JP2008266421A - 液晶配向剤、液晶表示素子およびそのための重合体と原料ジアミン - Google Patents
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Abstract
Description
また、カイラル剤の添加によって当該液晶分子の長軸が基板間で180度以上にわたって連続的に捻れる状態を達成させ、これにより生じる複屈折効果を利用したSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子も知られている。さらに最近においては、対向する基板間に負の誘電異方性を有するホメオトロピック配向状態のネマチック液晶層や螺旋軸が基板法線と平行状態にあるコレステリック液晶層を形成させ、それらの液晶層中に色素を添加したゲスト−ホスト型の反射型液晶表示素子も開発されている。これらの液晶表示素子における液晶の配向は、通常、ラビング処理が施された液晶配向膜により発現される。ここに、液晶表示素子を構成する液晶配向膜の材料としては、従来よりポリイミド、ポリアミドおよびポリエステルなどが知られている。特にポリイミドは、耐熱性、液晶との親和性、機械的強度などに優れているため多くの液晶表示素子に使用されている。
本発明の液晶表示素子は、種々の装置に有効に使用することができ、例えば、卓上計算機、腕時計、置時計、携帯電話、計数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、液晶テレビなどの表示装置として好適に用いることができる。
本発明で用いられる特定ジアミン化合物は、上記式(I)で表される化合物である。式(I)中、R1、R2は、互に独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基またはハロゲン原子であり、X、Yは互いに独立に上記式(a)〜(d)のそれぞれで表れされるエステル基またはアミド基であり、Zは上記式(a)〜(d)のそれぞれで表わされる基または酸素原子であり、aは0〜4の整数である。また、aが2〜4の整数のとき、複数のR1は同一でも異なっていてもよい。
R1、R2を表す炭素数1〜12のアルキル基としては、炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などを挙げることができる。R1、R2を表す炭素数1〜12のハロアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基を好ましいものとして挙げることができる。また、R1を表すハロゲン原子としては、例えばフッ素原子を挙げることができる。
上記式(I)で示される特定ジアミン化合物は、例えば次に示す方法によって得られる。
[Xが上記式(a)で表わされる基でありそして、Yが上記式(b)で表される基である化合物]
工程(i).下記式(II)
工程(ii).工程(i)で生成した水酸基を有する化合物(III)に、下記式(IV)
工程(iii).工程(ii)で得られたジニトロ化合物(V)を還元し、下記式(VI)
工程(i).上記式(II)で表されるジニトロ安息香酸ハライドにジアミノシクロヘキサンを反応させて、下記式(VII)
工程(ii).工程(i)で生成したアミノ基を有する化合物(VII)に、上記式(IV)で表される化合物を反応させて、下記式(VIII)
工程(iii).工程(ii)で得られたジニトロ化合物(VIII)を還元し、下記式(IX)
XおよびYがその他の組合せである特定ジアミン化合物についても同様にして製造することができる。
特定ジアミン化合物としては、下記式(X)〜(XIII)のそれぞれで表わされる化合物を好ましいものとして挙げることができる。
本発明のポリアミック酸は上記特定ジアミン化合物のテトラカルボン酸二無水物とを反応させることにより得られる。特定ジアミン化合物は単独でまたは2種以上組合せて用いることができる。
また、本発明のポリアミック酸には、特定ジアミン化合物の他に、本発明の効果を損なわない範囲で他のジアミン化合物を併用することができる。
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン) などの脂肪族および脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン、1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−デシルスクシンイミド、1−(3,5−ジアミノフェニル)−3−オクタデシルスクシンイミドおよび下記式(XIV)および(XV)のそれぞれで表される化合物などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
下記式(XVI)で表されるモノ置換フェニレンジアミン;下記式(XVII)で表されるジアミノオルガノシロキサン;
および下記式(XVIII)〜(XXII)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのうち、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、上記式(XVIII)〜(XXII)のそれぞれで表される化合物、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、上記式(XIV)で表される化合物のうち下記式(XXIII)で表される化合物、上記式(XV)で表される化合物のうち下記式(XXIV)で表される化合物および上記式(XVI)で表される化合物のうち下記式(XXV)〜(XXXIII)のそれぞれで表される化合物が好ましい。
本発明に使用されるテトラカルボン酸二無水物としては、以下に示す化合物が例示される。ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、下記式(1)および(2)で表される化合物などの脂肪族および脂環式テトラカルボン酸二無水物;
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(3)〜(6)のそれぞれで表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
本発明に用いられる特定重合体I(ポリアミック酸)は特定ジアミン化合物またはそれと他のジアミン化合物からなるジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる。特定ジアミン化合物の使用割合は、全ジアミン化合物中、0.1〜100モル%を占めるのが好ましく、5〜30モル%を占めるのがより好ましい。ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
