JP2008254712A - 宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法 - Google Patents

宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 宇宙器に搭載する小型計算機でも実装可能な簡便なアルゴリズムを作成できるようにする。
【解決手段】 タンク1内の液体1のボンド数の対数を独立変数とし、その所要の固定値に対して、スロッシング特性を決める所要のパラメータの液体充填率に対する依存性を連続関数で表す式を求める。この式をフーリエ級数展開すると共に、各フーリエ級数展開時に、それぞれの境界近くで誤差を防ぐための項を付加してなるフーリエ級数展開式を求める。更に、フーリエ級数展開式の各項を連続関数で表す式を求めて、各式をフーリエ級数展開すると共に、それぞれの境界近くで誤差を防ぐための項を付加して宇宙機のスロッシング特性のリアルタイム算定アルゴリズムを作成させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、宇宙機の推薬タンク等、低重力環境下における液体のスロッシング特性をリアルタイムに算定するために用いるアルゴリズムを作成するための宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法に関するものである。
宇宙機の推薬タンク内で生じるスロッシング(液体の振動)は、上記宇宙機の姿勢制御に重大な影響を及ぼすため、その固有振動数等のスロッシング特性を把握することが重要になる。
又、宇宙の低重力場では、液体のスロッシングに、表面張力が大きな影響を及ぼすため、液体のスロッシング特性は、液体充填率だけでなく、ボンド数(重力と表面張力の大きさの比を代表する無次元数)にも依存するようになる。
そこで、本発明者は、図5に示す如き軸対称タンク1と液体2のスロッシングモデルについて、宇宙機における推薬タンクの静的平衡時の液面は、低重力場で表面張力が重力に比べて重要になると、メニスカス3と呼ばれる曲面形状となること、及び、このメニスカス3により宇宙機における推薬タンク1の静的平衡時の液面は、Z軸に垂直な平面ではなくZ軸に関して軸対称な曲面となることに鑑みて、メニスカス(静的平衡時の液面)3のタンク1壁面との交線でタンク1壁面に接する円錐を考え、この円錐の頂点Oを原点として、スロッシング解析に適した球座標ORθφを設定することを提案している。かかる球座標ORθφによれば、タンク形状が外側に凸の任意の軸対称な場合に対して、液体運動の特性関数(モード関数)が解析的に決定できるようにしてある。
更に、姿勢制御のためのスロッシング特性の把握に際しては、図5のスロッシングモデルを、図6のようなメカニカルモデルと一般に呼ばれるマスばねモデルに変換し,タンク1に働くx方向の力及びy軸まわりのモーメントのx方向タンク加振加速度に対する周波数応答が,図1のスロッシング系と同じになるように,メカニカルモデルのパラメータ(スロッシュマスm,ばね定数k,固定マスmとスロッシュマスmの取り付け位置)を定めるようにして、これらのパラメータをスロッシング特性として扱っている。(たとえば、非特許文献1参照)。
内海雅彦(Utsumi M.),「軸対称タンク内の低重力スロッシングのメカニカルモデル(A Mechanical Model for Low-gravity Sloshing in an Axisymmetric Tank),ジャーナル オブ アプライド メカニックス(Journal of Applied Mechanics),(米国),米国機械学会(ASME),2004年,71巻,p.724−730
ところが、上記非特許文献1で提案している手法は、スロッシング特性を、大型計算機で解析理論に基づく長いプログラムを実行して求めていた。具体的には、大型計算機で解析理論に基づく長いプログラムを実行して、与えられたボンド数と液体充填率の下でのスロッシング特性を算定して、ボンド数をパラメータとした液体の充填率の関数、又は、液体充填率をパラメータとしたボンド数の関数としてグラフ表示したものを、スロッシング特性として与えるようにしていた。
したがって、任意のパラメータについてスロッシング特性を知るためには、パラメータの極めて多くの値についてグラフを描く必要が生じるというのが実状である。
そのために、本発明者は、宇宙機に搭載する小型計算機でも、運用中に変動するボンド数、液体充填率に応じてリアルタイムにスロッシング特性を知ることができるようにするための簡便な式(アルゴリズム)を得るための工夫、研究を重ねて本発明をなした。
