JP2008261957A - 平面光波回路 - Google Patents

平面光波回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2008261957A
JP2008261957A JP2007103330A JP2007103330A JP2008261957A JP 2008261957 A JP2008261957 A JP 2008261957A JP 2007103330 A JP2007103330 A JP 2007103330A JP 2007103330 A JP2007103330 A JP 2007103330A JP 2008261957 A JP2008261957 A JP 2008261957A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plc
waveguide
socket
core
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007103330A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4792422B2 (ja
Inventor
Hiroshi Watanabe
啓 渡辺
Yuukai Nasu
悠介 那須
Masaki Kamitoku
正樹 神徳
Mikitaka Itou
幹隆 井藤
Masaya Suzuki
賢哉 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2007103330A priority Critical patent/JP4792422B2/ja
Publication of JP2008261957A publication Critical patent/JP2008261957A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4792422B2 publication Critical patent/JP4792422B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

【課題】交差損失および結合損失を抑えて、他のPLCに対して光の入出力を行うことのできるPLCを提供すること。
【解決手段】プラグPLC200はは、基板201と、導波路205とを備える。導波路205は、基板201の上のクラッド206と、クラッド206に囲まれたコア207とを備える。導波路205は、基板201に対して凸形状である。ソケットPLC210は、基板211と、基板上のクラッド212と、クラッド212に囲まれたコア213およびコア214とを備える。ソケット溝215は、コア213を遮断する位置に配置されており、コア214は、ソケット溝215により遮断されていない。導波路205は、複数のコアのうちの1つであるコア213を遮断する位置に配置されたソケット溝215に嵌合して、導波路205のコア207とコア213とが光学的に結合するように構成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、光通信分野で用いられる平面光波回路に関する。より詳細には、多チャンネルの平面光波回路に関する。
近年、急速にネットワークの光化が進み、遠隔波長制御可能な波長多重化装置(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer:ROADM)の需要が高まっている。図1は、ROADM100のロジック構成の一例を示している。他の構成も考えられるが基本的には同様である。入力ファイバ101が二分岐され、一方は、DROP用AWG110において各波長に分波される。他方は、DEMUX用AWG120において各波長(チャンネル)に分波される。各チャンネルの出力に対して、光スイッチ(SW)121等により、パススルーさせるか、アドポートより入力された信号と入れ替えるかが選択される。ついで光スイッチ121等の出力は、光可変減衰器(VOA)122等によりそれぞれ光強度が揃えられてMUX−AWG123に入力される。MUX−AWG123において各チャンネルの光が合波され、出力される。VOA122等の後段では、一部の光が分岐回路(TAP)(図示せず)により分岐され、モニター用のPD124等により光強度が監視されている。PD124等の出力に応じてVOA122等を制御する。
これまで、図1に示すようなロジック構成を実現するために、DEMUX/MUX−AWG、SW、VOA、TAP、PD等の個別回路をファイバー融着等により結合させていた。しかし、近年の光ネットワークの需要の高まりから、これらの回路の小型化および低コスト化が強く求められるようになっている。
1つのアプローチとして、これらの諸機能を1つのチップ上に集積する開発が行われている。1チップ上に集積することで、多芯ファイバー接続工程の省略、ファイバー余長処理省略や小型化が可能であり、コスト低減につながる。集積化にあたって、平面光波回路(PLC)を用いた光部品が高信頼性・低損失の観点から特に広く用いられており、たとえば、上記諸機能をすべて1チップ上に集積した複合集積PLCが報告されている(非特許文献1参照)。
I. Ogawa et. al., 32ch Reconfigurable Optical Add Multiplexer Using Technique for Stacked Integration of Chip-Scale-Package PDs on Silica-Based PLC, European Conference on Optical Communication Tu4. 4.2 河野健治、光結合系の基礎と応用、現代工学社
上述したようにPLCを用いた集積化の開発が行われているが、平面回路であることに起因する問題がある。その問題を図1のADDポートの1チャンネルを例として説明する。
光スイッチ121においてアドされる光は、Nチャンネルから2チャンネルまでのパススルーポートの導波路すべてと交差する導波路を伝播して、光スイッチ121に挿入される。交差部を図中に丸で示した。このような交差部が存在すると、各交差部において損失が発生することになる。
通常は、アドポートの交差損失が多少大きくなってもパススルーポートの損失が最小になるように、交差部の導波路幅や交差角度を最適化している。たとえば、交差角を大きくとるために、一度本来曲げたい方向とは逆方向に湾曲させてから曲げを実施するなどの処置が行われている。この方法をとるとチャンネル間の距離が必要となり、結果的には交差回路部分のチップ上での占有面積が大きくなってしまう。
また、交差部の数がチャンネルにより異なり、そのため損失の程度が各チャンネルで異なるので、アドポートの入力強度が各チャンネルで変化する。各交差部での損失および交差部の数が大きくなければ、後段のVOA122等においてレベル等価を実施するのでさほど問題とはならない。しかしながら、一般に比屈折率差Δが大きい導波路を用いれば用いるほど交差損失が増大するため、小型化や低コスト化の観点から曲げ半径を小さくすることができる高Δ導波路を用いる場合には看過することのできない問題である。例えばΔ2.5%の導波路を考えると、導波路幅を最適化した交差の場合、交差部1ヶ所を通過する度にパススルーポートで約0.05dB、アドポートで約0.4dBの損失を発生する。100チャンネルの回路を構成したとすると、最大でパススルーポートで5dB、アドポートで40dBもの交差損失を発生させることになる。
交差損失の問題は、モニターポートにも存在する。モニターポート側では、インラインモニターを行って回路を実現することでこの問題を回避することが可能である。非特許文献1に示されるように、TAP回路通過後、基板垂直方向にミラーを用いて光路変換し、表面実装したPDアレイにより光強度をモニタリングすることができる。こうすることで、導波路の交差を回避することができる。