貧溶媒
かくして得られる本発明の特定重合体Iは、下記式(11)
本発明に用いられる特定重合体II(イミド化重合体)は、上記の特定重合体Iを脱水閉環することにより合成することができる。本発明で用いるイミド化重合体は、イミド化率100%未満の、部分的に脱水閉環されたものであってもよい。ここでいう「イミド化率」とは、ポリマーの全繰り返し単位中、イミド環またはイソイミド環を有する繰り返し単位の割合つまりイミド結合単位とアミック酸結合単位の合計単位数に対するイミド結合単位数の割合を、百分率で表した値である。イミド化率が30〜100%からなるイミド化重合体からなる配向膜は、特にTFT型素子に用いられる場合、焼き付きおよび信頼性が高いという評価を得ることができる。ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行し難く、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
かくして得られる本発明の特定重合体IIは、下記式(12)
上記特定重合体Iおよび特定重合体IIは、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型のものは、ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
以上のようにして得られるポリアミック酸およびイミド基含有ポリアミック酸は、その対数粘度(ηln)の値が好ましくは0.05〜10dl/g、より好ましくは0.05〜5dl/gである。
本発明の液晶配向剤は、本発明のポリアミック酸および/またはイミド化重合体よりなる有効成分が有機溶媒中に溶解含有されて構成される。
本発明の液晶配向剤を構成する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を挙げることができる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜選択して併用することができる。
本発明の液晶配向膜を形成する液晶配向剤は、基板表面に対する接着性を向上させる観点から、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下「エポキシ基含有化合物」ともいう)を含有してもよい。
これら官能性シラン含有化合物の配合割合は、特定重合体100重量部に対して、好ましくは40重量部以下である。
本発明の液晶配向剤を用いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報や特開平6−281937号公報に示されているような、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を変化させるような処理、あるいは特開平5−107544号公報に示されているような、ラビング処理を施した液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変化させるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
液晶表示素子に5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製VHR−1を使用した。電圧保持率が90%以上の場合を良、それ以外の場合を不良と判断した。
100℃の恒温槽中に液晶表示素子を入れ、駆動波形発生装置「Function /arbitrary waveform generator」(Hewlett Packard社製)にて24hr連続駆動させた後、コントラストムラ、表示欠損の有無を確認する。
工程(i)
工程(ii)
以下の反応は不活性雰囲気下で行った。
4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサンカルボン酸15.69g(80ミリモル)と塩化チオニル(125ミリモル)を混合し、加熱還流させた。6時間後室温に冷却し、過剰の塩化チオニルを留去した後に脱水テトラヒドロフラン100mlを加えて溶解させた。次に工程(i)で得られたジニトロ化合物24.82g(80ミリモル)と脱水テトラヒドロフラン50mlの混合溶液を室温で加えた。氷浴状態で、更にトリエチルアミン(120ミリモル)と脱水テトラヒドロフラン溶液50mlの混合溶液を加え、この混合溶液を12時間加熱還流した。室温に冷却後、反応溶液を飽和食塩水で三回分液洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次にテトラヒドロフランを留去した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製することで白色のジニトロ化合物を31.3g得た。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物112.09g(0.5モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン157.15g(0.5モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン90.03g(0.8325モル)、ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン24.85g(0.1モル)および特定ジアミン化合物(I)25.7g(0.06モル)、モノアミンとしてアニリン1.396g(0.015モル)をN−メチル−2−ピロリドン4500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗滌し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.81dl/gの特定重合体Iaを400g得た。得られた特定重合体Ia30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗滌、減圧を行い、対数粘度0.75dl/gの特定重合体IIa18.2gを得た。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1.0モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン95.16g(0.88モル)および特定ジアミン化合物(I)51.41g(0.12モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗滌し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.78dl/gの特定重合体Ibを380g得た。得られた特定重合体Ib30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗滌、減圧を行い、対数粘度0.76dl/gの特定重合体IIb20.1gを得た。
