JP2008253653A - 布バネ構造椅子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】椅子の向き合うフレーム桿11aとフレーム桿11bの間に布帛12を張設して身体を支える体支面13を構成した布バネ構造椅子において、布帛の端縁14に袋状空洞15を設け、その袋状空洞15に縁取桿16を挿入し、その縁取桿16をフレーム桿11に重ね合わせ、フレーム桿を貫通したネジ材17によって縁取桿16をフレーム桿11に接合する。ネジ材17は、体支面13の裏側となるフレーム桿11の裏面において操作し、そのネジ材の端部18が体支面13の裏側となるフレーム桿11の裏面に突き出るようにする。
【選択図】図1
Description
この方法では、フレーム桿に布帛を取り付ける前に、そのフレーム桿を一部材として椅子フレームを組み立てておくことは出来ず、一旦張設した布帛を自由に取り替えることも出来ない。加えて、フレーム桿には、縁取桿と同程度に細いパイプを使用することは出来ず、太く肉厚の厚いパイプを使用せざるを得ないので、椅子フレームが高重量になり、椅子の軽量化に応えることが出来なくなる。そして、車椅子のように狭小な体支面では、その太く肉厚の厚いフレーム桿に身体が触れ易く、体支面での感触が損なわれる。
(タ) それら左右の揺動桿23a・23bがピン接合されており、
(レ) その左右の揺動桿間のピン接合点24を境にして揺動桿23と本体フレーム22とのピン接合点25の反対側となる揺動桿の先端が自由端26となっており、
(ソ) その自由端26にフレーム桿11が接合されており、
(ツ) 左右の揺動桿23aと揺動桿23bのピン接合点24を境にして、左右の本体フレーム22a・22bと、左右のフレーム桿11a・11bと、左右の揺動桿23a・23bが、それぞれ左右対称形を成している点にある。
その体支面モジュールをフレーム桿11に固定するネジ材17は、その端部18が体支面13の裏側となるフレーム桿11の裏面に突き出ているので、その突き出る端部18によって体支面13の美観や感触が損なわれることはない。
又、重なり合うフレーム桿11と縁取桿16が如何なる断面形状を成すものであっても、スペーサ19のフレーム桿11や縁取桿16との当接面をフレーム桿11や縁取桿16の周面形状と同じ形状に加工するだけで、スペーサ19を介してフレーム桿11と縁取桿16を実質的に面接触状態にすることが出来る。
具体例をもって説明すると、図5(b)と(c)と(d)に示すように、円形断面のパイプをフレーム桿11と縁取桿16に使用する場合、それらの重なり合う状態は線点(コロガリ)接触状態になるが、その円形断面のパイプの周面に合わせてスペーサ19の両端を円弧状に切削加工すれば、フレーム桿11と縁取桿16それぞれの周面がスペーサ19に面接触することになるので、そのスペーサ19を介してフレーム桿11と縁取桿16が実質的に安定した面接触状態になる。
従って、ネジ材17は、細いビスで済み、太いボルトを使用せず済むので、椅子フレームの軽量化を図ることが出来、ボルトに合わせて太いネジ差込孔20やネジ孔28をフレーム桿11や縁取桿16に設けずに済む。
このため、体支面13に加わる体重に応じて布帛12に作用するテンションは、縁取桿16をフレーム桿11に圧着する押圧力となって作用することになり、ネジ材17に対する強い曲げ応力となって作用することはない。
従って、ネジ材17は、細いビスで済み、この点でも椅子フレームの軽量化を図ることが出来る。
このため、布帛12に強いテンションが作用するときは、ネジ材17も縁取桿16やフレーム桿11や揺動桿23と一体になって揺動桿間のピン接合点24を中心に揺動し、そのテンションに起因するネジ材17に対する曲げ応力は、その揺動する揺動桿等の仕事量に吸収されて緩和される。
従って、ネジ材17のみならず、フレーム桿11や縁取桿16にも太く重い部材を使用せずに済み、この点でも椅子フレームの軽量化を図ることが出来る。