モニターボートの場合は、PD受光径が、導波路コア断面寸法またはそこを伝播する光のモードフィールドよりも大きくさえあればよいので、位置合わせトレランスが広く、簡便に実装ができる。しかしながら、アドポートではインラインモニターの手法を用いることが困難である。なぜならば、アドポートからはレーザ光がファイバーを介して挿入される、または直接挿入されることとなるが、ミラーを介して低損失に、PLC内のコアに結合させることが困難であるからである。ミラーを介した場合、空間に放出されてビームが広がるため、結合に大きな損失が発生する。ミラーの作製も高い精度が要求される。また、ビームの広がりを抑えるためにレンズを使用する場合、部品点数が増えるだけでなく位置合わせしなければならない部品数が増大し、その結果、コストが大幅に増大することとなる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、交差損失および結合損失を抑えて、他のPLCに対して光の入出力を行うことのできるPLCを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、第1の基板と、前記第1の基板に対して凸形状である前記第1の基板上の第1の導波路とを備える平面光波回路であって、前記第1の導波路は、他の平面光波回路が備える複数の導波路のうちの1つのコアを遮断する位置に配置された溝に嵌合して、前記第1の導波路のコアと前記複数の導波路のうちの1つのコアとが光学的に結合するように構成されていることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1において、前記第1の基板は、段差部を有し、前記第1の導波路は、前記段差部に沿って傾斜していることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2において、前記第1の導波路の端面は、前記第1の導波路に垂直な方向から角度をもつように構成されていることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、第1の基板と、前記第1の基板上の複数の導波路とを備える平面光波回路であって、前記複数の導波路のうちの1つのコアを遮断する位置に溝が配置され、他の平面光波回路が備える凸形状の導波路が前記溝に嵌合して、前記複数の導波路のうちの1つのコアと前記凸形状の導波路のコアとが光学的に結合することを特徴とする。
本発明によれば、接続するPLCの備える凸形状の導波路を、接続されるPLCの溝に嵌合してコアの光学的結合を行うことができるように構成することにより、交差損失および結合損失を抑えて、他のPLCに対して光の入出力を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図2は、本実施形態に係るPLCの断面図である。本明細書では、導波路の方向をz、基板に垂直な方向をy、z方向およびy方向と直交する方向をxとする。PLC200の端部が、PLC210の導波路のコアを遮断する位置に配置された溝に嵌合して、PLC210の端部と接続される。以下に、接続される側のPLC(PLC210)をソケットPLCと呼び、接続する側のPLC(PLC200)をプラグPLCと呼ぶ。また、プラグPLCが嵌合する溝をソケット溝と呼ぶ。ソケットPLC210とプラグPLC200とをこのように接続することにより、ソケットPLC210上の任意の位置で、ソケットPLC210からプラグPLC200への光の出力もしくはプラグPLC200からソケットPLC210への光の入力を行うことができる。このように、PLCとPLCとを積層して行う接続を「スタックPLC−PLC接続」と呼ぶことにする。従来のPLC−PLC接続は、一方のPLCの外周において他方のPLCの端部と接続するものがほとんどである。本実施形態に係るPLCでは、たとえば、図1において説明したアドポートのように交差部をもたらす導波路をプラグPLCに設け、そのプラグPLCをソケット溝に嵌合してスタックPLC−PLC接続を行うことで、交差部に起因する交差損失を引き起こすことなく任意の位置で他のPLCに対する光の入出力を実現できる。
図3は、本実施形態に係るPLCの実装例を示している。プラグPLC300は、その端部に2つの導波路302および304を備える。ソケットPLC310は、4つの導波路311、312、313および314を備え、導波路312および314は、ソケット溝315および316により遮断されている。導波路302および304は、それぞれソケット溝315および316に嵌合し、コアの位置合わせをして固定される。位置合わせは、光を実際に伝播させてその光強度をモニタリングしながら、最大強度となるように行う(通常、アクティブ調芯と呼ばれる)。ソケットPLC310の導波路311および313は、Sベントを介して出力されるパススルーポートであり、導波路312および314は、スタックPLC−PLC接続により、それぞれプラグPLC300の導波路302および304に出力されるアドポートである。導波路311と312を伝播する光の光路はSベントにより交差しているが、同一のPLC内で導波路の交差部が生じていないため、交差損失を低減することができている。導波路313と314についても同様である。図4を参照して、プラグPLC200とソケットPLC210についてそれぞれ説明する。
図4(a)は、プラグPLC200の端部の構成を示している。プラグPLC200の全体は種々の回路構成を備えることができるが、ソケット溝に嵌合する端部は、基板201と、導波路205とを備える。導波路205は、基板201の上のクラッド206と、クラッド206に囲まれたコア207とを備える。
導波路205は、基板201に対して凸形状である。これは、プラグPLC200を天地反転してソケットPLC210に嵌合する際に、ソケット溝に導波路205のみを挿入するためである。導波路205を凸に形成しないと、ソケット溝をプラグPLC200の基板201の幅以上に広くすることが必要となる。そうすると、ROADM回路等の回路を想定した場合、アドポートを接続するためにアドポートに隣接するパススルーポートを切断しなければならなくなり、回路として機能しなくなる。図3のソケットPLC310を例にみると、パススルーポートである導波路313が切断されることとなる。したがって、導波路205は基板201に対して凸であることが必要であるが、必ずしも図示のように導波路205の高さ分だけ凸であることは必要でない。
図4(b)は、ソケットPLC210のソケット溝215近傍の構成を示している。ソケットPLC210の全体は種々の回路構成を備えることができるが、ソケット溝215の近傍は、基板211と、基板上のクラッド212と、クラッド212に囲まれたコア213およびコア214とを備える。ソケット溝215は、コア213を遮断する位置に配置されており、所望の位置のクラッド212およびコア213を除去して形成することができる。コア214は、ソケット溝215により遮断されていない。
ここで、図4(a)に示したプラグPLC200についてより詳細に説明すると、導波路205は、複数のコアのうちの1つであるコア213を遮断する位置に配置されたソケット溝215に嵌合して、導波路205のコア207とコア213とが光学的に結合するように構成されていればよく、図4(a)のように直方体形状である必要はない。図4(a)では、簡略化のために基板201の垂直方向(y方向)から見たときに(z方向に)直線である導波路を示しているが、基板201の水平方向(x方向)に湾曲した曲線状の導波路であってもよい。そのときは、ソケット溝215も導波路205がソケット溝215に嵌合するように曲線状である。また、実施形態2で説明するがy方向に湾曲した導波路とすることもできる。
次に、以上のような構成のプラグPLCとソケットPLCによるスタックPLC−PLC接続を行った際の結合損失について説明する。
理論上、接続する2つの導波路間に角度および隙間がなければ、伝播フィールドが同じである限り結合損失は発生しない。逆にいえば、導波路間に角度および隙間があれば結合損失が生じる。したがって、図2に示すような角度θの傾斜がある接続は、従来タブー視されてきた。特に石英系PLCにおいては、主にパッシブ部品が多く基本的に損失が許されないため、そのように考えられていた。しかしながら、近年開発が加速されている、回路曲げ半径の小さい高Δ導波路では角度許容範囲(角度トレランス)が広くなりつつある。
