JP2008266421A - 液晶配向剤、液晶表示素子およびそのための重合体と原料ジアミン - Google Patents

液晶配向剤、液晶表示素子およびそのための重合体と原料ジアミン Download PDF

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Abstract

【課題】高い電圧保持率を有ししかもプレチルト角のプロセス依存性が良好な液晶配向膜を与えるための液晶配向剤ならびにそのための重合体と原料ジアミンの提供。
【解決手段】下記式(I)
Figure 2008266421

(式中、R、Rは、互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基またはハロゲン原子であり、X、Yはエステル結合またはアミド結合であり、Zはエステル結合、アミド結合または酸素原子であり、そしてaは0〜4の整数である。)で表されるジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物から得られるポリアミック酸またはそのイミド化重合体からなる液晶配向剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規ジアミン化合物、ポリアミック酸、そのイミド化重合体、液晶配向剤および液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、新規ジアミン化合物、それを用いたポリアミック酸、そのイミド化重合体、これらの少なくとも一方の重合体を含有する液晶配向剤および当該液晶配向剤から得られる液晶配向膜を具備する液晶表示素子に関する。
従来、透明導電膜を介して液晶配向膜が表面に形成されている2枚の基板の間に、正の誘電異方性を有するネマティック型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、前記液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連続的に90度捻れるようにしたTN(Twisted Nematic)型液晶セルを有するTN型液晶表示素子が知られている。
また、カイラル剤の添加によって当該液晶分子の長軸が基板間で180度以上にわたって連続的に捻れる状態を達成させ、これにより生じる複屈折効果を利用したSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子も知られている。さらに最近においては、対向する基板間に負の誘電異方性を有するホメオトロピック配向状態のネマチック液晶層や螺旋軸が基板法線と平行状態にあるコレステリック液晶層を形成させ、それらの液晶層中に色素を添加したゲスト−ホスト型の反射型液晶表示素子も開発されている。これらの液晶表示素子における液晶の配向は、通常、ラビング処理が施された液晶配向膜により発現される。ここに、液晶表示素子を構成する液晶配向膜の材料としては、従来よりポリイミド、ポリアミドおよびポリエステルなどが知られている。特にポリイミドは、耐熱性、液晶との親和性、機械的強度などに優れているため多くの液晶表示素子に使用されている。
これまで液晶表示素子の高精細化を始めとする表示品位向上、低消費電力化等の検討が進み、高性能な表示素子としてめざましい発展を遂げ、特許文献1に示されているような高電圧保持率、高信頼性を持つ液晶表示素子が開発されている。しかし近年、従来の透過型に加え反射型、半透過型というような液晶表示素子の利用範囲の拡大、基板の大型化に伴う装置、製造ラインの巨大化が大きく進み、それに伴い高電圧保持率、高信頼性とともにプレチルト角のプロセス条件依存性に対する要求性能も厳しくなってきている。これまでのポリイミドの前駆体であるポリアミック酸や、それを脱水閉環させて得られる構造を有するイミド系重合体などからなる液晶配向膜の中には、その液晶配向膜を用いて液晶表示素子を作成した場合、たとえ高電圧保持率、高信頼性が得られたとしてもプロセス条件に対するプレチルト角の安定性に問題を有するものが数多く存在した。
特開平11−349864号公報
本発明の目的は、液晶配向膜の製造に用いられるポリアミック酸の製造に好適な新規ジアミン化合物を提供することにある。
本発明の他の目的は、本発明の新規ジアミン化合物を用いたポリアミック酸およびそのイミド化重合体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ポリアミック酸および/またはそのイミド化重合体からなり、そして高電圧保持率、高信頼性を保ちつつも、プレチルト角のプロセス条件依存性が良好である液晶配向膜を与える液晶配向剤を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明の液晶配向膜を備え且上記の如き高電圧保持率の優れた持性を示す液晶表示素子を提供することにある。
本発明のさらに他の目的はおよび利点は以下の説明から明らかになろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、下記式(I)
Figure 2008266421
(式中、R、Rは、互に独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基またはハロゲン原子であり、X、Yは互いに独立に下記式(a)〜(d)
Figure 2008266421
のそれぞれで表される2価の結合基であり、Zは上記(a)〜(d)のそれぞれで表される基または酸素原子であり、そしてaは0〜4の整数である。)で表されるジアミン化合物(以下、「特定ジアミン化合物」という)によって達成される。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に、特定ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリアミック酸(以下、「特定重合体I」という)およびそれを脱水閉環させて得られるイミド化重合体(以下、「特定重合体II」という)によって達成される。
また、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第3に、ポリアミック酸(特定重合体I)および/またはイミド化重合体(特定重合体II)を含有する液晶配向剤によって達成される。
さらに、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第4に、本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜を備えた液晶表示素子によって達成される。
本発明のジアミン化合物を用いて合成されたポリアミック酸および/またはイミド化重合体より形成される配向膜は、従来の配向膜と比べ高電圧保持率を保ちながらも優れたプレチルト角のプロセスマージン依存性をもち、TN型液晶表示素子、STN型液晶表示素子、反射型液晶表示素子および半透過型液晶表示素子など種々の液晶表示素子を構成するために好適に使用することができる。
