JP2008265089A - 光記録媒体および可視情報記録方法 - Google Patents

光記録媒体および可視情報記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】記録された画像の堅牢性に優れた光記録媒体を提供する。
【解決手段】基板上に可視情報記録層を有する光記録媒体であって、該可視情報記録層は、求核反応によって、最大吸収波長が変化した色素を生成することのできる色素前駆体の少なくとも1種を含有する光記録媒体。
【選択図】なし

Description

本発明は、光記録媒体に関し、特に、音楽データ等を記録するための記録層及び記録されたデータを識別するための可視情報を記録するための可視情報記録層を有する光記録媒体に関する。更に、本発明は、前記光記録媒体への可視情報記録方法に関する。
従来より、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクとしては、追記型CD(所謂CD−R)、追記型デジタル・ヴァサタイル・ディスク(所謂DVD−R)がある。
ところで、前記光ディスクには、音楽データ等が記録される記録面とは反対側の面に、記録面に記録した音楽データの楽曲タイトルや、記録したデータを識別するためのタイトル等の可視情報を印刷したラベルを貼付したものが知られている。このような光ディスクは、プリンター等によって円形のラベルシート上にタイトル等を予め印刷し、当該ラベルシートを光ディスクの記録面とは反対側の面に貼付することにより作製される。
しかし、上述のようにタイトル等の所望の可視画像をレーベル面に記録した光ディスクを作製する場合には、光ディスクドライブとは別にプリンターが必要となる。従って、光ディスクドライブを用いて、ある光ディスクの記録面に記録を行った後、該光ディスクを光ディスクドライブから取り出して、別途用意したプリンターによって印刷されたラベルシートを貼付するなどといった煩雑な作業を行う必要がある。
一方、特許文献1、2および3には、情報(デジタル情報)記録面と反対の面に設けたレーベル面にレーザー光によって画像を形成することが開示されている。このような方法を用いることで、プリンター等を別途用意することなく、光ディスクドライブによって光ディスクのレーベル面に所望の画像記録を行うことができる。特に、特許文献2に記載の方法のように情報(デジタル情報)の記録または再生に用いるレーザー光源と、画像記録に用いるレーザー光源とを共有することができれば、記録装置のハードウエア資源を削減することもできる。
しかし、特許文献1に記載の方法で使用される炭酸ガスレーザー等の高パワーのガスレーザーによって形成された可視画像はコントラストが低く視認性に劣っていた。
一方、特許文献2に記載の画像記録方法では、レーベル面に対して通常のデジタルデータ記録とは異なる軌跡でレーザー光が照射されるため、従来光ディスクの情報(デジタル情報)記録面に使用されていた色素では高コントラストの可視画像を形成することは困難であった。
また、画像表示面に用いられる色素は、保存時および曝光によって褪色しやすく、経時で徐々に画像のコントラストが低下して視認性が長期間保持することができないという課題もあった。
また、特許文献3記載の方法では、レーベル面上のロイコ色素を発色させ画像を記録する方法が取られている。しかし、この方法では、描画後のコントラストは良くはなっているものの描画前の安定性が悪く、また描画後の堅牢性が低く、コントラストを維持することが難しいものであった。
特開平11−66617号公報 特開2002−203321号公報 特表2006−527097号公報
前記のような状況下、本発明の目的は、コントラストが高く視認性に優れた可視情報を記録することができる光記録媒体、特に、情報記録層への情報の記録に使用するレーザー光と同じレーザー光により、コントラストが高く視認性に優れた可視情報を記録することができる光記録媒体であって、記録された画像の堅牢性に優れた光記録媒体および可視情報記録方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、色素を無色化あるいは波長シフトさせておき、光記録媒体の可視情報記録層において、レーザー光処理により所望の色に発色させ、画像を形成することにより、コントラストが高く視認性に優れ、堅牢性に優れた可視情報を形成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[1]
基板上に可視情報記録層を有する光記録媒体であって、該可視情報記録層は、求核反応によって、最大吸収波長が変化した色素を生成することのできる色素前駆体の少なくとも1種を含有することを特徴とする光記録媒体。
[2]
前記色素前駆体が一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする[1]に記載の光記録媒体。
一般式(1)
PD−AP
一般式(1)中、PDはAPとの結合が切断されることにより吸収変化を伴う色素を生成することのできる成分を含む基を表し、APは求核剤と反応して離脱する基を表す。
[3]
前記可視情報記録層に下記一般式(2)で表される化合物を更に含有することを特徴とする[1] 、[2]のいずれかに記載の光記録媒体。
Figure 2008265089
一般式(2)中、R31およびR32は水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、または置換アミノ基を表し、R33は熱的に離脱する基を表す。R31とR32は互いに結合し、5〜7員の含窒素へテロ環を形成しても良い。
[4]
前記可視情報記録層に400〜850nm(400nm以上850nm以下、以降数値範囲の「〜」は同様に使用する)に吸収を持つ化合物を更に含有することを特徴とする[1]〜 [3]のいずれかに記載の光学記録媒体。
[5]
前記一般式(2)で表される化合物の熱分解開始温度が100〜300℃であることを特徴とする[1]〜 [4]のいずれかに記載の光記録媒体。
[6]
レーザー光を照射して情報の記録および/または再生が可能な記録層(前記可視情報記録層とは別の層として)を更に有することを特徴とする[1]〜 [5] のいずれかに記載の光記録媒体。
[7]
第一基板、前記記録層、反射層、前記可視情報記録層、および第二基板をこの順に有することを特徴とする[6]に記載の光記録媒体。
[8]
前記光記録媒体がディスク状であることを特徴とする [1]〜 [7]のいずれかに記載の光記録媒体。
[9]
[6]〜 [8]のいずれかに記載の光記録媒体の前記可視情報記録層への可視情報記録方法であって、前記可視情報を、前記記録層への情報の記録に用いるレーザー光と同じレーザー光を用いて記録することを特徴とする可視情報記録方法。
本発明によれば、コントラストが高く視認性に優れた可視情報を記録可能な光記録媒体を提供することができる。また、前記色素の組み合わせを含む可視情報記録層は経時安定性に優れるため、保存性に優れた光記録媒体を提供することができる。更に、前記発色色素は、通常のデジタルデータ記録とは異なる新たな記録方式によって画像を形成するシステムに好適であり、前記システムにおいて、コントラストが高く鮮明で、かつ耐光性に優れた可視情報を形成することができる。
[光記録媒体]
本発明の光記録媒体は、基板上に可視情報記録層を有する光記録媒体であって、前記可視情報記録層に、求核反応によって、最大吸収波長が変化した色素を生成することのできる色素前駆体の少なくとも1種を含有する。
更に具体的には、前記可視情報記録層に下記一般式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する。
以下に、詳細を順次説明する。
一般式(1)で表される色素前駆体について説明する。
一般式(1)
PD−AP
一般式(1)中、PDはAPとの結合が切断されることにより吸収変化を伴う色素を生成することのできる成分を含む基を表し、APは求核剤と反応して離脱する基を表す。一般式(1)で表される色素前駆体からAPが求核反応を受け、離脱すると解離性の色素を生成する。この解離性色素の好ましくは解離性ベンジリデン色素、解離性オキソノール色素、解離性アゾメチン色素、解離性アゾ色素等であり、より好ましくは解離性アゾメチン色素、解離性オキソノール色素、解離性アゾ色素である。
一般式(1)においてより好ましくは、下記一般式(1−1)、(1−2)、または(1−3)である。
Figure 2008265089
一般式(1−1)、(1−2)、(1−3)中、APは一般式(1)で定義したものと同義である。
一般式(1−1)中、Za21およびZa22は、各々独立に、該C-C=X、C=C−X-APと共に酸性核を形成する原子群を表し、Ma21、Ma22およびMa23は、各々独立に、置換または無置換のメチン基を表し、Ka21は、0〜2の範囲の整数を表し、Ka21が2であるとき、複数存在するMa21、Ma22は、それぞれ同じでも異なっていても良い。APは一般式(1)で定義したものと同義である。一般式(1−1)は、該化合物骨格の互変異性構造である色素共役系のもう一端のXにAPが置換している構造も含む。
一般式(1−2)中、Arは2価のアリール基を表し、Aは置換脂肪族基、炭素環基、またはヘテロ環基を表す。APは一般式(1)で定義したものと同義である。一般式(1−2)は、該化合物骨格の互変異性構造である色素共役系のもう一端のAにAPが置換している構造も含む。
一般式(1−3)中、Arは2価の置換脂肪族基、2価の炭素環基、2価のヘテロ環基を表し、Arはアリール基、ヘテロ環基を表す。Xは単なる結合手または酸素原子を表す。APは一般式(1)で定義したものと同義である。
一般式(1−3)は、該化合物骨格の互変異性構造である色素共役系のもう一端のAr5あるいは該アゾ基にAPが置換している構造も含む。
本明細書中で述べる置換基(これらの置換基を以降、「置換基(SUB)」と表示する)とは、置換可能な基であればなんでも良く、例えば、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基等である。
一般式(1−1)について説明する。
Za21およびZa22は、各々独立に、該C-C=X、C=C−X-APと共に酸性核を形成する原子群を表し、Ma21、Ma22およびMa23は、各々独立に、置換または無置換のメチン基を表し、Ka21は、0〜2の範囲の整数を表し、Ka21が2であるとき、複数存在するMa21、Ma22は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。X、またはXは各々独立に、O、S、またはNRを表す。Rは水素原子またはアルキル等の置換基を表す。共Oが好ましい。
