JP2008255832A - 多種燃料内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】スモークの生成され易い運転領域で可能な限り機関出力の制限を抑えつつスモークの生成量を低く抑えること。
【解決手段】酸素成分が含まれている含酸素燃料と当該含酸素燃料とは燃料性状の異なる少なくとも1種類の燃料の内で少なくとも1つを燃焼室CCに導いて燃焼させることの可能な多種燃料内燃機関において、その燃焼室CCに導かれる燃料Fのスモーク生成能を求めるスモーク生成能演算手段(電子制御装置1)と、スモークの生成が予測される運転領域のときに燃料Fのスモーク生成能に応じてスモークの生成が抑えられるよう燃焼制御を行う燃焼制御手段(電子制御装置1)と、を設けること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、含酸素燃料と当該含酸素燃料とは燃料性状の異なる少なくとも1種類の燃料との内の少なくとも1つを用いて運転される多種燃料内燃機関に関する。
近年、自動車業界においては、自動車を取り巻く環境の変化に対応させる為に様々な取り組みが行われている。例えば、内燃機関の分野では、燃料性状の異なる複数種類の燃料を用い、夫々の短所を補って長所を相互補完させる所謂多種燃料内燃機関についての取り組みが為されている。この種の多種燃料内燃機関が搭載された車輌は、一般にフレキシブル燃料車(FFV:Flexible Fuel Vehicle)と呼ばれており、その一例としては、ガソリン燃料とエタノール等のアルコール燃料を要求性能に合わせて単独で又は混合して運転させ、エミッション性能の向上や埋蔵量の限界が謳われ続けているガソリン燃料等の化石燃料の消費抑制などのような環境性能の向上を図らんとするものが知られている。
例えば、下記の特許文献1には、ガソリン燃料とアルコール燃料からなるアルコール混合燃料を使用して運転させる多種燃料内燃機関について開示されている。この特許文献1の多種燃料内燃機関においては、アルコール混合燃料のアルコール濃度によって目標空燃比(目標当量比)が変化するので、そのアルコール濃度に応じた目標空燃比の補正が行われている。また、下記の特許文献2には、アルコール混合燃料のアルコール濃度(アルコール含有率)に応じて機関の基本制御量の補正を行う多種燃料内燃機関について開示されている。
ここで、一般に、過濃空燃比の運転領域においては、スモークが発生し易くなる。尚、下記の特許文献3には、予備燃焼と主燃焼を行う燃焼モードでの運転時に実際の圧縮端温度を圧縮端温度の目標値に制御して、空燃比の過濃化に伴うスモークの悪化を抑える内燃機関について開示されている。
特開2004−308429号公報 特開平5−195839号公報 特開2005−58692号公報
ところで、従来、過濃空燃比等のようなスモークが生成され易い運転領域においては、機関出力に制限を加えてまでもその生成を抑えることに重点を置いている。これが為、従来は、燃料がどの様な燃料性状であるのかを全く考慮に入れることなく、スモークが生成されるときには一律にその生成を抑える為の運転を行っていた。しかしながら、スモークの生成され易さについては使用される燃料の燃料性状によって変化するものであり、そのような違いがあるにも拘わらず全て同じようにスモーク生成抑制運転を行うと、無駄に機関出力に制限を加えてしまうことになる。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、スモークの生成され易い運転領域で可能な限り機関出力の制限を抑えつつスモークの生成量を低く抑えることのできる多種燃料内燃機関を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、酸素成分が含まれている含酸素燃料と当該含酸素燃料とは燃料性状の異なる少なくとも1種類の燃料の内で少なくとも1つを燃焼室に導いて燃焼させることの可能な多種燃料内燃機関において、燃焼室に導かれる燃料のスモーク生成能を求めるスモーク生成能演算手段と、スモークの生成が予測される運転領域のときに燃料のスモーク生成能に応じてスモークの生成が抑えられるよう燃焼制御を行う燃焼制御手段と、を設けている。
この請求項1記載の多種燃料内燃機関においては、燃料のスモーク生成能,即ち、燃料におけるスモークの生成し易さを知ることができ、そのスモークの生成し易さに応じてスモーク生成抑制運転が実行される。つまり、この多種燃料内燃機関においては、例えば、使用される燃料がスモークを生成し易いものであれば従来と同程度のスモーク生成抑制運転を行い、その燃料がスモークを生成し難いものであれば従来よりも軽度のスモーク生成抑制運転を行う。
ここで、そのスモーク生成能演算手段は、請求項2記載の発明の如く、燃焼室に導かれる燃料の酸素成分の濃度と当該燃料の理論空燃比の値とに基づいて当該燃料のスモーク生成能の演算を行うよう構成している。即ち、スモーク生成能とは、燃料の燃料性状によって変わっていくものであり、その燃料の酸素成分の濃度や燃料の理論空燃比の値に応じて変化する。これが為、スモーク生成能は、これらから求めることができる。
