JP2008266102A - Fz法シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

Fz法シリコン単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製品の重要な特性である結晶の面内抵抗率分布が均一なFZ法シリコン単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】誘導加熱コイルで原料シリコン結晶素材を部分的に加熱溶融して溶融帯を形成し、溶融帯を移動させて単結晶を成長させるFZ法シリコン単結晶の製造方法において、原料シリコン結晶素材及び単結晶を共に回転させつつ、単結晶の回転の方向を正転と逆転とで交互に行いながら該単結晶を成長させる。このとき、正転における正回転角度と逆転における逆回転角度との比が0.1〜0.6であり、正転又は逆転における回転速度を10〜30rpmとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、FZ法(フロートゾーン法、浮遊帯域溶融法)によるシリコン単結晶の成長方法に関し、更に詳しくは、得られる単結晶の面内抵抗率分布が均一なFZ法シリコン単結晶の製造方法に関する。
FZ法によりシリコン単結晶を成長させる場合、図1に示すように、誘導加熱コイル1で原料シリコン結晶素材2を部分的に加熱溶融して溶融帯4を形成し、原料シリコン結晶素材2を回転させながら徐々に下降させて単結晶3を成長させる。
この誘導加熱コイル1としては、従来より環状の偏平誘導加熱コイルが多く用いられている。しかしながら、誘導加熱コイル1には電流を供給するために両極端子の間にスリットを設ける必要があり、このスリットの存在により不均一磁界が生じ、結果として単結晶の形状に変形が生じるなどの問題がある。この問題は、近年求められている単結晶基板の大口径化によって顕在化してきており、なかでも、特に150mm以上の大口径の基板を製造する場合に発生し易い。
上記の問題を解決するため、下記の特許文献1には、結晶の回転方向を一定移動角度ごとに反転させ、その反転位置を結晶面内全域に分布させることで、結晶形状の悪化を防ぐ方法が開示されている。
また、下記の特許文献2には、FZ法シリコン単結晶の製造において、成長中の単結晶の回転方向を交互に換えて単結晶を成長させることを特徴とする半導体単結晶の成長方法が開示されている。
特開2003−55089号公報 特開2002−249393号公報
特許文献1の方法によれば、確かに単結晶の形状変形を有効に抑制することができる。しかしながら、単結晶の他の重要な特性として、結晶の面内抵抗率分布の均一性があるが、この点については特許文献1では検討されていない。
また、特許文献2の方法においては、正転/逆転の角度の詳細については検討されていない。特許文献2の方法は、溶融帯における融液の回転(後述する「駆動率」に相当する)をできるだけ小さくして熱対流による流れを発達させることを基礎としている発明である。この場合、例えば直径125mm以下の小口径の単結晶基板の製造においては有効な方法であるが、直径150mm以上の大口径においては、結晶の面内抵抗率分布の均一性が不充分となる。
本発明者等は上記問題点について鋭意検討を重ねた結果、正転時の回転角と逆転時の回転角との比を所定の範囲に規定することにより、結晶の面内抵抗率分布を均一にすることができ、特に、直径150mm以上の大口径においても結晶の面内抵抗率分布を均一にすることができることを見出し本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 原料シリコン結晶素材を部分的に加熱溶融して溶融帯を形成し、該溶融帯から単結晶を成長させるFZ法シリコン単結晶の製造方法において、
前記原料シリコン結晶素材及び成長中の前記単結晶を共に回転させ、かつ、前記単結晶の回転の方向を正転と逆転とで交互に行いながら該単結晶を成長させ、
前記正転における一定速度域での正回転角度と、前記逆転における一定速度域での逆回転角度との比が0.1〜0.6であり、前記正転又は逆転における回転速度が10〜30rpmであるFZ法シリコン単結晶の製造方法。
(2) 前記比における分母側となる回転角度の範囲が260〜720度である(1)記載のFZ法シリコン単結晶の製造方法。
