は、一次コイル122からはみ出すようにすることもできる。前記絶縁ケース13は、一方に取付部131と、他方にソケット132が設けられている。前記取付部131には、エンジンに取り付けるための取付孔133が設けられている。前記絶縁ケース13の下部には、図示されていない、点火プラグと接続するためのアダプタ15が設けられている。
図2は本発明の第2実施例を説明するための概略斜視図である。図2において、第1実施例と異なる所は、センタ鉄心11が前記絶縁ケース13からのはみ出し部分で一方が折れ曲がった折曲部111が設けられている点である。前記センタ鉄心11の折曲部111は、L字状、コ字状とし、一方および/または他方に設けることができる。
図3は本発明の第3実施例を説明するための概略斜視図である。図3において、第1実施例および第2実施例と異なる所は、センタ鉄心11のはみ出した部分にエンジンへの取り付け孔32、33が設けられている点である。前記エンジンへの取り付け孔32、33は、絶縁ケースに取り付け孔を設けたものと比較して内燃機関用点火コイルを小型に作製することができる。
図4は本発明の第4実施例を説明するための概略斜視図である。図4において、第1実施例から第3実施例と異なる所は、複数気筒からなるエンジンに取り付けることができるように、第1実施例に示されている、長い一本のセンタ鉄心に、たとえば、4個の内燃機関用点火コイルが取り付けられている点である。
図5は本発明の第5実施例を説明するための概略斜視図である。図5において、第4実施例と異なるところは、第3実施例の内燃機関用点火コイルを複数と一本の長いセンタ鉄心に取り付けている点である。第4実施例の内燃機関用点火コイルは、鉄心に取り付け孔51、52、53を有するため、小型化が可能である。
図6は本発明の第6実施例で、コイル組立体を絶縁ケースに組み付ける状態を説明するための図である。図7は本発明の第6実施例で、絶縁ケースに対して治具の挿入とエポキシ樹脂の充填を説明するための図である。図8は本発明の第6実施例で、治具を絶縁ケースから抜いた状態を説明するための図である。図9は本発明の第6実施例で、内燃機関用点火コイルの完成図である。
図6において、一次ボビン121は、上に一次コイル122が巻回されている。また、前記一次コイル122の上には、二次ボビン123が同心的に設けられている。前記二次ボビン123には、二次コイル124が巻回されている。コイル組立体12は、前記一次ボビン121、一次コイル122、二次ボビン123、二次コイル124から少なくとも構成されている。絶縁ケース13は、両端部にセンタ鉄心11が貫通する貫通孔131、131′が設けられている。
図6に示す前記絶縁ケース13の内部には、前記コイル組立体12が組み付けられる。その後、表面にシリコーン樹脂が塗布された直方体からなる治具16は、図7に示されているように、前記絶縁ケース13の貫通孔131とコイル組立体12の内部を貫通する。前記直方体からなる治具16は、図6および図7において、強調して画がかれているが、自動組立ライン上で搬送される際に、邪魔にならなく、かつ、外し易い長となるように、前記絶縁ケース13から必要な長さだけ突出したものが望ましい。
次に、図7に示すように、前記絶縁ケース13の内部には、エポキシ樹脂等が充填されて前記コイル組立体12が固定される。その後、図8に示すように、前記治具16は、前記絶縁ケース13から抜き取られる。前記治具16は、表面にシリコーン樹脂等が塗布されているため、容易に抜き取ることができる。前記絶縁ケース13の貫通孔131およびコイル組立体12の内部には、図9に示すように、センタ鉄心11が挿入される。なお、前記絶縁ケース13は、エンジン等に対する取付孔133からなる取付部131、コネクタ132、図示されていない、点火プラグと接続するためのアダプタ15、および前記アダプタ15を保護するプロテクタ17が設けられている。
前記センタ鉄心11は、長手方向の長さを、前記一次コイル122の巻き幅の2倍以上としている。前記センタ鉄心11は、前記のような長さとすることで、図10に示すような閉磁路の内の磁束密度を長手方向で一次コイル122の巻き幅の中心となる部分が最も高く、両端に向かうにしたがい、低下する。前記長さが長いセンタ鉄心11は、磁束密度の高い部分で二次コイル124へ磁束を鎖交させることができ、閉磁路における一次コイル122に流す電流を遮断した場合の磁束の変化量を大きくすることができる。したがって、本実施例における内燃機関用点火装置は、永久磁石を設ける必要がなくなった。また、前記センタ鉄心11は、長さが長いため、組立工程の最後に装着することにより、製造ライン上での搬送が容易であり、搬送中に傷付けり、あるいは変形することがない。
図5は本発明の第6実施例を説明するための概略斜視図である。図5において、異なる所は、複数気筒からなるエンジンに取り付けることができるように、第6実施例に示されている、長い一本のセンタ鉄心41に、たとえば、4個の内燃機関用点火コイル101、102、103、104が取り付けられている点である。前記センタ鉄心11に取り付け孔51、52、53は、自動車等のエンジンに取り付ける部分となり、取り付けを容易にすることができる。なお、内燃機関用点火コイルは、コイル組立体およびエポキシ樹脂等が入った絶縁ケース31、および前記絶縁ケース31に連設されたプロテクタ15等から構成されている。前記内燃機関用点火コイルは、一つ一つを作製し、自動車に組み込む際にセンタ鉄心41を各絶縁ケースおよびコイル組立体を貫通させる。また、予め、前記複数の内燃機関用点火コイルは、図示されていない第1の治具に固定された状態で、第2の治具を貫通させた状態で組み立てられ、前記第2の治具を抜いた後に、センタ鉄心41を貫通さる。前記状態の内燃機関用点火コイルは、最後に、自動車に組み込むまれる。
