JP4370372B2 - キャビテーション解析方法、キャビテーション解析プログラム、プログラム記録媒体及び解析装置 - Google Patents

キャビテーション解析方法、キャビテーション解析プログラム、プログラム記録媒体及び解析装置 Download PDF

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Description

本発明は、管内、流体機械、物体まわりの流体に発生するキャビテーションを気泡径分布モデルを用いて、精度良く安定的に解析するのに適したキャビテーション解析方法、キャビテーション解析プログラム、プログラム記録媒体及び解析装置に関する。
ロケットエンジン等に用いられる液体酸素、液体水素等のポンプにおいて、キャビテーション、即ち、飽和蒸気圧よりも局所的に圧力が下がってしまい部分的に気化する現象が発生している。
液体中に気体が混合することにより、音速が著しく低下してしまい、圧力情報が伝わりにくくなる。このことにより、気体が混合していない部分はポンプにより吸い込みが可能であり、気体が混合している部分は吸い込めなくなる、いわゆる脈動現象が発生してしまう。この脈動現象により、圧力振動が羽根を振動させ、破壊させるおそれがある。脈動現象による破壊を防止するためには、キャビテーションの挙動を正確に捉える必要がある。
従来、管内、流体機械及び物体回りに発生するキャビテーションにおいて、どの程度圧力が下がり、それにより、どの程度気化し、どの程度音速が低下し、どの程度圧力が伝わりにくいのかを解析することは非常に困難とされていた。
そこで、液体中に発生するキャビテーションを球形気泡から構成される気泡群として取り扱い、その気泡群の挙動を捉えることでキャビテーションの特徴を把握しようとする技術が提案されている(非特許文献1)。
しかし、一般的な流れ場では、キャビーテーションは、一点から気泡が発生するものではなく、様々な地点から発生した気泡が混在する複雑な現象を伴うものであり、キャビテーションの解析は、精度、安定性に乏しくなってしまったり、計算機の負荷が大きくなる等の問題を抱えている。
Ito, Y., Wakamatsu, H. and Nagasaki, T., Numerical Simulation of Sub-cooled Cavitating Flow by using Bubble Size Distribution, 2003, Proceedings of the Sixth International Symposium on Experimental and Computational Aerothermodynamics of Internal Flows, pp. 280-286 Robert J. Simoneau and Robert C. Hendricks, Two-Phase Chocked Flow of Cryogenic Fluids in Converging-Diverging Nozzles, NASA TP-1484, 1979
本発明の目的は、流体中に発生するキャビテーションを、球形気泡からなる気泡群として取り扱い、気泡をその質量により階級分けし、階級ごとに気泡の挙動を取り扱う気泡径分布モデルを採用したキャビテーション解析において、その精度、安定性を高めることができ、計算負荷を低減することができるキャビテーション解析方法、キャビテーション解析プログラム、プログラム記録媒体及び解析装置を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明に係るキャビテーション解析方法は、少なくとも、流体中に発生するキャビテーションを球形気泡からなる気泡群として取り扱い、気泡をその質量により階級分けし、階級ごとに気泡の挙動を解析するキャビテーション解析方法において、ある階級kにおける気泡数密度nG,k、単位体積当たりの気泡質量mG,kに基づいて式(1)により本階級の平均気泡質量m1,kを算出し、隣接する階級との軽い側の境界における気泡質量の値wlight,k、隣接する階級との重い側の境界における気泡質量の値wheavy,kを用いて、式(2)〜式(4)により本階級を分布1型、分布2型又は分布3型に分類し、上記分布1型、分布2型、及び分布3型に分類された本階級の軽い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wlight,k)、重い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wheavy,k)、軽い側の端点w及び重い側の端点wの値を式(5)〜(7)により算出する。
Figure 0004370372
また、この目的を達成するため、本発明に係るキャビテーション解析プログラムは、少なくとも、所定のステップをコンピュータによって実行可能とし、流体中に発生するキャビテーションを球形気泡からなる気泡群として取り扱い、気泡をその質量により階級分けし、階級ごとに気泡の挙動を解析するキャビテーション解析プログラムにおいて、上記所定のステップは、ある階級kにおける気泡数密度nG,k、単位体積当たりの気泡質量mG,kに基づいて式(1)により本階級の平均気泡質量m1,kを算出し、隣接する階級との軽い側の境界における気泡質量の値wlight,k、隣接する階級との重い側の境界における気泡質量の値wheavy,kを用いて、式(2)〜式(4)により本階級を分布1型、分布2型又は分布3型に分類し、上記分布1型、分布2型、及び分布3型に分類された本階級の軽い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wlight,k)、重い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wheavy,k)、軽い側の端点w及び重い側の端点wの値を式(5)〜(7)により算出するステップである
また、この目的を達成するため、本発明に係るプログラム記録媒体は、少なくとも所定のステップを有し、流体中に発生するキャビテーションを球形気泡からなる気泡群として取り扱い、気泡をその質量により階級分けし、階級ごとに気泡の挙動を解析するコンピュータによって読み取り可能にプログラムを記憶したプログラム記録媒体において、上記所定のステップは、ある階級kにおける気泡数密度nG,k、単位体積当たりの気泡質量mG,kに基づいて式(1)により本階級の平均気泡質量m1,kを算出し、隣接する階級との軽い側の境界における気泡質量の値wlight,k、隣接する階級との重い側の境界における気泡質量の値wheavy,kを用いて、式(2)〜式(4)により本階級を分布1型、分布2型又は分布3型に分類し、上記分布1型、分布2型、及び分布3型に分類された本階級の軽い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wlight,k)、重い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wheavy,k)、軽い側の端点w及び重い側の端点wの値を式(5)〜(7)により算出するステップである
