JPH1153341A - 涙滴形タンク内の液体のスロッシング解析によるマス−ばね設計モデル作成方法 - Google Patents

涙滴形タンク内の液体のスロッシング解析によるマス−ばね設計モデル作成方法

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JPH1153341A
JPH1153341A JP9215128A JP21512897A JPH1153341A JP H1153341 A JPH1153341 A JP H1153341A JP 9215128 A JP9215128 A JP 9215128A JP 21512897 A JP21512897 A JP 21512897A JP H1153341 A JPH1153341 A JP H1153341A
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equation
tank
mass
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Masahiko Uchiumi
雅彦 内海
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IHI Corp
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    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/40Arrangements or adaptations of propulsion systems
    • B64G1/402Propellant tanks; Feeding propellants

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 涙滴形タンクの液体のスロッシングのごとき
非軸対称問題に対しても解析的アプローチを行えるよう
にし、以って計算時間の短縮、計算コストの削減を図
る。 【解決手段】 涙滴形タンク1の中心軸zと涙滴形タン
ク1の液面4の周方向の任意の位置を通る液体2の縦断
面を想定し、各液体2の縦断面において極座標を取り、
この極座標と液面4のタンク壁面5に接する部分の周方
向座標ψとで球形座標を構成し、該球形座標を用いて液
体運動を支配するラプラス方程式∇2φ=0(φは速度
ポテンシャル)の解を直交関数の重ね合せにより解析的
に決定し、直交関数展開によって液体運動を離散化し、
問題を展開係数に関する連立一次方程式に帰着させ、該
連立一次方程式を解いてマス−ばね設計モデルを作成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、涙滴形タンク内の
液体のスロッシング解析によるマス−ばね設計モデル作
成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低重力あるいは無重力の宇宙空間を航行
する衛星には、スピン衛星と呼ばれる衛星があり、該ス
ピン衛星は自転しつつ航行を行うようになっている。
【0003】而して、スピン衛星では、推薬液を収納す
るタンクとして、略半球状の外殻の開口部側に円錐状の
外殻を、略半球状の外殻から離れる方向へ向けて先細り
となるよう接続した、いわゆる涙滴形タンクが使用され
ており、斯かる涙滴形タンクの一例は図8に示されてい
る。
【0004】図8中、1は涙滴形タンク(以下単にタン
クという)であり、該タンク1は、スピン衛星の自転軸
であるスピン軸Zから離れた位置に、円錐状の外殻の先
細り状の先端がスピン軸Zを基準として外方へ向くよ
う、配設され、先細り状の円錐部の先端には推薬液2の
取出し口3が設けられている。
【0005】又、タンク1の中心軸zは、タンク1の半
球状の外殻の頂部が中心軸zに近接し円錐状の外殻に設
けた取出し口3が中心軸zから離反するよう、スピン軸
Zに対し傾斜角度γで傾いている。
【0006】なお、図8中、Ωはスピン衛星のスピン軸
Zに対するタンク1のスピン角速度、aはタンク1の半
球状の外殻の部分の半径、Lはスピン軸Zからタンク1
