JP2008264084A - 不織布、及び、吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不織布10上に多量の液体が滴下された場合、液体は、まず、繊維が余り存在せず、透過に対して抵抗が少ない低密度領域12内を通って吸収体へ移行する。多量の液体が滴下されたとしても、低密度領域12が厚さ方向に連通しているため、大部分の液体が素早く吸収体へ移行することができる。その結果、不織布10の上面上(面方向)に液体が拡散してしまうことを防止でき、大部分の液体が移行した後に、不織布10の上面に残留している少量の液体を高密度領域11の毛管力により不織布10内部(高密度領域11内部)に引き込むことができる。そして、高密度領域11では、上面よりも下面の方が、繊維密度が高いため、毛管力により、高密度領域に引き込んだ液体を確実に吸収体へ移行できる。
【選択図】図3
Description
例えば、不織布をセカンドシートとして、液透過性の表面シートと液保持性の吸収体との間に配した吸収性物品であれば、表面シート上の液体をセカンドシート内部に引き込み易く(液引き込み性が良い)、引き込んだ液体がセカンドシート内部に残留することなく、吸収体へ移行する(液体残留の抑止)ことが課題となる。
このような不織布によれば、不織布上の少量の液体を毛管力により高密度領域に引き込み、不織布上に液体が残留してしまうことを抑止できる。また、高密度領域以外の不織布内に残留する少量の液体を毛管力により高密度領域に引き込むことができる。更にいえば、液体を、例えば、不織布から不織布よりも高密度である吸収体に移行させる場合、高密度領域に引き込まれた液体は毛管力により吸収体へ移行するので、不織布内部に液体が残留してしまうことがなくなる。
このような不織布によれば、一方側よりも他方側の方が毛管力が高まるため、液体が一方側から他方側へ移行しやすい。
このような不織布によれば、多量の液体や粘度の高い液体が繊維に阻害されることなく、不織布内部を透過することができ、液体が面方向に拡散してしまうことを抑止できる。
このような不織布によれば、高密度領域による「液体の引き込み性の良さ」及び「低残留性」と、低密度領域による「低拡散性(スポット性の良さ)」の性質を両立させることができる。
このような不織布によれば、前述の高密度領域と低密度領域の性質を両立させることができる。
このような吸収性物品によれば、表面シート上の少量の液体をセカンドシート内に引き込むことができるため、使用者に不快感(べたべた感)を与えず、肌を汚してしまうことを防ぐことができる。また、液体がセカンドシート内に残留することなく吸収体へ移行するため、繰り返し液体が排泄されても、表面シート上に液体が溢れてしまうことを防止することができる。
このような吸収性物品によれば、低密度領域により多量の液体や粘度の高い液体が素早く吸収体へ移行し、表面シート上に液体が拡散してしまうことが抑止され、使用者に不快感を与えない。
このような吸収性物品によれば、高密度領域の液体が毛管力により吸収体へ移行しやすい。
〈比較例の不織布〉
まず、本実施形態の不織布とは異なる比較例の不織布1について説明する。図1は、比較例の不織布1の断面図を示す図である。比較例の不織布1は、上層2(第2の層に相当)と下層3(第1の層に相当)から構成され、上層2から下層3へ液体が移行し易くなることを目的として、下層3の平均繊維密度が上層2の平均繊維密度よりも高くなっている。
図2Aは、本実施形態の不織布10の上面図であり、図2Bは、本実施形態の不織布10の斜視図である。図3Aは、本実施形態の不織布10の断面図であり、図3Bは、断面の拡大図である。
また、高密度領域11だけでなく、低密度領域12においても、一方側よりも他方側の方が、繊維密度が高くなっていても構わない。この場合、液体は、低密度領域の毛管力を利用して透過することができる。
高密度領域11の平均空間面積を、300μm2以上であり1000μm2以下とし、好ましくは、400μm2以上であり800μm2以下であるとする。高密度領域の上面と下面において繊維密度に差がある場合、上面側の平均空間面積と下面側の平均空間面積との差は、50μm2以上であり200μm2以下とし、好ましくは、60μm2以上〜100μm2以下であるとする。
低密度領域の繊維間面積は、600μm2以上であり8000μm2以下とし、好ましくは、800μm2以上であり1000μm2以下であるとする。低密度領域の上面と下面において繊維密度に差がある場合、上面側の平均空間面積と下面側の平均空間面積との差は、50μm2以上であり200μm2以下とし、好ましくは、60μm2以上100μm2以下であるとする。