本発明の液晶表示素子は、種々の装置に有効に使用することができ、例えば、卓上計算機、腕時計、置時計、携帯電話、計数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、液晶テレビなどの表示装置として好適に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<特定ジアミン化合物>
本発明で用いられる特定ジアミン化合物は、上記式(I)で表される化合物である。式(I)中、R、Rは、互に独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基またはハロゲン原子であり、X、Yは互いに独立に上記式(a)〜(d)のそれぞれで表れされるエステル基またはアミド基であり、Zは上記式(a)〜(d)のそれぞれで表わされる基または酸素原子であり、aは0〜4の整数である。また、aが2〜4の整数のとき、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
、Rを表す炭素数1〜12のアルキル基としては、炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などを挙げることができる。R、Rを表す炭素数1〜12のハロアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基を好ましいものとして挙げることができる。また、Rを表すハロゲン原子としては、例えばフッ素原子を挙げることができる。
上記式(I)で示される特定ジアミン化合物は、例えば次に示す方法によって得られる。
[Xが上記式(a)で表わされる基でありそして、Yが上記式(b)で表される基である化合物]
工程(i).下記式(II)
Figure 2008266421
(ここでAはハロゲン原子である)で表されるジニトロ安息香酸ハライド化合物に、ジヒドロキシシクロヘキサンを反応させて、下記式(III)
Figure 2008266421
で表される水酸基を含有する化合物を得る。
工程(ii).工程(i)で生成した水酸基を有する化合物(III)に、下記式(IV)
Figure 2008266421
(ここで、R、R、Z、Aおよびaの定義は上記に同じである)で表される化合物を反応させて、下記式(V)
Figure 2008266421
(ここで、R、R、Zおよびaの定義は上記に同じである)で表されるジニトロ化合物を得る。
工程(iii).工程(ii)で得られたジニトロ化合物(V)を還元し、下記式(VI)
Figure 2008266421
(ここで、R、R、Zおよびaの定義は上記に同じである)で表される特定ジアミン化合物例えば下記式(VI’)または(VI’’)で表される化合物を得る。
Figure 2008266421
[Xが上記式(c)で表わされる基でありそしてYが上記式(d)で表される場合]
工程(i).上記式(II)で表されるジニトロ安息香酸ハライドにジアミノシクロヘキサンを反応させて、下記式(VII)
Figure 2008266421
で表されるアミノ基を有する化合物を得る。
工程(ii).工程(i)で生成したアミノ基を有する化合物(VII)に、上記式(IV)で表される化合物を反応させて、下記式(VIII)
Figure 2008266421
(ここで、R、R、Zおよびaの定義は上記に同じである。)で表されるジニトロ化合物を得る。
工程(iii).工程(ii)で得られたジニトロ化合物(VIII)を還元し、下記式(IX)
Figure 2008266421
(ここで、R、R、Zおよびaの定義は上記に同じである。)で表される特定ジアミン化合物を得る。
XおよびYがその他の組合せである特定ジアミン化合物についても同様にして製造することができる。
特定ジアミン化合物の合成反応には、必要に応じて溶媒を用いることができる。上記溶媒としては、特定ジアミン化合物を溶解させることができ、かつ反応を阻害しないものであれば特に限定されない。例えばベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;その他ジメチルスルフォオキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどを挙げることができる。上記反応には、塩基性触媒を用いることができる。かかる塩基性触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ピリジン、トリエチルアミンなどを挙げることができる。
上記工程(i)における上記式(II)で表されるジニトロ安息香酸ハライドとシクロヘキサン構造を有する化合物との使用割合は、ジニトロ安息香酸ハライド1モルに対し、シクロヘキサン構造を有する化合物が2〜20モルが好ましい。上記工程(ii)における工程(i)で得られた化合物(III)または(VII)の1モルに対する上記式(IV)または(VIII)で表される化合物の使用割合は1〜1.2モルが好ましい。
上記工程(iii)におけるジニトロ化合物の還元は、例えば水素ガス、ヒドラジン、塩酸などの還元剤である周知の触媒の存在下に行うことができる。上記触媒としては、たとえばVIII族金属、すなわち鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジウム、白金などの金属を活性主体とする金属触媒、具体的には担体に上記金属が担持された触媒、上記金属の錯体触媒を挙げることができる。上記還元反応は均一系でも不均一系で行ってもよい。
上記触媒の使用量は、適宜の割合で使用でき、例えば触媒が前記VIII族の金属を活性主体とする場合、ジニトロ化合物100重量部に対して、好ましくは0.0001〜100重量部、特に好ましくは0.001〜20重量部の範囲で用いられる。また、上記還元反応として、例えば亜鉛、スズ、炭化スズ(II)、硫化ナトリウム、ナトリウムヒドロスルフィド、亜二チオン酸ナトリウム、硫化アンモニウムなどの還元剤を用いる方法も使用できる。この場合、還元剤はジニトロ化合物のニトロ基1モルに対して0.001〜10モルの範囲で使用することが好ましい。
上記還元反応に用いる溶媒としては、ジニトロ化合物とジアミン化合物とをともに溶解し、還元反応によって変質しないものが好ましく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテルをあげることができる。
特定ジアミン化合物としては、下記式(X)〜(XIII)のそれぞれで表わされる化合物を好ましいものとして挙げることができる。
Figure 2008266421
<ポリアミック酸>
本発明のポリアミック酸は上記特定ジアミン化合物のテトラカルボン酸二無水物とを反応させることにより得られる。特定ジアミン化合物は単独でまたは2種以上組合せて用いることができる。
ジアミン化合物
また、本発明のポリアミック酸には、特定ジアミン化合物の他に、本発明の効果を損なわない範囲で他のジアミン化合物を併用することができる。
他のジアミン化合物としては、以下に示す化合物が例示される。p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、ジ(4−アミノフェニル)ベンジジンなどの芳香族ジアミン;
