JP2008265565A - スタビライザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体の動きに合わせた適切なロール姿勢制御を行うこと。
【解決手段】左車輪WL側と右車輪WR側とに分割して左右の車輪WL,WR間に各々配設された第1スタビライザバー10L及び第2スタビライザバー10R,その第1スタビライザバー10Lと第2スタビライザバー10Rとの間に相対的な捩れを付与するアクチュエータ11,並びに第1スタビライザバー10Lから左車輪WL側へ及び第2スタビライザバー10Rから右車輪WR側へと働く車体Bを目標ロール角にする為の荷重と、左車輪WL側と車体Bとの間及び右車輪WR側と車体Bとの間の車高を各々検出する車高検出手段(車高センサ17L,17R)の検出値から求めた左右の車高差と、に基づいてアクチュエータ11の駆動制御値の設定を行うアクチュエータ駆動制御値設定手段(電子制御装置1)を設けること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、左右の車輪間に配設されたスタビライザバーの捩れ量をアクチュエータで調節して車体のロール運動の制御を行うスタビライザ装置に関する。
近年、能動的に車体の運動状態を制御し、これにより車輌の挙動安定性や操縦安定性、乗り心地の向上を図らんとしているサスペンション装置が知られている。例えば、その車体の運動状態としてはロール運動やピッチ運動等があり、サスペンション装置の中には、そのロール運動の制御(即ち、車体のロール姿勢制御)を司るスタビライザ装置が存在している。ここで、このスタビライザ装置とは、左右の車輪間に分割して配設されたスタビライザバーの捩れ量(換言すれば、捩れ剛性)をアクチュエータで調節し、これにより車体のロール角を挙動安定性等の目的に合わせて制御する装置のことである。
例えば、下記の特許文献1には、車体と左右の車輪の相対変位の車輪ストロークを検出し、車輪ストローク左右差及び車輪ストローク速度左右差の少なくとも一方に基づいて、スタビライザの捩れ剛性を制御する為のアクチュエータ(電動機)の外部付与力の設定を行う技術について開示されている。尚、アクチュエータとしては油圧等の液圧を利用したものもあり、下記の特許文献1には、かかるアクチュエータが配備されたスタビライザ装置について開示されている。
特開2005−238971号公報
ところで、アクチュエータとして電動機を利用している従来のスタビライザ装置においては、静的なロール姿勢(即ち、静的な状態での車体の目標ロール角)で必要とされるスタビライザバーの発生荷重に基づいて当該スタビライザバーからの目標発生トルクを求める。そして、このスタビライザ装置においては、その目標発生トルクをスタビライザバーに働かせる為に必要なアクチュエータ(電動機)の目標回転角を算出し、この目標回転角となるまでアクチュエータを駆動させている。
しかしながら、この従来のスタビライザ装置においては、例えばスラローム走行等のような操舵操作が左右に素早く切り替えされてロール時に慣性が働き易い運転状態の場合、アクチュエータによる車体のロール姿勢制御よりも先に車体がロールしてしまい、これにより実際の車体のロール角が目標ロール角よりも大きくなってしまうことがある。つまり、従来のスタビライザ装置は、静的なロール姿勢に基づいて制御されるものであるので、一定車速による定常円旋回等のような定常ロール状態(一定の旋回半径のコーナーを一定の車速で走行しているときの車体のロール状態)であれば的確に目標ロール角へのロール姿勢制御を行うことができるが、上述したロール時の慣性が働く運転状態の場合、アクチュエータの駆動量(即ち、回転角)が実情にそぐわず的確なロール姿勢制御の実行が不可能になってしまう可能性がある。従って、この従来のスタビライザ装置においては、かかる場合にロール姿勢制御が実行されると、実際のスタビライザバーからの発生トルクが目標発生トルクよりも大きくなってしまうことがある。