JP2000111750A - 光導波路素子及び光導波路モジュール - Google Patents

光導波路素子及び光導波路モジュール

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JP2000111750A
JP2000111750A JP28000498A JP28000498A JP2000111750A JP 2000111750 A JP2000111750 A JP 2000111750A JP 28000498 A JP28000498 A JP 28000498A JP 28000498 A JP28000498 A JP 28000498A JP 2000111750 A JP2000111750 A JP 2000111750A
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waveguide
optical waveguide
filter
optical
face
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JP28000498A
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Shinichi Ito
眞一 伊東
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導波路全体の損失を少なくすることができ、
製造作業を容易にすることができる光導波路素子及び光
導波路モジュールを提供する。 【解決手段】 フィルタ型合分波光導波路素子は、平行
な一対の端面10,11と、この端面10,11に対し
所定の角度を持って交差する平行な一対の端面20,2
1と、端面10の法線15に対し特定角度θを持って入
射する入力導波路31と、端面10と平行に設けられた
フィルタ用の溝37と、フィルタ用の溝37に挿入され
た干渉フィルタ36と、入力導波路31の光軸の延長上
にあり、フィルタ36を透過した光を出射する出力導波
路32と、入力導波路31とフィルタ36の交差部にお
いて、入力導波路31の光がフィルタ36に対し反射し
て導かれる出力導波路33とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光波送受信モジュ
ール等の光集積回路に用いる光導波路素子及び光導波路
モジュールに関し、詳細には、平面導波路内に干渉フィ
ルタを挿入した光導波路素子及び光導波路モジュールに
関する。
【0002】
【従来の技術】広帯域・低損失・無誘導という優れた特
徴を持つ光ファイバに、波長の異なる複数の光を伝搬し
て同一方向又は双方向の伝送容量を拡大する波長多重通
信を行う際に、波長の合波並びに分波を司る光合成分波
器が必要となる。
【0003】WDM(波長合分波回路)機能を有する光
波送受信モジュールとして、例えば特開平8−1900
26号公報に開示されたものがある。この公報記載の装
置は、平面導波路内に干渉フィルタとして誘電体多層膜
フィルタを挿入した反射型WDMを提案している。
【0004】図6は従来のこの種のモジュールの概略構
成を示す図である。
【0005】図6において、シリコン基板100上に光
導波路101,102,103が形成され、光導波路1
01,102の交差する位置の近傍に溝104が設けら
れ、その溝の中に誘電体多層膜フィルタ105が挿入さ
れ固定されている。
【0006】光導波路103は、誘電体多層膜フィルタ
105に関し光導波路101,102と反対側に形成さ
れている。
【0007】光導波路101は、光導波路基板100の
端面に垂直に臨む光導波路部101aと、誘電体多層膜
フィルタ105に臨む光導波路部101bとから構成さ
れている。光導波路部101aと光導波路部101b
は、途中で伝播方向を変化させるため、屈曲点101c
を有している。同様に、光導波路102は、光導波路部
102a及び光導波路部102bから構成され、光導波
路部102aは光導波路部101aに平行に、かつ光導
波路基板100の端面に垂直に臨むように配置され、光
導波路部102bは誘電体多層膜フィルタ105に臨む
ように配置される。光導波路部102aと光導波路部1
02bは、途中で伝播方向を変化させるため、屈曲点1
02cを有している。
【0008】また、光導波路103は、光導波路部10
3a及び光導波路部103bから構成され、光導波路部
103bは誘電体多層膜フィルタ105を挟んで光導波
路部101bの延長線上に配置される。光導波路部10
3bは途中伝播方向を変化させるための屈曲点103c