の半球状の外殻の半径aの起点となる点までの最短距
離、θCはタンク1における円錐状の外殻のタンク1の
中心軸zに対する半頂角、gはスピン衛星が推進加速す
ることによりスピン衛星に作用する慣性力である見掛け
の重力、xはタンク1の円錐状の外殻の取出し口3側の
頂点を通り中心軸zに直交する座標軸、yは中心軸zと
座標軸xの交点を通ると共にx、y軸に直交する方向
(図8の場合は紙面と直交する方向)へ延在する座標軸
である。
【0007】図8に示すごとき構造のタンク1を用いる
のは、スピン衛星のスピンによる遠心力と見掛け上の重
力gを利用して、推薬液(液体)2を常に取出し口3に
保持するためである。
【0008】一方、航行中のスピン衛星の機体に揺れ等
による強制加速度外乱が作用すると、タンク1内で推薬
液2の振動(スロッシング)が生じるが、これは推薬液
2の揺れに伴い生じる動圧がタンク1を介して機体に伝
達され、その結果機体に力及びトルクを作用させるた
め、機体の姿勢を制御するための姿勢制御系にとって望
ましくない外乱となる。
【0009】従って、スピン衛星の設計に際しては、推
薬液2のスロッシングが機体に及ぼす力やトルクを考慮
に入れた姿勢制御系の設計が重要な課題となり、斯かる
設計を行うためにはタンク1内の推薬液2のスロッシン
グの状態を解析すると共にその解析結果からスロッシン
グと等価な動特性(固有振動数及びタンク1に及ぼす力
やトルク)を持ったマス−ばね設計モデルを作成するこ
とが必要である。
【0010】ところが、推薬液2のような液体は、連続
体であるため、制御対象としての取扱いが難しく、設計
に便利ではない。そこで、設計を容易に行うためにタン
ク1内の推薬液2を図9に示すようなマス−ばね設計モ
デルに置き換え、マス−ばね設計モデルのパラメータ
m,mO,k,l,lOを適切な値に設定してそのデータ
を基に制御系を設計することが従来から行われている。
【0011】ここで、適切な値に設定するとは、置き換
えられたマス−ばね設計モデル系ともとの推薬液2のス
ロッシング系とで、タンク1に及ぼす力、トルクの強制
加速度外乱に対する周波数特性が、重要な低い周波数帯
域において一致するように設定することである。
【0012】又、図9のパラメータ中、mはタンク1内
においてタンク1の中心軸zに直交する方向である径方
向へ可動な可動物体の質量、mOはタンク1内に固定さ
れた固定物体の質量、kは可動物体のばね定数、lはタ
ンク1の円錐状の外殻の頂点に設定したx軸、y軸、z
軸の原点から可動物体までの距離、lOは原点から固定
物体までの距離である。
【0013】ところで、マス−ばね系の設計モデルを作
成するにあたっては、その前の段階としてスロッシング
の解析が必要であるが、斯かるスロッシングの解析手段
として従来から有限要素法(FEM)等の数値解析手法
と解析的手法が知られている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】数値解析手法の場合に
は、一般に妥当な精度の解を得るためには、計算領域と
なる液体を多数の要素に分割し、分割した要素ごとに多
数の独立点の物理量を未知変数として方程式を解く必要
がある。従って細かい要素分割が必要で、自由度が膨大
となり、計算時間が長くなって計算コストが嵩むという
問題がある。
【0015】一方、解析的手法では、細かい要素分割が
不要で計算コストを安価にすることはできるが、一般に
解析的手法を適用できるのは、円筒形タンクのごとき軸
対称の場合、すなわち軸対称問題の場合である。
【0016】しかるに、図8に示すごとき涙滴形のタン
ク1内の推薬液2のスロッシングは、スピン軸Zと見掛
け上の重力gの方向がタンク1の軸対称軸である中心軸
zに全く一致しない典型的な非軸対称問題となって解析
的な手法の適用は困難であり、従って上述のごとき非軸
対称問題の算定に対しては数値的手法に依存せざるを得
ず、計算時間が長く掛り、計算コストが嵩むという弊害
を排除することができない。
【0017】本発明は上述の実情に鑑み、涙滴形タンク
内の推薬液のような液体のスロッシングのごとき非軸対
称問題に対しても解析的アプローチを行えるようにし、
以って計算時間の短縮、計算コストの削減を図り得るよ
うにした、涙滴形タンク内の液体のスロッシング解析に
