JP2008264922A - 極薄金属板のブレードを接着したテレスコピックカバー - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレード全面をテレスコピックカバーの各パーツカバーの裏面にエポシキ系接着剤で接着して接地面積を、従来のスポット溶接等した場合に比較して、大きくすることによって、ブレードをテレスコピックカバーに保持、固定する引っ張り強度を強くして、テレスコピックカバーよりブレードが剥離することを防止し、ブレード付きのテレスコピックカバーとして長期間、安定して使用すること。
【解決手段】バネ用ステンレス鋼、焼き入れリボン鋼製の極薄金属板のブレードの表面の全面にエポシキ系接着剤を塗布して、ハイテンション鋼製または17%Cr−2%Niを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼製の金属薄板で形成したテレスコピックカバーの各パーツカバーの端部の裏面に接着した極薄金属板のブレードを接着したテレスコピックカバー。
【選択図】図6
【解決手段】バネ用ステンレス鋼、焼き入れリボン鋼製の極薄金属板のブレードの表面の全面にエポシキ系接着剤を塗布して、ハイテンション鋼製または17%Cr−2%Niを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼製の金属薄板で形成したテレスコピックカバーの各パーツカバーの端部の裏面に接着した極薄金属板のブレードを接着したテレスコピックカバー。
【選択図】図6
Description
本発明は、工作機械を覆うとともに、工作機械の主軸頭、ベッド、テーブル、コラム、ピストン、シリンダー、ATCカバー等の移動機構に従って摺動する極薄金属板のブレードを接着したテレスコピックカバーに関するものである。
切削機械で金属の切削を行う場合、金属を切削することによって発生する切り粉やスパッター(以下切り粉という)が、主軸頭等の移動機構を有する工作機械の移動機構に侵入すると、工作機械の移動機構のスムースな摺動に支障が発生したり、移動機構に摩耗が生じて、工作機械の性能の悪化や故障の原因になっていた。
特に、超高速切削機械で金属の切削を行う場合、切り粉を排除や金属の発熱の抑えるために、切削機械の上部より切削個所に切削用水を供給しており、大量の切削用水が付近の工作機械の主軸頭等の移動機構に流入すると、工作機械の移動機構に錆や腐食が発生して摺動性が悪化し、工作機械の性能の低下をもたらしていた。
前述した問題の対策としては、出願人会社としては、図1と図2に示すように、四角形の金属薄板のパーツカバー2a〜gを積層して左右に摺動するように構成したテレスコピックカバー1を開発し、このテレスコピックカバー1のパーツカバー2a〜gの先端部分であって、他のパーツカバー2a〜gに接地する個所にブレード3を固定し、さらに、パンタグラフ4の連結バー5の各交差箇所に回転可能に挿着した取付軸7を、パーツカバー2a〜gの下部側面の一端部に固定した軸受6に、それぞれ回転可能に挿填してパンタグラフ4を取り付けたテレスコピックカバー1を開発して多数の工作機械メーカー等に提供した。
そして、このレスコピックカバー1は、工作機械11を覆うとともに、その一端のパーツカバー2aを工作機械11の移動機構9に固定し、その他端のパーツカバー2gを工作機械11の固定機構10に固定し、工作機械11の移動機構9の左右の動きに応じて各パーツカバー2a〜gを左右にガイド8に沿って摺動させるようにしたものであり、図3に示すように、このテレスコピックカバー1のパーツカバー2aに固定したブレード3は、パーツカバー2bの被摺動面を押圧して摺動し、また、パーツカバーの2bに固定したブレード3は、パーツカバーの2cの被摺動面を押圧して摺動し、以下、パーツカバーの2cブレード3はパーツカバーの2dの被摺動面を、それぞれ押圧して摺動するように構成したものであり、このブレード3の摺動ことによって、切り粉や切削用水等を外部に排出して、切り粉や切削用水等がテレスコピックカバー1の各パーツカバー2a〜gの隙間より内部の工作機械11の移動機構9へ浸入することを防止したものである。