Za21およびZa22は、各々独立に、酸性核を形成する原子群を表す。その例としては、James編、The Theory of the Photographic Process、第4版、マクミラン社、1977年、第198頁に記載されているものを挙げることができる。具体的には、各々、置換されてもいてもよいピラゾール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2または4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン-4-オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、イソローダニン、ローダニン、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、3,3−ジオキソ[1,3]オキサチオラン−5−オン、インドリン−2−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリウム、5,7−ジオキソ−6,7-ジヒドロチアゾロ〔3,2−a〕ピリミジン、3,4−ジヒドロイソキノリン-4-オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(例えば、メルドラム酸など)、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クマリン−2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ〔1,5-b〕キナゾロン、ピラゾロピリドン、5または6員の炭素環(例えば、ヘキサン−1,3−ジオン、ペンタン−1,3−ジオン、インダン−1,3−ジオン)などの核が挙げられ、好ましくは、ピラゾール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、または3,3−ジオキソ[1,3]オキサチオラン−5−オンを挙げることができる。
Za21とC-C=Xが形成する酸性核は、好ましくは、下記一般式(A−1)〜(A−12)のいずれかで表される酸性核が好ましい。
Figure 2008265089
上記一般式中、*印は、上記酸性核がMa21と連結する位置を表し、酸性核の置換基Ra11、Ra12、Rb11、Rb12、Rc1、Rc2、Rd1、Rd2、Re1、Re2、Rf1、Rg1、Rh1、Rj1、Rj2、R、Rk1、Rk2、Rk3、Rk4、Rm1、Rm2、Rm3およびRm4、Rn1およびRn2は、各々独立に、水素原子または置換基である。
また、Za22と該C=C−X-APが共に形成する酸性核は、好ましくは、上記一般式(A−1)〜(A−12)で表される酸性核の互変異性体である下記一般式(B−1)〜(B−12)のいずれかで表される酸性核が好ましい。
Figure 2008265089
上記一般式中、*印は、上記酸性核がMa23と連結する位置を表し、酸性核の各置換基の定義および詳細は前述と同様である。また、Za21が形成する酸性核とZa22が形成する酸性核の主骨格が同一であるとき、複数存在する酸性核置換基はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
酸性核に置換する置換基は、置換可能な基であれば良く、前述の置換基(SUB)の説明で述べた基が挙げられるが、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、またはヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、またはシリル基である。その中でも、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、または炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基が好ましい。
なお、後述の脂肪族基は上記の置換もしくは無置換の、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基を含むものとする。
酸性核は、無置換または、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基で置換されたもの、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基で置換されたものが好ましい。
本発明の効果の点で、酸性核の好ましくは、(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−5)、(A−6)、(A−10)、(A−11)であって、より好ましくは(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−5)、(A−6)である。また同様にそれらの構造異性体も好ましい。
Ma21、Ma22およびMa23は、各々独立に、置換または無置換のメチン基を表す。置換基として好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、アルキルチオ基などが挙げられる。また、他のメチン基と結合して環構造を形成してもよく、Za21またはZa22で表される原子団と結合して環構造を形成してもよい。
Ma21、Ma22およびMa23は、各々独立に、好ましくは無置換あるいはメチル基、エチル基もしくはフェニル基で置換されたメチン基である。最も好ましくは、無置換のメチン基である。
Ka21は、0〜2の範囲の整数を表す。Ka21が2を表すとき、複数存在するMa21、Ma22は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。Za22が形成する酸性核は、Za21が形成する酸性核の互変異性体であっても、該互変異性体とは異なる酸性核であってもよい。Ka21は、1または2であることが好ましい。また、一般式(1-1)で表される色素前駆体は2量体以上の多量体を形成していても良い。
APで表される求核剤と反応して離脱する基とは、アミン等によって反応し離脱する基のことであり、解離性色素の酸素アニオン、窒素アニオン等に結合する保護基を言う。例えばアシル基、スルホニル基、ホスホリル基等である。
一般式(1−1)のAP中、好ましくは、アシル基、スルホニル基、ホスホリル基であって、より好ましくはアシル基、スルホニル基であって、最も好ましくはスルホニル基である。ここでアシル基の好ましくは、無置換であっても置換基を有していても良く、飽和であっても不飽和であっても良く、総炭素数2〜20のアシル基であって、より好ましくは総炭素数2〜15であって、最も好ましくは2〜12であって、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4-メチルベンゾイル基である。スルホニル基の好ましくは、無置換であっても置換基を有していても良く、飽和であっても不飽和であっても良く、総炭素数1〜20のスルホニル基であって、より好ましくは総炭素数1〜15であって、最も好ましくは1〜12であって、例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基である。ホスホリル基としては、無置換であっても置換基を有していても良く、飽和であっても不飽和であっても良く、総炭素数2〜20のアシル基であって、より好ましく総炭素数2〜15であって、例えばジメトキシホスホリル基、ジフェノキシホスホリル基である。
APで表される置換基は、後述するが、求核剤の反応によって外れて色相が変わる。水分等の反応によっても外れ、色相が変わる可能性がある。保存安定性の観点から、色素骨格とAPの置換基の最適な組み合わせが要求される。
一方、色素骨格は所望の色相のものが必要とされる。その意味からしても、APで表されるの置換基は、これら好ましい範囲のものに強く限定されるもので
はない。
一般式(1−1)で表される化合物は、その生成する色素の堅牢性向上のために、オニウムイオン化合物を併用することが好ましく、更に好ましくは4級アンモニウムイオンである。4級アンモニウムイオンの中でも特に好ましくは、特開2000−52658号公報の一般式(I−4)で表される4,4’−ビピリジニウム陽イオンおよび特開2002−59652号公報に開示されている4,4’−ビピリジニウム陽イオンである。
次に一般式(1−2)について説明する。
一般式(1−2)中、Arは2価のアリール基を表し、Aは置換脂肪族基、炭素環基、ヘテロ環基を表す。一般式(1−2)は化合物骨格の互変異性構造である色素共役系のもう一端のAにAPが置換した構造であっても良い。
Arで表される基としては、無置換であっても置換されていてもよく、縮環していても良い2価のアリール基である。置換基としては、置換可能なものであれば良く、前述の置換基(SUB)の説明の項で挙げた置換基を挙げることができる。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、カルバモイル基、アシルアミノ基等が挙げられる。Ar2として好ましくは総炭素数6〜18の1、4−フェニレン基であって、該一般式の酸素原子置換位を1位とすれば、例えば2、6−ジクロル−1、4−フェニレン基、2−クロル−1、4−フェニレン基、2−アセチルアミノ−6−クロル−1、4−フェニレン基等が挙げられる。
Aで表される好ましい基としては、下記式(A−1)〜(A−10)で表される基を挙げることができる。置換基としては、前述の置換基(SUB)の説明で述べた各種置換基を挙げることができる。
Figure 2008265089
上記一般式中の*印は、該一般式(2-2)中の窒素原子と結合する位置を表す。
上記において、R218は、酸素原子、=N−R’(R’は、水素原子、脂肪族基、アシル基またはスルホニル基)を表す。R200〜R217、R219〜R221は、各々独立に、水素原子または置換基である。R200とR201、R204とR205、R207とR208は、互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、5〜7員環が好ましい。
前記置換基は、置換可能な基であればよく、更に置換基を有していてもよく、前述の置換基(SUB)の説明で述べた置換基を挙げることができる。置換基は一般式(1−2)の化合物が2量体、3量体等の多量体を形成する場合は、2価以上であっても良い。好ましい置換基としては、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ヒドロキシ基、またはシアノ基を挙げることができる。
前記Qは、Qと隣接する2つの窒素原子とともに環を形成するに必要な非金属原子群を表し、前記Qは、Qと隣接する2つの窒素原子とともに環を形成するに必要な非金属原子群を表し、前記Qは、Qと隣接する2つの窒素原子とともに環を形成するに必要な非金属原子群を表し、Qは、Qと隣接する2つの炭素原子とともに環を形成するに必要な非金属原子群を表す。形成される環は、5〜7員環であることが好ましい。
以下に、式(A−1)〜(A−10)で表される基の詳細を順次説明する。
(A−1)
