JP2008254211A - 液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体供給針と保持部材との溶着部の溶着品質の差を少なくし、該溶着部のリーク不良を抑制できる液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】カートリッジケース21をインク供給針26とは反対側から支持するカートリッジケース受け治具80であって、カートリッジケース21と接触する支持面81に、カートリッジケース21とインク供給針26との溶着部70に対向する領域にカートリッジケース21との接触を回避する第1の溝部83が設けられているカートリッジケース受け治具80を用い、当該カートリッジケース受け治具80でカートリッジケース21を支持すると共にカートリッジケース21の所定の位置にインク供給針26を載置した後、インク供給針26にカートリッジケース21とは反対側から超音波ホーン90を押しつけてインク供給針26とカートリッジケース21とを溶着する。
【選択図】 図9
【解決手段】カートリッジケース21をインク供給針26とは反対側から支持するカートリッジケース受け治具80であって、カートリッジケース21と接触する支持面81に、カートリッジケース21とインク供給針26との溶着部70に対向する領域にカートリッジケース21との接触を回避する第1の溝部83が設けられているカートリッジケース受け治具80を用い、当該カートリッジケース受け治具80でカートリッジケース21を支持すると共にカートリッジケース21の所定の位置にインク供給針26を載置した後、インク供給針26にカートリッジケース21とは反対側から超音波ホーン90を押しつけてインク供給針26とカートリッジケース21とを溶着する。
【選択図】 図9
Description
本発明は、液体貯留手段からヘッド本体に供給される液体を液滴としてノズル開口から噴射する液体噴射ヘッドの製造方法に関し、特に、液滴としてインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドの製造方法に関する。
液体噴射ヘッドの代表例であるインクジェット式記録ヘッドでは、一般的に、インクが充填された液体貯留手段であるインクカートリッジから、このインクカートリッジに着脱可能に挿入されるインク供給針及びインクカートリッジが保持される部材(保持部材)に形成されたインク流路を介してヘッド本体にインクが供給され、ヘッド本体に設けられた圧電素子等の圧力発生手段を駆動させることによりヘッド本体に供給されたインクがノズルから吐出される。
このインク供給針と保持部材とは、超音波溶着等により固着されている(特許文献1参照)。このインク供給針と保持部材とを超音波溶着により固着させる場合、保持部材受け治具により保持部材を支持させて行う必要がある。具体的には、例えば保持部材受け治具に保持部材及びインク供給針を載せ、超音波振動が伝達される超音波ホーンをインク供給針の上から押しつけることにより、超音波振動を与えてインク供給針と保持部材の接触部を溶融させてインク供給針と保持部材とを溶着させる。
ここで、保持部材のインク供給針とは反対側の面には、通常ヘッド本体へと続くインク流路を形成する管(流路形成管)が突出して設けられており、超音波ホーンを押しつける際にこの流路形成管に力がかかると流路形成管が損傷や変形してしまうため、保持部材受け治具は、流路形成管に接触しない形状にする必要がある。一方、超音波ホーンを押しつけて溶着するため、保持部材受け治具はこの超音波ホーンを押しつける力が十分かかるような形状、すなわち、できるだけ保持部材と保持部材受け治具との接触面が大きくなる形状であることが好ましい。したがって、保持部材受け治具としては、保持部材と接触して保持部材を支持する支持面に、流路形成管に対向する領域に流路形成管と保持部材受け治具との接触を回避するための溝部が設けられ、また、保持部材と保持部材受け治具との接触面を大きくするために流路形成管に対向する領域以外の領域は保持部材と面接触するような形状のものが考えられる。
しかしながら、インク供給針と保持部材との溶着部にかかる力は、保持部材と保持部材受け治具とが接触している領域では高く、流路形成管と保持部材受け治具との接触を回避するための溝部により保持部材と保持部材受け治具とが接触していない領域では撓んでしまうため低くなる。したがって、支持面の流路形成管に対向する領域に流路形成管と保持部材受け治具との接触を回避するための溝部が設けられ且つ流路形成管に対向する領域以外の領域は保持部材と接触するような形状とした上述の保持部材受け治具を用いた場合、保持部材と保持部材受け治具とが接触している領域と接触していない領域とで溶着品質に差が生じ、その結果、接触していない領域の溶着部の溶着が不十分となって、リーク不良を引き起こしてしまうという問題が生じる場合がある。特にインクの色数が多く保持部材のインク流路の管が斜めに設けられて複雑化している場合に、この様な問題が顕著に現れる。