JP2008264161A - 吸収体及び吸収体の製造方法、並びに使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】製造時ないし使用時におけるSAPの脱落を防止することができ、柔軟性及び吸収性能に優れた吸収体及びその製造方法、並びに前記吸収体を用いた使い捨ておむつを提供するものである。
【解決手段】可撓性材料からなる基材シート2と、粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子4)と、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマット6と、を有し、基材シート2に、少なくともSAP粒子4を含むSAP組成物8が固着された高吸水性シート10Aが形成されており、高吸水性シート10Aと、パルプマット6とが積層された積層構造を有し、高吸水性シート10Aは、基材シート2に、SAP粒子4が、他のSAP粒子と相互に結合されて形成される板状構造体の状態で固着されるとともに、板状構造体の少なくとも一部の構造が破壊されている吸収体1A。
【選択図】図1B

Description

本発明は、高吸水性樹脂を含む吸収体及びその吸収体の製造方法、並びに前記吸収体を備えた使い捨ておむつに関するものである。
従来、使い捨ておむつ、生理用品等に使用する吸収体として、高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer:SAP)を基材に担持させたもの等が使用されてきた。このような吸収体としては、身体に装着するため、薄く、高い吸収性能を有するものが望まれている。そのため、より薄く、吸収性能が高い吸収体として、例えば、不織布等からなる基材シートに、結合剤等を用いてSAPを固着(担持)させることによって、薄く形成した吸収体(例えば、特許文献1〜4参照)や、SAPとパルプ等の繊維状材料とを均一に混合しシート状に形成したシート状吸収体が開発されている(例えば、特許文献5参照)。
特許第3196933号公報 特開2000−24033号公報 特開昭56−60556号公報 特開昭53−4789号公報 特表2003−508647号公報
しかし、これらのシート状吸収体は、吸収性能を更に向上させるために、SAPの固着量(担持量)を増やそうとしても、SAPが基材シートや繊維状材料に対して十分に固着し難く、固着量を増加させることが困難であるという問題があった。
また、製造時にSAPの脱落が発生すると、製造ラインを汚損し、また、脱落したSAPが製品に付着し、着用者の肌に付着するという問題が発生するため好ましくない。更には、SAPの脱落によって、当初設計した吸収性能を発揮できなくなるおそれがある。
更に、本来、SAPは硬質な素材であるため、吸収体への固着量を増やすと、吸収体に硬い触感を与え易い。これに加えて、SAPの固着量を増加させると、SAPの脱落を防止するために、結合剤の量を増やす、SAPを強く押圧して押し固める等の措置を講ずる必要があり、吸収体全体が硬くなるという不具合がより顕著に発生するという問題がある。このような不具合は、使い捨ておむつ等の製品に適用した場合に、装着感やフィット性を低下させるため、好ましくない。
更にまた、SAPの固着量を増加させた場合でも、その増加量ほどには吸収体の吸収性能が向上していないという問題もあった。
このように、現在のところ、製造時ないし使用時におけるSAPの脱落を防止することができ、柔軟性及び吸収性能に優れた吸収体は開示されておらず、そのような吸収体及びそのような吸収体を製造し得る製造方法が切望されている。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、製造時ないし使用時におけるSAPの脱落を防止することができ、柔軟性及び吸収性能に優れた吸収体及びその製造方法、並びに前記吸収体を用いた使い捨ておむつを提供するものである。
本発明者は、前記従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、SAPが固着された吸収体においては、SAP粒子によって板状の構造体が形成されており、その板状の構造体が吸収体の柔軟性や吸収性能を低下させる原因であることを見出した。そして、SAPを吸収体に固着させた後に、形成された板状構造体を破壊することによって、上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の吸収体及び吸収体の製造方法、並びに使い捨ておむつが提供される。
[1] 可撓性材料からなる基材シートと、粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子)と、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマットと、を有し、前記基材シートに、少なくとも前記SAP粒子を含むSAP組成物が固着された高吸水性シートが形成されており、前記高吸水性シートと、前記パルプマットとが積層された積層構造を有し、前記高吸水性シートは、前記基材シートに、前記SAP粒子が、他のSAP粒子と相互に結合されて形成される板状構造体の状態で固着されるとともに、前記板状構造体の少なくとも一部の構造が破壊されている吸収体。
[2] 粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子)と、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマットと、を有し、少なくとも前記SAP粒子を含むSAP組成物がシート状に形成された高吸水性シートが形成されており、前記高吸水性シートと、前記パルプマットとが積層された積層構造を有し、前記高吸水性シートは、前記SAP粒子が、他のSAP粒子と相互に結合されて形成される板状構造体の状態で存在するとともに、前記板状構造体の少なくとも一部の構造が破壊されている吸収体。
[3] 前記高吸水性シートが、前記SAP組成物の全質量に対し、前記SAP粒子を50〜90質量%含有するものである前記[1]又は[2]に記載の吸収体。
[4] 前記高吸水性シートが、親水性シートによって被包された状態で、前記パルプマットに積層されたものである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の吸収体。
[5] 前記SAP粒子が、前記SAP粒子を構成する高吸水性樹脂分子同士の水素結合によって他のSAP粒子と相互に結合され、前記板状構造体を形成している前記[1]〜[4]のいずれかに記載の吸収体。
[6] 前記SAP粒子100質量部に対し、保湿剤を1〜50質量部含有するものである前記[1]〜[5]のいずれかに記載の吸収体。
[7] 前記SAP組成物が、前記SAP粒子とともに、繊維状材料を含むものである前記[1]〜[6]のいずれかに記載の吸収体。
[8] 前記[1]〜[7]のいずれかに記載の吸収体と、前記吸収体の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の裏面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートと、を備えた使い捨ておむつ。
[9] 可撓性材料からなる基材シートに、少なくとも粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子)を含むSAP組成物が固着された高吸水性シートを得る高吸水性シート形成工程と、前記高吸水性シートと、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマットとを積層して積層構造の吸収体を得る吸収体製造工程とを備え、前記高吸水性シート形成工程において、前記SAP粒子を、他のSAP粒子と相互に結合させた板状構造体を形成するとともに、前記高吸水性シート形成工程以降の工程で、前記高吸水性シートの前記板状構造体の少なくとも一部の構造を破壊する板状構造体破壊工程を更に備えた、吸収体の製造方法。