角度トレランスについてここで説明する。同じコアを有する2つの導波路があり、この2つの導波路が角度をもって接続されている(光学的に結合されている)場合の接続点での損失を見積もる。導波路1と導波路2が角度θで接続されており、スポットサイズω1の入射対称ガウシアンビームとスポットサイズのω2の受光系の対称ガウシアンビームとの間にx−z平面内で光軸方向に軸ズレがあり、かつ角度ズレがある場合を考える(非特許文献2参照)。このときの対称ガウシアンビームの結合率ηは、2つの導波路のギャップを充填する物質の屈折率をnとすると次の式で示される。θは、導波路の接続角度(°)で、zは、導波路間の隙間(μm)である。x0は、導波路1の端面でのガウシアンビームウエスト中心を原点とした系を(x,z)とし、同じく、導波路2の端面でのガウシアンビームウエスト中心を原点とした系を(x’,z’)とした場合、導波路2の端面でのガウシアンビームウエスト中心からzへ垂直に降ろした垂線の長さである。x0は、アクティブ調芯した際にはゼロとすることができる。
Figure 2008261957
ここで、κ,ω1(z)は
Figure 2008261957
である。
2つの導波路の構成が同じであり、比屈折率差Δが2.5%、コア寸法が3.5×3.5μm、クラッド屈折率が1.444である埋込型導波路について接続角度θの関数として結合損失を求めると、図5に曲線(i)で示す結果が得られる。図5では、2つの導波路間に隙間はないと仮定し、結合損失として−10log(η)を縦軸に示している。ここでは、スポットサイズω1およびω2を、2つの伝播光が対称ガウシアンビームであるとして等価屈折率法により求めた2μmとして計算を実施した。比較のために、比屈折率差Δが0.3%でコア寸法が8.0×8.0μmである(ω1=ω2=5.2μm)場合についても計算を行い、その結果を曲線(ii)に示してある。
いずれの比屈折率差Δの導波路においても、角度が大きくなると結合損失が増加する。しかし、比屈折率差Δが高くなると角度ズレのトレランスが大きくなることが分かる。比屈折率差Δ2.5%の場合、3°の角度をもって導波路が接続されても0.4dBしか角度ズレによる結合損失を発生させない。特に1度未満であればその損失は0.05dB以下となり、ほぼ無視できる程度となる。PLC−PLC接続を実際に用いるためには、最大損失が1dB程度であることが望ましい。
上記の計算では、2つの導波路間に隙間はないと仮定したが、実際は角度に応じた隙間(ギャップ)が存在する。また、信頼性を増すために、材料の熱膨張係数の差を吸収する隙間を設けた方がよい。図6は、2つの導波路間に隙間がないと仮定して計算した、図5の曲線(i)と同一の曲線を曲線(i)として、z=5μmとした場合の曲線を曲線(ii)として示している。隙間が5μm存在しても、増加する損失は0.2dB程度であることが分かる。角度ズレθが1°である場合の隙間は、オーバークラッド(コアと基板との間のクラッドがアンダークラッドであり、アンダークラッドの上にあるのがオーバークラッドである。)の厚さとtanθの積で近似することができ、オーバークラッドが20μmだとすると0.34μmである。したがって、角度ズレが数度である場合、導波路間の隙間の影響も無視できる程度である。
数度の結合角を実現するのに非常に長いソケット溝が必要となれば、回路全体が大きくなりスタックPLC−PLC接続する効果が低減してしまう。そこで、十分に薄い角度(<5度未満)の結合を実施しようとすると、ソケット溝の長さをどれほどにすればよいかを計算する。
図7は、オーバークラッドの厚さを20μmと仮定した際、接続角度と、ソケットPLCのソケット溝の長さLの関係とを示している。0.1°など非常に結合角度が小さい場合は、Lは5mm以上必要となることがわかる。一方、角度が大きくなると、長さは短くなり2°程度の接続角度であれば500μm程度のLで実現できることが分かる。1mm程度Lを確保できれば、1°程度の角度で接続が可能となり、先の計算結果から0.1dB以下の低損失な接合が得られる。
通常、比屈折率差Δ2.5%の最小曲げ半径は、1mm前後である。よって、従来のように同一PLC上にROADM回路の交差部を作製すると、1mm以上の面積が必要となる。本実施形態に係るPLCでは、ソケット溝の長さを1mm程度確保できれば上述したように低損失な接続ができる。したがって、本実施形態に係るPLCによれば、従来もしくはそれ以下の面積において、交差損失および結合損失を抑えてPLCに対する光の入出力を行うことができる。
このように、比屈折率差Δが高い導波路において、PLCを傾斜させて接続すると原理損(理論上の損失)が発生するが、その値は十分に小さくでき、実回路においては差し支えない程度である。スタックPLC−PLC接続では、1つの導波路につき1つの接続に伴う結合損失があるだけであり、同一PLC上に交差部を有し、その数がパススルーポートなどの導波路数に応じて増加するにつれて交差損失が増加する従来の技術に比べて、良好な損失低減を実現することができる。
実施例
図3に示すプラグPLC300とソケットPLC310とを以下の方法で作製した。まず、プラグPLC300について説明する。
アンダークラッドとなるガラス30μmとコアとなる比屈折率差Δ2.5%のガラス3.0μmを、火炎堆積法を用いて堆積した。ここで火炎堆積法(FHD法)は、酸水素炎内にて、SiやP、B(コアの場合はGeも含む。)の塩化物を反応させ、SiO2が主成分のガラス微粒子を高速に基板上に堆積する方法である。堆積直後は、微粒子により可視光が散乱され白色をしているが、透明化のための熱処理を実施することで透明な平滑面を得る。堆積は、アンダークラッドのガラスの屈折率が石英基板と同じ値になり、コア層の比屈折率差Δが2.5%となるようにした。
次に、標準的なフォトリソグラフィー法と反応性イオンエッチング法を用いてコアとなるガラスを加工した。コア幅を3.0μmとし、2チャンネルからなる導波路302および304を作製した。
最後に、オーバークラッドとなるガラスをFHD法により20μm堆積して埋め込みを実施し、プラグPLC300を作製した。
ソケットPLC310も同様に作製した。ソケットPLC310には、4チャンネルからなる導波路311、312、313および314を設けた。ソケット溝315および316は、エッチングにより形成した。ソケット溝315および316の幅は、プラグPLC300の導波路の幅よりも3μm広く設計し、また、溝の長さは2mmとした。これは、オーバークラッドが20μmの場合、約0.5度の傾斜を持ってスタックPLC−PLC接続することができる角度である。
作製したプラグPLC300およびソケットPLC310にファイバーブロックを介してファイバーを固定し、プラグPLC300をソケットPLC310に嵌合した後、ソケットPLC310を固定し、プラグPLC300をX,Y,Zおよび回転機構を搭載したステージに固定した。そして、ソケットPLC310の2、4チャンネルより、1.5μmのASE光源からの光を入射し、プラグPLC300から両チャンネルの出力をモニターしながらプラグPLC300の位置決め作業を行った。
図8に、接続したPLCの各チャンネルについて挿入損失を測定した結果を示す。縦軸は各チャンネルの挿入損失であり、横軸はチャンネル番号である。チャンネル1、3はSベントを介して出力されるパススルーポートであり、その挿入損失は主にファイバーと導波路との結合部におけるモードフィールド不整合によるものである。ファイバーと導波路の結合部の損失は、1ヶ所あたり約1.8dB(ファイバー接続部にて導波路幅をテーパーにより14μmまで広げた構造にて接続)である。
一方、ソケット溝を介してプラグPLC300に出力されるチャンネル2、4では、挿入損失が3.8〜3.9dBとなった。ソケット溝でおよそ0.3〜0.4dBの過剰損失が発生したことにある。光路の交差をし、角度を持って接続しているにも係わらず、損失が非常に小さくできている。
以上説明したように、本実施形態に係る平面光波回路(PLC)は、第1の基板と、第1の基板に対して凸形状である第1の基板上の第1の導波路とを備える平面光波回路(プラグPLCに対応)であって、第1の導波路は、他の平面光波回路(ソケットPLCに対応)が備える複数の導波路のうちの1つのコアを遮断する位置に配置された溝(ソケット溝に対応)に嵌合して、第1の導波路のコアと複数の導波路のうちの1つのコアとが光学的に結合するように構成されていることを特徴とする。
また、本実施形態に係る平面光波回路(PLC)は、第1の基板と、第1の基板上の複数の導波路とを備える平面光波回路(ソケットPLCに対応)であって、複数の導波路のうちの1つのコアを遮断する位置に溝(ソケット溝に対応)が配置され、他の平面光波回路(プラグPLCに対応)が備える凸形状の導波路がその溝に嵌合して、複数の導波路のうちの1つのコアと凸形状の導波路のコアとが光学的に結合することを特徴とする。