を有して光導波路部103aにつながる。光導波路部1
03aと光導波路部103bは屈曲点103cにより曲
げられ、光導波路部103aは光導波路部101aと平
行になるように配置される。
【0009】光導波路103の光導波路部103bの光
軸は、光導波路101の光導波路部101bの光軸と一
致している。光導波路101の光導波路部101bと光
導波路102の光導波路部102bは誘電体多層膜フィ
ルタ105の法線を中心線としてある角度で分岐してい
る。
【0010】誘電体多層膜フィルタ105は、1.3μ
の光は透過して、1.55μの光は反射する特性を持
つ。波長多重化された1.3μと1.55μの光が光導
波路101に入射され、1.55μの光信号は誘電体多
層膜フィルタ105で反射されて、光導波路102へ導
かれる。1.3μの光は誘電体多層膜フィルタ105を
透過し、Y分岐部で分かれて、それぞれの導波路はレー
ザダイオード(LD)、フォトダイオード(PD)に接
続されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の光導波路にあっては、伝播方向を変化させる
ための曲げ部が3箇所(屈曲点101c,102c,1
03c)にあったため、光導波路全体の損失が大きいと
いう問題点があった。
【0012】この場合、曲げ部において、損失の少ない
適切な曲線を用いて伝播方向を変えることは可能である
が、それでも損失は発生する。また、伝播方向を変える
ための曲げ部は、基板全体の大きさを大きくするという
問題もあった。
【0013】損失を少なくするため、伝播方向の変化を
少なくしたものがある。この例を図7に示す。
【0014】図7は合分波機能を有するフィルタが配置
された光導波路の概略構成を示す図である。
【0015】図7において、この光導波路200は、フ
ィルタ204に入射する入力導波路201と、入力導波
路201の直線延長線上に配置される透過出力導波路2
02と、入力導波路201からの光のフィルタ204に
よる反射光を伝播する反射出力導波路203とを有す
る。
【0016】また、フィルタ204の面法線が入力導波
路201と反射出力導波路203のフィルタ204に臨
む部分203aとを2等分し、かつ、入力導波路201
と透過出力導波路202とは少なくとも基板の一対の側
辺に平行に配置されており、フィルタ204が挿入され
るフィルタ溝205は、前記基板の一対の側辺に対し傾
斜して設けられている。なお、フィルタ204を透過し
た光は、Y分岐部206で二分され、それぞれの導波路
207,208によりレーザダイオード(LD)、フォ
トダイオード(PD)に結合される。
【0017】この方法によれば、反射出力導波路203
のみが曲げ部(屈曲点)を有しているので、光導波路の
損失は小さくすることができる。また、光導波路全体の
長さを短くすることもできる。
【0018】しかし、上記構成の光導波路にあっては、
製造工程において以下のような問題点があった。
【0019】図8は、図7に示す光導波路の製造方法の
問題点を説明するための図である。図8中、右側(B)
は前記図7に示す光導波路の基板2001〜2003が複
数(3つ)隣接して形成された例を、同図左側(A)は
それら光導波路基板2001〜2003と対比するために
並べた他の光導波路の基板1001〜1003の配置例で
ある。この光導波路の基板1001〜1003は、例えば
前記図6の光導波路100の屈曲点を曲線を用いて構成
したものである。
【0020】図8左側(A)に示す光導波路100で
は、フィルタ溝104は導波路基板1001〜1003
光導波路に対して垂直であるため、各導波路基板100
1〜1003においてフィルタ溝104の位置は揃ってお
り、ダイシングソーなどによって一括して溝加工を行う
ことができる。これに対して、同図右側(B)に示す光
導波路200では、各導波路基板2001〜2003毎に
フィルタ用の溝205に傾斜があるため、個々の導波路
基板2001〜2003に対して個別に溝加工を行わなけ
ればならず、加工に手間が掛かり生産性が悪くなるとい
う問題点がある。
【0021】また、個々の導波路基板において、光導波
路に対するフィルタの角度にばらつきが生じやすいため
に特性の安定した回路が得難いという問題があった。
【0022】本発明は、伝播方向の屈曲を少なくして、
導波路全体の損失を少なくすることができる光導波路素
子及び光導波路モジュールを提供することを目的とす
る。
【0023】また、本発明は、フィルタ溝の加工を導波
路基板の母材上で一括加工して、製造作業を容易にする
ことができる光導波路素子及び光導波路モジュールを提