[10] 少なくとも粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子)を含むSAP組成物をシート状に形成して高吸水性シートを得る高吸水性シート形成工程と、前記高吸水性シートと、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマットとを積層して積層構造の吸収体を得る吸収体製造工程とを備え、前記高吸水性シート形成工程において、前記SAP粒子を、他のSAP粒子と相互に結合させた板状構造体を形成するとともに、前記高吸水性シート形成工程以降の工程で、前記高吸水性シートの前記板状構造体の少なくとも一部の構造を破壊する板状構造体破壊工程を更に備えた、吸収体の製造方法。
[11] 前記高吸水性シートを一対の押圧ロール間に送り込み、押圧することによって、前記板状構造体の少なくとも一部の構造を破壊する前記[9]又は[10]に記載の吸収体の製造方法。
[12] 前記高吸水性シート及び前記パルプマットのうちの少なくとも一方の表面に、前記SAP粒子100質量部に対し、水を1〜100質量部付着させ、前記水が付着された表面を当接面として、前記高吸水性シートと、前記パルプマットとを積層する前記[9]〜[11]のいずれかに記載の吸収体の製造方法。
[13] 前記高吸水性シート及び前記パルプマットのうちの少なくとも一方の表面に、前記水とともに、前記SAP粒子100質量部に対し、保湿剤を1〜50質量部付着させ、前記水並びに前記柔軟剤及び前記保湿剤のうちの少なくとも1種が付着された表面を当接面として、前記高吸水性シートと、前記パルプマットとを積層する前記[12]に記載の吸収体の製造方法。
本発明の吸収体は、製造時ないし使用時におけるSAPの脱落を防止することができ、しかも柔軟性及び吸収性能に優れる。また、本発明の製造方法は、前記のような吸収体を極めて簡便に製造することができる。
以下、本発明の吸収体及び吸収体の製造方法を実施するための最良の形態について具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える吸収体及び吸収体の製造方法を広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
[1]吸収体:
本発明の吸収体の第一の実施形態は、例えば、図1A及び図1Bに示す吸収体1Aのように、可撓性材料からなる基材シート2と、粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子4)と、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマット6と、を有し、基材シート2に、少なくともSAP粒子4を含むSAP組成物8が固着された高吸水性シート10Aが形成されており、高吸水性シート10Aと、パルプマット6とが積層された積層構造を有し、高吸水性シート10Aは、基材シート2に、SAP粒子4が、他のSAP粒子と相互に結合されて形成される板状構造体の状態で固着されるとともに、板状構造体の少なくとも一部の構造が破壊されているものである。
また、本発明の吸収体の第二の実施形態は、例えば、図2に示す吸収体1Bのように、粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子4)と、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマット6と、を有し、少なくともSAP粒子4を含むSAP組成物がシート状に形成された高吸水性シート10Bが形成されており、高吸水性シート10Bと、パルプマット6とが積層された積層構造を有し、高吸水性シート10Bは、SAP粒子4が、他のSAP粒子と相互に結合されて形成される板状構造体の状態で存在するとともに、板状構造体の少なくとも一部の構造が破壊されているものである。
本発明の吸収体は、前記いずれの実施形態を採る場合であっても、SAP粒子同士が相互に結合されて形成される板状構造体の一部を破壊している点に特徴がある。SAP粒子を基材シートに対して、或いはSAP粒子同士で固着させようとした場合、SAP粒子を構成する高吸水性樹脂分子同士の水素結合により、或いは結合剤の結合力により、ある程度の剛性をもった硬質な板状の構造体が形成される。
従前の吸収体では、この板状構造体が吸収体の柔軟性を低下させる原因となっていた。特に、SAPの固着率を増加させようとすると、SAP粒子同士の結合を強固なものとする必要があり、柔軟性の低下が顕著なものとなっていた。また、SAPの固着率を高めようとすると、SAP粒子が密に配置されることになり、高吸水性樹脂が水を吸収しても、膨潤するための空隙が少ない。従って、SAPの量を増加させた場合でも、その増加量ほどには吸収性能が向上しないという問題があった(ゲルブロッキング)。
そこで、本発明の吸収体においては、前記板状構造体の少なくとも一部の構造を破壊することとした。こうすることにより、吸収体に柔軟性を付与することが可能となる。また、SAP粒子を板状構造体の状態で吸収体に配置・導入し、その後、板状構造体を破壊すればよいので、パルプ等の繊維状材料中にSAP粒子を分散させた場合と比較して、吸収体の特定部分に集中的にSAPを配置することも可能である。また、破壊によってSAP粒子間に空隙が形成されるので、ゲルブロッキングの問題も解消することができ、固着させたSAP粒子の量に応じた吸収性能を発揮させることができ、結果として、吸収体全体の吸収性能を向上させることが可能となる。
なお、本明細書にいう「破壊」とは、SAP粒子同士が相互に結合されて形成される「板状構造体」の破壊を意味し、「高吸水性シート」自体の破壊を意味するものではない。即ち、本明細書にいう「破壊」とは、SAP粒子が基材シートやパルプマットに対して固着された状態をほぼ維持したまま、前記板状構造体を構成するSAP粒子間の結合のうち、主として高吸水性シートの面方向(水平方向)への結合が破壊されている状態を意味するものである。この「破壊」により、高吸水性シートは、その厚さ方向(鉛直方向)に多数の亀裂(空隙)が形成されたような状態となる。この空隙によって、高吸水性シートの剛性を低下させることができ、剛直な高吸水性シートに柔軟性を付与することができる。また、高吸水性シートに空隙が形成されることによって、高吸水性樹脂が膨潤するスペースが形成されるため、ゲルブロッキングの問題も解消される。
なお、「破壊」には、高吸水性シートにSAP粒子の大半が保持されている限り、SAP粒子が基材シートやパルプマットに対して固着された状態を維持していない状態や高吸水性シートの厚さ方向(鉛直方向)への結合が破壊されている状態も含まれる。例えば、図1Aに示す高吸水性シート10Aのように、二枚の基材シート2の層間にSAP組成物8を挟み込む形態を採用した場合や、同じく図1Aに示すように、SAP組成物8として、SAP粒子4と繊維状材料12(パルプ等)との混合物を用いた場合等には、SAP粒子4が基材シート2やパルプマット6に対して固着された状態を維持しておらず、高吸水性シート10Aの厚さ方向(鉛直方向)への結合が破壊されていても、二枚の基材シート2や繊維状材料12によって、SAP粒子4の大半が高吸水性シート10Aに保持される。このような状態も、本明細書にいう「破壊」に含まれるものとする。
[1−1]高吸水性シート:
本明細書にいう「高吸水性シート」は、粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子)を含む吸収性材料であり、図1A及び図1Bに示す高吸水性シート10Aのように、可撓性材料からなる基材シート2に、少なくともSAP粒子4を含むSAP組成物8が固着されたシート状部材である。但し、後述するように、基材シートを有しておらず、SAP組成物のみがシートを形成しているものも、本明細書にいう「高吸水性シート」に含まれる。
[1−1a]基材シート:
本明細書にいう「基材シート」は、可撓性材料からなるシート状部材であり、SAP粒子を担持する担体となるものである。「基材シート」として可撓性材料を用いるのは、SAP粒子によって形成される板状構造体を破壊した後においても、できる限りSAP粒子が基材シートに固着(担持)された状態を維持するためである。「可撓性材料」としては、紙や布のシート、より具体的には、ティシュ、吸水紙、不織布等からなるシートを好適に用いることができる。
不織布としては、乾式法による乾式不織布、湿式法による湿式不織布、或いはこれらを複合した手法による不織布等を挙げることができる。このような不織布としては、以下、全て商品名で、「キノクロス」、「TDS不織布」(いずれも王子キノクロス社製)等を挙げることができる。また、高圧ジェット水流による水流交絡等の手法によって、短繊維が安定的に結合された構造の不織布を用いることもできる。
不織布を構成する繊維としては、見掛けデニールが1〜10デニールの繊維であることが好ましい。また、繊維の材質としては、レーヨン(再生セルロース繊維)、リヨセル(精製セルロース繊維)、コットン等のセルロース系繊維、ポリプロピレン(PP)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維等を挙げることができ、セルロース系繊維と、PP繊維やPET繊維との混合繊維のように、これらの繊維を2種以上混合させた混合繊維を構成繊維とする不織布を用いることもできる。PP繊維、PET繊維等の合成繊維を主体とする繊維からなる不織布については、界面活性剤等で親水化処理されたものを用いることが好ましい。
なお、本明細書にいう「高吸水性シート」は、必ずしも前記のような基材シートにSAP組成物が固着されたものに限られず、例えば、図2に示す高吸水性シート10Bのように、少なくともSAP粒子4を含むSAP組成物8がシート状に形成されたものであってもよい。即ち、SAP組成物8が担体である基材シートに固着されることなく、SAP組成物8自体でシートを形成しているものも「高吸水性シート」に含まれる。
[1−1b]粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子):
本明細書にいう「高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer:SAP)」とは、自重の30倍以上の生理食塩水(食塩濃度0.9質量%)を吸収し得る性能を有する樹脂を総称するものである。
前記のような性質を有する樹脂である限り、その化学的構造等については特に制限はない。例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸及びその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリスルフォン酸系化合物、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド等の水膨潤性ポリマーを部分架橋したポリマー、及びイソブチレンとマレイン酸との共重合体等の水和ゲル形成能を持つ樹脂等を挙げることができる。
「高吸水性樹脂」は、上記のような合成樹脂のみならず、天然樹脂や生物学的な手法により得られる樹脂であってもよい。生物学的な手法により得られる樹脂としては、例えば、アルカリゲネス属ラタス(Alcaligenes Latus)からの培養生成物である高吸水性樹脂等を挙げることができる。また、「高吸水性樹脂」は、生分解性の樹脂であってもよい。生分解性を有する高吸水性樹脂としては、例えば、ポリアスパラギン酸のアミノ酸架橋物等を挙げることができる。
本発明の吸収体においては、「高吸水性樹脂」として、均一な混合・分散が容易な粒子状のもの(SAP粒子)を用いる。この「粒子状」には、いわゆる粒子状の他、例えば、顆粒状、フレーク状、ペレット状、短針状等の種々の形状も含まれる。
SAP粒子の粒径については特に制限はなく、吸収体に要求される吸収特性等に応じた粒径ないし粒度分布のものを適宜選択して用いることができる。一般的には、粒径が小さすぎると、(1)高吸水性シートを形成する際に歩留まりが低下する、(2)高吸水性シートの通液性が低下する、といった不具合を生ずるおそれがあり、逆に粒径が大きすぎると、(3)SAP粒子の比表面積が小さくなり吸収速度が低下する傾向がある。
従って、SAP粒子としては、篩い分け法で測定した粒径が300μm〜710μmの粒子を主たる成分とするものを用いることが好ましい。より具体的には、150μm未満の粒径の粒子が10質量%以下、150μm以上、300μm未満の粒径の粒子が10〜40質量%、300μm以上〜500μm未満の粒径が40〜60質量%、500μm以上710μm未満の粒子が10〜40質量%、710μm以上の粒径が10質量%以下、の粒度分布を有するSAP粒子を好適に用いることができる。
[1−1c]繊維状材料:
前記SAP粒子は、「SAP組成物」として基材シートに固着させる。本明細書にいう「SAP組成物」は、少なくともSAP粒子を含む組成物を意味し、SAP粒子のみからなるもの、SAP粒子と他の材料との混合物の双方を含む概念である。
「SAP組成物」に混合する他の材料について特に制限はないが、パルプ、合成繊維、或いはこれらの混合物等の繊維状材料を用いることが好ましい。即ち、SAP組成物は、SAP粒子とともに、繊維状材料を含むものであることが好ましい。例えば、図1A及び図1Bに示す高吸水性シート10Aは、SAP粒子4と繊維状材料12を混合したSAP組成物8を基材シート2に固着させたものである。
パルプ等の親水性の繊維状材料を混合することにより、その繊維状材料に水分が一旦捕捉された後,SAPに移行させることが可能となる。このような構成は、単位質量当たりの吸収量は大きいが、初期の吸収速度に劣るというSAPの短所を補うことができるため好ましい。また、合成繊維のような比較的剛性のある繊維状材料を混合することにより、高吸水性シート全体の構造強度を確保することができる。例えば、合成繊維等の繊維状材料で比較的構造強度の高いネット状の構造体を形成し、このネット状構造体にSAP粒子を配置する形態も好ましい形態の一つである。更には、これらの繊維状材料を混合させることにより、高吸水性シートの内部に空隙が形成され易くなり、尿等の液体の拡散性を向上させることができ、吸収体全体を効率的に利用することができる。
「パルプ」としては、例えば、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)、非木材パルプ(例えば麻、楮、三椏、ガンピ、稲藁、麦藁、バナナ、バガス、月桃、ケナフ、竹、笹、ハトバショウ、カジノキ等のパルプ)等を挙げることができる。中でも、吸水性やマット状とした際の強度に優れ、入手も容易な針葉樹パルプを用いることが好ましい。
「合成繊維」としては、例えば、ポリオレフィン(PE、PP等)、ポリエステル(PET等)、レーヨン等を挙げることができる。合成繊維には、シートの保形性を向上させる効果があり好ましい。
[1−1d]結合剤:
前記SAP組成物には、SAP粒子、繊維状材料の他、結合剤を配合してもよい。「結合剤」とは、SAP粒子同士、SAP粒子と繊維状材料、これらと基材シート等の間に介在して結合を形成し、或いは、既にこれらの間で形成されている結合を補強するための添加剤である。「結合剤」を含有せしめることによって、SAP粒子同士、或いはSAP粒子と繊維状材料、SAP粒子と基材シートとの間に強固な結合が形成され、SAP粒子が高吸水性シートから脱落する不具合を効果的に防止することができる。
前記のような作用を奏する限り、結合剤の種類について特に制限はない。例えば、加熱により溶融し、温度が低下すると固化して強固な結合力を発揮する熱可塑性物質(例えば、ホットメルト接着剤等)を「結合剤」として用いることができる。