(3) 前記正転及び逆転における一定速度が実質的に等しい速度である(1)又は(2)記載のFZ法シリコン単結晶の製造方法。
本発明の本質は、溶融帯の融液の正転/逆転による撹拌効果を高めることにより、結晶の面内抵抗率分布の均一性を向上させるものである。そして、溶融帯の融液の回転に関して、後述する「駆動率」なる概念を導入することで、結晶の面内抵抗率分布の均一性との相関性を得ることができることを新たに見出したものである。具体的には、駆動率が15〜60%の場合に好ましい結晶の面内抵抗率分布が得られる。
そして、上記範囲の好ましい駆動率を得るために、正回転角度と逆回転角度との比を0.1〜0.6、かつ、回転速度を10〜30rpmとする。これにより、融液の最適な撹拌効果が得られ、結果として、面内抵抗率分布が均一になる。なお、駆動率の概念と、結晶の面内抵抗率分布の均一性との関係については、発明を実施するための最良の形態において詳細に説明する。
本発明の製造方法(1)によれば、例えば直径125mm以下の小口径の単結晶基板の製造はもちろんのこと、従来困難であった直径150mm以上の大口径においても、結晶の面内抵抗率分布を均一にすることができる。また、(2)の態様によれば、FZ法による単結晶化を行いつつ、十分な撹拌効果が得られる。また、(3)の態様によれば、製造プロセスを複雑にすることなく、撹拌効果を得ることができる。
(4) 前記回転の方向を反転する際に、一方の回転方向における一定速度から他方の回転方向における一定速度に達するまでに要する時間が0.2〜4秒の範囲である(1)から(3)いずれか記載のFZ法シリコン単結晶の製造方法。
融液の撹拌状態は、正転/逆転の一定速度時のみならず、反転する際の加減速にも影響される。この反転は単結晶化を阻害しない範囲で、できるだけ短くするのが好ましい。よって、一方の回転方向における一定速度から他方の回転方向における一定速度に達するまでに要する時間は0.2〜4秒、好ましくは0.5〜2秒とすることが好ましい。0.2秒以上であれば、融液の振動が起こり難く、単結晶化が阻害されない。また、4秒以下であれば、融液の撹拌への影響も小さいので好ましい。
(5) 前記単結晶の直径が150mm以上である(1)から(4)いずれか記載のFZ法シリコン単結晶の製造方法。
上記のように、本発明の製造方法は、特に従来の方法では困難であった大口径の単結晶の製造においても、結晶の面内抵抗率分布を均一にすることができるという特徴がある。したがって、本発明の製造方法は、直径150mm以上、より好ましくは200mm以上の単結晶の製造の場合に好ましく適用できる。
本発明のFZ法シリコン単結晶の製造方法によれば、正転時の回転角と逆転時の回転角との比を所定の範囲に規定することにより、結晶形状が安定していて、かつ、結晶の面内抵抗率分布を均一にすることができ、大口径の単結晶製造においても高品質を維持することができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
<FZ法シリコン単結晶の製造>
図1は、本発明の製造方法に好適に用いられる、FZ法シリコン単結晶の製造装置の一例を示す模式断面図である。この製造装置においては、棒状の原料シリコン結晶素材2を上軸に保持すると共に、種結晶7を原料シリコン結晶素材2の直下に位置する下軸に保持し、偏平環状の高周波式の誘導加熱コイル1により原料シリコン結晶素材2を囲み、これを溶融して種結晶7に融着させた後、原料シリコン結晶素材2を回転させ、かつ軸線方向に下降させながら棒状の単結晶3を成長させる。
そして、誘導加熱コイル1で原料シリコン結晶素材2が部分的に加熱溶融されて溶融帯4が形成され、原料シリコン結晶素材2の移動につれて溶融帯4から単結晶3が成長する。なお、図1において、5は素材把持具であり、6は素材把持のための溝加工であり、8は結晶保持具である。
誘導加熱コイル1としては、従来より環状の偏平誘導加熱コイルが多く用いられている。ここで、環状の偏平誘導加熱コイルで加熱を行うにあたっては、完全に軸対称な加熱コイルというものを使用することができれば、それによる磁界分布が軸対称になり、加熱コイルによる溶融帯の加熱が軸対称に行われることになる。しかしながら、実際の加熱コイルには電流を供給するための両極端子の間にスリットを設ける必要があるため、完全に軸対称な加熱コイルというものは実在しない。そして、スリットが存在すると、その部分で不均一磁界が生じ、単結晶の成長に悪影響を与えることとなる。実際に、不均一磁界を有したままの状態で原料多結晶棒と種結晶を回転させて単結晶を成長させると、不均一磁界から形成される局部的な温度差異により、結晶一回転の各成長サイクルごとに不純物の濃い層と薄い層とが繰り返し形成され、得られた単結晶によりデバイスを製造した場合には、この濃度差に起因したミクロな抵抗率変動が製品欠陥の原因となることが知られている。