よるマス−ばね設計モデル作成方法を提供することを目
的としてなしたものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、スピン軸に対
して中心軸が所定の角度傾斜した涙滴形タンクの中心軸
と涙滴形タンク内の液面の周方向の所定の位置を通る、
液体の縦断面を想定し、各液体の縦断面において極座標
を取り、該極座標と液面のタンク壁面に接する部分の周
方向座標とで構成した球形座標を用いて液体運動を支配
するラプラス方程式∇2φ=0(φは速度ポテンシャ
ル)の解を直交関数の重ね合せにより解析的に決定し、
直交関数展開により液体運動を離散化して問題を展開係
数に関する連立一次方程式に帰着させ、該連立方程式を
解いてマス−ばね設計モデルを作成するものである。
【0019】従って、本発明では、液滴形タンク内の液
体のスロッシングのごとき非軸対称問題に対しても解析
的アプローチが可能となるため、直交展開の級数の収束
が速く、小さい自由度で解を得ることができ、従って従
来の有限要素法の数値的手法に比べてスロッシングの解
析、延いてはマス−ばね設計モデル作成のための計算時
間が短く、計算コストも安価ですむ。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照しつつ説明する。
【0021】図1〜図4は本発明の実施の形態の概要を
示すための概念図、図5は本発明の実施の形態を詳述す
るための概念図、図6、図7は本発明の実施の形態例に
おける設計モデルパラメータの計算結果のグラフであ
る。
【0022】図1、図2に示すごとく、タンク1におけ
る中心軸zのまわりの、座標軸xからのタンク1周方向
座標ψ=ψ1,ψ=ψ2を液面4上に取り、各周方向座標
ψ1,ψ2から中心軸zを通るように直線イ、ロに沿って
切った液体2の縦断面を図3、図4のごとく想定し、各
縦断面で極座標R,θを取る。
【0023】この極座標R,θと周方向座標ψとで構成
される球座標を用いて、液体運動を支配するラプラス方
程式∇2φ=0(ここでφは速度ポテンシャル)の解を
直交関数の重ね合せにより解析的に決定する。
【0024】このような直交関数によって液体運動を離
散化し、問題を未知の展開係数に関する連立一次方程式
に帰着させて解き、マス−ばね設計モデルを定める。
【0025】以上が本発明の実施の形態において推薬液
2のスロッシングとマス−ばね設計モデル系の作成を行
う際の概要であり、これを段階的に分けると[I]〜
[VII]のステップに分けられる。
【0026】すなわち、 [I]球座標系の導入 [II]液体(推薬液)2の運動方程式の導出 [III]液体2における液面4の静釣合い位置の決定 [IV]変分原理(エネルギー原理)の導入 [V]自由振動解析による固有振動数と固有モードの決
定 [VI]強制振動解析による外乱加速度に対する周波数
応答の計算 [VII]同じ周波数応答を持つマス−ばね設計モデル
の算定 である。
【0027】次に[I]〜[VII]のステップについ
て詳述する。
【0028】[I]球座標系の導入 航行している機体がスピン軸Zのまわりをスピン角速度
Ωで回転すると、タンク1内の液体2は図4に示すごと
く、遠心力によりタンク1の取出し口3(図8参照)側
へ押され、液体2の液面4はスピン軸Zに沿った状態に
なる。
【0029】そこで、この液体2の液面4をタンク1の
軸対称軸である中心軸zのまわりに略等間隔の角度ψで
N等分し、これを周方向座標ψ1,ψ2,…ψNとし、各
分割区間ψi≦ψ≦ψi+Δψ(Δψ=2π/N,ψi=
(j−1)Δψ,j=1,2,…N)において図5のよ
うに球座標系Oj−Rjθjψjを設定する。
【0030】すなわち、液体2の静釣合い時の液面4と
タンク壁面5の交点上のψ=ψjなる点でタンク1に接
する直線を平面ψ=ψj内で引き、この直線と中心軸z
との交点を球座標の原点Ojとして定める。
【0031】すなわち、各分画区間jごとに原点が徐々
に異なるように球座標系を定める。このような球座標を
用いて静釣合い時の液面4、振動している液面4、タン
ク壁面5の各極座標を[数1][数2][数3]のよう
に表わす。
【0032】
【数1】R=RM(θ,ψ)…(i)
【0033】