そして、低密度領域12と高密度領域11との平均空間面積の差は、150μm2以上であり7000μm2以下であるとし、好ましくは、200μm2以上1000μm2以下であるとする。
その他、繊維密度の代替数値として、「繊維間距離」を用いることができ、高密度領域11における繊維間距離は、例えば、15μm以上であり95μm以下であるとし、低密度領域12における繊維間距離は、例えば、85μm以上であり390μmであるとする。
本実施形態の不織布10は、1種類又は複数種類の熱融着性を有する熱収縮性繊維が配合された繊維ウェブを支持部材の上に載せた状態で加熱処理し、加熱融着させた繊維を支持部材と反対側の面から押圧することで得られる不織布である。
ここで、熱収縮性繊維とは、例えば、収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏芯芯鞘型複合繊維、又はサイド・バイ・サイド型複合繊維が挙げられる。収縮率の異なる熱可塑性ポリマー材料の例としては、エチレン−プロピレンランダム共重合体とポリプロピレンの組合せ、ポリエチレンとエチレン−プロピレンランダム共重合体の組合せ、ポリエチレンとポリエチレンテレフタレートとの組合せ等が挙げられる。これらの中でも、加熱処理時の温度(例えば145℃)に対する収縮率が過度に高まり過ぎず、且つ、制御しやすい偏芯芯鞘複合繊維であることが好ましい。なお、偏芯芯鞘複合繊維の芯の位置を中心からずらす距離(偏芯)を調整することで、収縮率の制御が可能となる。
なお、具体例として、繊維ウェブ21をコンベアにより搬送しながら、上面側から所定温度の熱風を噴きあてて加熱処理する方法が挙げられる。また、所定温度とは、熱収縮性繊維22が溶融し、かつ、熱収縮する温度である。例えば、繊維ウェブ21に噴きあてられる熱風の温度は、138℃以上152℃以下の範囲とし、好ましくは142℃以上150℃以下とする。上面側方向からの熱風の風速は、0.7m/s程度が好ましい。
なお、熱収縮率の測定方法として、例えば、(1)測定する繊維100%で200g/m2の繊維ウェブをカード機にて作成、(2)250×250mmの大きさにカット、(3)ウェブをクラフト紙に挟む(熱風が直接当たらないため、且つ、繊維が滑り易く熱収縮しやすいように)、(4)145℃のオーブン内に5分間放置、(5)熱収縮後の長さ寸法を測定、(6)熱収縮前後の長さ寸法差から算出することで、熱収縮率を算出することができる。
不織布10の面方向に高密度領域11及び低密度領域12は分散して形成される。この分散度合いを、例えば、分散指数(平均吸光度の標準偏差)で示すことができる。
「分散指数」である「平均吸光度の標準偏差」とは、不織布10の下から照射した際の不織布の明暗ムラ(ばらつき)を示す値である。所定の測定器(例えば、フォーメーションテスター(品番:FMT−MIII、野村商事株式会社製))を用いることで測定及び算出することができる。測定条件は、例えば、カメラ補正感度が100%、2値化閾値±%:0.0、移動画素が1、有効サイズが25×18cmで、製造工程において支持部材により支持された面を表側にして測定することができる。また、その他の公知の測定方法でも分散指数を測定することができる。
そして、本実施形態の不織布10における分散指数は250以上であり450以下であるとし、好ましくは280以上であり410以下であるとする。
〈吸収性物品の概要〉
図6Aは、本実施形態の吸収性物品30の一例である生理用ナプキン30の斜視図であり、図6Bは、生理用ナプキン30の断面図である。
本実施形態の吸収性物品30は、少なくとも一部が液透過性の表面シート31と、液不透過性の裏面シート33と、表面シート31と裏面シート33との間に配置される液保持性の吸収体32と、表面シート31と吸収体32との間に配置されるセカンドシート10を有する。
本実施形態の吸収性物品30は、生理用ナプキン、パンティーライナー、オムツ、失禁パッド、陰唇間パッド等として利用することができる。以下、生理用ナプキン30を例に挙げて説明する。表面シート31が人体の肌側、裏面シート33が下着側となるように、生理用ナプキン30は装着される。図6Bに示すように、セカンドシート10(不織布)には、表面シート31側から吸収体32側へ連通している高密度領域11と低密度領域12が、セカンドシート10の面方向に分散するように形成されている。また、表面シート31、セカンドシート10、吸収体32の順に繊維密度が高まるとする。そのため、表面シート31上の液体は、毛管力によりセカンドシート10へと移行し、更にセカンドシート10から吸収体32へ移行する。そして、液体は最終的には吸収体32に保持される。