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン) などの脂肪族および脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン、1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−デシルスクシンイミド、1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−オクタデシルスクシンイミドおよび下記式(XIV)および(XV)のそれぞれで表される化合物などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
Figure 2008266421
(式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する1価の有機基を示し、Xは2価の有機基を示す。)
Figure 2008266421
(式中、Xは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する2価の有機基を示し、Rは2価の有機基を示し、複数存在するXは、同一でも異なっていてもよい。)
下記式(XVI)で表されるモノ置換フェニレンジアミン;下記式(XVII)で表されるジアミノオルガノシロキサン;
Figure 2008266421
(式中、Rは、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる2価の有機基を示し、Rは、ステロイド骨格、トリフルオロメチル基およびフルオロ基から選ばれる基を有する1価の有機基または炭素数6〜30のアルキル基を示す。)
Figure 2008266421
(式中、Rは炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数である。)
および下記式(XVIII)〜(XXII)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
Figure 2008266421
(式中、yは2〜12の整数であり、zは0〜4の整数である。)
これらのうち、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、上記式(XVIII)〜(XXII)のそれぞれで表される化合物、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、上記式(XIV)で表される化合物のうち下記式(XXIII)で表される化合物、上記式(XV)で表される化合物のうち下記式(XXIV)で表される化合物および上記式(XVI)で表される化合物のうち下記式(XXV)〜(XXXIII)のそれぞれで表される化合物が好ましい。
Figure 2008266421
Figure 2008266421
テトラカルボン酸二無水物
本発明に使用されるテトラカルボン酸二無水物としては、以下に示す化合物が例示される。ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、下記式(1)および(2)で表される化合物などの脂肪族および脂環式テトラカルボン酸二無水物;
Figure 2008266421
(式中、RおよびR10は、芳香環を有する2価の有機基を示し、RおよびR11は、水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するRおよびR11は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(3)〜(6)のそれぞれで表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
Figure 2008266421
これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、上記式(1)で表される化合物のうち下記式(7)〜(9)のそれぞれで表される化合物および上記式(2)で表される化合物のうち下記式(10)で表される化合物が、良好な液晶配向性を発現させることができる観点から好ましい。これらのうち、特に好ましいものとして、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、ピロメリット酸二無水物および下記式(7)〜(10)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2008266421
ポリアミック酸の合成反応
本発明に用いられる特定重合体I(ポリアミック酸)は特定ジアミン化合物またはそれと他のジアミン化合物からなるジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる。特定ジアミン化合物の使用割合は、全ジアミン化合物中、0.1〜100モル%を占めるのが好ましく、5〜30モル%を占めるのがより好ましい。ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、好ましくは−20〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成される特定重合体Iを溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を例示することができる。また、有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
貧溶媒
なお、前記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。
以上のようにして、特定重合体Iを溶解してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することにより特定重合体Iを得ることができる。また、この特定重合体Iを再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行うことにより、特定重合体Iを精製することができる。
かくして得られる本発明の特定重合体Iは、下記式(11)
Figure 2008266421
(ここで、R、R、X、Y、Zおよびaの定義は前記式(I)に同じであり、Aはテトラカルボン酸二無水物から二つの酸無水物基を除いた残基である)で表されるアミック酸繰り返し単位を有する。
<イミド化重合体>
本発明に用いられる特定重合体II(イミド化重合体)は、上記の特定重合体Iを脱水閉環することにより合成することができる。本発明で用いるイミド化重合体は、イミド化率100%未満の、部分的に脱水閉環されたものであってもよい。ここでいう「イミド化率」とは、ポリマーの全繰り返し単位中、イミド環またはイソイミド環を有する繰り返し単位の割合つまりイミド結合単位とアミック酸結合単位の合計単位数に対するイミド結合単位数の割合を、百分率で表した値である。イミド化率が30〜100%からなるイミド化重合体からなる配向膜は、特にTFT型素子に用いられる場合、焼き付きおよび信頼性が高いという評価を得ることができる。ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行し難く、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