ホットメルト接着剤に限らず、熱可塑性物質であれば「接合剤」として用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂をフィルム状、繊維状、短繊維状、粉末状、綿状等の種々の形状に加工したものを「接合剤」として用いることも可能である。中でも、繊維長が0.8〜1.5mmで、融点が約131℃の高密度ポリエチレン繊維を「結合剤」として用いることが好ましい。
また、「結合剤」は、熱可塑性物質のような融着によって結合力を発揮するものに限られず、他の結合力を利用するものであってもよい。例えば、微細セルロース繊維(ミクロフィブリル化セルロース:Microfibrillated Cellulose。以下、「MFC」と略記する場合がある。)のように、構成分子間の水素結合によって結合力を発揮するものも「結合剤」として用いることができる。なお、MFCはセルロース繊維を微細に開繊することにより得られる繊維である。
[1−1e]組成、配置、その他:
高吸水性シートは、SAP組成物の全質量に対し、SAP粒子を50〜90質量%含有するものであることが好ましい。SAP粒子の含有量を50質量%以上とすることで、高い吸収性能を付与することができ、薄型でかつ吸収性能に優れた高吸水性シートを構成することが可能となる。一方、SAP粒子の含有量を90質量%以下とすることで、繊維状物質や結合剤を配合することが可能となり、これらの結合力によって、高吸水性シートからSAP粒子が脱落する事態を有効に防止することができる。
SAP粒子と繊維状材料との混合状態や配置位置については特に制限はない。高吸水性シートにおける吸収性能の位置的なばらつきを少なくし、いずれの部分においても十分な吸収性能を発揮させるという観点からは、SAP粒子と繊維状材料とが十分に混合され、均一に分散された状態となっていることが好ましい。一方、高吸水性シートの特定の部分(例えば、着用者の尿が排泄される股下部に対応する部分等)の吸収性能を高めたい場合には、当該部分にSAP粒子を多く配置してもよい。
基材シートにSAP組成物を固着させる場合のSAP組成物の配置方法についても特に制限はない。例えば、SAP組成物を基材シートの全面に固着させて配置してもよいし、基材シートの表面の一部に配置してもよい。一部に配置する方法としては、基材シートの表面に、平行する複数の帯状にSAP組成物を配置する方法、即ち、全体として縞状となるようにSAP組成物を配置する方法等を挙げることができる。
また、基材シートにSAP組成物を固着させる場合、基材シートの一方の表面にSAP組成物を固着させる形態、基材シートの双方の表面にSAP組成物を固着させる形態、二枚の基材シートの層間にSAP組成物を挟み込む形態のいずれの形態を採用してもよい。例えば、図1A及び図1Bに示す高吸水性シート10Aは、二枚の基材シート2の層間にSAP組成物8を挟み込んだ形態を採用した例である。
更に、高吸水性シートは、親水性シートによって被包されたものが好ましい。高吸水性シートを親水性シートで被包することにより、万が一、SAP粒子が高吸水性シートから脱落した場合でも、SAP粒子は親水性シートの内部に留まり、SAP粒子が外部に脱落する事態を有効に防止することができる。高吸水性シートは、本発明の吸収体の中間体であることから、吸収体の製造工程(例えば、高吸水性シートを形成する工程、高吸水性シートをパルプマットに積層する工程等)におけるSAP粒子の脱落を防止することができる。
本発明の吸収体は、SAP粒子が、他のSAP粒子と相互に結合されて形成される板状構造体の構造を一部破壊するという構成を採り、SAP粒子の脱落が発生する可能性もあるため、前記のような構成は有効である。親水性シートとしては、ティシュ、吸水紙、界面活性剤等で親水化処理された不織布等からなるシートを用いることが好ましい。
高吸水性シートの厚さについて特に制限はない。但し、0.5〜3.0mmとすることが好ましく、0.5〜2.0mmとすることが更に好ましい。厚さを0.5mm以上とすることで、SAP粒子の含有量を増加させることができ、必要な吸水性能を確保することができる。また、3.0mm以下とすることにより、薄型の吸収性材料を構成することができ、吸収性物品(使い捨ておむつ等)への適用が容易となる。
本発明の吸収体においては、市販のシート状吸収体を「高吸水性シート」として利用してもよい。例えば、エアレイド法で成形されたパルプマット中に、シート化されたSAPを組み込んだシート状吸収体(商品名:TDS不織布、王子キノクロス社製)、エアレイド法で成形されるパルプマットの中層にSAPを組み込んだシート状吸収体(商品名:B−SAP、王子キノクロス社製、前記特許文献4を参照)、パルプマット中にSAP粒子を均一に分散させたシート状吸収体(商品名:ノバシン、レイオニア社製、前記特許文献5を参照)、SAPを微細セルロース繊維と接着剤で不織布に固定した吸水性複合体(前記特許文献1を参照)等を挙げることができる。
[1−2]パルプマット:
「パルプマット」とは、字義通り、パルプがマット状に形成されたものである。「パルプマット」は、シート状吸水材の項で説明した「パルプ」を嵩高なマット状に加工することにより形成することができる。中でも、フラッフパルプを嵩高なマット状に加工したものを好適に用いることができる。このフラッフパルプとしては、木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを用いることが好ましい。
「パルプマット」は、高吸水性シートの項で説明した「高吸水性樹脂」を含有するものであることが好ましい。この場合、パルプマットを構成するパルプ中にSAP粒子が分散されていてもよいし、パルプマットを複数の層の積層体として構成し、その層間にSAP粒子の層を挟み込むように配置してもよい。「パルプマット」に含有させる高吸水性樹脂の含有量は、パルプマットの全質量に対して、10〜50質量%とすることが好ましい。
[1−3]積層構造:
吸収体は、着用者の尿、体液等の排泄物を吸収し、保持するための部材であり、尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。本発明の吸収体は、高吸水性シートとパルプマットという2種類の吸収性材料を構成材料として備えており、これらが積層された積層構造を有するものである。例えば、図1A及び図1Bに示す吸収体1Aでは、高吸水性シート10Aの上面とパルプマット6の下面とが当接するように、高吸水性シート10Aと、パルプマット6とが積層された積層構造を有している。
この積層構造においては、高吸水性シートとパルプマットの形状について特に制限はない。例えば、高吸水性シートをパルプマットの表面全体を覆うように配置する形態、高吸水性シートをパルプマットの表面の一部を覆うように配置する形態等を挙げることができる。中でも、高吸水性シートをパルプマットの表面の一部を覆うように配置する形態が好ましい。例えば、図1A及び図1Bに示す吸収体1Aは、高吸水性シート10Aをパルプマット6の表面の一部を覆うように配置した例である。
前記のような構成は、吸収性能に優れる高吸水性シートを特定の部位にのみ配置することができるという利点がある。例えば、図1Aに示す吸収体1Aは、図面上側を着用者の腹側(おむつの前身頃側)、図面下側を着用者の背側(おむつの後身頃側)に位置させて使い捨ておむつに配置することを意図したものであり、尿が排泄されるおむつの前身頃側に対応する部分に高吸水性シート10Aが配置されている例である。
また、前記のような配置とすると、高吸水性シートの縁部がパルプマットの縁部より内側に位置するため、パルプマットと比較して触感が硬い高吸水性シートの縁部が着用者の肌に対して当たり難くなる。従って、装着時の触感や肌触りがよい吸収体とすることができる。なお、高吸水性シートをパルプマットの表面の一部を覆うように配置する場合でも、尿を効率的に吸収させるため、股下部をカバーする長さに構成することが好ましい。