(実施形態2)
図9は、本実施形態に係るPLCの断面図である。プラグPLC900の端部が、ソケットPLC210の導波路のコアを遮断する位置に配置された溝に嵌合して、ソケットPLC210の端部と接続される。実施形態1と異なる点は、プラグPLC900の構造である。
図10は、プラグPLC900の構造を示している。プラグPLC900の端部は、プラグPLC200と同様に、基板901と、導波路905とを備え、導波路905は、基板901の上のクラッド906と、クラッド906に囲まれたコア907とを備える。しかし、プラグPLC200と異なり、基板901が段差部902を有し、クラッド906およびコア907を備える導波路905が、段差部902に沿って傾斜している。換言すると、基板901に垂直に、基板から離れる方向に(つまり、y軸の−方向に)導波路905が湾曲している。導波路905は、導波路205と同様に、基板901に対して凸である。
ここで、図9を参照しながら基板901に設けられた段差について説明する。tは、段差部902の高さ、tsはソケットPLC210のオーバークラッドの厚さ、tpはプラグPLC900のオーバークラッドの厚さを表している(ここでは、コアの中心を基準に厚さを定めることにする)。tをts+tpとなるように設計することで、プラグPLC900をソケット溝215に嵌合したときにプラグPLC900のコア907とソケットPLC210のコア213の位置が合致し、プラグPLC900とソケットPLC210との接続面を挟んでコアが平行な一直線となる。したがって、導波路905と、コア213およびコア213を囲むクラッドからなる導波路との間に角度および隙間がなくなり、実施形態1において説明したように結合損失を極めて低く抑えることができる。
tが大きすぎる場合は、ソケットPLCとプラグPLCとの間に空間ができる。しかし、調芯後、調芯状態を保ったままUV硬化接着剤を塗布し、UV照射により固定すると、空間がUV接着剤にて充填されて固定されるため、tが大きい場合でも問題とはならない。極端に、段差がオーバークラッドの厚さの数十倍という場合は問題になりうるが、数倍程度なら問題にならない。
図10では段差部902の高さがtであるように図示してあるが、tが少なくとも0より大きければ結合損失を抑える効果がある。段差部902が低い高さでも存在すれば、結合角度を小さくできるからである。以下に実施例1および実施例2を示す。
実施例1
図11は、作製したプラグPLC1100およびソケットPLC1110を示している。本実施例は、4チャンネルからなるスタックPLC−PLC接続の結合損失の低さを検証するためのものであり、ソケット溝1111がソケットPLC1100の幅全体にわたっている。
プラグPLC1100およびソケットPLC1100は、実施形態1の実施例で示したのと同様の方法で作製できるので繰り返さないが、プラグPLC1100については、まず最初に、導波路加工に一般に用いられるフォトリソグラフィー法と反応性イオンエッチング法を用いて、石英基板上に35μmの段差部を作製した。本実施例では垂直の段差部とした。段差部上のクラッドは段差部に沿って傾斜するが、クラッドとなるガラスの軟化温度、粘性、リフロー処理の温度によって傾斜具合を制御することが可能である。各PLCの導波路は、コア幅を3.0μmとし、250μmピッチの4チャンネルとした。ソケット溝は、プラグPLC1100の湾曲した部分から端部までが完全におさまるように2mmとした。
図12は、プラグPLC1100の段差部にわたって指針段差計により表面形状を測定した結果を示している。横軸は、スキャンの開始点から終点までの距離であり、縦軸は、開始点からの終点までの相対的な高さである。これによると、基板に形成した35μmの垂直な段差部をガラスで埋め込んだ結果、緩やかに湾曲していることが分かる。約1.3mmで基板底面に平行な平面に回復している。
図14は、測定によって得られた曲面が図13に示すように円弧足し合わせ形状であると仮定して、変位する段差がt=35μmの場合の円半径rと平坦に回復するまでの距離lとの関係を示している。これによると、lが350μmで回復する場合、つまり斜面が急峻であってもr=1mmの円弧に相当する曲率であることが分かる。今回得られた結果ではl=1.3mm(1300μm)程度であるため、曲率半径は1mmよりも大きい値であり曲率が緩やかである。比屈折率差Δ2.5%の最小曲げ半径が1mmであることからみて、導波路が段差部において湾曲することにより発生する損失はないといえる。
図15に、実施形態1の実施例と同様に、接続したPLCの各チャンネルについて挿入損失を測定した結果を示す。縦軸は各チャンネルの挿入損失であり、横軸はチャンネル番号である。およそすべてのチャンネルで3.7dB前後の挿入損失がありほぼ一様であることが分かる。ファイバーと導波路の結合部の損失が1ヶ所あたり約1.8dB(ファイバー接続部にて導波路幅をテーパーにより14μmまで広げた構造にて接続)であるので、各チャンネルにつき結合部が2ヶ所あることから、本実施例に係るスタックPLC−PLC接続による結合損失は0.1dB程度であることが分かった。
実施例2
図16は、作製したプラグPLC1600およびソケットPLC1610を接続前後で示している。プラグPLC1600には導波路を1チャンネル分だけ作製し、スタックPLC−PLC接続と反対側は、幅広テーパー導波路を介してファイバー出力されている。ソケットPLC1610は、2本の導波路が隣接して配置されており、一本は、プラグPLC1600と接続するため形成したソケット溝1611に繋がる。他方の導波路は、ソケット溝に接続される導波路を対称軸とする反対側にSベントを経て曲げられてファイバー接続されている。これらのPLCを接続した状態では、ソケットPLC1600に入力された2つの入力が、ソケット溝1611における接続部を介して位置が入れ替わっている。つまり、光路が交差する構成となっている。
これらの導波路の作製方法は、実施例1に示したものと同様であり、コアサイズ、アンダークラッドの厚さ等は同じである。実施例1と同様に、スタックPLC−PLC接続されたこれらの回路の特性評価を行ったところ、Sベントを介して、そのまま出力されるポートは挿入損失3.5dBであった。一方、スタックPLC−PLC接続を介して接続されるポートは3.6dBであった。つまり、ソケット部での結合による損失は0.1dBしか認められなかった。つまり、光路の交差を実現できているにもかかわらず、その交差による過剰損失は、0.1dB程度に作製できていることが確認された。
本実施例は、スタックPLC−PLC接続の有効性を確認するために実施されたためチャンネル数は少ないが、大規模多チャンネル化しても低損失な交差を提供できる。
以上説明したように、本実施形態に係る補正方法は、実施形態1に係る平面光波回路の接続方法であって、第1の基板は、段差部を有し、第1の導波路は、段差部に沿って傾斜していることを特徴とする。段差部を設けることにより、第1の導波路と第2の導波路との間の角度および隙間が低減され、それにより結合損失を極めて低く抑えることができる。
(実施形態3)
図2または図9に示した構造では、プラグPLCとソケットPLCとが接続される端面が、導波路方向と直角なx方向と平行である。このまま接続を実施すると、その界面での反射が存在し、十分な反射減衰量が得られない場合がある。本実施形態に係るPLCでは、プラグPLCとソケットPLCとが接続される端面をx方向から角度をもつ面として形成する。図17を参照して説明する。
図17(a)は、平面図であり、図17(b)は断面図である。図17(a)では、プラグPLC1700は、ソケットPLC1710に嵌合される面が示されている。プラグPLC1700の導波路1701の端面1701Aが、ソケットPLC1711のソケット溝1711の端面1711Aと接続される。本実施形態では、端面1701Aおよび端面1711Aがx方向から角度をもって形成されている。通常この角度は、8度程度が望ましい。上記のように角度を持った面にて接続することで反射した光がもとの導波路と結合しないため、反射減衰量を大きくすることができる。
