JP2008255048A - Ampk活性化剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】食経験が豊富で安全性が高く、入手が容易で加工性にも優れ、現実的にヒトへの利用が可能なAMPK活性化剤の提供。
【解決手段】葡萄の葉又はその抽出物を有効成分とするAMPK活性化剤。
【選択図】なし
【解決手段】葡萄の葉又はその抽出物を有効成分とするAMPK活性化剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、AMPK(AMP-activated protein kinase)活性化剤に関する。
近年、肥満人口が増大し、それに伴って糖尿病等のいわゆる生活習慣病の増加が大きな社会問題となっている。肥満は、摂取エネルギー量が消費エネルギー量を上回ることにより生じる。従って、肥満の予防・改善のためには摂取エネルギー量を減らす、すなわち食事量を減らすか、運動等を行うことにより消費エネルギー量を増やすことが基本となる。
しかし、現代社会においては、食生活の欧米化により脂質摂取量が増えると同時に、自動車の普及等により運動量が減少しエネルギー消費量が低下している。運動はエネルギー代謝を促進することにより、肥満に有効であることは広く認識されているが、実生活において日常的に運動を行うことは、なかなか容易なことではない。そこで、運動以外の何らかの手段により運動したのと類似の効果をもたらすことや、限られた運動であっても、その効果をより有効に引き出すことができれば、エネルギー消費量を増大させ、肥満を予防・改善できると考えられる。
しかし、現代社会においては、食生活の欧米化により脂質摂取量が増えると同時に、自動車の普及等により運動量が減少しエネルギー消費量が低下している。運動はエネルギー代謝を促進することにより、肥満に有効であることは広く認識されているが、実生活において日常的に運動を行うことは、なかなか容易なことではない。そこで、運動以外の何らかの手段により運動したのと類似の効果をもたらすことや、限られた運動であっても、その効果をより有効に引き出すことができれば、エネルギー消費量を増大させ、肥満を予防・改善できると考えられる。
これまでに、肥満や糖尿病等の各種生活習慣病を予防・改善するために様々な取り組みがなされている。例えば、肥満を予防・改善する物質として、大豆エキス(特許文献1)、シアニジン 3−グルコシド(特許文献2)、サトウキビポリフェノール(特許文献3)、D−システノール酸(特許文献4)、共役トリエン酸系油脂(特許文献5)等が知られている。しかしながら、これらは食経験に乏しく、作用機構、安全性の面からもその有用性は十分明確にはされていないのが実情である。
一方、エネルギー代謝や肥満、糖尿病発症機構に関する研究が進み、AMPK(AMP-activated protein kinase)が極めて重要な働きをしていることが明らかになってきた(非特許文献1)。AMPKは、筋肉や肝臓など生体に広く存在するタンパク質であり、細胞内ATPレベルが低下するような状況下において活性が上昇し、代謝を促進してATP合成を促す“metabolic sensor”として機能していることが知られている。ところが最近の研究によって、AMPKが単に細胞内のエネルギーレベルにより調節されるだけではなく、筋肉運動、レプチン(非特許文献2)、アディポネクチンのような脂肪細胞由来ホルモン(非特許文献3)、糖尿病治療薬であるメトフォルミン(非特許文献4)等によっても活性化され、それらによって惹起される脂肪酸酸化やグルコース利用促進作用の細胞内メディエーターであると考えられるようになってきた。例えば、AMPKはアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)への活性制御を通して、ミトコンドリアでの脂肪酸酸化に影響を及ぼすことが知られている。長鎖脂肪酸をミトコンドリア内に取り込むカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT−1)は、ミトコンドリアにおける脂肪酸酸化の律速酵素であるとともに、ACCの産生物であるマロニルCoAにより強い阻害を受ける。そのため、AMPKはACCをリン酸化(Ser79)することによってACCの活性を抑制し、マロニルCoA量を低下させる結果、CPT−1の活性が亢進して脂肪酸酸化を促進すると考えられている。