そして、これにより、そのスタビライザバーは、過剰な発生トルクが働いた際にも破損しないように高剛性のものが必要となり、大径化を招いて車輌への搭載上の制約を満たすことができなくなる虞がある。更に、アクチュエータにおいては、出力トルクの上限値に達してこれ以上回転角を付与することができず目標ロール角から更に遠退いてしまう可能性があり、また、その上限値を超えないように大容量のものが必要になって消費電力の増加や大型化に伴う車輌への搭載性の悪化を招く可能性がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、車体の動きに合わせた適切なロール姿勢制御の実行を可能にするスタビライザ装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、左車輪側と右車輪側とに分割して左右の車輪間に各々配設された第1スタビライザバー及び第2スタビライザバー,第1スタビライザバーと第2スタビライザバーとの間に相対的な捩れを付与するアクチュエータ,並びに第1スタビライザバーから左車輪側へ及び第2スタビライザバーから右車輪側へと働く車体を目標ロール角にする為の荷重と、左車輪側と車体との間及び右車輪側と車体との間の車高を各々検出する車高検出手段の検出値から求めた左右の車高差と、に基づいてアクチュエータの駆動制御値の設定を行うアクチュエータ駆動制御値設定手段を設けている。
この請求項1記載のスタビライザ装置は、実際の左右の車高差が考慮されたアクチュエータの駆動制御値を設定してアクチュエータを駆動させるので、そのアクチュエータの駆動制御の介入前に車体がロールし始めたとしても、適切な目標ロール角となるようにスタビライザ(第1スタビライザバー及び第2スタビライザバー)の捩れ剛性を制御することができる。
本発明に係るスタビライザ装置は、実際の車体の動きに合わせてスタビライザの捩れ剛性を制御するので、実際の車体のロール角と目標ロール角との一致を図ることができ、実際の車体のロール変化に対応させた適切なロール姿勢制御が可能になる。
以下に、本発明に係るスタビライザ装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係るスタビライザ装置の実施例を図1から図3に基づいて説明する。
最初に、本実施例のスタビライザ装置の構成について図1に基づき説明する。
本実施例のスタビライザ装置とは、電子制御装置(ECU)1の指示に従いスタビライザの効き可変制御することで車体Bのロール角を目標値(以下、「目標ロール角」という。)へと制御し、これによって車輌の挙動安定性や操縦安定性、乗り心地の向上を図る為のものである。その電子制御装置1は、図示しないCPU(中央演算処理装置),所定の制御プログラム等を予め記憶しているROM(Read Only Memory),そのCPUの演算結果を一時記憶するRAM(Random Access Memory),予め用意された情報等を記憶するバックアップRAM等で構成されている。
具体的に、本実施例のスタビライザ装置は、左車輪WL側と右車輪WR側とに分割して左右の車輪WL,WR間に各々配設された中空又は中実の第1スタビライザバー10L及び第2スタビライザバー10Rと、これら第1スタビライザバー10Lと第2スタビライザバー10Rとの間に相対的な捩れを付与するアクチュエータ11と、を備えている。
その第1スタビライザバー10Lは、その一端が柱状のリンクロッド12Lを介して左車輪WLのサスペンションアーム(ここでは、ロアアーム101L)に連結され、他端がアクチュエータ11に連結されている。一方、第2スタビライザバー10Rについては、第1スタビライザバー10Lと同様に、その一端が柱状のリンクロッド12Rを介して右車輪WRのサスペンションアーム(ここでは、ロアアーム101R)に連結され、他端がアクチュエータ11に連結されている。更に、これら第1スタビライザバー10L及び第2スタビライザバー10Rは、図1に示すマウント13L,13Rによって車体Bに固定される。
