JP2004025637A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸収性物品の一部として、高拡散高透過性吸収シートを用いることにより、高吸収性ポリマーの吸収効果を十分に発揮させ、液戻り、ベタツキ、漏れの低減を図る。
【解決手段】高拡散高透過性吸収シート2と高吸収性ポリマー1とを備えた吸収性物品において、前記高拡散高透過性吸収シート2を、少なくとも熱溶融性接着繊維を含む乾式不織布により構成するとともに、前記高拡散高透過性吸収シート2に対して前記高吸収性ポリマー1を熱融着により固着させるようにして、体液が高拡散高透過性吸収シート2において素早く拡散して、高吸収性ポリマー1へスムーズに受け渡され、吸収性物品内に体液を封じ込めることができるようにしている。
【選択図】 図1
【解決手段】高拡散高透過性吸収シート2と高吸収性ポリマー1とを備えた吸収性物品において、前記高拡散高透過性吸収シート2を、少なくとも熱溶融性接着繊維を含む乾式不織布により構成するとともに、前記高拡散高透過性吸収シート2に対して前記高吸収性ポリマー1を熱融着により固着させるようにして、体液が高拡散高透過性吸収シート2において素早く拡散して、高吸収性ポリマー1へスムーズに受け渡され、吸収性物品内に体液を封じ込めることができるようにしている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、生理用品、使い捨ておむつ等の吸収体コアとして使用される吸収性物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生理用品や使い捨ておむつ等の吸収体コアとして使用される吸収性物品においては、体液の吸収性の向上(例えば、吸収速度の向上、吸収体コアから表面への液戻りの阻止、漏れ防止、ベタツキの低減等)が重要な課題とされている。
【0003】
上記課題を解決すべく、現在使用されている吸収体コアは、吸収速度が速いパルプと体液保持能力が高い高吸水性ポリマーとからなる吸収体を液透過性の表面シートによって被包して構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、パルプは、吸収速度は速いものの、吸収性物品全体を効率よく利用するための拡散性に劣るとともに、湿潤時の強度低下が著しいため、体液を吸収したパルプが圧縮変形すると、一旦吸収した体液が容易に戻ってしまうという不具合が発生するおそれがある。また、パルプの圧縮変形に伴ってパルプ繊維間の空間が減少すると、高吸収性ポリマーへの体液の移動抵抗が増大することとなり、高吸収性ポリマーの吸収効率を低下させるとともに、漏れ現象を引き起こすおそれがある。
【0005】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、吸収性物品の一部として、高拡散高透過性吸収シートを用いることにより、高吸収性ポリマーの吸収効果を十分に発揮させ、液戻り、ベタツキ、漏れの低減を図ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、上記課題を解決するための手段として、高拡散高透過性吸収シートと高吸収性ポリマーとを備えた吸収性物品において、前記高拡散高透過性吸収シートを、少なくとも熱溶融性接着繊維を含む乾式不織布により構成するとともに、前記高拡散高透過性吸収シートに対して前記高吸収性ポリマーを熱融着により固着させるようにしている。
【0007】
上記のように構成したことにより、体液が高拡散高透過性吸収シートにおいて素早く拡散して、高吸収性ポリマーへスムーズに受け渡されることとなり、吸収性物品内に体液を封じ込めることができる。つまり、高拡散高透過性吸収シートと高吸収性ポリマーとを併用することにより、高吸収性ポリマーの吸収効率を最大限に発揮させることができることとなるのである。その結果、極めて高い液保持性が得られるところから、表面への液戻りがなく、高吸収で漏れのないものとなる。また、高拡散高透過性吸収シートに対して高吸収性ポリマーが熱融着により固着されることとなっているので、乾式不織布からなる高拡散高透過性吸収シートへの高吸収性ポリマーの固着が確実に得られる。
【0008】
