JP2008266224A - 化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたメーク落とし効果を有し、水洗により容易に肌上から除去することができるので、さっぱりとした洗いあがり感触が得られる可溶化化粧料において、エタノールの含有量が少なくして、その臭気を緩和できると同時に、アルコール感受性の強い肌の使用者も満足できる化粧料を提供すること。
【解決手段】
(A)HLB7〜10である非イオン性界面活性剤 15〜35質量%
(B)HLB12〜14である非イオン性界面活性剤 2〜10質量%
(C)シリコーン油 2〜15質量%
(D)水溶性多価アルコール 3〜20質量%
(E)水
を含有する組成物において、前記組成物中の(F)エタノールの配合量が2質量%以下であることを特徴とする可溶化組成物からなる化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は使用性を改善した化粧料に関する。特には可溶化組成物からなるメーク落とし化粧料の使用性の改善に関する。
皮膚の汚れやメーク汚れを除去する目的で、オイル状、水中油型のエマルション状の化粧料が数多く上市されている。
近年、水、油分、界面活性剤等からなる一相領域の等方性界面活性剤連続相型メーク落とし基剤が開発されている(特許文献1、特許文献2)。
等方性界面活性剤連続相型メーク落とし基剤は、メーク落とし効果に優れるシリコーン油を5〜15質量%程度をも安定に可溶化することができるので、高いメーク落とし効果と優れた水洗性を両立した基剤である。
シリコーン油を大量に可溶化した組成物は、特にメーク落とし化粧料として使用した場合、高いメーク落とし効果を発揮することができる。同時に、水洗により容易に肌上から除去することができるので、さっぱりとした洗いあがり感触が得られる、優れた基剤でもある。
特開2000−256124号公報 特開2000−256132号公報
しかしながら、等方性界面活性剤連続相型メーク落とし基剤は、シリコーン油を可溶化するために、エタノールを5〜10質量%程度、必須成分として含有させる必要があった。そのため、使用時にエタノール由来の臭気が感じられ、この点が使用者の大きな不満となっていた。
また、アルコール感受性の強い肌の使用者に対しては、エタノールによりヒリツキを感じる場合も考えられる。
本発明者等は、上述の観点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、HLBの異なる2種類の非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用すれば、エタノールを実質的に配合しないか、あるいは、その含有量を従来の5〜10質量%程度よりも極端に少なくした場合、すなわち2質量%以下にした場合においても、可溶化組成物であってかつ等方性界面活性剤連続相型を形成し、安定でメーク落とし効果に優れたメーク落とし基剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の主な目的は、臭気や皮膚に対する作用が緩和であり、かつ高いメーク落とし効果を発揮することができるメーク落とし化粧料を提供するものである。
本発明は、
(A)HLB7〜10である非イオン性界面活性剤 15〜35質量%
(B)HLB12〜14である非イオン性界面活性剤 2〜10質量%
(C)シリコーン油 2〜15質量%
(D)水溶性多価アルコール 3〜20質量%
(E)水
を含有する組成物において、前記組成物中に配合する(F)エタノールが2質量%以下であることを特徴とする可溶化組成物からなる化粧料を提供するものである。
また、本発明は、前記(A)及び/又は(B)の非イオン性界面活性剤のアルキル基が、13以上の炭素鎖長からなることを特徴とする上記の化粧料を提供するものである。
さらに、本発明は、前記(A)及び/又は(B)の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする上記の化粧料を提供するものである。
また、本発明は、前記可溶化組成物が、等方性界面活性剤連続相であることを特徴とする上記の化粧料を提供するものである。
さらに、本発明は、前記(C)シリコーン油が、デカメチルシクロペンタシロキサンであることを特徴とする上記の化粧料を提供するものである。
また、本発明は、前記化粧料が、メーク落とし化粧料であることを特徴とする上記の化粧料を提供するものである。
(1)エタノール由来の臭気を緩和できる。
(2)安定した可溶化組成物であり、高いメーク落とし効果を発揮する。
(3)水洗により容易に肌上から除去することができるので、さっぱりとした洗いあがり感触が得られる。