このように、AMPKは細胞内のエネルギー不足下において活性化するだけでなく、生体のエネルギー代謝や栄養代謝に重要な役割を担っていると考えられる。従って、AMPKの活性化はエネルギー消費の促進をもたらし、肥満や例えば糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、動脈硬化症等の生活習慣病の予防・改善に有用であると考えられる。また、AMPKの活性化剤は、運動と類似の効果が期待できることから、運動しなくとも運動したのと類似の効果を発揮する“運動代替剤”として有用であると考えられる。
これまでにAMPKを活性化する化合物として、上記のレプチンやアディポネクチン、メトフォルミンの他、AICAR(5−アミノイミダゾール−4−カルボキサミド)が知られているが、食経験が豊富で安全性が高く、入手が容易で加工性にも優れ、現実的にヒトへの利用が可能な素材は現時点においては殆ど無い。
葡萄の葉、特に赤葡萄の葉は、古くよりヨーロッパで食用とされ、その血管保護作用を利用して、表在性毛細血管症候群や静脈疾患(静脈瘤・静脈不全)などの治療に用いられている(非特許文献5)。赤葡萄の葉には4〜11%程度のポリフェノール類が含まれることが知られ、delphinidin、cyaniding、petunidin、peonidin、malvidinなどのアントシアニン類とその配糖体(グルコシド、ガラクトシド、グルクロナイド)や、myricetin、quercetin、kaempherol、isorhamnetinなどのフラボノールとその配糖体(グルコシド、ガラクトシド、グルクロナイド)、resveratrolとその配糖体などが含まれることが報告されている(非特許文献5,6)。
しかしながら、葡萄葉の構成成分の詳細は明らかではなく、葡萄葉のAMPKに対する作用は、これまで全く知られていない。
特開2003−286180号公報
特開2003−25に766号公報
特開2003−137803号公報
特開2003−104879号公報
特開2002−186424号公報
Molecular Medicine,Vol.39,No.4,pp398-407、2002
Nature,Vol.415,pp339-343,2002
Nature,Vol.423,PP762-769,2003
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食品と開発, Vol.36, No.3, pp50-53
J.Agric.Food Chem., Vol.54, pp319-327, 2006
しかしながら、葡萄葉の構成成分の詳細は明らかではなく、葡萄葉のAMPKに対する作用は、これまで全く知られていない。
本発明は、食経験が豊富で安全性が高く、入手が容易で加工性にも優れ、現実的にヒトへの利用が可能なAMPK活性化剤を提供することに関する。
本発明者らは、食経験が豊富な天然物素材の中から、AMPKの活性化に有効な成分の探索を行ったところ、葡萄の葉又はその抽出物に優れたAMPK活性化作用があることを見出した。
すなわち、本発明は、葡萄の葉又はその抽出物を有効成分とするAMPK活性化剤を提供するものである。
また、本発明は、葡萄の葉又はその抽出物を有効成分とする肥満予防及び/又は改善剤を提供するものである。
また、本発明は、葡萄の葉又はその抽出物を有効成分とする運動代替剤を提供するものである。
また、本発明は、葡萄の葉又はその抽出物を有効成分とする肥満予防及び/又は改善剤を提供するものである。
また、本発明は、葡萄の葉又はその抽出物を有効成分とする運動代替剤を提供するものである。
本発明のAMPK活性化剤は、脂質代謝や糖代謝等のエネルギー代謝の活性化を誘導し、かつ安全性にも優れることから、肥満や糖尿病、インスリン抵抗性、高血糖、高脂血症、動脈硬化症等の生活習慣病の予防・改善に極めて有用である。また、本発明によれば、食品による運動代替効果が期待できる。
本発明において、葡萄の葉とは、Vitis spp.の葉又はVitis spp.に属するその近縁種の葉を意味する。葡萄の種類は特に限定されないが、赤葡萄が好ましく、特にヨーロッパ赤葡萄(ワイン用赤葡萄)(Vitis vinifera L.)が好ましい。