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物196.12g(1.0モル)、ジアミン化合物として2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル212.3g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、40℃で3時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.91dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(A−1)」とする)390gを得た。
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボキシリックジアンハイドライド180.11g(1.0モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン95.16g(0.88モル)および4−(4’−トリフルオロメチルベンゾイロキシ)シクロヘキシルー3,5−ジアミノベンゾエート50.69g(0.12モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗滌し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.79dl/gのポリアミック酸を390g得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗滌、減圧を行い、対数粘度0.77dl/gのポリイミド(これを「ポリイミドB−1」とする)18.7gを得た。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1.0モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン95.16g(0.88モル)、および4−(4’−トリフルオロメチルベンゾイロキシ)シクロヘキシルー3,5−ジアミノベンゾエート50.69g(0.12モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.79dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸A−2」とする)を390g得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.77dl/gのポリイミド(これを「ポリイミドB−2」とする)18.7gを得た。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1.0モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン95.16g(0.88モル)、および4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシルー3,5−ジアミノベンゾエート52.61g(0.12モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.79dl/gのポリアミック酸(これを「ポリアミック酸A−3」とする)を400g得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.72dl/gのポリイミド(これを「ポリイミドB−3」とする)15.0gを得た。
実施例2で得られた特定重合体IIaおよび合成例1で得られたポリアミック酸A−1を、特定重合体IIa:ポリアミック酸A−1=20:80(重量比)になるように、γ−ブチロラクトン/N−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ混合溶剤(重量比72/15/13)に溶解させて、十分な攪拌後、この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過し、本発明の液晶配向剤を調製した。上記液晶配向剤を、厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に、スピンナーを用いて塗布(回転数:2,500rpm,塗布時間:1分間)し、200℃で1時間乾燥することにより乾燥膜厚0.08μmの被膜を形成した。この被膜のイミド化率を測定したところ、イミド化率は52%であった。この被膜にレーヨン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロールの回転数300rpm、ステージの移動速度3cm/秒、毛足押し込み長さ0.4mmでラビング処理を行った。上記液晶配向膜塗布基板を、イソプロピルアルコール中に1分間浸漬した後、100℃のホットプレート上で5分間乾燥した。次に、一対の透明電極/透明電極基板の上記液晶配向膜塗布基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、MLC−6221)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を張り合わせ、液晶表示素子を作製した。得られた液晶表示素子の電圧保持率を評価した。電圧保持率は99%と高い値を示し、コントラストムラ、表示欠損は見られなかった。
実施例4において、特定重合体IIaとポリアミック酸A−1を表2に記載のポリマーに代えた他は実施例4と同様に行った。結果を表2に示した。
Claims (7)
- 請求項1または2に記載のジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリアミック酸。
- 請求項3に記載のポリアミック酸を脱水閉環させて得られるイミド化重合体。
- 請求項3に記載のポリアミック酸および/または請求項4に記載のイミド化重合体を含有する液晶配向剤。
- ポリアミック酸および/またはイミド化重合体におけるイミド結合単位とアミック酸結合単位の合計結合単位数に対するイミド結合単位数の百分率割合が30〜100%である請求項5に記載の液晶配向剤。
- 請求項5または6に記載の液晶配向剤から得られた液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子。
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