(4)エタノールの含有量が少ないため、アルコール感受性の強い肌の使用者も満足できる。
以下、本発明を詳述する。
「(A)HLB7〜10である非イオン性界面活性剤」
本発明で用いる(A)成分の非イオン性界面活性剤はHLB7〜10のものである。例えば、POE(5)セチルエーテル (HLB=7)、POE(10)オレイルエーテル (HLB=10)、POE(6)ステアリルエーテル (HLB=7)、POE(5)ノニルフェニルエーテル (HLB=8)、POE(5)オクチルフェニルエーテル (HLB=9)、POE(5)ラウリルエーテル (HLB=9)、POE(5)ヘキシルデシルエーテル (POE=7)、POE(5)イソステアリルエーテル (HLB=7)、POE(10)オクチルドデシルエーテル (HLB=10)、POE(10)デシルペンタデシルエーテル (HLB=8)、POE(10)ベヘニルエーテル (HLB=9)、POE(10)デシルテトラデシルエーテル (HLB=9)、POE(10)コレステリルエーテル (HLB=9)、POE(8)ジラウレート (HLB=7)、POE(5)モノステアレート (HLB=7)、POE(6)モノイソステアレート (HLB=8)、 POE(12)ジイソステアレート (HLB=7)、POE(6)モノオレエート (HLB=8)、POE(8)グリセリルモノイソステアレート (HLB=9)、POE(20)グリセリルトリイソステアレート (HLB=7)、POE(30)グリセリルトリイソステアレート (HLB=10)、POE(12)ジオレエート (HLB=7)、POE(20)グリセリルトリオレエート (HLB=7)、POE(20)硬化ヒマシ油モノイソステアレート (HLB=7)、モノイソステアリン酸ソルビタン (HLB=9)、モノイソステアリン酸グリセリン (HLB=5)、ジイソステアリン酸デカグリセリル (HLB=10)、POE(40)テトラオレイン酸ソルビタン(HLB=7)等が挙げられる。単独でも2種以上を混合して用いても良い。
これらの中でアルキル基の炭素鎖長が13以上のものが皮膚刺激が少ない点で望ましい。さらに、POEグリセリン脂肪酸型活性剤が安定性に優れる可溶化組成物を形成しやすいため望ましい。特に好ましい(A)成分は、POE(20)グリセリルトリイソステアレート (HLB=7)、POE(30)グリセリルトリイソステアレートである。
(A)成分の配合量は、可溶化組成物からなる化粧料全量に対して、15〜35質量%である。15質量%未満の配合量では安定な可溶化組成物を得ることが難しい。また、35質量%を超えて配合した場合は、使用感が重くなり、メークとのなじみも悪くなる。
「(B)HLB=12〜14である非イオン性界面活性剤」
本発明で用いる(B)成分の非イオン性界面活性剤はHLB12〜14のものである。例えば、POE(20)オレイルエーテル (POE=14)、POE(15)イソステアリルエーテル (HLB=12)、POE(20)モノオレイン酸ソルビタン (HLB=15)、POE(20)モノイソステアリン酸グリセリル(HLB=13)、POE(7)モノヤシ脂肪酸グリセリル(HLB=13)等が挙げられる。単独でも2種以上を混合して用いても良い。
これらの中でアルキル基の炭素鎖長が13以上のものが皮膚刺激の点から望ましい。さらに、POEグリセリン脂肪酸型活性剤が安定性に優れる可溶化組成物を形成しやすいため望ましい。特に好ましい(B)成分は、POE(20)モノイソステアリン酸グリセリル(HLB=13)、POE(7)モノヤシ脂肪酸グリセリル(HLB=13)である。
(B)成分の配合量は、可溶化組成物からなる化粧料全量に対して、2〜10質量%である。この配合量を外れる場合は、安定な可溶化組成物を得ることは難しい。
「(C)シリコーン油」
本発明で用いる(C)成分のシリコーン油は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーンなどを用いる。単独でも2種以上を混合して用いても良い。
特にメーク落とし効果に優れることから、デカメチルシクロペンタシロキサンが好ましい。そして、デカメチルシクロペンタシロキサンを配合して、可溶化化粧料を製造する場合には、必ず、少なくとも5質量%以上のエタノールの配合が必要であった。
(C)成分の配合量は、可溶化組成物からなる化粧料全量に対して、2〜15質量%である。2質量%未満ではメーク落とし効果が十分でない。また、15質量%を超えると安定性な可溶化組成物を維持することが難しくなる。
「(D)水溶性多価アルコール」
本発明で用いる(D)成分の水溶性多価アルコールは、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、グルコース、マルチトール、ポリエチレングリコールなどを用いる。単独でも2種以上を混合して用いても良い。