葡萄の種類としては、具体的にはデラウエア、巨峰、甲州、ピオーネ、マスカット、シュナンブラン、グレナッシュ、マタロ、ミュラーテュルガウ、トレッビアーノ、ベリーA、カベルネソービニオン、メルロー、ピノノアール、カベルネフラン、シラー、シャルドネ、ソービニヨンブラン、セミヨン、シラー、ガメイ、リースリング、アリゴテ、ミュスカデル、ソーヴィニョン、フォルブランシュ、ミュスカデ、シュナン、グロロー、ピノー・ドーニス、ピノ・ムニエ、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、シルヴァネール、プールサール、サヴァニャン、ジャケール、モンドーズ、ルーセット、カリニャン、サンソー、クレレット、グルナッシュ・ノワール、ムルヴェードル、ユニ・ブラン、ニエルチオ、スキアカレッロ、ヴェルマンチノ、マルサンヌ、ルーサンヌ、ヴィオニエ、カリニャン、サンソー、クレレット、ムルヴェードル、ブールブーラン、カリニャン、サンソー、マカブー、ムルヴェードル、モーザック、タナ、コロンバール、ラン・ドヴ・レル、マルベック、プティ・マンセン、グロ・マンセン、ペティベルド(Peti Verdot)、Sangiovese, Nebbiolo, Barbera, Dolcetto, Carinena, Garnacha, Monastrell, Tempranillo等が挙げられる。
葡萄の葉は、生のまま用いてもよく、乾燥したものを用いてもよい。
葡萄の種類としては、具体的にはデラウエア、巨峰、甲州、ピオーネ、マスカット、シュナンブラン、グレナッシュ、マタロ、ミュラーテュルガウ、トレッビアーノ、ベリーA、カベルネソービニオン、メルロー、ピノノアール、カベルネフラン、シラー、シャルドネ、ソービニヨンブラン、セミヨン、シラー、ガメイ、リースリング、アリゴテ、ミュスカデル、ソーヴィニョン、フォルブランシュ、ミュスカデ、シュナン、グロロー、ピノー・ドーニス、ピノ・ムニエ、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、シルヴァネール、プールサール、サヴァニャン、ジャケール、モンドーズ、ルーセット、カリニャン、サンソー、クレレット、グルナッシュ・ノワール、ムルヴェードル、ユニ・ブラン、ニエルチオ、スキアカレッロ、ヴェルマンチノ、マルサンヌ、ルーサンヌ、ヴィオニエ、カリニャン、サンソー、クレレット、ムルヴェードル、ブールブーラン、カリニャン、サンソー、マカブー、ムルヴェードル、モーザック、タナ、コロンバール、ラン・ドヴ・レル、マルベック、プティ・マンセン、グロ・マンセン、ペティベルド(Peti Verdot)、Sangiovese, Nebbiolo, Barbera, Dolcetto, Carinena, Garnacha, Monastrell, Tempranillo等が挙げられる。
葡萄の葉は、生のまま用いてもよく、乾燥したものを用いてもよい。
赤葡萄の葉には4〜11%程度のポリフェノール類が含まれることが知られ、delphinidin、cyaniding、petunidin、peonidin、malvidinなどのアントシアニン類とその配糖体(グルコシド、ガラクトシド、グルクロナイド)や、myricetin、quercetin、kaempherol、isorhamnetinなどのフラボノールとその配糖体(グルコシド、ガラクトシド、グルクロナイド)、resveratrolとその配糖体などが含まれることが報告されている(非特許文献5、6)。しかし、葡萄葉の構成成分の詳細は明確ではなく、また、それにおける個々の成分の含有量を考えると、特定成分が葡萄葉全体の生理作用を担うのではなく、いわゆる漢方のように、種々の化合物から成る葡萄葉組成物がAMPKの活性発現には重要であると考えられる。
葡萄の葉の抽出物としては、葡萄葉をそのままあるいは乾燥した後に適当な大きさに切断したり、粉砕加工したりしたものを抽出して得られる抽出エキスの他、さらに分離精製して得られる活性の高い画分(成分)が挙げられる。また、得られる抽出液や画分を適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、或いは濃縮エキスや乾燥粉末としたり、ペースト状に調製したものでもよい。また、凍結乾燥し、用時に、通常抽出に用いられる溶剤、例えば水、エタノール、水・エタノール混液等の溶剤で希釈して用いることもできる。
抽出としては、例えば水、熱水、アルコールなどの極性溶剤又は非極性溶剤を用いて行う溶剤抽出法が挙げられる。抽出は、例えば葡萄葉1質量部に対して5〜100質量部の溶剤を用い、常温〜溶媒の沸点の範囲で数時間〜数日浸漬又は加熱還流するのが好ましい。
