JP2008254638A - 車両用加湿装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車室内の乗員の快適性を向上させる。
【解決手段】車両用加湿装置10によれば、車室内の乗員Pが装着している眼鏡Gが曇りそうな状態では乗員Pに対する加湿空気の送風が停止される。また、空調装置48の作動状態が、車室内の花粉を除去するための花粉除去モード、車室内の空気を清浄するためのエアピュリファイアモード、車室内をクールダウンさせるためのクールダウンモードの少なくともいずれかとされている場合には乗員Pに対する加湿空気の送風が停止される。この結果、車室内の乗員Pの快適性を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用加湿装置に係り、特に、車室内の乗員に向けて加湿空気を送風可能な車両用加湿装置に関する。
従来、この種の車両用加湿装置としては、次のものがある(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、車両用空気調和装置の例が開示されている。この車両用空気調和装置では、無駄な加湿を抑えるために、加湿空気を吹出するための吹出口の吹出方向が乗員に向けられたときのみ加湿手段が作動するように構成されている。
特開平6−72141号公報 特許平4−303016号公報
しかしながら、特許文献1に記載の例では、無駄な加湿を抑えるために加湿手段の作動が制御されるように構成されているが、車室内の乗員の快適性を向上させるためには改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車室内の乗員の快適性を向上させることが可能な車両用加湿装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用加湿装置は、車室内の乗員に向けて加湿空気を送風するための加湿手段と、車室内の乗員の状態を判定するための乗員状態判定手段と、前記乗員状態判定手段による車室内の乗員の状態の判定結果に基づいて前記加湿手段を作動停止状態とするための加湿停止制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の車両用加湿装置では、乗員状態判定手段によって車室内の乗員の状態が判定され、加湿停止制御手段は、乗員状態判定手段からの判定結果に基づいて車室内の乗員の状態が加湿手段を作動停止状態とすべく要件を満たしているか否かを判断する。そして、加湿停止制御手段は、車室内状況検出手段の検出結果に基づいて車室内の乗員の状態が加湿手段を作動停止状態とすべく要件を満たしていると判断した場合には、加湿手段を作動停止状態とする。
なお、加湿手段の作動停止状態とは、例えば、加湿手段が作動しているときには加湿手段の作動が停止され、加湿手段が停止しているときには加湿手段の停止が維持されることである。以下、請求項2乃至請求項5についても同様である。
このように、請求項1に記載の車両用加湿装置によれば、車室内の乗員の状態に合った加湿制御が行われる。これにより、乗員に不快感を与えること無く、車室内の乗員の状態に合った適切な湿気を車室内の乗員に提供することができる。この結果、車室内の乗員の快適性を向上させることが可能となる。
請求項2に記載の車両用加湿装置は、請求項1に記載の車両用加湿装置において、前記乗員状態判定手段は、車室内の乗員が眼鏡を装着している場合に前記眼鏡が曇る状態であるか否かを判定し、前記加湿停止制御手段は、前記乗員状態判定手段によって車室内の乗員が装着している眼鏡が曇る状態であると判定された場合には前記加湿手段を作動停止状態とすることを特徴とする。
請求項2に記載の車両用加湿装置では、乗員状態判定手段によって車室内の乗員が装着している眼鏡が曇る状態であるか否かが判定され、加湿停止制御手段は、乗員状態判定手段からの判定結果に基づき車室内の乗員が装着している眼鏡が曇る状態であるか否かを判断する。そして、加湿停止制御手段は、乗員状態判定手段の判定結果に基づいて車室内の乗員が装着している眼鏡が曇る状態であると判断した場合には、加湿手段を作動停止状態とする。
このように、請求項2に記載の車両用加湿装置によれば、車室内の乗員が装着している眼鏡が曇る状態では乗員に対する加湿空気の送風が停止された状態とされる。この結果、眼鏡の曇りを防止して車室内の乗員の視界を確保しつつ、乗員の快適性を向上させることが可能となる。
請求項3に記載の車両用加湿装置は、請求項2に記載の車両用加湿装置において、乗員に向けて除湿空気を送風するための除湿手段と、前記乗員状態判定手段によって車室内の乗員が装着している眼鏡が曇る状態であると判定された場合に前記除湿手段を作動させるための除湿作動制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の車両用加湿装置では、乗員に向けて除湿空気を送風するための除湿手段が備えられている。そして、除湿作動制御手段は、上述の乗員状態判定手段の判定結果に基づいて車室内の乗員が装着している眼鏡が曇る状態であると判断した場合には、除湿手段を作動させる。
このように、請求項3に記載の車両用加湿装置によれば、車室内の乗員が装着している眼鏡が曇る状態では除湿手段が作動し、乗員に除湿空気が送風される。この結果、眼鏡の曇る状態を迅速に解消して車室内の乗員の視界を確実に確保することが可能となる。
また、前記課題を解決するために、請求項4に記載の車両用加湿装置は、車室内の乗員に向けて加湿空気を送風するための加湿手段と、車室内を空調する空調装置の作動状態を検出するための空調状態検出手段と、前記空調状態検出手段によって検出された前記空調装置の作動状態に基づいて前記加湿手段を作動停止状態とするための加湿停止制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の車両用加湿装置では、空調状態検出手段によって車室内を空調する空調装置の作動状態が検出され、加湿停止制御手段は、空調状態検出手段からの検出結果に基づいて空調装置の作動状態が加湿手段を作動停止状態とすべく要件を満たしているか否かを判断する。そして、加湿停止制御手段は、空調装置の作動状態が加湿手段を作動停止状態とすべく要件を満たしていると判断した場合には、加湿手段を作動停止状態とする。
このように、請求項4に記載の車両用加湿装置によれば、車室内を空調する空調装置の作動状態に合った加湿制御が行われる。これにより、乗員に不快感を与えること無く、空調装置の作動状態に合った適切な湿気を車室内の乗員に提供することができる。この結果、車室内の乗員の快適性を向上させることが可能となる。