<結晶の回転>
上記の問題を解決すべく、まず、本発明の製造方法においては、原料シリコン結晶素材2及び成長中の単結晶3を共に回転させ、かつ、単結晶3の回転の方向を正転と逆転とで交互に行いながら該単結晶3を成長させる。この際、原料シリコン結晶素材2の回転中心軸と成長中の単結晶3の回転中心軸とは実質的に同軸とされた状態が好ましいが、両者の回転中心軸を数mmから数十mm程度偏心させても単結晶3を成長させることができるため、求められる単結晶の品質仕様によって適宜調整すればよい。
図2は、正転/逆転の回転パターンを示す図である。図2において、横軸は時間、縦軸は回転速度であり、縦軸のゼロを中心としてプラス側は正転、マイナス側は逆転を意味する。そして、本発明の特徴は、正転/逆転の回転角度の比と、正転/逆転における回転速度を規定したことにある。
図2に示すように、回転パターンは正転又は逆転時の一定速度域と、加減速域とに区別できる。正転側の一定速度域における移動角度が正回転角度(α1)、逆転側の一定速度域における移動角度が逆回転角度(α2)であり、それぞれの回転時間がt1、t2である。そして、図2において、正回転角度(α1)>逆回転角度(α2)であり、正転又は逆転時の一定速度が同速度の場合には、t1>t2となっている。なお、本発明においては、この両回転角度の比(α1/α2、又は、α2/α1)が0.1〜0.6であればよく、正回転角度(α1)<逆回転角度(α2)であってもよい。
両回転角度の比が0.1〜0.6であれば適切な反転による撹拌効果が得られる。0.1未満であれば、反転動作を行わない一方向回転に近づくため、撹拌が起きにくい。一方、0.6を超えると、融液の回転が弱くなるため、撹拌効果が弱くなる。両回転角度の比(α1/α2、又は、α2/α1)は0.2〜0.4であることがより好ましい。
また、両回転角度の比における分母側となる回転角度(図2における正回転角度α1)の範囲は260〜720度であることが好ましい。260度以上であれば単結晶化が可能である。また、720度以下であれば、十分な反転回数による撹拌効果が得られる。
一定速度における回転速度であるV1、V2は、それぞれ10〜30rpmである。10rpm以上であれば反転の頻度が十分に取れるので撹拌効果が増加する。また、30rpm以下であれば、溶融帯4の振動を防止でき単結晶化が安定的に行われる。なお、V1、V2は、それぞれ異なっていてもよいが、実質的に同じ速度であることが好ましい。
図2における、t3、α3はそれぞれ加減速域における回転時間、回転角度を示している。ここで、t3は0.2〜4秒の範囲であることが好ましい。この値は、回転の方向を転じる際に、一方の回転方向における一定速度から他方の回転方向における一定速度に達するまでに要する時間であり、反転の瞬間(V=0)までの時間であれば0.1〜2秒の範囲である。
<作用>
次に、上記の条件で正転/逆転を繰り返すことによる作用について説明する。
まず、コンピュータシミュレーションにより計算した、FZ法によるシリコン単結晶製造時の融液部分の流れを図3に示す。図3は、溶融帯4における回転軸に垂直な面内における融液部分の流れである。正回転角度を400度に固定して、逆回転角度が260度の場合(図3(a))、逆回転角度が80度の場合(図3(b))の2種類のシミュレーションを行っている。図3から明らかなように、逆回転角度が小さい場合には、回転方向の流速が大きくなっている。これは、流れに対するブレーキとなる逆回転角度が小さくなることで、制動力が弱くなるためである。逆回転角度を小さくしていくほど、反転動作を行わない一方向回転の流れ方に近づく。
このときに、融液がどの程度回転しているかを数値的に表わす指標を導入する。まず、融液をn個の検査体積に分割し、それぞれの回転方向の速度をvΘiとすると、融液全体の運動エネルギーは、次式で表される。
Figure 2008266102
一方で、反転動作を行わない場合の、融液の運動エネルギーは、次式で示される。ここで、rは融液の半径方向の位置、ωは回転角速度を表わす。