図18に示すように、プラグPLC1800の導波路1801の先端1801Aを約45°に加工し、プラグPLC1800の導波路1801を嵌合させるソケットPLC1810のソケット溝1811の端面1811Aを約135°に加工することでも反射減衰量を低減することが可能である。このような構造にすると、位置合わせの簡略化が可能という効果が得られる。プラグPLC1800を天地反転してソケットPLC1810に嵌合させるとき、プラグPLC1800またはソケットPLC1810に加工誤差があったとしても、約45度に加工した先端1801Aは、ソケットPLC1810の導波路方向と一致する位置に配置される。よって、基板垂直方向の位置合わせをアクティブ調芯にて行えばよい。
また、嵌合させる先端部分にコアがなくともよく、図19に示すコア1902および1912のようにずれた位置でも、同じ原理にて位置合わせが可能である。図18の場合では、加工精度によっては鋭角な先端となっているが、先端部分では加工により局所的に観測すれば円弧を形成する。導波路幅に比べて円弧が十分に小さい場合には、問題にはならないが、円弧が大きい場合は、導波路幅程度では垂直面とみなすことができ十分な反射減衰が得られない場合もある。しかし、先端部分とコア接合位置を図19のように導波路方向と垂直な方向に設計上ずらして配置しておくことで、コアが接続端面では必ず傾斜面同士の接合となるため十分な減衰が得られる。
このように、導波路接続端面が垂直な場合は、x方向、y方向およびx方向のすべてにおいてアクティブ調芯を実施する必要があるが、接続端面を上記のように加工しておくことにより、反射減衰量を確保できるようになるだけではなく、同時にx方向とz方向に沿ってパッシブ調芯を可能とし、調芯軸を減らすことが可能となる。結果的には調芯時間を大幅に削減することができスループットを上げることが可能となる。
ここでは、y方向のみアクティブ調芯を実施する場合について説明を行った。しかし、基板基準面を基準とすることで、基板に垂直なy方向の調芯をもパッシブアライメントにより実施することも可能である。プラグPLCに予め設ける段差量を、嵌合した後ソケットPLCのコアが光結合される量にしておけば、嵌合させると同時にy方向の調芯も不要とできる。また、プラグPLC上の導波路を基板垂直に湾曲させており、ソケットPLCとプラグPLCとの接触面が水平であれば、嵌合させただけで、接続点での導波路は基板に対して水平に保たれる。この場合、角度ズレは極小さく抑えることが可能であるため、ソケットPLCに段差を設けることでパッシブ接続を可能とする。また、この際に、両PLC端面において、スポットサイズ変換器を設けて、各々を接続することで、x、y平面内でのコア位置ズレに対するトレランスを高めることも可能である。
上記の説明では、プラグPLC、ソケットPLC上において、コアを備える導波路の先端を約45°に加工して、反射減衰量の低減だけではなく位置合わせの機能を持たせるという構造であったが、位置合わせをする箇所は、必ずしもコアを備える導波路の先端である必要はなく、プラグPLC、ソケットPLCの導波路の周辺でかつ導波路がない部分に、位置合わせ用の凹凸を形成しても同様に位置合わせを簡便に行える機能を持たせることが可能となる。図20を参照されたい。
実施例
図21は、作製したプラグPLC2100およびソケットPLC2110を示している。作製方法は、実施形態1の実施例と同様であり、プラグPLC2100の段差部については、実施形態2の実施例1と同様である。図21(b)は、図21(a)に示すプラグPLC2100を、導波路2102および2104がある面から斜視図(i)と平面図(ii)により示している。
プラグPLC2100の導波路2102の先端2102Aと導波路2104の先端2104Aは、導波路の中心を先端として45度にエッチングされた形状となっており、2本が250μm間隔で配置されている。Sベントし、ファイバー接続される箇所にて127μmピッチとなるようにピッチ変換されて、2本のファイバーに接続されている。
一方、ソケットPLC2110は、4本の導波路2111、2112、2113および2114を備え、導波路2111(チャンネル1)および導波路2113(チャンネル3)は、Sベントを経てファイバー出力される。導波路2112(チャンネル2)および導波路2114(チャンネル4)は、それぞれソケット溝2115の135°に加工された端面2115Aおよびソケット溝2116の135°に加工された端面2116Aの中心に接続されている。ソケット溝2115および2116の幅は、プラグPLC2100の導波路2102および2104の幅よりも3μm広くなるように作製されている。
ソケットPLC2110を固定し、プラグPLC2100の導波路2102および2104をソケット溝2115および2116にそれぞれ挿入後、z方向にスライドさせて位置決めを行った。その後、ソケットPLC2110の導波路より、1.5μmのASE光源からの光を入射、プラグPLC2100から両チャンネルの出力をモニターしながら、y方向にのみステージを駆動させてプラグPLC2100の位置決め作業を行った。その後、UV硬化樹脂して固定した。
なお、プラグPLC2100にファイバー固定を実施する際は、PLC裏面に、ヤトイとなるガラス板を固定し研磨したのち、ファイバーブロックとの結合を実施した。通常ファイバー固定のヤトイガラスは、PLC表面に固定して行う。しかしながら、表面は加工されておりヤトイを固定できないため、裏面にて固定してファイバーブロックとの接着強度を増すことを行った。実際は表裏にガラスを固定した後、表側のガラスは研磨の後取り除くことで裏面のみのヤトイガラスの固定を行った。こうすることで、研磨時の導波路の破損を防ぐ。表面にも実装可能であるが、その場合は、固定ヤトイガラスが固定される部分は導波路としないことが望ましい。その部分の面積が必要となり結果回路が不必要に大きくなるからである。また、表にヤトイを張り合わせたほうが、不要な接着剤がスタック実装前に表面に付着する量が多くなり、位置合わせ時に、稼動範囲が狭くなり、最悪の場合、調芯が出来なくなるという問題が発生するためである。
図21に示した回路を全部で5つ組み立てを行いそれぞれの回路特性について評価を行った。挿入損失の評価結果を示す図が図22である。図22は、各チャンネルの挿入損失を5つのサンプルすべてについて調べた結果を示している。チャンネル1、3はSベントを経てそのまま出力されるため3.5dBと5つのサンプルでほぼ一定であった。一方チャンネル2、4は3.5〜3.9dBの間でのバラツキが認められる。しかしその差は、全値0.4dBしかない。これはx−z平面内の位置決めがずれているか、若干プラグPLCが基板に水平な平面内で角度を持って接続されたことによるものと思われる。しかしながら、x方向およびz方向はパッシブアライメントを実施しているにも係らず、損失のバラツキは0.4dBとわずかであり、許容できる範囲内にある。なぜなら、本実施例に係るPLCは光路の交差を実現するだけではなく、交差がチャンネル数に依存しない構成となっている。そのため0.4dBのチャンネル間バラツキは、比屈折率差Δの高い同一平面上に交差部を有する回路の損失から比べればはるかに小さいといえる。また、このうち1つの組み合わせについて反射減衰量を調べた結果、すべてのチャンネルで55dB以上の反射減衰量が得られることが解った。
本実施例ではリッジや、ソケット部溝に45度となる加工を行ったが、角度はこの他の角度であっても実施は可能である。しかし本発明者らの検討によると約45度付近が位置決め制度が最も高く安定した位置決めが可能である。そのため嵌合させる部分の角度は45度付近が望ましい。
また、実施例では、各チャンネルの導波路を45度に加工し、位置合わせを行うと同時に反射減衰量の削減もしている。図20に示すように、同様の構造で導波路は8°程度の角度をもって加工し、外部に位置決め構造を持たせることで位置決めすることによっても同様の効果が得られる。この場合は、接続部に設けるギャップを位置決め用の凹凸を設ける位置を調整することで設定できる。このような構造にすることで接続部は、外気温度が変化した場合に熱膨張係数の違いによるガラスの移動を許容するために設ける方が高い信頼性を得ることができるというメリットが得られる。
さらに、45度に加工した先端がコア中心にくるように加工を実施したが必ずしもその必要はなく、図19(中心からずれている図)に示したように、中心からずれていても、嵌合部と導波路の相対的な位置関係が、ソケット、プラグPLCで一致していれば(正しくは鏡像)よく、ずらした場合には、先端の加工精度が得られずとも反射減衰量を抑える効果が得られる。