請求項5に記載の車両用加湿装置は、請求項4に記載の車両用加湿装置において、前記空調状態検出手段が検出すべき前記空調装置の作動状態は、車室内の花粉を除去するための花粉除去モード、車室内の空気を清浄するためのエアピュリファイアモード、車室内をクールダウンさせるためのクールダウンモードの少なくともいずれかとされていることを特徴とする。
請求項5に記載の車両用加湿装置では、空調状態検出手段によって車室内を空調する空調装置の作動状態、すなわち、車室内の花粉を除去するための花粉除去モード、車室内の空気を清浄するためのエアピュリファイアモード、車室内をクールダウンさせるためのクールダウンモードの少なくともいずれかとされているかが検出され、加湿停止制御手段は、空調状態検出手段からの検出結果に基づいて空調装置の作動状態が花粉除去モード、エアピュリファイアモード、クールダウンモードの少なくともいずれかとされているかを判断する。そして、加湿停止制御手段は、空調装置の作動状態が花粉除去モード、エアピュリファイアモード、クールダウンモードの少なくともいずれかとされていると判断した場合には、加湿手段を作動停止状態とする。
このように、請求項5に記載の車両用加湿装置によれば、車室内を空調する空調装置の花粉除去モード、エアピュリファイアモード、クールダウンモードの各作動状態に合った加湿制御が行われる。これにより、車室内の乗員により一層快適な車室内空間を提供することが可能となる。
以上詳述したように、本発明によれば、車室内の乗員の快適性を向上させることが可能となる。
はじめに、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10の構成について説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10が適用された車両12の側面図が示されており、図2には、この車両用加湿装置10に設けられた除加湿ユニット14の構成が示されている。なお、図1において示される矢印Fr、矢印Upは、それぞれ車両前後方向前側、車両上下方向上側を示している。
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10は、例えば、乗用自動車等の車両12に好適に搭載されるものである。この車両用加湿装置10は、除加湿ユニット14(加湿手段及び除湿手段)と、操作パネル16と、カメラ17と、制御ユニット18と、を主要な構成として備えている。
除加湿ユニット14は、図1に示されるように、車両前後方向に延在するように構成されており、前席の乗員Pの頭上に位置する車室内の天井部20に設置されている。この除加湿ユニット14には、車両前後方向両端側に互いに反対側を向く壁面14A,14Bが形成されており、この各壁面14A,14Bには、吸入口22及び第一吹出口24がそれぞれ設けられている。また、この除加湿ユニット14には、吸入口22と第一吹出口24との中間部で乗員Pの頭上に位置する部位に第二吹出口26が設けられている。
吸入口22は、除加湿ユニット14に対し車室内の車両前後方向後方側に位置する領域30の空気を除加湿ユニット14の内部に吸入するように配置構成されており、第一吹出口24は、後述する如く除加湿ユニット14の内部で生成された除湿空気を除加湿ユニット14に対し車室内の車両前後方向前方側に位置するフロントウィンドウ32に向けて吹出するように配置構成されている。
なお、吸入口22は、より詳細には、乗員Pから発生する水分を効率良く吸入するため乗員Pにやや向けて配置され、且つ、第一吹出口24からフロントウィンドウ32に向けて吹出された除湿空気を吸入しないように配置構成されている。
第二吹出口26は、後述する如く除加湿ユニット14の内部で生成された加湿空気又は除湿空気を乗員Pの顔周りに向けて吹出するように配置構成されている。なお、第二吹出口26には、図示しないノズルが一体に設けられており、後述する如く除加湿ユニット14の内部で生成された加湿空気又は除湿空気を乗員Pの顔周りに局所的にスポット噴射できるように構成されている。
また、この除加湿ユニット14には、図2に示されるように、その内部に加湿空気及び除湿空気を生成するための構成として、一対のブロワ36A,36Bと、一対の吸着材38A,38Bと、一対のヒータ40A,40Bと、切替ダンパ42と、が備えられている。
一対のブロワ36A,36Bは、上述の吸入口22と一対の吸着材38A,38Bとの間に配置されている。この一対のブロワ36A,36Bは、作動時には車室内の空気を吸入口22を介して吸入し、且つ、この吸入した空気を一対の吸着材38A,38Bを経由させて各吹出口24,26から吹出させるように構成されている。
一対の吸着材38A,38Bは、この吸着材38A,38Bを通過する空気中の水分を吸着する一方で、後述するヒータ40A,40Bにより加熱されたときには吸着した水分を放出(離脱)することができるように構成されている。この一対の吸着材38A,38Bには、例えば、ゼオライトやシリカゲル等の水分吸着性を有する材料が使用されている。
一対のヒータ40A,40Bは、上述の一対の吸着材38A,38Bのそれぞれの裏面に一体に設けられており、作動時には各吸着材38A,38Bの全体を加熱することができるように構成されている。
切替ダンパ42は、一対の吸着材38A,38Bと各吹出口24,26との間に配置されている。この切替ダンパ42は、後に詳述するように、一対の吸着材38A,38Bと、第一吹出口24及び第二吹出口26との連通流路を切り替えることができるように構成されている。
操作パネル16は、図1に示されるように、車室内に設けられたインストルメントパネル44上に設けられている。この操作パネル16には、起動スイッチ46が設けられている。また、操作パネル16は、起動スイッチ46の操作に応じて制御ユニット18に起動信号を出力するように構成されている。
カメラ17は、前席の乗員Pの頭上に位置する車室内の天井部20に設置されている。このカメラ17は、車室内の乗員Pの顔周り(特に眼鏡G付近)を撮影し、この撮影データを制御ユニット18に出力するように構成されている。
制御ユニット18は、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えた電気回路で構成されており、インストルメントパネル44の内部などの車両12の適宜位置に配置されている。この制御ユニット18は、上述の操作パネル16からの操作信号、カメラ17からの撮影データ、及び、インストルメントパネル44の内部に設けられた空調装置48からの動作信号に基づいて、後に詳述する如く、除加湿ユニット14のブロワ36A,36B、ヒータ40A,40B、切替ダンパ42の動作を制御する構成である。