供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光導波路素
子は、第1の端面と、第1の端面の法線に対し特定角度
を持って入射する入力導波路と、第1の端面と平行に設
けられたフィルタ溝と、フィルタ溝に挿入された波長分
波機能を有する干渉フィルタと、入力導波路の光軸の延
長上にあり、干渉フィルタを透過した光を出射する第1
の出力導波路と、入力導波路と干渉フィルタの交差部に
おいて、干渉フィルタの法線を中心として入力導波路の
反対側に位置し、かつ干渉フィルタの法線に対する角度
が特定角度になるように配置され、入力導波路の光が干
渉フィルタで反射して導かれる第2の出力導波路とを備
えて構成する。
【0025】上記第1の出力導波路が出射する第2の端
面を有し、第2の端面は、第1の端面と平行であっても
よい。
【0026】本発明に係る光導波路素子は、第1の出力
導波路の出力を分岐するY分岐部を備え、Y分岐部によ
り分岐された各導波路は、第2の端面の法線に対し特定
角度となるように配置されたものであってもよい。
【0027】上記第1の端面の法線と入力導波路とのな
す特定角度は、6度から10度の角度であってもよく、
上記干渉フィルタは、誘電体多層膜フィルタであっても
よい。
【0028】本発明に係る光導波路素子は、上記入力導
波路に平行な第3及び第4の端面をさらに有するもので
あってもよい。
【0029】本発明に係る光導波路モジュールは、光導
波路素子と、該光導波路素子の導波路と結合する光ファ
イバを保持する保持部とを備えた光導波路モジュールに
おいて、光導波路素子として請求項1乃至6の何れかに
記載の光導波路素子を用いるとともに、光ファイバ保持
部の端面の法線が光導波路素子の端面の法線と平行であ
ることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0031】第1の実施形態 図1は本発明の第1の実施形態に係るフィルタ型合分波
光導波路素子の構造を示す平面図である。
【0032】図1において、フィルタ型合分波光導波路
素子(光導波回路)は、シリコンの基板の上に石英系の
ガラスを堆積して形成されており、この光導波路素子は
バッファ層、コア層、クラッド層の順に積層されて構成
されている。コア層はクラッド層よりも高屈折率となっ
ており、その比屈折率差は0.2〜0.8%程度となっ
ている。コアパターンの断面寸法、すなわち幅及び厚さ
は5〜10μmとなっている。 上記積層構造を有する
光導波路基板1は、平行な一対の端面10,11と、こ
の端面10,11に対し所定の角度を持って交差する平
行な一対の端面20,21とからなる平行四辺形形状に
形成されている。
【0033】光導波路基板1の導波路となるコア層に
は、所望の光導波路コアパターンとして、フィルタに入
射する光を導く入力導波路31と、フィルタを透過して
出力される光を導く出力導波路32(第1の出力導波
路)と、フィルタにより反射された光を導く出力導波路
33(第2の出力導波路)とが形成されている。
【0034】また、上記各導波路31,32,33が交
差する箇所には、誘電体多層膜フィルタ36で構成され
た干渉フィルタがフィルタ用の溝37に挿入され、接着
剤で固定されている。このフィルタ用の溝37は端面1
0,11と平行である。
【0035】このフィルタ用の溝37の幅はフィルタ3
6の幅よりもやや広く加工されており、一例として15
μm幅の厚さのフィルタが挿入できるように、17〜2
0μmの幅を有し、また300μmほどの深さに加工さ
れている。
【0036】入力導波路31は、光導波路基板1の一方
の端面10に臨んでおり、入力導波路31は端面10の
法線15に対し特定の角度θを持って交差するように構
成される。
【0037】ここで示した角度θは、フィルタの性能の
点から6度から10度、好ましくは8度に設定するのが
よい。
【0038】出力導波路32は、上記フィルタ36を挟
んで入力導波路31の光軸の延長上にあり、端面10と
反対側の端面11に臨んでいる。端面10と端面11と
は平行であるため、端面11の法線16と出力導波路3
2とのなす角度は上記角度θとなっている。
【0039】出力導波路33は、フィルタ近辺におい
て、フィルタ面の法線38に対し出射角θを持った直線
部33aと、導波路端面10近傍の入力導波路31と平
行な直線部33cと、この2つの直線部33a,33c
を結ぶ曲線部33bとから構成される。出力導波路33
の直線部33aと入力導波路31とは、フィルタ面の法
線38に対する角度が等しく、かつ反対側に位置し、従
って出力導波路33の直線部33aと入力導波路31と
の交差角は2θである。
【0040】入力導波路31には図示しない光ファイバ