また、この目的を達成するため、本発明に係る解析装置は、少なくとも、所定のステップをコンピュータによって実行可能とし、流体中に発生するキャビテーションを球形気泡からなる気泡群として取り扱い、気泡をその質量により階級分けし、階級ごとに気泡の挙動を解析するキャビテーション解析プログラムを記憶した記録部と、上記記録部から上記解析プログラムを読み出して解析処理を実行する演算部とを備える解析装置において、上記所定のステップは、ある階級kにおける気泡数密度nG,k、単位体積当たりの気泡質量mG,kに基づいて式(1)により本階級の平均気泡質量m1,kを算出し、隣接する階級との軽い側の境界における気泡質量の値wlight,k、隣接する階級との重い側の境界における気泡質量の値wheavy,kを用いて、式(2)〜式(4)により本階級を分布1型、分布2型又は分布3型に分類し、上記分布1型、分布2型、及び分布3型に分類された本階級の軽い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wlight,k)、重い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wheavy,k)、軽い側の端点w及び重い側の端点wの値を式(5)〜(7)により算出するステップである
以上のように、本発明は、液体中に発生するキャビテーションを球形気泡からなる気泡群として取り扱い、気泡をその質量により階級分けし、各階級ごとに気泡の挙動を解析するものであり、各階級内の気泡数密度分布を算出し、この気泡数密度分布から各階級の境界での気泡数密度を算出し、この気泡数密度から各階級を通過する蒸発量・凝縮量を算出するので、数値拡散を防ぐことができ、解析の精度、安定性を高めることができると共に、高い汎用性を有するものである。また、本発明は、気泡の成長・収縮運動と液体の圧力・温度計算とを組合せ、繰り返し計算を行うことにより、解析における時間刻みが小さくなることを防ぐとともに、計算安定性を増すことができる。
本発明によれば、液体圧力、液体温度、各階級の気泡数密度及び気泡質量、各階級の気泡圧力、各階級の気泡温度、並びに、各階級の気泡密度に基づいて各階級内の気泡数密度分布を考慮することにより、数値拡散を防ぐことができ、気泡の蒸発・凝縮計算の精度を高めることができるとともに、階級間隔を不等間隔にした場合の計算安定性を高めることができる。よって、本発明は、精度及び安定性の高いキャビテーション解析を可能とするものであり、汎用性を高めることを可能とするものである。
また、本発明によれば、気泡の成長・収縮計算と流体の圧力・温度計算とを組合せ、繰り返し計算を行うことにより、時間刻みを大きく取ることができ、キャビテーション解析の計算安定性を増すことができ、よって、計算負荷を低減することを可能とするものである。
以下、本発明が適用された解析装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明を適用した解析装置1は、図1に示すように、入力部2と、演算部3と、メモリ4と、表示部5と、出力部6と、記憶部7とを備える。この解析装置1では、入力部2を介して入力が行われ、記憶部7に記憶されたキャビテーション解析プログラムからメモリ4に必要な係数及び式を読み出し、演算部3で演算することによりキャビテーション解析を行う。解析結果は、表示部5に表示したり、出力部6から出力することができる。
解析装置1の記憶部7に記憶されたキャビテーション解析プログラムは、初期条件及び境界条件を入力するステップ1と、入力された初期条件及び境界条件から、時間刻み、仮の液体保存量、各階級の気泡数密度及び気泡質量、並びに、気泡の発生からの経過時間を算出するステップ2と、繰り返し計算の初期値として液体圧力を与えるステップ3と、液体保存量並びに各階級の気泡数密度及び気泡質量から液体温度を算出するステップ4と、液体圧力及び液体温度から各階級のボイド率を算出すると共に、各階級の気泡数密度及び気泡質量を補正するステップ5と、補正された各階級の気泡数密度及び気泡質量から液体保存量を補正するステップ6と、液体圧力及び液体温度から算出される仮の液体密度と、各階級のボイド率から算出される液体の体積率及び液体保存量から算出される液体密度とを比較することにより、液体圧力を補正してステップ4〜6の処理を行うステップ7と、ステップ2〜7において算出された各計算値の境界値を上記境界条件により補正するステップ8と、仮の液体密度と、液体の体積率及び液体保存量から算出される液体密度とが等しくなったときステップ2〜8において算出された各計算値を出力するステップ9とをコンピュータによって実行可能とし、流体中に発生するキャビテーションを球形気泡からなる気泡群として取り扱い、気泡をその質量により階級分けし、各階級ごとに気泡の挙動を解析するキャビテーション解析プログラムであって、ステップ5は、液体圧力と液体温度から新規発生する新規気泡半径、新規気泡数密度及び新規気泡質量を算出するとともに、新規気泡数密度及び新規気泡質量から最小階級の気泡数密度及び気泡質量を補正するステップ5−1と、繰り返し計算の初期値として各階級の気泡半径を仮定するステップ5−2と、各階級の気泡半径、液体圧力及び液体保存量から各階級の気泡圧力を算出するステップ5−3と、各階級の気泡圧力から各階級の気泡温度及び気泡密度を算出するステップ5−4と、液体圧力、液体温度、補正された各階級の気泡数密度及び気泡質量、各階級の気泡圧力、各階級の気泡温度、並びに、各階級の気泡密度に基づいて各階級内の気泡数密度分布を算出するステップ5−5と、各階級内の気泡数密度分布から各階級の境界での気泡数密度を算出し、各階級の境界での気泡数密度から各階級境界を通過する蒸発量及び凝縮量を算出するステップ5−6と、蒸発量及び凝縮量から各階級の気泡数密度及び気泡質量を補正するステップ5−7と、補正された各階級の気泡数密度及び気泡質量並びに各階級の気泡密度から算出される各階級の気泡半径を仮定した各階級の気泡半径とを比較し、判定結果に基づいて仮定した各階級の気泡半径を補正してステップ5−3〜5−7の処理を行うステップ5−8と、仮定した各階級の気泡半径と算出された各階級の気泡半径とが等しくなったとき、この各階級の気泡半径から各階級のボイド率を算出するステップ5−9とを有するものである。
このキャビテーション解析プログラムを記憶部7に有する解析装置1は、液体中に発生するキャビテーションを球形気泡から構成される気泡群として取り扱い、その気泡群の挙動を捉えることでキャビテーションの特徴と掴もうとするものであり、キャビテーション気泡をその質量に応じて階級化し、各階級ごとに気泡半径、圧力、温度、蒸発・凝縮量、液体とのスリップ速度などを計算することで、キャビテーション気泡を厳密に捉え、解析しようとするものである。
以下に、本発明を適用した解析装置1を用いて、図13に示すような先細末広ノズルにおける2次元計算の例により、キャビテーション解析を行うキャビテーション解析方法の例を示す。
まず、全体の計算手順に先立ち、「1.基礎式」、「2.物性値」、「3.気泡を含む液体の音速」、「4.気泡新規発生」、「5.気泡質量に基づいた階級の離散化」、「6.気泡の並進運動」、「7.液体の圧力計算と気泡の半径計算のカップリング」及び「8.時間刻み」について説明する。尚、条件としては、Simoneau and Hendricksの実験条件と同一とする。以下の説明に用いる記号の対応表を表1、表2に示す。
Figure 0004370372