ブレード3としては、以前はゴム製のものを使用していたが、ゴム製のものは板厚が厚く(3〜10mm)て、重い(3〜10g)ために、テレスコピックカバー1が大型になり、重量が嵩む欠点があるばかりか、ブレード3としても摩耗し易く、摺動性が悪く、耐久性にも問題があるために、ブレード3のライフが短く、ブレード3の交換、すなわち、テレスコピックカバーの修理を頻繁に行わなければならなく、切削作業効率が著しく悪かった。
そこで、出願人会社においては、最近の高性能の工作機械に取り付ける金属薄板のテレスコピックカバーのブレードとしては、ゴム製のブレードは不適当であるために、ブレードについて鋭意研究を重ねた結果、これまで全くブレードとして使用することが考えられなかった金属薄板をブレードとして工作機械(テレスコピックカバー)の摺動個所に取り付ける新規な技術を開発し、これについて数件の特許出願を行った。
特開平10−113843号は「板厚0.01〜0.3mmのバネ用ステンレス、焼き入れリボン鋼等の弾力性が強く、物理的強度のある金属薄板を、ブレードとして、板状のホールダーのスリットに嵌め込んで、工作機械等の機器の摺動個所に取り付け、工作機械等の機器の被摺動面を摺動するように構成したもの」であり、また、特開平10−180587号は、「前述した金属薄板のブレードをテレスコピックカバーの各パーツカバーの摺動個所に固定したもの」である。
さらに、特開平11−159627号と特開平11−320322号は、金属薄板のブレードについて一段と研究を進めた結果として改良した極薄金属板のブレードであって、「炭素量0.03〜0.1%、クロム量10〜20%を含む鉄鋼またはステンレス鋼を板厚0.01〜0.3mmの極薄金属板のブレードに形成し、ブレードを工作機械の摺動個所または摺動機構とテレスコピックカバーに固定して、工作機械とテレスコピックカバーの被摺動面を摺動するように構成したもの」である。
出願人会社としては、前述した金属薄板または極薄金属板のブレードを取り付けたテレスコピックカバーを新製品として市場に提供して、多数の工作機械メーカーにおいて各分野に使用される状態になったが、従来より用いられている通常の工作機械の低速摺動のテレスコピックカバーにおいてはブレードとして支障がなかったものの、最近の高性能の工作機械に取り付ける金属薄板のテレスコピックカバーのブレードとしては、場合によっては、テレスコピックカバーへの保持性、固定性に問題が起きることがあり、ブレードの剥離、テレスコピックカバーの性能低下、故障等のトラブルが発生していた。
その原因としては、図3に示すように、前述のテレスコピックカバー1においては、ブレード3をテレスコピックカバー1にスポット溶接をしたり、リベットやネジで止めており、これらの手段によってブレードをテレスコピックカバーに取り付けた場合、図4に示すように、一部分だけが接地しているだけで、全面で固定されてないので、ブレード3とテレスコピックカバー1の接地面積が小さく、ブレード3をテレスコピックカバー1に保持、固定する力、すなわち、引っ張り強度が弱いという問題があった。
ブレード3をテレスコピックカバー1に保持、固定する引っ張り強度が弱いと、ブレード3に大きな力がかかったり、異常なショックを受けると、溶接個所の亀裂、破損、または、取り付けネジの緩み、ガタ、脱落等が起き、テレスコピックカバー1の摺動性、シール性、切り子の排除性等の性能低下の問題を起こすばかりか、ブレードがテレスコピックカバーより剥離する障害も発生し、このような事態になる都度、テレスコピックカバー1の解体を行い、ブレード3を付け直してテレスコピックカバー1の組み直し等の面倒な修理作業を行う必要があった。
本発明は、極薄金属板のバネ用ステンレス鋼、焼き入れリボン鋼製のブレードの表面の全面にエポシキ系接着剤を塗布してテレスコピックカバーの各パーツカバーの端部の裏面に接着し、すなわち、ブレードの全面をテレスコピックカバーの各パーツカバーの裏面に接着して、ブレードとテレスコピックカバーの接地面積を、スポット溶接したり、リベットやネジで止めた場合に比較して、大きくすることによって、ブレード3をテレスコピックカバー1に保持、固定する引っ張り強度を強くして、ブレードに大きな力がかかったり、異常なショックを受けても、テレスコピックカバーよりブレードが剥離することを防止し、ブレード付きのテレスコピックカバーとして長期間、安定して使用することに目的がある。
