JP2008254788A - 口栓付きガセットパウチおよびその製造方法 - Google Patents

口栓付きガセットパウチおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、自立性に優れた口栓付きガセットパウチおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】最外層印刷基材フィルム層(11)とバリア・シーラント層(19)との積層体(10)で、表面と裏面部材(20、30)を対面配置し、該表面と裏面部材(20、30)との間に2つの折込み部材(40、40)を挿設し、該表面と裏面部材(20、30)および該折込み部材(40、40)とから形成される4つの側端部を熱接着して側端部熱接着部(2、2)を有する筒体状となし、該筒体状の上端および下端をそれぞれ熱接着して形成された口栓付きガセットパウチ(1)において、前記パウチ(1)の表面および裏面部材(20、30)の各々の底部保形予定線(6、6)の位置にひだ形状の自立支持部分(7、7)が形成されていることを特徴とする口栓付きガセットパウチである。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体、粘稠体などの内容物を収納し、自立性に優れた口栓付きガセットパウチおよびその製造方法に関するものである。
従来から、清涼飲料水やゼリー状の内容物を収納して自立させることができるパウチとして、底ガセットタイプのパウチ(以下、スタンディングパウチと記す)やプラスチック製の口栓(内容物の注出用)付きサイドガセット[ひだ(ガセット)]タイプのパウチ(以下、ガセットパウチと記す)が広く使用されている。
例えば、図13に示す、前記スタンディングパウチにおいては、図14に示すように、自立させた時に底部となる部分の構造は、表面部材と裏面部材との底辺部が床に密着する構造であって、自立性の良いパウチである。すなわち、該パウチの底部構造としては自立性を阻害する力は働かない構造になっている。
次に、例えば、図8に示す、前記プラスチック製の口栓(内容物の注出用)付きサイドガセット[ひだ(ガセット)]タイプのガセットパウチは、図12に示す、少なくとも、最外層印刷基材フィルム層(11´)とバリア・シーラント層(19´)とを有する積層体(10´)からなり、表面部材(20)と裏面部材(30)のバリア・シーラント層(19´)面同士を対面するように配置し、前記表面部材(20)と裏面部材(30)との間に断面略V字形状の2つの折込み部材(40、40)を前記2つの折込み部材(40、40)の折込み目(41、41)が対向するように挿設し、該表面部材(20)と該裏面部材(30)および該折込み部材(40、40)とから形成される4つの側端部の内面同士を熱接着して側端部熱接着部(2、2)を有する筒体状となし、該筒体状の上端および下端をそれぞれ熱接着して天部熱接着部(3)および底部熱接着部(4)を形成すると共に、前記底部熱接着部(4)から斜め上方に向けて前記側端部熱接着部(2、2)に至る内面同士を熱接着して形成された底部形成用熱接着部(5、5)を有する口栓付きガセットパウチ(1)である。
このように該口栓付きガセットパウチ(1)は、内容物を充填する前の2つの折込み部材(40、40)は、それぞれ1つの折込み目(41、41)により折り畳まれていて、パウチ全体が扁平な形状となっている。したがって、パウチのみの運搬や保管には嵩張らず、使用後の廃棄においても廃棄物の減容化にも有用なパウチである。
また、図9に示すように、内容物を充填後は、図10に示すように、該パウチの底部に平面部が形成されるように構成されているため、図11に示すように、立てた状態で置くことができ、販売時などには平置きする場合に比べて単位スペース当たりの陳列数が増大すると共に、顧客に対する訴求力も大きくなる。
また、該パウチの上端中央部に口栓(8)を備えているので、内容物を取り出す時には、立てた状態で該口栓(8)を開いて内容物を取り出すことができるために、他の容器などに移し替えずにそのまま使用することができる利便性も備えている。
しかしながら、このような従来の口栓付きガセットパウチ(1)は、自立させるために該パウチの底部の折込みが必要であり、該折込みの底部の反発力は、該パウチの自立性を損なう力として働く。しかも、該パウチの構成材料の側壁部の剛性が強く、底部(特に、稜線)の剛性が弱いことが望ましいが、該パウチにおいては、側壁部、底部ともに同一材