特に好ましくは、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンである。
(D)成分の配合量は、可溶化組成物からなる化粧料全量に対して、3〜20質量%である。
5質量%未満では安定な可溶化組成物を維持することが難しい。また、20質量%を超えると、べたつきが生じて、使用上好ましくない感触を与える場合がある。
「(E)水」
(E)成分の水の配合量は10〜80質量%であることが好ましい。この範囲で適宜決定されるとき、(A)成分と(B)成分の非イオン性界面活性剤の合計量と、水との質量比率は、(非イオン性界面活性剤/水)=0.5〜4であることが望ましい。0.5未満では皮膚やメーキャップとのなじみが十分でない場合が生じる。また、4を超えて配合すると、べたつきが生じ、使用上好ましくない感触を与える場合がある。
「(F)エタノール」
本発明の可溶化組成物からなる化粧料においては、(F)エタノールの配合量が2質量%以下である。
「2質量%以下」というのは、
(1)上記(A)〜(E)成分を含有する組成物中に、エタノールを実質的に含有しないか、
(2)或いは含有されていても2質量%を超えないという意味である。
従来、非イオン性界面活性剤とシリコーン油と水溶性多価アルコールと水とを含有する組成物を、安定な可溶化組成物にするためには、少なくともエタノールを5質量%程度は配合する必要があった。
これに対して、本発明では、(F)エタノールを実質的に配合しないか、あるいは、その配合量を2質量%以下に少なくしても、安定した可溶化組成物を提供できる。この点に本発明の進歩性が存在する。
本発明は、上記の成分を常法により混合して、可溶化組成物からなる化粧料を製造できる。
可溶化組成物は等方性界面活性剤連続相であることが好ましい。化粧料が等方性界面活性剤連続相であるかどうかは、外観による判定、相平衡図の作成、電気伝導度測定、NMRによる自己拡散係数の測定、フリーズフラクチャー法を用いて調製したレプリカの電子顕微鏡観察等により決定される。外観的には等方性界面活性剤連続相は透明な低粘度1相領域であり光学的には等方性である。光学的異方性の液晶相との区別は、偏光板2枚を90度の位相差で組み合わせた間にサンプルを保持し、光の透過がないことを確認することで可能である。等方性界面活性剤連続相と他の等方性1相領域であるミセル水溶液、逆ミセル油溶液との区別にはさらに次の方法が有効である。水/油/界面活性剤(コサーファクタントを含む)で構成される3成分系の相平衡図上では等方性透明低粘度1相領域で、かつ水および油頂点のいずれからも連続する領域でない等の特長を有していることで同定可能であるが、この特長は構成される系によって異なる。電気伝導度の測定によって得られる等方性界面活性剤連続相の電導度は同じ系で得られるミセル水溶液相の約2/3の値をとることが知られている。NMRによる自己拡散係数測定はLindmanらによりJ. Colloid Interface Sci. 1981,83, 569等に詳しく記載されている方法である。フリーズフラクチャー法を用いて調製した等方性界面活性剤連続相サンプルの電子顕微鏡観察によれば、水および油の両方が連続となった像を得ることが可能である。この像によれば水あるいは油が連続のミセル水溶液相で得られる球状の会合体像との区別が容易である。
本発明の化粧料は、上記成分(A)〜(E)若しくは(F)の他に、必要に応じて、通常化粧料に配合されるその他の成分、例えば、センブリ、スギナ、イリス、シャクヤク等の植物抽出物、トラネキサム酸、アルブチン、ビタミン類、グリチルリチン酸ジカリウム、角質溶解剤などの薬剤、2−エチルヘキサン酸グリセリル等の液状油分、香料、色素、防腐剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加し、目的とする化粧料に応じて常法により製造することができる。
なお、本発明の化粧料はクレンジング化粧料が好ましい。メーキャップ化粧料を落とすために使用されるメーク落とし化粧料とすることが特に好ましい。
次に実施例により本発明をさらに具体的に詳細に説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。配合量は質量%を表わす。
最初に、評価基準について説明する。
<安定性>
サンプルをガラス製スクリュー管に封入し、0℃、25℃、50℃に一ヶ月保管し、外観上分離や白濁などの異常が見られないことを確認する。
○:各温度で異常なし。
△:各保存温度で白濁が見られるが、その後25℃に放置した場合に均一透明となる。
×:いずれかの温度水準で白濁や分離がみられ、その後25℃に放置した場合でも均一透明とならない。
<臭気>