一方、上記(ii)のポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して0.01〜20モルとするのが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。しかし、これらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとするのが好ましい。なお、脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。そして、脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃、より好ましくは10〜150℃である。また、このようにして得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法と同様の操作を行うことにより、イミド化重合体を精製することができる。
かくして得られる本発明の特定重合体IIは、下記式(12)
Figure 2008266421
(ここで、R、R、X、Y、Z、Aおよびaの定義は前記式(11)に同じである)で表されるイミド繰り返し単位を有する。
末端修飾型の重合体
上記特定重合体Iおよび特定重合体IIは、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型のものは、ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
重合体の対数粘度
以上のようにして得られるポリアミック酸およびイミド基含有ポリアミック酸は、その対数粘度(ηln)の値が好ましくは0.05〜10dl/g、より好ましくは0.05〜5dl/gである。
本発明における対数粘度(ηln)の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/100ミリリットルである溶液について30℃で粘度の測定を行い、下記式(i)によって求められるものである。
Figure 2008266421
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、本発明のポリアミック酸および/またはイミド化重合体よりなる有効成分が有機溶媒中に溶解含有されて構成される。
本発明の液晶配向剤を構成する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を挙げることができる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜選択して併用することができる。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度は、粘性、揮発性などを考慮して選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲とされる。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得難い。固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得難く、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣化し易くなる。また、本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは、0℃〜200℃、より好ましくは20℃〜60℃である。
本発明の液晶配向膜を形成する液晶配向剤は、基板表面に対する接着性を向上させる観点から、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下「エポキシ基含有化合物」ともいう)を含有してもよい。
エポキシ基含有化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどを好ましいものとして挙げることができる。これらエポキシ基含有化合物の配合割合は、特定重合体100重量部に対して、好ましくは40重量部以下である。
また、本発明の液晶配向剤は、官能性シラン含有化合物を含有していてもよい。かかる官能性シラン含有化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
これら官能性シラン含有化合物の配合割合は、特定重合体100重量部に対して、好ましくは40重量部以下である。
<液晶表示素子>
本発明の液晶配向剤を用いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
(1)パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法などの方法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や予めマスクを用いる方法が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布することもできる。液晶配向剤塗布後の加熱温度は好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。なお、ポリアミック酸を含有する本発明の液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜を形成するが、さらに加熱することによって脱水閉環を進行させ、よりイミド化された塗膜とすることもできる。形成される塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(2)形成された塗膜面を、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行う。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。
また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報や特開平6−281937号公報に示されているような、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を変化させるような処理、あるいは特開平5−107544号公報に示されているような、ラビング処理を施した液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変化させるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
(3)上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成する透明基板側に、偏光板を配することにより、液晶表示素子が得られる。