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1.基礎式
このキャビテーションモデルを採用した計算コードを開発する。基礎式は2次元の例を示す。一般座標系(ξ,η)を用いて以下のように表せる。単位体積あたりの液相部質量αρ、運動量x方向成分αρ、運動量y方向成分αρν、全エネルギーαρの4式に加え、単位体積あたりの気泡数密度の確率密度関数NGw、気泡発生からの平均経過時間telapseも気泡移流速度で移流するとして計算した。また、気泡関係諸量は気泡の成長・収縮に伴い気泡質量軸方向(w)にも移流するとして計算した。
Figure 0004370372
2.物性値
キャビテーションは液体温度に敏感なため、正確な計算には温度に対する影響を厳密に扱うことが欠かせない。そこで、温度による物性値の変化を考慮した。以下に示す物性値を温度の関数として取り扱った。これらは全て物性値表のデータを連続な関数として近似したものである。これらのデータは基本的には想定温度範囲内(三重点温度〜臨界点温度)のデータを基にしているが、計算中にプログラムにより想定温度範囲外の温度を一時的に参照してしまう場合がある。このときにエラーが発生すると計算の安定性が著しく損なわれるため、想定温度範囲内の物性値と連続な適当な物性値を温度範囲外に対しても与えるようにした。ここで与えられる適当な物性値は計算過程で必要な値であって最終的な収束値には成り得ないため計算の信頼性への影響は少ないと思われる。
気液界面の物性値を表3に、液体の物性値を表4に、蒸気の物性値を表5に示す。また、計算上必要な逆関数を表6に示す。逆関数は安定かつ正確な計算のため元の値に正確に戻す必要がある。そのためこれらの逆関数を必要とする関数に関しては誤差の管理を厳密に行った。
Figure 0004370372
Figure 0004370372
Figure 0004370372
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3.気泡を含む液体の音速
液体は気相を内部に含むと圧縮性が単相時に比べて著しく大きくなり、図2に示すように音速が大きく低下する。ここで、図2は、2相流体の平均音速とボイド率の関係を示す図であり、「Akmandor, I. S. and Nagashima, T., Predictions for Cryogenic Homogeneous Two-Phase Flows in a Choked Laval Nozzle, Journal of Thermophysics and Heat Transfer, Vol. 13, No. 3, 355-363」に記載されたものである。高速キャビテーションではこの効果が無視できないため、液体が気泡を内部に含んで音速が低下する挙動をモデルを導入して評価した。そのモデルを以下に示す。
気相は、液相中に均質に分散した気泡であると考える。このとき2相流体の平均音速は次式となる。
Figure 0004370372
ここで、Pは2相流体の圧力(ここでは気液間の圧力差は考慮しない)で、ρは2相流の平均密度であり、式(30)となる。
Figure 0004370372
αはボイド率(気相部分の体積分率)である。一方、クウォリティ(気相部分の質量分率)は次式となる。
Figure 0004370372
式(30)、式(31)よりクウォリティχは、式(32)となる。
Figure 0004370372
ここで、式(31)をPについて微分すると式(33)となる。
Figure 0004370372
よって、式(29)、式(33)より式(34)が得られる。
Figure 0004370372
この式(34)を再度式(29)を用いて整理すると次式となる。
Figure 0004370372
本モデルの採用により図2に示すボイド率と音速の関係を得ることができる。
4.気泡新規発生
新規発泡は主として不純物上に発生するものと壁面上に発生するものがある。本モデルでは両初期気泡径とも次式(36)で示される過飽和度に反比例するものとして与えた。
Figure 0004370372
発泡頻度は不純物上が次式(37)で示されるnであり、壁面上においては、次式(38)で示されるn0wallである。
Figure 0004370372
Figure 0004370372
ここで、式中で用いられる壁面からの単位体積あたりの発泡数nSwallを求める次式(39)の面積Awallと壁面近傍の空間Volwallの与え方である。
Figure 0004370372
図3に示すような領域で気泡が発生する場合を考える。面積Awallは壁面隣接セル上の壁面積(2Dでは壁長さ)を与える。壁面近傍の空間Volwallは式(36)で求められる初期半径Rが発生し十分離脱できる領域である必要がある。壁面隣接セルの体積Volcell,1、その1つ壁面から遠いセルの体積Volcell,2、壁面からj番目のセル体積Volcell,jとする。また、壁面隣接セルの壁面から一番遠い点までの距離dj=1、壁面からj番目のセルの壁面から一番遠い点までの距離dとする。このときにdj−1≦2R≦dとなる壁面から1番目からj番目のセルの中で発泡するとする。すなわち、式(40)とし、壁面から1番目からj番目の全てのセルの中でnSwallの発泡数で発生するとした。
Figure 0004370372
尚、図3に示すような領域で気泡が発生する場合のボイド率の取り方について説明する。d≧2R、かつ、dj−1<2Rであるj以下のセルでは、j以下のセルの平均的ボイド率を使用する。すなわち、図4に示すように、j=2では、実際のボイド率はαj=2であるが、本発明の計算では、ボイド率α=αj=1:2が用いられる。また、図5に示すように、j=1では、実際のボイド率はαj=1であるが、本発明の計算では、ボイド率α=αj=1:2が用いられる。ここで、j=1:2の平均ボイド率:αj=1:2は、図6に示すように、j=1及びj=2の両方の領域を1つの領域とした場合のボイド率を算出することにより得られる。
この取り扱いにより壁面近傍のグリッドを適度に小さくしておけば、壁面近傍の格子点の細かさに対する気泡発泡のグリッド依存性はほとんどなくなる。
気泡発生数は次式(41)で示されるΠ,気泡発生質量は次式(42)で示されるΛである。
Figure 0004370372
Figure 0004370372
新規発泡気泡は一番小さな気泡質量階級に属するため既存の気泡の保存量に付加される。発泡前の領域に存在する単位体積あたりの気泡数をnG_old,質量をmG_oldとすると、発泡後の単位体積あたりの気泡数nG_new,質量mG_newは次式となる。
Figure 0004370372
5.気泡質量に基づいた階級の離散化
気泡径分布モデルでは、空間の次元に加えて1個あたりの気泡質量の次元を追加する。以下その次元の向きをw方向と呼ぶことにする。w軸の正方向が質量の増加を意味するようにその向きを定義する。ある空間におけるw軸方向の気泡数密度の確率密度関数NGwの分布を図7に示す。気泡群が蒸発に伴い成長すると気泡質量が増えるためw軸の正の方向に移動し、気泡が凝縮すると気泡質量が減るためw軸の負の方向に移動する。すなわち、空間的移動とは独立に気泡の蒸発凝縮に伴い気泡質量軸方向に気泡が運動するという新しい概念を導入する。ここで空間的に静止した気泡1個あたりの蒸発量γとするときの気泡数密度関数NGwは、次式となる。