【数2】R=RF(θ,ψ,t)=RM(θ,ψ)+ζ
(θ,ψ,t)…(ii)
【0034】
【数3】R=RW(θ,ψ)…(iii)
【0035】(i)〜(iii)式中、RM(θ,ψ)
は後述のステップ[III]で決定される液面4の静釣
合い位置の関数形、ζ(θ,ψ,t)は時間tの経過に
より生じる液面4の微小振動変位であり、数式の繁雑さ
を避けるため、周方向分割区間の区別を表す添字jは省
略している。
【0036】[II]液体(推薬液)2の運動方程式 以下の解析のもとになる、スロッシングしている液体2
の運動方程式(オイラーの流体方程式)をステップ
[I]で導入した球座標を用いて表わすと[数4]のよ
うになる。
【0037】
【数4】
【0038】
【外1】 θ,ψ方向の流速成分、pは圧力、ρは液体2の密度、
fx(t),fy(t)はx,y方向の強制加速度を表
す。非圧縮完全流体であると仮定し、コリオリ力は設定
メカニカルモデルを求める上では必要ないので省略して
いる。
【0039】 [III]液体2における液面4の静釣合い位置の決定 液体2のスロッシング解析に先立ち、遠心力と重力gの
静釣合い条件によって決定される液面形状((i)式、
(ii)式中の関数RM)を決定する。運動方
【外2】 Sで置き換えることにより[数5]で表わされる静釣
合いの条件式が得られる。
【0040】
【数5】
【0041】(v)式を積分すると(v)式中の3つの
式はいずれも[数6]のように表わされる。
【0042】
【数6】 pS=ρ{gz+0.5Ω2(X2+Y2)}+C…(vi)
【0043】未知の形状の静釣合い液面z=zS(x,
y)において圧力pSが零になる条件より、zSの関数形
(液面4の静釣合い位置)を決定すると[数7]に示す
ようになる。
【0044】
【数7】 z=zS(x,y)=(−Ω2/2g)(X2+Y2)−(C/ρg)…(vii)
【0045】(vii)式中、Cは液体2の体積が与え
られた値になるように定める。又(vii)式より、静
釣合い液面はスピン軸Zを軸とする回転放物面であり、
スピン角速度Ωが重力gに比して卓越するにともない円
筒面に近付いていくことがわかる。
【0046】 [IV]変分原理(エネルギー原理の導入) (iv)式の運動方程式を境界条件(液体の流速がタン
ク壁面5で零、圧力が液面4で零等)の下で解くため
[数8]に示す変分原理を導入する。
【0047】
【数8】
【0048】(viii)式中、D(θ,ψ)とE
(θ,ψ)はタンク形状に依存して定ま
【外3】 で、これらは[数9]に示すラプラス方程式を満たす速
度ポテンシャルφにより[数10][数11]によって
定める。
【0049】
【数9】∇2φ=0…(ix)
【0050】
【数10】Pslos=−ρφ,t…(x)
【0051】
【数11】
【0052】詳しい説明は省略するが変分原理を表わす
(viii)式を満たせることは、(iv)式の運動方
程式を境界条件(流速がタンク壁面5で零、圧力が液面
4で零になる等)の下で解くことと同様である。
【0053】[V]自由振動解析による固有振動数と固
有モードの決定 先ず、(ix)式のラプラス方程式をステップ[I]で
導入した球座標で解くことにより速度ポテンシャルφを
直接固有関数系で展開された[数12]の形で表わす。
【0054】
【数12】
【0055】又、液体2の液面4の変位を[数13]の
ように表わす。
【0056】
【数13】
【0057】上述の(xii)式中のXmkl(R)は
[数14]で、Θmk(θ)は[数15]で、Φmq(ψ)
は[数16]で、夫々表わされる。
【0058】
【数14】
【0059】
【数15】
【0060】
【数16】 Φmq(ψ)=cosmψ(for q=1) sinmψ(for q=2)…(xvi)
【0061】(xv)式中、Fはガウスの超幾何級数を
表わし、固有関数Θmkは[数17]の方程式に関する
[数18]で表わされる境界値問題のK番目の解として
決定される。又(xvi)式においてl=1或いは2で
ある。
【0062】
【数17】
【0063】
【数18】
【0064】又、固有値λmkを[数19]に代入するこ
とにより、(xiv)式の特性指数αmkl(l=1,
2)を定める。
【0065】
【数19】