請求項2の発明におけるように、請求項1記載の吸収性物品において、前記乾式不織布に、所定量の嵩高性の親水性繊維と所定量の親水性微細繊維を混合させた場合、低密度で嵩高であり且つある程度透過性が高く、しかも拡散性に優れた高拡散高透過性吸収シートが得られることとなり、高拡散高透過性吸収シートから高吸収性ポリマーへの体液の受け渡しがよりスムーズに行える。
【0009】
請求項3の発明におけるように、請求項1および2のいずれか一項記載の吸収性物品において、前記高吸収性ポリマーを、2枚の高拡散高透過性吸収シートの間に挟持した場合、高拡散高透過性吸収シートに高吸収性ポリマーを固着させる際のこぼれを防止することができることとなり、歩留まりが向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。
【0011】
第1の実施の形態
図1には、本願発明の第1の実施の形態にかかる吸収性物品の具体例である生理用ナプキンが示されている。
【0012】
この吸収性物品(即ち、生理用ナプキン)は、図1に示すように、高吸収性ポリマー1を一対の高拡散高透過性吸収シート2,2の間に挟持した状態で熱融着により固着してなる吸収体コア3を嵩高高透過性シート4で被包して吸収体Aを構成し、該吸収体Aを液不透過性の防漏材であるポリラミ防水紙5で巻き上げ、その外側を液透過性の表面シート6で被包して構成されている。前記ポリラミ防水紙5は、吸収体Aの下面、側面および上面両側縁部を覆うように巻き上げられる。符号7は剥離紙、8はズレ止めテープ、9は固定用接着剤である。
【0013】
上記高吸収性ポリマー1としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム(アクリル酸ービニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、(でんぷんーアクリル酸)グラフト共重合体、(イソブチレンー無水マレイン酸)共重合体およびその鹸化物、ポリアスパラギン酸等、従来から知られている各種のものを用いることができ、これらは一種を単独で用いても良いし、複数種類のポリマーを任意の割合で混合して用いても良い。
【0014】
上記高拡散高透過性吸収シート2としては、少なくとも熱溶融性接着繊維を含むものであって、嵩高性の親水性繊維;20〜80重量部、親水性微細繊維;80〜20重量部、熱溶融性接着繊維;30重量部以下を混合して抄紙した乾式不織布が用いられる。
【0015】
前記嵩高性の親水性繊維としては、繊維の立体構造が嵩高性を有するものが用いられる。このような繊維として、例えば、パルプ、綿、レーヨン等に代表されるセルロース繊維や、アクリルニトリル、ポリビニルアルコール等の親水性合成繊維等が挙げられ、これらは一種を単独で用いても良いし、複数種類を混合して用いても良い。この嵩高性の親水性繊維の混入率は、20〜80重量部が好ましく、より好ましくは30〜70重量部である。嵩高性の親水性繊維が20重量部未満では、目的とする嵩高のシートが得られず、逆に80重量部を超えると拡散性が不足することとなるからである。
【0016】
前記親水性微細繊維としては、繊維表面が親水性であり、表面積が大きい繊維が用いられる。このような繊維として、例えば、パルプ、綿、レーヨン等に代表されるセルロース繊維や、アクリルニトリル、ポリビニルアルコール等の親水性合成繊維等が挙げられ、これらは一種を単独で用いても良いし、複数種類を混合して用いても良い。この親水性微細繊維の混入率は、80〜20重量部が好ましく、より好ましくは70〜30重量部である。親水性微細繊維が20重量部未満では、目的とする拡散性が得られず、逆に80重量部を超えると、繊維間距離が短くなり過ぎ、透過性が悪くなってしまうからである。
【0017】
前記熱溶融性接着繊維としては、加熱することにより、繊維が溶融し、相互に接着する繊維が用いられる。このような繊維として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルおよびポリビニルアルコール等のオレフィン繊維、ポリエチレンーポリプロピレン複合繊維、ポリエチレンーポリエステル複合繊維、低融点ポリエステルーポリエステル複合繊維および繊維表面が親水性であるポリビニルアルコールーポリプロピレン複合繊維、ポリビニルアルコールーポリエステル複合繊維が挙げられる。この熱溶融性接着繊維の混入率は、30重量部以下とされ、好ましくは2〜20重量部である。熱溶融性接着繊維が30重量部を超えると、高拡散高透過性吸収シート2の吸収性および拡散性が低下してしまうからである。