また、本実施例のアクチュエータ11は、図示しない電動機と減速歯車(又は減速機)を備えたものであり、その電動機の出力軸の回転を減速歯車で減速して第1スタビライザバー10Lと第2スタビライザバー10Rに伝えるべく構成されている。例えば、このアクチュエータ11は、電動機としてブラシレスモータを採用し、そのモータハウジングの中にモータシャフト(出力軸)と繋がれた減速歯車を配備する。そして、このアクチュエータ11においては、電動機の中空のモータシャフト(出力軸)の中に第1スタビライザバー10L又は第2スタビライザバー10Rの内の何れか一方を通して減速歯車に連結し、その内の他方をモータハウジングに連結する。これが為、このアクチュエータ11は、電動機の出力軸を回転させることによって、第1スタビライザバー10Lと第2スタビライザバー10Rとの間に相対的な周方向Rの捩れを発生させる。
ここで、このアクチュエータ11の電動機は出力軸を制御要求に応じて正転又は逆転させるので、第1スタビライザバー10Lと第2スタビライザバー10Rとの間には、その出力軸の回転方向に従って図1に示す実線又は破線の内の何れか一方の周方向Rの捩れが生じている。そして、その際には、図2のモデル図に示す如く、アクチュエータ11の出力トルク(以下、「アクチュエータ出力トルク」という。)Ta、換言するならばアクチュエータ11の出力軸の回転角(以下、「アクチュエータ回転角」という。)θaに応じた捩れ量が第1スタビライザバー10Lと第2スタビライザバー10Rとの間に発生し、これに応じた荷重(以下、「スタビ発生荷重」という。)Fが第1スタビライザバー10Lと第2スタビライザバー10Rから夫々のリンクロッド12L,12Rに働く。
ここで示すアクチュエータ出力トルクTaとは、アクチュエータ11から最終的に出力される出力トルクのことをいい、本実施例のアクチュエータ11には減速歯車が配備されているので、その減速歯車を経た後の出力トルクを指す。従って、アクチュエータ11の電動機の出力トルクTmについては、減速歯車の減速比γと電動機の伝達効率ηを用いて下記の式1から導き出すことができる。
Tm=Ta/(γ×η) … (1)
これと同様に、ここで示すアクチュエータ回転角θaとは、アクチュエータ11の出力軸を成す減速歯車の出力軸の回転角のことをいう。従って、アクチュエータ11の電動機の出力軸の回転角(以下、「電動機回転角」という。)θmについては、減速歯車の減速比γと電動機の伝達効率ηを用いて下記の式2から導き出すことができる。
θm=θa/(γ×η) … (2)
また、本実施例においては第1スタビライザバー10L又は第2スタビライザバー10Rの内の何れか一方を減速歯車に連結しているので、そのアクチュエータ回転角θaは、第1スタビライザバー10Lや第2スタビライザバー10Rの軸線を中心とした図2に示す回転角θstbと一致する。その図2においては第1スタビライザバー10Lと減速歯車とを連結したものとして例示しているので、アクチュエータ11の出力軸(減速歯車の出力軸)の回転方向と第1スタビライザバー10Lの回転方向とが一致する一方、アクチュエータ11の出力軸の回転方向に対する第2スタビライザバー10Rの回転方向が逆になる。
また、上述したスタビ発生荷重Fとは、第1スタビライザバー10Lと第2スタビライザバー10Rとの間の捩れの周方向Rに対応して夫々のリンクロッド12L,12Rに作用する引張荷重又は圧縮荷重であり、リンクロッド12L,12Rの軸線方向に働く力のことを指す。このスタビライザ装置は、最終的にそのスタビ発生荷重Fの荷重方向(即ち、引張方向又は圧縮方向)及び大きさを調節することによって、車体Bのロール姿勢(即ち、ロール角)を挙動安定性等の目的に合わせた最適な状態へと制御する。
このようなことから、本実施例の電子制御装置1は、そのアクチュエータ11のアクチュエータ出力トルクTaを駆動制御し、目標のロール角を作り出す為に必要とされるスタビ発生荷重(以下、「目標スタビ発生荷重」という。)Ftgtを第1スタビライザバー10Lと第2スタビライザバー10Rから発生させる。従って、本実施例の電子制御装置1には、アクチュエータ11の駆動量(アクチュエータ出力トルクTaやアクチュエータ回転角θa)の設定を行うアクチュエータ駆動制御値設定手段と、これにより設定された駆動量でアクチュエータ11の駆動制御を行うアクチュエータ駆動制御手段と、が用意されている。