Figure 2008266102
これら2つの比を融液の次式により駆動率D(%)として定義する。この駆動率Dは、一方向回転に対する回転エネルギーの割合を示すものである。
Figure 2008266102
次に、図4を用いて反転動作を行うことによる作用について説明する。図4(c)は、図1における溶融帯4の下方(単結晶3との界面付近)における融液の動きを示す模式図である(単結晶を回転軸に垂直な平面方向に沿って見た図である)。Xは回転軸である。また、図4(a)、(b)は、図4(c)の最底部付近の拡大図であって、図4(a)は一定速度域における流体を構成する流体粒子Wの動き、図4(b)は加減速域における流体粒子Wの動き、を示す図である。
融液が、ある方向に一定速度で回転している場合、図4(a)に示すように、流体粒子Wは、圧力勾配Pと、重力Gと遠心力CFの合力F、とのバランスにより、半径方向には運動せず、停止している(回転方向にのみ移動する)。
そして、この状態から、結晶が急に回転の向きを変えた場合、結晶との界面付近の流体粒子にかかっていた遠心力CFが突然失われる。このため、流体粒子Wは、結晶の中心軸方向F’へ移動することになる(図4(b))。一旦失われた遠心力は、逆方向の回転により回復するので、一度中心側に移動した流体粒子Wは、再び、外側へ移動する。上記の反転操作を行うと、この状態が繰り返されることになるので、結果として、図4(c)の矢印に示すように、溶融帯4における単結晶3との界面上には流れが生ずることになる。
このような流れは、結晶−融液界面上に偏析している不純物(ドーパント)を撹拌する強い効果を持つ。一般的に、結晶の中心部分は最も流れが発生しにくい部位であるので、撹拌されにくく、偏析効果により不純物が蓄積されやすく、抵抗のばらつきが顕著となる領域である。この部分をいかに撹拌するかが、良好な製品を得るための重要な事項となる。
図8(a)は、本発明を実施した場合の、図4(c)の融液の右半分の部分での流れ及び不純物分布をコンピュータシミュレーションしたものである。この結果からは、回転軸X側から、A領域>B領域>C領域の順で不純物の濃度が低くなる結果が得られた。この結果からも解るように、中心部分付近にやや高濃度の不純物領域が形成されているが、その他の周辺部分では、撹拌の効果により、分布がほぼ均一化されている。
また、図8(b)は、得られた界面上の不純物濃度分布を抵抗率に変換した後、これを平均値が0となるように規格化した分布を示した。図8(a)で中心部に高濃度領域があったことをうけて、対応する位置で抵抗率が低下している。この分布の標準偏差σを計算し、これを3倍したものを、抵抗率のばらつきを表わす指標RRGとして定義する。図の場合のRRGは±8%である。この結果からも、中心部付近はRRGが低下しているものの、その他の周辺部分では、反転の効果により抵抗率がほぼ均一化されており、反転の効果によって抵抗率のばらつきが減少していることが解る。この指標は、製品であるシリコン単結晶の面内抵抗率ばらつきと等価なものである。なお、ここではコンピュータシミュレーションを用いて説明したが、後述する実施例における実測結果からも同様の結果が得られている。
上記の図4、図8の考察からすると、界面を通過する融液の流れが強い方が、より強い撹拌効果を得られるものと考えられる。そこで、この流れ強さと駆動率Dの関係をコンピュータシミュレーションした結果を図5に示す。図中には、中心から外に向かう流れと、その逆、及び両者の差分をプロットした。中心から外に向かう流れ強さは、駆動率に対し徐々に減衰する傾向を示すが、外から中心に向かう流れは、駆動率40%付近をピークとして強くなっている。基本的に、融液の回転が強いほど、反転させたときに発生する流れが強くなるが、あまり高駆動率側にすると、逆回転角度が小さくなってしまい、十分に断面流れを発達する前に、回転が正回転角度側に戻ってしまう。図5は40%付近がピークとなるプロファイルになっていることから、この40%付近で最大撹拌効果が得られるものと考えられる。
図6は、図5と同じ条件で計算した、RRGと結晶中心位置の値ρminを示したものである。ρminは、図8(b)の○で示した部分の値であり、中心部での抵抗率の落ち込み度合いを示す。ここでは、正回転角度720度から260度の範囲での計算結果がプロットしてある。この結果から明らかなように、正回転角度にかかわらず、駆動率40%の付近でρminの値が小さくなり、RRG値も小さくなっている。したがって、駆動率40%付近に調整することが、製品の品質である抵抗率分布の改善に寄与していることが解る。
