JP2008255222A - 成形体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭素粒子とカプセル外の物質とが、圧損などの影響を大きく受けることなく効率的に接触でき、炭素粒子の表面がポリマーにより被覆されることなく、その表面積を最大に利用することができ、炭素粒子が外部からの摩擦等で容易に脱落、剥離することがなく、炭素粒子が直接人体に接触したり吸引されたりすることのない成形体を提供すること。
【解決手段】本発明は、ポリマー(A)中に形成された、複数のセルを有する成形体であって、
(1)各セル中には炭素粒子が内包され、
(2)ポリマー(A)中には細孔が存在し、細孔は他の細孔とポリマー(A)中で連通し、それらの孔径が1nm〜1μmの範囲にあり、
(3)各セルの内壁と炭素粒子は実質的に接触していない、成形体およびその製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素粒子を含有する成形体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、複数のセルを有し、各セル中に炭素粒子が内包された成形体およびその製造方法に関する。
従来、各種触媒等の活性物質の担体として、種々の中空ないし多孔質構造の膜状、マイクロカプセル状の成形体が提案されている。
例えば、スピノーダル分離模様の連続多孔構造を有する膜が提案されている(特許文献1参照)。また、各種触媒の担持体、電子写真のトナー、表示機器などの電子材料、クロマトグラフィー、吸着材などとして、多孔質球状粒子が知られている(特許文献2参照)。また、微生物、細菌、酵素に代表される活性物質の固定化担体として、中空および多孔質のカプセル壁を有し、カプセル壁の多孔質が、カプセルの内部の中空と微細孔を通してつながっている構造のマイクロカプセルが提案されている(特許文献3参照)。また、カプセル樹脂壁材の緻密性を制御することにより、所望の徐放特性を有するマイクロカプセルが提案されている(特許文献4参照)。さらに、活性物質のバインダーを多孔構造とする方法として、無機塩や澱粉等の有機物を造孔剤として用いる方法が提案されている(特許文献5参照)。
マイクロカプセルは、固体状、液体状および気体状の内包物を薄い皮膜の壁材により被膜した微小な容器であり、不安定な物質の保護、反応性物質の隔離、内包物の拡散性の制御、活性物質の内包などの機能を有する。これらの機能を有効に発現させるためには、カプセル外の物質が、圧損を生じることなく分子拡散が容易に行われることによって、内包される活性物質と効率的に接触できることが必要である。
しかし、従来のマイクロカプセルは中空部と、それを覆う外殻とからなり、カプセル内部は中空であり活性物質を内部に担持するスペースおよび内部表面積は限られている。
また、大粒径のマイクロカプセルの場合、強度を維持するためには外殻の厚さを大きくする必要があるが、活性物質とカプセル外物質との接触は、外殻に存在する数nm〜数十μmの細孔によってのみなされるため、外殻の厚さを大きくした場合には、かかる細孔による圧損が大きくなり、効率的に接触を行うことができないという欠点がある。
また、活性物質は一般に微細粒子であるため、充填塔として使用する場合、圧損が大きく実用的でないという問題がある。これを解決するため、バインダー等で活性物質を固定し、造粒することが一般に行われているが、この方法ではバインダーが活性物質表面を覆い、機能を発揮するのに有効な表面積が確保できない。そのため、バインダーに無機塩や澱粉等の有機物を造孔剤として混入させ、成形加工後にこれらを水洗等で除去する方法が提案されているが、外部と連通孔する孔が得られず、また製造コストも高くなるという欠点がある。
また、活性物質が凝集構造を持つ場合は、直接外部雰囲気にさらされている箇所では、外部からの摩擦等で容易に活性物質の一部が脱落、剥離してしまうという問題がある。
また、生理的活性が強い活性物質の場合、直接人体に接触したり吸引されたりするのを防ぐ必要がある。この場合、ポリマー等の薄膜で活性物質の表面を覆う必要があるが、被覆するポリマーに連通孔がないと活性物質が有効に働かないという問題がある。
特開平1−245035号公報 特開2002−80629号公報 特開2003−88747号公報 特開2004−25099号公報 特開昭64−65143号公報
従って本発明は、内包される活性物質としての炭素粒子とカプセル外の物質とが、圧損などの影響を大きく受けることなく効率的に接触できる成形体を提供することを目的とする。