したがって、本発明の目的とするところは、運用中のボンド数、液体充填率の変化に応じたスロッシングのリアルタイム算定を行うことができ、且つ宇宙機に搭載する小型計算機に実装可能な簡便な計算アルゴリズムを作成するための宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、宇宙機のタンクにおけるスロッシング特性のボンド数と液体充填率に対する依存性を、2重のフーリエ級数展開式によって表すと共に、各フーリエ級数展開を行うときに、それぞれの境界条件を満たす項をそれぞれ導入して補完して、上記スロッシング特性のリアルタイム算定アルゴリズムを作成する宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定用アルゴリズムの作成方法とする。
又、請求項2に対応して、宇宙機のタンク内液体のボンド数の対数を独立変数とし、その所要の固定値に対して、スロッシング特性を決める所要のパラメータの液体充填率に対する依存性を連続関数で表す式を求め、該式をフーリエ級数展開すると共に、フーリエ展開の基底関数として境界でゼロになるものを選び、且つ上記所要のパラメータが境界で外挿値に等しくなるための上記液体充填率に関する1次関数項を加えてフーリエ級数展開式を形成し、更に、該フーリエ級数展開式の各項を連続関数で表す式を求めて、該各式をフーリエ級数展開すると共に、それぞれのフーリエ展開の基底関数として境界でゼロになるものを選び、且つ上記フーリエ級数展開式の各項が境界でこれらの外挿値に等しくなるための上記ボンド数の対数の1次関数項を加えて、上記スロッシング特性のリアルタイム算定アルゴリズムを作成する方法とする。
更に、上記において、スロッシング特性を決める所要のパラメータの液体充填率に対する依存性を連続関数で表す式を、上記所要のパラメータの液体充填率に対する依存性を表す1次式による内挿と外挿によって求めるようにする構成とする。
更に又、上記各構成において、フーリエ級数展開式の各項を連続関数で表す式を、該各項を表す式の内挿と外挿により求めるようにする構成とする。
本発明の大振幅スロッシング挙動予測方法によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)宇宙機のタンクにおけるスロッシング特性のボンド数と液体充填率に対する依存性を、2重のフーリエ級数展開式によって表すと共に、各フーリエ級数展開を行うときに、それぞれの境界条件を満たす項をそれぞれ導入して補完して、上記スロッシング特性のリアルタイム算定アルゴリズムを作成する宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定用アルゴリズムの作成方法、具体的には、宇宙機のタンク内液体のボンド数の対数を独立変数とし、その所要の固定値に対して、スロッシング特性を決める所要のパラメータの液体充填率に対する依存性を連続関数で表す式を求め、該式をフーリエ級数展開すると共に、フーリエ展開の基底関数として境界でゼロになるものを選び、且つ上記所要のパラメータが境界で外挿値に等しくなるための上記液体充填率に関する1次関数項を加えてフーリエ級数展開式を形成し、更に、該フーリエ級数展開式の各項を連続関数で表す式を求めて、該各式をそれぞれフーリエ級数展開すると共に、各々のフーリエ展開の基底関数として境界でゼロになるものを選び、且つ上記フーリエ級数展開式の各項が境界でこれらの外挿値に等しくなるための上記ボンド数の対数の1次関数項を加えて、上記スロッシング特性のリアルタイム算定アルゴリズムを作成するようにしてあるので、スロッシング特性のボンド数の対数と、液体充填率に依存する変化をリアルタイムで算定することが可能なアルゴリズムを容易な計算で作成できる。
(2)又、スロッシング特性のボンド数と液体充填率に対する依存性を、2重のフーリエ級数展開式によって表し、更に、境界で誤差が生じやすいというフーリエ級数の特性を、境界条件を厳密に満たす項の導入によって補完するようにしてあるため、宇宙機の運用中のボンド数と、液体充填率の変動に応じたスロッシング特性のリアルタイム算定を行うことができる。
(3)以上により、ボンド数と液体充填率に依存する宇宙機のスロッシング特性を、リアルタイムで算定するためのアルゴリズムを、宇宙機に搭載する小型計算機にも実装可能な簡便なアルゴリズムとして作成することが可能になる。
(4)スロッシング特性を決める所要のパラメータの液体充填率に対する依存性を連続関数で表す式を、上記所要のパラメータの液体充填率に対する依存性を表す1次式による内挿と外挿によって求めるようにする構成とすることにより、上記スロッシング特性を決める所要のパラメータの液体充填率に対する依存性を連続関数で表す式を容易に求めて、フーリエ級数展開することが可能になる。