なお、インストルメントパネル44の内部に設けられた空調装置48は、車室内の花粉を除去するための花粉除去モード、車室内の空気を清浄するためのエアピュリファイアモード、車室内をクールダウンさせるためのクールダウンモードとなってそれぞれの動作を実行するように構成されている。また、空調装置48は、これらの動作を実行しているときには、上述の制御ユニット18に各モードを示す動作信号を出力するように構成されている。
[第一の動作例]
次に、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10の第一の動作例をその作用効果と併せて説明する。
図3には、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10の第一の動作例のフローチャートが示されている。
(動作の具体的内容)
図1に示される車両用加湿装置10において、乗員Pが操作パネル16に設けられた起動スイッチ46をスイッチオンとすると、操作パネル16から起動信号が制御ユニット18に出力される。制御ユニット18は、操作パネル16からの起動信号を検出すると、図3のフローチャートで示されるプログラムの処理を開始する。
制御ユニット18は、このプログラムの処理を開始すると、先ず、カメラ17を起動させる(ステップS1)。カメラ17は、起動すると、車室内の乗員Pの顔周り(特に眼鏡G付近)を撮影し、この撮影データを制御ユニット18に出力する。
制御ユニット18は、カメラ17からの撮影データを入力する(ステップS2)と、このカメラ17からの撮影データに基づいて、乗員Pが眼鏡Gを装着しているか否かを判断する(ステップS3)。
ここで、乗員Pが操作パネル16に設けられた起動スイッチ46をスイッチオンとしたときに眼鏡Gを装着していた場合、制御ユニット18は、乗員Pが眼鏡Gを装着していると判断する(ステップS3:YES)。そして、制御ユニット18は、乗員Pの装着している眼鏡Gが曇っているか否かを判断(判定)する(ステップS5)。
このとき、制御ユニット18は、例えば、上述のステップS2の処理で入力したカメラ17からの撮影データに基づいて乗員Pが装着している眼鏡Gの曇りを検出し、乗員Pの装着している眼鏡Gが曇っているか否かを判断する。
そして、制御ユニット18は、乗員Pの装着している眼鏡Gが曇っていると判断した場合(ステップS5:YES)には、除加湿ユニット14を作動停止状態に維持(加湿作動禁止)すると共に、除加湿ユニット14から除湿空気が送風されるべく除加湿ユニット14を次の如く作動させる(ステップS6)。
つまり、制御ユニット18は、図2に示される一対のヒータ40A,40Bの双方を停止させた状態で、一対のブロワ36A,36Bをそれぞれ作動させる。これにより、この吸着材38A,38Bを通過する空気は、それぞれ吸着材38A,38Bによって水分を吸着されて除湿空気とされる。そして、この除湿空気は、切替ダンパ42へ送出され、この切替ダンパ42によって第一吹出口24及び第二吹出口26へ案内されて、第一吹出口24からフロントウィンドウ32へ向けて吹出されると共に、第二吹出口26から乗員Pの顔周り(特に眼鏡G付近)に向けて吹出される。
これにより、フロントウィンドウ32の曇りが防止されると共に、乗員Pの眼鏡Gの曇りが解消される。また、これにより、例えば、冬場に乗員Pが眼鏡Gを装着した状態で暖かい車室内に乗り込んだ場合でも、乗員Pの装着している眼鏡Gの曇りが迅速に解消される。
続いて、制御ユニット18は、上述の如くステップS6の処理で除加湿ユニット14を除湿運転させた後に、リターンし、ステップS1の処理に戻る。そして、制御ユニット18は、上述のステップS5の処理で乗員Pの装着している眼鏡Gが曇っていないと判断するまで(乗員Pの眼鏡Gの曇りが解消されるまで)、上述のステップS1〜ステップS3、ステップS5、ステップS6の処理を繰り返し行う。
そして、制御ユニット18は、上述のステップS1〜ステップS3、ステップS5、ステップS6の処理を繰り返し行う中のステップS5の処理において、乗員Pの装着している眼鏡Gが曇っていないと判断した場合(ステップS5:NO)には、乗員Pの装着している眼鏡Gが曇りそうか否かを判断する(ステップS7)。
ここで、制御ユニット18は、乗員Pの装着している眼鏡Gが曇りそうであると判断した場合(ステップS7:YES)には、上述の除加湿ユニット14の除湿運転を継続させると共に、除加湿ユニット14の加湿作動を停止状態に維持(加湿作動禁止)する(ステップS8)。なお、この場合に、除加湿ユニット14の除湿運転を終了させても良い。
続いて、制御ユニット18は、上述の如くステップS8の処理で除加湿ユニット14の加湿作動を停止状態に維持(加湿作動禁止)した後に、リターンし、ステップS1の処理に戻る。そして、制御ユニット18は、上述のステップS7の処理で乗員Pの装着している眼鏡Gが曇りそうでないと判断するまで、上述のステップS1〜ステップS3、ステップS5、ステップS7、ステップS8の処理を繰り返し行う。
そして、制御ユニット18は、上述のステップS1〜ステップS3、ステップS5、ステップS7、ステップS8の処理を繰り返し行う中のステップS7の処理において、乗員Pの装着している眼鏡Gが曇りそうでないと判断した場合(ステップS7:NO)には、ステップS4の処理に移行して除加湿ユニット14から加湿空気が送風されるべく除加湿ユニット14を作動させる(ステップS4)。
つまり、制御ユニット18は、図2に示される切替ダンパ42を、一対の吸着材38A,38Bのうち吸着材38Aと第二吹出口26とが連通され、吸着材38Bと第一吹出口24とが連通された状態となるように切替動作させる。さらに、制御ユニット18は、一対のヒータ40A,40Bのうち一方のヒータ40Aのみを作動させ、且つ、一対のブロワ36A,36Bをそれぞれ作動させる。
これにより、図1の矢印Aで示される如く、吸入口22から車室内の空気が吸入される。そして、この吸入口22から吸入された空気は、図2に示される一対の吸着材38A,38Bのそれぞれに送出される。また、一対の吸着材38A,38Bのうち一方の吸着材38Aは、ヒータ40Aによりその全体が加熱されることで吸着していた水分を放出する。従って、この吸着材38Aを通過する空気は、吸着材38Aから放出された水分を含んだ加湿空気とされる。そして、この加湿空気は、切替ダンパ42へ送出され、この切替ダンパ42によって第二吹出口26へ案内されて、図1の矢印Bで示される如く、この第二吹出口26から乗員Pの顔周りへ向けて吹出される。
また、一対の吸着材38A,38Bのうち他方の吸着材38Bは、ヒータ40Bにより加熱されていないので、この吸着材38Bを通過する空気は、吸着材38Bによって水分を吸着されて除湿空気とされる。そして、この除湿空気は、切替ダンパ42へ送出され、この切替ダンパ42によって第一吹出口24へ案内されて、図1の矢印Cで示される如く、この第一吹出口24からフロントウィンドウ32へ向けて吹出される。