また本発明は、活性物質としての炭素粒子の表面がポリマーにより被覆されることなく、その表面積を最大に利用することのできる成形体を提供することを目的とする。
また本発明は、活性物質としての炭素粒子が外部からの摩擦等で容易に脱落、剥離することのない成形体を提供することを目的とする。
また本発明は、活性物質としての炭素粒子が直接人体に接触したり吸引されたりすることのない成形体を提供することを目的とする。
そこで本発明者らは、ポリマー(A)と炭素粒子とを含有するドープを凝固液中で凝固させるいわゆる湿式法で成形する際に、炭素粒子の表面を特定のポリマー(C)で被覆すると、ポリマー(A)中にポリマー(C)で被覆された炭素粒子を内包した複数のセルが形成されることを見出した。また得られた成形体を特定の溶媒(E)で洗浄しポリマー(C)を除去することにより、セル中の炭素粒子は、セルの内壁に担持されることなく、ちょうど鈴の内部の空洞に入れられた珠のように、内壁と炭素粒子との間に空洞ができることを見出した。即ち、内部が空洞の球の中にもう一つの球が内包され、内包された球が自由に動くことができる構造が得られることを見出した。
また本発明者らは、ポリマー(A)と炭素粒子を含有するドープを凝固液中で凝固させるいわゆる湿式法で成形する際に、ポリマー(A)および炭素粒子のどちらか一方を親水性とし、他方を疎水性にすることにより、ポリマー(A)中に炭素粒子を内包した複数のセルが形成され、セル中の炭素粒子は、セルの内壁に担持されることなく、ちょうど鈴の内部の空洞に入れられた珠のように、内壁と炭素粒子との間に空洞ができることを見出した。
また、ポリマー(A)中には、いわゆるスピノーダル分解により細孔が形成され、カプセル外の物質と炭素粒子との接触が容易に行なわれるようになることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、ポリマー(A)中に形成された、複数のセルを有する成形体であって、
(1)各セル中には炭素粒子が内包され、
(2)ポリマー(A)中には細孔が存在し、細孔は他の細孔とポリマー(A)中で連通し、それらの孔径が1nm〜1μmの範囲にあり、
(3)各セルの内壁と炭素粒子は実質的に接触していない、成形体である。
また本発明は、ドープを凝固液中で凝固させることからなる、ポリマー(A)中に形成された複数のセルを有する成形体であって、各セル中には炭素粒子が内包されている成形体の製造方法であって、
(1)ドープは、ポリマー(A)、溶媒(B)およびポリマー(C)で被覆された炭素粒子を含有し、
(2)凝固液は、ポリマー(A)の貧溶媒である溶媒(D)を含有し、
(3)ポリマー(C)は、ポリマー(A)と非相溶であり、
(4)溶媒(B)は、ポリマー(A)の良溶媒であり、かつ、ポリマー(C)の貧溶媒であることを特徴とする方法である。
本発明の成形体は、内包される炭素粒子とカプセル外の物質とが、圧損などの影響を受けず効率的に接触できる。本発明の成形体は、炭素粒子の表面がポリマーにより被覆されることなく、その表面積を最大に利用することができる。本発明の成形体は、炭素粒子が外部からの摩擦等で容易に脱落、剥離することがない。本発明の成形体は、炭素粒子が直接人体に接触したり吸引されたりすることがない。
<成形体>
(ポリマー(A))
本発明の成形体は、ポリマー(A)により形成される。ポリマー(A)として疎水性ポリマーおよび親水性ポリマーが挙げられる。疎水性ポリマーとして、アラミドポリマー、アクリルポリマー、ビニルアルコールポリマー、セルロースポリマーなどが挙げられる。親水性ポリマーとして、水溶性澱粉、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性酢酸セルロース、キトサンなどが挙げられる。
アラミドポリマーは、アミド結合の85モル%以上が芳香族ジアミンおよび芳香族ジカルボン酸成分よりなるポリマーが好ましい。その具体例としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンイソフタルアミドを挙げることができる。アクリルポリマーは、85モル%以上のアクリロニトリル成分を含むポリマーが好ましい。共重合成分として、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、メタクリ酸メチル、および硫化スチレンスルホン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分が挙げられる。
(細孔)