また、本発明は、前述したように、極薄金属板のブレードにエポシキ系接着剤を塗布してテレスコピックカバーの各パーツカバーに接着するという簡単で容易な作業によってブレードをテレスコピックカバーに固定して、従来のスポット溶接したり、リベットやネジで止めた場合に比較して、作業時間を短縮し、固定コストを削減することに目的がある。
さらに、本発明は、前述したように、極薄金属板のブレードにエポシキ系接着剤を塗布してテレスコピックカバーの各パーツカバーに接着して、作動中のブレードの脱落の問題を改善することに目的がある。
本発明は、極薄金属板のブレードを接着したテレスコピックカバーに関するもので、バネ用ステンレス鋼、焼き入れリボン鋼を板厚0.01〜0.3mmにした極薄金属板のブレードの表面の全面に、エポシキ系接着剤を塗布し、これをハイテンション鋼製または17%Cr−2%Niを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼製の金属薄板で形成したテレスコピックカバーの各パーツカバーの端部の裏面に接着したことに特徴がある。
また、本発明は、前述したバネ用ステンレス鋼、焼き入れリボン鋼製の極薄金属板のブレードを接着したテレスコピックカバーを、17%Cr−2%Niを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼製の金属薄板で形成したパンタグラフを取り付け、パンタグラフの緩衝作用やブレーキング作用によって、テレスコピックカバーのパーツカバーの摺動性、安定性、同時連動性、直進性を向上して、テレスコピックカバーを軽快に、騒音を軽減してし、安定して摺動させることに特徴がある。
本発明によると、極薄金属板のバネ用ステンレス鋼、焼き入れリボン鋼製のブレードの表面の全面をテレスコピックカバーの各パーツカバーの端部の裏面に、エポシキ系接着剤によって接着して、ブレードとテレスコピックカバーの接地面積を、従来のブレードをテレスコピックカバーに溶接したり、リベットやネジで固定した場合より大きくすることによって、ブレードをテレスコピックカバーに保持、固定する引っ張り強度を強くすることが可能であり、ブレードに大きな力や、異常なショックを受けても、テレスコピックカバーよりブレードが剥離しない優れた長所があり、従来の場合に比較して長期間、安定して使用することが可能である。
また、本発明は、前述したように、極薄金属板のバネ用ステンレス鋼、焼き入れリボン鋼製のブレードにエポシキ系接着剤を塗布してテレスコピックカバーの各パーツカバーに接着するという簡単で容易な作業によってブレードをテレスコピックカバーに固定して、従来のスポット溶接したり、リベットやネジで止めた場合に比較して、作業時間を短縮し、固定コストを削減できるメリットがある。
また、本発明によると、テレスコピックカバーに極薄金属板のブレードの全面を接着するために、隙間のない状態で各パーツカバーをシールでき、切り粉と切削用水等を確実に排出することが可能であり、テレスコピックカバーの内部の工作機械の移動機構に切り粉と切削用水等の侵入を防止することが可能であり、ひいては、工作機械の移動機構の円滑な摺動性を保持して、工作機械の性能を十分に発揮させることができる利点がある。
さらに、バネ用ステンレス鋼、焼き入れリボン鋼製の極薄金属板のフレードは、硬度、弾力性、物理的強度等が、従来の場合に比較して、格段と高く、かつ、薄くて、接地面積が小さく、摩擦抵抗が小さいという特性があるために、ブレードの耐久性、摺動性、シール性、スイーピング性を、従来の場合に比較して、数段に向上させることができる利点がある。
さらに、本発明によると、テレスコピックカバーに、ハイテンション鋼製または17%Cr−2%Niを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼製の金属薄板で形成したパンタグラフを取り付けることによって、パンタグラフの全体が相互に連動することによって起こる緩衝作用、ブレーキング作用によって、各パーツカバーを、同時に、連動して、等距離で、直進性を持たせて、スムースに移動させることが可能であって、テレスコピックカバーを全体的として軽快に、金属騒音を軽減して、安定して往復摺動させることができ、特に、パンタグラフを、軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相との微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼で製作することによって、パンタグラフを極薄状、極軽量にできるばかりか、パンタグラフの硬度、弾力性、物理的強度、耐久性等の性能も格段に向上させることができる。