(5)フーリエ級数展開式の各項を連続関数で表す式を、該各項を表す式の内挿と外挿により求めるようにする構成とすることにより、上記フーリエ級数展開式の各項を連続関数で表す式を容易に求めて、フーリエ級数展開することが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法の実施の一形態を示すもので、以下のようにしてある。
先ず、軸対称タンクのスロッシングモデルを図1のように設定し、ボンド数を、
Figure 2008254712
とする。
y≡log10Boのある固定した値に対し、図6に示したと同様のメカニカルモデルの或るパラメータQの液体充填率x=(液体の体積)/(タンクの体積)に対する依存性は、解析した離散点x(i=1,2,…,imax;0<x<…<ximax<1)でのQの値の1次式による内挿(補間)と外挿である
Figure 2008254712
によって連続関数として表される。従って、次のようにフーリエ級数展開によって表すことができる。
Figure 2008254712
である。上記においては、フーリエ展開に伴う境界x=0,x=1の近くでの誤差を防ぐため、フーリエ展開の基底関数として境界で0になるものを選び、Qが境界で外挿値Q(0,y)、Q(1,y)に等しくなるためのxの1次関数項として、上記式(3)の右辺第1項及び第2項を加えるようにしてある。
以上の過程をいくつかの離散点y(j=1,2,…,jmax;ymin<y<…<yjmax<ymax)に対して繰り返し、上のxに関する内外挿と同様な内外挿によりf(y),f(y),f3m(y)を連続関数として定義することによって、次のようにフーリエ級数展開する。
Figure 2008254712
ここで、
Figure 2008254712
である。ここでもまた、フーリエ展開に伴う境界y=ymin,y=ymaxの近くでの誤差を防ぐために、フーリエ展開の基底関数として境界で0になるものを選び、f(y),f(y),f3m(y)が境界でこれらの外挿値に等しくなるためのyの1次関数項として、上記式(5)、式(6)、式(7)にて、それぞれ右辺第1項及び第2項を加えるようにしてある。なお、スロッシング特性のボンド数Boに対する変動は、ボンド数Boの小さい領域で局所的に激しくなるので、上記ボンド数Boをそのままではなく、その対数y=log10Boを独立変数としている点に注意が必要である。
したがって、上記式(8)、式(9)、式(10)で求められる係数を用いて上記式(5)、式(6)、式(7)、更には、式(4)を計算すると、上記式(3)によって、上記パラメータQの上記ボンド数Boの対数yと、液体充填率xに依存する変化を、リアルタイムに算定することができるようになる。
なお、図1において、図5に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
このように、本発明の宇宙機のスロッシング特性リアルタイム算定用のアルゴリズム作成方法によれば、宇宙機の上記パラメータQとして示されるスロッシング特性のボンド数Boの対数yと、液体充填率Xに依存する変化をリアルタイムで算定することが可能なアルゴリズムを容易な計算で作成できる。このことは、後述する実施例の図2(イ)(ロ)(ハ)(ニ)乃至図4に示すように、上記本発明のアルゴリズム作成方法によって作成したアルゴリズムを用いてリアルタイムで計算した各スロッシング特性の算定結果が、解析値によく一致していることからも明らかである。
又、スロッシング特性のボンド数と液体充填率に対する依存性を、2重のフーリエ級数展開式によって表し、更に、境界で誤差が生じやすいというフーリエ級数の特性を、境界条件を厳密に満たす項の導入によって補完するようにしてあるため、運用中のボンド数Boと、液体充填率xの変動に応じたスロッシング特性のリアルタイム算定を行うことができる。すなわち、たとえば、後述する実施例の図2(イ)及び図4に示す結果から明らかなように、ボンド数Boが小さい場合には、固有振動数がある液体充填率xで急変するが、このような固有角振動数の急変についても、上記本発明のアルゴリズム作成方法で作成するアルゴリズムによってリアルタイムで算定する結果により高精度で表すことができる。
よって、ボンド数と液体充填率に依存する宇宙機のスロッシング特性を、リアルタイムで算定することができ、且つ宇宙機に搭載する小型計算機にも実装可能な簡便なアルゴリズムを作成することが可能になる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、宇宙機のタンクの形状は、Z軸方向に軸対称な形状としてあれば、球形等、図示したタンク形状を多少変形するようにしてもよい。その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