また、上記目的を達成する為、請求項3記載の発明では、酸素成分が含まれている含酸素燃料と当該含酸素燃料とは燃料性状の異なる少なくとも1種類の燃料の内で少なくとも1つを燃焼室に導いて燃焼させることの可能な多種燃料内燃機関において、燃焼室に導かれる燃料の水素成分と炭素成分の比を求め、スモークの生成が予測される運転領域のときに当該燃料の水素成分と炭素成分の比に基づいてスモークの生成が抑えられるよう燃焼制御を行う燃焼制御手段を設けている。
燃料の水素成分と炭素成分の比が大きくなると炭素成分の含有割合が低下してスモークが生成され難くなるので、この請求項3記載の多種燃料内燃機関においては、その水素成分と炭素成分の比に基づいてスモーク生成抑制運転を実行させる。つまり、この多種燃料内燃機関においては、例えば、使用される燃料の水素成分と炭素成分の比が小さければ従来と同程度のスモーク生成抑制運転を行い、その燃料の水素成分と炭素成分の比が大きければ従来よりも軽度のスモーク生成抑制運転を行う。
本発明に係る多種燃料内燃機関においては、燃料のスモークの生成し易さに合わせてスモーク生成抑制運転が実行される。これが為、この多種燃料内燃機関によれば、無駄な機関出力の低下を防ぎながら(つまり、機関出力の制限を抑えながら)スモークの生成量を低く抑えることができるので、スモークの生成され易い運転領域においての出力性能とエミッション性能の両立を図ることができる。
以下に、本発明に係る多種燃料内燃機関の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る多種燃料内燃機関の実施例1を図1から図5に基づいて説明する。本実施例1の多種燃料内燃機関とは、酸素成分が含まれている含酸素燃料と当該含酸素燃料とは燃料性状の異なる少なくとも1種類の燃料との内で少なくとも1つを燃焼室に導いて燃焼させる内燃機関である。
この多種燃料内燃機関は、図1に示す電子制御装置(ECU)1によって燃焼制御等の各種制御動作が実行される。つまり、その電子制御装置1には、多種燃料内燃機関の燃焼制御を行う燃焼制御手段などが用意されている。この電子制御装置1は、図示しないCPU(中央演算処理装置),所定の制御プログラム等を予め記憶しているROM(Read Only Memory),そのCPUの演算結果を一時記憶するRAM(Random Access Memory),予め用意された情報等を記憶するバックアップRAM等で構成されている。
最初に、ここで例示する多種燃料内燃機関の構成について図1に基づき説明を行う。尚、その図1においては1気筒のみを図示しているが、本発明は、これに限らず、多気筒の多種燃料内燃機関にも適用可能である。本実施例1においては、複数の気筒を具備しているものとして説明する。
この多種燃料内燃機関には、燃焼室CCを形成するシリンダヘッド11,シリンダブロック12及びピストン13が備えられている。ここで、そのシリンダヘッド11とシリンダブロック12は図1に示すヘッドガスケット14を介してボルト等で締結されており、これにより形成されるシリンダヘッド11の下面の凹部11aとシリンダブロック12のシリンダボア12aとの空間内にピストン13が往復移動可能に配置される。そして、上述した燃焼室CCは、そのシリンダヘッド11の凹部11aの壁面とシリンダボア12aの壁面とピストン13の頂面13aとで囲まれた空間によって構成される。
本実施例1の多種燃料内燃機関は、機関回転数や機関負荷等の運転条件に従って空気と燃料を燃焼室CCに送り込み、その運転条件に応じた燃焼制御を実行する。その空気については、図1に示す吸気通路21とシリンダヘッド11の吸気ポート11bを介して外部から吸入される。一方、その燃料については、図1に示す燃料供給装置50を用いて供給される。
先ず、空気の供給経路について説明する。
本実施例1の吸気通路21上には、外部から導入した空気に含まれる塵埃等の異物を除去するエアクリーナ22と、外部からの吸入空気量を検出するエアフロメータ23と、が設けられている。この多種燃料内燃機関においては、そのエアフロメータ23の検出信号が電子制御装置1へと送られ、その検出信号に基づいて電子制御装置1が吸入空気量や機関負荷等を算出する。
また、その吸気通路21上におけるエアフロメータ23よりも下流側には、燃焼室CC内への吸入空気量を調節するスロットルバルブ24と、このスロットルバルブ24を開閉駆動するスロットルバルブアクチュエータ25と、が設けられている。本実施例1の電子制御装置1は、そのスロットルバルブアクチュエータ25を運転条件に従って駆動制御し、その運転条件等に応じた弁開度(換言すれば、吸入空気量)となるようにスロットルバルブ24の開弁角度を調節させる。つまり、この電子制御装置1には、燃焼制御手段の一機能としてスロットル開度制御手段が用意されている。例えば、そのスロットルバルブ24については、運転条件に応じた空燃比を成す為に必要な吸入空気量の空気が燃焼室CCに吸入されるよう調節される。この多種燃料内燃機関においては、そのスロットルバルブ24の弁開度を検出し、その検出信号を電子制御装置1に送信するスロットル開度センサ26が設けられている。