から波長多重化された1.3μと1.55μの光が入射
され、そのうち1.55μの光信号はフィルタ36で反
射されて、一方の出力導波路33へ導かれる。1.3μ
の光はフィルタ36を透過し、他方の出力導波路32へ
出力される。
【0041】また、光導波路基板の一対の端面10,1
1と交差する一対の端面20,21は、入力導波路31
及び出力導波路32と平行である。
【0042】以下、上述のように構成されたフィルタ型
合分波光導波路素子の製造方法を説明する。
【0043】まず、シリコン基板母材(ウエハ)上にC
VD法によりバッファ層とコア層を形成を形成する。
【0044】バッファ層とコア層が形成された後、光導
波路コアパターンが描かれたフォトマスクパターンを用
いてマスク材をパターン化するフォトリソグラフィ工程
によりマスク材を作製する。
【0045】次に、このマスク材を用いて反応性イオン
エッチング(RIE)により石英系コア層の不要部分を
除去し、光導波路コアパターンを形成する。
【0046】次に、その光導波路コアパターン上に再度
CVDにより上クラッド層を形成し、光導波路コア部を
埋め込む。
【0047】この製造方法によると、一枚のフォトマス
クパターンを用いて導波路コアパターンが形成されてい
るため、その相対位置精度は非常に高い。
【0048】以上の工程により、前記図1に示す光導波
路コアパターンが形成された導波路基板が得られる。
【0049】図2及び図3はフィルタ型合分波光導波路
のチップが形成される導波路基板母材(ウエハ)の構造
を示す図であり、図2はその平面図、図3は図2のハッ
チング部を拡大して示す図である。
【0050】図2において、40は導波路基板母材であ
り、45は上述した製造方法によって導波路基板母材4
0に形成された複数の光導波路基板である。この光導波
路基板45は、各々が前記図1に示す光導波路コアパタ
ーンを有する光導波路基板1に相当する。
【0051】導波路基板母材40に、同一回路パターン
の光導波路基板45を多数隣接して形成した後、所定の
位置にフィルタ用の溝37を通すための溝切り加工を行
う。
【0052】図3は、隣接した6枚の光導波路基板45
を示しており、46,47が隣り合う光導波路基板45
相互間の境界線であり、これらの線に沿って光導波路基
板45が互いに分割される。分割された状態では、境界
線46がその第1及び第2の導波路端面を構成し、境界
線47が境界線46に交差する上下の一対の端面を構成
する。
【0053】第1及び第2の導波路端面46は互いに平
行に配置され、かつ、端面47は互いに平行に配置され
ているため、光導波路基板45は全体として平行四辺形
に形成されている。また、フィルタ用の溝37は第1及
び第2の導波路端面46に対して平行であるため、上下
に隣り合う光導波路基板45間でフィルタ用の溝37は
互いに整列しており、フィルタ用の溝37を通すための
溝切り加工を同一工程で一括して行うことができる。こ
れを前記図8(B)に示す個別に溝加工の場合と比較す
れば明らかなように、溝加工の手間を大幅に少なくする
ことができる。
【0054】次に、図3に示すように、フィルタ用の溝
37が形成された光導波路基板45の外形をダイシング
ソーにより平行四辺形に切断する。このダイシングも、
上記溝切り加工と同様に、同一工程で一括して行うこと
ができる。
【0055】このようにして導波路基板母材40から多
数の光導波路基板45を同時作製することができる。
【0056】以下、上述のように構成されたフィルタ型
合分波光導波路の動作を説明する。
【0057】入力導波路31には図示しない光ファイバ
から波長多重化された1.3μと1.55μ光が入射さ
れ、フィルタ36には入射角θで入射される。
【0058】そのうち、1.3μの光はフィルタ36を
透過し、出力導波路32へ出力される。1.55μの光
信号はフィルタ36で反射されて、出力導波路33へ導
かれる。出力導波路32,33から導波路端面10,1
1へ出射される光は、それぞれ図示しない光ファイバへ
と出射される。
【0059】以上説明したように、第1の実施形態に係
るフィルタ型合分波光導波路素子は、平行な一対の端面
10,11と、この端面10,11に対し所定の角度を
持って交差する平行な一対の端面20,21と、端面1
0の法線15に対し特定角度θを持って入射する入力導
波路31と、端面10と平行に設けられたフィルタ用の
溝37と、フィルタ用の溝37に挿入された誘電体多層
膜フィルタ36と、入力導波路31の光軸の延長上にあ
り、フィルタ36を透過した光を出射する出力導波路3
2と、入力導波路31とフィルタ36の交差部におい
て、フィルタ36の法線38を中心として入力導波路3