以下、本発明者が実施した本発明の有効性の検証の結果について説明する。
(1)
図6に示したメカニカルモデルにて、ばね定数kは、固有振動数とスロッシュマスmから決まり、固定マスmはタンク内の液体のマスからスロッシュマスmを引くことによって定まる。そこで,スロッシング特性を表す4つの量である固有振動数、スロッシュマスm、スロッシュマスmと固定マスmの取り付け位置のうち、上記固有振動数について、前述した本発明の宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法によって作成したリアルタイム算定アルゴリズムによる算定結果を、解析値と比較検証した。
図2(イ)(ロ)(ハ)(ニ)は、log10Boを、0,1,2,3にそれぞれ固定し、図1におけるa/b=1、c/b=1とした条件の下での固有振動数(固有角振動数/(g/b)**0.5)と、液体充填率との相関を求めたもので、各図中のドットは解析値を示し、又、曲線は上記リアルタイム算定アルゴリズムによる算定結果を示したものである。
図2(イ)(ロ)(ハ)(ニ)のいずれの結果からも、本発明の宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法によって作成したリアルタイム算定アルゴリズムを用いて算定した固有振動数の算定結果が、解析値によく一致していることが判明した。
更に、図2(イ)から明らかなように、ボンド数が小さい場合、固有振動数は、ある液体充填率で急激に変化している。この液体充填率は、メニスカスのタンク壁面との接触交線が、タンクの円筒部と、上側の楕円体部との結合部にあるときの液体充填率である。したがって、液体充填率を増して行くとき、この液体充填率でメニスカスのタンク壁面との接触角が小さいため(本計算では5度としてある)、メニスカスの面積が急に増加する。そのために、運動エネルギが急に増加し、固有振動数が急に減少していると考えられる。 このように、固有振動数が急激に変化する場合であっても、本発明の宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法によって作成したリアルタイム算定アルゴリズムを用いた固有振動数の算定結果が、解析値によく追従していることが判る。
(2)
上記(1)と同様にして、スロッシング特性としてのスロッシュマスmについて、本発明の宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法によって作成したリアルタイム算定アルゴリズムによる算定結果を、解析値と比較検証した。
図3(イ)(ロ)(ハ)(ニ)は、log10Boを、0,1,2,3にそれぞれ固定し、図1におけるa/b=1、c/b=1とした条件の下でのスロッシュマス/(タンクの体積×液体密度)と、液体充填率との相関を求めたもので、各図中のドットは解析値を示し、又、曲線は上記リアルタイム算定アルゴリズムによる算定結果を示したものである。
図3(イ)(ロ)(ハ)(ニ)のいずれの結果からも、本発明の宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法によって作成したリアルタイム算定アルゴリズムを用いて算定したスロッシュマスmの算定結果が、解析値によく一致していることが判明した。
(3)
上記(1)と同様の条件において、図1におけるa/b=1.6、c/b=1.6として、log10Bo=0のときの固有振動数(固有角振動数/(g/b)**0.5)と、液体充填率との相関を求めた。
その結果、図4に解析値をドットで示し、又、上記リアルタイム算定アルゴリズムによる算定結果を線で示す如く、本発明の宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法によって作成したリアルタイム算定アルゴリズムを用いて算定した固有振動数の算定結果が、解析値によく一致していることが判明した。
更に、図4で示す結果は、上記図2(イ)で述べた固有角振動数の急変が、天井ドームの扁平化(a/bの増大)によって激しくなることを示す例である。この場合、cの条件を、図2(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に示したものと同じにするため、c/bも増大させるようにしてある。
このように固有振動数の急変が激しくなると、前述の式(3)の級数の項数mmax
