JP2008266555A - アクリル共重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モノマー及び重合必要量の2〜10倍量のラジカル重合開始剤を用い、ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度より5〜40℃低い温度で重合率50〜99%まで重合させる工程、及びラジカル重合開始剤の99mol%が2〜5時間で熱分解する温度±5℃でさらに重合させる工程を備えるアクリル共重合体の製造方法である。
【選択図】なし
Description
またデジタルカメラの高画素化に伴うメモリー容量の増大、薄型テレビの拡大により、高機能半導体の需要は、さらに加速するもとの予測されている。半導体インゴットから半導体デバイスが生産されるプロセスでは、多種のアクリル系粘・接着剤が用いられている。
すなわち、本発明は、モノマー及び重合必要量の2〜10倍量のラジカル重合開始剤を用い、ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度より5〜40℃低い温度で重合率50〜99%まで重合させる工程、及びラジカル重合開始剤の99mol%が2〜5時間で熱分解する温度±5℃でさらに重合させる工程を備えるアクリル共重合体の製造方法に関する。また、本発明は、モノマー及びラジカル重合開始剤を用い、ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度で重合率50〜99%まで重合させる工程、及びラジカル重合開始剤の99mol%が2〜5時間で熱分解する温度±5℃でさらに重合させる工程により得られたアクリル共重合体と比較して、±10%の重量平均分子量を有し、残存モノマー量が減少したアクリル共重合体の製造方法であって、
モノマー及び前記ラジカル重合開始剤の2〜10倍量のラジカル重合開始剤を用い、ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度より5〜40℃低い温度で重合率50〜99%まで重合させる工程、及びラジカル重合開始剤の99mol%が2〜5時間で熱分解する温度±5℃でさらに重合させる工程を備えるアクリル共重合体の製造方法に関する。
つまり、本発明では、従来のアクリル共重合体の製造方法と比較して、ラジカル重合開始剤の使用量を増加させ、反応温度を低下させることにより、分子量はほぼ同じであるが、残存モノマー量が著しく減少したアクリル共重合体を得ることが可能である。
第1の工程において、まず、反応容器をN2置換するのが好ましい。これに、モノマー、ラジカル重合開始剤、必要に応じて、反応溶剤、連鎖移動剤等の原料を供給する。ラジカル重合開始剤は、重合必要量の2〜10倍量用いることが好ましく、より好ましくは重合必要量の2〜5倍量である。ここで、重合必要量とは、用途に応じて目的の分子量まで重合するために必要な配合量のことである。ラジカル重合開始剤の配合比は、モノマーとの組合せにより、また、目的とする分子量により重合必要量が異なるため、一般的に規定することが困難であり、あえて規定するなら広い範囲を規定せざるをえない。たとえば、モノマーに対し、好ましくは0.0001〜3mol%である。ラジカル重合開始剤として長鎖アルカンをもつ有機過酸化物、モノマーとしてビニルモノマーを用いて、分子量(Mw)10万〜100万程度の重合物を得るためには、ラジカル重合開始剤の配合比は、モノマーに対して0.3〜3mol%であることが好ましい。原料を供給した後、N2で溶存酸素が1%以下になるまでバブリングするのが好ましい。次に、窒素気流下または密閉状態で、ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度より5〜40℃低い温度、好ましくは5〜20℃低い温度にて原料を撹拌し、重合率が50〜99%、好ましくは60〜99%になるまで重合させる。撹拌時間は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは2〜10時間である。「ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度」は、ラジカル重合開始剤の種類により異なり、後述する計算方法により求めることができる。
第2の工程において、ラジカル重合開始剤の99mol%が2〜5時間で熱分解する温度±5℃で撹拌して、さらに重合させる。撹拌時間は、好ましくは1〜10時間、より好ましくは1〜5時間である。「ラジカル重合開始剤の99mol%が2〜5時間で熱分解する温度」は、ラジカル重合開始剤の種類により異なり、後述する計算方法により求めることができる。
以上の方法によると、モノマー及びラジカル重合開始剤を用い、ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度で重合率50〜99%まで重合させる工程、及びラジカル重合開始剤の99mol%が2〜5時間で熱分解する温度±5℃でさらに重合させる工程により得られたアクリル共重合体と比較して、±10%の重量平均分子量を有し、残存モノマー量が減少したアクリル共重合体を製造することができる。かくして得られるアクリル共重合体は、残存モノマー濃度が極めて少ないため、臭気が極めて少なく、電気絶縁性が良好である。残存モノマー濃度は1重量%未満が好ましい。