料であり、底部のみの剛性を弱くすることは不可能である。そして、表面、裏面および側面の各部材とも自立の際に、底部が折り曲げられ、該パウチを自立させた時に該折り曲げ部が反発して該パウチを転倒させる力として働く。そのため、前記反発力を減ずるために、底部隅角部に斜めシールして、該斜めシール部の外側を切り落として、反発力を弱めて自立させることが行なわれるが、それでもなお、該パウチは転倒することがある。
このように自立性が悪いと、陳列販売中にパウチが転倒することが多くなり、その陳列が乱雑となってしまう。また、包装工程や流通過程でのハンドリング性も悪くなり作業効率の低下となる。
以上のような、問題点を解決する方法として種々の該ガセットパウチの自立性を向上させる方法が提案されている。例えば、ガセットパウチの底部形成用熱接着部の三角領域に折り曲げ手段を設ける方法(例えば、特許文献1参照。)、或いは、自立させた時に底部稜線となるべきフィルムの予定線上に、熱罫線を設ける方法(例えば、特許文献2参照。)、さらに表裏フィルムに、製品天地方向にひだをつけ、内容物の容量を増やし、さらに自立性を向上させる方法(例えば、特許文献3参照。)などであるが、いずれの方法も底部を部分的に改良しているもので根本的な解決には繋がっていないのが実状である。
以下に先行技術文献を示す。
特開2001−199452号公報 特開2000−185740号公報 特開平10−167286号公報
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、液体、粘稠体などの内容物を収納し、自立性に優れた口栓付きガセットパウチおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも、最外層印刷基材フィルム層(11)とバリア・シーラント層(19)とを有する積層体(10)からなり、表面部材(20)および裏面部材(30)のバリア・シーラント層(19)面同士を対面するように配置し、前記表面部材(20)と前記裏面部材(30)との間に断面略V字形状の2つの折込み部材(40、40)を該2つの折込み部材(40、40)の折込み目(41、41)が対向するように挿設し、該表面部材(20)と該裏面部材(30)および該折込み部材(40、40)とから形成される4つの側端部の内面同士を熱接着して側端部熱接着部(2、2)を有する筒体状となし、該筒体状の上端および下端をそれぞれ熱接着して天部熱接着部(3)および底部熱接着部(4)を形成すると共に、前記底部熱接着部(4)から斜め上方に向けて前記側端部熱接着部(2、2)に至る内面同士を熱接着して形成された底部形成用熱接着部(5、5)を有する口栓付きガセットパウチ(1)において、前記パウチ(1)の表面部材(20)および裏面部材(30)の各々の底部保形予定線(6、6)の位置にひだ形状の自立支持部分(7、7)が形成されていることを特徴とする口栓付きガセットパウチである。
本発明の請求項2に係る発明は、少なくとも、最外層印刷基材フィルム層(11)とバリア・シーラント層(19)とを有する積層体(10)からなり、表面部材(20)および裏面部材(30)のバリア・シーラント層(19)面同士を対面するように配置し、前記表面部材(20)と前記裏面部材(30)との間に断面略V字形状の2つの折込み部材(40、40)を該2つの折込み部材(40、40)の折込み目(41、41)が対向す
るように挿設し、該表面部材(20)と該裏面部材(30)および該折込み部材(40、40)とから形成される4つの側端部の内面同士を熱接着して側端部熱接着部(2、2)を有する筒体状となし、該筒体状の上端および下端をそれぞれ熱接着して天部熱接着部(3)および底部熱接着部(4)を形成すると共に、前記底部熱接着部(4)から斜め上方に向けて前記側端部熱接着部(2、2)に至る内面同士を熱接着して形成された底部形成用熱接着部(5、5)を有する口栓付きガセットパウチ(1)において、前記パウチ(1)の表面部材(20)および裏面部材(30)の各々の底部保形予定線(6、6)の位置にV字状、U字状などの折込み目(9、9)を設け、且つ熱接着して、ひだ形状の自立支持部分(7、7)を形成することを特徴とする口栓付きガセットパウチの製造方法である。
本発明に係る口栓付きガセットパウチは、少なくとも、最外層印刷基材フィルム層とバリア・シーラント層とを有する積層体からなり、表面部材および裏面部材のバリア・シーラント層面同士を対面するように配置し、前記表面部材と前記裏面部材との間に断面略V字形状の2つの折込み部材を該2つの折込み部材の折込み目が対向するように挿設し、該表面部材と該裏面部材および該折込み部材とから形成される4つの側端部の内面同士を熱接着して側端部熱接着部を有する筒体状となし、該筒体状の上端および下端をそれぞれ熱接着して天部熱接着部および底部熱接着部を形成すると共に、前記底部熱接着部から斜め上方に向けて前記側端部熱接着部に至る内面同士を熱接着して形成された底部形成用熱接着部を有する口栓付きガセットパウチにおいて、前記パウチの表面部材および裏面部材の各々の底部保形予定線の位置にひだ形状の自立支持部分が形成されていることにより、液体、粘稠体などの内容物を収納し、優れた自立性を備えることが可能になり、自立させた際に、自立安定性に優れ、また店頭陳列性が向上するものである。