なお、除加湿ユニット14から除湿空気を吹出すると共に加湿作動を停止させれば、通常は眼鏡Gの曇り及び曇りそうな状況がすぐに解消されるので、除加湿ユニット14の除湿運転の後、短時間で乗員Pの顔周りへ向けて加湿空気が吹出される。
そして、制御ユニット18は、起動信号の検出後、一定時間経過した場合には、除加湿ユニット14を次の如く切替動作する。すなわち、制御ユニット18は、図2に示される一対のブロワ36A,36Bをそれぞれ作動させた状態で、切替ダンパ42を、一対の吸着材38A,38Bのうち吸着材38Aと第一吹出口24とが連通され、吸着材38Bと第二吹出口26とが連通された状態となるように切替動作させる。さらに、制御ユニット18は、一対のヒータ40A,40Bのうち一方のヒータ40Aを停止させ、ヒータ40Bを作動させる。
これにより、一対の吸着材38A,38Bのうち他方の吸着材38Bは、ヒータ40Bによりその全体が加熱されることで吸着していた水分を放出する。従って、この吸着材38Bを通過する空気は、吸着材38Bから放出された水分を含んだ加湿空気とされる。そして、この加湿空気は、切替ダンパ42へ送出され、この切替ダンパ42によって第二吹出口26へ案内されて、図1の矢印Bで示される如く、この第二吹出口26から乗員Pの顔周りへ向けて吹出される。
また、一対の吸着材38A,38Bのうち一方の吸着材38Aは、ヒータ40Aが停止することにより加熱されていないので、この吸着材38Aを通過する空気は、吸着材38Aによって水分を吸着されて除湿空気とされる。そして、この除湿空気は、切替ダンパ42へ送出され、この切替ダンパ42によって第一吹出口24へ案内されて、図1の矢印Cで示される如く、この第一吹出口24からフロントウィンドウ32へ向けて吹出される。
このように、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10では、上述の一対の吸着材38A,38Bによる加湿空気及び除湿空気の生成を繰り返し行うことで、加湿空気を第二吹出口26から乗員Pの顔周りへ向けて継続して吹出し、且つ、除湿空気を第一吹出口24からフロントウィンドウ32へ向けて継続して吹出する。
そして、制御ユニット18は、上述の如くステップS4の処理で除加湿ユニット14を加湿作動させた後に、リターンし、乗員Pが操作パネル16に設けられた起動スイッチ46をスイッチオフとするまで、上述のステップS1〜ステップS4の処理を繰り返し行う。
一方、これに対し、制御ユニット18は、上述のステップS1〜ステップS3、ステップS5、ステップS7、ステップS4の処理を繰り返し行う中のステップS7の処理で、乗員Pの装着している眼鏡Gが曇りそうであると判断した場合(ステップS7:YES)には、除加湿ユニット14を次の如く動作させて除加湿ユニット14の加湿作動を停止させる(ステップS8)。
つまり、制御ユニット18は、図2に示される一対のブロワ36A,36Bをそれぞれ停止させると共に、一対のヒータ40A,40Bの双方を停止状態とする。これにより、除加湿ユニット14からの加湿空気の送風が停止されて、乗員Pの眼鏡Gの曇りが防止される。
続いて、制御ユニット18は、上述の如くステップS8の処理で除加湿ユニット14を停止させた後に、リターンし、ステップS1の処理に戻る。そして、制御ユニット18は、上述のステップS7の処理で乗員Pの装着している眼鏡Gが曇りそうでないと判断するまで、上述のステップS1〜ステップS3、ステップS5、ステップS7、ステップS8の処理を繰り返し行う。
そして、制御ユニット18は、上述のステップS1〜ステップS3、ステップS5、ステップS7、ステップS8の処理を繰り返し行う中のステップS7の処理において、乗員Pの装着している眼鏡Gが曇りそうでないと判断した場合(ステップS7:NO)には、上述のステップS4の処理に移行して除加湿ユニット14から再び加湿空気が送風されるべく除加湿ユニット14を作動させる(ステップS4)。これにより、乗員Pの顔周りへ向けて再び加湿空気が吹出される。
なお、除加湿ユニット14の加湿作動を停止させれば、通常は眼鏡Gの曇りそうな状況がすぐに解消されるので、除加湿ユニット14の加湿作動の停止後、短時間で乗員Pの顔周りへ向けて再び加湿空気が吹出される。
また、上記では、乗員Pが操作パネル16に設けられた起動スイッチ46をスイッチオンとしたときには、乗員Pが眼鏡Gを装着していた場合の動作について説明したが、乗員Pが操作パネル16に設けられた起動スイッチ46をスイッチオンとしたときに眼鏡Gを装着していない場合、制御ユニット18は、次の如く動作する。
すなわち、制御ユニット18は、カメラ17からの撮影データに基づいて、乗員Pが眼鏡Gを装着していないと判断(ステップS3:NO)し、除加湿ユニット14から加湿空気が送風されるべく除加湿ユニット14を作動させる(ステップS4)。これにより、これにより、起動スイッチ46をスイッチオンとした後、直ちに乗員Pの顔周りへ向けて加湿空気が吹出される。
なお、本実施形態では、上述の制御ユニット18が行うステップS5及びステップS7の処理が、本発明に係る車室内の乗員の状態を判定するための乗員状態判定手段に相当する。また、上述の制御ユニット18が行うステップS8の処理が、本発明に係る加湿手段を作動停止状態とするための加湿停止制御手段に相当する。また、上述の制御ユニット18が行うステップS6の処理が、本発明に係る除湿手段を作動させるための除湿作動制御手段に相当する。
(作用効果)
以上詳述したように、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10によれば、車室内の乗員Pが装着している眼鏡Gが曇りそうな状態では乗員Pに対する加湿空気の送風が停止される。この結果、眼鏡Gの曇りを防止して車室内の乗員Pの視界を確保しつつ、車室内の乗員Pに適切な湿気を提供することができる。この結果、車室内の乗員Pの快適性を向上させることが可能となる。
また、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10によれば、車室内の乗員Pが装着している眼鏡Gが曇っている状態では加湿空気の送風が停止された状態とされて、乗員Pに除湿空気が送風される。この結果、眼鏡Gの曇りを迅速に解消して車室内の乗員Pの視界を確実に確保することが可能となる。