実施形態1の実施例ならびに実施形態2の実施例1および2では、x、y、z方向へのステージの駆動を行なうことで位置決めを行った。しかし、本実施例のように接続部先端の形状を約45度とし、挿入後スライドさせ、約45度に加工された面同士が接触、スライドすることで位置決めを行うと、x方向、z方向への調芯を実施せずとも高精度の位置決めが実施できる。y方向のみアクティブ調芯すれば、位置決めが終了できる。結果、調芯時間の大幅な削減が可能でありスループットを大幅にあげることができる。
本実施例では、y方向(基板垂直方向)はアクティブ調芯によって位置決めを行った。本実施例で用いた回路は2.5%の比屈折率差Δからなり、位置ズレに対して損失のトレランスが狭いためである。しかしながら、高度な製膜技術により膜厚の制御をなす、または、比屈折率差Δが比較的低い導波路からなる場合はy軸をパッシブアライメントによって固定することが可能である。例えば、ソケットPLCのオーバークラッド厚さと、アンダークラッド厚さが等しく、基板段差がそれらの厚さの和であり、コア上面の平坦度が非常によい場合は、基板までクラッド除去をする。これらをスタック実装する場合、プラグPLCの基板が、ソケットPLCオーバークラッド表面に接触させて実装を行う。すると、コアの高さ、つまりy軸も、基板界面から距離を参照することで同時に位置決めが実施できる。
上記の場合、基板界面でエッチングを確実に止める必要があるためシリコン基板など、クラッドとエッチングストップが可能な基板で行うことが望ましい。無論、クラッドと同種の基板を用いていても、高精度に残膜を監視しエッチングを施せば問題はない。
上記に説明したように実施すれば、すべての調芯をパッシブアライメントによって実施できるようになり、実装コスト、時間の大幅な低減が可能となる。
(実施形態4)
本実施形態では、本発明に係るスタックPLC−PLC接続技術をアドポート挿入に適用した40チャンネル複合光モジュールを説明する。
図23は、作製した複合モジュールの概要を示している。図23(a)は、ソケットPLCに該当し、図1に示したROADM構成のうち、破線で示される部分の機能を一つのチップに集積したものである。DEMUX,MUX用のAWG(100G、40ch)2個と、40chの2×2SW、VOA、10%のWINC(波長無依存カップラー)−TAPからなる複合集積PLCである。WINC−TAP後段で、TAPポートをミラーにより基板垂直方向に、光路変換し、20ch気密封止チップスケールパッケージモニター(CSP−P)2個を、表面実装し、モニタリングを行うようにしてある。入出力は左側の2芯ファイバーブロックにより行われる。図中の矢印は、図1に対応した光の進路を示している。
同23(b)は、アドポートを挿入するためのアドポートプラグPLCを示している。ソケットPLCに設けられたソケット溝に嵌合するように先の実施形態で示してきた導波路が構成してあり、また、ピッチをファイバーピッチに変換し、40チャンネルの多芯ファイバーブロックに接続されている。
これらの導波路は、実施形態1の実施例および実施形態2の実施例1と同じ方法によって作製することができる。この場合ソケットPLCには、SW,VOA,CSP−PDのための配線、ヒータ等の工程を追加し複合モジュールを作製する。詳細な作製方法はここでは省略するが、一般的なリフトオフ工程等によって配線プロセスは行った。また導波路の構成は、実施形態2の実施例2に示した構成と用いたコアや、アンダークラッド、オーバークラッド等は同じとした。
図24は、これらのソケットPLCとプラグPLCを接合する前の状態を、図23中のソケット溝周辺を拡大した斜視図を示している。図が煩雑になるのを防ぐため40チャンネルすべてでなく、一部を省略してある。
アドポートにあたる導波路が、ソケット溝に接続される。このソケット溝の端面は、導波路に垂直な方向より8°傾けてある。先に説明したように反射減衰量を削減するためである。ソケット溝の幅は、プラグPLC上の導波路の幅(100μm)より広く125μmとしてある。また、ソケット溝の長さは2mmとした。各アドポートのソケット溝の間は125μmあり、その間には、パススルーポートにあたる導波路が配置されている。この導波路には、DEMUX,AWGの出力光が導かれる。プラグPLC側もソケット部に嵌合するように、導波路の端面で8°の角度をつけてある。
ソケットPLCを固定し、プラグPLCをX,Y,Zおよび回転機構を搭載したステージに固定し、ソケットPLC側両端の1,4チャンネルより、1.5μmのASE光源からの光を入射、VOA,SWを駆動しアドポートの光がOUTPUTポートに出力されるように、プラグPLCから両端のチャンネルの出力をモニターしながら、プラグPLCの位置決め作業を行った。強度が最大となった位置にて、ソケットPLC上へのプラグPLCをUV硬化型の接着剤により固定を行った。
このように作製したROADM複合モジュールの評価を実施した。同じ基板上に作成した同じ構成のAWGの測定を実施してAWGの過剰損失を見積もった結果1つAWGの過剰損失は、3.0dBであった。Tap原理損0.5dBで合わせてIN,OUTPUT間の損失は、10.2dBとなった。IN,OUTPUTのファイバー接続損失3.5dBを含む値である。SWを駆動して、アドポートから光を入力した際の損失は、7.3dBとなった。AWG一つあたりの過剰損失が3.0dBであることから、スタックPLC−PLC接続を実施した接続点での過剰損失は0.1dB程度であることがわかった。
構成上、上記のようなスタックPLC−PLC接続を実施することによって、チャンネル数無依存にて、アドポートの光路交差が実現できる。
また本実施例では、CSP−PD搭載部分では、垂直光路変換を行うミラー形成を行ってTAPポートは、導波路交差を用いずに実現している。今回アドポートに適応したようにスタックPLC−PLC接続のメリットである任意の箇所にて光の出し入れが可能という特性を生かし、タップポートにもスタックPLC−PLC接続技術を適応することが無論可能である。この場合、図23(b)で示したアドポートプラグPLCのファイバー接続してある箇所にCSP−PDを端面実装すればよい。
ROADMのロジック構成の一例を示す図である。 実施形態1に係るPLCの断面図である。 実施形態1に係るPLCの実装例を示す図である。 (a)は、実施形態1に係るプラグPLCを示す図であり、(b)は、ソケットPLCを示す図である。 接続角度の関数として結合損失を示すグラフである。 接続角度の関数として結合損失を示すグラフである。 接続角度とソケット溝の長さの関係を示すグラフである。 実施形態1の実施例の挿入損失を示すグラフである。 実施形態2に係るPLCの断面図である。 実施形態2に係るプラグPLCを示す図である。 実施形態2の実施例1の実装例を示す図である。 段差部にわたって表面形状を測定した結果を示すグラフである。 段差部の形状を近似するモデルを示すグラフである。 段差部の長さと曲率の関係を示すグラフである。 実施形態2の実施例1の挿入損失を示すグラフである。 実施形態2の実施例2の実装例を示す図である。 実施形態3に係る、プラグPLCおよびソケットPLCの代替形態を示す図である。 実施形態3に係る、プラグPLCおよびソケットPLCの代替形態を示す図である。 実施形態3に係る、プラグPLCおよびソケットPLCの代替形態を示す図である。 実施形態3に係る、プラグPLCおよびソケットPLCの代替形態を示す図である。 実施形態3の実施例の実装例を示す図である。 実施形態3の実施例の挿入損失を示すグラフである。 実施形態4に係る、複合モジュールの概要を示す図である。 図23のソケット溝周辺の拡大図である。
符号の説明
200、300、900、1100、1600 プラグPLC
201、211、901 基板
205、302、304、311、312、313、314 導波路
206、212、906 クラッド
207、213、214、907 コア
210、310、1110、1610 ソケットPLC
215、315、316、1111、1611 ソケット溝
902 段差部
1700、1800、1900、2100 プラグPLC
1701、1801、1901 導波路
1701A、1801A、2115A、2116A 端面
1710、1810、1910、2110 ソケットPLC
1711、1811、1911、2115、2116 ソケット溝
1711A、1811A 端面
1902、1912 コア
2102、2104、2111、2112、2113、2114 導波路