式(A−1)中、R200は、好ましくは、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ヒドロキシ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくは 脂肪族基、アシルアミノ基、またはカルバモイルアミノ基である。
201は、好ましくは、水素原子、脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アシルアミノ基、またはカルバモイルアミノ基である。
200とR201が結合して形成する環は、5〜7員環であることが好ましく、5もしくは6員の単環のヘテロ環、またはベンゼン環であることが更に好ましい。
202は、好ましくは水素原子、脂肪族基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくはアシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイル基である。
203は、好ましくは水素原子、脂肪族基、アシルアミノ基、またはハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子である。
(A−2)
式(A−2)中、R204は、好ましくは水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ヒドロキシ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくは、脂肪族基、アシルアミノ基、またはカルバモイルアミノ基である。
205は、好ましくは水素原子、脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、水素原子、脂肪族基、ハロゲン原子、またはアシルアミノ基である。
204とR205が結合して形成する環は、5〜7員環であることが好ましく、5もしくは6員の単環のヘテロ環、またはベンゼン環であることが更に好ましい。
206は、好ましくは水素原子、脂肪族基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくはアシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基である。
(A−3)
式(A−3)中、R207は、好ましくは水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ヒドロキシ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、水素原子、脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくは水素原子、脂肪族基、アシルアミノ基、またはカルバモイルアミノ基である。
208は、好ましくは脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、脂肪族基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、ハロゲン原子、または脂肪族オキシカルボニル基である。
207とR208が結合して形成する環は、5〜7員環であることが好ましく、5もしくは6員の単環のヘテロ環、またはベンゼン環であることが更に好ましい。
209は、好ましくは水素原子、脂肪族基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは 水素原子、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、またはカルバモイルアミノ基であり、最も好ましくは水素原子、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、またはカルバモイルアミノ基である。
(A−4)
式(A−4)中、R210は、好ましくは、水素原子、脂肪族基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくはヘテロ環基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、またはカルバモイルアミノ基である。
211は、好ましくは、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ヒドロキシ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくは、アシルアミノ基、またはカルバモイルアミノ基である。
(A−5)
式(A−5)中、R212は、好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、またはヘテロ環アミノ基であり、更に好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族アミノ基、またはアリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基である。
213は、好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基であり、更に好ましくは、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基である。
(A−6)
式(A−6)中、R214は、好ましくは、脂肪族基、アリール基、またはアシル基であり、更に好ましくは脂肪族基である。
215は、好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、またはシアノ基であり、更に好ましくは、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、またはシアノ基である。
と隣接する2つの窒素原子によって形成される環は、5〜7員環であることが好ましく、5または6員環であることが好ましい。その具体例としては、例えば1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド環が挙げられる。
(A−7)
式(A−7)中、R216は、好ましくは脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ヒドロキシ基、またはシアノ基であり、更に好ましくは脂肪族基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルバモイルアミノ基、またはシアノ基であり、最も好ましくは アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアミノ基、カルバモイルアミノ基、またはシアノ基である。
217は、好ましくは 脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、またはカルバモイル基であり、更に好ましくは脂肪族基、アリール基、またはヘテロ環基であり、最も好ましくはアリール基である。
218は、好ましくは、酸素原子、=N−R’(R’は、水素原子、脂肪族基、アシル基またはスルホニル基)であり、より好ましくは、酸素原子、または=NH、=N脂肪族基であり、更に好ましくは、酸素原子、=NHである。
(A−8)
式(A−8)中、R219は、好ましくは、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、またはカルバモイルアミノ基であり、更に好ましくは、脂肪族基、脂肪族オキシ基、またはアリールオキシ基である。
と隣接する2つの窒素原子によって形成される環は、5〜7員環であることが好ましく、5または6員環であることが好ましい。その具体例としては、例えば1,2,4−トリアゾール環、ピリミジン環等が挙げられる
(A−9)
式(A−9)中、Qと隣接する2つの炭素原子によって形成される環は、5〜7員環であることが好ましく、5または6員環であることが更に好ましい。また、一般式(1−1)中で規定し、式(A−9)の範疇に入る式(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−5)、(A−10)、または(A−11)がより好ましく、(A−2)、(A−3)、(A−4)、または(A−5)である場合は最も好ましい。式(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−5)、(A−10)、または(A−11)の置環基の範囲、好ましい範囲等は一般式(1−1)で規定したものと同じである。
(A−10)
式(A−10)中、R220、R221は、好ましくは、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、またはシアノ基であり、より好ましくはアシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、シアノ基であり、最も好ましくは脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族スルホニル基、またはシアノ基である。なお、式(A−10)中、R220、R221は、同じであっても異なっていてもよい。
以上説明した(A−1)〜(A−10)中、A部として好ましくは(A−1)、(A−2)、(A−5)、(A−6)、(A−7)、(A−8)、(A1−9)、または(A−10)であり、更に好ましくは(A−1)、(A−6)、(A−7)、(A−8)、(A−9)、または(A−10)であり、最も好ましくは(A−1)、(A−7)、(A−8)、または(A−9)である。
一般式(1−2)中、APの好ましい範囲は一般式(1−1)で述べたものと同じである。
次に一般式(1−3)について説明する。
一般式(1−3)中、Arは2価の置換脂肪族基、2価の炭素環基、または2価のヘテロ環基を表し、Arはアリール基、またはヘテロ環基を表す。Xは単なる結合手または酸素原子を表す。APは一般式(1)で定義したものと義である。一般式(1−3)の化合物骨格の互変異性構造である色素共役系のもう一端のArあるいは該アゾ基に置換していても良い。
Ar-Xで表される好ましい基としては、下記式(A−1)〜(A−10)で表される基を挙げることができる。なお、以下において、R318は、酸素原子、−N(−R’)−(R’は、水素原子、脂肪族基、アシル基またはスルホニル基)であり、より好ましくは、酸素原子、−N−、−N(脂肪族基)−であり、更に好ましくは、酸素原子、−N−である。R300〜R317、R319〜R321は、各々独立に、水素原子または置換基である。置換基としては、前述の置換基(SUB)の説明で述べた各種置換基を挙げることができる。*は該一般式(1−3)中のアゾ基と結合する位置を表し、**はAp側の結合位置を表す。
Figure 2008265089
上記において、R300とR301、R304とR305、R307とR308は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。形成される環としては、5〜7員環が好ましい。