ビニルモノマーは、以下の例には限定されないが、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル成分としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸−2−エチルへキシル、メタクリル酸−2−エチルへキシル、アクリル酸ラウリルまたはメタクリル酸ラウリルが挙げられる。芳香族ビニルモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンまたはビニルトルエンなどが挙げられる。エチレン系不飽和ジカルボン酸のジエステル成分としては、ジブチルフマレート、ジメチルフマレート、あるいはジブチルイタコネートなどが挙げられる。水酸基含有ビニルモノマーとしては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルあるいはメタクリル酸ヒドロキシイソプロピルなどが挙げられる。グリシジル基含有ビニルモノマーとしては、グリシジルメタクリレートあるいはグリシジルアクリレートなどが挙げられる。酸基含有ビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸あるいはイタコン酸などが挙げられる。モノカルボン酸のビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリル酸ビニルあるいは安息香酸ビニル、その他、アクリロニトリルなどが挙げられる。
本発明において反応溶剤を使用することができる。反応溶剤としては、有機溶媒及び無機溶媒が使用でき、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、アセトン及び水等が挙げられる。また、分散助剤を加えてもよく、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、でんぷん、燐酸カルシウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等の懸濁重合に使用する分散助剤、及び乳化重合に使用する乳化剤等が挙げられる。
また、「重合開始剤の99mol%が2〜5時間で熱分解する温度」については、、下記数式(1)と下記数式(2)に、時間tとして2又は5時間、分解量xと初期量aとの関係x=0.99a、頻度因子A及び活性化エネルギーEaについては文献値又は計算値、気体定数Rとして8.3142を代入し算出することができる。
なお、頻度因子A及び活性化エネルギーEaの計算方法については、数式(1)をInKd=InA−Ea/RTに変形し、次に説明するように複数の温度についてkd値を得て、Inkdと1/Tの関係をプロットすると、得られた傾きから活性化エネルギーAが、切片から頻度因子Eaが求められる。kdの算出方法は、数式(2)を変形させてIna/(a−x)=kdtとし、ある一定温度で熱分解させて時間tとIna/(a−x)の関係をプロットすると、得られた直線の傾きからkdが求められる。
以下,本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管および排出管、加熱ジャケットによって構成された4リットルフラスコを反応器とし、まずフラスコ内を窒素パージし、30mL/minで気流する。次いで、フラスコに、モノマー混合物の反応初期敷液とし水60重量%、分散助剤としてポリビニルアルコール0.02重量%を仕込んだ。
実施例1において第一工程の温度を62℃にし、ラウリルパーオキサイドを対モノマーで0.2mol%にした以外は同様にしてアクリル共重合体を得た。
実施例1においてラウリルパーオキサイドを対モノマーで0.2mol%にした以外は同様にしてアクリル共重合体を得た。
実施例1において第一工程の温度を62℃にした以外は同様にしてアクリル共重合物を得た。
これに対して、第1工程の温度を10時間半減期温度とし、ラウリルパーオキサイドを重合必要量とした比較例1では、得られたアクリル共重合体の分子量は実施例1とほぼ同様であるが、残存モノマーの量が非常に多かった。また、第1工程の温度を実施例1と同様にしたが(10時間半減期温度より7℃低く)、ラウリルパーオキサイドを重合必要量とした比較例2では、得られたアクリル共重合体の分子量は実施例1と比較して多く、また、残存モノマーの量が非常に多かった。さらに、ラウリルパーオキサイドを対モノマーで重合必要量の3倍量用いたが、第1工程の温度を10時間半減期温度とした比較例3では、残存モノマー量は低かったが、実施例1と比較して分子量が非常に低かった。
Claims (2)
- モノマー及び重合必要量の2〜10倍量のラジカル重合開始剤を用い、ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度より5〜40℃低い温度で重合率50〜99%まで重合させる工程、及びラジカル重合開始剤の99mol%が2〜5時間で熱分解する温度±5℃でさらに重合させる工程を備えるアクリル共重合体の製造方法。
- モノマー及びラジカル重合開始剤を用い、ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度で重合率50〜99%まで重合させる工程、及びラジカル重合開始剤の99mol%が2〜5時間で熱分解する温度±5℃でさらに重合させる工程により得られたアクリル共重合体と比較して、±10%の重量平均分子量を有し、残存モノマー量が減少したアクリル共重合体の製造方法であって、
モノマー及び前記ラジカル重合開始剤の2〜10倍量のラジカル重合開始剤を用い、ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度より5〜40℃低い温度で重合率50〜99%まで重合させる工程、及びラジカル重合開始剤の99mol%が2〜5時間で熱分解する温度±5℃でさらに重合させる工程を備えるアクリル共重合体の製造方法。
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KR20220064305A (ko) | 2020-11-11 | 2022-05-18 | 쇼와 덴코 가부시키가이샤 | 공중합체의 제조 방법 |
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JP2002265390A (ja) * | 2001-03-13 | 2002-09-18 | Nitto Denko Corp | 医療用アクリル系粘着剤の製造方法 |
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2007
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