を多くとる必要がある(本例では、mmax=120)。しかし、前述の式(5)、式(6)、式(7)で計算すべき正弦関数の個数nmaxは少なくて済み、本例でnmax=8である。図2(イ)(ロ)(ハ)(ニ)の場合は、mmax=18,nmax=8である。したがって、上記したように固有振動数の急変が激しくなる場合であっても、nmaxは大きくする必要はないこと、又、計算時間制約が数msecまで短くなることはないことが明らかとなった。これにより、演算時間上の問題はさほど深刻ではないと考えられることが判明した。
本発明の宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法の実施の一形態を示す概要図である。 本発明者が本発明の有効性を検証するために、本発明の宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法によって作成したリアルタイム算定アルゴリズムによる固有振動数と液体充填率との相関についての算定結果を、解析値と比較して示す図で、(イ)(ロ)(ハ)(ニ)はそれぞれボンド数の対数の設定条件を0,1,2,3と変化させた場合を示すものある。 本発明者が本発明の有効性を検証するために、本発明の宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法によって作成したリアルタイム算定アルゴリズムによるスロッシュマスと液体充填率との相関についての算定結果を、解析値と比較して示す図で、(イ)(ロ)(ハ)(ニ)はそれぞれボンド数の対数の設定条件を0,1,2,3と変化させた場合を示すものある。 本発明者が本発明の有効性を検証するために、タンク形状を変更し、且つボンド数の対数の設定条件を0とした条件の下で、本発明の宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法によって作成したリアルタイム算定アルゴリズムによる固有振動数と液体充填率との相関についての算定結果を、解析値と比較して示す図である。 本発明者が宇宙機のスロッシングの解析のために提案している軸対称タンクのスロッシングモデルを示す概要図である。 本発明者が宇宙機のスロッシングの解析のための図5に示したスロッシングモデルをマスばね構造に置き換えるために提案しているメカニカルモデルを示す概要図である。
符号の説明
1 タンク
2 液体

Claims (4)

  1. 宇宙機のタンクにおけるスロッシング特性のボンド数と液体充填率に対する依存性を、2重のフーリエ級数展開式によって表すと共に、各フーリエ級数展開を行うときに、それぞれの境界条件を満たす項をそれぞれ導入して補完して、上記スロッシング特性のリアルタイム算定アルゴリズムを作成することを特徴とする宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定用アルゴリズムの作成方法。
  2. 宇宙機のタンク内液体のボンド数の対数を独立変数とし、その所要の固定値に対して、スロッシング特性を決める所要のパラメータの液体充填率に対する依存性を連続関数で表す式を求め、該式をフーリエ級数展開すると共に、フーリエ展開の基底関数として境界でゼロになるものを選び、且つ上記所要のパラメータが境界で外挿値に等しくなるための上記液体充填率に関する1次関数項を加えてフーリエ級数展開式を形成し、更に、該フーリエ級数展開式の各項を連続関数で表す式を求めて、該各式をフーリエ級数展開すると共に、それぞれのフーリエ展開の基底関数として境界でゼロになるものを選び、且つ上記フーリエ級数展開式の各項が境界でこれらの外挿値に等しくなるための上記ボンド数の対数の1次関数項を加えて、上記スロッシング特性のリアルタイム算定アルゴリズムを作成することを特徴とする宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定用アルゴリズムの作成方法。
  3. スロッシング特性を決める所要のパラメータの液体充填率に対する依存性を連続関数で表す式を、上記所要のパラメータの液体充填率に対する依存性を表す1次式による内挿と外挿によって求めるようにする請求項2記載の宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定用アルゴリズムの作成方法。
  4. フーリエ級数展開式の各項を連続関数で表す式を、該各項を表す式の内挿と外挿により求めるようにする請求項2又は3記載の宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定用アルゴリズムの作成方法。
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