本発明の実施の形態を図1〜図7に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る口栓付きガセットパウチの表面部材面から見た1実施例を示す平面図であり、図2は本発明に係る口栓付きガセットパウチを形成する表面部材と裏面部材とを真横から見た1実施例を示す概略図であり、図3は本発明に係る口栓付きガセットパウチに内容物を充填した後の真横からみた1実施例を示す側面図であり、図4は図3のX−X線断面図であり、図5は本発明に係る口栓付きガセットパウチの1実施例を示す斜視図であり、図6は本発明に係る口栓付きガセットパウチのひだ形状の自立支持部分を形成する工程を説明する説明図であり、図7は本発明の口栓付きガセットパウチに用いる積層体の層構成の1実施例を示す側断面図である。
本発明の1実施例の口栓付きガセットパウチは、少なくとも、図7に示すように、最外層印刷基材フィルム層(11)とバリア・シーラント層(19)とを有する積層体(10)からなり、図1に示すように、表面部材(20)および裏面部材(30)のバリア・シーラント層(19)面同士を対面するように配置し、前記表面部材(20)と前記裏面部材(30)との間に断面略V字形状の2つの折込み部材(40、40)を該2つの折込み部材(40、40)の折込み目(41、41)が対向するように挿設し、該表面部材(20)と該裏面部材(30)および該折込み部材(40、40)とから形成される4つの側端部の内面同士を熱接着して側端部熱接着部(2、2)を有する筒体状となし、該筒体状の上端および下端をそれぞれ熱接着して天部熱接着部(3)および底部熱接着部(4)を形成すると共に、前記底部熱接着部(4)から斜め上方に向けて前記側端部熱接着部(2、2)に至る内面同士を熱接着して形成された底部形成用熱接着部(5、5)を有する口栓付きガセットパウチ(1)において、図2に示すように、前記パウチ(1)の表面部材(20)および裏面部材(30)の各々の底部保形予定線(6、6)の位置にひだ形状の
自立支持部分(7、7)が形成されていることを特徴とする口栓付きガセットパウチである。
前記ひだ形状の自立支持部分(7、7)がヒートシールにより、硬くなることにより、該パウチが自立できるものであり、もしもヒートシールされていないか、或いはそのヒートシール幅が狭いと該自立支持部分(7、7)の反発が弱く、該パウチ(1)の自立を支える力が弱くなる。
また、該自立支持部分(7、7)の長さが短いと支えの効果は少ない。逆に、長すぎると、パウチ状態で束ねづらくなる。
前記自立支持部分(7、7)を形成する際の、ひだ形状の種類としては、特に制約されるものではないが、例えば、ひだ形状を形成し易いV字状、U字状などの形状を用いることができる。
次に、本発明の口栓付きガセットパウチの製造方法について説明する。
本発明の口栓付きガセットパウチの製造方法は、特殊なガセットパウチ製袋機を用いて、少なくとも、図7に示すように、最外層印刷基材フィルム層(11)とバリア・シーラント層(19)とを有する積層体(10)を、図6に示すように、パウチ(1)の表面部材(20)および裏面部材(30)の各々の底部保形予定線(6、6)の位置にV字状、U字状などの折込み目(9、9)を設け、且つヒートシール装置(H)により、熱接着して、ひだ形状の自立支持部分(7、7)を形成し、且つ該表面部材(20)および裏面部材(30)のバリア・シーラント層(19)面同士を対面するように配置する。次に、前記表面部材(20)と前記裏面部材(30)との間に断面略V字形状の2つの折込み部材(40、40)を該2つの折込み部材(40、40)の折込み目(41、41)が対向するように挿設し、該表面部材(20)と該裏面部材(30)および該折込み部材(40、40)とから形成される4つの側端部の内面同士を熱接着して側端部熱接着部(2、2)を有する筒体状とする。
次に、該筒体状の下端を熱接着して底部熱接着部(4)を形成すると共に、前記底部熱接着部(4)から斜め上方に向けて前記側端部熱接着部(2、2)に至る内面同士を熱接着して形成された底部形成用熱接着部(5、5)を形成する。
その後に、ガセットパウチの前記上端の開口部に内容物を注出する口栓(蓋体の無い口栓)(8)を挿入し、熱接着により該口栓(8)を開口部に固着させると同時に開口部を天部熱接着部(3)で密封する。次に、前記口栓(8)から内容物を充填すると共に前記蓋体を該口栓(8)に螺着して、内容物を収納した口栓付きガセットパウチ(1)を得ることができる。