正回転角度と逆回転角度との組み合わせの指標を得るために、駆動率の等高線図を図7に示す。図6より、製品として実用に耐えうる範囲として好ましいRRG±10%以下の領域は、駆動率で見ると、15〜60%の間となる。よって、この領域に入るような、正回転角度と逆回転角度の比は、0.1〜0.6となる。このようにして、本発明における正回転角度と逆回転角度との比が求められる。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明する。
<実施例1>
図1に示すようなFZ法シリコン単結晶の製造装置を用い、従来公知のガスドープ法により、N型不純物(P(リン))をドープさせながら、直径155mm、直胴部長さ800mmのFZ法シリコン単結晶を成長させた。直胴部分を成長させる際、下記の条件下で反転動作を行わせた。その結果、結晶形状等、外観が非常に良好な単結晶が得られた。
結晶の回転速度:20rpm(正転/逆転共に同じ)
正回転角度α1:340度
逆回転角度α2:70度
駆動率D:46.5%
反転時に一定速度に達する時間:1秒(0rpmから20rpmまでが0.5秒)
得られた単結晶より、直胴部の上下それぞれの側から10枚ずつ、計20枚の厚さ625μmの試料を切り出し、4探針法で直径方向に1mm間隔で抵抗率を計測し、RRGとρminを算出した。その結果を表1にまとめて示す。表1から解るように、RRG=±7.9%、ρmin=−8.9%と、良好な結果が得られた。
<実施例2>
下記の条件を変更した以外は、実施例1と同様の条件でFZ法シリコン単結晶を成長させた。その結果、結晶形状等、外観が非常に良好な単結晶が得られた。また、実施例1と同様の評価方法でRRGとρminを算出した。その結果を表1にまとめて示す。表1から解るように、RRG=±6.9%、ρmin=−7.4%と、良好な結果が得られた。
正回転角度α1:340度
逆回転角度α2=120度
駆動率D:28.3%
<実施例3>
下記の条件を変更した以外は、実施例1と同様の条件でFZ法シリコン単結晶を成長させた。その結果、結晶形状等、外観が非常に良好な単結晶が得られた。この条件での駆動率Dは、ほぼ境界値付近の条件である。また、実施例1と同様の評価方法でRRGとρminを算出した。その結果を表1にまとめて示す。表1から解るように、RRG=±10.4%、ρmin=−12.7%と、製品として実用に耐えうる境界付近の値が得られた。
正回転角度α1:340度
逆回転角度α2=200度
駆動率D:16.2%
<実施例4>
下記の条件を変更した以外は、実施例1と同様の条件でFZ法シリコン単結晶を成長させた。その結果、結晶形状等、外観が非常に良好な単結晶が得られた。この条件での駆動率Dは、ほぼ境界値付近の条件である。また、実施例1と同様の評価方法でRRGとρminを算出した。その結果を表1にまとめて示す。表1から解るように、RRG=±10.5%、ρmin=−11.0%と、製品として実用に耐えうる境界付近の値が得られた。
正回転角度α1:340度
逆回転角度α2=34度
駆動率D:68.0%
<実施例5>
下記の条件を変更した以外は、実施例1と同様の条件でFZ法シリコン単結晶を成長させた。その結果、結晶形状等、外観が非常に良好な単結晶が得られた。この条件での駆動率Dは、良い撹拌効果が期待できる条件である。また、実施例1と同様の評価方法でRRGとρminを算出した。その結果を表1にまとめて示す。表1から解るように、RRG=±7.0%、ρmin=−6.8%と、非常に良好な結果が得られた。また、結晶中心での抵抗率の落ち込みが少なくなっており、撹拌効果を確認することができた。
正回転角度α1:620度
逆回転角度α2=125度
駆動率D:43.0%
<実施例6>
下記の条件を変更した以外は、実施例1と同様の条件でFZ法シリコン単結晶を成長させた。その結果、結晶形状等、外観が非常に良好な単結晶が得られた。この条件での駆動率Dは、更に良い撹拌効果が期待できる条件である。また、実施例1と同様の評価方法でRRGとρminを算出した。その結果を表1にまとめて示す。表1から解るように、RRG=±6.8%、ρmin=−6.4%と、非常に良好な結果が得られた。また、結晶中心での抵抗率の落ち込みが最も少なくなっており、撹拌効果を確認することができた。