そしてこのような問題は、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドだけでなく、他の液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、液体供給針と保持部材との溶着部の溶着品質の差を少なくし、該溶着部のリーク不良を抑制できる液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を貯留する液体貯留手段に着脱可能に挿入され、前記液体貯留手段から供給された液体を吐出するノズルを有するヘッド本体と前記液体貯留手段とを繋ぐ液体流路の一部を構成する貫通路を有する液体供給針と、前記液体供給針と前記ヘッド本体との間に配置されて前記液体貯留手段を保持し、前記貫通路と連通して前記液体流路の一部を構成する液体供給路が形成された流路形成管が前記液体供給針とは反対側に突出するように設けられている保持部材とを溶着するに際し、前記保持部材を前記液体供給針とは反対側から支持する保持部材受け治具であって、前記保持部材と接触する支持面に、前記保持部材と前記液体供給針との溶着部に対向する領域に前記保持部材との接触を回避する第1の溝部が設けられている前記保持部材受け治具を用い、当該保持部材受け治具で前記保持部材を支持すると共に前記保持部材の所定の位置に前記液体供給針を載置した後、前記液体供給針に前記保持部材とは反対側から超音波ホーンを押しつけて前記液体供給針と前記保持部材とを溶着することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる態様では、保持部材受け治具には、保持部材の溶着部に対向する領域が保持部材受け治具と接触しないようにする溝部が設けられているため、超音波溶着の際に溶着部に対向する全ての領域で保持部材と保持部材受け治具が接触しない。したがって、溶着部にかかる力は全体として弱くなるが均一となり、液体供給針と保持部材の溶着部にかかる力が保持部材と保持部材受け治具とが接触している領域では高く接触していない領域では低くなるという問題が生じず、溶着品質の差を少なくすることができるため、リーク不良を抑制できる。
また、前記超音波ホーンは、前記溶着部に対向する領域を覆う構造を有し、前記保持部材受け治具には、前記支持面に、前記超音波ホーンに対向する領域に前記第1の溝部が設けられているようにしてもよい。これによれば、超音波ホーンと対向する領域に超音波ホーンと同じ大きさの溝部を設けるという容易な方法により、溶着部に対向する全ての領域で保持部材と保持部材受け治具が接触しないようにすることができる。したがって、容易に溶着品質の差を少なくしてリーク不良を抑制することができる。
さらに、前記保持部材受け治具には、前記支持面に、前記流路形成管との接触を回避する第2の溝部が設けられていることが好ましい。これによれば、超音波溶着の際に流路形成管に力がかからず、流路形成管を損傷等してしまうという問題も生じない。
そして、前記保持部材は、前記液体供給針と連通する前記流路形成管が複数設けられ、前記液体供給針との溶着部がほぼ一列に配列される形状を有すると共に、前記流路形成管は前記溶着部が形成される面に対して斜めに突設されていてもよい。これによれば、保持部材が、溶着部がほぼ一列に配列されると共に流路形成管が斜めに突設され、その結果、溶着部に対向する領域に流路形成管の一部が配置されてしまうという複雑な配置の流路形成管を有する液体噴射ヘッドであっても、超音波溶着の際に溶着部に対向する全ての領域で保持部材と保持部材受け治具が接触しないようにすることにより、溶着品質の差を少なくすることができるため、リーク不良を抑制できる。
以下に本発明を実施形態に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る製造方法によって製造される液体噴射ヘッドの一例としてのインクジェット式記録ヘッドを有する液体噴射装置の概略斜視図である。また、図2は、図1に示すインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図、図3はその断面図、図4はカートリッジケースを下側から見た斜視図、図5はインク供給針部分の拡大断面図である。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る製造方法によって製造される液体噴射ヘッドの一例としてのインクジェット式記録ヘッドを有する液体噴射装置の概略斜視図である。また、図2は、図1に示すインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図、図3はその断面図、図4はカートリッジケースを下側から見た斜視図、図5はインク供給針部分の拡大断面図である。
インクジェット式記録装置10は、図1に示すように、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドと呼ぶ)11がキャリッジ12に固定され、この記録ヘッド11には、ブラック(B)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の複数の異なる色のインクが貯留された液体供給手段であるインクカートリッジ13がそれぞれ着脱可能に固定されている。
記録ヘッド11が搭載されたキャリッジ12は、装置本体14に取り付けられたキャリッジ軸15に軸方向移動自在に設けられている。そして、駆動モータ16の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト17を介してキャリッジ12に伝達されることで、キャリッジ12はキャリッジ軸15に沿って移動される。一方、装置本体14にはキャリッジ軸15に沿ってプラテン18が設けられており、図示しない給紙装置等により給紙された紙等の被記録媒体Sがプラテン18上を搬送されるようになっている。