尚、前記ヒートシール装置(H)の熱接着の方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知のシール方法で行うことができる。
次に、本発明の口栓付きガセットパウチを形成する表面部材(20)と裏面部材(30)および折込み部材(40、40)の包装材料について説明する。該包装材料としては、いずれも内層がシーラント層(熱接着性樹脂層)からなり、該内層同士を熱と圧で熱接着できるものであれば、特に限定することなく用いることができ、それぞれの包装材料が同じ構成からなる積層体で形成された該パウチであってもよいし、異なる構成からなる積層体で形成された該パウチであってもよい。
前記積層体(10)は、一般的には、内容物の種類、保存性、ライフサイクル期間、強度、自立性、外観の見栄え、販売促進性等によって選択するが、例えば、図7に示すように、外面側から少なくとも、最外層印刷基材フィルム層(11)とバリア・シーラント層(19)とを接着層(13)を介してラミネーションして形成される。
また、前記バリア・シーラント層(19)は、少なくとも、ガスバリア層(14)、保護層(16)、シーラント層(18)を順次積層した構成である。
前記ガスバリア層(14)、保護層(16)は、通常、前記最外層印刷基材フィルム層(11)と前記シーラント層(18)だけでは該パウチ(1)としての機能を十分に果たすことができない場合などに設けられる。
前記ガスバリア層(14)の機能としては、例えば、酸素ガス、水蒸気などのガスバリア性、光、耐薬品性などに対する耐性などであり、前記保護層(16)の機能としては、例えば、機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐寒性、耐熱性などであり、該パウチ(1)として要求されるこれらの機能をガスバリア層(14)、保護層(16)として設けることで達成するものである。
ところで、前記最外層印刷基材フィルム層(11)の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などのポリオレフィン、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの延伸又は無延伸フィルム、ナイロン−6/メタキシリレンジアミンナイロン6共押出しフィルム、ポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体共押出しフィルムなどのいずれか、またはこれらの2つ以上のフィルムを積層した複合フィルムであっても構わない。
また、該最外層印刷基材フィルム層(11)の厚さとしては、基本素材としての強度、剛性などについて必要最小限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると製袋加工性が低下し、またコストが上昇するという欠点もあり、逆に薄すぎると強度、剛性などが低下して好ましくないので、10〜50μmの範囲内であることが好ましく、15〜30μmの範囲内がより好ましい。
また、本発明においては、印刷適性、強度面、コスト面、生産適性等を考慮すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましく、12〜20μm程度が望ましい。
次に、最内面のシーラント層(18)の材料としては、積層体(10)をパウチとする時に熱接着により封止できるものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの樹脂、またはこれらの樹脂を成膜化したフィルムを使用することができる。
また、該シーラント層(18)の厚さは、強度などの物性面、加工性を考慮すると、15〜200μmの範囲内であることが好ましく、30〜170μmの範囲内がより好ましい。
次に、前記最外層印刷基材フィルム層(11)に商品の販売促進効果を向上させるなどの理由で美麗な絵柄の印刷層(12)を施すが、該印刷層(12)は、該最外層印刷基材フィルム層(11)の表裏どちらでも印刷可能であるが、一般的なプラスチックフィルムパウチへの印刷の場合と同様に、インキの耐摩擦性、耐候性などを考慮して、該最外層印刷基材フィルム層(11)の内面に印刷層(12)を設けることが好ましい。
該印刷層(12)を形成する印刷インキとしては、インキに色彩を与える顔料や染料などからなる色材と該色材を微細な粒子に分散・保持しつつ、被印刷体に固着させる樹脂と該樹脂を安定して溶解し、該顔料や染料などの分散性、インキの流動性を保持し、かつ印刷の版からインキの適正量を転移できる溶剤とから構成されるビヒクル、更に色材の分散性、発色性向上や沈殿防止、流動性の改良を目的に界面活性剤などからなる助剤から形成されているが、特に色材は、耐候性の良い顔料が好ましい。