また、精製手段としては、有機溶剤沈殿、遠心分離、限界濾過膜、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフなどが挙げられる。
また、精製手段としては、有機溶剤沈殿、遠心分離、限界濾過膜、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフなどが挙げられる。
後記実施例で示すとおり、葡萄の葉又はその抽出物は、筋細胞において強いAMPK活性化作用を有するため、AMPK活性化剤として用いることができる。AMPK活性化は、エネルギー消費の促進をもたらし、また脂肪酸酸化やグルコースの利用を促進する。従って、葡萄の葉又はその抽出物は、これを有効成分とするAMPK活性化剤、肥満予防及び/又は改善剤として使用することができ、肥満や糖尿病、インスリン抵抗性、高血糖、高脂血症、動脈硬化症等の生活習慣病の予防及び/又は改善に有用である。また、葡萄の葉又はその抽出物は、前記の運動不足が原因の一つとなっている種々の症状を改善することから、運動と類似の効果をもたらす運動代替剤、特に肥満、体脂肪蓄積、糖尿病、脂肪肝、生活習慣病などの予防・改善を目的とする運動代替剤として有用である。さらに、葡萄葉抽出物は、AMPK活性化剤、肥満予防及び/又は改善剤、並びに運動代替剤を製造するために使用することができる。
当該AMPK活性化剤等は、ヒト及び動物に投与することができ、例えば肥満や生体内酸化ストレス増大が惹起するインスリン抵抗性、糖尿病、高血糖、高脂血症、動脈硬化症などを予防、改善又は治療するための飲食品、医薬部外品、医薬品、ペットフード等として使用可能である。そして、葡萄の葉又はその抽出物は、肥満や各種生活習慣病の予防、治療や改善を促進する生理機能をコンセプトとして、AMPK活性化作用を呈し、前記疾患の予防や改善のために用いる旨の表示を付した飲食品、例えば病者用食品、特定保健用食品等の特別用途飲食品として利用することができる。
当該AMPK活性化剤等は、ヒト及び動物に投与することができ、例えば肥満や生体内酸化ストレス増大が惹起するインスリン抵抗性、糖尿病、高血糖、高脂血症、動脈硬化症などを予防、改善又は治療するための飲食品、医薬部外品、医薬品、ペットフード等として使用可能である。そして、葡萄の葉又はその抽出物は、肥満や各種生活習慣病の予防、治療や改善を促進する生理機能をコンセプトとして、AMPK活性化作用を呈し、前記疾患の予防や改善のために用いる旨の表示を付した飲食品、例えば病者用食品、特定保健用食品等の特別用途飲食品として利用することができる。
本発明のAMPK活性化剤等を医薬品として用いる場合の投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与又は注射剤、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、外用剤等による非経口投与が挙げられる。また、このような種々の剤型の医薬製剤を調製するには、本発明の葡萄の葉又はその抽出物を単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。これらの投与形態のうち、好ましい形態は経口投与である。
経口投与用製剤として用いる場合の該製剤中の本発明の葡萄の葉の含有量は、一般的に乾燥物として全組成の5〜98質量%、さらに20〜90質量%、特に30〜80質量%が好ましい。一方、抽出物の含有量は、一般的に固形分換算で5〜98質量%、さらに20〜90質量%、特に30〜80質量%が好ましい。
本発明のAMPK活性化剤等を食品として用いる場合の形態としては、パン類、ケーキ類、麺類、菓子類、ゼリー類、冷凍食品、アイスクリーム類、乳製品、飲料などの各種食品の他、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)が挙げられる。
種々の形態の食品を調製するには、本発明の葡萄の葉又はその抽出物を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて用いることができる。当該食品中の本発明の葡萄の葉の含有量は、一般的に乾燥物として0.0001〜5質量%、さらに0.002〜5質量%、特に0.015〜3質量%が好ましい。一方、抽出物の含有量は、一般的に固形分換算で0.0001〜5質量%、さらに0.001〜5質量%、特に0.005〜1質量%が好ましい。