ここで、厳密に言えば、本実施例のスタビライザ装置は、アクチュエータ11の電動機の駆動制御を行うことによって車体Bを目標ロール角へと制御する。これが為、ここでは、アクチュエータ駆動制御値設定手段が最終的に目標となる電動機回転角(以下、「目標電動機回転角」という。)θmtgtの設定を行い、この目標電動機回転角θmtgtとなるようにアクチュエータ駆動制御手段が電動機を駆動制御する。
具体的に、本実施例の電子制御装置1のアクチュエータ駆動制御値設定手段は、先ず、図3のフローチャートに示す如く、車速と操舵輪の転舵角とから車体Bの推定横加速度を求めると共に、図1に示す横加速度センサ14から車体Bに実際に働いている横加速度(以下、「実横加速度」という。)の検出を行う(ステップST1,ST2)。
その車速については例えば図1に示す車速センサ15で検出し、操舵輪の転舵角については例えば図1に示す転舵角センサ16で検出する。ここで、操舵輪の転舵角と図示しない操舵装置(具体的には、ステアリングホイール)の操舵角とが一意の関係にあるときには、その転舵角センサ16の検出信号に替えて操舵装置の操舵角センサ(図示略)の検出信号を利用してもよい。つまり、このような関係にあるときには、操舵装置の操舵角を用いて車体Bの推定横加速度を求めてもよい。一方、操舵輪の転舵角と操舵装置の操舵角とが必ずしも一意の関係にない場合、即ち、車輌の状態に応じて操舵角に対する操舵輪の転舵角を可変制御させる所謂可変ギア比型の操舵装置の場合には、操舵角と横加速度との間に相関関係が成立しないことがあるので、転舵角センサ16の検出信号を利用して車体Bの推定横加速度の推定演算を行う。
また、推定横加速度については、予め実験やシミュレーションを行って車速及び操舵角との関係を求めておき、その関係からなるマップデータとして用意しておけばよい。つまり、本実施例のアクチュエータ駆動制御値設定手段には、検出した車速及び操舵角をパラメータにしてマップデータを参照させ、これによって推定横加速度を導き出させる。
続いて、このアクチュエータ駆動制御値設定手段は、その推定横加速度と実横加速度に基づいて、目標ロール角を求める際の基となるロール姿勢制御時の横加速度(以下、「ロール姿勢制御横加速度」という。)の演算を行い(ステップST3)、このロール姿勢制御横加速度に基づいて目標ロール角の演算を行う(ステップST4)。
そのロール姿勢制御横加速度は、例えば、挙動安定性等の目的に合わせて設定される値であり、推定横加速度と実横加速度をパラメータとするマップデータとして目的毎に用意しておけばよい。例えば、ここで例示しているスタビライザ装置が「ノーマル」と「スポーツ」の2つのモードを備えている場合には、同じ推定横加速度と実横加速度の関係であったとしても、「スポーツ」のモードが選択されていれば、「ノーマル」のときよりもロール姿勢変化を小さくする(即ち、車体Bのロール角を小さくする)ロール姿勢制御横加速度がマップデータから設定される。つまり、「スポーツ」のモードのときには、「ノーマル」のときよりも小さい目標ロール角が設定されることとなる。
本実施例のアクチュエータ駆動制御値設定手段は、車体Bを目標ロール角とする為の目標アンチロールモーメントと目標アクチュエータ出力トルクTatgtの演算を行う(ステップST5,ST6)。
その目標アンチロールモーメントとは、旋回時にアクチュエータ11を駆動させないときの車体Bのロールモーメントに抗して反対方向へと作用させる目標のロールモーメント(アンチロールモーメント)のことであり、アクチュエータ11を駆動させて車体Bを目標ロール角に抑える為の目標値を指す。例えば、アクチュエータ11を駆動させないときの車体Bのロールモーメントは車速や操舵輪の転舵角から推定でき、そのロールモーメントからはアクチュエータ11を駆動させないときの車体Bのロール角の推定が可能である。従って、車体Bが目標ロール角のときの車体Bのロールモーメントについても推定することができるので、目標アンチロールモーメントは、その推定された2つのロールモーメントの差から導き出すことができる。