本発明の極薄金属板のバネ用ステンレス鋼製のブレード(ブレードという)を設けたテレスコピックカバーの一例を工作機械に取り付けた場合について説明すると、テレスコピックカバー1の基本的構成は、図1と2に示す従来のテレスコピックカバーと同じであり、厚さが0.5〜3mmの金属薄板のパーツカバー2a〜gを摺動可能に積層して形成し、次に、図5に示すように、エポシキ系接着剤、たとえば、一液エポシキ過熱硬化型接着剤Sをブレード3の表面の全面に塗布して、接着剤Sの全面によってパーツカバー2a〜g端部の裏面に接着する。
テレスコピックカバー1のパーツカバー2aに、図6に示すように、工作機械11の主軸頭等の移動機構9を取り付けるとともに、パーツカバー2gに工作機械11の固定機構10を取り付け、これらのパーツカバー2a〜gの端部を摺動可能にガイト8に挿入するが、パーツカバー2aに工作機械11固定機構10を取り付け、パーツカバー2gに工作機械11の移動機構9を取り付けてもかまわなく、場合によっては、パーツカバー2aとパーツカバー2gに、工作機械11の移動機構9を取り付ける。
ブレード3を固定した各パーツカバー2a〜gは、テレスコピックカバーとして、パーツカバー2aに固定したブレード3は、パーツカバー2bの被摺動面を押圧して摺動し、また、パーツカバーの2bに固定したブレード3は、パーツカバー2cの被摺動面を押圧して摺動し、以下、パーツカバー2cのブレード3はパーツカバー2dの被摺動面を、それぞれ押圧して摺動するように構成する。
テレスコピックカバー1のパーツカバー2a〜gには、パンタグラフ4を取り付けて、テレスコピックカバー1としての直進性と摺動性を向上させるが、パンタグラフ4を取り付ける機構の一例としては、図2と4に示すように、パンタグラフ4の連結バー5の各交差箇所に回転可能に挿着した取付軸9を、各金属薄板のパーツカバー2a〜gの下部側面の一端部に固定した軸受6に、それぞれ回転可能に挿填する。
テレスコピックカバー1の作動状態を図6に従って説明すると、工作機械11の移動機構9の左方向への移動にしたがって、テレスコピックカバー1の各パーツカバー2a〜gを左方向に伸展させるとともにパンタグラフ4も伸展させて、その先端パーツに取り付けた極薄金属板のブレード3を左方向に摺動させることによって、切り粉や切削用水等を外部に排出し、次いで、工作機械11の移動機構9の右方向への移動にしたがって、各パーツカバー2a〜gを右方向に収縮させるとともにパンタグラフ4も収縮させて、ブレード3を右方向に摺動させることによって、切り粉や切削用水等を外部に排出する。
テレスコピックカバー1の金属薄板のパーツカバー2の材質としては、前述したステンレス鋼を使用してもよいが、ハイテンション鋼または17%Cr−2%Niを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼を使用することによって、パーツカバー2の物理的強度を一段と高めてもよい。
テレスコピックカバー1の金属薄板のパーツカバー2の枚数は3〜30枚でよく、また、パーツカバー2の幅は5〜200cm、長さは5〜50cmが適当であり(各パーツカバー2の幅と長さについては1〜10cmの差を付けてもよい)、さらに、パーツカバー2の形状は前述した長方形以外に、楕円形や円形でもよい。
極薄金属板のブレード3としては、幅が0.5〜3cm、長さが1〜5cm、板厚が0.01〜0.3mmのものを、パーツカバーの2の端部の摺動個所に1〜5mmの間隔を置いて固定するが、ブレード3の個数としてはパーツカバー2の大きさによって左右されるが、通常の場合には2〜8個/10cm(パーツカバー当たり)が適当である。
ブレード3の材質としては、バネ用ステンレス鋼、焼き入れリボン鋼を用い、これらを板厚0.01〜0.3mmにした極薄金属板のブレード3として使用するが、これらの素材以外にも、炭素量0.03〜0.1%、クロム量10〜20%を含む鉄鋼またはステンレス鋼(以下単に低炭素含有量で高クロム含有量のステンレス鋼という)を用いることが好ましく、高強度(引張強さ2000〜2000N/mm2 )の優れた特性を有し、たとえば、日新製鋼(株)の高強度ステンレス鋼として、SUS631、NSSHT1770、NSSHT1960、NSSHT2000が存在する。
また、低炭素含有量で高クロム含有量のステンレス鋼は、硬度(耐摩耗性)に富み、この優れた特性を有する素材を板厚0.01〜0.3mmにして極薄で小型、軽量のブレード3に利用することに特徴がある。
さらに、ブレード3の板厚を0.01〜0.3mm(望ましくは0.05〜0.1mm)の極薄金属板にするのは、ブレード3として使用する際の引っ張り強度を強くするとともに、ブレード3を薄く、小型、軽量、コンパクトにするとともに、テレスコピックカバー1の被摺動面との接地面積を小さくし、摩擦抵抗を軽減して、テレスコピックカバー1の摺動個所または移動機構に余分な荷重、負担をかけず、テレスコピックカバー1の駆動電力を節減するためである。
さらに、パーツカバーの2の端部の摺動個所に、ブレード3を固定するについては、ブレード3の先端を、くの字状またはへの字状に折り曲げると、ブレード3の精度が一層よくなり、ブレード3の腰が一段と強くなり、より安定した押圧性を保持し、流体や狭雑物のシール性やワイピング性を格段に向上させることができる。
ブレード3とパーツカバー2の接着剤について、アクリル系接着剤を始としていろいろ実験を行ったが、ブレード3の素材であるバネ用ステンレス鋼、焼き入れリボン鋼と、パーツカバー2の素材であるハイテンション鋼製または17%Cr−2%Niを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼との接着には、エポシキ系接着剤以外の接着剤では十分な接着力、すなわち、せん断力、引張強度を期待できず、なかでも、せん断力100kg/平方cm以上のエポシキ系接着剤が最適であり、一液エポシキ過熱硬化型接着剤、たとえば、スコッチ・ウエルドXA7416(住友スリーエム株式会社製))や二液エポシキ室温硬化型接着剤、たとえば、スコッチ・ウエルドDP­−460、EXA接着システム(住友スリーエム株式会社製))が最も望ましいブレード3とパーツカバー2の接着力(300kg/平方cmせん断力、引張強度)を発揮することを確認した。
パンタグラフ4の材質としては、ステンレス鋼やハイテンション鋼を使用してもよいが、17%Cr−2%Niを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼を用いることによって、パンタグラフ4の物理的強度を高めてもよい。
パンタグラフ4の取付軸9の材質として、ステンレス鋼を使用してもよいが、タフトライド窒化処理をしたステンレス鋼を使用すると、この取付軸9は、その表面が硬化されているために非常に摺動性と物理的強度に優れており、前述した産業機器の移動機構に取り付けたテレスコピックカバー1のパンタグラフ4の連結バー5の取付軸9に使用して過大な力がかかっても、その表面が破損してガタが生じることがなく、かつ、取付軸9は内部までは硬化されていないために柔軟性があり、取付軸9が曲がったり、折れたりすることがなく、端部全体にパンタグラフ4の伸縮性、摺動性を向上させ、長期間に渡って安定して、円滑に作動させる。
また、パンタグラフ4の連結バー5としては、厚さ0.1〜3mmのばねステンレス薄板鋼を2〜10枚を積層したものを用いると、このステンレス薄板鋼を積層した連結バー5は、弾性、バネ性、物理的強度が一段と強くなり、タワミ係数も一層高くなるために、パンタグラフ4を弾力性に富んだものにすることができる。
すなわち、テレスコピックカバー1のパンタグラフ4として使用して過大な力がかかっても、薄くて、積層されたばねステンレス薄板鋼製の各連結バー5は相互にひなって、緩衝して耐え凌ぎ、曲がったり、折れたりすることはなく、パンタグラフ4の伸縮性、摺動性、直進性を一段と向上し、パンタグラフ4を一層長期間に渡ってより安定して、円滑に作動する。
また、パンタグラフ4の連結バー5を積層したものにすると、積層した各連結バー5の側面の間に一度潤滑油等の油を注入すると、毛細管的作用で各連結バーの8側面間の全体に潤滑油等の油が浸透して行き、各連結バーの側面に潤滑油等の油を常に含浸状態に保持でき、パンタグラフ4が摺動する際、各連結バー5の相互のひなりや緩衝性は一段と向上する。