Figure 0004370372
この式(45)は、気泡の成長がw軸方向に移流速度γで運動していることを表している。過熱液中(気泡成長の場合)または過冷液中(気泡凝縮の場合)に存在する気泡周りに生成される温度境界層から供給される熱量によって駆動される蒸発・凝縮量がγである。過熱・過冷液中に投入されてからtelapse後の球形気泡周りに形成される温度境界層の気泡界面上での温度勾配は次式となる。
Figure 0004370372
よって、気泡界面を通過する熱量はフーリエの法則より次式となる。すなわち、熱伝導により伝えられる熱流束は,温度勾配dT/drに比例するという法則による。尚、比例定数は、熱伝導率kとなる。
Figure 0004370372
この熱量が蒸発・凝縮に用いられるので蒸発・凝縮量は、式(48)となる。
Figure 0004370372
以上は静止気泡について述べたが空間移動する気泡においても一般性は失われない。すなわち、蒸発を伴いながら空間移動する気泡数密度関数の時間変化は次式となる。
Figure 0004370372
ここで、δ(w−w)は、式(50)で表されるデルタ関数を示す。
Figure 0004370372
デルタ関数とは、カッコ内の数が0のときを含んで積分すると1となり、カッコ内の数が0でないとき0となるパルス関数である。ここで、wは、新規発生気泡の質量を表す。
Figure 0004370372
2次元の場合∇,Vは、次式となる。
Figure 0004370372
Figure 0004370372
同様に、気泡発生からの経過時間であるtelapseも気泡の移動に伴って移流すると考えられるため、式(54)のように表せる。
Figure 0004370372
ここで右辺の1は、1タイムステップごとに時間刻み分だけ経過時間が増えることを表している。
実際の計算では、気泡数密度関数NGwをwで積分して求めた階級内の単位体積あたりの気泡数密度nG,kと、気泡数密度関数NGwにwをかけてからwで積分して求めた階級内の単位体積あたりの気泡質量mG,kとを用いて行う。ここで、wは1個あたりの質量を表すものである。気泡数密度nG,k及び気泡質量mG,kは、式(55)、式(56)のように定義される。
Figure 0004370372
この気泡数密度、気泡質量を気泡の質量軸をある質量範囲で定義された階級に分割する。ある階級kについて考える。階級の軽い方の境界をlight境界,重い方をheavy境界と呼び、各々の気泡質量をwlight,k,wheavy,kとすると、階級内に存在する単位質量あたりの気泡数密度nG,k、気泡質量mG,kは次式で定義される。
Figure 0004370372
ここで、m1,kは、階級内の気泡1つあたりの平均質量を表し、次式(59)となる。
Figure 0004370372
この平均質量m1,kは、階級の境界質量wlight,k,wheavy,kと以下の関係を満たさなければならない。
Figure 0004370372
本式(60)は、実際に計算する際に、気泡の階級分けが適切に行われているのかをチェックするのに有効な条件式となる。
基礎式(49)を単位体積あたりの気泡数密度nG,kと単位体積あたりの気泡質量mG,kの定義式(57)、(58)を用いて変形すると次式のように表せる。
Figure 0004370372
さらに、階級k内の気泡数密度関数NGwの分布について考える。NGwの分布で一番単純なものは図8に示すように、階級内で全て同一の値を採る均一な分布であると仮定したものである。このとき、NGwは階級内でどこでも同じ値で、かつ、平均値を取るため、次式(63)となる。
Figure 0004370372
本式(63)は、式(57)を満たす。しかし、式(58)を満たすのは、次式(64)のときのみである。
Figure 0004370372
階級k内では常に式(57)、式(58)を満たさなければならないという条件を満たさない。これは気泡数密度関数NGwの分布が図8に示すように階級内で全て同一の値を採るという仮定が誤っていることを示す。そこで、図9に示すように重心をm1,kとする3つの1次関数分布を持つと仮定し、分類した。最小階級用の分布1型11、中間階級用の分布2型12、最大階級用の分布3型13である。どの条件でどの分布を持つかを式(65)〜(67)に示す。
Figure 0004370372
また、それぞれの境界値NGw(wlight,k),NGw(wheavy,k)及び端点w,wの値は、以下の式(68)〜(70)の通りとなる。
Figure 0004370372
この分布は、式(57)だけでなく式(58)も満たす。この分布は、さらに数値計算上の大きな効果を持っている。それは、階級内の気泡がある程度成長しないとそれより大きな階級に気泡が全く移動しないという点である。最大階級の分布である分布3型を見ると重い側の境界において気泡数密度関数NGw(wheavy,k)=0であることから分かる。不要な数値拡散を抑制する効果をもち、精度の向上をもたらす。
6.気泡の並進運動
次式を用いて時間発展的にスリップ速度V=V−Vを解く。
Figure 0004370372
流れ場の計算から求められたVを基準に気相速度Vを求める。尚、式(71)において、右辺第1項は、スリップ速度Vの気泡と液体の間に働く力、すなわち、気液間抗力を表すものである。気液間抗力は、抗力係数C、気泡前面投影面積πR、及び、スリップ速度の動圧ρ(|V|V)/2の積である。また、式(71)の右辺第2項は、圧力勾配中に存在する気泡が受ける力で、いわゆる浮力にあたるものである。
7.液体の圧力計算と気泡の半径計算のカップリング
その計算点においてあらゆる階級に気泡の存在しない純液体領域(液体体積率α=1)の温度T、圧力Pは流れ場の計算から求められた密度ρ、内部エネルギーeSLを用いて、式(72)、式(73)から一義に定まる。
Figure 0004370372
一方、気相の存在する2相領域の温度Tは液相部分の各保存量αρ,αρ,αρν,αρより内部エネルギーeSL=e−0.5(u +ν )が求まるので式(72)を用いて定まる。しかし、圧力Pは液体体積率αが定まらないと密度ρが定まらず、加えて液体体積率α自身が圧力Pの関数となっており収束計算を必要とする。以下に圧力Pと液体体積率αの収束計算ループの過程について記す。この液体圧力計算のフローチャートを図11に示す。はじめに仮の液体圧力PL_temporaryを設定する。本計算ではPL_temporary=0を初期値とし、徐々にPL_temporaryを大きくして行き、収束したPL_temporaryを圧力Pとする。
ここで、仮の液体圧力PL_temporaryに対する液体体積率αを求める手順を示す。液体圧力PL_temporaryに平衡する気泡半径Rを求める。この気泡半径Rも新規気泡発生、蒸発・凝縮、消滅などの現象が複雑に絡み合っているため収束計算を必要とする。この気泡半径計算のフローチャートを図12に示す。気泡半径Rを求める小ループでは着目しているコントロールボリューム全てが階級kの気泡で占められた場合の気泡半径Rの最大値Rmax,kを初期値として徐々にRを減少させて収束させる。各階級ごとの気泡数密度nG,k,気泡質量mG,kと求める。この計算には液体圧力PL_temporaryと液体飽和圧力Psat(T)とから求められる新規気泡発生の効果、液体温度Tと気泡温度TG,kから求められる蒸発・凝縮量の効果、気泡温度TG,kが臨界温度T以上、つまり、超臨界状態になったとき気泡が液体に溶解する効果を陰的に含んでいる。次に既存の気泡では、一般に次式(74)で表されるレイリープレセット式(Rayleigh Plesset Equation)が適用されることが知られている。