一方、目標アクチュエータ出力トルクTatgtとは、目標アンチロールモーメントを車体Bに作用させる為に必要なアクチュエータ11の目標出力トルクのことであり、アクチュエータ11の諸元値(減速歯車による減速比γなど)や第1及び第2のスタビライザバー10L,10Rの諸元値(図2に示すスタビアーム長さL1等の形状など)に基づいて定められる値である。尚、その夫々の諸元値は本スタビライザ装置固有の値であるので、目標アクチュエータ出力トルクTatgtは、目標アンチロールモーメントをパラメータとするマップデータから求めさせればよい。
そして、本実施例のアクチュエータ駆動制御値設定手段は、その目標アクチュエータ出力トルクTatgtを下記の式3に代入して目標スタビ発生荷重Ftgtの算出を行う(ステップST7)。
tgt=Tatgt/L1 … (3)
この式3は、アクチュエータ11から出力されたアクチュエータ出力トルクTaと、その出力の際に第1スタビライザバー10L又は第2スタビライザバー10Rが発生するスタビ発生荷重Fと、その第1スタビライザバー10L又は第2スタビライザバー10Rの図2のモデル図に示すスタビアーム長さL1と、の関係式(下記の式4)から導き出されたものである。
Ta=F×L1 … (4)
ここで、従来であれば、静的な状態を前提にしているので、そのスタビ発生荷重Fに係るもう1つの関係式(下記の式5)に基づいて目標アクチュエータ回転角θatgtを導き出すことが可能である。この式5の「K1stb」は、第1スタビライザバー10Lや第2スタビライザバー10Rにおける中心軸を中心とした回転角当たりのバネ定数(N/deg)を示しており、これら第1スタビライザバー10Lや第2スタビライザバー10R固有の値である。
F=K1stb×θatgt … (5)
しかしながら、その式5を基にした従来の目標アクチュエータ回転角θatgtでアクチュエータ11の駆動制御を行った場合には、実際の車輌の旋回時の時々刻々と変化する横加速度(換言すれば、アクチュエータ11による制御を介入させないときのロール角)に対応しきれないことが考えられ、また、前述したようなスラローム走行等の如きロール時の慣性が働く運転状態のときには実際の車体Bのロール角を目標ロール角に一致させることができない可能性がある。つまり、従来においては、実際の車体Bのロール角について考慮されていないので、実際の車体Bの動きに合わせた適切なロール姿勢制御が実行されない状況が生じ得る。
そこで、本実施例のスタビライザ装置においては、実際の車体Bのロール角を考慮に入れた目標アクチュエータ回転角θatgtが設定されるように構成する。具体的には、その実際の車体Bのロール角について間接的に表している左右の車高差ΔHを利用し、下記の式6を用いて目標アクチュエータ回転角θatgtを求めさせる。
θatgt={Ftgt−(ΔH×Rstb)×K2stb}/K1stb … (6)
この式6は、アクチュエータ回転角θa、左右の車高差ΔHの状態で発生しているスタビ発生荷重Fを推定演算する際の下記の式7から導き出されたものである。ここでは、上記の如く算出された目標スタビ発生荷重Ftgtとその左右の車高差ΔHに応じた目標アクチュエータ回転角θatgtを求める為のものとして式7の変形を行う。
F=K1stb×θa+(ΔH×Rstb)×K2stb … (7)
ここで示している左右の車高差ΔHとは、制御対象たるアクチュエータ11が配備されている側の車輪軸(つまり、前軸又は後軸)においての車高差のことであり、厳密には車輌の重心位置やホイールベース、重量配分等の影響を受けるので前軸側と後軸側とで異なる値を示す。本実施例においては、車輪WL,WR毎(つまり、全輪)に図1に示す車高センサ(車高検出手段)17L,17Rを1つずつ配設し、その検出結果からアクチュエータ駆動制御値設定手段が制御対象の車輪軸における左右の車高差ΔHを求める(ステップST8)。