本発明の成形体は、ポリマー自体に細孔を有するポリマー(A)により形成されている。細孔は他の細孔とポリマー(A)中で連通しており、細孔同士が連結した網目構造を形成している。細孔の孔径は1nm〜1μm、好ましくは10nm〜500nmの範囲にある。細孔は、ドープをポリマー(A)の貧溶媒である溶媒(D)を含有する凝固液中で凝固させることによりスピノーダル現象により形成される。細孔は、走査型電子顕微鏡写真、透過型電子顕微鏡写真により観察することができる。
(セル)
本発明の成形体中には複数のセルが形成される。セル中の炭素粒子が内包されている。セルの形状は一定ではない。大きさは炭素粒子を含むことが出来る大きさである。本発明の成形体においては、各セルの内壁と炭素粒子は実質的に接触していない。即ち本発明の成形体においては、セルの内壁と、炭素粒子との間にポリマー(C)が充填されている態様、およびセルの内壁と炭素粒子との間には空間が存在する態様がある。ポリマー(C)として澱粉糊のような水溶性高分子が挙げられる。
(炭素粒子)
本発明における炭素粒子としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンファイバー、黒鉛等を挙げることができる。なお、本発明の成形体の特徴のひとつが、微細粒子を一次粒子の形状で分散できるという観点からは、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンの様な微細な炭素粒子を用いたときに、本発明の成形体としての有用性は高まることはいうまでもないが、特に、カーボンナノチューブを用いることが好ましい。
なお、炭素粒子の平均粒子径(一次粒子径)は1〜500nm、さらには10〜100nmの範囲にあることが好ましい。
ここで、カーボンナノチューブを用いる場合には、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)、マルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)でもどちらも用いることができる。
(成形体の形状)
本発明の成形体は、球状、楕円状のような塊状のもの、紐状、パイプ状、中空糸状のような繊維状のもの、また膜状のものが好ましい。
<成形体の製造方法>
本発明の成形体の製造方法は、ドープを凝固液中で凝固させることからなる、ポリマー(A)中に形成された複数のセルを有する成形体であって、各セル中には炭素粒子が内包されている成形体の製造方法であって、
(1)ドープは、ポリマー(A)、溶媒(B)およびポリマー(C)で被覆された炭素粒子を含有し、
(2)凝固液は、ポリマー(A)の貧溶媒である溶媒(D)を含有し、
(3)ポリマー(C)は、ポリマー(A)と非相溶であり、
(4)溶媒(B)は、ポリマー(A)の良溶媒であり、かつ、ポリマー(C)の貧溶媒であることを特徴とする方法である。
(ドープ)
ポリマー(A)、炭素粒子は成形体の項で説明した通りである。ドープ中に2種以上の炭素粒子を含有させることもできる。
本発明では、炭素粒子をポリマー(C)で被覆する。ポリマー(C)は、ポリマー(A)と非相溶のポリマーである。非相溶とは、ポリマー(A)とポリマー(B)を混合した時に相分離するものを言う、より具体的には異種のポリマー分子が、分子オーダーで全く混合せず相分離しているか、相分離していても界面で互いに交じり合った状態にあるか、相分離していても互いの相の内部では異種のポリマー同士が分子オーダーで混合している状態のことを言う。ポリマー(C)として、澱粉糊、ゼラチン、片栗粉などの水溶性高分子、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
ポリマー(A)が、アラミドポリマー、アクリルポリマー、ポリ乳酸などの疎水性ポリマーのとき、ポリマー(C)は、澱粉糊のような水溶性高分子であることが好ましい。被覆は溶融したポリマー(C)中に炭素粒子を入れて攪拌して行なうことが出来る。被覆の厚さは、10nm〜10mmで好ましくは100nm〜1mmである。
溶媒(B)は、ポリマー(A)の良溶媒であり、且つポリマー(C)の貧溶媒である。良溶媒とは一般に言われるように、ポリマーに対し大きな溶解能を有する溶媒である。貧溶媒とは一般に言われるように、ポリマーに対し溶解能の小さい溶媒である。
たとえば、ポリマー(A)がポリメタフェニレンイソフタルアミドで、ポリマー(C)が水溶性高分子の場合、溶媒(B)はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が好ましい。またポリマー(A)がアクリルポリマーで、ポリマー(C)が水溶性高分子の場合、溶媒(B)はジメチルスルホオキサド(DMSO)が好ましい。さらにはポリマー(A)がポリ乳酸で、ポリマー(C)が水溶性高分子の場合、溶媒(B)はジクロロメタン(DCM)が好ましい。