Figure 0004370372
発生直後や崩壊直前の小さな気泡には、界面半径方向の慣性力の効果が大きいため右辺第4〜6項の時間微分項の効果が大きいが、大きな気泡では界面の半径方向の慣性力の効果が相対的に小さくなるため右辺第4〜6項の時間微分項の効果が小さくなる。そこで、1タイムステップ前の気泡半径Rold,k、2タイムステップ前の気泡半径Roldold,kとするとき、Rold,kが一定の気泡径R以下(実際の計算ではR=1μm)では、時間について離散化した次式(75)に示すように時間微分項を1−Rold,k/R倍して気泡圧力PG,kを計算し、一定の気泡径R以上では次式(75)に示すように時間微分項を無視して気泡圧力PG,kを計算する。
Figure 0004370372
この取り扱いにより計算負荷を低減しつつ、気泡径R前後で連続的に時間微分項の効果を導入できるようになった。
さらに既存気泡のない計算セルに新規に気泡が発生した場合にはスリップが無視できるので、次式(76)を用いて気泡圧力PG,kを計算する。
Figure 0004370372
これらの気泡圧力PG,kに対応する気泡温度TG,k、気泡密度ρG,kが飽和条件より求められる。
Figure 0004370372
ここで求められたρG,kを用いて、先ほど求めた気泡数密度nG,k、気泡質量mG,kが次式(79)を満たすまで、気泡半径Rを求める小ループを繰り返す。
Figure 0004370372
よって、階級kのボイド率αG,kは次式(80)と表せる。
Figure 0004370372
次に液体温度T,仮の液体圧力PL_temporaryに対して求めた階級kのボイド率αG,kを用いて真の液体圧力Pを求める過程を示す。仮の液体圧力PL_temporaryに対する液体体積率αL_temporaryと液体密度ρL_temporaryとが、既知の保存量αρとの関係が式(83)となるまで、液体圧力PL_temporaryを求めるループを繰り返す。
Figure 0004370372
Figure 0004370372
Figure 0004370372
以上のような繰り返し計算をしているとある階級kの気泡が消滅することがある。そのときの体積あたりの気泡質量はmG,kなので各保存式より、次式(84)〜(87)となる。
Figure 0004370372
この過程を液体圧力PL_temporaryを求めるループ中の最後に行う。
8.時間刻み
時間刻みは移流項に対してCFL条件を満たす必要がある。また、圧力勾配による加速項、stiffな生成項と粘性項に対する時間制限も満足しなくてはならない。ここで、stiffな生成項とは、計算を硬直化させる大きな生成項である。すなわち、生成項、即ち式(1)のSが大きく、かつ、時間刻みが大きい場合、計算が不安定となる。このことを防ぐために、時間刻みを小さくする必要があり、計算を硬直化(stiffness)させる。このような生成項をstiffな生成項である。
Figure 0004370372
ここで,ALx,AGx,ALy,AGyは、各相各方向の圧力勾配項、粘性項および生成項などの時間微分値である。
Figure 0004370372
ここでDimは次元数。1次元ならDim=1,2次元ならDim=2、3次元ならDim=3となる。
次に、本発明を適用した解析装置1を用いたキャビテーション解析の全体の計算手順について説明する。表7に、以下で用いられる計算条件を示す。尚、本条件は、Simoneau and Hendricksの実験条件と同一とした。
Figure 0004370372
まず、図10に示すように、ステップS1〜ステップS2の流れ場の計算について説明する。ステップS1−1では、計算対象の格子を図13に示すように読み込む。ここでは、図13に示すよう2次元で、流れ方向143点、高さ方向12点とした。
ステップS1−2では、初期条件を表7のように、また、境界条件を表8のように設定する。本解析においては、表7に示すように、壁面を断熱壁として設定される。尚、本条件は、Simoneau and Hendricksの実験条件と同一とした。
Figure 0004370372
ステップS2−1では、液体温度、気泡平均温度、液体体積率、ボイド率から上述の式(35)を用いて、2相平均音速cを計算した。
ステップS2−2では、式(1)を用いて、液体の各方向速度より粘性応力項Fを計算する。
ステップS2−3では、式(1)の各基礎式の空間移流成分の各計算点での時間微分値を計算し、空間移流項E,Fを算出する。尚、空間移流成分はMUSCL法(Monotonic Upstream−centered Scheme for Conservation Laws)により精度を高めたSHUS(Simple High−resolution Upwind Scheme)を利用し最大で空間3次精度を達成しつつTVD(Total Variation Diminishing)性を保った風上差分を採用することで、衝撃波等の不連続面も安定的に扱うことが可能となった。
ステップS2−4では、式(71)に示すように、液体の各方向成分、気泡半径Rから、気液間抗力及び各階級の気泡と液相のスリップ速度Vを計算する。ここで、液体の各方向成分とは、スリップ速度V=(u,v)、気相速度V=(u,v)、液層速度V=(u,v)である。また、x方向成分は、u,u,uであり、y方向成分は、v,v,vである。尚、スリップ速度、すなわち、空間微分∇V,∇Vの計算には、風上1次精度の差分法を用いた。
ステップS2−5では、式(1)に示すように、上述のステップS2−2〜S2−4で算出した、粘性応力項F、空間移流項E,F、気液間抗力を用いて液体保存量(液相部質量、X方向成分運動量、Y方向成分運動量及び全エネルギー量)及び各階級の気泡の時間微分値を計算する。
ステップS2−6では、式(88)〜(91)に示すように、上述のステップ7の結果からCFL(Courant Friedrich Lewy)条件を満たす時間刻みを決定する。
ステップS2−7では、ステップS2−5で算出した液体保存量及び各階級の気泡の時間微分値とステップS2−6で算出した時間刻みを用いて、時間進行させ、7つの保存量を計算する。すなわち、液体の保存量である単位体積当たりの液相部質量αρ、X方向成分運動量αρ、Y方向成分運動量αρν及び全エネルギーαρ、並びに、気泡数密度関数NGwから式(57)、式(58)で求められる各階級の仮の気泡保存量である各階級の仮の気泡数密度nG,k及び気泡質量mG,kが算出されると共に気泡の発生からの経過時間telapse,kが決定する。
次に、図11に示すように、ステップS3〜ステップS7の上述のステップS2で算出した7つの保存量を用いて液体圧力および体積率を繰り返し計算する方法について説明する。ここでは、気泡の成長・収縮計算と液体の圧力・温度計算の計算安定性を高めるため両者をカップリングして繰り返し計算、いわゆる陰的計算を行う。