ここで、その車高センサ17L,17Rは、車輪WL,WRと車体Bとの間の相対的な高さの変化を検出できるものである。左車輪WL側の車高センサ17Lについては、例えば左車輪WLのサスペンションアーム(ここでは、ロアアーム101L)と車体Bとの間に取り付けて車輌左側の車高HLを検出する。他方、右車輪WR側の車高センサ17Rについては、例えば右車輪WRのサスペンションアーム(ここでは、ロアアーム101R)と車体Bとの間に取り付けて車輌右側の車高HRを検出する。
本実施例のアクチュエータ駆動制御値設定手段は、その左右夫々の車高HL,HRの情報に基づいて下記の式8から左右の車高差ΔHの演算を行う。尚、ロール発生時には、一方の車高が高くなり、他方の車高が低くなる。これが為、左右夫々の車高センサ17L,17Rの取り付け方や検出信号の取り方にもよるが、その左右夫々の車高センサ17L,17Rが必ずしも正負同一の値で検出されるとは限らない。従って、本実施例においては、左右夫々の車高センサ17L,17Rから検出された車高HL,HRの絶対値を取って左右の車高差ΔHを求めさせる。
ΔH=|HL|+|HR| … (8)
そして、本実施例のアクチュエータ駆動制御値設定手段は、その左右の車高差ΔH等を上述した式6に代入してアクチュエータ11に対する目標アクチュエータ回転角θatgtを求める(ステップST9)。
その式6において、「Ftgt」には上記ステップST7で求めた目標スタビ発生荷重Ftgtを入力し、「K1stb」には上述した第1スタビライザバー10Lや第2スタビライザバー10Rにおける中心軸を中心とする回転角当たりのバネ定数を入力する。
一方、その式6の「K2stb」は、第1スタビライザバー10Lや第2スタビライザバー10Rにおける単位長さ当たりのバネ定数(N/mm)を示しており、これら第1スタビライザバー10Lや第2スタビライザバー10R固有の値である。
また、その式6の「Rstb」は、第1スタビライザバー10Lや第2スタビライザバー10Rのスタビアーム比を表しており、これら第1スタビライザバー10Lや第2スタビライザバー10R固有の値である。このスタビアーム比Rstbとは、図2に示すスタビアーム長さL1に対するリンクロッド12L(12R)の長さL2の比のことをいう。尚、ここではリンクロッド12L(12R)の長さL2としているが、厳密には、リンクロッド12L(12R)における第1スタビライザバー10L(第2スタビライザバー10R)の取付点とロアアーム101L(101R)への取付点との距離のことである。
本実施例のアクチュエータ駆動制御値設定手段は、上記ステップST9で求めた目標アクチュエータ回転角θatgtを上述した式2の「θa」に代入して目標電動機回転角θmtgtの算出を行う(ステップST10)。尚、その際、式2の「θm」については、「θmtgt」と置き換えている。
そして、本実施例の電子制御装置1は、その目標電動機回転角θmtgtとなるようにアクチュエータ11の電動機をアクチュエータ駆動制御手段に駆動制御させ(ステップST11)、再び上記ステップST1から繰り返す。つまり、この電子制御装置1は、実際の左右の車高差ΔHを観ながらフィードバック制御を行い、これにより得られた適切な目標電動機回転角θmtgtとなるようにアクチュエータ11を駆動させて車体Bのロール姿勢制御を実行する。尚、この演算処理動作や制御動作は、制御対象となる車輪軸毎に実行する。
このように、本実施例のスタビライザ装置は、実際の左右の車高差ΔH(つまり、実際の車体Bのロール角)を考慮に入れてアクチュエータ11の駆動制御値(目標アクチュエータ回転角θatgt、目標電動機回転角θmtgt)を求めている。これが為、このスタビライザ装置は、その駆動制御値が実際の車体Bの動きに合わせたものに設定されるので、その車体Bの実際のロール変化に対応させた適切なロール姿勢制御を実行することができる。つまり、このスタビライザ装置は、時々刻々と横加速度が変化していっても、挙動安定性等の目的に合わせた最適なロール角に車体Bを抑え込むことができる。また、このスタビライザ装置は、スラローム走行等のようなロール時の慣性が働く運転状態であっても、本装置による制御が開始されるよりも先に動き始めた車体Bのロール状態を考慮に入れて、実際の車体Bのロール角と目標ロール角とが一致するようにロール姿勢制御を行うことができる。