また、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10によれば、車室内の乗員Pが装着している眼鏡Gが曇りそうな状態、若しくは、車室内の乗員Pが装着している眼鏡Gが曇っている状態が解消された場合には、乗員Pの顔周りへ向けて再び加湿空気が吹出される。従って、乗員Pに対し快適な車室内空間を提供できる。また、このときには、加湿作動の停止時間、若しくは、除湿作動の運転時間が無駄に長くならないように制御されるので、乗員Pに対し多くの快適性を享受することができる。
また、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10によれば、車室内の空気を吸入するための吸入口22とフロントウィンドウ32に向けて除湿空気を吹出するための第一吹出口24が互いに車両前後方向反対側に配置され、且つ、この吸入口22が車室内の空気を吸入する領域30と第一吹出口24が除湿空気を吹出するフロントウィンドウ32も互いに車両前後方向反対側に位置する。従って、第一吹出口24から吹出された除湿空気が吸入口22から吸入されることを抑制でき、しかも、吸入口22からは乗員Pから発生された水分(例えば、一人当たり25g/時間)を含む車室内の車両前後方向後方側の領域の空気が吸入される。これにより、加湿空気を生成するために効率良く車室内の水分を利用することができる。この結果、乗員Pに確実に加湿空気を継続して供給することが可能となる。
また、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10によれば、加湿空気を車室内の乗員Pに向けて吹出するための第二吹出口26は、除加湿ユニット14における吸入口22と第一吹出口24との中間部に設けられている。従って、吸入口22からは、乗員Pから発生された水分を含む車室内の車両前後方向後方側の領域の空気に加えて、第二吹出口26から乗員Pに向けて吹出された加湿空気も吸入される。これにより、より効率良く車室内の水分を利用することが可能となる。
また、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10によれば、除加湿ユニット14には、車両前後方向両端側に互いに反対側を向く壁面14A,14Bが形成され、上述の吸入口22及び第一吹出口24は、この各壁面14A,14Bに設けられている。従って、吸入口22及び第一吹出口24が互いに反対側を向くようになり、第一吹出口24から吹出された除湿空気が吸入口22から吸入されることをより確実に抑制できる。これにより、加湿空気を生成するためにさらにより効率良く車室内の水分を利用することが可能となる。
また、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10によれば、除加湿ユニット14は、車室内の天井部20に設置されている。従って、除加湿ユニット14に設けられた第二吹出口26が乗員Pに近い位置に配置される。これにより、乗員Pの頭上に近い位置から乗員Pに向けて効率良く加湿空気を供給できるので、乗員P(特に乗員Pの顔周り)に対し確実に潤いを提供できる。また、除加湿ユニット14に設けられた第一吹出口24もフロントウィンドウ32に近い位置に配置される。従って、フロントウィンドウ32に近い位置からこのフロントウィンドウ32に向けて効率良く除湿空気を供給できるので、フロントウィンドウ32の曇りも確実に防止できる。
また、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10によれば、第二吹出口26から乗員Pの顔周りに向けて加湿空気を吹出することができるので、これにより、乗員Pの目の乾燥を低減でき、ひいては、目の疲れ、肩のコリ等を軽減できる。また、喉や鼻の粘膜が乾燥を低減でき、ウィルスやアレルゲンそのものも低減できるので、風邪の予防等に効果がある。また、顔の肌の乾燥を低減することができ、美容の効果も得ることができる。これらにより乗員Pの精神的なストレスを解消することが可能となる。
(変形例)
上記第一の動作例において、ステップS3の処理の乗員Pが眼鏡Gを装着しているか否かの判断は次のようにしても良い。
すなわち、例えば、操作パネル16にマニュアルスイッチ(眼鏡装着選択スイッチ)を設け、このマニュアルスイッチを乗員P自身が操作することにより、制御ユニット18に操作信号が出力され、この操作信号に基づいて制御ユニット18において乗員Pが眼鏡Gを装着しているか否かの判断が行われるようにしても良い。
また、事前に乗員Pの個人の情報を車両に登録しておき、この登録された個人の情報に基づいて制御ユニット18において乗員Pが眼鏡Gを装着しているか否かの判断が行われるようにしても良い。つまり、例えば、シートメモリやスマートキーの登録情報を利用し、これらの機能と連動するようにしても良い。
また、サーモグラフィーを用い、このサーモグラフィーによって乗員Pの顔周りの温度分布を検出し、この検出データから例えば眼鏡Gのフレーム部を検知することで制御ユニット18において乗員Pが眼鏡Gを装着しているか否かの判断が行われるようにしても良い。
また、上記第一の動作例において、ステップS7の処理の乗員Pの装着している眼鏡Gが曇りそうか否かの判断は次のようにしても良い。
すなわち、例えば、オートエアコン搭載車に既存の外気センサ及び内気センサからのデータを入力し、制御ユニット18において外気と内気の温度差から乗員Pが車室内に乗り込んだときに眼鏡Gが曇りそうな条件(例えば、冬場に暖かい車室内に乗り込んだときなど)に当てはまるか否かを判断するようにしても良い。
また、湿度制御式のエアコン搭載車の場合に、湿度センサからのデータを用いることにより乗員Pの装着している眼鏡Gが曇りそうか否かを判断するようにしても良い。このようにすると、眼鏡Gが曇りそうであるか否かの判断の精度を向上させることができる。また、精度を向上することで、加湿運転の停止時間が無駄に長くなることを防止できる。
また、ワイパの作動や雨滴検知センサのデータを用い、雨で高湿度であると判定した場合に乗員Pの装着している眼鏡Gが曇りそうか否かを判断するようにしても良い。このようにすると、眼鏡Gが曇りそうであるか否かの判断の精度を更に向上させることができる。
また、日本のように四季や雨季がある地域の場合には、ナビゲーションシステムのカレンダー情報から車両が現在走行する地域の季節を検出し、この検出結果から雨で高湿度であると判定した場合に乗員Pの装着している眼鏡Gが曇りそうか否かを判断するようにしても良い。このようにすると、眼鏡Gが曇りそうであるか否かの判断の精度を更に向上させることができる。
また、サーモグラフィーを用い、このサーモグラフィーによって乗員Pの顔周りの温度分布を検出し、この検出データから眼鏡Gのフレーム部の温度を直接分析することで乗員Pの装着している眼鏡Gが曇りそうか否かを判断するようにしても良い。
[第二の動作例]