一方、吸気ポート11bはその一端が燃焼室CCに開口しており、その開口部分に当該開口を開閉させる吸気バルブ31が配設されている。その開口の数量は1つでも複数でもよく、その開口毎に吸気バルブ31が配備される。従って、この多種燃料内燃機関においては、その吸気バルブ31を開弁させることによって吸気ポート11bから燃焼室CC内に空気が吸入される一方、その吸気バルブ31を閉弁させることによって燃焼室CC内への空気の流入が遮断される。
ここで、その吸気バルブ31としては、例えば、図示しない吸気側カムシャフトの回転と弾性部材(弦巻バネ)の弾発力に伴って開閉駆動されるものがある。この種の吸気バルブ31においては、その吸気側カムシャフトとクランクシャフト15の間にチェーンやスプロケット等からなる動力伝達機構を介在させることによってその吸気側カムシャフトをクランクシャフト15の回転に連動させ、予め設定された開閉時期に開閉駆動させる。本実施例1の多種燃料内燃機関においては、このようなクランクシャフト15の回転に同期して開閉駆動される吸気バルブ31を適用する。
但し、この多種燃料内燃機関は、その吸気バルブ31の開閉時期やリフト量を変更可能な所謂可変バルブタイミング&リフト機構等の可変バルブ機構を具備してもよく、これにより、その吸気バルブ31の開閉時期やリフト量を運転条件に応じた好適なものへと可変させることができるようになる。この場合、電子制御装置1には、その可変バルブ機構の動作を制御する吸気バルブ制御手段が燃焼制御手段の一機能として用意されている。更にまた、この多種燃料内燃機関においては、かかる可変バルブ機構と同様の作用効果を得るべく、電磁力を利用して吸気バルブ31を開閉駆動させる所謂電磁駆動弁を利用してもよい。かかる場合には、その電磁駆動弁の動作を吸気バルブ制御手段に制御させる。
続いて、燃料供給装置50について説明する。
この燃料供給装置50は、1つの燃料タンク41に貯留された燃料Fを燃焼室CCに導くものであり、その燃料Fとして含酸素燃料とこれとは燃料性状の異なる少なくとも1種類の燃料からなる混合燃料を燃焼室CC内に直接噴射させるべく構成する。本実施例1においては、含酸素燃料としてのアルコール燃料(ここでは、エタノール燃料)と炭化水素系燃料(ここでは、ガソリン燃料)とからなるアルコール混合燃料を燃料タンク41に貯留させる。
具体的に、この燃料供給装置50は、そのアルコール混合燃料Fを燃料タンク41から吸い上げて燃料通路51に送出するフィードポンプ52と、その燃料通路51のアルコール混合燃料Fを加圧して高圧燃料通路53に圧送する高圧燃料ポンプ54と、その高圧燃料通路53のアルコール混合燃料Fを夫々の気筒に分配するデリバリ通路55と、このデリバリ通路55から供給されたアルコール混合燃料Fを夫々の燃焼室CC内に噴射する各気筒の燃料噴射弁(燃料噴射手段)56と、を備える。
この燃料供給装置50は、その高圧燃料ポンプ54及び燃料噴射弁56を運転条件に従って電子制御装置1に駆動制御させ、これにより、その運転条件に対応させた燃料噴射量,燃料噴射時期及び燃料噴射期間等の燃料噴射条件でアルコール混合燃料Fが噴射されるように構成する。従って、その電子制御装置1には、その高圧燃料ポンプ54及び燃料噴射弁56の動作を制御する燃料噴射制御手段が燃焼制御手段の一機能として用意されている。例えば、その燃料噴射制御手段には、そのアルコール混合燃料Fを高圧燃料ポンプ54から圧送させ、運転条件に応じた燃料噴射条件で燃料噴射弁56に噴射を実行させる。
このようにして燃焼室CCに供給されたアルコール混合燃料Fは、燃焼室CC内で上述した空気と混ざり合い、運転条件に応じた点火時期になると点火プラグ61の着火動作によって燃焼させられる。その着火動作は、電子制御装置1の燃焼制御手段の一機能として用意された点火制御手段によって実行される。そして、その燃焼された後の筒内ガス(燃焼ガス)は、燃焼室CCから図1に示す排気ポート11cへと排出され、排気通路81によって大気へと放出される。
その排気ポート11cには、燃焼室CCとの間の開口を開閉させる排気バルブ71が配設されている。その開口の数量は1つでも複数でもよく、その開口毎に上述した排気バルブ71が配備される。従って、この多種燃料内燃機関においては、その排気バルブ71を開弁させることによって燃焼室CC内から排気ポート11cに燃焼ガスが排出され、その排気バルブ71を閉弁させることによって燃焼ガスの排気ポート11cへの排出が遮断される。ここで、その排気バルブ71としては、上述した吸気バルブ31と同様に、動力伝達機構を介在させたもの、所謂可変バルブタイミング&リフト機構等の可変バルブ機構を具備したものや所謂電磁駆動弁を適用することができる。その可変バルブ機構や電磁駆動弁を適用する場合には、その動作を電子制御装置1の燃焼制御手段の一機能として用意された排気バルブ制御手段によって制御させる。
また、排気通路81上には排気浄化装置82が配設されており、排気ガス中の有害成分の浄化が行われる。ここでは、その排気浄化装置82として、排気ガス中の有害なHC(炭化水素),未燃HC(未燃炭化水素),CO(一酸化炭素)及びNOx(窒素酸化物)を無害なH2O(水),CO2(二酸化炭素),N2(窒素)へと還元又は酸化させる三元触媒を用意する。