従って、この本実施例のスタビライザ装置によれば、第1スタビライザバー10Lや第2スタビライザバー10Rに対するアクチュエータ11からの過度のトルクの入力を防ぐことができるので、その第1スタビライザバー10Lや第2スタビライザバー10Rの曲がりや折れ等の破損を回避することができる。これが為、本実施例においては、第1スタビライザバー10Lや第2スタビライザバー10Rの剛性を高めなくともよくなるので、これらの重量増加や大型化を抑え、バネ下重量の増加に伴う車輌の走行性能の悪化や車輌への搭載性の悪化を防ぐことができる。また、このスタビライザ装置によれば、アクチュエータ11の出力トルクの上限値を低く留めることもできるので、そのアクチュエータ11の大容量化や大型化を抑えて、消費電力の増加や車輌への搭載性の悪化を防ぐことも可能になる。
更に、例えば左右の車輪WL,WR毎に異なる凹凸の路面を直進走行し、これによる路面から上下方向の入力が車輪WL,WRを介してあったときでも、このスタビライザ装置は、その入力に伴い素早く生じる左右の車高差ΔH(凹凸を乗り越えたときには、実際に車体Bがロールしていなくても左右の車高差ΔHとして検知することができる。)を考慮したアクチュエータ11の駆動制御を行うことができる。これが為、このスタビライザ装置は、その路面からの入力があった場合においても、そのアクチュエータ11の不作動や駆動制御値のずれによる乗り心地の悪化を適切に回避することができる。
また更に、本実施例のスタビライザ装置においては左右の車高差ΔHを検知する為に車高センサ17L,17Rを利用しているが、その車高センサ17L,17Rは、エアサスペンションや近年普及しているディスチャージドヘッドランプが適用された車輌に既に搭載されているので、かかる車輌において全輪に配備されているのであれば追加の必要がなく、また、全輪に配備されていなくても少量の追加で済む。従って、このスタビライザ装置においては、左右の車高HL,HRを検出する為の費用の増加を抑えることができる。
以上のように、本発明にかかるスタビライザ装置は、車体のロール姿勢制御の精度向上を図る技術として有用である。
本発明に係るスタビライザ装置の構成の一例について示す図である。 本発明に係るスタビライザ装置におけるアクチュエータの出力トルクとスタビ発生荷重との関係について示すモデル図である。 本発明に係るスタビライザ装置の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 電子制御装置
10L 第1スタビライザバー
10R 第2スタビライザバー
11 アクチュエータ
12L リンクロッド
12R リンクロッド
14 横加速度センサ
15 車速センサ
16 転舵角センサ
17L,17R 車高センサ
101L ロアアーム
101R ロアアーム
B 車体
WL 左車輪
WR 右車輪

Claims (1)

  1. 左車輪側と右車輪側とに分割して左右の車輪間に各々配設された第1スタビライザバー及び第2スタビライザバー,前記第1スタビライザバーと前記第2スタビライザバーとの間に相対的な捩れを付与するアクチュエータ,並びに前記第1スタビライザバーから前記左車輪側へ及び前記第2スタビライザバーから前記右車輪側へと働く車体を目標ロール角にする為の荷重と、前記左車輪側と前記車体との間及び前記右車輪側と前記車体との間の車高を各々検出する車高検出手段の検出値から求めた左右の車高差と、に基づいて前記アクチュエータの駆動制御値の設定を行うアクチュエータ駆動制御値設定手段を設けたことを特徴とするスタビライザ装置。
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