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤などを添加して使用することもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶も使用することができる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例および比較例における電圧保持率は以下の方法により評価した。
[電圧保持率]
液晶表示素子に5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製VHR−1を使用した。電圧保持率が90%以上の場合を良、それ以外の場合を不良と判断した。
[信頼性試験]
100℃の恒温槽中に液晶表示素子を入れ、駆動波形発生装置「Function /arbitrary waveform generator」(Hewlett Packard社製)にて24hr連続駆動させた後、コントラストムラ、表示欠損の有無を確認する。
実施例1(特定ジアミン化合物の合成)
工程(i)
Figure 2008266421
工程(i):3,5−ジニトロ安息香酸クロリド23.06g(100ミリモル)および1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン34.85g(300ミリモル)を、テトラヒドロフラン400gに溶解した。次いで、攪拌氷冷を行いながら、ピリジン7.91g(100ミリモル)を徐々に滴下した。6時間反応を行った後反応液を大過剰の水中にあけ、析出物を濾別し、メチルエチルケトンより再結晶を行い、白色のジニトロ化合物を27.3g得た。
工程(ii)
Figure 2008266421
工程(ii):
以下の反応は不活性雰囲気下で行った。
4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサンカルボン酸15.69g(80ミリモル)と塩化チオニル(125ミリモル)を混合し、加熱還流させた。6時間後室温に冷却し、過剰の塩化チオニルを留去した後に脱水テトラヒドロフラン100mlを加えて溶解させた。次に工程(i)で得られたジニトロ化合物24.82g(80ミリモル)と脱水テトラヒドロフラン50mlの混合溶液を室温で加えた。氷浴状態で、更にトリエチルアミン(120ミリモル)と脱水テトラヒドロフラン溶液50mlの混合溶液を加え、この混合溶液を12時間加熱還流した。室温に冷却後、反応溶液を飽和食塩水で三回分液洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次にテトラヒドロフランを留去した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製することで白色のジニトロ化合物を31.3g得た。
工程(iii)
Figure 2008266421
工程(iii):工程(ii)で得られたジニトロ化合物30g(61.4ミリモル)をエタノール400gに溶解させて、5重量%パラジウム−炭素触媒0.30gおよびヒドラジン一水和物4.6g(92.1ミリモル)を加え、6時間還流反応した。反応液を大過剰の水中にあけ、析出物を濾別し、エタノールより再結晶を行い、上記式(X)で表される白色の特定ジアミン化合物(I)15.78gを得た。
実施例2(特定重合体IIaの合成)
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物112.09g(0.5モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン157.15g(0.5モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン90.03g(0.8325モル)、ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン24.85g(0.1モル)および特定ジアミン化合物(I)25.7g(0.06モル)、モノアミンとしてアニリン1.396g(0.015モル)をN−メチル−2−ピロリドン4500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗滌し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.81dl/gの特定重合体Iaを400g得た。得られた特定重合体Ia30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗滌、減圧を行い、対数粘度0.75dl/gの特定重合体IIa18.2gを得た。
実施例3(特定重合体IIbの合成)
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1.0モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン95.16g(0.88モル)および特定ジアミン化合物(I)51.41g(0.12モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗滌し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.78dl/gの特定重合体Ibを380g得た。得られた特定重合体Ib30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗滌、減圧を行い、対数粘度0.76dl/gの特定重合体IIb20.1gを得た。
合成例1(ポリアミック酸A−1の合成)
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物196.12g(1.0モル)、ジアミン化合物として2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル212.3g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、40℃で3時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.91dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(A−1)」とする)390gを得た。
合成例2(ポリイミドB−1の合成)
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボキシリックジアンハイドライド180.11g(1.0モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン95.16g(0.88モル)および4−(4’−トリフルオロメチルベンゾイロキシ)シクロヘキシルー3,5−ジアミノベンゾエート50.69g(0.12モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗滌し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.79dl/gのポリアミック酸を390g得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗滌、減圧を行い、対数粘度0.77dl/gのポリイミド(これを「ポリイミドB−1」とする)18.7gを得た。