【0018】
上記のように構成したことにより、体液が高拡散高透過性吸収シート2において素早く拡散して、高吸収性ポリマー1へスムーズに受け渡されることとなり、吸収性物品内に体液を封じ込めることができる。つまり、高拡散高透過性吸収シート2と高吸収性ポリマー1とを併用することにより、高吸収性ポリマー1の吸収効率を最大限に発揮させることができることとなるのである。その結果、極めて高い液保持性が得られるところから、表面への液戻りがなく、高吸収で漏れのないものとなる。また、高拡散高透過性吸収シート2に対して高吸収性ポリマー1が熱融着により固着されることとなっているので、乾式不織布からなる高拡散高透過性吸収シート2への高吸収性ポリマー1の固着が確実に得られる。
【0019】
また、本実施の形態においては、高拡散高透過性吸収シート2を構成する乾式不織布を、所定量(例えば、30重量部以下)の熱溶融繊維接着繊維と所定量(例えば、20〜80重量部)の嵩高性の親水性繊維と所定量(例えば、80〜20重量部)の親水性微細繊維を混合させたものを抄紙して得られるものとしているので、低密度で嵩高であり且つある程度透過性が高く、しかも拡散性に優れた高拡散高透過性吸収シート2が得られることとなり、高拡散高透過性吸収シート2から高吸収性ポリマー1への体液の受け渡しがよりスムーズに行えることとなる。
【0020】
また、本実施の形態においては、高吸収性ポリマー1を、2枚の高拡散高透過性吸収シート2,2の間に挟持するようにしているため、高拡散高透過性吸収シート2に高吸収性ポリマー1を固着させる際のこぼれを防止することができ、歩留まりが向上する。
【0021】
第2の実施の形態
図2には、本願発明の第2の実施の形態にかかる吸収性物品の具体例である生理用ナプキンが示されている。
【0022】
この場合、吸収体コア3の上層に、高吸収性ポリマー1を挟持している高拡散高透過性吸収シート2,2とは組成の異なる2枚の高拡散高透過性吸収シート2′,2′を重ね、これを嵩高高透過性シート4で被包して吸収体Aを構成している。このようにすると、吸収体コア3の上層に重ねられた高拡散高透過性吸収シート2′,2′の存在により、体液がより素早く拡散せしめられることとなり、高吸収性ポリマー1へより一層スムーズに受け渡されることとなる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0023】
第3の実施の形態
図3には、本願発明の第3の実施の形態にかかる吸収性物品の具体例である生理用ナプキンが示されている。
【0024】
この場合、吸収体コア3は、上層に位置する高拡散高透過性吸収シート2と下層に位置する他のシート部材10(例えば、一般的な吸収シート)との間に高吸収性ポリマー1を挟持し、この状態で高拡散高透過性吸収シート2に高吸収性ポリマー1を熱融着により固着することにより構成されている。また、この吸収体コア3の上層には、高拡散高透過性吸収シート2以外の部材11(例えば、一般的な吸収部材)が配置されている。さらに、この場合、吸収体Aは、吸収体コア3およびその上層に配置された吸収部材11を防漏材として作用するポリラミ防水紙5で巻き上げて構成されている。即ち、嵩高高透過性シート4は省略されている。このようにしても、体液が高拡散高透過性吸収シート2において素早く拡散して、高吸収性ポリマー1へスムーズに受け渡されることとなり、吸収性物品内に体液を封じ込めることができる。つまり、高拡散高透過性吸収シート2が高吸収性ポリマー1の上層に位置するようにして吸収体コア3を構成すれば、所期の目的を達成できるのである。その他の構成は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0025】