ところで、本実施例1においては、上述したようにアルコール燃料とガソリン燃料が1つの燃料タンク41に混合された状態で貯留されるので、夫々の給油量を的確に制御しなければアルコール燃料とガソリン燃料の燃料混合比率が変化してアルコール混合燃料Fのアルコール濃度(換言するならば、アルコール混合燃料Fにおける酸素成分の濃度)が変わる。一般にその制御を給油作業者に実行させるのは難儀であり、また、一方の燃料が入手できない場合もあり得るので、本実施例1の多種燃料内燃機関においては、給油をする度にアルコール混合燃料Fのアルコール濃度が変わってしまう可能性がある。これが為、この多種燃料内燃機関は、如何様な燃料混合比率(即ち、如何様なアルコール濃度)であっても運転できるように構成しておく。つまり、この多種燃料内燃機関は、燃料タンク41に貯留された燃料Fが多用なアルコール濃度のアルコール混合燃料であっても、単独のアルコール燃料や炭化水素系燃料であっても運転することができる。
ここで、この多種燃料内燃機関においては、スモーク(煤)の生成され易い運転領域が存在している。例えば、その代表的な運転領域としては、高負荷要求時や排気浄化装置82の触媒保護時(即ち、触媒の温度上昇を抑えるとき)等に行われる過濃空燃比運転の領域(以下、「リッチ運転領域」という。)が知られている。
一方、スモークの生成され易さについては、同じ運転領域であっても実際に使用される燃料Fの酸素成分の量(アルコール濃度)によって違いが生じる。つまり、アルコール濃度が高く酸素成分の量が多い燃料Fほどスモークを生成し難いので、スモークが生成され易い運転領域であっても燃料Fのアルコール濃度次第でスモークの生成量を低く抑えることができる。
また、そのスモークの生成され易さについては、燃料Fの理論空燃比によっても異なる。つまり、スモークは、例えば、燃料中の芳香族化合物の含有量が多いほど生成され易くなるが、燃料中の飽和炭化水素(パラフィン)の含有量が多いほど生成され難くなる。そして、理論空燃比はその燃料Fの含有成分に応じて違う値を示すので、スモークの生成され易さは、その燃料Fの理論空燃比から推測することができる。
そこで、本実施例1の多種燃料内燃機関においては、燃料タンク41内の燃料Fについてのスモークの生成し易さを判断し、スモークが生成され易い運転領域(即ち、スモークの生成が予測される運転領域)のときにはその判断結果に従ってスモーク生成抑制運転を実行する。
ここでは、その燃料Fについてのアルコール濃度と理論空燃比を求め、これらに基づいて当該燃料Fについてのスモーク生成能を求める。本実施例1においては、そのスモーク生成能の演算が可能なスモーク生成能演算手段を電子制御装置1に用意している。
その燃料Fのアルコール濃度は、例えば、燃料タンク41や燃料供給装置50に設けたアルコール濃度検知手段(例えば、静電容量型アルコール濃度センサ)57に検出させる。ここでは、その燃料供給装置50の燃料通路51上にアルコール濃度検知手段57を配置する。尚、アルコール濃度は、そのアルコール濃度検知手段57の検出値に替えて排気ガスの空燃比(A/F)の学習値から算出させてもよい。この場合、その排気ガスの空燃比については、例えば、排気通路81上に設けたA/Fセンサ83から取得することができる。
また、その燃料Fの理論空燃比については、排気ガスの空燃比と排気ガス中の酸素量から求めることができる。その排気ガスの空燃比は、上記のA/Fセンサ83で検出し、その排気ガス中の酸素量は、排気通路81上に設けたO2センサ84で検出する。つまり、排気ガス中から酸素が検出されれば希薄空燃比運転されていると知ることができ、その中から酸素が検出されなければ理論空燃比運転又は過濃空燃比運転されていると知ることができるので、例えば、希薄空燃比運転中に燃料噴射量を徐々に増やしていき、排気ガス中から酸素が検出されなくなったときにA/Fセンサ83から検出された排気ガスの空燃比が燃料Fの理論空燃比となる。
また、本実施例1においては、その燃料Fのスモーク生成能をスモークの生成し易さの指数(以下、「スモーク生成係数」という。)として算出する。そのスモーク生成係数は、例えば、その値が小さいほどスモークが生成され難い燃料であることを表しており、実験やシミュレーションを行って予め求めておく。ここでは、燃料Fのアルコール濃度と理論空燃比を図2に示すスモーク生成係数マップデータに当て嵌めて当該燃料Fのスモーク生成係数を求めさせる。ここで、その図2のスモーク生成係数マップデータにおいては、燃料Fのアルコール濃度が高くなるにつれて、また、燃料Fの理論空燃比が大きくなるにつれて小さなスモーク生成係数が求められる。
尚、本実施例1の多種燃料内燃機関で使用可能な燃料Fはアルコール混合燃料に限らず単独のアルコール燃料や炭化水素系燃料でもよいので、その図2においては、アルコール燃料や炭化水素系燃料についてのスモーク生成係数も図示している。また、その図2においては3種類のアルコール濃度(0,低濃度、高濃度)に分けているが、スモーク生成係数マップデータは、更にアルコール濃度の種類を細分化しておいてもよい。
ここで、スモーク生成抑制運転は、周知の方法によって実行可能なものであり、例えば、空燃比の希薄化制御や点火時期の遅角制御等が考えられる。本実施例1においては、その内の少なくとも1種類の制御を行ってスモークの生成が抑えられるようにする。従って、本実施例1においては、空燃比を希薄側へと補正する為の補正値(以下、「空燃比補正値」という。)α、点火時期を遅角側へと補正する為の補正値(以下、「点火時期補正値」という。)βを燃料Fのスモーク生成係数と理論空燃比に応じて設定させる。