前記置換基は、置換可能な基であればよく、更に置換基を有していてもよく、前述の置換基(SUB)の説明で述べた各種置換基を挙げることができる。好ましい置換基としては、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基を挙げることができる。
前記QA1は、QA1と隣接する2つの窒素原子とともに環を形成するに必要な非金属原子群を表し、前記QA2は、QA2と隣接する2つの窒素原子とともに環を形成するに必要な非金属原子群を表し、前記QA4は、QA4と隣接する2つの窒素原子とともに環を形成するに必要な非金属原子群を表し、QA3は、QA3と隣接する2つの炭素原子とともに環を形成するに必要な非金属原子群を表す。形成される環は、いずれの環も5〜7員環であることが好ましい。
以下に、式(A−1)〜(A−10)で表される基の詳細を順次説明する。
(A−1)
式(A−1)中、R300は、好ましくは、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ヒドロキシ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、水素原子、脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくは水素原子 脂肪族基、アシルアミノ基、またはカルバモイルアミノ基である。
301は、好ましくは、水素原子、脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、またはアシルアミノ基である。
300とR301が結合して形成する環は、5〜7員環であることが好ましく、5もしくは6員のヘテロ環、または6員のアリールであることが更に好ましい。
302は、好ましくは水素原子、脂肪族基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくはアシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイル基である。
303は、好ましくは水素原子、脂肪族基、アシルアミノ基、またはハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子である。
(A−2)
式(A−2)中、R304は、好ましくは水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ヒドロキシ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、水素原子、脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくは、水素原子、脂肪族基、アシルアミノ基、またはカルバモイルアミノ基である。
305は、好ましくは水素原子、脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、またはアシルアミノ基である。
304とR305が結合して形成する環は、5〜7員環であることが好ましく、5もしくは6員のヘテロ環、または6員のアリールであることが更に好ましい。
306は、好ましくは水素原子、脂肪族基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくは、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基である。
(A−3)
式(A−3)中、R307は、好ましくは水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ヒドロキシ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、水素原子、脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくは水素原子、脂肪族基、アシルアミノ基、またはカルバモイルアミノ基である。
308は、好ましくは脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、脂肪族基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、ハロゲン原子、または脂肪族オキシカルボニル基である。
307とR308が結合して形成する環は、5〜7員環であることが好ましく、5もしくは6員のヘテロ環、または6員のアリールであることが更に好ましい。
309は、好ましくは水素原子、脂肪族基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは 水素原子、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、またはカルバモイルアミノ基であり、最も好ましくは水素原子、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、またはカルバモイルアミノ基である。
(A−4)
式(A−4)中、R310は、好ましくは、水素原子、脂肪族基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくはヘテロ環基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、またはカルバモイルアミノ基である。
311は、好ましくは、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ハロゲン原子、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ヒドロキシ基、またはシアノ基であり、さらに好ましくは、脂肪族基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であり、最も好ましくは、アシルアミノ基、またはカルバモイルアミノ基である。
(A−5)
式(A−5)中、R312は、好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、またはヘテロ環アミノ基であり、更に好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、またはヘテロ環アミノ基である。
313は、好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、またはシアノ基であり、更に好ましくは、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、またはシアノ基である。
(A−6)
式(A−6)中、R314は、好ましくは、脂肪族基、アリール基、またはアシル基であり、更に好ましくは脂肪族基である。
315は、好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、またはシアノ基であり、更に好ましくは、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、またはシアノ基である。
A1と隣接する2つの窒素原子によって形成される環は、5〜7員環であることが好ましく、5または6員環であることが好ましい。その具体例としては、例えば1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド環が挙げられる。
(A−7)
式(A−7)中、R316は、好ましくは脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ヒドロキシ基、またはシアノ基であり、更に好ましくは脂肪族基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルバモイルアミノ基、またはシアノ基であり、最も好ましくは アシルアミノ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアミノ基、カルバモイルアミノ基、またはシアノ基である。
317は、好ましくは 脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、またはカルバモイル基であり、更に好ましくは脂肪族基、アリール基、またはヘテロ環基であり、最も好ましくはアリール基である。
318は、好ましくは、酸素原子、−N(R’)−(R’は、水素原子、脂肪族基、アシル基またはスルホニル基)であり、より好ましくは、酸素原子、−NH−、または−N脂肪族基−であり、更に好ましくは、酸素原子、または−NH−である。
(A−8)
式(A−8)中、R319は、好ましくは、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、またはカルバモイルアミノ基であり、更に好ましくは、脂肪族基、脂肪族オキシ基、またはアリールオキシ基である。
A2と隣接する2つの窒素原子によって形成される環は、5〜7員環であることが好ましく、5または6員環であることが好ましい。その具体例としては、例えば1,2,4−トリアゾール環、ピリミジン環等が挙げられる
(A−9)
式(A−9)中、QA3と隣接する2つの炭素原子によって形成される環は、5〜7員環であることが好ましく、5または6員環であることが更に好ましく、6員ヘテロ環であることが特に好ましい。
(A−10)
式(A−10)中、R320、R321は、好ましくは、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、またはシアノ基であり、より好ましくはアシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、シアノ基であり、最も好ましくは脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族スルホニル基、またはシアノ基である。なお、式(A−10)中、R320、R321は、同じであっても異なっていてもよい。
以上説明した(A−1)〜(A−10)中、好ましくは(A−1)、(A−3)、(A−7)、(A−8)であり、更に好ましくは(A−1)、(A−8)であり、最も好ましくは(A−1)である。
Arのアリール基としては、置換もしくは無置換あるいは縮環していてもよいアリール基であって、好ましくは総炭素数6〜20、より好ましくは総炭素数6〜15である。置換基としては、置換可能な基であればよく、例えば、前述の置換基(SUB)の説明の項で述べた基であり、より好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、置換アミノ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、シアノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、またはカルバモイルスルファモイル基等であり、更に好ましくは 脂肪族基、アシル基、置換アミノ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、シアノ基、またはハロゲン原子である。