図2に示すように、記録ヘッド11を構成する保持部材であるカートリッジケース21は、上述したインクカートリッジ13がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部22を有する。また、カートリッジケース21の底面には、図3及び図4に示すように、一端が各カートリッジ装着部22に開口し、他端が後述するヘッドケース側に開口する複数のインク供給路(請求項に記載の「液体供給路」に相当)24(24A〜24D)がそれぞれ形成された管状の流路形成管25(25A〜25D)が突設されている。
また、図2及び図3に示すように、カートリッジケース21の上面側、すなわち、各カートリッジ装着部22のインク供給路24の開口部分には、インクカートリッジ13に着脱可能に挿入される複数のインク供給針26がほぼ直線方向に配列され、インク内の気泡や異物を除去するためのフィルタ27を介して固定されている。
これらの各インク供給針26は、図5に示すように、カートリッジケース21の各インク供給路24に連通する貫通路28をそれぞれ有すると共にカートリッジケース21側の端部近傍にフランジ部29を有する。なお、これらインク供給針26の貫通路28及びカートリッジケース21のインク供給路24はインクカートリッジ13と後述するヘッド本体とを繋ぐインク流路を構成するものである。
また、各インク供給針26は、詳しくは後述するが、フランジ部29のカートリッジケース21との接合面に設けられた溶着突起30を溶融させることにより形成される円環状の溶着部70により、インク内の気泡や異物を除去するためのフィルタ27を介してカートリッジケース21に固定されている。
また、インク供給針26の貫通路28のインク供給路24との接続領域には、他の領域よりも内径の広い空間であるフィルタ室31が設けられている。このフィルタ室31は、例えば、本実施形態では、フィルタ27側ほど内径が広くなるように形成されている。なお、このフィルタ室31は、フィルタ27の面積を大きくしてインクが通過する際の抵抗をできるだけ小さくするために、貫通路28の他の領域よりも広い内径で形成されている。
そして、図2に示すように、カートリッジケース21の下面側には、複数の圧電素子34を有する圧電素子ユニット35を保持すると共に、カートリッジケース21とは反対側の端面に圧電素子34の駆動によってノズル開口からインク滴を吐出するヘッド本体36が固定されるヘッドケース37を有し、これらカートリッジケース21とヘッドケース37との間には、シール部材38及び回路基板39が挟持されている。
シール部材38は、流路形成管25とヘッドケース37に設けられる複数のインク導入路40(40A〜40D)が開口する突出部41との間に挟持されることにより、インク供給路24とインク導入路40との接続部分を密封してこの接続部分からのインクの漏れを防止している。回路基板39は、圧電素子34を駆動するための信号を供給するためのものであり、回路基板39の一端部には、外部配線(図示なし)を接続するためのコネクタ43が固定されている。また、回路基板39には、圧電素子34に接続されたFPC等の接続配線44が挿通される挿通孔45が設けられており、この挿通孔45を介して回路基板39と接続配線44とが接続される。さらに、この挿通孔45の両側には各インク導入路40に対応して、各インク導入路40が開口する突出部41が係合する貫通孔46が設けられている。
なお、図2及び図4に示すように、カートリッジケース21の一方の側面、すなわち、回路基板39のコネクタ43が配置される側の側面には、回路基板39のコネクタ43が露出される露出口47を有し、この露出口47を介して外部配線(図示なし)がコネクタ43に接続されるようになっている。
また、図2に示すように、回路基板39及びシール部材38を介してカートリッジケース21の下面側に固定されるヘッドケース37には、複数の圧電素子34を有する圧電素子ユニット35(35A,35B)を収容して圧電素子34を位置決め固定するための収容室48が並設されている。例えば、本実施形態の記録ヘッド11は、ブラックインクを吐出するための圧電素子ユニット35Aと、カラーインクを吐出するための圧電素子ユニット35Bとを有するため、ヘッドケース37には、これらの圧電素子ユニット35A,35Bを収容する2つの収容室48が並設されている。
また、各収容室48の外側には、インク供給路24Aと連通してブラックインクをヘッド本体20に供給するインク導入路40Aと、インク供給路24B〜24Dとそれぞれ連通して各カラーインクをそれぞれヘッド本体20に供給するための複数のインク導入路40B〜40Dとが設けられ、各インク導入路40A〜40Dは、カートリッジケース21側に設けられた突出部41でそれぞれ開口している。