また、機関始動時においては、燃料噴射時期の遅角制御を行うことでスモークの生成を抑えることができる。これが為、本実施例1においては、機関始動時におけるスモーク生成抑制運転の制御対象として燃料噴射時期の遅角制御も含めておく。従って、ここでは、燃料噴射時期を遅角側へと補正する為の補正値(以下、「燃料噴射時期補正値」という。)γも燃料Fのスモーク生成係数と理論空燃比に応じて設定しておく。
例えば、これら空燃比補正値α、点火時期補正値β、燃料噴射時期補正値γは、実験やシミュレーションを行って図3に示す補正値マップデータとして予め用意しておき、この補正値マップデータに燃料Fのスモーク生成係数と理論空燃比を当て嵌めて求めさせる。その図3の補正値マップデータは、理論空燃比が所定値(実験やシミュレーションで予め求めておく)よりも小さい燃料Fであれば、その理論空燃比が小さいほどに大きな空燃比補正値α(点火時期補正値β、燃料噴射時期補正値γ)が求められるものであり、これについてスモーク生成係数毎に用意されたものである。また、この補正値マップデータにおいては、スモーク生成係数が小さいほど(即ち、スモークを生成させ難い燃料Fであるほど)スモーク生成抑制運転を実行する必要性が減っていくことから、上記の所定値が低く設定される。
尚、その図3においては、空燃比補正値αと点火時期補正値βと燃料噴射時期補正値γを便宜上1つマップデータとして図示しているが、実際の補正値マップデータは夫々の補正値毎に用意されている。また、上記の所定値については、実験等の結果に依存するが、夫々の補正値で同じ空燃比を指す場合もあれば、夫々で異なる空燃比を指す場合もある。本実施例1においては、便宜上同じ空燃比とする。
以下に、この本実施例1の多種燃料内燃機関のスモーク生成抑制運転動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
最初に、本実施例1の電子制御装置1のスモーク生成能演算手段は、アルコール濃度検知手段57の検出信号に基づいて燃焼室CCに導かれる燃料Fのアルコール濃度を検出すると共に(ステップST1)、A/Fセンサ83とO2センサ84から各々検出された排気ガスの空燃比と排気ガス中の酸素量に基づいてその燃料Fの理論空燃比を求める(ステップST2)。そのステップST2においては、その酸素量から現状の空燃比が希薄空燃比である場合、又は理論空燃比であるのか過濃空燃比であるのか判断できない場合、理論空燃比が明らかになるまで吸入空気量又は/及び燃料噴射量を増減制御する。
そして、このスモーク生成能演算手段は、その燃料Fのアルコール濃度と理論空燃比を上述した図2のスモーク生成係数マップデータに照らし合わせて当該燃料Fのスモーク生成係数を求める(ステップST3)。
続いて、本実施例1の電子制御装置1は、例えばイグニッションOFF信号が受信されるまで(即ち、機関停止まで)以下の演算処理を繰り返す。
先ず、その電子制御装置1の燃焼制御手段は、現状の運転領域がスモーク生成され易い運転領域であるのか否かについて判定する(ステップST4)。この判定は、例えば、燃焼室CC内の混合気に対する目標空燃比の指令値やA/Fセンサ83から検出された排気ガスの空燃比に基づいて実行される。そして、燃焼制御手段は、その目標空燃比や排気ガスの空燃比が過濃空燃比であれば「スモーク生成され易い運転領域」との判定を下し、その目標空燃比や排気ガスの空燃比が理論空燃比や希薄空燃比であれば「スモーク生成され難い運転領域」との判定を下す。この判定は、スモーク生成され易い運転領域との結果を得るまで繰り返す。
本実施例1の燃焼制御手段は、そのステップST4で「スモーク生成され易い運転領域」と判定した場合、その燃料Fについてのスモーク生成抑制運転時の補正値(空燃比補正値α、点火時期補正値β、燃料噴射時期補正値γ)を求める(ステップST5)。そして、この燃焼制御手段は、空燃比の希薄化制御、点火時期の遅角制御、機関始動時であれば燃料噴射時期の遅角制御の内の少なくとも1種類の制御を実行し、スモーク生成抑制運転を実施させる(ステップST6)。例えば、このステップST6で実行させる制御については、スモーク生成抑制の実現が重視されることは当然であるが、それ以外に制御を実行したことによる出力低下等の弊害があればこれを考慮に入れて選択させる。
ここで、その燃料Fの理論空燃比がそのスモーク生成係数に該当する上述した所定値以上になっている場合には、上記ステップST5において空燃比補正値α、点火時期補正値β、燃料噴射時期補正値γが夫々「0」に設定される。これが為、この場合には、通常時の目標空燃比(以下、「基準目標空燃比」という。)、通常時の目標点火時期(以下、「基準目標点火時期」という。)、通常時の目標燃料噴射時期(以下、「基準燃料噴射時期」という。)のままで運転が実行される。つまり、この場合の燃料Fはアルコール濃度が高くスモークを発生させ難いものであるので、上記ステップST6においては、実際にはスモーク生成抑制運転が実施されずに、例えば、通常の運転条件(機関回転数や機関負荷)に応じた基準目標空燃比、基準目標点火時期、基準燃料噴射時期での運転が行われる。尚、その回転数については、クランクシャフト15の回転角度の検出を行うクランク角センサ16の検出信号から把握させることができる。