種々の形態の食品を調製するには、本発明の葡萄の葉又はその抽出物を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて用いることができる。当該食品中の本発明の葡萄の葉の含有量は、一般的に乾燥物として0.0001〜5質量%、さらに0.002〜5質量%、特に0.015〜3質量%が好ましい。一方、抽出物の含有量は、一般的に固形分換算で0.0001〜5質量%、さらに0.001〜5質量%、特に0.005〜1質量%が好ましい。
本発明のAMPK活性化剤等を医薬品又は食品として使用する場合、成人1人当たりの1日の投与又は摂取量は、5〜3000mg/60kgとすることが好ましく、特に10〜2000mg/60kgとするのが好ましく、さらに50〜1000mg/60kgとするのが好ましい。
実施例1
葡萄葉抽出物のAMPK活性化作用を、マウス筋細胞株(C2C12)を用い、AMPKα及びβのリン酸化を指標として、次法により評価した。
葡萄葉抽出物のAMPK活性化作用を、マウス筋細胞株(C2C12)を用い、AMPKα及びβのリン酸化を指標として、次法により評価した。
マウス筋細胞株(C2C12)を25cm2フラスコにまき、DMEM(+10%FBS、+抗菌剤)中37℃で1〜2日培養した。コンフルエントになった時点で培養液を除去し、PBS(−)で洗浄後、DMEM(−FBS)に置き換え、更に1日培養した。培養液を除去後、所定濃度の葡萄葉抽出物を含むDMEM(−FBS)を加え、30分間培養した。次いで培養液を除去、PBS(−)で洗浄後、細胞溶解液(10mmol/L Tris(pH7.4)、50mmol/L塩化ナトリウム、30mmol/L-ピロリン酸ナトリウム、0.5質量%Triton X−100、protease inhibitor cocktail(SIGMA P2714)、phosphatase inhibitor cocktail−1(SIGMA P2850)、phosphatase inhibitor cocktail−2(SIGMA P5726))を200μL添加し、セルスクレイパーで細胞溶解液を回収した。回収した細胞溶解液は、23Gの針付シリンジを3〜5回通すことにより良くホモジナイズし、その後30分間氷上に放置した。15000r/minで15分間、4℃で遠心した後、その上清蛋白を以下の測定に用いた。
上清蛋白質の濃度を測定後、サンプル間の蛋白濃度を一定に調整した。その四分の一量のSDSバッファー(250mmol/L Tris、12.5質量%SDS、20質量%グリセリン)を加えた後、更に2−メルカプトエタノール及びブロモフェノールブルーを加え、95℃で熱変性、4℃で急冷し、電気泳動用のサンプルを調製した。
上記泳動用サンプルを、一定量(約20〜40μg)をSDS−PAGE(12%ゲル)に供し、膜へ転写後、anti−phospho−AMPKα(Thr72)抗体(Cell Signaling社製)又はanti−phospho−AMPKβ(Ser108)抗体(Cell Signaling社製)を一次抗体、anti−rabbit−HRP抗体(アマシャム社製)を二次抗体、phototope−HRP Western Detection System(Cell Signaling社製)を検出試薬として用いて、phospho−AMPKαを検出した。AMPK活性化の度合いは、検出されたバンドの強度を画像解析(ChemiDoc XRS imaging system (Bio-Rad))し、コントロール(サンプル無添加群)を100とし、それに対する相対値として示した。尚、葡萄葉抽出物として、アスク社製の赤葡萄葉抽出物(乾燥エキス)を用いた。
表1から葡萄葉抽出物は、強いAMPK活性化作用を有することがわかる。
実施例2
葡萄葉抽出物の抗肥満効果は以下のように評価した。
7週齢のC57BL/6系雄性マウス(日本クレア)を各群10匹ずつ、初期体重が均等になるように3群に分け、表2記載の組成の各食餌で飼育した。試験開始13週後に体重を測定することにより、葡萄葉抽出物の抗肥満効果を評価した。尚、葡萄葉抽出物として、アスク社製の赤葡萄葉抽出物(乾燥エキス)を用いた。
葡萄葉抽出物の抗肥満効果は以下のように評価した。
7週齢のC57BL/6系雄性マウス(日本クレア)を各群10匹ずつ、初期体重が均等になるように3群に分け、表2記載の組成の各食餌で飼育した。試験開始13週後に体重を測定することにより、葡萄葉抽出物の抗肥満効果を評価した。尚、葡萄葉抽出物として、アスク社製の赤葡萄葉抽出物(乾燥エキス)を用いた。