Claims (4)

  1. 第1の基板と、
    前記第1の基板に対して凸形状である前記第1の基板上の第1の導波路と
    を備える平面光波回路であって、
    前記第1の導波路は、他の平面光波回路が備える複数の導波路のうちの1つのコアを遮断する位置に配置された溝に嵌合して、前記第1の導波路のコアと前記複数の導波路のうちの1つのコアとが光学的に結合するように構成されていることを特徴とする平面光波回路。
  2. 前記第1の基板は、段差部を有し、
    前記第1の導波路は、前記段差部に沿って傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の平面光波回路。
  3. 前記第1の導波路の端面は、前記第1の導波路に垂直な方向から角度をもつように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の平面光波回路。
  4. 第1の基板と、
    前記第1の基板上の複数の導波路と
    を備える平面光波回路であって、
    前記複数の導波路のうちの1つのコアを遮断する位置に溝が配置され、
    他の平面光波回路が備える凸形状の導波路が前記溝に嵌合して、前記複数の導波路のうちの1つのコアと前記凸形状の導波路のコアとが光学的に結合することを特徴とする平面光波回路。
JP2007103330A 2007-04-10 2007-04-10 平面光波回路 Expired - Fee Related JP4792422B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007103330A JP4792422B2 (ja) 2007-04-10 2007-04-10 平面光波回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007103330A JP4792422B2 (ja) 2007-04-10 2007-04-10 平面光波回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008261957A true JP2008261957A (ja) 2008-10-30
JP4792422B2 JP4792422B2 (ja) 2011-10-12