さらに、積層した各連結バー5の側面から潤滑油の油が滲み出てきて、各連結バー5や取付軸9の周辺に、絶えず潤滑油の油を供給することになり、パンタグラフ4の伸縮性、摺動性、直進性はより一段と向上し、パンタグラフ4をより一層長期間に渡って格段に安定して、円滑に作動できるとともに、各連結バー5や取付軸9が摩耗することなく、異音や故障も発生しない。
テレスコピックカバー1のパーツカバーの2a〜gの直進性と摺動性を向上させるためには、テレスコピックカバー1にパンタグラフ4を取り付けてもよく、この場合には、テレスコピックカバー1にパンタグラフ4を2列に間隔を置いて平行に取り付けることが望ましい。
前述したブレード3を固定したテレスコピックカバー1に工作機械11の主軸頭等の移動機構9を装填する他の機構としては、テレスコピックカバー1のパーツカバーの端部の2aまたは2dに、図6に示すような切込部11を設けて、この切込部11に工作機械11の主軸頭等の移動機構9を挿填してもよく、また、この切込部11を向かい合わせに組み合わせて工作機械11の主軸頭等の移動機構9を挿填してもよく、さらには、テレスコピックカバー1の中央のパーツカバー2aに、工作機械11の主軸頭等の移動機構9を装填する設置口12を設けてもかまわない。
ブレード3を固定したテレスコピックカバー1の2セットの間に工作機械11の主軸頭等の移動機構9を挿填した場合の作動状態を図6に従って説明すると、産業機器5の移動機構9が左方向に移動すると、一方のテレスコピックカバー1のパーツカバー2a〜gも左方向に摺動して収縮するとともに、パンタグラフ4も摺動して収縮し、ブレード3による多点接触摺動を行うことによって、切り粉や切削用水等を排出し、同時に、他方のテレスコピックカバー1のパーツカバー2a〜gも左方向に摺動して伸展するとともに、パンタグラフ4も摺動して伸展し、ブレード3による多点接触摺動を行うことによって、切り粉や切削用水等を排出する。
次に、産業機器5の移動機構9が右方向に移動すると、一方のテレスコピックカバー1のパーツカバー2a〜gも右方向に摺動して収縮するとともに、パンタグラフ4も摺動して伸展し、ブレード3による多点接触摺動を行うことによって、切り粉や切削用水等を排出し、同時に、他方のテレスコピックカバー1のパーツカバー2a〜gも右方向に摺動して収縮するとともに、パンタグラフ4も摺動して収縮し、ブレード3による多点接触摺動を行うことによって、切り粉や切削用水等を排出し、以後、前述した各操作を交互に繰り返す。
ブレード3の他端を、工作機械11の被摺動面4に押圧する際の圧力は、前述した従来のばね用ステンレス、焼き入れリボン鋼製の金属薄板製のブレードの場合には、50〜600g(100mm当たり)の圧力であったが、極薄金属板の低炭素含有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼製のブレード3の場合には、10〜300g(100mm当たり)の圧力であり、摩擦抵抗が少なく、ブレード3や工作機械11の被摺動面4等に余分な荷重、負担がかからず、良好なシール性とワイピング性を発揮する。
本発明のテレスコピックカバーとして、の17%Cr−2%Niを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼製(板厚1mm、長さ340mm、幅30mm)の10枚のパーツカバーの周辺下面に、バネ用ステンレス鋼製のブレード(板厚0.1mmの長さ340mm、幅20mm)の全面に一液エポシキ過熱硬化型接着剤(スコッチ・ウエルド(住友スリーエム株式会社製))を塗布して、図4に示すように接着(引張強度68 kg×340mm×20mm=4.624 kg)するとともに、板厚3mmの17%Cr−2%Niを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼製のパンタグラフ2本を50cmの間隔で取り付けてテレスコピックカバーを構成した。
さらに、比較例として、前述した10枚のパーツカバーとブレードとを、図5に示すように、四個所100mm間隔でスポット溶接して固定(引張強度276 kg×4=1.104 kg)してテレスコピックカバーを構成した。