1の反対側に位置し、フィルタ36の法線38に対する
角度が特定角度θと等しく、入力導波路31の光がフィ
ルタ36に対し反射して導かれる出力導波路33とを備
えて構成したので、曲がりが反射出力導波路33の1箇
所(曲線部33b)だけであるため、導波路の曲がりに
伴う放射損失が小さく、全体的に損失が小さいフィルタ
型合分波光導波路素子を実現することができる。また、
これに伴い、導波路素子全体の寸法を小さくできるの
で、一枚の母材から多数の導波路チップを製作すること
ができ、低コストな光導波路素子を実現することができ
る。
【0060】また、図3で説明したように、誘電体多層
膜フィルタ36を挿入するフィルタ用の溝37が、ウエ
ハ状態で一括して加工できるので、溝加工に要する時間
を大幅に短縮することができる。さらに、光導波路基板
1の導波路の端面10,11とその端面10,11に交
差する端面20,21がそれぞれ平行な位置関係にある
ため、導波路基板母材40からの光導波路基板45の切
り出しをダイシングソーで容易に機械加工することがで
きる。このような製造工程の効率化により製造面から
も、低コスト化を図ることができる。
【0061】さらに本実施形態では、端面10の法線1
5と入力導波路31とが特定角度θ(好ましくは、8
度)に設定してあるので、光ファイバとの接合面での光
の反射を小さくできる効果も併せ持つ。すなわち、従来
は、この接合面での反射を抑えるため、導波路の厚さ方
向に所定角度、例えば8度の角度を設けるための機械加
工を要していたが、本実施形態では、導波路素子の端面
が面方向において、導波路に対し特定角度θをなしてい
るので、従来例と同様の反射防止効果を併せ持つことに
なるため、従来のように接合面での反射を抑えるための
機械加工は不要となり、製造が容易となる利点がある。
【0062】以上のことをまとめると、具体的には以下
のような効果(1)〜(5)を得ることができる。
【0063】(1)導波路の曲がりが少ないので損失の少
ないフィルタ型合分波光導波路素子を作製することがで
きる。
【0064】(2)導波路の曲がりが少ないので導波路全
体の寸法を小さくすることが可能になり、一枚の母材か
ら多数の導波路素子を製作することができ、低コストな
導波路素子を実現できる。
【0065】(3)フィルタ用の溝37と導波路端面1
0,11が平行であるため、溝加工及びウエハから導波
路素子の切り出しが容易となり、製造コストの低減を図
ることができる。
【0066】(4)溝加工を同一工程で一括して行うこと
ができるため、加工精度が高く特性の安定した回路を得
ることができる。
【0067】(5)端面の法線と導波路とが特定の角度θ
で交わるので、光ファイバとの接合面での反射を小さく
できる効果がある。これに伴い、従来、反射減衰量を大
きくとるために行われていた加工も不要となるため、機
械加工が容易となる利点がある。
【0068】第2の実施形態 図4は本発明の第2の実施形態に係るフィルタ型合分波
光導波路素子の構造を示す平面図である。同図で前記第
1の実施形態のフィルタ型合分波光導波路素子と同一構
成部分には同一符号を付している。本実施形態では、出
力導波路32をY分岐部により2つの出力導波路に分岐
したものである。
【0069】図4に示すように、フィルタ型合分波光導
波路素子50は、出力導波路32がY分岐部39におい
て2つの出力導波路51,52に分岐されるほかは第1
の実施形態と同じ構成である。
【0070】出力導波路32がY分岐部39により2つ
の出力導波路51,52に分岐され、分岐された出力導
波路51,52は、端面11近辺では入力導波路31と
平行であり、端面11の法線16とのなす角度がそれぞ
れ前記特定角度θになるように構成される。
【0071】したがって、2つに分岐された出力導波路
51,52を持つフィルタ型合分波光導波路素子50が
実現でき、前記図6及び図7に示す光導波路素子に置き
換えて使用することができる。図6及び図7の光導波路
素子に置き換えて使用した場合、フィルタ型合分波光導
波路部分において第1の実施形態と同様な効果を得るこ
とができる。
【0072】第3の実施形態 第3の実施形態は、第1の実施形態で得られたフィルタ
型合分波光導波路素子を用いた光送受信モジュールの例
である。
【0073】図5は本発明の第3の実施形態に係る光送
受信モジュールの構造を示す図である。本実施形態の説
明にあたり前記第1の実施形態のフィルタ型合分波光導
波路と同一構成部分には同一符号を付している。
【0074】図5において、フィルタ型合分波光導波路
モジュール60は、前記図1に示すフィルタ型合分波導
波路基板1と、この光導波路基板1と結合する光ファイ