ステップS3では、繰り返し計算の初期値として、液体圧力PL_temporaryを適当に仮定する。
ステップS4では、式(72)を用いて、単位体積当たりの液相部質量αρ、X方向成分運動量αρ、Y方向成分運動量αρν及び全エネルギーαρから液体の内部エネルギーeSLを求め、この値と物性値から液体温度Tを算出する。
ステップS5では、ステップS2−7で算出した7つの保存量と、ステップS3で仮定した液体圧力PL_temporaryと、ステップS4で算出した液体温度Tとを用いて気泡半径の繰り返し計算を行い、各階級のボイド率αG,kを算出すると共に、各階級の気泡数密度nG,k及び気泡質量mG,kを補正する。
ステップS6では、式(84)〜(87)に示すように、後述するステップ5−1で算出した新規気泡発生量並びにステップS5−6で算出された蒸発量・凝縮量Γ及び気泡崩壊量により液体保存量(単位体積当たりの液相部質量αρ、X方向成分運動量αρ、Y方向成分運動量αρν及び全エネルギーαρ)を補正する。
ステップS7では、まず、式(82)に示すように、ステップS3で仮定した液体圧力PL_temporaryと、ステップS4で算出された液体温度Tから仮の液体密度ρL_temporaryを算出する。次に、ステップS5で算出した階級kのボイド率αG,kから式(81)を用いて液体体積率αL_temporaryを算出する。そして、この仮の液体密度ρL_temporaryと液体体積率αL_temporaryとから計算される仮の液体保存量αL_temporaryρL_temporaryと液体保存量αρとが式(83)で示される関係を満たすかどうかを比較して確かめる。
尚、ステップS3で仮定した液体圧力PL_temporaryと、ステップS4で算出された液体温度Tから仮の液体密度ρL_temporaryを算出すると共に、ステップS5で算出した階級kのボイド率αG,kから液体体積率αL_temporaryを算出し、この液体体積率αL_temporaryと仮の液体保存量αρとから算出される液体密度ρとを比較してもよい。
ステップS5により算出されるαL_temporaryρL_temporaryとステップS2−7で算出した仮の液体保存量αρが異なる場合は、ステップS3に戻り、液体圧力PL_temporaryを再度仮定して、繰り返し計算を行う。1又は複数回ステップS3〜S7を繰り返した後に、ステップS7で算出されるαL_temporaryρL_temporaryとステップS2−7で算出した液体保存量αρが等しくなったときに、この繰り返し計算は終了し、このときの液体圧力Pが収束値となる。
ここで、図12を用いて、ステップS5で、上述のステップS2で算出した7つの保存量と、ステップS3で仮定した液体圧力PL_temporaryと、ステップS4で算出した液体温度Tとを用いて気泡半径の繰り返し計算を行い、液体の体積率を計算する方法について更に詳しく説明する。ここでは、気泡の成長・収縮計算から液体ボイド率を求める方法を説明する。
すなわち、ステップS5−1では、式(41)〜(42)に示すように、ステップS3で仮定した液体圧力PL_temporaryと、ステップS4で算出した液体温度Tとを用いて過飽和度、新規発生する新規気泡半径、新規気泡数密度Π、新規気泡質量Λを計算する。ここで、算出された新規発生した気泡は一番小さな気泡質量階級に属するので、式(43)〜(44)に示すように最小階級の気泡数密度nG,k、気泡質量mG,kの値に加算される。尚、新規気泡数密度は、式(37)に示すように、過飽和度である(P−P)を用いて算出する。ここで、式(77)の関係、及び、新規発生気泡においてはT=Tであることを仮定していることから、P−P=P(T)−Pとすることができ、過飽和度(液体過熱度)を圧力表記により間接的に表記したものである。また、新規気泡質量は、新規気泡数密度及び新規気泡半径を用いて算出する。
ステップS5−2では、各階級の既存の気泡半径Rを繰り返し計算の初期値として仮定する。
ステップS5−3では、式(75)〜(76)に示すように、液体圧力PL_temporaryと液体保存量を用いて、気泡界面の運動方程式から各階級の気泡圧力PG,kを計算する。気泡圧力は、式(74)で表せるレイリープレセット式(Rayleigh Plesset Equation)が適用されることが知られている。一般に、発生直後及び崩壊直前の小さな気泡(1μm以下)には、界面半径方向の慣性力の効果が大きいため右辺第4〜6項の時間微分項の効果が大きいが、比較的大きな気泡(1μm以上)では界面の半径方向の慣性力の効果が相対的に小さくなるため右辺第4〜6項の時間微分項の効果が小さくなる。そこで気泡径に応じて右辺第4〜6項の時間微分項に重み付けをした式(75)を用いる。新規発生時には気泡と液体のスリップが無視できるのでスリップ項を無視した式(76)を用いる。
ステップS5−4では、式(77)、(78)に示すように、ステップS5−3で算出した気泡圧力PG,kを用いて、飽和条件から各階級の気泡温度TG,k、気泡密度ρG,kを計算する。
ステップS5−5では、ステップS3で仮定した液体圧力PL_temporary、ステップS4で算出した液体温度T、ステップS5−1で算出した気泡数密度nG,k、気泡質量mG,k、ステップS5−3で算出した気泡圧力PG,k、ステップS5−4で算出した気泡温度TG,k、気泡密度ρG,kを用いて、式(57)〜式(70)に示すように、各階級内の気泡数密度分布を仮定する。すなわち、ここでは、階級の境界値と、流れ場および階級相互の計算から求められる気泡数密度nG,kと体積当たりの気泡質量mG,kを満たすように、階級内で1次関数を用いた気泡数密度の分布を算出する。
気泡数密度の分布を算出するには、まず、式(59)に示すように、階級k内の気泡1つあたりの平均気泡質量m1,kを算出する。次に、この平均気泡質量m1,kと、階級kに隣接する質量の軽い側の階級との境界での質量値wlight,kと、階級kに隣接する質量の重い側の階級との境界での質量値wheavy,kとに基づいて、式(65)〜(67)に示すように、最小階級用の分布1型11、中間階級用の分布2型12、最大階級用の分布3型13に分類する。分類された各階級の境界値NGW及び端点W,Wは、式(68)〜(70)により算出される。各階級内の気泡数密度分布は、例えば図9に示すように、この境界値及び端点から1次関数分布が得られる。各々の分布の1次式より階級の境界での気泡数密度がより厳密に計算できる。
階級内で1次関数を用いた気泡数密度の分布を仮定できることは、数値計算上大きな効果を有する。例えば、階級内の気泡が有る程度成長しないとそれより大きな階級に気泡が全く移動しないので、最大階級の分布3型においては、重い側の境界において数密度の質量微分NGw(wheavy,k)=0である。このように不要な数値拡散を抑制することができ、計算精度を向上させることができる。
ステップS5−6では、階級境界での蒸発量・凝縮量を計算する。階級内での蒸発・凝縮量Γは、式(62)の中辺2第2項と右辺第2項の関係で示されるように気泡1つあたりの蒸発・凝縮量γと気泡数密度関数NGwの積のwに関する積分により算出される。