【0066】(xii)式を(x)式、(xi)式に代
入して求めたスロッシング圧力、液体変位成分と(xi
ii)式を変分原理の(xviii)式の強制加速度項
を省略した式に代入して、未定定数Amklq,Cmkqに関
する斉次一次方程式系を導く。これは[数20]に示す
ごとく、固有値問題の形に導くことができる。
【0067】
【数20】
【0068】
【外4】 ≧1,l=1,2;q=1,2)を並べた列ベクトルで
ある。固有値問題の(xx)式を解くことにより、固有
振動数と固有モードを決定する。
【0069】[VI]強制振動解析による固有振動数と
固有モードの決定 速度ポテンシャルを[数21]のように表わし、液面変
位を[数22]のように表わす。
【0070】
【数21】
【0071】
【数22】
【0072】
【外5】
【0073】(xxi)式を(x)式、(xi)式に代
入して求めたスロッシング圧力、液体変位成分と(xx
ii)式を(viii)式に代入してqn(t)に関す
るモード方程式を導出する。
【0074】例えば図1において液面4がx方向に大き
く振動するモードのうち最低次のものについては[数2
3]のように表わされる。
【0075】
【数23】
【0076】(xxiii)式中、ωnは固有角振動
数、βxnは定数である。
【0077】タンク1が受けるx方向の力Fxとy軸ま
わりのモーメントMyを動圧が持つx成分とy軸まわり
のモーメントをタンク壁面5で積分すると、[数24]
[数25]の形に計算される。
【0078】
【数24】
【0079】
【数25】
【0080】(xxiv)式、(xxv)式中、A、
B、Cは定数である。(xxiv)式の力、(xxv)
式のモーメントの単位正弦波入力は[数26]に示され
る。
【0081】
【数26】fx(t)=sinωt…(xxvi)
【0082】又、(xxvi)式に示す単位正弦波入力
に対する周波数応答は[数27][数28]のように計
算される。
【0083】
【数27】 Fx={ω2(βxnA+B)−ωn2B}/(ω2−ωn2)…(xxvii)
【0084】
【数28】 My={ω2(βxnC+D)−ωn2D/(ω2−ωn2)…(xxviii)
【0085】[VII]同じ周波数応答を持つマス−ば
ね設計モデルの算定図9の設計モデルに(xxvi)式
の単位正弦波入力が作用したときに、タンク1が受ける
x方向の力Fx,eq及びy軸まわりのモーメントMy,eq
の周波数応答は[数29][数30]のように計算され
る。
【0086】
【数29】 Fx,eq=(−mOω2+k+mOωeq2)/(ω2−ωeq2)…(xxix)
【0087】
【数30】 My,eq={−mOOω2+k+mOOωeq2+P(Ω,g)}/(ω2−ωeq2) …(xxx)
【0088】(xxix)式、(xxx)式中、ωeq2
はωeq2=k/mである。又、P(Ω,g)は、質量m
が変位することによって遠心力及び重力がタンク1に変
動トルクを及ぼすことにより生ずる項であり[数31]
によって与えられる。
【0089】
【数31】 P(Ω,g)=mΩ2l(cos2γ+Lsinγ)+mgcosγ…(xxxi )
【0090】(xxix)式、(xxx)式を夫々(x
xvii)式、(xxviii)式に角周波数ωの関数
として一致させる。
【0091】このため、図9のマス−ばね設計モデルの
パラメータを[数32][数33][数34][数3
5]により決定する。
【0092】
【数32】m=Aβxn…(xxxii)
【0093】
【数33】k=mωn2…(xxxiii)
【0094】
【数34】 mO=−Aβxn−B =(−mΩ2Lsinγ−mgcosγ−mOOωn2−Dωn2)/(k+mΩ2 cos2γ)…(xxxiv)
【0095】
【数35】 lO=−(Cβxn+D)/mO…(xxxv)
【0096】上述の(xxix)〜(xxxv)式に基
いて設計モデルパラメータを計算し、グラフに表わす
と、図6、図7に示すようになる。
【0097】なお、設計モデルパラメータの計算にあた
っては、図1に示す諸元においてタンク1の球径部の半
径a=0.3m、円錐部の半頂角θC=38°、スピン
軸Zとタンク1の中心軸zとがなす傾斜角度γ=40
°、スピン角速度Ω=100γpm、見掛けの重力g=