高吸水性シートとパルプマットとの積層体は、ティシュ、吸水紙、不織布等からなる親水性シートによって被包されたものが好ましい。前記積層体を親水性シートで被包することにより、万が一、SAP粒子が高吸水性シートから脱落した場合でも、SAP粒子は親水性シートの内部に留まり、SAP粒子が外部に脱落する事態を有効に防止することができる。高吸水性シートとパルプマットとの積層体は、最終製品である吸収体を構成することから、脱落したSAPが製品からこぼれ出し、着用者の肌に付着するという問題を解決するために有効な構成である。
例えば、図1A及び図1Bに示す吸収体1Aは、高吸水性シート10Aとパルプマット6との積層体を親水性シート14で被包した例である。この例では、親水性シート14として、ティシュからなるシート材を用いており、高吸水性シート10Aとパルプマット6との積層体が、上ティシュ16及び下ティシュ18という2枚のシート材によって被包されている。高吸水性シートを親水性シート材によって被包した上で、前記の構成を採用すると、SAP粒子の外部への脱落を防止する効果が高い点において好ましい。
[1−4]水:
本発明の吸収体は、一定量の水を含んでいることが好ましい。一定量の水を含ませることによって、SAP粒子を構成する高吸水性樹脂分子間に水素結合が形成され、製造時及び使用時におけるSAP粒子の脱落を効果的に防止することができる。また、高吸水性シートに適度な水分が保持され、硬くなり易い高吸水性シートに柔軟性を付与することが可能となる。従って、使い捨ておむつ等の着用者の肌に直接接触する吸収性物品に適用した場合でも、心地よいフィット感、装着感を与えることができる。
吸収体に含ませる水の量としては、高吸水性シートに含まれるSAP粒子100質量部に対し、水を5〜100質量部含有することが好ましい。水を5質量部以上含有させることにより、前記のSAP粒子の脱落を防止する効果、柔軟性を付与する効果が発揮される。一方、100質量部以下とすることにより、SAP粒子を構成する高吸水性樹脂の黄変という不具合を抑制することができる。これらの効果をより確実に得るためには、高吸水性シートに含まれるSAP粒子100質量部に対し、水を10〜30質量部含有することが更に好ましい。
水は吸収体全体に均一な含有率で存在していてもよいが、特定の部位に集中して存在していてもよい。前記のように、水はSAP粒子の脱落を防止する効果が大きいため、吸収体のうち、少なくとも高吸水性シートの部分に存在していることが好ましい。例えば、高吸水性シート及びパルプマット少なくとも一方の部材の表面に水を付着させておき、その表面を当接面として両部材を積層し、積層体を形成することによって、少なくとも高吸水性シートの部分に水を存在させることが可能となる。
水としては、蒸留水又はイオン交換水を用いることが好ましい。但し、吸収体に付着させる際に、後述する保湿剤と混合した水溶液の状態で付着させてもよい。
[1−5]保湿剤:
本発明の吸収体は、保湿剤を含有していることが好ましい。保湿剤は、SAP粒子からなる板状構造体を破壊した後に、再度、同様の板状構造体が構成されることを防止し、吸収体、特に高吸水性シートの柔軟性を維持する効果がある。また、保湿剤は高吸水性樹脂よりも水を吸収する速度が速いため、まず、保湿剤が水を吸収して水を捕捉し、保湿剤に捕捉された水を高吸水性樹脂に吸収させることが可能となる。このような構成は、一度に大量の水と接触したときでも、その水を逃すことなく吸収することが可能となる点において好ましい。更に、保湿剤は、水を吸収した後にもその水を放出し難く、水を保持する効果が高いため、シート状吸水材の乾燥による硬化を防ぎ、柔軟性を維持するという効果を付与することもできる。従って、使い捨ておむつ等の着用者の肌に直接接触する吸収性物品に適用した場合でも、心地よいフィット感、装着感を与えることができる。
保湿剤としては、例えば、ユーカリ抽出物、アロエエキス、延命草エキス、オトギリソウエキス、オオムギエキス、オレンジエキス、海藻エキス、カミツレエキス、キューカンバエキス、コンフリーエキス、ゴボウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シソエキス、セージエキス、デュークエキス、冬虫夏草エキス、ドクダミエキス、ハタケシメジエキス、ビワエキス、ブドウ葉エキス、フユボダイジュエキス、プルーンエキス、ヘチマエキス、ボタンピエキス、マイカイエキス、モモノハエキス、ユリエキス、リンゴエキス、プラセンターエキス等の植物由来の抽出物;アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、サフラワー油、ジメチルシリコーン、シリコーン油、変性シリコーン、大豆油、椿油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、ヤシ油等の油脂;アラビノース、ガラクトース、キシロース、グルコース、ショ糖、ソルビトール、フルクトース、マルトース、マルチトール、マンノース、ラムノース、キシロビオース、キシロオリゴ糖、チューベローズポリサッカライド、トリサッカライド、トレハーロース等の糖類;エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール;ミツロウ、ヒアルロン酸、可溶性コラーゲン、グリチルリチン、コンドロイチン硫酸、スクワラン、セラミド類似化合物、尿素、ビタミンCリン酸エステルカルシウム塩、ビタミンE、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒノキチオール、流動パラフィン及びワセリン等を挙げることができる。
これらの中では、ユーカリ抽出物、アロエエキス、延命草エキス、オトギリソウエキス、コンフリーエキス、シソエキス、セージエキス、セラミド類似化合物、ドクダミエキス、ハタケシメジエキス、ビワエキス、フユボダイジュエキス、ボタンピエキス、ヒマシ油、ホホバ油、ヒアルロン酸、プラセンターエキス、ラムノース、キシロオリゴ糖、トレハーロース、可溶性コラーゲン、グリセリン、コンドロイチン硫酸、スクワラン、尿素、1,3−ブチレングリコール及びプロピレングリコールがより好ましく、アロエエキス、キシロオリゴ糖、セラミド類似化合物、ハタケシメジエキス、尿素、1,3−ブチレングリコール及びプロピレングリコールが特に好ましい。
また、本明細書にいう「保湿剤」には、スキンケア用添加物として使用されているものも含まれる。例えば、アカシア属植物、ユーカリ属植物、クワ属植物、ナガバヤナギ、キタコブシ等に由来する抽出物等を挙げることができる。これらのスキンケア用添加物は、ウレアーゼ阻害活性を有するため、尿と便とが混ざることにより惹起される酵素反応を阻害し、おむつかぶれを抑制する効果がある。従って、前記スキンケア用添加物を「保湿剤」として使用した高吸水性シート、ひいては吸収体を使い捨ておむつ等に適用することにより、おむつ着用者の肌を有効に保護することが可能となる。
前記スキンケア用添加物の中では、フトモモ科ユーカリ属植物由来の抽出物(以下、「ユーカリ抽出物」と記す。)が好ましい。「ユーカリ抽出物」は、ユーカリの葉、枝等を溶媒で抽出することにより得られる。抽出対象となる部位は特に限定されないが、採取が容易な枝葉が好ましく、特に葉が好ましい。
抽出溶媒としては、例えば、アルコール類、グリコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭素類等を用いることができ、極性溶媒を用いることが好ましい。アルコール類としては、エタノール、メタノール又はプロパノール等の低級アルコール、グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール又はプロピレングリコール、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸エチル等を挙げることができる。
前記溶媒の中では、エタノール、ブチレングリコール又はプロピレングリコールが特に好ましい。これらの抽出溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよいし、ここに例示されていない他の溶媒と混合して用いてもよい。例えば、水と混合して水溶液の状態で用いることもできる。なお、「ユーカリ抽出物」は、抽出溶媒を留去し、濃縮した後に使用することが好ましい。
