JP2008254845A - 紙送りローラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶解度パラメーターが9[(cal/cm3)1/2]以上であるポリウレタン系熱可塑性エラストマーと、導電性ポリマーが配合された組成物からなり、電気抵抗値を1010Ω以下としていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
前記紙送りローラのゴムロールの材料には、従来、天然ゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(以下「EPDMゴム」という)、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム等が使用されている。
しかし、このような表面形状を有する紙送りローラは通紙による摩耗に従い、表面粗度が低下することがあり、紙の搬送ができなくなることがあるという問題を有する。
また、近年、低コスト化を背景に中国製の紙が多く出回っている。中国製の紙は炭酸カルシウムおよびタルクなどの無機物を多く含み紙粉の発生量が多い。このような紙を用いると早期にローラ表面に紙粉が付着し、摩擦係数が低下することにより紙の不送りが発生するという問題もあった。
当該搬送ローラのゴム層においては耐摩耗性に優れたウレタンゴムが用いられているため上述の特殊な表面形状を有する紙送りローラに比べれば表面の摩擦係数の低下は改善されるが、十分とは言えない。また、紙粉の付着という問題に対しては検討されていない。
しかし、特許文献2の段落「0016」に記載されているように、当該給紙ローラを得るためには特殊な内面形状を有する成形型が必要であり、製造設備の整備にコストがかかるという問題がある。また、化学発泡剤を用いた発泡層においては気泡同士が互いにつながっている連続気泡の状態を呈するので、摩耗性能が低下しやすいという問題もある。
すなわち、サイジング剤として使われている脂肪族炭化水素はSP値が小さく、EPDMゴム、ブチルゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、天然ゴムとはSP値が近いため相性がよい。そのため、このような材質の紙送りローラでは、紙との摩擦の際に脱落する脂肪族炭化水素を介して炭酸カルシウムなどの無機物が付着し、ローラの摩擦係数の低下を引き起こしていたと考えられる。また、脂肪族炭化水素は、単独で優れた滑剤となるため、脱落した脂肪族炭化水素そのものがローラの摩擦係数μを低下させる原因になっていたことも考えられる。
そこで、SP値の高いポリマーを用いれば、脂肪族炭化水素のSP値との差が大きいため脂肪族炭化水素と相性が悪く、無機物とローラ表面とのいわば接着剤の役割を果たすと共に、滑剤となる脂肪族炭化水素がローラ表面に付着しにくくなるため、無機物が付着しにくく、摩擦係数の低下を抑制できるというメカニズムの解明に至った。かかる理論に基づき、SP値の高いポリマーについて試行錯誤の検討を行った結果、TPUが加工性等の観点から最適であることを知見した。
ポリオールとしては、ポリエステル系ポリオール、ポリエステルエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールおよびポリエーテル系ポリオールが挙げられる。これらの数平均分子量は500〜5,000であることが好ましく、特に1,000〜3,000であることがより好ましい。
ここで、ポリエステル系ポリオールとしては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸およびアゼライン酸等の炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸およびナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、例えばヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸およびヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環族ジカルボン酸、またはこれらの酸エステルもしくは酸無水物などのエステル形成性誘導体と、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−オクタンジオールまたは1,9−ノナンジオール等の炭素数2〜10の脂肪族ジオールの1種または2種以上との脱水縮合反応で得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
また、ε−カプロラクトン等のラクトンモノマーの開環重合で得られるポリラクトンジオール等も挙げられる。
より具体的には、ポリ(エチレン−1,4−アジペート)グリコール、ポリ(ブチレン−1,4−アジペート)グリコール、ポリカプロラクトングリコール等が挙げられる。
より具体的には、ポリ(ジエチレングリコールアジペート)グリコール等が挙げられる。
また、ポリカプロラクトンポリオール(PCL)とポリヘキサメチレンカーボネート(PHL)との共重合体であっても良い。
