JP2008261237A - 尿素水供給装置 - Google Patents

尿素水供給装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008261237A
JP2008261237A JP2007102837A JP2007102837A JP2008261237A JP 2008261237 A JP2008261237 A JP 2008261237A JP 2007102837 A JP2007102837 A JP 2007102837A JP 2007102837 A JP2007102837 A JP 2007102837A JP 2008261237 A JP2008261237 A JP 2008261237A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
urea water
passage
fuel
fluid
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007102837A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Shimokawa
晋治 下川
Keita Moritsu
圭太 森津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007102837A priority Critical patent/JP2008261237A/ja
Publication of JP2008261237A publication Critical patent/JP2008261237A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

【課題】尿素水が凍結した場合にこれを効率よく解凍して内燃機関の排気通路に供給することのできる尿素水供給装置を提供する。
【解決手段】この装置は、排気通路18に排気浄化触媒17が設けられた内燃機関10に適用される。尿素水タンク21内に備蓄された尿素水を排気通路18における排気浄化触媒17より排気流れ方向上流側の部分に供給する。燃料還流通路16が、尿素水タンク21の内部を通過するように延設される。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に尿素水を供給する尿素水供給装置に関するものである。
近年、内燃機関の排気中の窒素酸化物(NOx)を浄化するために、機関排気通路に(排気浄化触媒(具体的には、選択還元触媒(SCR))と尿素((NHCO)を供給する尿素供給装置とが設けられたシステム、いわゆる尿素SCRシステムが実用化されている(例えば特許文献1参照)。このシステムでは、機関排気通路に供給された尿素が排気中において熱分解および加水分解することによってアンモニア(NH)が生成され、このアンモニアを還元剤とする上記SCRの触媒作用によってNOxが無害な窒素(N)に還元される。
また、上記尿素水供給装置としては、尿素の水溶液(尿素水)を機関排気通路における排気浄化触媒より排気流れ方向上流側の部分に供給するものが知られている。この尿素水供給装置は、尿素水を備蓄するタンクや、タンクと排気通路とを連通する供給通路、同供給通路の途中に設けられたポンプ等を備えている。
ここで、機関排気通路に尿素水を供給するタイプの尿素SCRシステムでは、例えば車載内燃機関に適用されて車両が寒冷地で放置されるなどして同システムの温度がごく低くなると、尿素水が凍結してしまう。そして、尿素水が凍結した状態のまま内燃機関が運転されると、排気通路に尿素水を供給することができないために排気中のNOxを還元することができず、排気性状の悪化を招いてしまう。
そのため従来、尿素水タンクの内部に電熱式のヒータを設けることが提案されている。これにより、内燃機関の始動直前あるいは始動直後において、ヒータの発生熱によって尿素水を加熱して解凍することができ、排気性状の悪化を抑制することができる。
特開2002−155730号公報
ところで、上述した装置のように電熱式のヒータを設けると、その分だけ消費電力が増加するために、これが内燃機関の燃費性能の低下を招いてしまう。しかも、一般に電熱式のヒータはその消費電力が大きいため、内燃機関の燃費性能の向上を図る上では、同ヒータによる電力消費が無視できない。
また、近年においては車両の電子化が進んでおり、車両全体で消費される電力が著しく増加している。これに対して、電力供給源であるバッテリの大容量化は、搭載スペースやコストなどによって制限されて、さほど進んでいない。そのため、必要な電力を確保することが困難になってきており、こうした点からもヒータによる電力消費が無視できない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、尿素水が凍結した場合にこれを効率よく解凍して内燃機関の排気通路に供給することのできる尿素水供給装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、排気通路に排気浄化触媒が設けられた内燃機関に適用され、尿素水タンク内に備蓄された尿素水を前記排気通路における前記排気浄化触媒より排気流れ方向上流側の部分に供給する尿素水供給装置において、前記内燃機関の発生熱を吸収して温度上昇する流体が通過する流体通路を有してなり、同流体通路が前記尿素水タンクの内部を通過するように延設されてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、内燃機関の発生熱を利用して尿素水タンク内の尿素水を加熱することができる。そのため、加熱用の熱源を新たに設けることなく尿素水を加熱することができ、尿素水が凍結した場合にこれを効率よく解凍して内燃機関の排気通路に供給することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の尿素水供給装置において、前記流体通路は、一旦分岐された後に合流するように延設される二つの通路であって前記尿素水タンクの内部を通過するタンク通路と前記尿素水タンクを迂回する迂回通路とを有してなるとともに、流体を圧送するポンプと前記タンク通路および前記迂回通路の分岐部分に設けられた切替弁とを有してなり、前記切替弁は、以下の(条件イ)および(条件ロ)の少なくとも一方が満たされるときに前記タンク通路を流体が通過するように、且つ前記(条件イ)および前記(条件ロ)が共に満たされないときに前記迂回通路を流体が通過するように、流体の流通態様を切り替えるものであることをその要旨とする。
(条件イ)尿素水の温度が第1の所定温度以下であること。
(条件ロ)尿素水の温度が前記第1の所定温度より高い第2の所定温度より低く、且つ前記流体の温度が前記第2の所定温度より高い第3の所定温度以上であること。
流体通路を尿素水タンク内に引き込む場合には、流体通路が長くなる分だけ同流体通路の流路抵抗が大きくなるおそれがある。そのため、単に流体通路を尿素水タンク内に引き込むようにすると、流体圧送用のポンプの仕事量が大きくなって内燃機関の燃費性能の悪化を招くおそれがある。また流体の性質によっては、流体の温度が高くなった場合に同流体の劣化を招くおそれがある。
上記構成では、尿素水が凍結するおそれのあるときには(尿素水温度≦第1の所定温度)、尿素水タンク内に引き込まれた通路(タンク通路)に流体を流して尿素水を加熱することができる。
また、尿素水が凍結するおそれがないときにおいて(尿素水温度>第1の所定温度)、熱による流体の劣化速度を所望の速度以下に抑えることの可能な温度(流体上限温度)より流体の温度が高くなったときに(流体温度≧第3の所定温度)、尿素水の温度が熱による尿素水の劣化速度を所望の速度以下に抑えることの可能な温度(尿素水上限温度)以下であることを条件に(尿素水温度≦第2の所定温度)、上記タンク通路に流体を流すことにより、尿素水タンク内の尿素水の劣化を抑えつつ同尿素水によって流体を冷却することができる。
しかも、尿素水の温度が尿素水上限温度より高いときや(尿素水温度>第2の所定温度)、流体の温度が流体上限温度以下であるときには(流体温度<第3の所定温度)、迂回通路に流体を流すことにより、内燃機関の燃費性能の悪化を抑制することができる。
したがって上記構成によれば、流体の劣化を抑えつつ、効率良く尿素水タンク内の尿素水を加熱することが可能になる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の尿素水供給装置において、前記流体通路は、一旦分岐された後に合流するように延設される二つの通路であって前記尿素水タンクの内部を通過するタンク通路と前記尿素水タンクを迂回する迂回通路とを有してなるとともに、流体を圧送するポンプと前記タンク通路および前記迂回通路の分岐部分に設けられた切替弁とを有してなり、前記切替弁は、尿素水の温度が所定温度以下のときに前記タンク通路を流体が通過するように、且つ尿素水の温度が前記所定温度より高いときに前記迂回通路を流体が通過するように、流体の流通態様を切り替えるものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、尿素水が凍結するおそれのあるときには尿素水タンク内に引き込まれた通路(タンク通路)に流体を流して尿素水を加熱する一方、尿素水が凍結するおそれのないときには迂回通路に流体を流して燃費性能の悪化を抑制するといったように、効率良く尿素水タンク内の尿素水を加熱することが可能になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の尿素水供給装置において、前記流体通路は内燃機関の燃料が通過する通路であることをその要旨とする。
上記構成によれば、内燃機関の運転に伴って温度上昇する燃料によって尿素水を加熱することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の尿素水供給装置において、前記内燃機関は、燃料を備蓄する燃料タンクから燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給通路と同燃料供給通路内の余剰燃料を前記燃料タンク内に還流する燃料還流通路とを有してなり、前記流体通路は、前記燃料還流通路であることをその要旨とする。
また請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の尿素水供給装置において、前記内燃機関は、その燃料を備蓄する燃料タンクから燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給通路と同燃料供給通路内の余剰燃料を前記燃料タンク内に還流する燃料還流通路とを有してなり、前記流体通路は、前記燃料供給通路であることをその要旨とする。
燃料供給通路と燃料還流通路とを有する内燃機関では、同内燃機関の発生熱を吸収することによって燃料供給通路内の燃料の温度が上昇するとともに、同燃料が還流されることによって燃料還流通路の内部や燃料タンクの内部の燃料の温度が上昇する。
そのため、請求項5に記載の構成によれば、そうした内燃機関にあって燃料還流通路を通過する燃料によって尿素水を加熱することができる。また、請求項6に記載の構成によれば、燃料供給通路と燃料還流通路とを有する内燃機関にあって、同燃料供給通路を通過する燃料により尿素水を加熱することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の尿素水供給装置において、前記流体通路は、前記尿素水タンクの内部において延びるタンク通路と前記排気通路の外壁に接触するように延びる受熱通路と同受熱通路から前記タンク通路に流体を供給する流体供給通路と前記タンク通路から前記受熱通路に流体を還流する流体還流通路とからなり、同流体通路内の流体を圧送するためのポンプが設けられてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、内燃機関の排熱を利用して、流体通路内を循環する流体、ひいては尿素水タンク内の尿素水を加熱することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の尿素水供給装置において、前記流体供給通路および前記流体還流通路のうちの少なくとも一方は、前記尿素水タンクから前記排気通路に尿素水を供給する尿素水供給通路に接触するように延設されてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、尿素水タンク内の尿素水を加熱することに加えて、尿素水供給通路内の尿素水を加熱することができる。そのため、尿素水供給通路内の尿素水が凍結した場合にこれを効率よく解凍することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の尿素水供給装置において、前記内燃機関は車両に搭載されてなり、前記流体通路は前記尿素水タンク内に配設される部分の一部が熱交換器によって構成されてなり、前記熱交換器は、その外面に放熱用フィンが突設されてなり、同放熱用フィンが前記尿素水タンク内を前記車両の前後方向において仕切るように配設されてなることをその要旨とする。
加速や減速に伴って車両がその前後方向に揺れると、これに伴って尿素水タンク内の尿素水も揺動するために、その揺動した尿素水が尿素水タンクの内壁に衝突することによって耳障りな音が発生することがある。
上記構成によれば、熱交換器の放熱用フィンにより、尿素水タンク内における尿素水の車両前後方向への流動にかかる流動抵抗を大きくすることができ、これにより上述した耳障りな音の発生を抑制することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の尿素水供給装置において、前記流体通路は、前記尿素水タンク内に配設される部分の一部がコイル形状に延設されてなり、同コイル形状の中心軸が前記車両の前後方向と交差するように延設されてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、流体通路を、尿素水タンク内における尿素水の車両前後方向への流動にかかる流動抵抗を好適に大きくすることの可能な形状に延設することができる。そのため、上述した耳障りな音の発生を好適に抑制することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる尿素水供給装置を具体化した第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる尿素水供給装置およびその周辺機器の具体構成を示している。
同図1に示すように、内燃機関10はその燃焼室(図示略)に燃料を供給するための燃料供給系を備えており、同燃料供給系は、燃料タンク11、燃料供給通路12、燃料ポンプ13、燃料噴射弁14、溢流弁15、および燃料還流通路16により構成されている。なお上記内燃機関10は、動力源として車両に搭載されるものである。
燃料タンク11の内部には燃料が備蓄されており、燃料供給通路12は燃料噴射弁14と燃料タンク11を連通するように延設されている。また、燃料ポンプ13は上記燃料供給通路12に設けられて、同燃料供給通路12内の燃料を圧送するものである。燃料噴射弁14は、その開弁駆動を通じて、内燃機関10の内部に向けて燃料を噴射するものである。
上記燃料供給系では、内燃機関10の運転に際して、燃料ポンプ13が作動されて、燃料タンク11内の燃料が燃料供給通路12内に汲み上げられている。そして、内燃機関10の運転状態に応じた期間にわたって燃料噴射弁14が開弁駆動されることにより、燃料供給通路12内の燃料が内燃機関10の内部に噴射される。こうした燃料噴射弁14の開弁駆動を通じて、適量の燃料が内燃機関10の燃焼室に供給される。
また、上記燃料還流通路16は、燃料タンク11と燃料供給通路12とを連通するように延設されている。上記溢流弁15は燃料還流通路16に設けられている。上記燃料供給系にあっては、これら燃料還流通路16および溢流弁15を通じて、上記燃料供給通路12内の余剰燃料が燃料タンク11内に還流されるようになっている。
一方、内燃機関10は排気浄化システム(いわゆる尿素SCRシステム)を備えており、同システムは排気浄化触媒17と尿素水供給装置とにより構成されている。
排気浄化触媒17は内燃機関10の排気通路18に設けられており、この排気浄化触媒17としては具体的には選択還元触媒(SCR)が設けられる。
また尿素水供給装置は、尿素水タンク21、尿素水供給通路22、尿素水ポンプ23、尿素水噴射弁24により構成されている。尿素水タンク21の内部には尿素水((NHCO+HO)が備蓄されている。尿素水供給通路22は、内燃機関10の排気通路18における排気浄化触媒17より排気流れ方向上流側の部分と尿素水タンク21とを連通するように延設されている。尿素水ポンプ23は尿素水供給通路22の途中に設けられて、同尿素水供給通路22内の尿素水を圧送するものである。また尿素水噴射弁24は、その開弁駆動を通じて、内燃機関10の排気通路18内に尿素水を噴射するものである。
尿素水供給装置では、内燃機関10の運転に際して、尿素水ポンプ23が作動されて、尿素水タンク21内の尿素水が尿素水供給通路22内に圧送されている。そして、内燃機関10の運転状態に応じて尿素水噴射弁24の駆動が制御されて、尿素水供給通路22内の尿素水が内燃機関10の排気通路18内に噴射・供給される。その後、排気通路18に供給された尿素水が排気中において熱分解および加水分解することによってアンモニア(NH)が生成され、このアンモニアを還元剤とする上記排気浄化触媒17の触媒作用によって排気中の窒素酸化物(NOx)が無害な窒素(N)に還元される。
ここで、上記システムでは、例えば車両が寒冷地で放置されるなどして同システムの温度がごく低くなると、尿素水が凍結してしまう。そして、尿素水が凍結した状態のまま内燃機関10が運転されると、排気通路18に尿素水を供給することができないために排気中のNOxを還元することができず、排気性状の悪化を招いてしまう。
ところで内燃機関10の燃料供給系は、燃料供給通路12内の燃料の一部が燃料還流通路16を通じて燃料タンク11に戻される構造になっている。そのため、この燃料供給系の内部では、内燃機関10の発生熱を吸収することによって燃料供給通路12内の燃料の温度が上昇し、さらには同燃料が還流されることによって燃料還流通路16の内部や燃料タンク11の内部の燃料の温度も上昇する。
この点をふまえて、本実施形態では、燃料還流通路16が前記尿素水タンク21の内部を通過するように延設されている。これにより、尿素水タンク21内の尿素水の温度が燃料還流通路16を通過する燃料(内燃機関10の発生熱を吸収して比較的高い温度になった燃料)の温度より低いときにおいて、同燃料との熱交換を通じて尿素水タンク21内の尿素水を加熱することができるようになる。
このように本実施形態によれば、内燃機関10の発生熱を利用して尿素水タンク21内の尿素水を加熱することができる。そのため、加熱用の熱源を新たに設けることなく尿素水を加熱することができ、尿素水が凍結した場合にこれを効率よく解凍して内燃機関10の排気通路18に供給することができる。
また燃料の温度が過度に高くなると、燃料が劣化したり、燃料供給系内において燃料が不要に気化したり、燃料が燃料タンク11の材質と反応することによって同燃料タンク11が劣化したりするなどといった、種々の不都合を招くおそれがある。この点、本実施形態では、尿素水タンク21内の尿素水の温度が燃料還流通路16を通過する燃料の温度より低いときにおいて、同燃料が、尿素水タンク21内の尿素水との熱交換を通じて冷却されるようになる。これにより、燃料温度の過度の上昇を抑制することができ、上記不都合の発生を抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)内燃機関10の発生熱を利用して尿素水タンク21内の尿素水を加熱することができる。そのため、加熱用の熱源を新たに設けることなく尿素水を加熱することができ、尿素水が凍結した場合にこれを効率よく解凍して内燃機関10の排気通路18に供給することができる。
(2)尿素水タンク21の内部を通過するように燃料還流通路16を延設するようにした。そのため、内燃機関10の運転に伴って温度上昇する燃料によって尿素水を加熱することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる尿素水供給装置を具体化した第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態にかかる尿素水供給装置では、燃料還流通路の延設態様が第1の実施形態にかかる尿素水供給装置と異なる。
図2に、本実施形態にかかる尿素水供給装置およびその周辺機器の具体構成を示す。
同図2に示すように、燃料還流通路31は、途中で一旦分岐された後に合流する形状に延設される二つの通路を備えている。それら二つの通路のうちの一方(タンク通路32)は前記尿素水タンク21の内部を通過するように延設されており、他方(迂回通路33)は尿素水タンク21を迂回するように延設されている。
また、それらタンク通路32および迂回通路33の分岐部分には切替弁34が設けられている。この切替弁34の作動を通じて、タンク通路32および迂回通路33のうちのいずれか一方のみに燃料が流れるように、燃料還流通路31における燃料の流通態様が切り替えられる。
本実施形態にかかる装置は、例えばマイクロコンピュータを有して構成される電子制御装置35を備えている。電子制御装置35には、各種センサ類の検出信号が取り込まれている。そうした各種センサとしては、例えば尿素水タンク21内の尿素水の温度THNを検出するための温度センサ36や、燃料還流通路31内の燃料の温度THFを検出するための温度センサ37などが設けられている。この電子制御装置35は、各種センサの検出信号をもとに各種の演算を行い、その演算結果に基づいて燃料噴射弁14の駆動制御や、尿素水噴射弁24の駆動制御、切替弁34の駆動制御の駆動制御等といった各種制御を実行する。
本実施形態では、切替弁34の駆動制御が次のように実行される。すなわち、切替弁34の作動を通じて、以下の(条件イ)および(条件ロ)の少なくとも一方が満たされるときには上記タンク通路32を燃料が通過するようになり、(条件イ)および(条件ロ)が共に満たされないときには上記迂回通路33を燃料が通過するようになる。
(条件イ)尿素水温度THNが第1の所定温度T1(例えば、−11℃)以下であること。
(条件ロ)尿素水温度THNが第2の所定温度T2(例えば、60℃)より低く、且つ燃料温度THFが第3の所定温度T3(例えば、80℃)以上であること(ただし、T1<T2<T3)。
なお、各所定温度T1,T2,T3としては、実験結果等に基づいて、それぞれ次のような温度が予め設定されている。
所定温度T1は尿素水タンク21内の尿素水が凍結するおそれのある状況であることを判断可能な温度である。詳しくは、尿素水温度THNが所定温度T1以下になった場合に尿素水タンク21内の尿素水が凍結するおそれがあると判断される。
また、所定温度T2は所望の期間(例えば1年)にわたって尿素水を適正な品質で維持することの可能な温度についての上限(尿素水上限温度)である。詳しくは、尿素水温度THNが所定温度T2より低い状態で維持された場合に、熱による尿素水の劣化速度が所望の速度以下に抑えられて、尿素水が適正な品質で維持される。
さらに、所定温度T3は、燃料が劣化したり燃料供給系内において燃料が不要に気化したりするといった不都合の発生が懸念される状況であることを判断可能な温度である。詳しくは、燃料温度THFが所定温度T3以上になったときに上記不都合が発生するおそれがあると判断される。
このように切替弁34の駆動を制御することにより、以下のような作用が得られるようになる。
すなわち先ず、尿素水が凍結するおそれのあるときには(尿素水温度THN≦所定温度T1)、尿素水タンク21内に引き込まれた通路(タンク通路32)を燃料が通過するようになり、同燃料によって尿素水が加熱されるようになる。
また、尿素水が凍結するおそれがないときにおいて(尿素水温度THN>所定温度T1)、燃料の温度が前記不都合の発生を適正に抑えることの可能な温度の上限(燃料上限温度)より高くなったときに(燃料温度THF≧所定温度T3)、尿素水の温度が尿素水上限温度以下であることを条件に(尿素水温度THN≦所定温度T2)、タンク通路32を燃料が通過するようになる。これにより、尿素水タンク21内の尿素水の劣化を抑えつつ、同尿素水によって燃料を冷却して上記不都合の発生を適正に抑えることができる。
さらに、尿素水の温度が尿素水上限温度より高いときや(尿素水温度THN>所定温度T2)、燃料の温度が燃料上限温度以下であるときには(燃料温度THF<所定温度T3)、迂回通路33を燃料が通過するようになる。
ここで、燃料還流通路を尿素水タンク内に引き込む場合には、同燃料還流通路が長くなる分だけ同燃料還流通路の流路抵抗が大きくなるおそれがある。また、尿素水と燃料との熱交換とを効率よく行うために尿素水タンク内における燃料還流通路の延設長がごく長く設定される場合には、燃料還流通路の流路抵抗が極めて大きくなってしまう。したがって、単に燃料還流通路を尿素水タンク内に引き込むようにすると、燃料ポンプの仕事量が大きくなって内燃機関の燃費性能の悪化を招くおそれがある。
この点、本実施形態では、燃料によって尿素水を加熱するときや尿素水によって燃料を冷却するときには尿素水タンク21内に引き込まれた通路(タンク通路32)を燃料が通過するようになるものの、尿素水を加熱したり燃料を冷却したりしないときには、尿素水タンク21を迂回する通路(迂回通路33)を燃料が通過するようになる。そのため、このとき燃料還流通路31の流路抵抗を極力小さくすることができ、これにより燃料還流通路31を尿素水タンク21内に引き込むことに起因する内燃機関10の燃費性能の悪化を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、前述した(1)および(2)に記載した効果に加えて、以下の(3)に記載する効果が得られるようになる。
(3)尿素水が凍結するおそれのあるときには、タンク通路32に燃料を流して尿素水を加熱することができる。また、尿素水が凍結するおそれがないときにおいて、燃料の温度が燃料上限温度より高くなったときに、尿素水の温度が尿素水上限温度以下であることを条件に、タンク通路32に流体を流すことにより、尿素水タンク21内の尿素水の劣化を抑えつつ同尿素水によって燃料を冷却することができる。しかも、尿素水の温度が尿素水上限温度より高いときや、燃料の温度が燃料上限温度以下であるときには、迂回通路33に燃料を流すことにより、内燃機関10の燃費性能の悪化を抑制することができる。したがって、燃料の温度上昇に起因する不都合の発生を適正に抑えつつ、尿素水タンク21内の尿素水を効率良く加熱することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明にかかる尿素水供給装置を具体化した第3の実施形態について、第1の実施形態および第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態にかかる尿素水供給装置は、尿素水タンク内を通過するように燃料還流通路を延設することに代えて、尿素水タンク内を通過するように燃料供給通路を延設するようにした点が、第1の実施形態および第2の実施形態にかかる尿素水供給装置と異なる。
図3に、本実施形態にかかる尿素水供給装置およびその周辺機器の具体構成を示す。
同図3に示すように、本実施形態では燃料供給通路41が尿素水タンク21内を通過するように延設されている。これにより、尿素水タンク21内の尿素水の温度が燃料供給通路41を通過する燃料(内燃機関10の発生熱を吸収して比較的高い温度になった燃料)の温度より低いときにおいて、同燃料との熱交換を通じて尿素水タンク21内の尿素水を加熱することができるようになる。
このように本実施形態によれば、内燃機関10の発生熱を利用して尿素水タンク21内の尿素水を加熱することができる。そのため、加熱用の熱源を新たに設けることなく尿素水を加熱することができ、尿素水が凍結した場合にこれを効率よく解凍して内燃機関10の排気通路18に供給することができる。
ところで、燃料の温度が過度に高くなると、燃料が劣化したり燃料供給系内において燃料が不要に気化したり、燃料が燃料タンク11の材質と反応することによって同燃料タンク11が劣化したりするなどといった、種々の不都合を招くおそれがある。そのため本実施形態の車両では、燃料タンク11や燃料供給通路41、並びに燃料還流通路16の形状や配設位置の設定を通じて、同燃料タンク11内の燃料温度が所定温度T4(本実施形態では、50℃)以下になるように抑えられている。
ここで、本実施形態の車両では、尿素水タンク21が内燃機関10の排気通路18の近傍に設けられている。そのため、内燃機関10の排熱を吸収することによって、尿素水タンク21内の尿素水の温度が過度に高くなってしまうおそれがある。尿素水の温度が過度に高くなると、これが尿素水タンク21内におけるアンモニアの発生を招いたり、不純物の析出によって尿素水供給通路22を詰まらせたりするなど、種々の不都合を招く原因となる。
この点、本実施形態によれば、尿素水の温度が燃料供給通路41を通過する燃料の温度(所定温度T4以下になるように抑えられた燃料の温度)より高くなった場合に、同燃料によって尿素水タンク21内の尿素水が冷却されるようになる。したがって、尿素水の温度が過度に高くなることが好適に抑制される。
以上説明したように、本実施形態によれば、前述した(1)に記載した効果に加えて、以下の(4)に記載の効果が得られるようになる。
(4)尿素水タンク21の内部を通過するように燃料供給通路41を延設するようにした。そのため、内燃機関10の運転に伴って温度上昇する燃料によって尿素水を加熱することができる。
(第4の実施形態)
以下、本発明にかかる尿素水供給装置を具体化した第4の実施形態について、第1〜第3の実施形態との相違点を中心に説明する。
第1〜第3の実施形態では、燃料が通過する通路(第1の実施形態では燃料還流通路16、第2の実施形態では燃料還流通路31、第3の実施形態では燃料供給通路41)が尿素水タンク内を通過するように延設されている。これに対して、本実施形態にあっては、内燃機関10の排熱を吸収して温度上昇する流体が通過する通路が尿素水タンク内を通過するように延設されている。
図4に、本実施形態にかかる尿素水供給装置およびその周辺機器の具体構成を示す。
同図4に示すように、本実施形態にかかる装置は、内部を流体が循環する流体循環系50を備えている。この流体循環系50にあって流体が通過する通路は、タンク通路51、受熱通路52、流体供給通路53、および流体還流通路54により構成されている。
タンク通路51は尿素水タンク21の内部において延びる通路であり、受熱通路52は内燃機関10の排気通路18の外壁に接触するように延びる通路である。受熱通路52は詳しくは、図5に示すように、内燃機関10の排気通路18(詳しくは、排気浄化触媒17の配設部分)の外壁面全体を覆うように延びる形状に形成されている。流体供給通路53は受熱通路52とタンク通路32とを連通する通路である。この流体供給通路53を通じて受熱通路52からタンク通路32に流体が供給される。流体還流通路54はタンク通路51と受熱通路52とを連通する通路である。流体還流通路54を通じてタンク通路32から受熱通路52に流体が還流される。
流体供給通路53には、同流体供給通路53内の流体を圧送するための流体ポンプ55が設けられている。この流体ポンプ55の作動を通じて、流体循環系50の内部に流体が強制的に循環される。なお流体ポンプ55としては電動式のものが設けられている。また流体としては、内燃機関10の冷却に用いられる冷却液、いわゆるクーラントが採用されている。
本実施形態にかかる装置では、上記流体供給通路53の一部および流体還流通路54の一部が共に、尿素水タンク21から排気通路18に尿素水を供給する尿素水供給通路22と並行して延びるように、且つ同尿素水供給通路22に接触するように設けられている。
こうした装置によれば、以下のような作用が得られる。
内燃機関10の運転に際して流体ポンプ55が作動すると、流体循環系50内に流体が循環するようになる。そして、受熱通路52を通過する際に内燃機関10の排熱を流体が吸収することによって流体の温度が上昇するようになり、さらにはその流体がタンク通路51に流入するようになる。そのため、タンク通路51を通過する流体の温度が尿素水タンク21内の尿素水の温度より高くなった後において、同流体との熱交換を通じて尿素水タンク21内の尿素水を加熱することができるようになる。
このように本実施形態によれば、内燃機関10の排熱を利用して、流体循環系50内の流体、ひいては尿素水タンク21内の尿素水を加熱することができる。そのため、加熱用の熱源を新たに設けることなく尿素水を加熱することができ、尿素水が凍結した場合にこれを効率よく解凍して内燃機関10の排気通路18に供給することができる。
また、流体供給通路53の一部および流体還流通路54の一部が共に、尿素水供給通路22と並行して延びるように、且つ同尿素水供給通路22に接触するように設けられているために、尿素水タンク21内の尿素水を加熱することに加えて、尿素水供給通路22内の尿素水を加熱することができる。したがって本実施形態によれば、尿素水供給通路22内の尿素水が凍結した場合にこれを効率よく解凍することもできる。
以上説明したように、本実施形態によれば、前述した(1)に記載した効果に加えて、以下の(5)および(6)に記載の効果が得られるようになる。
(5)内燃機関10の排熱を利用して、流体循環系50内の流体、ひいては尿素水タンク21内の尿素水を加熱することができる。
(6)尿素水供給通路22内の尿素水を加熱することができ、同尿素水供給通路22内の尿素水が凍結した場合にこれを効率よく解凍することができる。
(第5の実施形態)
以下、本発明にかかる尿素水供給装置を具体化した第5の実施形態について説明する。
なお、本実施形態にかかる尿路水供給装置の前提構成としては、第1〜第4の実施形態のうちのいずれか一つが採用される。また、その前提構成と実施形態にかかる構成とは、流体が通過する通路(第1の実施形態では燃料還流通路16、第2の実施形態ではタンク通路32、第3の実施形態では燃料供給通路41、第4の実施形態ではタンク通路51)における尿素水タンク内を通過する部分の延設態様が異なる。そのため以下では、そうした流体通路の延設態様について説明する。
図6は尿素水タンク21の内部構造を示しており、図7は図6の矢印A方向から見た尿素水タンク21の内部構造を示している。
図6および図7に示すように、本実施形態では、流体通路61が尿素水タンク21の内部を通過するように延設されており、同流体通路61の上記尿素水タンク21の内部を通過する部分の一部が熱交換器62によって構成されている。この熱交換器62には、その外面から突出する形状の放熱用のフィン63が複数形成されている。それらフィン63としては、熱交換器62の周囲全周にわたって延びる形状のものが等間隔おきに設けられている。
ここで、車両の加速や減速に伴って同車両が揺れると、これに伴って尿素水タンク21内の尿素水も揺動するために、その揺動した尿素水が尿素水タンク21の内壁に衝突することによって耳障りな音が発生することがある。こうした耳障りな音は、例えば渋滞路を走行しているときに車両の発進と停止とが繰り返される場合など、ロードノイズや機関騒音などが小さく車内騒音が小さい状況において車両が前後方向に揺れるときに、特に運転者に伝わりやすい。
この点をふまえて本実施形態では、熱交換器62のフィン63によって尿素水タンク21の内部が前記車両の前後方向において仕切られるように、同熱交換器62を配設するようにしている。詳しくは、熱交換器62に形成された複数のフィン63のうちの一部(本実施形態では3つ)のフィン63Aの突出量が他のフィン63Bの突出量と比較して大きく設定されており、それらフィン63Aが尿素水タンク21の内部を車両の前後方向において各別に仕切るように、且つフィン63Aと尿素水タンク21の内壁とに間隙が形成されるようにいる。熱交換器62が配設されている。
このように熱交換器62を配設することにより、車両が前後方向に揺れて尿素水タンク21内の尿素水が揺動する際に、尿素水の一部がフィン63Aと尿素水タンク21の内壁面との間隙を通じて流動するようになる。
このときフィン63Aと尿素水タンク21の内壁面との間隙が絞りとして作用して、尿素水タンク21内における尿素水の流動速度が低減されるようになる。そのため、揺動した尿素水が尿素水タンク21の内壁に衝突する際に発生する音が小さくなって、上述した耳障りな音の発生が抑制されるようになる。
(第6の実施形態)
以下、本発明にかかる尿素水供給装置を具体化した第6の実施形態について説明する。
なお、本実施形態にかかる尿路水供給装置の前提構成としては、第1〜第4の実施形態のうちのいずれか一つが採用される。また、その前提構成と実施形態にかかる構成とは、流体が通過する通路(第1の実施形態では燃料還流通路16、第2の実施形態ではタンク通路32、第3の実施形態では燃料供給通路41、第4の実施形態ではタンク通路51)における尿素水タンク内を通過する部分の延設態様が異なる。そのため以下では、そうした流体通路の延設態様について説明する。
図8は尿素水タンク21の内部構造を示しており、図9は図8の矢印B方向から見た尿素水タンク21の内部構造を示している。
図8および図9に示すように、本実施形態では、流体通路71が尿素水タンク21の内部を通過するように延設されており、同流体通路71の一部がコイル形状に延設されている。流体通路71は、コイル形状に形成された部分(コイル部72)が尿素水タンク21内に配設されるように、且つ同コイル形状の中心軸が車両の前後方向と直交するように(具体的には、車幅方向に延びるように)に配設されている。
ここで、車両の加速や減速に伴って同車両が揺れると、これに伴って尿素水タンク21内の尿素水も揺動するために、その揺動した尿素水が尿素水タンク21の内壁に衝突することによって耳障りな音が発生することがある。こうした耳障りな音は、例えば渋滞路を走行しているときに車両の発進と停止とが繰り返される場合など、ロードノイズや機関騒音などが小さく車内騒音が小さい状況において車両が前後方向に揺れるときに、特に運転者に伝わりやすい。
本実施形態では、尿素水タンク21内にコイル部72が配設されており、車両が前後方向に揺れて尿素水タンク21内の尿素水が揺動する際に、尿素水の一部がコイル部72を通過するようになる。そして、このとき隣り合う流体通路71の間隙が絞りとして作用して、尿素水タンク21内における尿素水の流動速度が低減されるようになる。そのため、揺動した尿素水が尿素水タンク21の内壁に衝突する際に発生する音が小さくなって、上述した耳障りな音の発生が抑制されるようになる。
なお、尿素水タンク21内を通過するように流体通路71を延設するようにすれば、その延設形状によることなく、尿素水タンク21内における尿素水の流動にかかる流動抵抗を大きくすることはできる。これに加えて、本実施形態の流体通路71の延設態様を採用することにより、尿素水タンク21内における尿素水の車両前後方向への流動にかかる流動抵抗を好適に大きくすることの可能な形状に同流体通路71を延設することができるようになり、上述した耳障りな音の発生を好適に抑制することができるようになる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第2の実施形態において、(条件イ)が満たされたときにタンク通路32を燃料が通過するように、且つ(条件イ)が満たされないときに迂回通路33を燃料が通過するように、切替弁34を作動させるようにしてもよい。同構成によれば、尿素水が凍結するおそれのあるときにはタンク通路32に燃料を流して尿素水を加熱する一方、尿素水が凍結するおそれのないときには迂回通路33に流体を流して内燃機関10の燃費性能の悪化を抑制するといったように、効率良く尿素水タンク21内の尿素水を加熱することが可能になる。
・第2の実施形態において、切替弁34に代えて、尿素水タンク21内の尿素水と燃料還流通路16内の燃料とに当接するように配設されるとともに、それら当接する尿素水の温度と燃料の温度とに応じて自動的に開度が変化するタイプの切替弁を設けるようにしてもよい。
・第3の実施形態において、次の構成を採用することができる。燃料供給通路41の一部を、一旦分岐された後に合流するように延設される二つの通路(尿素水タンク21の内部を通過するタンク通路、および尿素水タンク21の内部を迂回する迂回通路)によって構成し、それらタンク通路および迂回通路の分岐部分に切替弁を設ける。そして、以下の(条件ハ)および(条件ニ)の少なくとも一方が満たされるときにタンク通路を燃料が通過するように、且つ(条件ハ)および(条件ニ)が共に満たされないときに迂回通路を燃料が通過するように、切替弁によって燃料の流通態様を切り替える。
(条件ハ)尿素水タンク21内の尿素水の温度が所定温度T1以下であること。
(条件ニ)尿素水タンク21内の尿素水の温度が所定温度T2より低く、且つ燃料供給通路41内の燃料の温度が所定温度T3以上であること。
こうした構成によれば、前述した(3)に記載した効果に準じた効果が得られるようになる。
また、上記構成において、(条件ハ)が満たされたときにタンク通路を燃料が通過するように、且つ(条件ハ)が満たされないときに迂回通路を燃料が通過するように、切替弁を作動させるようにしてもよい。同構成によれば、尿素水が凍結するおそれのあるときにはタンク通路に燃料を流して尿素水を加熱する一方、尿素水が凍結するおそれのないときには迂回通路に流体を流して内燃機関10の燃費性能の悪化を抑制するといったように、効率良く尿素水タンク21内の尿素水を加熱することが可能になる。
・第4の実施形態において、受熱通路52の延設態様は、一部が内燃機関10の排気通路18の外壁に接触するように延びる態様であれば、任意に変更可能である。
・第4の実施形態において、流体供給通路53および流体還流通路54の一方のみを、尿素水供給通路22に接触するように延設してもよい。また、流体供給通路53および流体還流通路54を、尿素水供給通路22から離間した位置において延びるように設けてもよい。
・第4の実施形態において、流体の温度が所定温度T2より高くなったときに、例えば流体ポンプ55の作動を停止する等して、流体循環系50内における流体の循環を停止させるようにしてもよい。
・第5の実施形態において、熱交換器62のフィン63Aに貫通孔を形成するようにしてもよい。同構成によれば、貫通孔を絞りとして作用させて、尿素水タンク21内における尿素水の流動速度を低減することができる。なお同構成にあっては、フィン63Aと尿素水タンク21の内壁とに間隙を形成する必要はない。
・第6の実施形態において、図10に示すように、流体通路81のコイル部82を軸線方向における中央部分が縮径されたコイル形状に形成するようにしてもよい。
・第6の実施形態において、コイル形状の中心軸が車幅方向に延びるようにコイル部を配設することに代えて、例えば同中心軸が車両上下方向に延びるようにコイル部を配設するなど、同中心軸が車両前後方向と直交する方向に延びるようにコイル部を配設するようにしてもよい。また、コイル形状の中心軸が車両前後方向と直交する方向に延びるようにコイル部を配設することに限らず、同中心軸が車両の前後方向と交差するようにコイル部を設ければよい。
・第6の実施形態において、流体通路の延設態様は、尿素水タンク21内において尿素水が車両前後方向に揺動する際に隣り合う流体通路が絞りとして作用するように配設されるのであれば、任意に変更可能である。
・選択還元触媒が排気通路18に設けられた内燃機関10に限らず、尿素水から生成されるアンモニアを還元剤とする触媒作用によって排気中のNOxを浄化する他の触媒が排気通路18に設けられた内燃機関にも、各実施形態にかかる尿素水供給装置を適用することができる。
・機関各部の潤滑に用いられる潤滑オイルが通過する通路や機関の冷却に用いられる冷却液が通過する通路を、尿素水タンク内を通過するように延設してもよい。
第1の実施形態にかかる尿素水供給装置の具体構成を示すブロック図。 第2の実施形態にかかる尿素水供給装置の具体構成を示すブロック図。 第3の実施形態にかかる尿素水供給装置の具体構成を示すブロック図。 第4の実施形態にかかる尿素水供給装置の具体構成を示すブロック図。 受熱通路の配設部分における排気通路の断面構造を示す断面図。 第5の実施形態にかかる尿素水供給装置の尿素水タンクの内部構造を示す断面図。 図6の矢印A方向から見た尿素水タンクの断面構造を示す断面図。 第6の実施形態にかかる尿素水供給装置の尿素水タンクの内部構造を示す断面図。 図8の矢印B方向から見た尿素水タンクの断面構造を示す断面図。 他の実施形態にかかる尿素水供給装置の尿素水タンクの内部構造を示す断面図。
符号の説明
10…内燃機関、11…燃料タンク、12…燃料供給通路、13…燃料ポンプ、14…燃料噴射弁、15…溢流弁、16…燃料還流通路、17…排気浄化触媒、18…排気通路、21…尿素水タンク、22…尿素水供給通路、23…尿素水ポンプ、24…尿素水噴射弁、31…燃料還流通路、32…タンク通路、33…迂回通路、34…切替弁、35…電子制御装置、36,37…温度センサ、41…燃料供給通路、50…燃料循環系、51…タンク通路、52…受熱通路、53…流体供給通路、54…流体還流通路、55…流体ポンプ、61…流体通路、62…熱交換器、63,63A,63B…フィン、71…流体通路、72…コイル部、81…流体通路、82…コイル部。

Claims (10)

  1. 排気通路に排気浄化触媒が設けられた内燃機関に適用され、尿素水タンク内に備蓄された尿素水を前記排気通路における前記排気浄化触媒より排気流れ方向上流側の部分に供給する尿素水供給装置において、
    前記内燃機関の発生熱を吸収して温度上昇する流体が通過する流体通路を有してなり、同流体通路が前記尿素水タンクの内部を通過するように延設されてなる
    ことを特徴とする尿素水供給装置。
  2. 請求項1に記載の尿素水供給装置において、
    前記流体通路は、一旦分岐された後に合流するように延設される二つの通路であって前記尿素水タンクの内部を通過するタンク通路と前記尿素水タンクを迂回する迂回通路とを有してなるとともに、流体を圧送するポンプと前記タンク通路および前記迂回通路の分岐部分に設けられた切替弁とを有してなり、
    前記切替弁は、以下の(条件イ)および(条件ロ)の少なくとも一方が満たされるときに前記タンク通路を流体が通過するように、且つ前記(条件イ)および前記(条件ロ)が共に満たされないときに前記迂回通路を流体が通過するように、流体の流通態様を切り替えるものである
    (条件イ)尿素水の温度が第1の所定温度以下であること
    (条件ロ)尿素水の温度が前記第1の所定温度より高い第2の所定温度より低く、且つ前記流体の温度が前記第2の所定温度より高い第3の所定温度以上であること
    ことを特徴とする尿素水供給装置。
  3. 請求項1に記載の尿素水供給装置において、
    前記流体通路は、一旦分岐された後に合流するように延設される二つの通路であって前記尿素水タンクの内部を通過するタンク通路と前記尿素水タンクを迂回する迂回通路とを有してなるとともに、流体を圧送するポンプと前記タンク通路および前記迂回通路の分岐部分に設けられた切替弁とを有してなり、
    前記切替弁は、尿素水の温度が所定温度以下のときに前記タンク通路を流体が通過するように、且つ尿素水の温度が前記所定温度より高いときに前記迂回通路を流体が通過するように、流体の流通態様を切り替えるものである
    ことを特徴とする尿素水供給装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の尿素水供給装置において、
    前記流体通路は内燃機関の燃料が通過する通路である
    ことを特徴とする尿素水供給装置。
  5. 請求項4に記載の尿素水供給装置において、
    前記内燃機関は、燃料を備蓄する燃料タンクから燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給通路と同燃料供給通路内の余剰燃料を前記燃料タンク内に還流する燃料還流通路とを有してなり、
    前記流体通路は、前記燃料還流通路である
    ことを特徴とする尿素水供給装置。
  6. 請求項4に記載の尿素水供給装置において、
    前記内燃機関は、その燃料を備蓄する燃料タンクから燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給通路と同燃料供給通路内の余剰燃料を前記燃料タンク内に還流する燃料還流通路とを有してなり、
    前記流体通路は、前記燃料供給通路である
    ことを特徴とする尿素水供給装置。
  7. 請求項1に記載の尿素水供給装置において、
    前記流体通路は、前記尿素水タンクの内部において延びるタンク通路と前記排気通路の外壁に接触するように延びる受熱通路と同受熱通路から前記タンク通路に流体を供給する流体供給通路と前記タンク通路から前記受熱通路に流体を還流する流体還流通路とからなり、同流体通路内の流体を圧送するためのポンプが設けられてなる
    ことを特徴とする尿素水供給装置。
  8. 請求項7に記載の尿素水供給装置において、
    前記流体供給通路および前記流体還流通路のうちの少なくとも一方は、前記尿素水タンクから前記排気通路に尿素水を供給する尿素水供給通路に接触するように延設されてなる
    ことを特徴とする尿素水供給装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の尿素水供給装置において、
    前記内燃機関は車両に搭載されてなり、
    前記流体通路は前記尿素水タンク内に配設される部分の一部が熱交換器によって構成されてなり、
    前記熱交換器は、その外面に放熱用フィンが突設されてなり、同放熱用フィンが前記尿素水タンク内を前記車両の前後方向において仕切るように配設されてなる
    ことを特徴とする尿素水供給装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の尿素水供給装置において、
    前記流体通路は、前記尿素水タンク内に配設される部分の一部がコイル形状に延設されてなり、同コイル形状の中心軸が前記車両の前後方向と交差するように延設されてなる
    ことを特徴とする尿素水供給装置。
JP2007102837A 2007-04-10 2007-04-10 尿素水供給装置 Pending JP2008261237A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007102837A JP2008261237A (ja) 2007-04-10 2007-04-10 尿素水供給装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007102837A JP2008261237A (ja) 2007-04-10 2007-04-10 尿素水供給装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008261237A true JP2008261237A (ja) 2008-10-30

Family

ID=39983904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007102837A Pending JP2008261237A (ja) 2007-04-10 2007-04-10 尿素水供給装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008261237A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101283600B1 (ko) 2011-07-01 2013-07-05 현대자동차주식회사 차량의 선택적 촉매 환원 장치용 요소 수용액 공급 시스템 및 그 제어 방법
JP2013245652A (ja) * 2012-05-29 2013-12-09 Isuzu Motors Ltd 尿素水解凍装置
JP2014114714A (ja) * 2012-12-07 2014-06-26 Isuzu Motors Ltd ディーゼルエンジンの排気ガス浄化方法及び排気ガス浄化システム
CN105673154A (zh) * 2014-11-21 2016-06-15 天纳克(苏州)排放系统有限公司 共轨、该共轨的应用、尿素喷射系统及其控制方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101283600B1 (ko) 2011-07-01 2013-07-05 현대자동차주식회사 차량의 선택적 촉매 환원 장치용 요소 수용액 공급 시스템 및 그 제어 방법
JP2013245652A (ja) * 2012-05-29 2013-12-09 Isuzu Motors Ltd 尿素水解凍装置
JP2014114714A (ja) * 2012-12-07 2014-06-26 Isuzu Motors Ltd ディーゼルエンジンの排気ガス浄化方法及び排気ガス浄化システム
CN105673154A (zh) * 2014-11-21 2016-06-15 天纳克(苏州)排放系统有限公司 共轨、该共轨的应用、尿素喷射系统及其控制方法
CN105673154B (zh) * 2014-11-21 2019-11-08 天纳克(苏州)排放系统有限公司 共轨、该共轨的应用、尿素喷射系统及其控制方法
US10634034B2 (en) 2014-11-21 2020-04-28 Tenneco (Suzhou) Emission System Co., Ltd. Common rail, application of the common rail, carbamide spraying system, and control method therefor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4656039B2 (ja) エンジンの排気浄化装置
JP3751962B2 (ja) エンジンの排気浄化装置
JP5573351B2 (ja) Scrシステム
JP4888480B2 (ja) 排気浄化システムの制御装置
JP2008267682A (ja) 流体加熱装置ならびにそれを備えた排気後処理装置
JP3687918B1 (ja) 還元剤容器の構造
US8756919B2 (en) Device for providing liquid reducing agent, method for thawing frozen reducing agent and motor vehicle having the device
JP5020878B2 (ja) 排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置
JP4895888B2 (ja) 還元剤添加システムの解凍判定装置及びエンジンの排気浄化装置
JP2009097479A (ja) 還元剤供給装置の制御装置及び制御方法
WO2005028827A1 (ja) エンジンの排気浄化装置
JP2011080397A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2009221884A (ja) 車両のタンク配設構造
JP2008261237A (ja) 尿素水供給装置
JP2010019134A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2008261275A (ja) 排ガス浄化装置
JP2012215151A (ja) 内燃機関の排ガス浄化装置
JP4087350B2 (ja) エンジンの排気浄化装置
WO2010029792A1 (ja) 内燃機関の排気浄化装置及びその制御方法
JP2011137441A (ja) 還元剤タンク
JP2010163985A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
KR20160124580A (ko) 작업 차량용 가압식 냉각수 순환 시스템
JP7282513B2 (ja) 還元剤供給装置及び冷却ホルダ
JP2014202094A (ja) 尿素水添加装置の制御装置
KR20140064111A (ko) 선택적 촉매 환원 장치용 요소 수용액 공급 시스템의 히팅장치