ステップS5−7では、この各階級の気泡1個あたりの蒸発量γと階級内の蒸発・凝縮量Γから、式(61)〜(62)により、階級ごとの気泡数密度nG,kと気泡質量mG,kが変更(修正)される。気泡数密度nG,kと気泡質量mG,kから、式(79)に示すように、気泡1個あたりの体積を算出し、気泡半径R’を求める。
これらの計算により気泡質量、および、液体密度、各方向液体運動量、全液体エネルギーに変化が生じる。さらに気泡質量が0となった場合には気泡が消滅する。これにより、再度、気泡数密度、気泡質量に変化が生じる。
ステップS5−8では、ステップS5−7で算出された気泡半径R’とステップS5−2で仮定した気泡半径Rを比較する。図12に示すように、ステップS5−7で算出された気泡半径R’とステップS5−2で仮定した気泡半径Rとが等しくならない場合は、ステップS5−2に戻り、気泡半径を再度仮定して、繰り返し計算を行う。
1又は複数回ステップS5−2〜ステップS5−7を繰り返した後に、ステップS5−7で算出された気泡半径R’とステップS5−2で仮定した気泡半径Rが等しくなったときに、この繰り返し計算は終了し、この気泡半径Rが収束値となる。
ステップS5−9では、式(80)に示すように、この気泡半径Rから各階級のボイド率αG,kを算出する。
以上のように、本発明を適用した解析装置1は、仮に決定された液相部分の保存量を満たすように、新規発生・消滅気泡数、気泡の蒸発・凝縮量等を考慮した繰り返し計算により、各計算点での圧力、温度、液体各方向運動量、各階級ごとのボイド率、気泡数密度、気泡質量、及び、発生からの経過時間を決定することができる。
ステップS8では、図10に示すように、S2〜S7において算出された各計算値の境界値をS1−2で設定した表8の境界条件により補正、すなわち、再設定する。設定される境界条件は、流入境界、流出境界及び壁面境界の条件である。
流入境界では、温度は一定とし、液単相であるサブクール流入とした。サブクール流入とは、液体温度が飽和温度(沸点)より低い状態で流入することを表すことを意味する。キャビテーションは圧力が下がることにより飽和温度が下がり、飽和温度が液体温度(一定)より低くなることで沸騰し気泡が発生する現象である。そのため、サブクールの状態では、一般的に気泡が発生せず、気泡の存在しない液単相の状態になる。流入境界の速度は、勾配0で外挿し、1点内側の計算格子点の速度と等しくする。ここで外挿とは、内挿の反対のことを意味する。内挿とはある点を挟む2点の値から、その内側にある任意の点を類推することであり、すなわち、外挿とはある点に隣接する2点から、その外側にある任意の点を類推することである。ここで算出する境界点は、計算点の外側に存在するために外挿によりこの値を算出する。全圧Pが一定となるように、流入境界の圧力Pは、P=P−0.5Vと設定される。
流出境界では、温度、速度、気泡諸量ともに勾配0で外挿し、1点内側の計算格子点の温度、速度、気泡諸量と等しく設定される。流出境界上の速度がその点での音速よりも小さい亜音速流出の場合は、流出境界上の出口圧力を一定にした。一方、流出境界上の速度がその点での音速よりも大きい超音速流出の場合は、流出境界上の出口圧力は、勾配0で外挿し1点内側の計算格子点の圧力と等しく設定される。
壁面境界では、壁面に流体及び気泡が流入しないことから、圧力、気泡諸量は勾配0で外挿し1点内側の計算格子点の圧力、気泡諸量と等しくし、速度は壁面上で静止されるようにした。壁面から熱が流入しない断熱壁の場合には、壁面上の温度勾配が0とされ外挿し、1点内側の計算格子点の温度と等しくされ、壁面温度が一定の等温壁の場合は、壁面上の温度を壁温度で一定とされる。
このステップS8では、壁面近傍における数値等が現実的な値からかけ離れた値となることを防止し、この境界条件により調整することで、よりキャビテーション現象を正確に再現することができる。ここで一定値を取る境界条件は「ディリクレ条件」を意味するものである。また、勾配一定値を取る条件は「ノイマン条件」を意味するものである。
ステップS9では、図10に示すように、あらかじめ設定された出力条件を満たさなかった場合、若しくは、ユーザ等が手動により出力しないことを決定した場合に、ステップ3に戻り再計算を行うことができる。ここで、あらかじめ設定される出力条件には、例えば、一定時間おきに出力をすることがある。この場合、指定された一定タイムステップに達していないときは、ステップ3に戻り再計算を行う。このとき、計算結果を旧時間のデータとしてメモリに保存し、次の計算を行うことができる。また、あらかじめ設定された出力条件を満たした場合、若しくは、ユーザー等が手動により出力を決定した場合に、計算結果を出力することができる。このとき、指定された割合で画像や保存データを出力することができる。計算結果は、例えば、図14に示すように、圧力、マッハ数、温度、ボイド率、気泡半径(階級1)及び気泡半径(階級2)を、数値の大きさを色の分布で示すことができるとともに、図15に示すように、壁面上圧力分布を線図上に得ることができる。図14において、面塗りは液体圧力,マッハ数,液体温度,ボイド率,階級1と階級2の気泡半径を示す.図15において、線図は壁面上圧力分布の計算結果を示し、白丸はSimoneau and Hendricksが行った壁面上圧力分布の実験結果である。図14、図15の結果により、本解析装置1において、キャビテーション現象が再現されていることが分かる。
ステップS10では、あらかじめ設定された終了条件を満たさなかった場合、若しくは、ユーザー等が手動により終了しないことを決定した場合に、ステップ3に戻り再計算を行うことができる。また、あらかじめ設定された終了条件を満たした場合、若しくは、ユーザー等が手動により終了する決定した場合に、解析装置1による解析を終了する。尚、ここで終了条件としては、非定常計算における、指定した時間または、指定したタイムステップまで計算することを設定することができ、さらに、定常計算における、定常状態になるまで計算することを設定することができる。この終了条件を設定自在としたことにより、様々な用途の解析に用いることができる。
本発明を適用した解析装置1は、気泡密度分布を考慮することにより、数値拡散を防ぐことができたので、従来の解析装置の計算プログラムにおいて気泡の隣接階級の間隔比を1のみでしか行われていなかった計算を、気泡の隣接階級の間隔比を2.15(101/3)程度まで高めても計算を行えるようになった。このことにより、本発明は、例えば、1ng〜100ngの気泡を同時に扱う場合、従来では、100階級以上の階級を必要であったのに対し、本解析装置では、6階級で計算することができるようになった。
また、本発明を適用した解析装置1は、気泡の成長・収縮計算と液体の圧力・温度計算をカップリングして繰り返し計算を行うことにより、時間刻みが極端に小さくなる現象を回避できたので、従来の解析装置における計算プログラムにおいてキャビテーション気泡無し流れで10−8(s)程度の時間刻みで計算可能であった流れ場において、気泡が成長してくると10−12(s)以下の時間刻みが必要であるのに対し、本解析装置では、キャビテーション気泡の有無に拘わらず10−8(s)程度の時間刻みで安定的に計算できるようになった。
上述のように、本発明は、各階級内の気泡数密度分布を考慮することにより、数値拡散を防ぐことができ、気泡の蒸発・凝縮計算の精度を高めることができるとともに、階級間隔を不等間隔にした場合の計算安定性を高めることができる。よって、本発明は、精度及び安定性の高いキャビテーション解析を可能とするものであり、汎用性を高めることを可能とする。