「保湿剤」は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。保湿剤の量は、高吸水性シートに含まれるSAP粒子100質量部に対し、1〜50質量部とすることが好ましい。1質量部以上とすることにより、前記の保湿剤の効果を発揮させることができる。一方、50質量部以下とすることにより、保湿剤が尿等に溶出して吸収体、ひいては着用者の肌がべたつくのを防止することができる。なお、保湿剤は水溶液等の状態で市販されていることもあるが、ここにいう保湿剤の量は、保湿剤の有効成分の量を意味するものとする。
なお、保湿剤も水と同様に吸収体全体に均一な含有率で存在していてもよいが、吸収体のうち、少なくとも高吸水性シートの部分に存在していることが好ましい。これらの添加剤は、SAP粒子との関係で特にその効果を発揮するからである。保湿剤は水溶液の状態として、水とともに、高吸水性シート及びパルプマット少なくとも一方の部材に付着させることができる。
[1−6]その他の添加剤:
本発明の吸収体は、結合剤、保湿剤以外の添加剤が含まれていてもよい。例えば、抗菌剤、消臭剤等を挙げることができる。「抗菌剤」としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、エデト酢酸、塩化ベンザルコニウム、オクトピロックス、感光色素101及び201、クロロヘキシジン、サリチル酸、ジンクピリチオン、ソルビン酸カリウム、パラベン及びビオゾール等を挙げることができる。「消臭剤」としては、各種ポリフェノール化合物などを挙げることができる。
[2]吸収体の製造方法:
本発明の吸収体の製造方法の第一の実施形態は、可撓性材料からなる基材シートに、少なくとも粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子)を含むSAP組成物が固着された高吸水性シートを得る高吸水性シート形成工程と、前記高吸水性シートと、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマットとを積層して積層構造の吸収体を得る吸収体製造工程とを備え、前記高吸水性シート形成工程において、前記SAP粒子を、他のSAP粒子と相互に結合させた板状構造体を形成するとともに、前記高吸水性シート形成工程以降の工程で、前記高吸水性シートの前記板状構造体の少なくとも一部の構造を破壊する板状構造体破壊工程を更に備えたものである。
また、本発明の吸収体の製造方法の第二の実施形態は、少なくとも粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子)を含むSAP組成物をシート状に形成して高吸水性シートを得る高吸水性シート形成工程と、前記高吸水性シートと、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマットとを積層して積層構造の吸収体を得る吸収体製造工程とを備え、前記高吸水性シート形成工程において、前記SAP粒子を、他のSAP粒子と相互に結合させた板状構造体を形成するとともに、前記高吸水性シート形成工程以降の工程で、前記高吸水性シートの前記板状構造体の少なくとも一部の構造を破壊する板状構造体破壊工程を更に備えたものである。
本発明の吸収体の製造方法は、前記いずれの実施形態を採る場合であっても、高吸水性シートを形成する際に、SAP粒子を、他のSAP粒子と相互に結合させた板状構造体を形成し、その後の工程において、前記板状構造体の少なくとも一部の構造を破壊する点に特徴がある。こうすることにより、吸収体に柔軟性を付与することが可能となる。また、パルプ等の繊維状材料中にSAP粒子を分散させた場合と比較して、吸収体の特定部部分に集中的にSAPを配置することも可能である。また、吸収体全体の吸収性能を向上させることが可能となる。
以下、図1A及び図1Bに示す吸収体1A及び図2に示す吸収体1Bを製造する場合の例により、本発明の製造方法を説明する。
[2−1]高吸水性シート形成工程:
本発明の製造方法は、高吸水性シート形成工程を備える。高吸水性シートは、可撓性材料からなる基材シートに、少なくとも粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子)を含むSAP組成物を固着させることにより、或いは少なくとも粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子)を含むSAP組成物をシート状に形成することにより得ることができる。
SAP組成物を構成する繊維状材料12としてパルプを用いる場合には、乾燥状態のパルプを粗砕し、それに熱可塑性樹脂からなる結合剤を加えて均一に混合し、解繊機に供給することにより、粗砕された繊維状材料12(パルプ)と結合剤の混合物を得る。この混合物に所定量のSAP粒子4を添加して混合し、SAP組成物8とした後、ウェブ形成装置に送り込み、ウェブを形成する。この際、SAP粒子に対する繊維状材料及び結合剤の量を、既に説明した範囲内の量とすることが好ましい。
そして、形成されたウェブに熱風を送り込み、ウェブの温度が結合剤である熱可塑性樹脂の融点以上の温度になるように加熱した後、放冷する。こうすることにより、粗砕された繊維状材料12(パルプ)とSAP粒子4とが溶融状態の結合剤を介して十分に混合され、冷却によって固化した結合剤(熱可塑性樹脂)によって強固に結合される。この際、SAP粒子が他のSAP粒子と相互に結合された板状構造体が形成される。
ウェブ形成装置としては、ハンマー・ミル状のローターと、直径約4mmの開口を有するスクリーンと、金網からなるウェブ形成装置を用いることができる(例えば、米国特許第3,886,629号第1図及び第2図参照)。この装置によれば、前記ローターの回転により、パルプとSAP粒子がスクリーンの開口部から排出されて金網表面に達し、金網上にウェブを形成することができる。図2に示す吸収体1Bを製造する場合には、このウェブをそのまま高吸水性シート10Bとして使用すればよい。一方、図1A及び図1Bに示す吸収体1Aを製造する場合には、前記ウェブの双方の表面に基材シート2を貼付して高吸水性シート10Aとすればよい。
前記の方法は、SAP粒子を主として結合剤により結合させる方法であるが、SAP粒子をSAP分子同士の水素結合やSAP分子とMFC分子との水素結合により結合させる方法を採用してもよい。このような方法を採用する場合には、例えば、繊維状材料(パルプ等)と結合剤(熱可塑性樹脂)を混合し、薄いマット状ないしネット状の構造体を形成した後、この構造体の表面にSAP粒子及び水(必要に応じてMFC)を散布する等の方法により、SAP粒子を水素結合に結合させることができる(例えば、前記特許文献4を参照)。
[2−2]パルプマット形成工程:
パルプマット6は、従来公知のパルプマット形成方法により得ることができる。例えば、前記の高吸水性シート形成工程と同様のウェブ形成装置を用いて、粗砕されたパルプからウェブを形成することにより得ることができる。但し、高吸水性シートの場合とは異なり、ウェブを形成する際に加える圧力を小さくする等の手法で、嵩高なマット状に形成する必要がある。
[2−3]吸収体製造工程:
本発明の製造方法は、高吸水性シートと、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマットとを積層して積層構造の吸収体を得る吸収体製造工程を備える。
具体的な方法としては、高吸水性シートとパルプマットとを積層した状態で押圧ロールに送り込む等の方法を挙げることができる。この押圧ロールとしては、プレーンロールを用いることが好ましく、エンボスロールを用いることが更に好ましい。プレーンロールを用いて両部材の圧着を行うことで、両部材を強固に圧着することができ、エンボスロールを用いることで、吸収体にエンボスが形成され、そのエンボスによって吸収体が折れ曲がり易くなり、吸収体に柔軟性を付与することができる。