一方、その燃料Fの理論空燃比がそのスモーク生成係数に該当する上述した所定値よりも小さくなっている場合には、上記ステップST5においてその理論空燃比に応じた(換言すれば、その燃料Fのスモークの生成し易さに応じた)空燃比補正値α、点火時期補正値β、燃料噴射時期補正値γが設定される。この場合、上記ステップST6においては、空燃比の希薄化制御(基準目標空燃比+α)、点火時期の遅角制御(基準目標点火時期−β)、燃料噴射時期の遅角制御(基準燃料噴射時期−γ)の内の少なくとも1種類の制御が行われ、スモーク生成抑制運転が実施される。
以上示した如く、本実施例1の多種燃料内燃機関においては、使用される燃料Fのアルコール濃度に応じて当該燃料Fのスモーク生成能(スモーク生成係数)を求めておく。そして、そのスモーク生成能に基づいて燃料Fがスモークを生成し易いものであると判断された場合には、その生成し易さに応じた程度の空燃比の希薄化、点火時期の遅角化や燃料噴射時期の遅角化を行ってスモーク生成抑制運転を実行する。つまり、この場合の多種燃料内燃機関においては、機関出力の低下を可能な限り抑えながらもスモークの生成を防ぐことができる。
一方、そのスモーク生成能に基づいて燃料Fがスモークを生成し難いものであると判断された場合には、微量ながらでもスモークが生成され得るのであれば僅かに空燃比の希薄化、点火時期の遅角化や燃料噴射時期の遅角化を行ってスモーク生成抑制運転を実行し、スモークの生成の可能性が無いのであればスモーク生成抑制運転を行わずに通常の運転を実行する。つまり、この場合の多種燃料内燃機関においては、機関出力を低下させることなくスモークの大気への放出を防ぐことができる。
このように、本実施例1の多種燃料内燃機関によれば、燃料Fのスモークの生成し易さに合わせてスモーク生成抑制運転が実行される。例えば、この多種燃料内燃機関においては、その燃料Fがスモークを生成し易いものであれば従来と同程度のスモーク生成抑制運転を行い、その燃料Fがスモークを生成し難いものであれば従来よりも軽度のスモーク生成抑制運転を行う。これが為、この多種燃料内燃機関においては、無駄な機関出力の低下を防ぎながらも(つまり、機関出力の制限を抑えながらも)本来の目的たるスモークの大気への放出を抑えることができ、スモークの生成され易い運転領域においての出力性能とエミッション性能の両立を図ることができる。
ところで、上述した例示においては含酸素燃料としてアルコール燃料を例に挙げたが、その含酸素燃料としてはETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)も利用可能であり、この場合には、アルコール濃度検知手段57に替えてETBE濃度検知手段を用意しておく。
また、スモークは、燃料Fの水素成分と炭素成分の比(以下、「水素炭素比」という。)H/Cが大きくなるにつれて生成され難くなる。つまり、水素炭素比H/Cが大きい燃料Fは、その中の炭素成分の含有割合が低くなっているのでスモークを生成し難い。従って、この多種燃料内燃機関においては、使用される燃料Fの水素炭素比H/Cを燃焼制御手段に求めさせることによって、この水素炭素比H/Cから直接空燃比補正値α、点火時期補正値β、燃料噴射時期補正値γを算出することができるようになる。この場合には、例えば、上述した補正値マップデータに替えて図5に示す補正値マップデータを用意し、これに水素炭素比H/Cを照らし合わせて空燃比補正値α、点火時期補正値β、燃料噴射時期補正値γを求めさせる。この図5の補正値マップデータは、水素炭素比H/Cが所定値(実験やシミュレーションで予め求めておく)よりも小さい燃料Fであれば、その水素炭素比H/Cが小さいほどに大きな空燃比補正値α(点火時期補正値β、燃料噴射時期補正値γ)が求められるよう設定されたものである。これにより、例えば、この多種燃料内燃機関においては、燃料Fの水素炭素比H/Cが小さければ従来と同程度のスモーク生成抑制運転を行い、その燃料Fの水素炭素比H/Cが大きければ従来よりも軽度のスモーク生成抑制運転を行う。
ここで、例えば、その水素炭素比H/Cは、燃料F固有の値として捉えることができるので、現状で使用されている燃料Fが如何様なものであるのかを知ることで推定することができる。そこで、例えば、ここでは、給油燃料の種別や成分情報を車輌の使用者等に入力させる又は給油装置から車輌へと送信させるなどして、これに基づいて燃料タンク41に貯留されている燃料Fの水素炭素比H/Cを燃焼制御手段に求めさせる。
本実施例1の多種燃料内燃機関は、そのような燃料Fの水素炭素比H/Cを用いることによって上述した燃料Fのアルコール濃度の検出や燃料Fの理論空燃比の算出、その燃料Fのスモーク生成係数の算出を行わずにスモーク生成抑制運転の実行が可能になるので、上記と同様の効果を奏しつつも演算処理の簡便化を図ることができる。
次に、本発明に係る多種燃料内燃機関の実施例2を図6及び図7に基づいて説明する。