0.5m/s2、スピン軸Zからタンク1の球径部の中
心までの最短距離L=0.45mであり、又推薬密度ρ
=1009kg/m3である。
【0098】本発明の実施の形態においては、涙滴形タ
ンク1内の液体2のスロッシングのごとき非軸対称問題
に対しても解析的アプローチが可能となるため、直交展
開の級数の収束が速く、小さい自由度で解を得ることが
でき、従って従来の有限要素法等の数値的手法に比べて
スロッシングの解析延いてはマス−ばね設計モデル作成
のための計算時間が短く、計算コストも安価ですむ。
【0099】なお、本発明の実施の形態は上述の形態例
に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない
範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【0100】
【発明の効果】本発明の涙滴形タンク内の液体のスロッ
シング解析によるマス−ばね設計モデル作成方法によれ
ば、直交展開の級数の収束が速いので小さい自由度で解
を得ることができ、従ってスロッシング解析延いては、
マス−ばね設計モデル作成のための計算時間が短く、計
算コストも安価ですむという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の涙滴形タンク内の液体のスロッシング
解析によるマス−ばね設計モデル作成方法に適用する涙
滴形タンクの諸元を説明するための概念図である。
【図2】図1に示す涙滴形タンクを液面に対して略直交
する方向から見た周方向座標を示す概念図である。
【図3】図1に示す涙滴形タンクの液面のψ=ψ1の位
置からタンク中心軸zを通る面における液体の縦断面図
である。
【図4】図1に示す涙滴形タンクの液面のψ=ψ2の位
置からタンク中心軸zを通る面における液体の縦断面図
である。
【図5】本発明の方法において、球座標系を設定する方
法を説明するための概念図である。
【図6】本発明の方法に基いて計算した設計モデルパラ
メータの一例を示すグラフである。
【図7】本発明の方法に基いて計算した設計モデルパラ
メータの他の例を示すグラフである。
【図8】涙滴形タンクの概要を説明するための縦断面図
である。
【図9】図8に示す涙滴形タンクのマス−ばね設計モデ
ルを図示化した概念図である。
【符号の説明】
1 涙滴形タンク 2 推薬液(液体) 3 取出し口 4 液面 5 タンク壁面 Z スピン軸 z 中心軸 R,θ 極座標 ψ 周方向座標 φ 速度ポテンシャル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピン軸に対して中心軸が所定の角度傾
    斜した涙滴形タンクの中心軸と涙滴形タンク内の液面の
    周方向の所定の位置を通る、液体の縦断面を想定し、各
    液体の縦断面において極座標を取り、該極座標と液面の
    タンク壁面に接する部分の周方向座標とで構成した球形
    座標を用いて液体運動を支配するラプラス方程式∇2φ
    =0(φは速度ポテンシャル)の解を直交関数の重ね合
    せにより解析的に決定し、直交関数展開により液体運動
    を離散化して問題を展開係数に関する連立一次方程式に
    帰着させ、該連立方程式を解いてマス−ばね設計モデル
    を作成することを特徴とする涙滴形タンク内の液体のス
    ロッシング解析によるマス−ばね設計モデル作成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008254712A (ja) * 2007-04-09 2008-10-23 Ihi Corp 宇宙機用のスロッシング特性リアルタイム算定アルゴリズムの作成方法
JP2012126196A (ja) * 2010-12-14 2012-07-05 Ihi Corp 低重力スロッシングの減衰比予測方法、及び、低重力スロッシングの設計モデル作成方法
CN104835387A (zh) * 2015-06-01 2015-08-12 齐齐哈尔大学 测绘弹簧摆运动轨迹的实验方法

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