Arのヘテロ環基としては、置換もしくは無置換あるいは縮環していてもよい5〜7員へテロ環であって、好ましくは総炭素数2〜20、より好ましくは総炭素数2〜15の5〜6員ヘテロ環である。置換基としては、置換可能な基であればよく、例えば、前述の置換基(SUB)の説明の項で述べた基であり、より好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、置換アミノ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、シアノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基等であり、更に好ましくは 脂肪族基、アシル基、置換アミノ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、シアノ基、またはハロゲン原子である。
ヘテロ環基であるArの環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、1、3、4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンズイミダゾール環、インダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンズイソオキサゾール環等が挙げられる。
以下にArで表される好ましい基としては、下記式(A−1)〜(A−19)で表される基を挙げることができる。ここで*はアゾ基への結合手である。
Figure 2008265089
一般式(A3−1)〜(A3−19)中、R401〜R419及びR501、R503〜R507は水素原子または置換基を表す。na、na11、na12は0または1、na〜na、na〜na10は0〜2の整数、na、na、na15は0〜3の整数、na14、na16、na18、na19は0〜4の整数、na13は0〜5の整数、na17は0〜6の整数を表し、複数の場合は同一であっても異なっても良い。置換基としては、置換可能なものであればよく、例えば前述の置換基(SUB)の説明の項で述べたものが好ましい。
一般式(A3−1)〜(A3−19)中好ましくは、一般式(A3−2)、(A3−5)、(A3−6)、(A3−8)、(A3−10)、(A3−11)、(A3−12)、(A3−13)、(A3−18 )、または(A3−19)であり、より好ましくは一般式(A3−2)、(A3−5)、(A3−8)、(A3−10)、(A3−11)、(A3−12)、(A3−13)、(A3−18)、または(A3−19)である。
一般式(1-3)中、Apの好ましい範囲は一般式(1−1)で述べたもの
と同じである。
本発明の一般式(1−1)〜(1−3)中、好ましくは一般式(1−2)、(1−3)であり、より好ましくは一般式(1−2)である。
以下に本発明の一般式(1)で表される具体的化合物例を示すが、本発明がこれによって限定されるものではない。
Figure 2008265089
Figure 2008265089
Figure 2008265089
Figure 2008265089
Figure 2008265089
Figure 2008265089
Figure 2008265089
Figure 2008265089
Figure 2008265089
Figure 2008265089
Figure 2008265089
Figure 2008265089
Figure 2008265089
本発明の一般式(1)で表される化合物は、一般的な化学反応を順次使用することで合成することができる。具体的化合物(D2−131)の合成ルート及び合成処方を以下に示す。
Figure 2008265089
中間体(13)の合成
化合物(11)3.7g(20ミリモル)をリン酸40mlに溶解、0℃で攪拌下に亜硝酸ナトリウム1.7g(25ミリモル)を添加し、0℃で1時間攪拌した。その後反応液に更に原料(12)3.7gを加え、20℃以下で2時間攪拌した。この反応液を氷水300mlを攪拌下に注ぎ、析出した結晶を濾過し、冷水で洗った。得られた結晶を乾燥し、中間体(13) 5.1gを得た。収率67.1%
本発明の化合物D2−131の合成
中間体(13)3.8g(10ミリモル)にアセトニトリル40mlを加え、(14)を1.3g(11ミリモル)加え、20℃で攪拌下にトリエチルアミンを1.6ml(11ミリモル)を加えた。更に30分間攪拌したあと、冷水200mlに注ぎ、析出した結晶を濾過、冷水で洗浄した。得られた結晶をアセトニトリルで再結晶し、本発明の化合物D2−131を3.7得た。収率82%
本発明の可視情報記録層に用いられる一般式(1)で表される色素前駆体は、一般式(2)で表される化合物と共に用いられる場合が好ましい。
Figure 2008265089
一般式(2)中、R31およびR32は水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、または置換アミノ基を表し、R33は熱的に離脱する基を表す。
31〜R32で表される脂肪族基としては、無置換であっても、置換されていても良く、好ましくは総炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、より好ましくは総炭素数1〜15のアルキル基であって、例えばメチル基、ブチル基、エトキシエトキシエチル基、ジメチルアミノカルバモイルプロピル基等である。
一般式(2)中の置換されていても良い置換基としては、置換可能な基であれば良く、例えば、置換基(SUB)の説明の項で述べた基が挙げられる。
31〜R32で表されるアリール基としては、無置換であっても、置換されていても良く、好ましくは総炭素数6〜26のアリール基であって、より好ましくは、総炭素数6〜21のアリール基であって、例えばフェニル基、4クロルフェニル基、4−アセトアミドフェニル基、3−メトキシフェニル基等である。ヘテロ環基としては無置換であっても、置換されていても良く、好ましくは総炭素数3〜24、より好ましくは総炭素数4〜19であって、例えば1−ピペリジノ基、4−ピペリジノ基を表す。置換アミノ基としては、好ましくはジ置換アミノ基、より好ましく脂肪族ジ置換アミノ基、N−脂肪族−N−アリールアミノ基であって、最も好ましくは脂肪族ジ置換アミノ基である。
31とR32は互いに結合し5〜7員の含窒素へテロ環を形成しても良く、例えば、テトラヒドロピリミジン環、ピペラジン環等である。
33の熱的に離脱する基とは、一般式(2)の化合物とした時の熱分解開始温度が、120℃〜300℃で分解し求核剤を生成することのできる置換基であって、より好ましくはその熱分解開始温度が150℃〜250℃で分解する置換基であって、更に好ましくは、脂肪族オキシカルボニル基であって、1級アルコキシカルボニル基、次に2級アルコキシカルボニル基更に3級アルコキシカルボニル基になるに従ってより好ましくなる。
本発明の効果の点で好ましくは、R31とR32は脂肪族基、または置換アミノ基である場合が好ましく、R33の好ましくは脂肪族オキシカルボニル基であって、より好ましくは、2級アルコキシカルボニル基、更に好ましくは3級アルコキシカルボニル基である。
また、R31とR32が結合し、5〜7員環(例えばピロリジン環、ピペリジン環等)を形成したものも好ましく、2量体以上の多量体を形成していても良い。
以下に本発明の一般式(2)で表される具体的化合物例を示すが、本発明がこれによって限定されるものではない。
Figure 2008265089
Figure 2008265089
一般式(2)で表される化合物は、一般式(1)で表される色素前駆体の5〜400質量%が好ましく、10〜200質量%がより好ましく、20〜150質量%が更に好ましい。
本発明の熱によって分解する基とは、レーザー光照射による光熱変換によって生じる熱のことを意味する。
本発明はレーザー光照射によって吸収された光が熱変換され、その熱によって一般式(2)のアミンプレカーサーがアミン化合物を放出、そのアミンが一般式(1)の色素前駆体に反応し、色素に変わることによって発色、描画が得られる。一般式(1)の色素前駆体が使用するレーザー光波長に吸収を持つものであれば不要であるが、吸収を持たない、あるいは吸収の低い色素前駆体の場合は、使用するレーザー光発振波長に吸収を持つ色素の添加が必要である。該色素としては、レーザー光発振波長に吸収を持てば、どのようなのもでもかまわないが、好ましい色素構造は下記一般式(1−1D)〜(1−3D)であり、より好ましくは、一般式(1−1D)である。また、特開2007−50678に記載の式(II)及び一般式(5)の色素も好ましく用いられる。
一般式(1−1D)〜(1−3D)の色素構造は、本発明の一般式(1−1)〜(1−3)で表される色素前駆体から得られるものである。
Figure 2008265089
一般式(1−1D)〜(1−3D)中、Za21、Za22、Ma21〜Ma23、Ka21、X、X、A、Ar、Ar、Ar、Xは一般式(1−1)〜(1−1)で定義したものと同じである。
本発明の効果の点で、これらの色素の使用量は、一般式(1)の色素前駆体の使用するレーザー光発振波長における吸収濃度にもよるが、好ましくは一般式(1)0〜200質量%であり、より好ましくは10〜100質量%である。
[可視情報記録層]
本発明の光記録媒体は、可視情報記録層に、求核反応によって、最大吸収波長が変化した色素を生成することのできる色素前駆体の少なくとも1種を含有する。
色素前駆体は、照射されたレーザー光を色素が吸収して光−熱変換することにより熱が発生する。発生した熱によってアミンプレカーサーが分解し、放出されたアミン化合物が色素前駆体に反応し、レーザー光照射部およびその周辺部に可視光領域に新たな吸収を持つ色素が生成する。しかし、生成した色素もその色素の熱分解温度が低い場合には分解してしまう領域もある。光−熱変換するためには、色素前駆体がレーザー光波長に吸収を持たない場合には、相当する吸収を持つ色素を添加しなければならない。以上のように、レーザー光照射による色素前駆体の発色あるいは変色した領域と、レーザー光未照射領域の間で色調、色相の差が生じることにより、可視情報記録層に画像等の可視情報を形成することができる。
前記可視情報記録層は、前記色素前駆体とアミンプレカーサーを主成分とすることが好ましい。ここで、「主成分とする」とは、可視情報記録層中の全固形分に対する色素の含有量が40質量%以上であることをいう。前記可視情報記録層中の前記色素前駆体含有量は、好ましくは50%質量以上、より好ましくは60〜100質量%である。しかし、前述のように、色素前駆体がレーザー光発振波長に吸収を持たない場合には、レーザー光波長に相当する色素(以下増感剤色素という)の添加が必要である。前記可視情報記録層は、増感剤色素以外の色素を含むこともできる。コントラストが高く視認性に優れると共に高い堅牢性を示す可視情報を形成するためには、可視情報記録層に含まれる色素成分は、発色あるいは変色で生成する色素と補色あるいは吸収波長が大きく変わっているものが好ましい。