該印刷層(12)を設ける印刷方式は、該最外層印刷基材フィルム層(11)に印刷できる印刷方式ならば、特に制約はないが、鉄製の円筒(シリンダー)表面上に銅メッキを施して下地を形成し、該銅メッキ面上に剥離層を設け、更に銅メッキをして、その表面を鏡面状に研磨した銅面に彫刻方式や腐食方式により、凹部(セル)を作成し、該セル内の印刷インキを該最外層印刷基材フィルム層(11)に転移させ、調子物でもカラフルに印刷ができ、且つ訴求効果も高いグラビア印刷方式が好ましい。
尚、前記最外層印刷基材フィルム層(11)に印刷する際、該最外層印刷基材フィルム層(11)と印刷インキとの密着性を向上させるため必要ならば、該最外層印刷基材フィルム層(11)の印刷層(12)を設ける面にオゾン処理、コロナ処理などの前処理を施すことが好ましく、更に、アンカーコート剤などをコーティングしても良い。
前記ガスバリア層(14)の材料としては、ガスバリア樹脂フィルムや支持体フィルムにガスバリア層を設けたガスバリアフィルムが用いられる。例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)ケン化物などのフィルム、或いはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)などのフィルムにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルム、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着層、無機酸化物(酸化珪素、酸化アルミニウムなど)の蒸着薄膜層を設けたフィルムやまたこれらフィルムの1種乃至それ以上を組み合わせた積層フィルムを使用することができるが、これらの中でも、アルミニウム箔、支持体フィルムにアルミニウム蒸着層、廃棄処分が容易な無機酸化物(酸化珪素、酸化アルミニウムなど)の蒸着薄膜層を設けたガスバリアフィルムが好ましいが、特に、近年の環境問題を考慮すると、使用後の廃棄処分が容易な前記無機酸化物を蒸着した無機酸化物蒸着フィルムがより好ましく多用されている。
前記保護層(16)の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などのポリオレフィン、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)などの延伸又は無延伸フィルムなどを用いることができる。
次に、最外層印刷基材フィルム層(11)とバリア・シーラント層(19)とを接着層(13)を介して積層する方法は、例えば、ドライラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法、及び該エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチラミネーション方法などの公知の方法を使用することができるが、中でも接着強度に優れたドライラミネーション方法が好ましい。
また、前記バリア・シーラント層(19)を構成するガスバリア層(14)と、保護層(16)と、シーラント層(18)とを接着層(15、17)を介して順次積層する方法は、前述と同様に、例えば、ドライラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法、及び該エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチラミネーション方法などの公知の方法を使用することができるが、中でも接着強度に優れたドライラミネーション方法が好ましい。
前記接着層(13、15、17)に用いられる接着剤としては、例えば、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他などのドライラミネート用接着剤を使用することができる。
次に、本発明に係る口栓付きガセットパウチ(1)に用いる口栓について説明する。まず、口栓(蓋体のない口栓)の形成方法としては、公知のインジェクション成形方法(射出成形方法)で形成することができる。前記口栓(蓋体のない口栓)に用いる材料としては、前記パウチ(1)のシーラント層(18)に用いる樹脂と熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、前記シーラント層(18)に用いる樹脂により選択する必要があるが、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの樹脂を使用することができる。また、前記口栓(蓋体のない口栓)は、必要に応じて顔料などで着色されていてもよい。