Family

ID=39984492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007103330A Expired - Fee Related JP4792422B2 (ja) 2007-04-10 2007-04-10 平面光波回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4792422B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02131202A (ja) * 1988-11-11 1990-05-21 Omron Tateisi Electron Co 光導波路の製造方法
JPH0618737A (ja) * 1992-07-03 1994-01-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光導波路の製造方法
JPH11202158A (ja) * 1998-01-20 1999-07-30 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光学素子
JP2002529782A (ja) * 1998-11-10 2002-09-10 ライトウェーブ マイクロシステムズ コーポレイション 熱光学ポリマーを含むフォトニックデバイス
JP2004085731A (ja) * 2002-08-23 2004-03-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光伝送構造の製造方法、光伝送機構

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02131202A (ja) * 1988-11-11 1990-05-21 Omron Tateisi Electron Co 光導波路の製造方法
JPH0618737A (ja) * 1992-07-03 1994-01-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光導波路の製造方法
JPH11202158A (ja) * 1998-01-20 1999-07-30 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光学素子
JP2002529782A (ja) * 1998-11-10 2002-09-10 ライトウェーブ マイクロシステムズ コーポレイション 熱光学ポリマーを含むフォトニックデバイス
JP2004085731A (ja) * 2002-08-23 2004-03-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光伝送構造の製造方法、光伝送機構

Also Published As

Publication number Publication date
JP4792422B2 (ja) 2011-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10684419B2 (en) Waveguide connector elements and optical assemblies incorporating the same
EP1561139B1 (en) Optical component for free-space optical propagation between waveguides
US6907173B2 (en) Optical path changing device
US11105981B2 (en) Optical connectors and detachable optical connector assemblies for optical chips
JP5135513B2 (ja) 光ファイバアレイ
JP6175106B2 (ja) 光信号処理装置
JP2011511314A (ja) 回路基板に実装される光導波路のための光タップ
JP6089147B2 (ja) 光学部品
TW201905515A (zh) 光學元件、光學裝置及光學元件之製造方法
JP2008261952A (ja) 三次元交差導波路
US20160238789A1 (en) Compact optical fiber splitters
CN112305678B (zh) 光学连接器
JPH08313744A (ja) 光回路部品
Wlodawski et al. A new generation of ultra-dense optical I/O for silicon photonics
JP7118691B2 (ja) 光学接続部品
JP3833863B2 (ja) 多チャネル光路変換部品及びその作製方法、ならびに多チャネルビームスプリッタ及びその作製方法
JP4792422B2 (ja) 平面光波回路
JP6810076B2 (ja) ファイバモジュール
KR101501140B1 (ko) 광 파워 모니터 구조를 개량시킨 평판형 광도파로 소자 모듈
JP7107194B2 (ja) 光接続構造
JP3670654B2 (ja) 光回路部品
JPH11183750A (ja) 光デバイス用光導波路モジュールおよび光デバイスの製造方法
JP2005308918A (ja) 光接続構造及びその製造方法並びに光デバイス
JP2000111750A (ja) 光導波路素子及び光導波路モジュール
JP2005265947A (ja) 光複合デバイス、光送受信モジュール、及び光複合デバイスの作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090715

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100518

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100518

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110520

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20110609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110712

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110725

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140729

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees