JP2008260022A - 仮置きhcr用スラブ保温方法及び装置。 - Google Patents

仮置きhcr用スラブ保温方法及び装置。 Download PDF

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Abstract

【課題】 仮置きHCR法の問題点であった重ね積みされたスラブの最上段のスラブが十分に保温できないという問題の解決を図る。
【解決手段】 連続鋳造機によって製造されたスラブを、連続鋳造機からスラブ仮置き場までスラブ搬送ラインによって搬送し、加熱炉への装入順序によって定められた指定順序にしたがってスラブ仮置き場に重ね積みして保温するに当たり、前記スラブ搬送ラインにおいて、前記重ね積みの最上段となるスラブを選択して保温カバーを被せて搬送するとともに、スラブ仮置き場においては、前記重ね積みの最上段に位置するスラブを前記保温カバーで覆った状態とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、連続鋳造機で製造されたスラブを加熱炉に装入する前に一時仮置きした後、指定された順序で加熱炉にスラブを払い出すいわゆる仮置きHCR用スラブ保温方法及び装置に関する。
連続鋳造機で製造されたスラブは圧延によって目的の形状・寸法に仕上げられる。この圧延に当たっては、連続鋳造片の有する顕熱を有効利用しながら連続鋳造工程と上記再加熱工程を含む圧延工程の同期化を図ることが重要であり、そのためいわゆる仮置きHCR法(Hot Charge Rolling Process)が採用されることが多い。
この仮置きHCR法は、連続鋳造工程から排出されるスラブを比較的小ロットに、例えばスラブ枚数にして5〜10枚程度の重ね積み単位にまとめ、圧延計画にしたがって当該重ね積み単位ごとに加熱炉側に払い出す方式であって、圧延順を考慮して鋳造計画が作成されるが、連続圧延工程と圧延工程との間に時間的なずれがあって完全には同期化が図れないときに有効な手段である。
この仮置きHCR法では、連続鋳造片の有する顕熱を有効利用するため、重ね積みされたスラブを適切に保温することが重要であり、そのため、例えば、特許文献1には、重ね積みされたスラブにその全体を覆う拡縮式の保温カバーが提案されている。また、特許文献2には、スラブヤードに耐火れんがで囲まれた本ピットとピットカバーからなる保温室を設け、該保温室に高温スラブを段重ね状態で仮置きしてスラブの温度低下を防止する手段が記載されている。
特公昭63−15327号公報 特開平59−190327号公報
しかしながら、特許文献1に示す方法は特別な構造の保温カバーを準備しなければならず、また、保温カバーの設置や取外しにもクレーン操作を必要とするなど、操業コストが高くつくという問題があった。一方、特許文献2記載の手段は、保温室の設置のための設備費が嵩むばかりか、その容積に制限があるために、重ね積みできるスラブの数量に制限があるという問題がある。また、これら従来の保温方法では、重ね積みされたスラブのうち最上段のスラブの温度が他のスラブに比べて温度低下が大きくなることを避けられないという問題があり、加熱炉の操業の際、これら最上段に位置するスラブを基準に加熱すると他の部位に積み重ねられたスラブが必然的に過加熱になるという問題があった。
本発明は、仮置きHCR法を実施するに当たり、上記特許文献1、2に記載の手段による場合のような特別の設備を必要とせず、仮置きHCR法の問題点であった重ね積みされたスラブの最上段のスラブが十分に保温できないという問題の解決を図ることを目的とする。
本発明の仮置きHCR用スラブ保温方法は、連続鋳造機によって製造されたスラブを、連続鋳造機からスラブ仮置き場までスラブ搬送ラインによって搬送し、加熱炉への装入順序によって定められた指定順序にしたがってスラブ仮置き場に重ね積みして保温するに当たり、前記スラブ搬送ラインにおいて、前記重ね積みの最上段となるスラブを選択して保温カバーを被せて搬送するとともに、スラブ仮置き場においては、前記重ね積みの最上段に位置するスラブを前記保温カバーで覆った状態とするものである。
上記仮置きHCR用スラブ保温方法は、連続鋳造機によって製造されたスラブを該連続鋳造機からスラブ仮置き場まで搬送するローラコンベヤと、HCR用スラブ仮置き場と、前記ローラコンベヤから前記スラブを指定された順序にしたがって前記スラブ仮置き場に重ね積みするクレーンと、を有するHCR用スラブ保温装置において、
前記連続鋳造機の出側に、ローラコンベヤ上を搬送されるスラブのうち重ね積みの際に最上段となるスラブを選択して保温カバーを載置する保温カバー載置装置を備え、かつ、前記スラブ仮置き場に設置した重ね積みするクレーンには、保温カバー除去装置を具備してなることHCR用スラブ保温装置を利用することによって容易に実施することができる。
本発明により、仮置きHCR法を実施するに当たり、特別の設備を必要とせず、スラブの最上段のスラブが十分に保温できないという問題の解決を図ることができ、また、重ね積みされたスラブ間の温度のばらつきを抑制できるという効果がある。
る。
図1は、本発明による仮置きHCR用スラブ保温方法の実施手順を示す説明図である。図1に示すように、連続鋳造機1で鋳造されたスラブは切断機2によって所定の長さに切断される。切断されたスラブS,S,・・・Sは、ローラテーブル3上を搬送され、スラブ仮置き場4に重ね積みされ、保温状態に置かれる(仮置きHCR法の適用)。重ね積みの順序は、加熱炉への装入順序によって定められた指定順序にしたがうものとなる。すなわち、重ね積みされたスラブのうち、最初に圧延されるスラブSが最下段に、最後に圧延されるスラブSが最上段になるように重ね積みされる。
本発明では、上記仮置きHCRを実施するに当たり、スラブが切断機2によって切断された直後に、前記仮置きHCR法の適用のために重ね積みされるスラブのうち、最上段に積み込まれるスラブSに対して保温カバー10を被せる。この保温カバー10による保温は重ね積みされるスラブのうち、最上段に積み込まれるスラブSに対してのみ行われ、他のスラブに対しては行われない。したがって、スラブ仮置き場4におけるスラブの積み重ね状態は、図1に示すように、最上段に位置するスラブのみが保温カバー10により保温された状態となり、他のスラブS〜Sn−1はそれぞれ上下に位置するスラブと相互に接して外部への放熱を阻止することにより保温されることになる。
上記本発明による仮置きHCR法によるスラブの保温を実施するには、図2に示すように、連続鋳造機1の後面側の切断機2により切り離されたスラブSに対して保温カバー10を被せることができるように、複数枚の保温カバー10を積み重ねてストックする保温カバーストック台12と該保温カバーストック台12から1枚の保温カバー10を引き上げ、最上段に積み込まれるスラブSに対して保温カバー10を載置するためのクレーン11からなる保温カバー載置装置13を設置するのがよい。なお、圧延命令等の操業指示情報に基づき、上記保温カバー載置装置13を、スラブのうちスラブ仮置き場4において最上段に積み込まれるスラブがローラテーブル3上を通過するときにのみ作動するように制御するようにすることが好ましく、これにより保温カバー10の載置操作を自動化できることになる。
ローラテーブル3の下流側には、ローラテーブル3に沿ってスラブ仮置き場4が設置される。そして、このスラブ仮置き場4にスラブSからSを順次重ね積みし、また、圧延命令に応じて図示しない加熱炉側にスラブを搬送状態にするためスラブ仮置き場4からスラブS,Sn−1,・・・Sを順次ローラテーブル側に戻すためのクレーン14がローラテーブル3に直交して配置される。また、スラブ仮置き場4と近接して保温カバー保管台5が配置されている。前記クレーン14には、スラブ仮置き場4からスラブS、すなわち、スラブ仮置き場4において最上部に積み込まれるスラブを加熱炉側に移動させるに先立って、保温カバー10を取り除け、保温カバー保管台5に保管するための吊り具(図示しない)を備える。なお、保温カバー保管台5は、保温カバーストック台12と同一構造として、回収された保温本カバーをそのまま再利用できるようにすることが好ましい。
保温カバー10は、図3に示すように、例えば鋼製のスケルトン16を梯子状に構成し、その上下をセラミックファイバー17で覆ったものとすればよい。そして、その両端部にスケルトン16を長手方向に延長して吊手18とすることにより、クレーン11及びクレーン14による吊下げ・吊下ろし作業等の取扱いを容易に行うことができる。
幅:1200mm、厚さ:230mm、鋼スラブを鋳造し、ガス切断により、長さ:8000mmに切断した。切断直後のスラブ表面中央部の温度は、1290℃であった。これらスラブを、10枚を1グループとして、仮置きHCR用スラブ保温方法によりスラブ保温を行うに当たり、重ね積みの最後、すなわち最上段に積載されるスラブにスラブ切断直後に保温カバーを被せてローラガイド上を搬送し、そのまま積層した。
4時間仮置き後のスラブ中心の温度分布を図4に示す。図4から明らかなように、本発明を適用した場合(a)では、従来例、すなわち、最上段スラブに対して保温カバーを適用しなかった場合(b)に比べて、最上段スラブ(S)の低温部の領域が縮小していることが明らかである。
以上、本発明をその1実施形態に基づいて説明したが、本発明の実施形態はこれに限られるものではない。たとえば、保温カバーとし内側に断熱材をライニングした鋼製の蓋体を利用することもできる。また、本実施形態では、保温カバーの載置、取り除けのためにクレーンを利用しているが、これを例えば台車方式に代えてもよい。その他、連続鋳造鋳片の処理のために必要な諸設備を搬送ライン中に配置することもできる。
本発明による仮置きHCR用スラブ保温方法の実施手順図である。 本発明の仮置きHCR用スラブ保温装置の全体構成を示す平面図である。 本発明で用いる保温カバーの代表的な構造を示す(a)側面図、(b)平面図(A−A断面図)である。 (a)本発明を実施して得られた仮置きHCR用スラブの温度分布図であり、(b)従来法によって得られた仮置きHCR用スラブの温度分布図である。
符号の説明
1:連続鋳造機
2:切断機
3:ローラテーブル
4:スラブ仮置場
5:保温カバー保管台
10:保温カバー
11:積み込みクレーン
12:保温カバーストック台
13:保温カバー載置装置
14:クレーン
16:鋼製スケルトン
17:セラミックファイバー
18:吊手

Claims (2)

  1. 連続鋳造機によって製造されたスラブを、連続鋳造機からスラブ仮置き場までスラブ搬送ラインによって搬送し、加熱炉への装入順序によって定められた指定順序にしたがってスラブ仮置き場に重ね積みして保温するに当たり、
    前記スラブ搬送ラインにおいて、前記重ね積みの最上段となるスラブを選択して保温カバーを被せて搬送するとともに、スラブ仮置き場においては、前記重ね積みの最上段に位置するスラブを前記保温カバーで覆った状態とすることを特徴とする仮置きHCR用スラブ保温方法。
  2. 連続鋳造機によって製造されたスラブを該連続鋳造機からスラブ仮置き場まで搬送するローラコンベヤと、HCR用スラブ仮置き場と、前記ローラコンベヤから前記スラブを指定された順序にしたがって前記スラブ仮置き場に重ね積みするクレーンと、を有するHCR用スラブ保温装置において、
    前記連続鋳造機の出側に、ローラコンベヤ上を搬送されるスラブのうち重ね積みの際に最上段となるスラブを選択して保温カバーを載置する保温カバー載置装置を備え、かつ、前記スラブ仮置き場に設置した重ね積みするクレーンには、保温カバー除去装置を具備してなることを特徴とするHCR用スラブ保温装置。
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