より具体的には、(ヘキサンジオール−1,6−カーボネート)グリコール等を挙げることができる。
具体的には、脂肪族ポリオール、脂環式ポリオールおよび芳香族ポリオールのうちの1種または2種以上が好ましく用いられる。
脂肪族ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン等が挙げられる。
芳香族ポリオールとしては、例えば1,4−ジメチロールベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、鎖伸長剤としてアミン類を用いることもでき、具体的にはジシクロヘキシルメチルメタンジアミン(水素添加MDA)、イソホロンジアミン(IPDA)等を挙げることができる。
SP値が9[(cal/cm3)1/2]以上であれば、紙のサイジング剤として用いられている脂肪族炭化水素とSP値において有意な差ができ、脂肪族炭化水素と相性が悪くなるため、ローラ表面において脂肪族炭化水素を介する無機物の付着が起こりにくい。
このことからSP値が大きくなるほど脂肪族炭化水素のSP値との差が大きくなり、無機物の付着がより起こりにくくなるといえる。そのため、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーのSP値の上限は特に限定されないが、通常は13程度である。
なお、SP値は、各液体におけるモル凝集エネルギー密度の平方根であり、溶解性を特徴づける指標となる。具体的には、「Polymer Engineering and Science,Vol.14,No.2,p147〜154(1974)」記載の方法により計算することができる。
他のエラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、エポキシ化熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等、またはこれら2種以上を混合した熱可塑性エラストマーが挙げられる。
他のエラストマーをポリウレタン系熱可塑性エラストマーに混合する場合、前記他のエラストマーの配合量はエラストマー成分の全質量を100質量部とすると10質量部以下、好ましくは5〜10質量部である。
中でも、本発明で用いる導電性ポリマーとしては界面活性を有する化合物を好適に用いることができる。当該化合物しては、例えばアミン塩型、第4級アンモニウム塩型、ピリジニウム塩型、イミダゾリンまたはイミダゾリウム塩型などのカチオン系界面活性剤;脂肪族スルホン酸、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加リン酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤;各種ベタイン等の両性界面活性剤;高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン系界面活性剤等の化合物が挙げられる。
上記したように、カチオン系界面活性剤しては、アルキルアミン塩、アシルアミン塩、アミド含有アミン塩、エステル含有アミン塩等のアミン塩;アルキルアンモニウム塩、アミド含有アンモニウム塩、エステル含有アンモニウム塩、エーテル含有アンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩;アルキルピリジニウム塩、アミド含有ピリジニウム塩、エーテル含有ピリジニウム塩、エステル含有ピリジニウム塩等のピリジニウム塩;アルキルピリジニウム塩、アミド含有ピリジニウム塩、エーテル含有ピリジニウム塩、エステル含有ピリジニウム塩等のイミダゾリンまたはイミダゾリウム塩等がある。
そのなかでも、本発明においてはエステル含有カチオン界面活性剤を用いることがさらに好ましい。
このように、「エステル含有」のカチオン界面活性剤を用いると、エステル系のポリウレタン系熱可塑性エラストマーと相性が良く、アロイ化に適している。
前記エステル含有カチオン活性剤は、特に、第4級アンモニウム塩型であることが好ましい。
無機導電性材料としてはケッチェンブラック、ファーネスブラックもしくはアセチレンブラック等の公知の導電性カーボンブラック;酸化亜鉛、チタン酸カリウム、アンチモンドープ酸化チタン、酸化スズもしくはグラファイト等の導電性金属酸化物;LiClO4 、LiCF3 SO3 、NaC1O4 、LiAsF6 、LiBF4、NaSCN,KSCN,NaC1等の金属塩;あるいは各種燐酸塩等の電解質が挙げられる。
無機導電性材料を併用する場合、無機導電性材料の配合量は導電性ポリマーの配合量を1とすると質量比で1未満、好ましくは0.01〜0.1である。
例えば機械的強度を向上させるために必要に応じて充填剤を配合することができる。前記充填剤としては、例えばシリカ、クレー、タルク、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化チタン等の粉体を挙げることができる。充填剤を配合する場合、充填剤の配合量はローラの柔軟性を保つためにエラストマー成分100質量部に対して100質量部以下とするのが好ましく、50質量部以下とするのがより好ましく、30質量部以下とするのがさらに好ましい。