前述した実施例1の多種燃料内燃機関は、1つの燃料タンク41に予め混合状態で貯留された含酸素燃料と当該含酸素燃料とは燃料性状の異なる少なくとも1種類の燃料とからなる混合燃料で運転されるものとして例示した。しかしながら、多種燃料内燃機関の中には、燃料毎に個別の燃料タンクが用意されており、その夫々の燃料タンクから送られた各燃料が燃料供給装置の途中で混合される形態のものも存在する。
そこで、本実施例2においては、実施例1で示したスモーク生成抑制運転をかかる形態の多種燃料内燃機関へと適用した場合について説明する。
先ず、この本実施例2の多種燃料内燃機関は、実施例1の多種燃料内燃機関において燃料供給装置50を図6に示す燃料供給装置150へと置き換えたものであり、この置換部分に係る制御形態以外については実施例1と同様に構成されている。
この本実施例2の燃料供給装置150は、個別の燃料タンクに貯留した含酸素燃料と当該含酸素燃料とは燃料性状の異なる少なくとも1種類の燃料とを運転条件に応じた燃料混合比率で混合し、その混合燃料を夫々の気筒の燃焼室CCへと直接噴射させるべく構成したものである。ここで、本実施例2においても、含酸素燃料及び他の燃料としては、実施例1と同様に夫々アルコール燃料と炭化水素系燃料(ガソリン燃料)を適用する。これが為、本実施例2においては、第1燃料タンク141Aに貯留されたアルコール燃料F1と第2燃料タンク141Bに貯留されたガソリン燃料F2とを運転条件に応じた燃料混合比率で混ぜ合わせて供給させる燃料供給装置150について例示する。
具体的に、この燃料供給装置150は、アルコール燃料F1を第1燃料タンク141Aから吸い上げて第1燃料通路151Aに送出する第1フィードポンプ152Aと、ガソリン燃料F2を第2燃料タンク141Bから吸い上げて第2燃料通路151Bに送出する第2フィードポンプ152Bと、その第1及び第2の燃料通路151A,151Bから各々送られてきたアルコール燃料F1とガソリン燃料F2を混ぜ合わせる燃料混合手段158と、この燃料混合手段158にて生成されたアルコール混合燃料を第3燃料通路159から高圧燃料通路53へと圧送する高圧燃料ポンプ54と、その高圧燃料通路53のアルコール混合燃料を気筒毎に分配するデリバリ通路55と、このデリバリ通路55から供給されたアルコール混合燃料を夫々の燃焼室CC内へと噴射する燃料噴射弁56と、を備える。つまり、本実施例2の燃料供給装置150は、実施例1の燃料供給装置50において高圧燃料ポンプ54よりも上流の構成を変更したものである。尚、本実施例2のアルコール濃度検知手段57は、図6に示す如く第3燃料通路159上に配置されることによってアルコール混合燃料のアルコール濃度を検出している。
この燃料供給装置150においては、その第1フィードポンプ152A,第2フィードポンプ152B及び燃料混合手段158を電子制御装置1の供給燃料制御手段(燃料含有比率制御手段)に駆動制御させ、これにより、運転条件に応じた所定の燃料混合比率(換言すれば、アルコール濃度)のアルコール混合燃料が燃料混合手段158で生成されるように構成する。例えば、この燃料供給装置150は、その第1フィードポンプ152Aと第2フィードポンプ152Bの夫々の吐出量を電子制御装置1の供給燃料制御手段に加減させることによってアルコール混合燃料の燃料混合比率を調節してもよく、その供給燃料制御手段の指示に従って燃料混合手段158にアルコール燃料F1とガソリン燃料F2の夫々の混合割合を増減させてアルコール混合燃料の燃料混合比率を調節してもよい。
このように、本実施例2の多種燃料内燃機関においては、運転中でもアルコール混合燃料のアルコール濃度が運転条件次第で変化するので、運転領域がスモークの生成され易い領域であるならば実施例1と同じくアルコール濃度に応じてスモーク生成抑制運転を実行し、その運転領域での出力性能とエミッション性能の両立を図ることが望ましい。
例えば、図7のフローチャートに示す如く、本実施例2の多種燃料内燃機関においても電子制御装置1のスモーク生成能演算手段は、実施例1と同様にして燃焼室CCへと導かれるアルコール混合燃料のアルコール濃度を検出すると共に(ステップST11)、排気ガスの空燃比と排気ガス中の酸素量に基づいてそのアルコール混合燃料の理論空燃比を求め(ステップST12)、これらアルコール濃度と理論空燃比に基づいてアルコール混合燃料のスモーク生成係数を求める(ステップST13)。
続いて、本実施例2の電子制御装置1の燃焼制御手段は、実施例1と同様にして現状の運転領域がスモーク生成され易い運転領域であるのか否かについて判定する(ステップST14)。
ここで、本実施例2においては、そのステップST14にて「スモーク生成され難い運転領域」との判定が為された場合、上記ステップST11に戻って再度アルコール混合燃料のスモーク生成係数を求め、運転条件に応じて変化するアルコール混合燃料のアルコール濃度に対応させる。
一方、その燃焼制御手段は、そのステップST14で「スモーク生成され易い運転領域」と判定した場合、そのアルコール混合燃料についてのスモーク生成抑制運転時の補正値(空燃比補正値α、点火時期補正値β、燃料噴射時期補正値γ)を実施例1と同様にして求める(ステップST15)。そして、この燃焼制御手段は、空燃比の希薄化制御、点火時期の遅角制御、機関始動時であれば燃料噴射時期の遅角制御の内の少なくとも1種類の制御を実行し、実施例1と同様にスモーク生成抑制運転を実施させる(ステップST16)。