次に、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10の第二の動作例をその作用効果と併せて説明する。
図4には、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10の第二の動作例のフローチャートが示されている。
(動作の具体的内容)
図1に示される車両用加湿装置10において、乗員Pが操作パネル16に設けられた起動スイッチ46をスイッチオンとすると、操作パネル16から起動信号が制御ユニット18に出力される。制御ユニット18は、操作パネル16からの起動信号を検出すると、図4のフローチャートで示されるプログラムの処理を開始する。
制御ユニット18は、このプログラムの処理を開始すると、先ず、空調装置48からの動作信号を検出する(ステップS11)。そして、制御ユニット18は、空調装置48からの動作信号に基づいて空調装置48が花粉除去モードにあるか否かを判断する(ステップS12)。
ここで、空調装置48は、車室内の花粉を除去するための花粉除去モードにないときには、花粉除去モードの動作信号を制御ユニット18に出力しない。従って、この場合、制御ユニット18は、空調装置48が花粉除去モードにないと判断し(ステップS12:NO)、除加湿ユニット14から加湿空気が送風されるべく除加湿ユニット14を作動させる(ステップS13)。これにより、乗員Pの顔周りへ向けて加湿空気が吹出される。
続いて、制御ユニット18は、リターンし、上述のステップS11の処理に戻る。そして、制御ユニット18は、上述のステップS12の処理において空調装置48が花粉除去モードにあると判断(ステップS12:YES)まで、上述のステップS11〜ステップS13の処理を繰り返し行う。
一方、これに対し、空調装置48は、車室内の花粉を除去するための花粉除去モードにあるときには、花粉除去モードの動作信号を制御ユニット18に出力する。従って、この場合、制御ユニット18は、上述のステップS11〜ステップS13の処理を繰り返し行う中のステップS12の処理において空調装置48が花粉除去モードにあると判断する(ステップS12:YES)。そして、制御ユニット18は、除加湿ユニット14の加湿作動を停止させる(ステップS14)。
なお、このときに、制御ユニット18は、除加湿ユニット14の加湿作動を停止させると共に、除湿運転を開始するようにしても良い。
続いて、制御ユニット18は、リターンし、上述のステップS11の処理に戻る。そして、制御ユニット18は、上述のステップS12の処理において空調装置48が花粉除去モードにないと判断(ステップS12:NO)まで、上述のステップS11〜ステップS13の処理を繰り返し行う。
そして、空調装置48は、車室内の花粉を除去するための花粉除去モードを停止したときには、花粉除去モードを示す動作信号の制御ユニット18への出力を停止する。従って、この場合、制御ユニット18は、上述のステップS11〜ステップS13の処理を繰り返し行う中のステップS12の処理において空調装置48が花粉除去モードにないと判断する(ステップS12:NO)。そして、制御ユニット18は、除加湿ユニット14の加湿作動を再開させる(ステップS14)。これにより、乗員Pの顔周りへ向けて再び加湿空気が吹出される。
また、制御ユニット18は、プログラムの処理を開始直後に空調装置48からの動作信号に基づいて空調装置48が花粉除去モードにあると判断した場合(ステップS12:YES)には、除加湿ユニット14を作動停止状態に維持(加湿作動禁止)し(ステップS14)、リターンする。
なお、本実施形態では、この制御ユニット18が行うステップS11の処理が車室内を空調する空調装置48の作動状態を検出するための空調状態検出手段に相当し、制御ユニット18が行うステップS12及びステップS14の処理が加湿手段を作動停止状態とするための加湿停止制御手段に相当する。
(作用効果)
以上詳述したように、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10では、空調装置48が花粉除去モードにある場合には除加湿ユニット14からの加湿空気の吹出が停止される。従って、空調装置48が車室内の花粉を除去しているときには、車室内の加湿が停止されて乗員Pに付着した花粉を空調装置48による風圧で積極的に取り除くことができる。特に、空調装置48が花粉除去モードにあるときに除加湿ユニット14から除湿空気が吹出されれば車室内が乾燥されて空調装置48による花粉除去効率をより向上できる。このように、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10によれば、空調装置48の花粉除去モードの作動状態に合った加湿制御が行われるので、車室内の乗員Pにより一層快適な車室内空間を提供することが可能となる。
(変形例)
上記第二の動作例に示されるステップS11〜ステップS14の処理は、上述の第一の動作例に示されるステップS1〜ステップS8の処理と組み合わされて実行されても良い。
なお、この場合に、空調装置48が花粉除去モードから花粉除去モードを終了しても、乗員Pの眼鏡Gが曇りそうである場合、若しくは、乗員Pの眼鏡Gが曇っている場合には、加湿空気の吹出を再開させずに、加湿作動の停止状態、若しくは、除湿運転を継続するように動作されることが望ましい。
また、乗員Pが眼鏡Gを装着していなくても、空調装置48が花粉除去モードである場合には、加湿空気の吹出が停止されるように動作されることが望ましい。
[第三の動作例]
次に、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10の第三の動作例をその作用効果と併せて説明する。
図5には、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10の第三の動作例のフローチャートが示されている。
(動作の具体的内容)
図1に示される車両用加湿装置10において、乗員Pが操作パネル16に設けられた起動スイッチ46をスイッチオンとすると、操作パネル16から起動信号が制御ユニット18に出力される。制御ユニット18は、操作パネル16からの起動信号を検出すると、図5のフローチャートで示されるプログラムの処理を開始する。
制御ユニット18は、このプログラムの処理を開始すると、先ず、空調装置48からの動作信号を検出する(ステップS21)。そして、制御ユニット18は、空調装置48からの動作信号に基づいて空調装置48がエアピュリファイアモードにあるか否かを判断する(ステップS22)。