正回転角度α1:540度
逆回転角度α2=120度
駆動率D:40.9%
<比較例1>
下記の条件を変更した以外は、実施例1と同様の条件でFZ法シリコン単結晶を成長させた。その結果、結晶形状等、外観が非常に良好な単結晶が得られた。この条件での駆動率Dは境界値外での条件である。また、実施例1と同様の評価方法でRRGとρminを算出した。その結果を表1にまとめて示す。表1から解るように、RRG=±11.0%、ρmin=−14.7%と、製品として使用できない分布となった。
正回転角度α1:480度
逆回転角度α2=340度
駆動率D:10.3%
<比較例2>
下記の条件を変更した以外は、実施例1と同様の条件でFZ法シリコン単結晶を成長させた。その結果、結晶形状等、外観が非常に良好な単結晶が得られた。この条件での駆動率Dは境界値外での条件である。また、実施例1と同様の評価方法でRRGとρminを算出した。その結果を表1にまとめて示す。表1から解るように、RRG=±13.8%、ρmin=−14.1%と、製品として使用できない分布となった。
正回転角度α1:360度
逆回転角度α2=340度
駆動率D:8.2%
Figure 2008266102
FZ法シリコン単結晶の製造装置の模式断面図である。 結晶の回転パターンを示す図である。 融液の回転の状態をコンピュータシミュレーションにより計算した結果であり、(a)正回転角度α1=400度、逆回転角度α2=260度の場合、(b)正回転角度α1=400度、逆回転角度α2=80度の場合、である。 融液内の現象を模式的に説明した図であり、(a)一定回転時の結晶−融液界面付近の圧力バランス、(b)逆転時の結晶−融液界面付近の圧力バランス、(c)圧力バランスの変化により融液内に発生する流れ、を示す模式図である。 コンピュータシミュレーションにより、融液の駆動率と、界面上に発生する流れの強さの関係を示した図である。 コンピュータシミュレーションにより、融液の駆動率と、得られる抵抗率分布の関係を示した図である。 コンピュータシミュレーションにより、正回転角度、逆回転角度の条件と駆動率の関係を示した等高線図である。 図8(a)は、図4(c)における融液の右半分の部分での流れ及び不純物分布をコンピュータシミュレーションした図であり、図8(b)は、単結晶の面内抵抗率分布をコンピュータシミュレーションした図である。
符号の説明
1 誘導加熱コイル
2 原料シリコン結晶素材
3 単結晶
4 溶融帯(溶融シリコン)
5 素材把持具
6 素材把持のための溝加工
7 種結晶
8 結晶保持具

Claims (5)

  1. 原料シリコン結晶素材を部分的に加熱溶融して溶融帯を形成し、該溶融帯から単結晶を成長させるFZ法シリコン単結晶の製造方法において、
    前記原料シリコン結晶素材及び成長中の前記単結晶を共に回転させ、かつ、前記単結晶の回転の方向を正転と逆転とで交互に行いながら該単結晶を成長させ、
    前記正転における一定速度域での正回転角度と、前記逆転における一定速度域での逆回転角度との比が0.1〜0.6であり、前記正転又は逆転における回転速度が10〜30rpmであるFZ法シリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記比における分母側となる回転角度の範囲が260〜720度である請求項1記載のFZ法シリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記正転及び逆転における一定速度が実質的に等しい速度である請求項1又は2記載のFZ法シリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記回転の方向を反転する際に、一方の回転方向における一定速度から他方の回転方向における一定速度に達するまでに要する時間が0.2〜4秒の範囲である請求項1から3いずれか記載のFZ法シリコン単結晶の製造方法。
  5. 前記単結晶の直径が150mm以上である請求項1から4いずれか記載のFZ法シリコン単結晶の製造方法。
JP2007115009A 2007-04-25 2007-04-25 Fz法シリコン単結晶の製造方法 Active JP4771989B2 (ja)

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