また、前記口栓(蓋体のない口栓)のガセットパウチ(1)の外側に突出した外周に設けられた螺子部に螺着する蓋体についても公知のインジェクション成形方法(射出成形方法)で形成することができる。これに用いる材料としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリスチレン樹脂(PS)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、アクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体(ABS)、或いは他の半剛性ないし剛性の合成樹脂などを用いることができる。また当然、該蓋体も必要に応じて顔料などで着色されていてもよい。また、該蓋体には、必要に応じて、ピルファプルーフ機能をもたせるものであっても構わない。
以下に、本発明に係る口栓付きガセットパウチ(1)について、具体的に実施例を挙げて、さらに詳しく説明するが、それに限定されるものではない。
<実施例1>
本発明に係る口栓付きガセットパウチ(1)を形成する表面部材(20)と裏面部材(30)及び2つの折込み部材(40)に使用する積層体(10)は、図10に示すように、最外層印刷基材フィルム層(11)には、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPET)(東洋紡績株式会社製、商品名:E5100)を使用し、ガスバリア層(14)には、厚さ7μmのアルミニウム箔(東海アルミ箔株式会社製)を使用し、保護層(16)には、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ONY)(ユニチカ株式会社製、商品名:ONMB)を使用し、シーラント層(18)には、厚さ70μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(L−LDPE)(タマポリ株式会社製、商品名:UB105TC)を使用した。
まず、前記二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPET)にグラビア印刷により絵柄の印刷層を設けた。次に、前記印刷層面側に前記アルミニウム箔と前記二軸延伸ナイロンフィルム(ONY)とを順次、2液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネーションを行なった。その後、引き続いて、前記直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(L−LDPE)を2液硬化型ポリウレタン系接着剤によりドライラミネーションを行い、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPET)層/印刷層/2液硬化型ポリウレタン系接着剤層/アルミニウム箔層/2液硬化型ポリウレタン系接着剤層/二軸延伸ナイロンフィルム(ONY)層/2液硬化型ポリウレタン系接着剤層/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(L−LDPE)層からなる積層体(10)を作製した。
次に、該積層体(10)を表面部材(20)と裏面部材(30)用に任意の幅にスリットしたロールを、図6に示すように、パウチ(1)の表面部材(20)および裏面部材(30)の各々の底部保形予定線(6、6)の位置にU字状の折込み目(9、9)を設け、且つヒートシールバーにより熱接着して、ひだ形状の自立支持部分(7、7)を形成し、且つ該表面部材(20)および裏面部材(30)のバリア・シーラント層(19)面同士を対面するように配置した。さらに2つの折込み部材(40)用に任意の幅にスリットしたロールを前記表面部材(20)と前記裏面部材(30)との間に断面略V字形状の2つの折込み部材(40、40)を該2つの折込み部材(40、40)の折込み目(41、41)が対向するように挿設し、該表面部材(20)と該裏面部材(30)および該折込み部材(40、40)とから形成される4つの側端部の内面同士を熱接着して側端部熱接着部(2、2)を有する筒体状とした。
次に、該筒体状の下端を熱接着して底部熱接着部(4)を形成すると共に、前記底部熱接着部(4)から斜め上方に向けて前記側端部熱接着部(2、2)に至る内面同士を熱接着して形成された底部形成用熱接着部(5、5)を形成した。