このため、体支面13に加わる体重に応じて布帛12に作用するテンションに対抗してネジ材17のフレーム桿11からの突出箇所や左右の揺動桿間のピン接合点24、および、揺動桿23と本体フレーム22のピン接合点25において生じる反力の作用方向は、その幾何学上の平面内で一致し、それらの反力の作用方向の不一致により、ネジ材17に強い曲げモーメントが作用しない。
特に、フレーム桿11や縁取桿16との当接面がそれらの周面形状と同じ形状を成すスペーサ19を使用する場合、布帛12のテンションに起因する曲げモーメントは、スペーサ19に作用するとしてもネジ材17には作用しない。
従って、ネジ材17は、細いビスで済み、この点でも椅子フレームの軽量化を図ることが出来る。
しかし、体支面13の高さを調整のためには、フレーム桿11と縁取桿16の間に、ネジ材17を外して挿抜自在にスペーサ19を挟み込むことが望ましい(図5−c,図5−d)。
特に、椅子フレームの軽量化のためには、パイプをスペーサ19に用いることが推奨される(図5−d)。
スペーサ19は、所要の間隔をおいて飛び飛びにフレーム桿11と縁取桿16の間に挟み込むことが出来る(図4)。
即ち、図5(a)に示すようにスペーサ19を使用せずにネジ材17によって接合されたフレーム桿11と縁取桿16の間にネジ材17を緩めて隙間を設け、その隙間にスペーサ19を挟み込み、その後、ネジ材17を強く締めてスペーサ19をフレーム桿11と縁取桿16に密着させることも出来る。
そのようにスペーサ19をフレーム桿11と縁取桿16の何れかと一体化しておくと、縁取桿16とフレーム桿11を接合する際にネジ材17やスペーサ19の位置ズレがなく、その接合作業を効率的に行うことが出来る。
具体的に言えば、フレーム桿11から縁取桿16に至るスペーサ19の寸法(厚みe)は2mm以下・1mm前後であってもよい。
その場合、ネジ孔28は、そのパイプの空洞に内嵌した部材に設ける。
図5は、ネジ材17としてタッピングボルトを使用した実施例を示すが、ボルトをネジ材17に使用し、それを縁取桿16に突設することも出来る。
その場合、フレーム桿11のネジ差込孔20から突き出たボルトの先端にナットを螺着することになる。
体支面13は、固定背凭れ29から固定座面30まで連続した弾性布帛12によって構成されている。
弾性布帛12の固定背凭れ29における端縁14の袋状空洞15には揺動フレーム桿36・36が直接挿入されている。
左右向き合うフレーム桿11a・11bは、左右向き合う本体フレーム22a・22bにピン接合された揺動桿23a・23bの自由端26・26に剛接されている。
その自由端26・26と揺動フレーム桿36・36とのピン接合点25a・25bの中間部分で左右の揺動桿23a・23bがピン接合されており、そのピン接合点24を中心に左右の揺動桿23a・23bが揺動して左右の本体フレーム22a・22bの間の幅が拡縮し、車椅子が折り畳めるようになっている(図3参照)。
ピン接合点24を境とする揺動桿23の上下両端部は分岐しており(図1参照)、その上端部の分岐桿23e・23fは、フレーム桿11の前端と後端に剛接され、その下端部の分岐桿は、本体フレーム22の前端と後端にピン接合されている。
この補強用弾性布帛34の左右両端縁は、固定背凭れ29から固定座面30まで連続した弾性布帛12のフレーム桿11に把持された固定座面30と同様に袋状空洞になっており、その袋状空洞に縁取桿が挿入され、その縁取桿と共にフレーム桿11a・11bにビス止めされている。
パックアップシート35は、腰を下ろした体支面13を所要の沈み込みに規制する緩衝材として、その二重になった固定座面30よりも奥まった位置に設定されている。