バ保持部材61,62とから構成される。
【0075】光ファイバ保持部材61は、光導波路基板
1の端面10において入力導波路31に結合する光ファ
イバ63と、端面10において出力導波路33に結合す
る光ファイバ64とを保持する保持部材であり、光ファ
イバ保持部材61の端面65の法線66と光ファイバ6
3,64の軸線のなす角度がそれぞれ特定角度θとなる
ように設定されている。
【0076】また、光ファイバ保持部材62は、光導波
路基板1の端面11において出力導波路32に結合する
光ファイバ67を保持する保持部材であり、光ファイバ
保持部材62の端面68の法線69と光ファイバ67の
軸線のなす角度が特定角度θとなるように設定されてい
る。
【0077】以上の構成において、本光導波路モジュー
ル60は、光ファイバ保持部材61、光導波路基板1及
び光ファイバ保持部材62がこの順で組み合わされ、光
導波路基板1の端面10に臨んでいる各導波路31,3
3と光ファイバ保持部材61に保持された光ファイバ6
3,64とが結合され、光導波路基板1の端面11に臨
んでいる出力導波路32と光ファイバ保持部材62に保
持された光ファイバ67とが結合される。これにより、
光ファイバ保持部材61の端面65の法線66が光導波
路基板1の端面10の法線38と平行となり、光ファイ
バ保持部材62の端面68の法線69が光導波路基板1
の端面11の法線16と平行となる。
【0078】光ファイバ保持部材61,62の導波路側
の端面65,68は、切断及び研磨加工により形成され
ており、光ファイバ保持部材61,62は、光導波路基
板1と組み合わされたとき、光ファイバ63,64,6
7がそれぞれ入力導波路31,出力導波路33,32に
対向して隙間なく結合される。
【0079】ここで、特定角度θは、光の反射を小さく
するために6度から10度、好ましくは8度に設定する
のがよい。
【0080】このようにして、第1の実施形態で述べた
効果を有するフィルタ型合分波光導波路用いた光導波路
モジュールを実現することができる。
【0081】このような優れた特長を有する光導波路素
子及び光導波路モジュールを、反射型WDM光導波路素
子及び光導波路モジュールに適用すれば、導波路全体の
損失を少なくすることができ、製造工程の効率化及びコ
スト低減を図ることができる。
【0082】なお、第1及び第2の実施形態では、石英
系導波路を用いた場合について説明したが、これに限定
されず、石英系導波路以外の拡散ガラス導波路、有機ポ
リマ系導波路等どのような埋込み型導波路に対しても適
用可能である。
【0083】また、上記各実施形態では、光ファイバか
ら波長多重化された1.3μと1.55μの光を入射
し、1.3μの光を透過し、1.55μの光を反射する
波長合分波器に適用して説明したが、それ以外の波長領
域の波長合分波器、あるいは光導波路モジュールとして
も使用できる。
【0084】また、上記光導波路素子及び光導波路モジ
ュールを構成する基板、コア層、クラッド層、光導波路
コアパターン、干渉フィルタ等の種類、その製造方法な
どは上述した実施形態に限られない。
【0085】
【発明の効果】本発明に係る光導波路素子は、第1の端
面の法線に対し特定角度を持って入射する入力導波路
と、第1の端面と平行に設けられたフィルタ溝と、フィ
ルタ溝に挿入された波長分波機能を有する干渉フィルタ
と、入力導波路の光軸の延長上にあり、干渉フィルタを
透過した光を出射する第1の出力導波路と、入力導波路
と干渉フィルタの交差部において、干渉フィルタの法線
を中心として入力導波路の反対側に位置し、かつ干渉フ
ィルタの法線に対する角度が特定角度になるように配置
され、入力導波路の光が干渉フィルタで反射して導かれ
る第2の出力導波路とを備えているので、導波路全体の
損失を少なくすることができ、フィルタ溝加工の製造作
業を容易化して、コスト低減を図ることができ、反射減
衰量を大きくとるために行われていた加工も不要にして
製造工程の効率化を図ることができる。
【0086】本発明に係る光導波路モジュールでは、上
記構成の光導波路素子を用いるとともに、光ファイバ保
持部の端面の法線が光導波路素子の端面の法線と平行に
なるように構成したので、組み立てが容易で低コストの
モジュールを製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態に係るフィル
タ型合分波光導波路素子の構造を示す平面図である。
【図2】上記フィルタ型合分波光導波路素子が形成され
る導波路基板母材の構造を示す図である。
【図3】図2の要部を拡大して示す図である。
【図4】本発明を適用した第2の実施形態に係るフィル
タ型合分波光導波路素子の構造を示す平面図である。
【図5】本発明を適用した第3の実施形態に係るフィル
タ型合分波光導波路モジュールの構造を示す図である。
【図6】従来の光送受信モジュールの概略構成を示す図
である。
【図7】従来の合分波機能を有するフィルタが配置され
た光導波路の概略構成を示す図である。
【図8】従来の光導波路の製造方法の問題点を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1,45 光導波路基板、10,11,20,21,4
6,47 端面、15,16 端面の法線、31 入力
導波路、32,51,52 出力導波路(第1の出力導
波路)、33 出力導波路(第2の出力導波路)、36
誘電体多層膜フィルタ(干渉フィルタ)、37 フィ
ルタ用の溝、38 フィルタの法線、39 Y分岐部、
40 導波路基板母材(ウエハ)、50 フィルタ型合
分波光導波路素子、60 フィルタ型合分波光導波路モ
ジュール、61,62 光ファイバ保持部材、63,6
4,67 光ファイバ、65,68 光ファイバ保持部
材の端面、66,69 光ファイバ保持部材の端面の法

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の端面と、 前記第1の端面の法線に対し特定角度を持って入射する
    入力導波路と、 前記第1の端面と平行に設けられたフィルタ溝と、 前記フィルタ溝に挿入された波長分波機能を有する干渉
    フィルタと、 前記入力導波路の光軸の延長上にあり、前記干渉フィル
    タを透過した光を出射する第1の出力導波路と、 前記入力導波路と前記干渉フィルタの交差部において、
    前記干渉フィルタの法線を中心として前記入力導波路の
    反対側に位置し、かつ前記干渉フィルタの法線に対する
    角度が前記特定角度になるように配置され、前記入力導
    波路の光が前記干渉フィルタで反射して導かれる第2の
    出力導波路とを備えたことを特徴とする光導波路素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の出力導波路が出射する第2の
    端面を有し、 前記第2の端面は、前記第1の端面と平行であることを
    特徴とする請求項1記載の光導波路素子。
  3. 【請求項3】 前記第1の出力導波路の出力を分岐する
    Y分岐部を備え、 前記Y分岐部により分岐された各導波路は、前記第2の
    端面の法線に対し前記特定角度となるように配置された
    ことを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の光導
    波路素子。
  4. 【請求項4】 前記第1の端面の法線と前記入力導波路
    とのなす特定角度は、6度から10度の角度であること
    を特徴とする請求項1記載の光導波路素子。
  5. 【請求項5】 前記干渉フィルタは、誘電体多層膜フィ
    ルタであることを特徴とする請求項1記載の光導波路素
    子。
  6. 【請求項6】 前記入力導波路に平行な第3及び第4の
    端面をさらに有することを特徴とする請求項1記載の光
    導波路素子。
  7. 【請求項7】 光導波路素子と、該光導波路素子の導波
    路と結合する光ファイバを保持する保持部とを備えた光
    導波路モジュールにおいて、 前記光導波路素子として請求項1乃至6の何れかに記載
    の光導波路素子を用いるとともに、 前記光ファイバ保持部の端面の法線が前記光導波路素子
    の端面の法線と平行であることを特徴とする光導波路モ
    ジュール。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008209904A (ja) * 2007-01-30 2008-09-11 Nec Corp 双方向光送受信モジュール、光送受信器、及び双方向光送受信モジュール製造方法
US7457497B2 (en) 2004-08-05 2008-11-25 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Optical multiplexer/demultiplexer and optical communication system
JP2017015828A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 住友電気工業株式会社 光モジュール

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