合成例3(ポリアミック酸A−2、ポリイミドB−2の合成)
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1.0モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン95.16g(0.88モル)、および4−(4’−トリフルオロメチルベンゾイロキシ)シクロヘキシルー3,5−ジアミノベンゾエート50.69g(0.12モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.79dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸A−2」とする)を390g得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.77dl/gのポリイミド(これを「ポリイミドB−2」とする)18.7gを得た。
合成例4(ポリアミック酸A−3、ポリイミドB−3の合成)
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1.0モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン95.16g(0.88モル)、および4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシルー3,5−ジアミノベンゾエート52.61g(0.12モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.79dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸A−3」とする)を400g得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.72dl/gのポリイミド(これを「ポリイミドB−3」とする)15.0gを得た。
実施例4
実施例2で得られた特定重合体IIaおよび合成例1で得られたポリアミック酸A−1を、特定重合体IIa:ポリアミック酸A−1=20:80(重量比)になるように、γ−ブチロラクトン/N−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ混合溶剤(重量比72/15/13)に溶解させて、十分な攪拌後、この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過し、本発明の液晶配向剤を調製した。上記液晶配向剤を、厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に、スピンナーを用いて塗布(回転数:2,500rpm,塗布時間:1分間)し、200℃で1時間乾燥することにより乾燥膜厚0.08μmの被膜を形成した。この被膜のイミド化率を測定したところ、イミド化率は52%であった。この被膜にレーヨン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロールの回転数300rpm、ステージの移動速度3cm/秒、毛足押し込み長さ0.4mmでラビング処理を行った。上記液晶配向膜塗布基板を、イソプロピルアルコール中に1分間浸漬した後、100℃のホットプレート上で5分間乾燥した。次に、一対の透明電極/透明電極基板の上記液晶配向膜塗布基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、MLC−6221)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を張り合わせ、液晶表示素子を作製した。得られた液晶表示素子の電圧保持率を評価した。電圧保持率は99%と高い値を示し、コントラストムラ、表示欠損は見られなかった。
また、上記液晶配向剤を、厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に、スピンナーを用いて塗布(塗布時間:1分間)し、表1記載のセル作成条件1〜5のそれぞれの乾燥温度で1時間乾燥することにより表1記載の乾燥膜厚の被膜を形成した。被膜形成後、上記と同様な方法でラビング処理を行ったのち、一対の透明電極/透明電極基板の上記液晶配向膜塗布基板の外縁に、直径17μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、MLC−5081)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を張り合わせ、液晶表示素子を作製した。得られた液晶表示素子のプレチルト角を評価し、プレチルト角のプロセス条件依存性を判断した。結果を表2に示した。
実施例5および比較例1〜6
実施例4において、特定重合体IIaとポリアミック酸A−1を表2に記載のポリマーに代えた他は実施例4と同様に行った。結果を表2に示した。
Figure 2008266421
Figure 2008266421

Claims (7)

  1. 下記式(I)
    Figure 2008266421
    (式中、R、Rは、互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基またはハロゲン原子であり、X、Yは互いに独立に下記式(a)〜(d)
    Figure 2008266421
    のそれぞれで表される2価の結合基であり、Zは上記(a)〜(d)のそれぞれで表される基または酸素原子であり、そしてaは0〜4の整数である。)で表されるジアミン化合物。
  2. 下記式(VI’)および(VI’’)
    Figure 2008266421
    のそれぞれで表わされる請求項1に記載のジアミン化合物。
  3. 請求項1または2に記載のジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリアミック酸。
  4. 請求項3に記載のポリアミック酸を脱水閉環させて得られるイミド化重合体。
  5. 請求項3に記載のポリアミック酸および/または請求項4に記載のイミド化重合体を含有する液晶配向剤。
  6. ポリアミック酸および/またはイミド化重合体におけるイミド結合単位とアミック酸結合単位の合計結合単位数に対するイミド結合単位数の百分率割合が30〜100%である請求項5に記載の液晶配向剤。
  7. 請求項5または6に記載の液晶配向剤から得られた液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子。
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