上記各実施の形態においては、吸収性物品の具体例である生理用ナプキンについて説明したが、本願発明は、使い捨ておむつや失禁者用パッドにも適用可能なことは勿論である。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、高拡散高透過性吸収シートと高吸収性ポリマーとを備えた吸収性物品において、前記高拡散高透過性吸収シートを、少なくとも熱溶融性接着繊維を含む乾式不織布により構成するとともに、前記高拡散高透過性吸収シートに対して前記高吸収性ポリマーを熱融着により固着させるようにして、体液が高拡散高透過性吸収シートにおいて素早く拡散して、高吸収性ポリマーへスムーズに受け渡され、吸収性物品内に体液を封じ込めることができるようにしたので、高拡散高透過性吸収シートと高吸収性ポリマーとを併用することにより、高吸収性ポリマーの吸収効率を最大限に発揮させることができることとなり、極めて高い液保持性が得られるところから、表面への液戻りがなく、高吸収で漏れのないものとなるという効果がある。また、高拡散高透過性吸収シートに対して高吸収性ポリマーが熱融着により固着されることとなっているので、乾式不織布からなる高拡散高透過性吸収シートへの高吸収性ポリマーの固着が確実に得られるという効果もある。
【0027】
請求項2の発明におけるように、請求項1記載の吸収性物品において、前記乾式不織布に、所定量の嵩高性の親水性繊維と所定量の親水性微細繊維を混合させた場合、低密度で嵩高であり且つある程度透過性が高く、しかも拡散性に優れた高拡散高透過性吸収シートが得られることとなり、高拡散高透過性吸収シートから高吸収性ポリマーへの体液の受け渡しがよりスムーズに行える。
【0028】
請求項3の発明におけるように、請求項1および2のいずれか一項記載の吸収性物品において、前記高吸収性ポリマーを、2枚の高拡散高透過性吸収シートの間に挟持した場合、高拡散高透過性吸収シートに高吸収性ポリマーを固着させる際のこぼれを防止することができることとなり、歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかる吸収性物品の具体例である生理用ナプキンの縦断面図である。
【図2】本願発明の第2の実施の形態にかかる吸収性物品の具体例である生理用ナプキンの縦断面図である。
【図3】本願発明の第3の実施の形態にかかる吸収性物品の具体例である生理用ナプキンの縦断面図である。
【符号の説明】
1は高吸収性ポリマー、2は高拡散高透過性吸収シート、3は吸収体コア、Aは吸収体。
【発明の属する技術分野】
本願発明は、生理用品、使い捨ておむつ等の吸収体コアとして使用される吸収性物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生理用品や使い捨ておむつ等の吸収体コアとして使用される吸収性物品においては、体液の吸収性の向上(例えば、吸収速度の向上、吸収体コアから表面への液戻りの阻止、漏れ防止、ベタツキの低減等)が重要な課題とされている。
【0003】
上記課題を解決すべく、現在使用されている吸収体コアは、吸収速度が速いパルプと体液保持能力が高い高吸水性ポリマーとからなる吸収体を液透過性の表面シートによって被包して構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、パルプは、吸収速度は速いものの、吸収性物品全体を効率よく利用するための拡散性に劣るとともに、湿潤時の強度低下が著しいため、体液を吸収したパルプが圧縮変形すると、一旦吸収した体液が容易に戻ってしまうという不具合が発生するおそれがある。また、パルプの圧縮変形に伴ってパルプ繊維間の空間が減少すると、高吸収性ポリマーへの体液の移動抵抗が増大することとなり、高吸収性ポリマーの吸収効率を低下させるとともに、漏れ現象を引き起こすおそれがある。
【0005】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、吸収性物品の一部として、高拡散高透過性吸収シートを用いることにより、高吸収性ポリマーの吸収効果を十分に発揮させ、液戻り、ベタツキ、漏れの低減を図ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、上記課題を解決するための手段として、高拡散高透過性吸収シートと高吸収性ポリマーとを備えた吸収性物品において、前記高拡散高透過性吸収シートを、少なくとも熱溶融性接着繊維を含む乾式不織布により構成するとともに、前記高拡散高透過性吸収シートに対して前記高吸収性ポリマーを熱融着により固着させるようにしている。
【0007】
上記のように構成したことにより、体液が高拡散高透過性吸収シートにおいて素早く拡散して、高吸収性ポリマーへスムーズに受け渡されることとなり、吸収性物品内に体液を封じ込めることができる。つまり、高拡散高透過性吸収シートと高吸収性ポリマーとを併用することにより、高吸収性ポリマーの吸収効率を最大限に発揮させることができることとなるのである。その結果、極めて高い液保持性が得られるところから、表面への液戻りがなく、高吸収で漏れのないものとなる。また、高拡散高透過性吸収シートに対して高吸収性ポリマーが熱融着により固着されることとなっているので、乾式不織布からなる高拡散高透過性吸収シートへの高吸収性ポリマーの固着が確実に得られる。
【0008】
請求項2の発明におけるように、請求項1記載の吸収性物品において、前記乾式不織布に、所定量の嵩高性の親水性繊維と所定量の親水性微細繊維を混合させた場合、低密度で嵩高であり且つある程度透過性が高く、しかも拡散性に優れた高拡散高透過性吸収シートが得られることとなり、高拡散高透過性吸収シートから高吸収性ポリマーへの体液の受け渡しがよりスムーズに行える。
【0009】
請求項3の発明におけるように、請求項1および2のいずれか一項記載の吸収性物品において、前記高吸収性ポリマーを、2枚の高拡散高透過性吸収シートの間に挟持した場合、高拡散高透過性吸収シートに高吸収性ポリマーを固着させる際のこぼれを防止することができることとなり、歩留まりが向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。
【0011】
第1の実施の形態
図1には、本願発明の第1の実施の形態にかかる吸収性物品の具体例である生理用ナプキンが示されている。
【0012】
この吸収性物品(即ち、生理用ナプキン)は、図1に示すように、高吸収性ポリマー1を一対の高拡散高透過性吸収シート2,2の間に挟持した状態で熱融着により固着してなる吸収体コア3を嵩高高透過性シート4で被包して吸収体Aを構成し、該吸収体Aを液不透過性の防漏材であるポリラミ防水紙5で巻き上げ、その外側を液透過性の表面シート6で被包して構成されている。前記ポリラミ防水紙5は、吸収体Aの下面、側面および上面両側縁部を覆うように巻き上げられる。符号7は剥離紙、8はズレ止めテープ、9は固定用接着剤である。
【0013】
上記高吸収性ポリマー1としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム(アクリル酸ービニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、(でんぷんーアクリル酸)グラフト共重合体、(イソブチレンー無水マレイン酸)共重合体およびその鹸化物、ポリアスパラギン酸等、従来から知られている各種のものを用いることができ、これらは一種を単独で用いても良いし、複数種類のポリマーを任意の割合で混合して用いても良い。
【0014】
上記高拡散高透過性吸収シート2としては、少なくとも熱溶融性接着繊維を含むものであって、嵩高性の親水性繊維;20〜80重量部、親水性微細繊維;80〜20重量部、熱溶融性接着繊維;30重量部以下を混合して抄紙した乾式不織布が用いられる。
【0015】
前記嵩高性の親水性繊維としては、繊維の立体構造が嵩高性を有するものが用いられる。このような繊維として、例えば、パルプ、綿、レーヨン等に代表されるセルロース繊維や、アクリルニトリル、ポリビニルアルコール等の親水性合成繊維等が挙げられ、これらは一種を単独で用いても良いし、複数種類を混合して用いても良い。この嵩高性の親水性繊維の混入率は、20〜80重量部が好ましく、より好ましくは30〜70重量部である。嵩高性の親水性繊維が20重量部未満では、目的とする嵩高のシートが得られず、逆に80重量部を超えると拡散性が不足することとなるからである。
【0016】
前記親水性微細繊維としては、繊維表面が親水性であり、表面積が大きい繊維が用いられる。このような繊維として、例えば、パルプ、綿、レーヨン等に代表されるセルロース繊維や、アクリルニトリル、ポリビニルアルコール等の親水性合成繊維等が挙げられ、これらは一種を単独で用いても良いし、複数種類を混合して用いても良い。この親水性微細繊維の混入率は、80〜20重量部が好ましく、より好ましくは70〜30重量部である。親水性微細繊維が20重量部未満では、目的とする拡散性が得られず、逆に80重量部を超えると、繊維間距離が短くなり過ぎ、透過性が悪くなってしまうからである。
【0017】