図10は本発明の実施例におけるセンタ鉄心の磁束密度分布を示す図である。図10において、たとえば、一次コイル61とセンタ鉄心11の関係が示されている。一次コイルの巻き幅は、センタ鉄心11のほぼ半分の長さとなっている。前記センタ鉄心11の磁束密度分布は、符号62で示されている。前記磁束密度の分布の傾向は、図11と同じであるが、磁束密度の高い部分で二次コイルへの磁束を鎖交させることができる。前記二次コイルへの磁束を鎖交させることは、一次コイルに流す電流を遮断した場合の磁束の変化量を大きくすることができる。
センタ鉄心11は、前記絶縁ケース13からのはみ出し部分で一方が折れ曲がった折曲部を設けたり、あるいは、前記折曲部をL字状、コ字状とし、一方および/または他方に設けることができる。前記各種変形を有するセンタ鉄心11は、組立中に装着するのではなく、治具を用いた方が変形あるいは損傷をなくすことがでる。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。たとえば、本実施例における内燃機関用点火装置は、センタ鉄心以外の形状を周知または公知のものに任意に変えることができる。
10・・・内燃機関用点火コイル
11・・・センタ鉄心
12・・・コイル組立体
121・・・一次ボビン
122・・・一次コイル
123・・・二次ボビン
124・・・二次コイル
13・・・絶縁ケース
131・・・取付部
132・・・ソケット
133・・・取付孔
15・・・アダプタ
16・・・治具
17・・・プロテクタ
11・・・センタ鉄心
12・・・コイル組立体
121・・・一次ボビン
122・・・一次コイル
123・・・二次ボビン
124・・・二次コイル
13・・・絶縁ケース
131・・・取付部
132・・・ソケット
133・・・取付孔
15・・・アダプタ
16・・・治具
17・・・プロテクタ
Claims (8)
- 一次ボビンおよび二次ボビンに巻回されている一次コイルおよび二次コイルと、
前記各コイルと磁気的に結合させるセンタ鉄心と、
前記一次コイルおよび二次コイルと、前記センタ鉄心の少なくとも一部を収納する絶縁ケースと、
を少なくとも備え、前記二次コイルに発生した高電圧による火花が点火プラグで発生するように接続されている内燃機関用点火コイルにおいて、
前記センタ鉄心は、長手方向の長さを、前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にしたことを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 前記センタ鉄心は、前記一次コイルからはみ出した部分の少なくとも一方に折曲部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載された内燃機関用点火装置。
- 前記センタ鉄心は、前記一次コイルからはみ出した部分に取り付け孔が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された内燃機関用点火装置。
- 一つのセンタ鉄心が複数個の内燃機関用点火コイルに共用されていることを特徴とする請求項1から請求項3に記載された内燃機関用点火装置。
- 一次ボビンおよび二次ボビンに一次コイルおよび二次コイルが巻回されているコイル組立体と、前記コイル組立体と磁気的に結合させるとともに長さを前記一次コイルの巻き幅の2倍以上にしたセンタ鉄心と、前記コイル組立体と前記センタ鉄心の少なくとも一部を収納する絶縁ケースとを少なくとも備えている内燃機関用点火コイルの製造方法において、
前記コイル組立体を前記絶縁ケースに組み付け、
シリコーン樹脂が塗布された直方体からなる治具を前記コイル組立体および前記絶縁ケースに貫通させ、
前記絶縁ケース内にエポキシ樹脂等を充填して、前記コイル組立体を封止し、
前記治具を抜いた後に、前記センタ鉄心を前記コイル組立体および前記絶縁ケースに貫通させることを特徴とする内燃機関用点火コイルの製造方法。 - コイル組立体を絶縁ケースに組み付け、エポキシ樹脂等が充填された状態の複数の内燃機関用点火コイルをエンジンにそれぞれ取り付けた後に、センタ鉄心を前記それぞれのコイル組立体および前記それぞれの絶縁ケースに貫通させることを特徴とする請求項5に記載された内燃機関用点火コイルの製造方法。
- 一次ボビンおよび二次ボビンに一次コイルおよび二次コイルが巻回されているコイル組立体と、前記コイル組立体と磁気的に結合させたセンタ鉄心と、前記コイル組立体と前記センタ鉄心の少なくとも一部を収納する絶縁ケースとを少なくとも備えている内燃機関用点火コイルの製造方法において、
前記コイル組立体が組み付けられた前記絶縁ケースの複数個を所定間隔をもって第1の治具により配置し、
シリコーン樹脂が塗布された直方体からなる第2の治具を複数個のコイル組立体および絶縁ケースに貫通させ、
前記それぞれの絶縁ケース内にエポキシ樹脂等を充填して、前記それぞれのコイル組立体を封止し、
前記第2の治具を抜いた後に、前記センタ鉄心を前記それぞれのコイル組立体および前記それぞれの絶縁ケースに貫通させることを特徴とする内燃機関用点火コイルの製造方法。 - 前記治具または第2の治具を抜いた後、前記絶縁ケースにプロテクタが取り付けられてから、前記センタ鉄心が前記コイル組立体および前記絶縁ケースに貫通させたことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載された内燃機関用点火コイルの製造方法。
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Citations (4)
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JP2001351821A (ja) * | 2000-06-05 | 2001-12-21 | Hanshin Electric Co Ltd | 内燃機関用点火コイル |
-
2007
- 2007-11-15 JP JP2007296422A patent/JP2008267374A/ja active Pending
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