前記増感剤色素は、請求項4に記載の400〜850nmに吸収をもつ化合物として用いられ、400〜850nmの波長領域のレーザー光に対して吸光度0.5以上(好ましくは0.1〜1.0)の吸収を有することが好ましい。可視情報記録層に含まれる増感剤色素が上記吸収を有することにより、レーザー光照射によって、充分な光−熱変換が行なわれ、色素前駆体により良好な視認性を有する文字、画像、絵柄等の可視情報を記録することができる。
前記可視情報記録層は、前記色素前駆体(および増感剤色素)を溶剤に溶解して調製した塗布液を塗布することによって形成することができる。溶剤としては、後述する記録層用塗布液の調製に使用可能な各種溶剤を使用することができる。その他の添加剤、塗布方法等の詳細は、記録層について後述する通りである。
前記可視情報記録層の厚さは、0.01〜200μmとすることが好ましく、0.05〜150μmとすることがより好ましく、0.1〜50μmとすることがさらに好ましい。可視情報記録層と記録層との厚さの比(可視情報記録層厚/記録層厚)は、1/100〜100/1とすることが好ましく、1/10〜10/1とすることがより好ましい。
前記可視情報記録層に記録される可視情報とは、視覚的に認識可能な情報を意味し、文字(列)、絵柄、図形等、あらゆる視認可能な情報を含む。また、文字情報としては、使用可能者指定情報、使用期間指定情報、使用可能回数指定情報、レンタル情報、分解能指定情報、レイヤ指定情報、ユーザー指定情報、著作権者情報、著作権番号情報、製造者情報、製造日情報、販売日情報、販売店または販売者情報、使用セット番号情報、地域指定情報、言語指定情報、用途指定情報、製品使用者情報、使用番号情報等が挙げられる。
<層構成>
本発明の光記録媒体は、例えば、第一基板、レーザー光を照射して情報の記録および/または再生が可能な記録層、反射層、可視情報記録層、ならびに第二基板をこの順に有するものであることができる。但し、本発明の光記録媒体は、基板上に可視情報記録層を有し、該可視情報記録層に前記色素前駆体を含むものであれば、その層構成は特に限定されるものではなく、各種の層構成を取ることができる。本発明の光記録媒体の一例(概略断面図)を、図1に示す。
図1に示す光記録媒体10は、第1基板16と、該第1基板16上に形成された記録層18と、該記録層18上に形成された第1反射層20と、該第1反射層20上に形成された接着層22と、該接着層22上に形成された第2反射層24と、該第2反射層24上に形成された前記可視情報記録層14と、該可視情報記録層14上に形成された第2基板26とを有する。光記録媒体の種類としては、読出し専用型、追記型、書換え可能型等のいずれでもよいが、追記型であることが好ましい。また、追記型の場合、その記録形式としては、相変化型、光磁気型、色素型等、特に制限されないが、色素型であることが好ましい。
本発明の光記録媒体の層構成としては、例えば、以下の構成が挙げられる。
(1)第1の層構成は、例えば図1に示すように、第1基板16上に、記録層18、第1反射層20、接着層22、第2反射層24を順次形成し、該第2反射層24上に可視情報記録層14、第2基板26を設ける構成である。
(2)第2の層構成は、図示しないが、第1基板16上に、記録層18、第1反射層20、接着層22を順次形成し、接着層22上に可視情報記録層14、第2基板26を設ける構成である。
(3)第3の層構成は、図示しないが、第1基板16上に、記録層18、第1反射層20、保護層、接着層22を順次形成し、該接着層22上に可視情報記録層14、第2基板26を設ける構成である。
(4)第4の層構成は、図示しないが、第1基板16上に、記録層18、第1反射層20、第1保護層、接着層22、第2保護層を順次形成し、該第2保護層上に可視情報記録層14、第2基板26を設ける構成である。
(5)第5の層構成は、第1基板16上に、記録層18、第1反射層20、第1保護層、接着層22、第2保護層、第2反射層24を順次形成し、該第2反射層24上に可視情報記録層14、第2基板26を設ける構成である。
なお、上記(1)〜(5)の層構成は単なる例示であり、これらの層構成は上述の順番のみでなく、一部を入れ替えてもよい。また、一部を省略してもかまわない。さらに、各層は1層で構成されても複数層で構成されてもよい。
本発明の光記録媒体が、CD−Rである場合には、トラックピッチ1.4〜1.8μmのプリグルーブ28(図1参照)が形成された厚さ1.2±0.2mmの透明な円盤状の第1基板16上に、記録層18、第1反射層20、保護層、接着層22、第2反射層24、前記色素を含む可視情報記録層14、第2基板26をこの順に有する構成であることが好ましい。また、DVD−Rに適用する場合には以下の二つの態様であることが好ましい。
(1)トラックピッチ0.6〜0.9μmのプリグルーブ28が形成された厚さ0.6±0.1mmの透明な円盤状の第1基板16上に、記録層18および光反射層が設けられてなる二枚の積層体が、それぞれ記録層18が内側となるように接合され、厚さ1.2±0.2mmであり、少なくともどちらかの第1基板16上に可視情報記録層14を設けてなる光情報記録媒体。
(2)トラックピッチ0.6〜0.9μmのプリグルーブ28が形成された厚さ0.6±0.1mmの透明な円盤状の第1基板16上に、記録層18および光反射層が設けられてなる積層体と、該積層体の円盤状の第1基板16と同じ形状の透明な円盤状保護基板とを、記録層18が内側となるように接合され、厚さ1.2±0.2mmであり、少なくともどちらかの基板上に可視情報記録層14を設けてなる光情報記録媒体。なお、上記DVD−R型の光情報記録媒体においては、光反射層の上にはさらに保護層を設けた構成とすることもできる。
以下、上記各層および基板について順次説明する。
<記録層>
本発明の光記録媒体における記録層は、レーザー光を照射して情報の記録および/または再生が可能な層である。記録層は、デジタル情報等の符号情報(コード化情報)が記録される層であり、追記型(色素追記型が好ましい)、相変化型、光磁気型等が挙げられ、特に制限はないが、色素型であることが好ましい。
色素型の記録層に含有される色素の具体例としては、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられる。また、特開平4−74690号、特開平8−127174号、同11−53758号、同11−334204号、同11−334205号、同11−334206号、同11−334207号、特開2000−43423号、同2000−108513号および同2000−158818号等の各公報に記載されている色素が好適に用いられる。
前記記録層は、色素等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成することができる。塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
前記記録層は、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、溶剤塗布法等の方法によって形成することができる。中でも、溶剤塗布法を用いることが好ましい。この場合、前記色素等の他、さらに所望によりクエンチャ、結合剤等を溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板の表面に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより、記録層を形成することができる。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロバノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等、各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブナラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子を挙げることができる。
記録層の材料として結合剤を併用する場合、結合剤の使用量は、一般に色素の質量の0.01倍量〜50倍量の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量の範囲にある。
前記溶剤塗布の塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。記録層18は単層でも重層でもよい。記録層18の層厚は一般に10〜500nmの範囲にあり、好ましくは15〜300nmの範囲にあり、より好ましくは20〜150nmの範囲にある。
記録層には、記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に、一重項酸素クエンチャが用いられる。一重項酸素クエンチャとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。前記一重項酸素クエンチャ等の褪色防止剤の使用量は、通常、色素の質量の0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、さらに好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
相変化型の記録層を構成する材料の具体例としては、Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、In−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、Ag−V−In−Sb−Te合金、Ag−Ge−In−Sb−Te合金等が挙げられる。相変化型の記録層18の層厚は、10〜50nmとすることが好ましく、15〜30nmとすることがより好ましい。相変化型の記録層は、スパッタ法、真空蒸着法等の気相薄膜堆積法等によって形成することができる。
<第1基板>
図1に示す光記録媒体における第1基板16は、従来の光記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択された材料を用いて形成することができる。第1基板16の材料としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィンおよびポリエステル等を挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状として、または剛性のある第1基板16として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格等の点からポリカーボネートが好ましい。
第1基板16の厚さは、0.1〜1.2mmとすることが好ましく、0.2〜1.1mmとすることがより好ましい。