表面シート31の液透過性領域は、例えば、多数の液透過孔が形成された樹脂フィルム、多数の網目を有するネット状シート、液透過性の不織布、又は織布等で形成される。前記樹脂フィルムやネット状シートは、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。
他に、素材として、ポリ乳酸、キトサン、ポリアルギン酸等の生分解性が可能な天然物を用いることもできる。
裏面シート33は、液不透過性のシートであり、吸収体32に吸収された排泄物が外へ漏れ出すのを防止できる材料が使用される。また、透湿性素材とすることにより、装着時のムレを低減させることができ、装着時における不快感を低減させることが可能となる。
このような材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等を主体とした液不透過性フィルム、通気性フィルム、スパンボンド等の不織布の片面に液不透過性フィルムをラミネートした複合シート等が挙げられる。好ましくは、疎水性の不織布、不透水性のプラスティックフィルム、不織布と不透水性プラスティックフィルムとのラミネートシート等を用いることができる。また、耐水性の高いメルトブローン不織布を強度の強いスパンボンド不織布で挟んだSMS不織布でも良い。
吸収体32は、経血等の液体を吸収して保持する機能を有するもので、嵩高であり、型崩れし難く、化学的刺激が少ないものであることが好ましい。例えば、フラッフ状パルプもしくはエアレイド不織布と高吸収ポリマーとからなる吸収体材料を例示できる。
フラッフ状パルプの代わりに、例えば、化学パルプ、セルロース繊維、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維を例示できる。パルプは目付500g/m2、ポリマーは目付20g/m2(ポリマーは全体に分散している)で、パルプとポリマーが全体に均一に分布した混合体を、目付け15g/m2のティッシュで包んだものが挙げられる。
エアレイド不織布としては、例えば、パルプと合成繊維とを熱融着させ又はバインダーで固着させた不織布を例示できる。高吸収ポリマー(SAP)としては、例えば、デンプン系、アクリル酸系、アミノ酸系の粒子状又は繊維状のポリマーを例示できる。吸収体32の形状及び構造は必要に応じて変えることができるが、吸収体32の全吸収量は、吸収性物品としての設計挿入量及び所望の用途に対応させる必要がある。また、吸収体32のサイズや吸収能力等は用途に対応して変動される。
〈人工経血による吸収性の評価方法〉
サンプルの吸収性を評価するために、人工経血にて液残存性、拡散性及びリウェット性を評価することができる。
ここで、人工経血の組成は以下の通りである。
イオン交換水1リットルに対して以下を配合する。(1)グリセリン80g(2)カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)8g(3)塩化ナトリウム(NaCl)10g(4)炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)4g(5)色素 赤色 102号8g(6)色素 赤色 2号2g(7)色素 黄色 5号2g
測定器具として、例えば、1)オートビュレット(メトローム社(株)725型)、2)SKICON、3)色彩計、4)穴あきアクリル板(中央に40mm×10mmの穴、長さ×幅=200mm×100mm、重量130g)、5)はかり、6)定規、7)人工経血、8)ストップウォッチ、9)ろ紙を用いる。
1)1回目(3ml滴下):吸収速度[sec](A)、全乾速度[sec](B)、拡散範囲(MD×CD)[mm](C)、SKICON値[μS](D)、白度(E)[−](E)
2)2回目(4ml滴下(計7ml)):吸収速度[sec](F)、全乾速度[sec](G)、拡散範囲(MD×CD)[mm](H)、SKICON値[μS](I)、白度(E)[−](J)
3)(1)リウェット率1回目(50g/cm2下)(K)、(2)リウェット率2回目(100g/cm2下)(L)
サンプルの吸収性を評価するために、人工尿にて吸収速度、表面乾燥速度、拡散状態及びリウェットを評価することができる。