専門パネル10名によりサンプルを肌に塗布したときの臭気を判定する。
○:10名中7名以上がアルコールの臭気を感じない
△:10名中4名以上がアルコールの臭気を感じない
×:10名中3名以下がアルコールの臭気を感じない
表1〜2の処方のメーク落とし化粧料について、エタノールの配合量の検討を行った。
<製法>
成分(A)〜(D)、油分の2−エチルヘキサン酸グリセリルを、室温に攪拌しながら混合し、さらに攪拌しながら、成分(F)及び(E)を徐々に添加する。
Figure 2008266224











Figure 2008266224
実施例9
エタノール 2質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 7質量%
1,3−ブチレングリコール 7質量%
2−エチルヘキサン酸グリセリル 5質量%
POE(8)モノイソステアリン酸グリセリル 28質量%
POE(20)モノイソステアリン酸グリセリル 4質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05質量%
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
フェノキシエタノール 0.5質量%
精製水 残余
実施例10
デカメチルシクロペンタシロキサン 7質量%
1,3−ブチレングリコール 7質量%
2−エチルヘキサン酸グリセリル 5質量%
POE(8)モノイソステアリン酸グリセリル 24質量%
POE(7)モノヤシ脂肪酸グリセリル 8質量%
トリメチルグリシン 0.1質量%
シャクヤクエキス 0.1質量%
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
フェノキシエタノール 0.5質量%
精製水 残余
上記実施例1〜8は、可溶化組成物であり、等方性界面活性剤連続相を形成している。等方性界面活性剤連続相を形成していることは、室温放置で分離が見られないことと、偏向板による等方性とにより確認をした。比較例1〜5は、室温静置で2層以上に分離する。したがって、可溶化組成物ではなく、等方性界面活性剤連続相も形成していない。
上記結果から、エタノール配合量が2質量%以下の場合には、成分(A)の非イオン性界面活性剤と、成分(B)の非イオン性界面活性剤とを、配合量の条件に従って組み合わせることにより、安定性と臭気が向上することが分かる。
また、成分(A)の非イオン性界面活性剤のみの配合では、安定な可溶化組成物を得ることは困難である(比較例3、4)。
さらに、単に、成分(B)の非イオン性界面活性剤を配合して、安定な可溶化組成物が得られるわけではないことも理解できる(比較例5)。
本発明の化粧料は、高いメーク落とし効果を有し、水洗により容易に肌上から除去することができるので、さっぱりとした洗いあがり感触が得られる。そして、可溶化組成物であってかつ等方性界面活性剤連続相であるにもかかわらず、エタノールの含有量が少ないため、エタノール由来の臭気を緩和できる。同時に、アルコール感受性の強い肌の使用者も満足できる化粧料として極めて有用である。

Claims (6)

  1. (A)HLB7〜10である非イオン性界面活性剤 15〜35質量%
    (B)HLB12〜14である非イオン性界面活性剤 2〜10質量%
    (C)シリコーン油 2〜15質量%
    (D)水溶性多価アルコール 3〜20質量%
    (E)水
    を含有する組成物において、前記組成物中の(F)エタノールの配合量が2質量%以下であることを特徴とする可溶化組成物からなる化粧料。
  2. 前記(A)及び/又は(B)の非イオン性界面活性剤のアルキル基が、13以上の炭素鎖長からなることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
  3. 前記(A)及び/又は(B)の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料。
  4. 前記可溶化組成物が、等方性界面活性剤連続相であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の化粧料。
  5. 前記(C)シリコーン油が、デカメチルシクロペンタシロキサンであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の化粧料。
  6. 前記化粧料が、メーク落とし化粧料であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の化粧料。
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