例えば、まずポリオール、ジイソシアネート、および必要に応じて鎖延長剤を完全に反応させて、成形しやすい粒状または粉体状のポリウレタン系熱可塑性エラストマーを作成する。
ついで、得られたポリウレタン系熱可塑性エラストマーに、導電性ポリマーおよび所望により他の添加物を混練する。エラストマー成分と導電性ポリマーの混練は、例えばインターナルミキサー、2軸押出機、オープンロール、バンバリーミキサーまたはニーダー等の混練装置、又は、ヘンシェルミキサー等の混合装置を用いて行えばよい。前記混練工程において、配合順序は特に限定されず、全ての成分を一度に混合してもよいし、予め一部の成分を混合した後に得られた混合物に残りの成分を混合してもよい。
その後、得られた成形体を研磨し、所望の形状にカットすることもできる。通常は成形されたゴムローラに軸芯をはめ込み、本発明の紙送りローラが完成する。円筒形状に成形したローラ部の中空部に略D字形状の芯材を圧入することにより略D字形状のゴムローラとすることもできる。なお、本発明の紙送りローラの表面にはローレット状の溝を設けても良い。
電気抵抗値は109Ω以下であることが好ましく、108Ω以下であることがより好ましい。下限値については特に限定されないが、通常は104Ω以上、好ましくは106Ω以上である。
その指標として、紙粉の発生が非常に多い中国製の紙を用いた通紙試験を行ったとき、初期摩擦係数と通紙試験後の摩擦係数の差が0〜0.5、好ましくは0〜0.3、通紙試験後の紙粉付着量が0〜8%、好ましくは0〜5%を示す。通紙試験、摩擦係数および紙粉付着量の測定方法は実施例に記載の通りである。
本発明の紙送りローラはポリウレタン系熱可塑性エラストマーを用いているためローラを構成するエラストマー組成物が加熱によって軟化することから、従来の成形方法を用いて簡便に製造できる。また、熱硬化性ポリウレタンを用いる場合とは異なり、再加熱により何度でも軟化することからリサイクルが可能であり、環境に配慮した製品とすることができる。
図1は本発明の紙送りローラの一実施形態である円筒形状の紙送りローラ1を示し、その中空部には円柱形状の芯金(シャフト)2が取り付けられている。芯金2が紙送りローラ1に圧入されることにより、または両者が接着剤で接合されることにより、紙送りローラ1と芯金2とは固定されている。
芯金2としてはアルミニウム、アルミニウム合金、SUSもしくは鉄等の金属製またはセラミック製等の芯金を用いる。
紙送りローラ1の肉厚は特に限定されないが、通常は1〜20mm、特に5〜15mmとされる。厚さが1mm未満では弾性が不足し搬送性能が低下しやすく、厚さが20mmを超えると紙搬送ローラが大きくなりすぎ、複写機やプリンター等に搭載しにくくなるからである。また、紙送りローラ1の全長も特に限定されないが、通常5mmから100mmとされる。
エラストマー成分としてはポリウレタン系熱可塑性エラストマーを単独で含む。ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしてはポリエステル系およびポリエーテル系のいずれも好適に用いることができる。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーはSP値が9〜13[(cal/cm3)1/2]である。また、JIS A硬度が60〜90度であることが好ましく、70〜80度であることがより好ましい。
上記導電性ポリマーに加えて無機導電性材料を配合する。無機導電性材料としては、カーボンブラックが好ましく、なかでもアセチレンブラックがより好ましい。無機導電性材料の配合量は導電性ポリマーの配合量を1とすると質量比で0.02〜0.05であることが好ましい。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、導電性ポリマー、無機導電性材料および軟化剤を公知の混練機で混練してエラストマー組成物を作製する。
得られたエラストマー組成物を射出成形して、円筒体に成形する。得られた円筒体(コットル)を円筒研削盤で研磨し、所望の形状にカットする。この円筒体に軸芯2をはめ込み、本発明の紙送りローラ1が完成する。
このような電気抵抗値の制御とポリウレタン系熱可塑性エラストマーの使用により、本発明の紙送りローラ1は紙粉付着量が少なく、摩擦係数が低下しにくい。具体的には、紙粉の発生が非常に多い中国製の紙を用いた通紙試験を行ったとき、初期摩擦係数と通紙試験後の摩擦係数の差が0〜0.3、紙粉付着量が0〜5%を示す。
射出成形機(NISSEI製 160)を用いて、成形温度210℃、金型冷却温度40℃、射出時間16秒、冷却時間30秒で射出成形を行い、内径φ7.5mm、外径φ16mm、長さ24mmのコットルを作成した。
得られたコットルの中空部に専用の芯体を填め込み、円筒研削盤で外径をφ15mmに研磨し、本発明の紙送りローラを得た。
表1に記載のゴム組成物を所定の金型に導入し、170℃で20分間のプレス加硫を行い、内径φ7.5mm、外径φ16mm、長さ24mmのコットルを作製した。
このコットルの中空部に専用の芯体を填め込み、円筒研削盤で外径をφ15mmに研磨し、紙送りローラを得た。