また、本発明によれば、気泡の成長・収縮計算と流体の圧力・温度計算とを組合せ、繰り返し計算を行うことにより、時間刻みを大きく取ることができ、キャビテーション解析の計算安定性を増すことができ、よって、計算負荷を低減することが可能となる。
尚、上述した解析装置は、2次元計算を行うものであるが、本発明は、3次元計算を行うこともできる。
本発明を適用したキャビテーション解析方法、キャビテーション解析プログラム、プログラム記録媒体及び解析装置は、ロケットエンジン等に用いられる液体酸素、液体水素用のポンプ及びLPG等の液体メタンに用いられるポンプのキャビテーション解析に用いることができるのみならず、液体窒素、液体酸素、液体水素及び液体メタン等の各種低温流体中に発生するキャビテーション解析に用いることができる。
本発明を適用した解析装置の構成を示す図である。 本発明を適用した解析装置により得られるボイド率と音速の関係を示す図である。 壁面近傍に発生する新規気泡の壁面の面積と計算空間との関係を示す図である。 図3に示すj=2のセルにおけるボイド率を説明する図である。 図3に示すj=1のセルにおけるボイド率を説明する図である。 壁面近傍に発生する新規気泡のボイド率の与え方を説明するための図である。 気泡数密度の確率密度関数の気泡1つあたりの質量に対する分布を示す図である。 従来技術で用いられる各階級の気泡の気泡数密度分布を示す図である。 本発明を適用した解析装置により算出される各階級の気泡の数密度分布を示す図である。 本発明を適用した解析装置のフローチャートである。 本発明を適用した解析装置の液体圧力計算のフローチャートである。 本発明を適用した解析装置の気泡半径計算のフローチャートである。 本発明を適用した解析装置により解析されるノズル形状を示す図である。 本発明を適用した解析装置により得られる計算結果の一例を示す図である。 本発明を適用した解析装置により得られる壁面上圧力分布の計算結果の一例を示す図である。
符号の説明
1 解析装置、2 入力部、3 演算部、4 メモリ、5 表示部、6 出力部、7 記憶部

Claims (4)

  1. 少なくとも、流体中に発生するキャビテーションを球形気泡からなる気泡群として取り扱い、気泡をその質量により階級分けし、階級ごとに気泡の挙動を解析するキャビテーション解析方法において、
    ある階級kにおける気泡数密度nG,k、単位体積当たりの気泡質量mG,kに基づいて式(1)により本階級の平均気泡質量m1,kを算出し、隣接する階級との軽い側の境界における気泡質量の値wlight,k、隣接する階級との重い側の境界における気泡質量の値wheavy,kを用いて、式(2)〜式(4)により本階級を分布1型、分布2型又は分布3型に分類し、上記分布1型、分布2型、及び分布3型に分類された本階級の軽い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wlight,k)、重い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wheavy,k)、軽い側の端点w及び重い側の端点wの値を式(5)〜(7)により算出するキャビテーション解析方法。
    Figure 0004370372
  2. 少なくとも、所定のステップをコンピュータによって実行可能とし、流体中に発生するキャビテーションを球形気泡からなる気泡群として取り扱い、気泡をその質量により階級分けし、階級ごとに気泡の挙動を解析するキャビテーション解析プログラムにおいて、
    上記所定のステップは、
    ある階級kにおける気泡数密度nG,k、単位体積当たりの気泡質量mG,kに基づいて式(1)により本階級の平均気泡質量m1,kを算出し、隣接する階級との軽い側の境界における気泡質量の値wlight,k、隣接する階級との重い側の境界における気泡質量の値wheavy,kを用いて、式(2)〜式(4)により本階級を分布1型、分布2型又は分布3型に分類し、上記分布1型、分布2型、及び分布3型に分類された本階級の軽い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wlight,k)、重い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wheavy,k)、軽い側の端点w及び重い側の端点wの値を式(5)〜(7)により算出するステップであるキャビテーション解析プログラム。
    Figure 0004370372
  3. 少なくとも、所定のステップを有し、流体中に発生するキャビテーションを球形気泡からなる気泡群として取り扱い、気泡をその質量により階級分けし、階級ごとに気泡の挙動を解析するコンピュータによって読み取り可能にプログラムを記憶したプログラム記録媒体において、
    上記所定のステップは、
    ある階級kにおける気泡数密度nG,k、単位体積当たりの気泡質量mG,kに基づいて式(1)により本階級の平均気泡質量m1,kを算出し、隣接する階級との軽い側の境界における気泡質量の値wlight,k、隣接する階級との重い側の境界における気泡質量の値wheavy,kを用いて、式(2)〜式(4)により本階級を分布1型、分布2型又は分布3型に分類し、上記分布1型、分布2型、及び分布3型に分類された本階級の軽い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wlight,k)、重い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wheavy,k)、軽い側の端点w及び重い側の端点wの値を式(5)〜(7)により算出するステップであるプログラム記録媒体。
    Figure 0004370372
  4. 少なくとも、所定のステップをコンピュータによって実行可能とし、流体中に発生するキャビテーションを球形気泡からなる気泡群として取り扱い、気泡をその質量により階級分けし、階級ごとに気泡の挙動を解析するキャビテーション解析プログラムを記憶した記録部と、
    上記記録部から上記解析プログラムを読み出して解析処理を実行する演算部とを備える解析装置において、
    上記所定のステップは、
    ある階級kにおける気泡数密度nG,k、単位体積当たりの気泡質量mG,kに基づいて式(1)により本階級の平均気泡質量m1,kを算出し、隣接する階級との軽い側の境界における気泡質量の値wlight,k、隣接する階級との重い側の境界における気泡質量の値wheavy,kを用いて、式(2)〜式(4)により本階級を分布1型、分布2型又は分布3型に分類し、上記分布1型、分布2型、及び分布3型に分類された本階級の軽い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wlight,k)、重い側の境界の単位体積当たりの気泡数密度の確率密度関数NGw(wheavy,k)、軽い側の端点w及び重い側の端点wの値を式(5)〜(7)により算出するステップである解析装置。
    Figure 0004370372
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