ここで、空調装置48は、車室内の空気を清浄するためのエアピュリファイアモードにないときには、エアピュリファイアモードの動作信号を制御ユニット18に出力しない。従って、この場合、制御ユニット18は、空調装置48がエアピュリファイアモードにないと判断し(ステップS22:NO)、除加湿ユニット14から加湿空気が送風されるべく除加湿ユニット14を作動させる(ステップS23)。これにより、乗員Pの顔周りへ向けて加湿空気が吹出される。
続いて、制御ユニット18は、リターンし、上述のステップS21の処理に戻る。そして、制御ユニット18は、上述のステップS22の処理において空調装置48がエアピュリファイアモードにあると判断(ステップS22:YES)まで、上述のステップS21〜ステップS23の処理を繰り返し行う。
一方、これに対し、空調装置48は、車室内の空気を清浄するためのエアピュリファイアモードにあるときには、エアピュリファイアモードの動作信号を制御ユニット18に出力する。従って、この場合、制御ユニット18は、上述のステップS21〜ステップS23の処理を繰り返し行う中のステップS22の処理において空調装置48がエアピュリファイアモードにあると判断する(ステップS22:YES)。そして、制御ユニット18は、除加湿ユニット14の加湿作動を停止させる(ステップS24)。
続いて、制御ユニット18は、リターンし、上述のステップS21の処理に戻る。そして、制御ユニット18は、上述のステップS22の処理において空調装置48がエアピュリファイアモードにないと判断(ステップS22:NO)まで、上述のステップS21〜ステップS23の処理を繰り返し行う。
そして、空調装置48は、車室内の空気を清浄するためのエアピュリファイアモードを停止したときには、エアピュリファイアモードを示す動作信号の制御ユニット18への出力を停止する。従って、この場合、制御ユニット18は、上述のステップS21〜ステップS23の処理を繰り返し行う中のステップS22の処理において空調装置48がエアピュリファイアモードにないと判断する(ステップS22:NO)。そして、制御ユニット18は、除加湿ユニット14の加湿作動を再開させる(ステップS24)。これにより、乗員Pの顔周りへ向けて再び加湿空気が吹出される。
また、制御ユニット18は、プログラムの処理を開始直後に空調装置48からの動作信号に基づいて空調装置48がエアピュリファイアモードにあると判断した場合(ステップS22:YES)には、除加湿ユニット14を作動停止状態に維持(加湿作動禁止)し(ステップS24)、リターンする。
なお、本実施形態では、この制御ユニット18が行うステップS21の処理が車室内を空調する空調装置48の作動状態を検出するための空調状態検出手段に相当し、制御ユニット18が行うステップS22及びステップS24の処理が加湿手段を作動停止状態とするための加湿停止制御手段に相当する。
(作用効果)
以上詳述したように、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10では、空調装置48がエアピュリファイアモードにある場合には除加湿ユニット14からの加湿空気の吹出が停止される。従って、空調装置48が車室内の空気を清浄しているときには、車室内の加湿が停止されて車室内の空気の清浄効率を向上させることができる。また、除加湿ユニット14が車室内の汚れた空気(例えば、タバコの煙など)を吸い込み、これを加湿空気として乗員Pに向けて吹出することも防止できる。このように、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10によれば、空調装置48のエアピュリファイアモードの作動状態に合った加湿制御が行われるので、車室内の乗員Pにより一層快適な車室内空間を提供することが可能となる。
(変形例)
上記第三の動作例に示されるステップS21〜ステップS24の処理は、上述の第一の動作例に示されるステップS1〜ステップS8の処理、及び、上述の第二の動作例に示されるステップS11〜ステップS14の処理と組み合わされて実行されても良い。
なお、この場合に、空調装置48がエアピュリファイアモードからエアピュリファイアモードを終了しても、乗員Pの眼鏡Gが曇りそうである場合、若しくは、乗員Pの眼鏡Gが曇っている場合には、加湿空気の吹出を再開させずに、加湿作動の停止状態、若しくは、除湿運転を継続するように動作されることが望ましい。
また、乗員Pが眼鏡Gを装着していなくても、空調装置48がエアピュリファイアモードである場合には、加湿空気の吹出が停止されるように動作されることが望ましい。
[第四の動作例]
次に、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10の第四の動作例をその作用効果と併せて説明する。
図6には、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10の第四の動作例のフローチャートが示されている。
(動作の具体的内容)
図1に示される車両用加湿装置10において、乗員Pが操作パネル16に設けられた起動スイッチ46をスイッチオンとすると、操作パネル16から起動信号が制御ユニット18に出力される。制御ユニット18は、操作パネル16からの起動信号を検出すると、図6のフローチャートで示されるプログラムの処理を開始する。
制御ユニット18は、このプログラムの処理を開始すると、先ず、空調装置48からの動作信号を検出する(ステップS31)。そして、制御ユニット18は、空調装置48からの動作信号に基づいて空調装置48がクールダウンモードにあるか否かを判断する(ステップS32)。
ここで、空調装置48は、車室内をクールダウンさせるためのクールダウンモードにないときには、クールダウンモードの動作信号を制御ユニット18に出力しない。従って、この場合、制御ユニット18は、空調装置48がクールダウンモードにないと判断し(ステップS32:NO)、除加湿ユニット14から加湿空気が送風されるべく除加湿ユニット14を作動させる(ステップS33)。これにより、乗員Pの顔周りへ向けて加湿空気が吹出される。
続いて、制御ユニット18は、リターンし、上述のステップS31の処理に戻る。そして、制御ユニット18は、上述のステップS32の処理において空調装置48がクールダウンモードにあると判断(ステップS32:YES)まで、上述のステップS31〜ステップS33の処理を繰り返し行う。
一方、これに対し、空調装置48は、車室内をクールダウンさせるためのクールダウンモードにあるときには、クールダウンモードの動作信号を制御ユニット18に出力する。従って、この場合、制御ユニット18は、上述のステップS31〜ステップS33の処理を繰り返し行う中のステップS32の処理において空調装置48がクールダウンモードにあると判断する(ステップS32:YES)。そして、制御ユニット18は、除加湿ユニット14の加湿作動を停止させる(ステップS34)。