以上示したように、本実施例2の多種燃料内燃機関においても、運転条件に応じて変化するアルコール混合燃料のアルコール濃度(即ち、スモークの生成し易さ)に合わせてスモーク生成抑制運転が実行されるので、無駄な機関出力の低下を防ぎながらも(つまり、機関出力の制限を抑えながらも)本来の目的たるスモークの大気への放出を抑えることができ、スモークの生成され易い運転領域においての出力性能とエミッション性能の両立を図ることができる。
ここで、本実施例2の多種燃料内燃機関においては夫々の燃料(アルコール燃料とガソリン燃料)を燃料混合手段158で混ぜ合わせる形態を採っているが、例えば、そのような燃料混合手段158を設けずに、ガソリン燃料が流れる燃料通路の中にアルコール燃料を送り込み、その燃料通路内の流れの中で各々を混合させる形態を採ってもよく、このように構成しても上記と同様の効果を得ることができる。例えば、ここで示した形態の燃料供給装置とは、図1に示す実施例1の燃料供給装置50において、燃料タンク41にガソリン燃料のみを貯留させ、その高圧燃料通路53に連通させた燃料通路と、この燃料通路に別の燃料タンク内のアルコール燃料を送出するフィードポンプと、を設けたものである。
ところで、上述した各実施例1,2においては燃料を燃焼室CC内に直接噴射する所謂筒内直接噴射式の多種燃料内燃機関に対して本発明を適用したが、本発明の適用対象の多種燃料内燃機関は、必ずしもかかる燃料噴射形態の燃料供給装置を有するものに限定されない。例えば、その適用対象の多種燃料内燃機関としては、燃料を吸気ポート11bに噴射する所謂ポート噴射式の多種燃料内燃機関でもよく、筒内噴射とポート噴射が併用される(つまり、燃焼室CCと吸気ポート11bに夫々燃料噴射手段が配設された)多種燃料内燃機関でもよく、このような形態の多種燃料内燃機関であっても各実施例1,2と同様の効果を奏することができる。更に、その後者の多種燃料内燃機関の場合には、夫々の燃料噴射手段から個別に例えばアルコール燃料とガソリン燃料を噴射させ、これらを燃焼室CC内で混ぜ合わせる形態にしてもよく、その際には各々の燃料噴射量から燃焼室CC内の燃料のアルコール濃度を演算させる。
以上のように、本発明に係る多種燃料内燃機関は、スモークの生成され易い運転領域で機関出力の制限を抑えながらスモークの大気への放出も抑えることの可能な技術として有用である。
本発明に係る多種燃料内燃機関の実施例1の構成について示す図である。 実施例1のスモーク生成係数マップデータの一例を示す図である。 実施例1の補正値マップデータの一例を示す図である。 実施例1の多種燃料内燃機関のスモーク生成抑制運転動作について説明するフローチャートである。 実施例1の補正値マップデータの他の例を示す図である。 本発明に係る多種燃料内燃機関の実施例2の構成について示す図である。 実施例2の多種燃料内燃機関のスモーク生成抑制運転動作について説明するフローチャートである。
符号の説明
1 電子制御装置(ECU)
11b 吸気ポート
21 吸気通路
24 スロットルバルブ
25 スロットルバルブアクチュエータ
41 燃料タンク
50,150 燃料供給装置
56 燃料噴射弁
57 アルコール濃度検知手段
61 点火プラグ
81 排気通路
82 排気浄化装置
83 A/Fセンサ
84 O2センサ
141A 第1燃料タンク
141B 第2燃料タンク
158 燃料混合手段
CC 燃焼室
F 燃料(アルコール混合燃料、アルコール燃料、ガソリン燃料)
F1 アルコール燃料
F2 ガソリン燃料
H/C 水素炭素比
α 空燃比補正値
β 点火時期補正値
γ 燃料噴射時期補正値

Claims (3)

  1. 酸素成分が含まれている含酸素燃料と当該含酸素燃料とは燃料性状の異なる少なくとも1種類の燃料の内で少なくとも1つを燃焼室に導いて燃焼させることの可能な多種燃料内燃機関において、
    前記燃焼室に導かれる燃料のスモーク生成能を求めるスモーク生成能演算手段と、スモークの生成が予測される運転領域のときに前記燃料のスモーク生成能に応じてスモークの生成が抑えられるよう燃焼制御を行う燃焼制御手段と、を設けたことを特徴とする多種燃料内燃機関。
  2. 前記スモーク生成能演算手段は、前記燃焼室に導かれる燃料の酸素成分の濃度と当該燃料の理論空燃比の値とに基づいて当該燃料のスモーク生成能の演算を行うよう構成したことを特徴とする請求項1記載の多種燃料内燃機関。
  3. 酸素成分が含まれている含酸素燃料と当該含酸素燃料とは燃料性状の異なる少なくとも1種類の燃料の内で少なくとも1つを燃焼室に導いて燃焼させることの可能な多種燃料内燃機関において、
    前記燃焼室に導かれる燃料の水素成分と炭素成分の比を求め、スモークの生成が予測される運転領域のときに当該燃料の水素成分と炭素成分の比に基づいてスモークの生成が抑えられるよう燃焼制御を行う燃焼制御手段を設けたことを特徴とする多種燃料内燃機関。
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