測定機器等として、例えば、(1)人工尿、(2)ビュレットとロート(滴下速度が80ml/10secになるようにビュレットを調整する)、(3)ビュレットスタンド、(4)円筒(直径60mm 550g)、(5)ろ紙(例えば、アドバンテックNo.2・100mm×100mm)、(6)3.5kg/100cm2の重り、(7)ストップウォッチ、(8)電子天秤、(9)定規、(10)はさみ等を用いる。
実際に不織布を製造し、分散指数や吸収性の評価を行った。不織布の製造条件や評価結果等を以下に説明する。図8は、実施例における不織布の構成及び平均吸光度の測定結果を説明する表であり、図9は、実施例Dにおける不織布を重ね合わせた場合における平均吸光度の測定結果を説明する表であり、図10は、実施例における不織布の人工尿による吸収性の評価結果を説明する表であり、図11は、実施例における不織布の人工経血による吸収性の評価結果を説明する表であり、図12は、実施例Dにおける繊維間の平均空間面積の測定結果を説明する表である。
(1)繊維構成
図8の表に記載した繊維構成により、実施例AからE、比較例A、Bの不織布を製造した。
(a)図8の表に示した繊維構成を速度20m/分のカード機によって開繊し繊維ウェブを作成する。そして、繊維ウェブを幅が450mmとなるようにカットする。
(b)繊維ウェブをMD300mm×CD300mmにカットした状態で20メッシュの通気性ネット上に載せ、速度3m/分で搬送し、温度145℃(418.15K)、風速0.7m/s、長さ1.5mの加熱装置(オーブン)内を約30秒で加熱しながら搬送する。
(c)反ネット面の凹凸を押圧する。
図8に示す表に記載の通り、各種不織布における分散指数を測定した。分散指数の測定結果も図8の表に示す通りである。
実施例AからEにおける分散指数は、287から396の範囲内であった。上述した分散指数の範囲である250以上であり450以下であった。ここで、比較例Aは熱融着性繊維のみで構成され平面方向において粗密が略均一な超低密度シートである。この比較例Aにおける分散指数は204であった。比較例Bも熱融着性繊維のみで構成され平面方向において粗密が均一な超高密度シートである。この比較例Bにおける分散指数は206であった。
また、図9の表に示すように、実施例Dの不織布を重ね合わせた不織布についての分散指数を測定した。図9の表の測定結果より、実施例D、実施例Dを2枚重ねた不織布である実施例D2及び、実施例Dの不織布を3枚重ねた不織布である実施例D3における分散指数は、それぞれ大きな差異がなく近似した範囲の値であった。これにより、本発明における不織布を複数枚重ねた不織布も、1枚の不織布と同様の吸収性を有することが期待される。
A人工尿による吸収性の評価
上述の評価方法に沿って、実施例A、E、比較例A、Bについて、人工尿による吸収性の評価を行った。図10の表に示される評価結果より、実施例A、Eをセカンドシートとして使用した吸収性物品は、吸収速度が速く、かつ、表面シートから吸収体への液体の移行(液ハケ速度)が速い。これに比べて、比較例Aは、吸収速度は速いものの、表面シートから吸収体への液体の移行は遅い。また、比較例Bは、表面シートから吸収体への液体の移行は速いものの、吸収速度は遅い。
上記より、実施例A、Eの不織布をセカンドシートとして用いた吸収性物品は、吸収速度が速く、かつ、表面シートから吸収体への液体の移行が速い。つまり、実施例A、Eの不織布は液体が透過する際の拡散性が低く、表面シートから吸収体への液体の移行を妨げない。
上述の評価方法に沿って、実施例D1、D2、比較例A、Bについて、人工経血による吸収性の評価を行った。つまり、実施例D1、D2、比較例A、Bを、吸収性物品におけるセカンドシートとして用いた吸収性物品の吸収性の評価を行った。ここで、実施例D1は、実施例Dにおける自由面(反ネット面、高密度領域が偏って形成されている面)を内側にして折り重ねた不織布であり、実施例D2は、実施例Dにおける自由面(反ネット面、高密度領域が偏って形成されている面)を外側にして折り重ねた不織布である。吸収評価用サンプルにおける表面シートとして、以下の表面シートを使用した。
上層に高密度ポリエチレンとポリエチレンテレフタレートの芯鞘構造で、平均繊度3.3dtex、平均繊維長51mm、親水油剤がコーティングされた繊維Aを、下層側に高密度ポリエチレンとポリプロピレンの芯鞘構造で平均繊度3.3dtex、平均繊維長51mm、親水油剤がコーティングされた繊維Bと高密度ポリエチレンとポリエチレンテレフタレートの芯鞘構造で、平均繊度2.2dtex、平均繊維長51mm、親水油剤がコーティングされた繊維Cとを50/50の割合で混合した繊維を使用した。上下層の比は16:9でトータルの目付は30gsmである。