・TPU1:ポリエステル系ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(BASF(株)製「C80A」、硬度80度)
・TPU2:ポリエーテル系ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(BASF(株)製「ET880」、硬度70度)
・可塑剤:ビス(2−メトキシエチル)フタラート
・導電性ポリマー:エステル含有カチオン系界面活性剤(BASFジャパン(株)製「マスターSB」)
・EPDM:住友化学(株)製「エスプレン670F」(油展量100)
・ポリプロピレン樹脂:日本ポリプロ(株)製「ノバテックBC6」
・パラフィンオイル:出光興産(株)製「ダイアナプロセスオイルPW−380」
・酸化珪素:日本シリカ工業(株)製「ニプシールVN3」
・カーボンブラック:電気化学工業(株)製「デンカブラック」
・酸化チタン:チタン工業(株)製「クロノス 酸化チタン KR380」
・炭酸カルシウム:備北粉化工業(株)製「BF300」
・酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製「酸化亜鉛2種」
・ステアリン酸:日本油脂(株)製「つばき」
・樹脂架橋剤;臭素化アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(田岡化学(株)製「タッキロール250−III」)
・粉末硫黄:鶴見化学工業(株)製
・加硫促進剤A:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(大内新興化学工業(株)製「ノクセラーDM」)
・加硫促進剤B:テトラエチルチウラムジスルフィド(大内新興化学工業(株)製「ノクセラーTET」)
(初期摩擦係数の測定)
摩擦係数を図2に示す以下の方法で測定した。
すなわち、紙送りローラ21とテフロン(登録商標)板23との間に、ロードセル25に接続した60mm×210mmサイズの普通コピー紙24(中華人民共和国製、商品名「フライング」)をはさみ、図2中の黒矢印で示す様に紙送りローラ21の芯金22に鉛直荷重W(W=250gf)を加え、紙送りローラ21をテフロン(登録商標)板23に圧接させた。次いで、温度23℃、湿度55%の条件下で、上記紙送りローラ21を図2中実線の矢印aで示す方向に周速300mm/秒で回転させた。通紙の前後において図2中白矢印で示す方向に発生した紙24の搬送力F(gf)をロードセル25で測定し、F(gf)および荷重W(W=250gf)とから、下記式より摩擦係数μを求めた。その結果を表2に示す。
μ=F(gf)/W(gf)
複写機「VIVACE455」(富士ゼロックス社製)に各紙送りローラを給紙ローラとして装着し、前記普通コピー紙を5,000枚通紙し、その状況を観察し、さらに通紙後の摩擦係数を初期摩擦係数と同一の方法で測定した。その結果を表2に示す。
図3に示すように芯金2を通した紙送りローラ1をアルミドラム13上に当接搭載し、電源14の+側に接続した内部抵抗r(100Ω)の導線の先端をアルミドラム13の一端面に接続すると共に電源14の−側に接続した導線の先端を紙送りローラ1の他端面に接続して測定した。前記電線の内部抵抗rにかかる電圧を検出し、検出電圧Vとした。この装置において印加電圧をEとすると、ロール電気抵抗RはR=r×E/(V−r)となるが、今回−rの項は微少とみなし、R=r×E/Vとした。
芯金2の両端に600gずつの荷重Fをかけ周速50mm/秒で回転させた状態で、印加電圧Eを500Vとした時の検出電圧Vを測定し、上式によりR(Ω)を算出した。前記測定は温度23℃、相対湿度55%の恒温恒湿条件下で行った。
なお、表2中にはlog10Rを記載した。
紙送りローラの表面から縦3mm×横3mm×厚み1mmのサンプルを切り出し、エネルギー分散型X線分析装置付き走査型電子顕微鏡(SEMEDX)を用いて紙送りローラの表面を観察した。100倍の画角で表面の面分析を行い、定量したカルシウムの構成割合を紙粉の付着量(%)とした。その結果を表2に示す。
比較例1の紙送りローラは電気抵抗値が高いために通紙試験後の摩擦係数の低下量が非常に大きかった。また、比較例3の紙送りローラはSP値の低いEPDMを用いたために紙粉の付着量が多かった。さらに、比較例2の紙送りローラはSP値の低いEPDMを用い電気抵抗値も高いために、通紙試験後の摩擦係数の低下量および紙粉の付着量ともに非常に大きかった。
2 芯金
21 紙送りローラ
22 芯金
23 テフロン(登録商標)板
24 紙
25 ロードセル
Claims (2)
- 溶解度パラメーターが9[(cal/cm3)1/2]以上であるポリウレタン系熱可塑性エラストマーと、導電性ポリマーが配合された組成物からなり、電気抵抗値を1010Ω以下としていることを特徴とする紙送りローラ。
- 前記導電性ポリマーとしてエステル含有カチオン系界面活性剤を用い、電気抵抗値を109Ω以下としている請求項1に記載の紙送りローラ。
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