ドープは、好ましくは100質量部のポリマー(A)に対し、100〜10,000質量部、より好ましくは1,000〜5,000質量部の溶媒(B)を含有する。炭素粒子は、ポリマー(A)100質量部に対し、好ましくは100〜10,000質量部、さらに好ましくは100〜1900質量部である。ポリマー(C)は、炭素粒子100質量部に対し、好ましくは10〜1,000質量部、さらに好ましくは10〜500質量部である。
ドープの温度は、好ましくは5〜80℃、さらに好ましくは20〜50℃である。ドープは、溶媒(B)にポリマー(A)を混入し、充分に攪拌して溶解させた後に、ポリマー(C)で被覆した炭素粒子を添加しても良いし、溶媒(B)中にポリマー(A)とポリマー(C)で被覆した炭素粒子を同時に混入させても良い。
(凝固液)
凝固液は、ポリマー(A)の貧溶媒である溶媒(D)を含有する。貧溶媒とは一般に言われるように、ポリマー(A)に対し溶解能を僅かしか持たない溶媒である。ポリマー(A)がポリメタフェニレンイソフタルアミドであるとき、溶媒(D)は水が好ましい。またポリマー(A)がポリ乳酸であるとき、溶媒(D)はミネラルオイルが好ましい。凝固液は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは85〜100質量%の溶媒(D)を含有する。他の成分は、N−メチル−2−ピロリドンやジメチルスルホオキサドである。
凝固液は、界面活性剤を含有していても良い。界面活性剤としてアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤として、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、炭素数12〜16の直鎖モノアルキル第4級アンモニウム塩、炭素数20〜28の分岐アルキル基を有する第4級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキル基及びアシル基が8〜18個の炭素原子を有するアルキルアミンオキシド、カルボベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、アミドスルホベタイン等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、アルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシド(EO)等を挙げることができる。界面活性剤の含有量は、溶媒(D)100質量部に対し、好ましくは0.05〜30質量部、さらに好ましくは5〜10質量部である。凝固液の温度は、好ましくは10〜80℃、さらに好ましくは20〜50℃である。
本発明によれば、いわゆるスピノーダル分解によって、ポリマー(A)中に連続した孔径1nm〜1μm程度の網目構造の細孔が形成される。
本発明の成形体を得るには特殊な装置は不要である。塊状成形体は、ドープを、凝固液中に添加することにより製造することができる。例えば、ドープを凝固液中にスプレー、注射器などで滴下させるだけでよい。また、繊維状の成形体は、凝固液中にノズルで吐出して巻き取ることで製造できる。また、繊維状、紐状、パイプ状の成形体は、空中からマイクロシリンジ等でドープを吐出しながらマイクロシリンジ等を水平に移動させて、ドープを凝固液中に投入することにより得ることもできる。また、膜状成形体はキャリア物質上にドープを塗布し凝固液に浸漬することで製造できる。これらの場合、スプレーノズルの口径、塗布厚みなどを変えることにより、成形体の径や厚みを任意に調整することが可能である。
ドープを凝固液中で凝固させると、得られる成形体中には、セルが形成されセル中には、ポリマー(C)で被覆された炭素粒子が内包されている。
成形体をポリマー(C)の良溶媒である溶媒(E)で洗浄し、ポリマー(C)を除去することにより、セル中に炭素粒子が内包され、セルの内壁と炭素粒子が実質的に接触していない成形体が得られる。溶媒(E)として水が挙げられる。
以上のように、ポリマー(A)がポリメタフェニレンイソフタルアミドであり、溶媒(B)がN−メチル−2−ピロリドンであり、ポリマー(C)が水溶性高分子であり、溶媒(D)が水であることが好ましい。またポリマー(A)がアクリルポリマーであり、溶媒(B)がジメチルスルホオキサドであり、ポリマー(C)が水溶性高分子であり、溶媒(D)が水であることが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。