なお、高吸水性シートとパルプマットとを積層する際に、前記高吸水性シート及び前記パルプマットのうちの少なくとも一方の表面に、前記SAP粒子100質量部に対し、水を1〜100質量部付着させ、前記水が付着された表面を当接面として、前記高吸水性シートと、前記パルプマットとを積層することが好ましい。
SAP粒子を構成する高吸水性樹脂分子が高吸水性樹脂分子同士で、或いは結合剤として用いられるMFCの分子との間に水素結合を形成して固化している場合には、適量の水を付着させることでその水素結合が緩む。従って、比較的温和な条件で板状構造体の破壊を行うことができるという利点がある。
付着させる水の量としては、高吸水性シートに含まれるSAP粒子100質量部に対し、5〜100質量部とすることが好ましい。5質量部以上とすることにより、高吸水性樹脂分子同士、或いは高吸水性樹脂分子とMFC分子との間の水素結合が緩み、比較的温和な条件で板状構造体の破壊を行うことができる。一方、100質量部以下とすることにより、SAP粒子を構成する高吸水性樹脂の黄変という不具合を抑制することができる。これらの効果をより確実に得るためには、高吸水性シートに含まれるSAP粒子100質量部に対し、水を10〜30質量部含有することが更に好ましい。
水を付着させる手段としては、スプレー等で水を噴霧する方法、ローラー等で水を塗工する方法等を挙げることができる。付着の形態は特に限定されないが、可能な限り高吸水性シートやパルプマットの表面全体に均一に水が付着していることが好ましい。また、水の付着は、後述する保湿剤の水溶液を噴霧・塗工することで、水と保湿剤を一時に付着させることが好ましい。
水を付着させる部位は、(1)高吸水性シートの表面、(2)パルプマットの表面、(3)高吸水性シート及びパルプマット双方の表面のいずれであってもよいが、SAP粒子を必須成分として含む高吸水性シートの表面に水を付着させることが好ましい。
また、前記高吸水性シート及び前記パルプマットのうちの少なくとも一方の表面に、前記水とともに、前記SAP粒子100質量部に対し、保湿剤を1〜50質量部付着させ、前記水並びに前記保湿剤が付着された表面を当接面として、前記高吸水性シートと、前記パルプマットとを積層することが更に好ましい。
保湿剤を付着させることにより、SAP粒子からなる板状構造体を破壊した後に、再度、同様の板状構造体が構成されることを防止し、吸収体、特に高吸水性シートの柔軟性を維持する効果がある。
保湿剤の量は、高吸水性シートに含まれるSAP粒子100質量部に対し、1質量部以上とすることにより、前記の効果を発揮させることができる。一方、50質量部以下とすることにより、保湿剤が尿等に溶出して吸収体、ひいては着用者の肌がべたつくのを防止することができる。
[2−4]板状構造体破壊工程:
本発明の製造方法は、高吸水性シートの板状構造体の少なくとも一部の構造を破壊する板状構造体破壊工程を備えている。この工程により、吸収体に柔軟性を付与し、吸収体全体の吸収性能を向上させることが可能となる。
板状構造体の破壊は、高吸水性シート形成工程以降の工程であれば、どのタイミングで行ってもよい。即ち、板状構造体が形成された後である限り、高吸水性シート形成工程の中で板状構造体を破壊してもよいし、後述する吸収体製造工程において板状構造体を破壊してもよいし、吸収体製造工程の後に板状構造体を破壊してもよい。
板状構造体を破壊する方法は特に限定されない。SAP粒子によって構成される板状構造体は硬いが脆いので、例えば、圧力を加えることによって、容易に破壊することができる。中でも、高吸水性シートを一対の押圧ロール間に送り込み、押圧することによって、板状構造体の少なくとも一部の構造を破壊することが好ましい。この方法によれば、SAP粒子によって構成される板状構造体がロールから加えられる押圧力によって圧壊される。
具体的な方法としては、高吸水性シートを単独で、或いはパルプマットとを積層した状態で押圧ロールに送り込む等の方法を挙げることができる。この押圧ロールとしては、プレーンロールを用いることが好ましく、エンボスロールを用いることが更に好ましい。
エンボスロールは、ロール表面に凸部が形成されたロールであり、凸部の形状は、円、楕円、菱形、矩形、線状、波状、網状、格子状等の各種形状の中から一種ないし二種以上を選択して形成することができる。エンボスロールと組み合わせるロールとしては、エンボスロールの凸部と相補的な形状の凹部が形成されたロールを用いてもよいし、プレーンロールを用いてもよい。勿論、プレーンロールを対にして用いることも可能である。更には、複数のニップロールを通過させて板状構造体を破壊してもよい。これらのロールの材料については特に制限はなく、金属等、従来公知のロールに準じて構成することができる。
[2−5]具体的な実施形態:
以下、本発明の吸収体の製造方法の具体的な実施形態、特に板状構造体破壊工程について、図3及び図4の例により説明する。
図3に示す製造方法においては、高吸水性シートの原反30から送り出された高吸水性シート32に対し、マットフォーマー34によって捕集ドラム36に付着されたパルプマット38が積層され、高吸水性シート32とパルプマット38の積層体が形成される。その後、高吸水性シート32とパルプマット38の積層体が、プレスユニット40の一対のプレスロール(エンボスロール42、プレーンロール44)の間に送り込まれ、両部材が圧着されるとともに、SAP粒子によって形成された板状構造体が圧壊される。
図4に示す製造方法においては、高吸水性シートの原反30から送り出された高吸水性シート32に対し、スプレーユニット46によって保湿剤の水溶液が噴霧され、水、保湿剤が付着された後、プレスユニット40の一対のプレスロール(エンボスロール42、プレーンロール44)の間に送り込まれ、SAP粒子によって形成された板状構造体が圧壊される。
その後、板状構造体が破壊された高吸水性シート32に対し、マットフォーマー34によって捕集ドラム36に付着されたパルプマット38が積層され、高吸水性シート32とパルプマット38の積層体が形成され、両部材が圧着される。
[3]使い捨ておむつ:
本発明の使い捨ておむつは、本発明の吸収体と、前記吸収体の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の裏面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートと、を備えたものである。
[3−1]吸収体:
本発明の使い捨ておむつでは、吸収体として、既に説明した本発明の吸収体を用いる。吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装されることが好ましい。通常、吸収体は、トップシートとバックシートの間に挟み込まれ、その周縁部が封着されることによって、トップシートとバックシートとの間に介装される。従って、吸収体の周縁部にはトップシートとバックシートの間に吸収体が介装されていないフラップ部が形成されることになる。
吸収体の形状については特に制限はないが、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品において使用される形状、例えば、矩形状、砂時計型、ひょうたん型、T字型等を挙げることができる。
[3−2]トップシート:
トップシートは、吸収体の表面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その裏面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、少なくとも一部(その全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。
トップシートを構成する液透過性材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。