記録層18が設けられる側の第1基板16の表面側(プリグルーブ28が形成された面側)には、平面性の改善、接着力の向上および記録層18の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。
下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤等の表面改質剤等を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により、第1基板16の表面に塗布することにより形成することができる。
下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
<第1反射層>
図1に示すように、情報の再生時における反射率の向上の目的で、記録層18に隣接して第1反射層20が設けられることある。第1反射層20の材料である光反射性物質はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属またはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、2種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。第1反射層20は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより第1基板16または記録層18の上に形成することができる。第1反射層20の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
<接着層>
図1に示すように、第1反射層20と第2基板26との密着性を向上させるために、接着層22を形成することができる。
接着層22を構成する材料としては、光硬化性樹脂が好ましく、中でもディスクの反りを防止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような光硬化性樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製の「SD−640」、「SD−347」等のUV硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができる。また、接着層22の厚さは、弾力性を持たせるため、1〜1000μmの範囲とすることが好ましく、5〜500μmの範囲とすることがより好ましく、10〜100μmの範囲とすることが特に好ましい。
<第2基板>
図1に示すように、可視情報記録層14の保護のために、第2基板26(保護基板)を設けることもできる。第2基板26は、上述の第1基板16と同様の材質を用いて形成することができる。
<保護層>
第1反射層20や記録層18等を物理的および化学的に保護する目的で保護層を設けられることがある。なお、DVD−R型の光記録媒体の製造の場合と同様の形態、すなわち2枚の基板(一方が第2基板26の場合を含む)を記録層18を内側にして貼り合わせる構成をとる場合は、必ずしも保護層の形成は必要ではない。
保護層に用いられる材料の例としては、ZnS、ZnS−SiO、SiO、SiO、MgF、SnO、Si等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を使用する場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのまま、または適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、さらに帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は、一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。
また、本発明の光記録媒体は、レーザー光により再生可能な情報が記録された記録部(ピット)を有する、いわゆる再生専用型の光情報記録媒体として適用することもできる。
[可視情報記録方法]
本発明の第一の可視情報記録方法(以下、「記録方法I」ともいう)は、本発明の光記録媒体の前記可視情報記録層への可視情報記録方法であって、前記可視情報を、前記記録層への情報の記録に用いるレーザー光と同じレーザー光を用いて記録するものである。
本発明の第二の可視情報記録方法(以下、「記録方法II」ともいう)は、ディスク状の本発明の光記録媒体への前記可視情報記録層への可視情報記録方法であって、前記可視情報を、前記光記録媒体の半径方向に遥動し且つ略同一の軌跡に複数回照射されるレーザー光を用いて記録するものである。なお、方法IIにおいても、方法Iと同様に記録層への情報の記録に用いるレーザー光と同じレーザー光を用いて可視情報を記録することが好ましい。
以下、記録方法I、IIをあわせて本発明の記録方法と呼ぶこともある。
記録方法Iによれば、記録層への情報の記録に用いるレーザー光(図1中のレーザー光12)と同じレーザー光(図1中のレーザー光12)を用いて、可視情報を記録することができるため、1つの記録装置においてレーザー光源を共有することができ、記録装置のハードウエア資源を必要最小限に抑えることができるとともに、一般ユーザーがこれらの装置を用いて簡単に画像を記録することができる。更に、本発明の光記録媒体は、可視情報記録層に前記色素前駆体から生成する色素を含むため、コントラストが高く視認性に優れた画像を形成できるという利点もある。本発明の光記録媒体の可視情報記録層への画像等の可視情報の記録は、本発明の可視情報記録方法によって行うことが最も好ましいが、これに制限されるものではない。
本発明の記録方法において、可視情報記録層への画像等の可視情報の記録、および記録層への光情報の記録は、両層への記録機能を有する1つの光ディスクドライブ(記録装置)を用いて行うことができる。このように1つの光ディスクドライブを使用する場合、可視情報記録層および記録層のいずれか一方の層への記録を行った後、裏返して他方の層に記録を行うことができる。可視情報記録層への可視情報の記録をする機能を有する光ディスクドライブとしては、例えば、特開2003−203348号公報、特開2003−242750号公報等に記載されている光ディスクドライブを用いることができる。
また、可視情報記録層への可視情報の記録に際し、記録装置は、前記光記録媒体とレーザーピックアップとを、可視情報記録層に形成されたトラッキング溝によりトラッキングし、光記録媒体の面に沿って相対移動させ、該相対移動に同期してレーザー光を、画像形成しようとする文字、絵等の画像データに応じて変調して可視情報記録層に向けて照射して可視画像を記録することができる。このような構成は、例えば、特開2002−203321号公報等に記載されている。
通常のデジタルデータ記録では、略楕円形状の軌跡でレーザー光を1回照射することが通常である。一般に、色素記録層にピットを形成する際はドライブで認識するのに十分な反射率および変調度が得られるピットを形成することが重要視されるため、色素記録層用色素としては、上記の1回のレーザー光照射により十分な反射率および変調度が得られる色素が選択される。
それに対し、近年、新たな画像形成方法として、上記特開2002−203321号公報等に記載のシステムが提案された。このシステムでは、レーザー光を略同一の軌跡に複数回照射することにより、色素を含む可視情報記録層に画像等の可視情報を記録する。また、通常の光ディスクでは半径方向でピットを形成する位置は特定されているため、レーザー光が光ディスクの半径方向に遥動することはあり得ないのに対し、上記システムでは、レーザー光が光ディスクの半径方向に遥動し且つ略同一の軌跡に複数回照射されることにより、可視情報が形成される。本発明において使用される色素は、いずれも上記システムに好適であり、前述の記録方式によりコントラストが高く鮮明で、かつ耐光性に優れた可視情報を形成できるものである。
以下に、上記画像形成方法の詳細を、図2および3を参照し説明する。
図2は、画像形成のために照射されるレーザー光の軌跡を示す。
まず、レーザー光源を、図2に示すように、光ディスクの内周側で最初の画像形成箇所がある半径位置に位置決めし、次いで、周方向位置θを検出し、該半径位置について画像データにより指示される周方向の各画像形成位置でレーザパワーを所定の高出力(可視情報記録層の可視光特性が変化する値で、例えば1mW以上の値)に切り換える。これにより、該高出力のレーザー光が照射された箇所で可視情報記録層の可視光特性が変化(変色等)して、画像形成が行われる。
その後、光ディスクが1回転して周方向の基準位置に戻ったら、送りモータ等によりレーザー光源を所定ピッチΔr分外周方向へ移送し、その半径位置について画像データにより指示される周方向の各画像形成位置でレーザパワーを所定の高出力に切り換えて画像形成を行う。以後、この動作を繰り返して、1周ごとに所定ピッチΔrで順次外周方向に移動して画像形成を行う。図2は、この画像形成動作による光ディスク表面(可視情報記録層側の面、以下において「レーベル面」ともいう)上でのレーザー光の軌跡を示す。太線で描いた部分でレーザパワーが高出力に切り換えられて画像形成が行われる。この太線で描いた部分でのレーザー光の軌跡の拡大図が図3である。図3に示すように、レーザー光を、光ディスクの半径方向に遥動させ且つ略同一の軌跡に複数回照射することにより画像が形成される。ここでのレーザー光の遥動幅および略同一の軌跡におけるレーザー光の照射回数は、記録装置ごとに設定されているものである。
前記画像形成方法では、画像形成箇所がない半径位置については走査せずに、次の画像形成箇所がある半径位置まで一度に移動して画像形成を行う。ピッチΔrが大きいと、本来は径方向につながって形成されるべき画像であっても、すき間が生じて画像形成されてしまう。ピッチΔrを小さくすればすき間を目立たなくすることができるが、レーベル面全体を画像形成するのに要する周回数が増え、画像形成に時間がかかってしまう。特開2002−203321号公報に記載の装置では、画像形成時に振動信号発生回路から発生される振動信号(正弦波、三角波等)でトラッキングアクチュエータを駆動して、対物レンズをディスク径方向に振動させるようにしている。これにより、レーザー光がディスク径方向に振動して、ピッチΔrが比較的大きくてもすき間のない(または、すき間が小さい)画像形成を行うことができる。振動信号の周波数は、例えば数kHz程度に設定することができる。また、ピッチΔrは、例えば50〜100μm程度に設定することができる。
以上の画像形成方法の詳細については、特開2002−203321号公報を参照することができる。
記録層に光情報(デジタル情報)を記録する記録装置は、レーザー光を射出するレーザーピックアップと、光記録媒体を回転させる回転機構とを少なくとも有し、記録層への記録再生を、回転させた状態の光記録媒体の記録層に向けてレーザーピックアップからレーザー光を照射して行うことができる。このような記録装置の構成自体は周知である。