ここで、各インク導入路40A〜40Dは、ヘッドケース37の中央部のヘッド本体36に対向する領域にそれぞれ近接して設けられている。また、カラーインクをヘッド本体36に供給する各インク導入路40B〜40Dは、インク供給路24A〜24Dのインクカートリッジ側の開口の並び方向に対して略直交する方向に一列に配置されている。すなわち、インク導入路40A〜40Dの開口位置と、各インク供給路24のインクカートリッジ側の開口位置とが対応していないものがある。例えば、本実施形態では、カラーインクを供給する3つのインク供給路24B〜24Dのうちインク供給路24Cのみが、インク導入路40Cに対応して設けられている。このため、本実施形態では、他のインク供給路24A,24B,24Dを3次元的に傾斜させることによって、すなわち、インク供給路24A,24B、24Dが形成された流路形成管25A、24B、25Dを傾斜させることによって、各インク導入路40A,40B,40Dとを連通させている。
具体的には、図4に示すように、カートリッジケース21の下面側には、インク供給路24A〜24Dがそれぞれ形成された管状の流路形成管25A〜25Dが突設されている。そして、カラーインクに対応する流路形成管25B〜25Dのうち、流路形成管25Cのみがカートリッジケース21の下面に対して略直交する方向に立設され、他の流路形成管25A,25B,25Dが互いに干渉しないように3次元的に傾斜して設けられ、各インク供給路24A〜24Dとインク導入路40A〜40Dとがそれぞれ連通されている。
なお、このような記録ヘッド11は、カートリッジケース21の下面側に、シール部材38、回路基板39、ヘッドケース37及びヘッド本体36の順で積層され、その外側にヘッド本体36のノズル開口を露出する窓部50を有する枠体51を填め込み、ネジ52によってカートリッジケース21に固定することで形成される(図2参照)。
このような記録ヘッド11では、インクカートリッジ13からのインクがインク流路を介してヘッド本体36に供給され、ヘッド本体36に設けられた圧電素子34を駆動させることによりヘッド本体36に供給されたインクがノズルから吐出される。
ここで、本実施形態の記録ヘッド11の製造方法、特にインク供給針26とカートリッジケース21とを超音波溶着により固着する方法について、以下に詳細に説明する。
超音波溶着では、インク供給針部分の拡大断面を表す図である図6に示すように、フィルタ27を溶着したカートリッジケース21を、インク供給針26とは反対側、すなわち、図6中矢印Iの方向からカートリッジケース受け治具80(請求項に記載の「保持部材受け治具」に相当)で支持し、カートリッジケース21側のフランジ部29に溶着突起30を有するインク供給針26を載置する。次に、インク供給針26にカートリッジケース21とは反対側から、すなわち、図6中矢印IIの方向から、超音波加振装置に接続された超音波ホーン90をインク供給針26に押しつける。これにより、超音波振動により発生した熱で溶着突起30を溶融させ、溶着突起30が溶融した溶着部70を介して、インク供給針26とカートリッジケース21とを固着することができる。
ここで、本実施形態では、超音波ホーン90は溶着部70に対向する領域を覆う構造を有するものを用いた。また、カートリッジケース受け治具80は、カートリッジケース21と接触してカートリッジケース21を支持する支持面81、すなわち、カートリッジケース21側の面に、超音波ホーン90に対向する領域に第1の溝部83が設けられ、また、流路形成管25に対応する領域に第2の溝部84を設けたものを用いた。
具体的には、図7のカートリッジケースの上面図(図7(a))及び底面図(図7(b))に記載された超音波溶着時の超音波ホーン90の外形を示す線である点線90Aに示すように、超音波ホーン90は、溶着部70となる溶着領域71(71A〜71D)を全て覆う構造を有する。そして、図8のカートリッジケース受け治具80の上面図、図9(a)のカートリッジケース21の概略断面図、及び、図9(b)のカートリッジケース受け治具80の概略断面図に示すように、カートリッジケース受け治具80は、流路形成管25に対向する領域には流路形成管25との干渉を避けるために流路形成管25の高さよりも深い第2の溝部84を有する構造であり、支持面81に、超音波ホーン90に対向する領域の第2の溝部84以外の領域に例えば深さ0.5mm程度の第1の溝部83が設けられたものである。なお、図8及び図9では記載を省略したが、カートリッジケース受け治具80には、カートリッジケース21のカートリッジケース受け治具80側の面の形状に合わせて凹部や貫通孔を設けてもよい。
このような第1の溝部83が設けられたカートリッジケース受け治具80を用いることにより、超音波溶着時に、カートリッジケース21の超音波ホーン90に対向する領域の全体は、カートリッジケース受け治具80とは直接接触しない。そして、超音波ホーン90は溶着部70となる溶着領域71(71A〜71D)を全て覆う構造を有するため、超音波溶着時に、溶着部70に対向する領域170の全てでカートリッジケース21とカートリッジケース受け治具80とは接触しない。したがって、溶着部70にかかる力は全体として弱くなるが均一となり、インク供給針26とカートリッジケース21の接触部にかかる力がカートリッジケース21とカートリッジケース受け治具80とが接触している領域では高く接触していない領域では低くなるという問題が生じず溶着品質の差を少なくすることができるため、リーク不良を抑制できる。また、インク供給針26やカートリッジケース21が溶着し難い材質であっても、本発明によれば、溶着部70の溶着品質の差を少なくすることができるため、良好に固着することができ、リーク不良を抑制できる。そして、超音波ホーン90と対向する領域に超音波ホーン90の外形と同じ大きさの第1の溝部83を設けるという容易な方法で、リーク不良を抑制できるという効果を奏する。また、カートリッジケース受け治具80には流路形成管25に接触しないようにする第2の溝部84も設けられているため、超音波溶着の際に流路形成管25に力がかからず、流路形成管25を損傷等してしまうという問題も生じない。