その後に、ガセットパウチの前記上端の開口部に内容物を注出する低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)製の口栓(蓋体の無い口栓)(8)を挿入し、熱接着により該口栓(8)を開口部に固着させると同時に開口部を天部熱接着部(3)で密封した。次に、前記口栓(8)から内容物を充填すると共に前記蓋体を該口栓(8)に螺着して、内容物を収納した口栓付きガセットパウチ(1)を得た。
このようにして作製した本発明に係る口栓付きガセットパウチ(1)にゼリー状の内容物を充填し、従来のガセットパウチとの自立性を比較したところ、本発明に係る口栓付きガセットパウチ(1)は、十分な自立性を確認できた。
本発明に係る口栓付きガセットパウチの表面部材面から見た1実施例を示す平面図である。 本発明に係る口栓付きガセットパウチを形成する表面部材と裏面部材とを真横から見た1実施例を示す概略図である。 本発明に係る口栓付きガセットパウチに内容物を充填した後の真横からみた1実施例を示す側面図である。 図3のX−X線断面図である。 本発明に係る口栓付きガセットパウチの1実施例を示す斜視図である。 本発明に係る口栓付きガセットパウチのひだ形状の自立支持部分を形成する工程を説明する説明図である。 本発明の口栓付きガセットパウチに用いる積層体の層構成の1実施例を示す側断面図である。 従来の口栓付きガセットパウチの表面部材面から見た1実施例を示す平面図である。 従来の口栓付きガセットパウチに内容物を充填した後の真横からみた1実施例を示す側面図である。 図9のX−X線断面図である。 従来の口栓付きガセットパウチの1実施例を示す斜視図である。 従来の口栓付きガセットパウチに用いる積層体の層構成の1実施例を示す側断面図である。 スタンディングパウチの1実施例を示す平面図である。 スタンディングパウチの自立した状態の1実施例を示す斜視図である。
符号の説明
1・・・口栓付きガセットパウチ
2・・・側端部熱接着部
3・・・天部熱接着部
4・・・底部熱接着部
5・・・底部形成用熱接着部
6・・・底部保形予定線
7・・・ひだ形状の自立支持部分
8・・・口栓
9・・・V字状、U字状などの折込み目
10、10´・・・積層体
11、11´・・・最外層印刷基材フィルム層
12、12´・・・印刷層
13、13´・・・接着層
14、14´・・・ガスバリア層
15、15´・・・接着層
16、16´・・・保護層
17、17´・・・接着層
18、18´・・・シーラント層
19、19´・・・バリア・シーラント層
20・・・表面部材
30・・・裏面部材
40・・・折込み部材
41・・・折込み目
H・・・ヒートシール装置

Claims (2)

  1. 少なくとも、最外層印刷基材フィルム層とバリア・シーラント層とを有する積層体からなり、表面部材および裏面部材のバリア・シーラント層面同士を対面するように配置し、前記表面部材と前記裏面部材との間に断面略V字形状の2つの折込み部材を該2つの折込み部材の折込み目が対向するように挿設し、該表面部材と該裏面部材および該折込み部材とから形成される4つの側端部の内面同士を熱接着して側端部熱接着部を有する筒体状となし、該筒体状の上端および下端をそれぞれ熱接着して天部熱接着部および底部熱接着部を形成すると共に、前記底部熱接着部から斜め上方に向けて前記側端部熱接着部に至る内面同士を熱接着して形成された底部形成用熱接着部を有する口栓付きガセットパウチにおいて、前記パウチの表面部材および裏面部材の各々の底部保形予定線の位置にひだ形状の自立支持部分が形成されていることを特徴とする口栓付きガセットパウチ。
  2. 少なくとも、最外層印刷基材フィルム層とバリア・シーラント層とを有する積層体からなり、表面部材および裏面部材のバリア・シーラント層面同士を対面するように配置し、前記表面部材と前記裏面部材との間に断面略V字形状の2つの折込み部材を該2つの折込み部材の折込み目が対向するように挿設し、該表面部材と該裏面部材および該折込み部材とから形成される4つの側端部の内面同士を熱接着して側端部熱接着部を有する筒体状となし、該筒体状の上端および下端をそれぞれ熱接着して天部熱接着部および底部熱接着部を形成すると共に、前記底部熱接着部から斜め上方に向けて前記側端部熱接着部に至る内面同士を熱接着して形成された底部形成用熱接着部を有する口栓付きガセットパウチにおいて、前記パウチの表面部材および裏面部材の各々の底部保形予定線の位置にV字状、U字状などの折込み目を設け、且つ熱接着して、ひだ形状の自立支持部分を形成することを特徴とする口栓付きガセットパウチの製造方法。
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