次いで、記録層への情報(デジタル情報)の記録について説明する。記録層が色素型の場合、まず、未記録の前述の光記録媒体を所定の記録線速度にて回転させながら、レーザーピックアップからレーザー光を照射する。この照射光により、記録層の色素がその光を吸収して局所的に温度上昇し、所望の空隙(ピット)が生成してその光学特性が変わることにより情報が記録される。
レーザー光の記録波形は、1つのピットの形成する際には、パルス列でも1パルスでもかまわない。実際に記録しようとする長さ(ピットの長さ)に対する割合が重要である。
レーザー光のパルス幅としては、実際に記録しようとする長さに対して20〜95%の範囲が好ましく、30〜90%の範囲がより好ましく、35〜85%の範囲が更に好ましい。ここで、記録波形がパルス列の場合には、その和が上記の範囲にあることを指す。
レーザー光のパワーとしては、記録線速度によって異なるが、記録線速度が3.5m/sの場合、1〜100mWの範囲が好ましく、3〜50mWの範囲がより好ましく、5〜20mWの範囲が更に好ましい。また、記録線速度が2倍になった場合には、レーザー光のパワーの好ましい範囲は、それぞれ21/2倍となる。また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズのNAは0.55以上が好ましく、0.60以上がより好ましい。
本発明においては、記録光として350〜850nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザーを用いることができる。
次に、記録層が相変化型の場合について説明する。相変化型の場合は、前述の材質から構成され、レーザー光の照射によって結晶相と非晶相との相変化を繰り返すことができる。情報記録時は、集中したレーザー光パルスを短時間照射し、相変化記録層を部分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急冷され、固化し、非晶状態の記録マークが形成される。また、消去時には、記録マーク部分にレーザー光を照射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の温度に加熱し、かつ除冷することによって、非晶状態の記録マークを結晶化し、もとの未記録状態に戻す。
[実施例]
以下に、実施例により本発明を更に説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
本発明1の光情報記録媒体は、図1に示す層構成を有する、2枚のディスクを貼り合わせてなるDVD−R型の光記録媒体である。以下に、本発明1の光記録媒体の作製方法を説明する。
射出成形にて、ポリカーボネート樹脂から、スパイラル状(螺旋状)のグルーブ(深さ:130nm、幅300nm、トラックピッチ:0.74μm)を有する厚さ0.6mm、直径120mmの第1基板16を成形した。その後、下記の2種のオキソノール色素(DYE-1、DYE−2)各1.5gを、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール100mlに溶解して塗布液を調製し、この塗布液をスピンコート法により第1基板16のプリグルーブ28が形成された面上に塗布し、層厚80μmの記録層18を形成した。
Figure 2008265089
次に、記録層18上に銀をスパッタして膜厚120nmの第1反射層20を形成した後、紫外線硬化樹脂(SD318(大日本インキ化学工業株式会社製)をスピンコート法により塗布した後、紫外線を照射して硬化し、層厚10μmの第1保護層を形成した。以上の工程により、第1ディスクを作製した。
次に、可視情報記録層14を形成するため、例示化合物(D2−131)1.5g、例示化合物(A−1)1.5g、下記色素(DP2-8D)0.5gを、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール100mlに溶解した可視情報記録層用塗布液を調製した。該可視情報記録層用塗布液を厚さ0.6mm、直径120mmの第2基板26上にスピンコートにて層厚100μmの可視情報記録層14を形成した。
Figure 2008265089
次に、可視情報記録層14上に銀をスパッタして膜厚70nmの第2反射層24を形成した後、紫外線硬化樹脂(SD318(大日本インキ化学工業株式会社製)をスピンコート法により塗布した後、紫外線を照射して硬化し、層厚10μmの第2保護層を形成した。以上の工程により、第2ディスクを作製した。
次いで、第1ディスクと第2ディスクとを貼り合せて、1枚のディスクとして完成させるため、次のような工程を経た。まず、第1ディスクの第1保護層上及び第2ディスクの第2保護層上にそれぞれ遅効性カチオン重合型接着剤(ソニーケミカル株式会社社製、SDK7000)をスクリーン印刷によって印刷した。このとき、スクリーン印刷の印刷版のメッシュサイズは300メッシュのものを使用した。次に、メタルハライドランプを使用して紫外線照射した直後、第1ディスクと第2ディスクとをそれぞれの保護層側から貼り合わせ、両面から押圧し5分間放置し、本発明1の光記録媒体を作製した。
(本発明2〜12、比較例1、2)
可視情報記録層に使用する一般式(1)の色素前駆体、一般式(2)の化合物を、表1に示す化合物にそれぞれ変更した以外は本発明1と同様に、光記録媒体を作製した。
(コントラスト評価)
作製した本発明1〜12、比較例1、2の光記録媒体について、下記のように記録を行った。
特開2002−203321号公報に記載の、レーザー光を射出するレーザーピックアップと光記録媒体を回転させる回転機構とを有する記録装置(レーザーは、波長660nmの半導体レーザーとした)を用い、光記録媒体とレーザーピックアップとを光記録媒体の面に沿って相対移動させながら、相対移動に同期させて半導体レーザー光を所望の画像データに応じて変調し、線速度3.5m/s、記録パワー8mWの条件にてフォーカスをかけた状態で可視情報記録層14に照射して可視画像を記録した。このとき、レーザ光は光ディスクの半径方向に遥動し且つ略同一の軌跡に複数回照射されて可視情報が記録された。また、この光記録媒体を回転機構で回転させた状態にし、記録層18にレーザーピックアップからレーザー光を照射することにより電子情報の記録を行うことができる。
上記のようにして可視画像が記録された各光記録媒体について、可視情報記録層のレーザー照射部とレーザー未照射部の絶対反射率を測定し、以下の式で表されるSvを求め、下記の評価基準にしたがってコントラストを評価した。
Figure 2008265089
D(λ):レーザー照射部の分光反射率[%]
U(λ):レーザー未照射部の分光反射率[%]
V(λ):CIE標準分光視感効率
Figure 2008265089
<評価基準>
5(コントラスト優良) : 0.25以上
4(コントラスト良好) : 0.25未満〜0.20以上
3(コントラスト実用十分): 0.20未満〜0.15以上
2(コントラスト不十分) : 0.15未満〜0.10以上
1(コントラスト不良) : 0.10未満
(耐光性評価)
上記のようにして可視画像が記録された各光記録媒体を用い、可視情報記録層のレーザー照射部(画像部)(比較例は非照射部(非画像部))の濃度Dを分光光度計〔(株)島津製作所製〕を用いて測定した。次いで、各光記録媒体の可視情報記録層側をキセノン光照射装置(スガ試験機(株)製)により光照射して強制処理を施した後、再び上記と同様にして強制処理後の濃度Dを測定した。
そして、得られた濃度から残存率(%;=D/D×100)を求め、耐光性を評価する指標とした。表2中、残存率の計算点(波長nm)を、括弧内に示す。
Figure 2008265089
表2に示すように、すべての光記録媒体において、可視情報記録層のコントラストはきわめて良好であり鮮明な画像記録を行うことができた。また、記録画像の耐光性も良好であった。
本発明の光記録媒体の一例(概略断面図)を示す。 画像形成時の光ディスク表面上でのレーザー光の軌跡を示す。 図2中の太線で描いた部分でのレーザー光の軌跡の拡大図である。
符号の説明
10…光記録媒体
12…レーザー光
14…可視情報記録層
16…第1基板
18…記録層
20…第1反射層
22…接着層
24…第2反射層
26…第2基板
28…プリグルーブ

Claims (9)

  1. 基板上に可視情報記録層を有する光記録媒体であって、該可視情報記録層は、求核反応によって、最大吸収波長が変化した色素を生成することのできる色素前駆体の少なくとも1種を含有することを特徴とする光記録媒体。
  2. 前記色素前駆体が一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
    一般式(1)
    PD−AP
    一般式(1)中、PDはAPとの結合が切断されることにより吸収変化を伴う色素を生成することのできる成分を含む基を表し、APは求核剤と反応して離脱する基を表す。
  3. 前記可視情報記録層に下記一般式(2)で表される化合物を更に含有することを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の光記録媒体。
    Figure 2008265089
    一般式(2)中、R31およびR32は水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、または置換アミノ基を表し、R33は熱的に離脱する基を表す。R31とR32は互いに結合し、5〜7員の含窒素へテロ環を形成しても良い。
  4. 前記可視情報記録層に400〜850nmに吸収を持つ化合物を更に含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学記録媒体。
  5. 前記一般式(2)で表される化合物の熱分解開始温度が100〜300℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光記録媒体。
  6. レーザー光を照射して情報の記録および/または再生が可能な記録層を更に有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光記録媒体。
  7. 第一基板、請求項6に記載の記録層、反射層、前記可視情報記録層、および第二基板をこの順に有することを特徴とする請求項6に記載の光記録媒体。
  8. 前記光記録媒体がディスク状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光記録媒体。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の光記録媒体の前記可視情報記録層への可視情報記録方法であって、前記可視情報を、前記記録層への情報の記録に用いるレーザー光と同じレーザー光を用いて記録することを特徴とする可視情報記録方法。
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