前記熱溶融性接着繊維としては、加熱することにより、繊維が溶融し、相互に接着する繊維が用いられる。このような繊維として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルおよびポリビニルアルコール等のオレフィン繊維、ポリエチレンーポリプロピレン複合繊維、ポリエチレンーポリエステル複合繊維、低融点ポリエステルーポリエステル複合繊維および繊維表面が親水性であるポリビニルアルコールーポリプロピレン複合繊維、ポリビニルアルコールーポリエステル複合繊維が挙げられる。この熱溶融性接着繊維の混入率は、30重量部以下とされ、好ましくは2〜20重量部である。熱溶融性接着繊維が30重量部を超えると、高拡散高透過性吸収シート2の吸収性および拡散性が低下してしまうからである。
【0018】
上記のように構成したことにより、体液が高拡散高透過性吸収シート2において素早く拡散して、高吸収性ポリマー1へスムーズに受け渡されることとなり、吸収性物品内に体液を封じ込めることができる。つまり、高拡散高透過性吸収シート2と高吸収性ポリマー1とを併用することにより、高吸収性ポリマー1の吸収効率を最大限に発揮させることができることとなるのである。その結果、極めて高い液保持性が得られるところから、表面への液戻りがなく、高吸収で漏れのないものとなる。また、高拡散高透過性吸収シート2に対して高吸収性ポリマー1が熱融着により固着されることとなっているので、乾式不織布からなる高拡散高透過性吸収シート2への高吸収性ポリマー1の固着が確実に得られる。
【0019】
また、本実施の形態においては、高拡散高透過性吸収シート2を構成する乾式不織布を、所定量(例えば、30重量部以下)の熱溶融繊維接着繊維と所定量(例えば、20〜80重量部)の嵩高性の親水性繊維と所定量(例えば、80〜20重量部)の親水性微細繊維を混合させたものを抄紙して得られるものとしているので、低密度で嵩高であり且つある程度透過性が高く、しかも拡散性に優れた高拡散高透過性吸収シート2が得られることとなり、高拡散高透過性吸収シート2から高吸収性ポリマー1への体液の受け渡しがよりスムーズに行えることとなる。
【0020】
また、本実施の形態においては、高吸収性ポリマー1を、2枚の高拡散高透過性吸収シート2,2の間に挟持するようにしているため、高拡散高透過性吸収シート2に高吸収性ポリマー1を固着させる際のこぼれを防止することができ、歩留まりが向上する。
【0021】
第2の実施の形態
図2には、本願発明の第2の実施の形態にかかる吸収性物品の具体例である生理用ナプキンが示されている。
【0022】
この場合、吸収体コア3の上層に、高吸収性ポリマー1を挟持している高拡散高透過性吸収シート2,2とは組成の異なる2枚の高拡散高透過性吸収シート2′,2′を重ね、これを嵩高高透過性シート4で被包して吸収体Aを構成している。このようにすると、吸収体コア3の上層に重ねられた高拡散高透過性吸収シート2′,2′の存在により、体液がより素早く拡散せしめられることとなり、高吸収性ポリマー1へより一層スムーズに受け渡されることとなる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0023】
第3の実施の形態
図3には、本願発明の第3の実施の形態にかかる吸収性物品の具体例である生理用ナプキンが示されている。
【0024】
この場合、吸収体コア3は、上層に位置する高拡散高透過性吸収シート2と下層に位置する他のシート部材10(例えば、一般的な吸収シート)との間に高吸収性ポリマー1を挟持し、この状態で高拡散高透過性吸収シート2に高吸収性ポリマー1を熱融着により固着することにより構成されている。また、この吸収体コア3の上層には、高拡散高透過性吸収シート2以外の部材11(例えば、一般的な吸収部材)が配置されている。さらに、この場合、吸収体Aは、吸収体コア3およびその上層に配置された吸収部材11を防漏材として作用するポリラミ防水紙5で巻き上げて構成されている。即ち、嵩高高透過性シート4は省略されている。このようにしても、体液が高拡散高透過性吸収シート2において素早く拡散して、高吸収性ポリマー1へスムーズに受け渡されることとなり、吸収性物品内に体液を封じ込めることができる。つまり、高拡散高透過性吸収シート2が高吸収性ポリマー1の上層に位置するようにして吸収体コア3を構成すれば、所期の目的を達成できるのである。その他の構成は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0025】