上述した構造の超音波ホーン90及びカートリッジケース受け治具80を用いて、超音波溶着でインク供給針26及びカートリッジケース21を溶着させて約40万個記録ヘッドを作成したところ、インクリークが発生したリーク不良品の発生率は0.33%と低かった。
一方、従来技術の製造方法にかかる図10(a)のカートリッジケース21の概略断面図、及び、図10(b)のカートリッジケース受け治具180の概略断面図に示すように、本実施形態に係るカートリッジケース受け治具80の第2の溝部84と同様の第2の溝部184を設け超音波ホーン90に対向する領域に第1の溝部83を設けなかったカートリッジケース受け治具180を用いた以外は同様の方法で製造した比較例の記録ヘッドでは、本実施形態により製造されるものよりも超音波溶着時の溶着部70にかかる力のばらつきが大きかったため、リーク不良品の発生率は1.54%と高かった。上述したように、流路形成管25A、25B、25Dは傾斜するように設けられているため、カートリッジケース受け治具180の溶着部70に対向する領域270と溶着部70との間に、流路形成管25A、25B、25Dの一部が配置されている。したがって、第1の溝部83を設けず第2の溝部184を設けたカートリッジケース受け治具180を用いた場合、カートリッジケース21の溶着部70に対向する領域170には、カートリッジ受け治具180に支持されている領域と、カートリッジ受け治具180に支持されていない領域が存在する。溶着部70にかかる力は、カートリッジケース21とカートリッジケース受け治具180とが接触している領域では高く、接触していない領域では低くなるため、カートリッジケース受け治具180に支持されている領域の溶着部70と、カートリッジケース受け治具180に支持されていない領域の溶着部70とで溶着品質に差が生じ、その結果、接触していない領域の溶着部70の溶着が不十分となって、比較例に示すように、リーク不良を引き起こしてしまう。
以上説明したように、本発明においては、溶着部70を全て覆う構造を有する超音波ホーン90に対向する領域に第1の溝部83を設けることにより、溶着部70に対向する全ての領域でカートリッジケース21とカートリッジケース受け治具80とが接触しないため、溶着部70の溶着品質の差を小さくすることができ、リーク不良を抑制することができる。
なお、本実施形態では、超音波ホーン90に対向する領域に設けた第1の溝部83が流路形成管25に対応する領域に設けた第2の溝部84よりも浅いカートリッジケース受け治具80を用いたが、第1の溝部83はカートリッジケース21の溶着部70に対向する領域170でカートリッジケース受け治具80が接触しないようにすればよいため、第1の溝部83の深さに制限はなく、例えば流路形成管25と同程度の深さとしてもよく、また、貫通孔としてもよい。一方、流路形成管25に対向する領域に設ける第2の溝部84は、流路形成管25にカートリッジケース受け治具80が接触しないようにするために設けられるものであり、その深さは流路形成管25の高さより深くして、流路形成管25とカートリッジケース受け治具80とが非接触となるようにする必要がある。
また、上述した実施形態では、支持面81に、超音波ホーン90に対向する領域に設けられた第1の溝部83と、流路形成管25に対向する領域に設けられた第2の溝部84とを有するカートリッジケース受け治具80を用いたが、溶着部70に対向する領域でカートリッジケース21とカートリッジケース受け治具80とが接触しないようにすればよく、支持面81に、少なくとも溶着部70に対向する領域170にカートリッジケース受け治具80が接触しないようにする溝部が設けられているカートリッジケース受け治具を用いればよい。例えば、溶着部70に対向する領域270のみに溝部が設けられているカートリッジケース受け治具でもよい。
また、本実施形態では、溶着部がほぼ一列に配列される形状を例示したが、溶着部の配置は一列でなくてもよく、例えば、インクの種類が多い場合等、2列以上に配列されていてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態に基づいて詳細に説明したが、勿論、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば上述した実施形態では、圧電素子を有する記録ヘッドを例示したが、これに限定されず、例えば、発熱素子等の発熱で発生するバブルによってインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド等、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応用することができることは言うまでもない。また、上述した実施形態では、本発明の液体噴射ヘッドとしてインクジェット式記録ヘッドを例示したが、液体噴射ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。