続いて、制御ユニット18は、リターンし、上述のステップS31の処理に戻る。そして、制御ユニット18は、上述のステップS32の処理において空調装置48がクールダウンモードにないと判断(ステップS32:NO)まで、上述のステップS31〜ステップS33の処理を繰り返し行う。
そして、空調装置48は、車室内をクールダウンさせるためのクールダウンモードを停止したときには、クールダウンモードを示す動作信号の制御ユニット18への出力を停止する。従って、この場合、制御ユニット18は、上述のステップS31〜ステップS33の処理を繰り返し行う中のステップS32の処理において空調装置48がクールダウンモードにないと判断する(ステップS32:NO)。そして、制御ユニット18は、除加湿ユニット14の加湿作動を再開させる(ステップS34)。これにより、乗員Pの顔周りへ向けて再び加湿空気が吹出される。
また、制御ユニット18は、プログラムの処理を開始直後に空調装置48からの動作信号に基づいて空調装置48がクールダウンモードにあると判断した場合(ステップS32:YES)には、除加湿ユニット14を作動停止状態に維持(加湿作動禁止)し(ステップS34)、リターンする。
なお、本実施形態では、この制御ユニット18が行うステップS31の処理が車室内を空調する空調装置の作動状態を検出するための空調状態検出手段に相当し、制御ユニット18が行うステップS32及びステップS34の処理が加湿手段を作動停止状態とするための加湿停止制御手段に相当する。
(作用効果)
以上詳述したように、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10では、空調装置48がクールダウンモードにある場合には除加湿ユニット14からの加湿空気の吹出が停止される。従って、空調装置48が車室内をクールダウンしているときには、車室内の加湿が停止されて車室内の冷房効率を向上させることができる。また、空調装置48からの冷房風(通常、クールダウンモード時は強風)によって除加湿ユニット14からの加湿空気が乗員Pに届き難くなることも防止できる。このように、本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置10によれば、空調装置48のクールダウンモードの作動状態に合った加湿制御が行われるので、車室内の乗員Pにより一層快適な車室内空間を提供することが可能となる。
(変形例)
上記第四の動作例に示されるステップS31〜ステップS34の処理は、上述の第一の動作例に示されるステップS1〜ステップS8の処理、上述の第二の動作例に示されるステップS11〜ステップS14の処理、及び、上述の第三の動作例に示されるステップS21〜ステップS24の処理と組み合わされて実行されても良い。
なお、この場合に、空調装置48がクールダウンモードからクールダウンモードを終了しても、乗員Pの眼鏡Gが曇りそうである場合、若しくは、乗員Pの眼鏡Gが曇っている場合には、加湿空気の吹出を再開させずに、加湿作動の停止状態、若しくは、除湿運転を継続するように動作されることが望ましい。
また、乗員Pが眼鏡Gを装着していなくても、空調装置48がクールダウンモードである場合には、加湿空気の吹出が停止されるように動作されることが望ましい。
また、空調装置48がオートエアコンの場合もマニュアルエアコンの場合も、空調装置48がクールダウンモードにあるか否かはブロアポジションに基づき判断し、このブロアポジション(例えば、風量”中”)に連動させて上述の除加湿ユニット14の加湿動作を制御するようにしても良い。
本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置が適用された車両の側面図である。 本発明の一実施形態に係る除加湿ユニットの構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置の第一の動作例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置の第二の動作例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置の第三の動作例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る車両用加湿装置の第四の動作例を示すフローチャートである。
符号の説明
10 車両用加湿装置
14 除加湿ユニット(加湿手段、除湿手段)
18 制御ユニット(乗員状態判定手段、空調状態検出手段、加湿停止制御手段、除湿作動制御手段)
P 乗員
G 眼鏡

Claims (5)

  1. 車室内の乗員に向けて加湿空気を送風するための加湿手段と、
    車室内の乗員の状態を判定するための乗員状態判定手段と、
    前記乗員状態判定手段による車室内の乗員の状態の判定結果に基づいて前記加湿手段を作動停止状態とするための加湿停止制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用加湿装置。
  2. 前記乗員状態判定手段は、車室内の乗員が眼鏡を装着している場合に前記眼鏡が曇る状態であるか否かを判定し、
    前記加湿停止制御手段は、前記乗員状態判定手段によって車室内の乗員が装着している眼鏡が曇る状態であると判定された場合には前記加湿手段を作動停止状態とすることを特徴とする請求項1に記載の車両用加湿装置。
  3. 乗員に向けて除湿空気を送風するための除湿手段と、
    前記乗員状態判定手段によって車室内の乗員が装着している眼鏡が曇る状態であると判定された場合に前記除湿手段を作動させるための除湿作動制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用加湿装置。
  4. 車室内の乗員に向けて加湿空気を送風するための加湿手段と、
    車室内を空調する空調装置の作動状態を検出するための空調状態検出手段と、
    前記空調状態検出手段によって検出された前記空調装置の作動状態に基づいて前記加湿手段を作動停止状態とするための加湿停止制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用加湿装置。
  5. 前記空調状態検出手段が検出すべき前記空調装置の作動状態は、車室内の花粉を除去するための花粉除去モード、車室内の空気を清浄するためのエアピュリファイアモード、車室内をクールダウンさせるためのクールダウンモードの少なくともいずれかとされていることを特徴とする請求項4に記載の車両用加湿装置。
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