前述した本発明と比較例のテレスコピックカバーとによって、別個の工作機械を覆うとともに、テレスコピックカバーの一端のパーツカバーを各工作機械のベットに取り付けるとともに、その他端のパーツカバーを各工作機械の固定枠体に固定し、工作機械を作動させて、テレスコピックカバーを1m/秒の速度で移動(距離50cm)させ、切り粉と切削用水等の排出を行ったが、本発明と比較例のテレスコピックカバーの各ブレード(一枚)は以下の表に記載したような状態であった。
表
以上で明らかなように、本発明のテレスコピックカバーのブレードは、従来のテレスコピックカバーのブレードに比較して、ブレードのテレスコピックカバーへの接着面積は160〜180倍と大きくなり、引張強度は4〜5倍と強度が増し、ブレードの取付作業は熟練技術がない技術者でも行うことができ、しかも、作業時間は2〜3分の1、製造コストも5〜6分の1と低減でき、さらに、ブレードの耐久性も10〜12倍に寿命を伸ばすことができた。
本発明は、工作機械を覆うとともに、工作機械の主軸頭、ベッド、テーブル、コラム、ピストン、シリンダー、ATCカバー等の移動機構に従って摺動する極薄金属板のブレードを接着したテレスコピックカバーとして利用でき、特に
昨今の高性能の高速摺動の工作機械に取り付ける極薄金属板のブレードを接着したテレスコピックカバーとして利用できる。
昨今の高性能の高速摺動の工作機械に取り付ける極薄金属板のブレードを接着したテレスコピックカバーとして利用できる。
1 テレスコピックカバー
2 パーツカバー
3 ブレード
4 パンタグラフ
5 連結バー
6 軸受
7 取付軸
8 ガイド
9 移動機構
10 固定機構
11 工作機械
12 切込口
13 取付口
2 パーツカバー
3 ブレード
4 パンタグラフ
5 連結バー
6 軸受
7 取付軸
8 ガイド
9 移動機構
10 固定機構
11 工作機械
12 切込口
13 取付口
Claims (2)
- バネ用ステンレス鋼、焼き入れリボン鋼を板厚0.01〜0.3mmにした極薄金属板のブレードの表面の全面にエポシキ系接着剤を塗布して、ハイテンション鋼製または17%Cr−2%Niを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼製の金属薄板で形成したテレスコピックカバーの各パーツカバーの端部の裏面に接着した極薄金属板のブレードを接着したテレスコピックカバー。
- テレスコピックカバーに、17%Cr−2%Niを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼製の金属薄板で形成したパンタグラフを取り付けた請求項1記載の極薄金属板のブレードを接着したテレスコピックカバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007110429A JP2008264922A (ja) | 2007-04-19 | 2007-04-19 | 極薄金属板のブレードを接着したテレスコピックカバー |
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CN104178914A (zh) * | 2014-07-30 | 2014-12-03 | 华南理工大学 | 一种将长纤维丝材编织成形制造结构件的方法 |
WO2015119030A1 (ja) * | 2014-02-06 | 2015-08-13 | バンドー化学株式会社 | 工作機械用シール部材 |
-
2007
- 2007-04-19 JP JP2007110429A patent/JP2008264922A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015119030A1 (ja) * | 2014-02-06 | 2015-08-13 | バンドー化学株式会社 | 工作機械用シール部材 |
JP5947471B2 (ja) * | 2014-02-06 | 2016-07-06 | バンドー化学株式会社 | 工作機械用シール部材 |
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