上記各実施の形態においては、吸収性物品の具体例である生理用ナプキンについて説明したが、本願発明は、使い捨ておむつや失禁者用パッドにも適用可能なことは勿論である。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、高拡散高透過性吸収シートと高吸収性ポリマーとを備えた吸収性物品において、前記高拡散高透過性吸収シートを、少なくとも熱溶融性接着繊維を含む乾式不織布により構成するとともに、前記高拡散高透過性吸収シートに対して前記高吸収性ポリマーを熱融着により固着させるようにして、体液が高拡散高透過性吸収シートにおいて素早く拡散して、高吸収性ポリマーへスムーズに受け渡され、吸収性物品内に体液を封じ込めることができるようにしたので、高拡散高透過性吸収シートと高吸収性ポリマーとを併用することにより、高吸収性ポリマーの吸収効率を最大限に発揮させることができることとなり、極めて高い液保持性が得られるところから、表面への液戻りがなく、高吸収で漏れのないものとなるという効果がある。また、高拡散高透過性吸収シートに対して高吸収性ポリマーが熱融着により固着されることとなっているので、乾式不織布からなる高拡散高透過性吸収シートへの高吸収性ポリマーの固着が確実に得られるという効果もある。
【0027】
請求項2の発明におけるように、請求項1記載の吸収性物品において、前記乾式不織布に、所定量の嵩高性の親水性繊維と所定量の親水性微細繊維を混合させた場合、低密度で嵩高であり且つある程度透過性が高く、しかも拡散性に優れた高拡散高透過性吸収シートが得られることとなり、高拡散高透過性吸収シートから高吸収性ポリマーへの体液の受け渡しがよりスムーズに行える。
【0028】
請求項3の発明におけるように、請求項1および2のいずれか一項記載の吸収性物品において、前記高吸収性ポリマーを、2枚の高拡散高透過性吸収シートの間に挟持した場合、高拡散高透過性吸収シートに高吸収性ポリマーを固着させる際のこぼれを防止することができることとなり、歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかる吸収性物品の具体例である生理用ナプキンの縦断面図である。
【図2】本願発明の第2の実施の形態にかかる吸収性物品の具体例である生理用ナプキンの縦断面図である。
【図3】本願発明の第3の実施の形態にかかる吸収性物品の具体例である生理用ナプキンの縦断面図である。
【符号の説明】
1は高吸収性ポリマー、2は高拡散高透過性吸収シート、3は吸収体コア、Aは吸収体。
Claims (3)
- 高拡散高透過性吸収シートと高吸収性ポリマーとを備え、前記高拡散高透過性吸収シートを、少なくとも熱溶融性接着繊維を含む乾式不織布により構成するとともに、前記高拡散高透過性吸収シートに対して前記高吸収性ポリマーを熱融着により固着させたことを特徴とする吸収性物品。
- 前記乾式不織布に、所定量の嵩高性の親水性繊維と所定量の親水性微細繊維を混合させたことを特徴とする前記請求項1記載の吸収性物品。
- 前記高吸収性ポリマーを、2枚の高拡散高透過性吸収シートの間に挟持したことを特徴とする前記請求項1および2のいずれか一項記載の吸収性物品。
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---|---|---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008099773A (ja) * | 2006-10-18 | 2008-05-01 | Hakujuji Co Ltd | 創傷被覆材 |
JP2008132240A (ja) * | 2006-11-29 | 2008-06-12 | Kao Corp | 吸収性物品 |
JP2008264161A (ja) * | 2007-04-19 | 2008-11-06 | Oji Nepia Kk | 吸収体及び吸収体の製造方法、並びに使い捨ておむつ |
-
2002
- 2002-06-26 JP JP2002185747A patent/JP2004025637A/ja active Pending
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