トップシートは単一のシート材によって構成されていてもよいが、複数のシート材によって構成されていてもよい。例えば、後述するテープ型おむつにおいては、おむつの中央部には液透過性材料からなるトップシート(センターシート)を配置し、おむつのサイドフラップ部分には撥水性材料からなるトップシート(サイドシート)を配置する形態がよく利用される。
[3−3]バックシート:
バックシートは、吸収体の裏面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
なお、バックシートには、その外表面側にシート材(カバーシート)を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
[3−4]その他の構成要素:
本発明の使い捨ておむつは、本発明の吸収体、トップシート、バックシートを備える他、従来公知の使い捨ておむつが備えることがある他の構成要素を備えていてもよい。例えば、脚周り、ウエスト周りに伸縮材を備えていてもよいし、吸収体の側縁に立体ギャザーを備えていてもよい。また、テープ型おむつのように装着用の止着テープを備えていてもよい。
本発明の吸収体は、使い捨ておむつ、生理用品等の吸収性物品に好適に用いることができる。
本発明の吸収体の一の実施形態を模式的に示す平面図である。 本発明の吸収体の一の実施形態を模式的に示す断面図であり、図1に示す吸収体のA−A’断面図である。 本発明の吸収体の別の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の吸収体の製造方法の一の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の吸収体の製造方法の別の実施形態を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1A,1B:吸収体、2:基材シート、4:SAP粒子、6:パルプマット、8:SAP組成物、10A,10B:高吸水性シート、12:繊維状材料、14:親水性シート、16:上ティシュ、18:下ティシュ、30:原反、32:高吸水性シート、34:マットフォーマー、36:捕集ドラム、38:パルプマット、40:プレスユニット、42:エンボスロール、44:プレーンロール、46:スプレーユニット。

Claims (13)

  1. 可撓性材料からなる基材シートと、粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子)と、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマットと、を有し、
    前記基材シートに、少なくとも前記SAP粒子を含むSAP組成物が固着された高吸水性シートが形成されており、
    前記高吸水性シートと、前記パルプマットとが積層された積層構造を有し、
    前記高吸水性シートは、前記基材シートに、前記SAP粒子が、他のSAP粒子と相互に結合されて形成される板状構造体の状態で固着されるとともに、前記板状構造体の少なくとも一部の構造が破壊されている吸収体。
  2. 粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子)と、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマットと、を有し、
    少なくとも前記SAP粒子を含むSAP組成物がシート状に形成された高吸水性シートが形成されており、
    前記高吸水性シートと、前記パルプマットとが積層された積層構造を有し、
    前記高吸水性シートは、前記SAP粒子が、他のSAP粒子と相互に結合されて形成される板状構造体の状態で存在するとともに、前記板状構造体の少なくとも一部の構造が破壊されている吸収体。
  3. 前記高吸水性シートが、前記SAP組成物の全質量に対し、前記SAP粒子を50〜90質量%含有するものである請求項1又は2に記載の吸収体。
  4. 前記高吸水性シートが、親水性シートによって被包された状態で、前記パルプマットに積層されたものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収体。
  5. 前記SAP粒子が、前記SAP粒子を構成する高吸水性樹脂分子同士の水素結合によって他のSAP粒子と相互に結合され、前記板状構造体を形成している請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収体。
  6. 前記SAP粒子100質量部に対し、保湿剤を1〜50質量部含有するものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収体。
  7. 前記SAP組成物が、前記SAP粒子とともに、繊維状材料を含むものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収体。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収体と、前記吸収体の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の裏面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートと、を備えた使い捨ておむつ。
  9. 可撓性材料からなる基材シートに、少なくとも粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子)を含むSAP組成物が固着された高吸水性シートを得る高吸水性シート形成工程と、
    前記高吸水性シートと、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマットとを積層して積層構造の吸収体を得る吸収体製造工程とを備え、
    前記高吸水性シート形成工程において、前記SAP粒子を、他のSAP粒子と相互に結合させた板状構造体を形成するとともに、
    前記高吸水性シート形成工程以降の工程で、前記高吸水性シートの前記板状構造体の少なくとも一部の構造を破壊する板状構造体破壊工程を更に備えた、吸収体の製造方法。
  10. 少なくとも粒子状の高吸水性樹脂(SAP粒子)を含むSAP組成物をシート状に形成して高吸水性シートを得る高吸水性シート形成工程と、
    前記高吸水性シートと、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマットとを積層して積層構造の吸収体を得る吸収体製造工程とを備え、
    前記高吸水性シート形成工程において、前記SAP粒子を、他のSAP粒子と相互に結合させた板状構造体を形成するとともに、
    前記高吸水性シート形成工程以降の工程で、前記高吸水性シートの前記板状構造体の少なくとも一部の構造を破壊する板状構造体破壊工程を更に備えた、吸収体の製造方法。
  11. 前記高吸水性シートを一対の押圧ロール間に送り込み、押圧することによって、前記板状構造体の少なくとも一部の構造を破壊する請求項9又は10に記載の吸収体の製造方法。
  12. 前記高吸水性シート及び前記パルプマットのうちの少なくとも一方の表面に、前記SAP粒子100質量部に対し、水を1〜100質量部付着させ、
    前記水が付着された表面を当接面として、前記高吸水性シートと、前記パルプマットとを積層する請求項9〜11のいずれか一項に記載の吸収体の製造方法。
  13. 前記高吸水性シート及び前記パルプマットのうちの少なくとも一方の表面に、前記水とともに、前記SAP粒子100質量部に対し、保湿剤を1〜50質量部付着させ、
    前記水並びに前記保湿剤が付着された表面を当接面として、前記高吸水性シートと、前記パルプマットとを積層する請求項12に記載の吸収体の製造方法。
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