速度20m/分のカード機によって開繊し繊維ウェブを作成し、幅が450mmとなるように繊維ウェブをカットする。繊維ウェブをスリーブの上に載せ、速度3m/分の20メッシュの通気性ネット上に搬送する(上層側がメッシュに対面する)。その後、前記通気性ネットで搬送した状態で温度125℃、熱風風量10Hzで設定したオーブン内を約30秒で搬送させる。
吸収評価用サンプルの試作内容は、上記表面シート、実施例D1、D2、比較例A、Bそれぞれを、長さ100mm×幅70mmにカットする。そして、厚みが5mmになるように調整した500g/m2のフラッフパルプを16g/m2のティッシュで挟んだ吸収コアに重ね、最も幅が狭い部分が38mmになるように設定したヒンジエンボスにて吸収コアと表面シートとセカンドシートである上記各不織布を接合して、評価用サンプルを調製した。
上記調製した各サンプルについて、上述の評価方法の説明に記載の手順に沿って吸収性の評価を行った。測定結果は、図11の表に記載の通りである。図11の表に示すように、実施例D1、D2における不織布をセカンドシートして使用した吸収性評価用サンプルは、比較例A、Bにおける不織布をセカンドシートとして使用した吸収性評価用サンプルに比べて、全般的に浸透時間は短く、全乾燥時間は短く、表面拡散面積も少ない。
実施例Dの高密度領域と低密度領域における繊維の平均空間面積を測定した。1)サンプル品(実施例D)の観察面を上にして観察台に載せる。2)所定の測定器(例えば、デジタルマイクロスコープ、品番:VHX−100、キーエンス株式会社製)を用いて、繊維面を撮影し、繊維の二値化画像を得る。3)二値化画像中の空間面積(繊維が存在しない領域の面積:μm2)を、二値化画像中に存在する空間の数で割った値が、繊維の平均空間面積(=空間面積/空間個数)である。
10 不織布、11 高密度領域、12 低密度領域、20 支持部材、
21 繊維ウェブ、22 熱収縮性繊維、23 熱融着性繊維、24 繊維布、
30 生理用ナプキン、31 表面シート、32 吸収体、33 裏面シート、
40 液体
Claims (8)
- 不織布であって、
前記不織布における平均繊維密度よりも高い繊維密度である高密度領域を有し、
前記高密度領域は、前記不織布の厚さ方向における一方側から他方側へ連通していることを特徴とする不織布。 - 請求項1に記載の不織布であって、
前記高密度領域では、前記一方側よりも前記他方側の方が、前記繊維密度が高いことを特徴とする不織布。 - 請求項1または請求項2に記載の不織布であって、
前記厚さ方向における一方側から他方側へ連通し、前記平均繊維密度よりも低い繊維密度である低密度領域を有することを特徴とする不織布。 - 請求項3に記載の不織布であって、
複数の前記高密度領域と複数の前記低密度領域が、前記不織布の面方向に分散していることを特徴とする不織布。 - 請求項4に記載の不織布であって、
前記高密度領域と前記低密度領域の分散度合いを示す分散指数が250以上であり、450以下であることを特徴とする不織布。 - 少なくとも一部が液透過性の表面シートと、
液不透過性の裏面シートと、
前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される液保持性の吸収体と、
前記表面シートと前記吸収体との間に配置されるセカンドシートと、
を有し、
前記セカンドシートは不織布であり、
前記不織布は、前記不織布における平均繊維密度よりも高い繊維密度である高密度領域を有し、前記高密度領域は前記不織布の厚さ方向における前記表面シート側から前記吸収体側へ連通していることを特徴とする吸収性物品。 - 請求項6に記載の吸収性物品であって、
前記不織布は、前記厚さ方向における前記表面シート側から前記吸収体側へ連通し、且つ、前記平均繊維密度よりも低い繊維密度である低密度領域を有し、複数の前記高密度領域と複数の前記低密度領域が、前記不織布の面方向に分散していることを特徴とする吸収性物品。 - 請求項6または請求項7に記載の吸収性物品であって、
前記高密度領域では、前記表面シート側よりも前記吸収体側の方が、前記繊維密度が高いことを特徴とする吸収性物品。
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