その結果、低脂肪食摂取群(平均体重32.1g)に比べ、高脂肪食摂取群においては体重が増加し(平均体重38.0g)、肥満を生じた。一方、葡萄葉群(平均体重35.4g)においては、高脂肪食摂取に伴う体重の増加が抑制され、赤葡萄葉抽出物は抗肥満効果を有することが明らかとなった。
以上の結果から、本発明の葡萄葉抽出物はAMPK活性化作用を有し、それにより肥満の抑制に有用であることが明らかとなった。また、肥満に伴う糖尿病、特にII型糖尿病や高脂血症、脂肪肝などの予防・改善に有効であると考えられる。また、AMPK活性化作用を介して前記運動不足が原因の一つとなっている種々の症状を改善することから、運動と類似の効果をもたらす運動代替剤、特に肥満、体脂肪蓄積、糖尿病、脂肪肝、生活習慣病などの予防改善を目的とする運動代替剤として有用であることが明らかとなった。
以上の結果から、本発明の葡萄葉抽出物はAMPK活性化作用を有し、それにより肥満の抑制に有用であることが明らかとなった。また、肥満に伴う糖尿病、特にII型糖尿病や高脂血症、脂肪肝などの予防・改善に有効であると考えられる。また、AMPK活性化作用を介して前記運動不足が原因の一つとなっている種々の症状を改善することから、運動と類似の効果をもたらす運動代替剤、特に肥満、体脂肪蓄積、糖尿病、脂肪肝、生活習慣病などの予防改善を目的とする運動代替剤として有用であることが明らかとなった。
製剤例
AMPK活性化、肥満予防・改善用、並びに運動代替用の各製剤(1)〜(14)を製造した。尚、表中、*1はアスク社製の葡萄葉抽出物(乾燥エキス)を示し、*2は赤葡萄葉乾燥粉末を示す。
(1)果汁飲料
表3に示した配合で、果汁飲料を製造した。
AMPK活性化、肥満予防・改善用、並びに運動代替用の各製剤(1)〜(14)を製造した。尚、表中、*1はアスク社製の葡萄葉抽出物(乾燥エキス)を示し、*2は赤葡萄葉乾燥粉末を示す。
(1)果汁飲料
表3に示した配合で、果汁飲料を製造した。
(2)カプセル剤
表4に示す組成物(300mg)をカプセル中に封入し、カプセル剤を製造した。
表4に示す組成物(300mg)をカプセル中に封入し、カプセル剤を製造した。
(2)カプセル剤
表5に示す組成物(300mg)をカプセル中に封入し、カプセル剤を製造した。
表5に示す組成物(300mg)をカプセル中に封入し、カプセル剤を製造した。
(3)錠剤
表6に示す組成物(1錠=250mg)を打錠し、錠剤を製造した。
表6に示す組成物(1錠=250mg)を打錠し、錠剤を製造した。
(3)錠剤
表7に示す組成物(1錠=250mg)を打錠し、錠剤を製造した。
表7に示す組成物(1錠=250mg)を打錠し、錠剤を製造した。
(4)顆粒剤
表8に示す組成物(1袋=500mg)を混合し顆粒剤を製造した。
表8に示す組成物(1袋=500mg)を混合し顆粒剤を製造した。
(5)食品
表9に示す組成物(1錠=1000mg)を打錠し、チュアブルタイプのタブレット食品を製造した。
表9に示す組成物(1錠=1000mg)を打錠し、チュアブルタイプのタブレット食品を製造した。
(6)飲料
表10に示す組成物を混合し、飲料を製造した。
表10に示す組成物を混合し、飲料を製造した。
(8)ゼリー食品
表11に示した配合を65℃で溶解させ、85℃で5分間保持して、殺菌処理後、100mlの容器に分注した。8時間静置して徐冷しながら5℃に冷却して、本発明のゼリー食品を調製した。
表11に示した配合を65℃で溶解させ、85℃で5分間保持して、殺菌処理後、100mlの容器に分注した。8時間静置して徐冷しながら5℃に冷却して、本発明のゼリー食品を調製した。
(14)飲料
表12に示した配合及び条件で、本発明のスポーツ飲料を調製した。
表12に示した配合及び条件で、本発明のスポーツ飲料を調製した。
Claims (3)
- 葡萄の葉又はその抽出物を有効成分とするAMPK活性化剤。
- 葡萄の葉又はその抽出物を有効成分とする肥満予防及び/又は改善剤。
- 葡萄の葉又はその抽出物を有効成分とする運動代替剤。
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2007
- 2007-04-04 JP JP2007098463A patent/JP2008255048A/ja active Pending
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