以上、本発明の実施形態に基づいて詳細に説明したが、勿論、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば上述した実施形態では、圧電素子を有する記録ヘッドを例示したが、これに限定されず、例えば、発熱素子等の発熱で発生するバブルによってインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド等、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応用することができることは言うまでもない。また、上述した実施形態では、本発明の液体噴射ヘッドとしてインクジェット式記録ヘッドを例示したが、液体噴射ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。
10 インクジェット式記録装置、 11 記録ヘッド、 21 カートリッジケース、 24 インク供給路、 25 流路形成管、 26 インク供給針、 27 フィルタ、 28 貫通路、 30 溶着突起、 36 ヘッド本体、 70 溶着部、 80、180 カートリッジケース受け治具、 83 第1の溝部、 84、184 第2の溝部、 90 超音波ホーン
Claims (4)
- 液体を貯留する液体貯留手段に着脱可能に挿入され、前記液体貯留手段から供給された液体を吐出するノズルを有するヘッド本体と前記液体貯留手段とを繋ぐ液体流路の一部を構成する貫通路を有する液体供給針と、前記液体供給針と前記ヘッド本体との間に配置されて前記液体貯留手段を保持し、前記貫通路と連通して前記液体流路の一部を構成する液体供給路が形成された流路形成管が前記液体供給針とは反対側に突出するように設けられている保持部材とを溶着するに際し、
前記保持部材を前記液体供給針とは反対側から支持する保持部材受け治具であって、前記保持部材と接触する支持面に、前記保持部材と前記液体供給針との溶着部に対向する領域に前記保持部材との接触を回避する第1の溝部が設けられている前記保持部材受け治具を用い、当該保持部材受け治具で前記保持部材を支持すると共に前記保持部材の所定の位置に前記液体供給針を載置した後、前記液体供給針に前記保持部材とは反対側から超音波ホーンを押しつけて前記液体供給針と前記保持部材とを溶着することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。 - 前記超音波ホーンは、前記溶着部に対向する領域を覆う構造を有し、前記保持部材受け治具には、前記支持面に、前記超音波ホーンに対向する領域に前記第1の溝部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
- 前記保持部材受け治具には、前記支持面に、前記流路形成管との接触を回避する第2の溝部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
- 前記保持部材は、前記液体供給針と連通する前記流路形成管が複数設けられ、前記液体供給針との溶着部がほぼ一列に配列される形状を有すると共に、前記流路形成管は前記溶着部が形成される面に対して斜めに突設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007095615A JP2008254211A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 液体噴射ヘッドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007095615A JP2008254211A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 液体噴射ヘッドの製造方法 |
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JP2008254211A true JP2008254211A (ja) | 2008-10-23 |
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ID=39978298
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2008254211A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010194833A (ja) * | 2009-02-24 | 2010-09-09 | Seiko Epson Corp | 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 |
JP2011046081A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Seiko Epson Corp | 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 |
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2007
- 2007-03-30 JP JP2007095615A patent/JP2008254211A/ja active Pending
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