[実施例]
(ドープの調製)
室温で、100質量部のポリメタフェニレンイソフタルアミドを1900質量部のN−メチル−2−ピロリドンに溶解させて、ポリマー溶液を作成した。カーボンナノチューブ(名城ナノカーボン製「SWNT(FH−P)」)100質量部に、澱粉糊を300質量部添加し、攪拌棒で全体を充分に攪拌してペースト状にした。このペースト状物を、ポリメタフェニレンイソフタルアミド100質量部に対し、カーボンナノチューブが60質量部の割合になるように、ポリマー溶液に添加して、さらに攪拌棒で全体が均一に白濁するまで充分に攪拌しドープを得た。
(凝固液の調製)
室温で、100質量部の水を凝固液とした。
(成形加工)
湿式紡糸法によって成形を行った。すなわち、室温にてドープを凝固液中に吐出し、ローラーで巻き取って繊維状成形体を得た。
(澱粉糊の溶解)
得られた繊維状成形体を、2〜3mm長に切断し、水に入れ、温水浴中にて60℃で1時間加温して、澱粉糊を溶解させた。
(成形体による吸着テスト)
テトラパックに、カーボンナノチューブ換算で1gとなる量の繊維状成形体と、テトラパック内濃度が10ppmとなるようにトリクロルエチレン(TCE)を封入して、室温で放置し、吸着によるテトラパック内TCE濃度変化を測定した。結果を表1に示す。
[参考例]
実施例において、繊維状成形体から代えて、カーボンナノチューブ粉末1gを封入したこと以外は、同様の操作を行って、テトラパック内TCE濃度変化を測定した。結果を表1に示す。
実施例の操作と参考例の操作とで吸着能力にはほとんど差は見られず、成形を行ってもカーボンナノチューブの吸着能力は低下しないことが判明した。また、成形体としたことにより取り扱い性は格段に良好であった。
Figure 2008255222

Claims (11)

  1. ポリマー(A)中に形成された、複数のセルを有する成形体であって、
    (1)各セル中には炭素粒子が内包され、
    (2)ポリマー(A)中には細孔が存在し、細孔は他の細孔とポリマー(A)中で連通し、それらの孔径が1nm〜1μmの範囲にあり、
    (3)各セルの内壁と炭素粒子は実質的に接触していない、成形体。
  2. 各セルの内壁と、炭素粒子との間にポリマー(C)が充填されている請求項1記載の成形体。
  3. 炭素粒子が、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンファイバー、黒鉛からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1記載の成形体。
  4. ドープを凝固液中で凝固させることからなる、ポリマー(A)中に形成された複数のセルを有する成形体であって、各セル中には炭素粒子が内包されている成形体の製造方法であって、
    (1)ドープは、ポリマー(A)、溶媒(B)およびポリマー(C)で被覆された炭素粒子を含有し、
    (2)凝固液は、ポリマー(A)の貧溶媒である溶媒(D)を含有し、
    (3)ポリマー(C)は、ポリマー(A)と非相溶であり、
    (4)溶媒(B)は、ポリマー(A)の良溶媒であり、かつ、ポリマー(C)の貧溶媒であることを特徴とする方法。
  5. ポリマー(A)が疎水性ポリマーである請求項4記載の方法。
  6. ドープが、100質量部のポリマー(A)に対して100〜10,000質量部の溶媒(B)を含有する請求項4記載の方法。
  7. ポリマー(A)がポリメタフェニレンイソフタルアミドであり、溶媒(B)がN−メチル−2−ピロリドンであり、ポリマー(C)が水溶性高分子であり、溶媒(D)が水である請求項4記載の方法。
  8. ポリマー(A)がアクリルポリマーであり、溶媒(B)がジメチルスルホオキサドであり、ポリマー(C)が水溶性高分子であり、溶媒(D)が水である請求項4記載の方法。
  9. 炭素粒子が、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンファイバー、黒鉛からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項4記載の方法。
  10. 凝固後に、ポリマー(C)の良溶媒である溶媒(E)によって成形体を洗浄し、ポリマー(C)を除去する請求項4記載の方法。
  11. 溶媒(E)が水である請求項10記載の方法。
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