パックアップシート35の幅方向における10%伸長時の伸長力Fbは、固定座面30の幅方向における10%伸長時の伸長力Ffに比して弱く(Ff>Fb)、慨して、固定座面30の弾性布帛12の伸長力Ffの0.3〜0.9倍(Fb=0.3Ff〜0.9Ff)になっている。
弾性布帛12をフレーム桿11に固定するネジ材17の体支面13への露出がなく、そのネジ材17によって体支面13の美観や感触が損なわれない。
弾性布帛12は、その弾性糸の長さ方向を椅子の幅方向に向けて織編込んだ織物でも編物でもよく、又、立体メッシュ地のように表地と裏地を連結糸で連結した立体的二重構造を成すものであってもよい。
弾性布帛12には、非弾性糸である通常の紡績糸やマルチフィラメント糸が、その長さ方向を椅子の奥行き方向に向けて織編込まれていてもよい。
特に編地では、弾性糸が一直線状に編み込まれている緯糸挿入編地を用いるとよい。
弾性布帛12は、複数枚の生地を縫合して固定背凭れ29から固定座面30まで連続するように仕立てられたものであってもよい。
12:布帛
13:体支面
14:端縁
15:空洞
16:縁取桿
17:ネジ材(ネジ)
18:ネジ材の端部
19:スペーサ
20:ネジ差込孔
21:ネジ材の軸芯線
22:本体フレーム
23:揺動桿
24:揺動桿間ピン接合点
25:揺動桿とフレームのピン接合点
26:自由端
27:直線
28:ネジ孔
29:固定背凭れ
30:固定座面
31:自由縁
32:フリーの背凭れ
33:ランバーサポート
34:補強用弾性布帛
35:パックアップシート
36:揺動フレーム桿
37:ダンパー
38:入隅部分
39:フリーの座面
Claims (8)
- (イ) 椅子の向き合うフレーム桿(11a)とフレーム桿(11b)の間に布帛(12)を張設して身体を支える体支面(13)を構成した布バネ構造椅子において、
(ロ) 布帛の端縁(14)が袋状空洞(15)になっており、
(ハ) その袋状空洞(15)に縁取桿(16)が挿入されており、
(ニ) その縁取桿(16)がフレーム桿(11)に重なり、布帛(12)が縁取桿(16)を介してフレーム桿(11)の上に重なり合っており、
(ホ) フレーム桿を貫通したネジ材(17)によって縁取桿(16)がフレーム桿(11)に接合されており、
(ヘ) そのネジ材の端部(18)が体支面(13)の裏側となるフレーム桿(11)の裏面に突き出ている布バネ構造椅子。 - (ト) 重なり合う縁取桿(16)とフレーム桿(11)の間にスペーサ(19)が挟み込まれている前掲請求項1に記載の布バネ構造椅子。
- (チ) ネジ差込孔(20)がフレーム桿(11)に穿設されており、
(リ) ネジ材(17)が、その差込孔(20)を貫通してフレーム桿(11)から縁取桿(16)へと差し込まれて縁取桿に螺着している前掲請求項1と2の何れかに記載の布バネ構造椅子。 - (ヌ) 布帛の端縁(14)において、縁取桿(16)がフレーム桿(11)よりも外側に位置し、
(ル) フレーム桿(11a)とフレーム桿(11b)の間に張設された布帛(12)によって構成される体支面(13)に対して40度〜80度の角度(θ)をもって傾斜する方向において縁取桿(16)がフレーム桿(11)の上に重なり合っており、
(オ) その傾斜角度(θ)と同じ角度をもって、ネジ材の軸芯線(21)が体支面(13)に対して傾斜している前掲請求項1と2と3の何れかに記載の布バネ構造椅子。 - (ワ) 布帛(12)の通気度が150cc/cm2 ・sec以上である前掲請求項1と2と3と4の何れかに記載の布バネ構造椅子。
- (カ) 左右のフレーム桿(11a)とフレーム桿(11b)が向き合う椅子の幅方向における布帛(12)の10%伸長時の引張応力が120〜600(N/5cm)である前掲請求項1と2と3と4と5の何れかに記載の布バネ構造椅子。
- (ヨ) 椅子の左右向き合う本体フレーム(22a)と本体フレーム(22b)のそれぞれに揺動桿(23a・23b)がピン接合されており、
(タ) それら左右の揺動桿(23a・23b)がピン接合されており、
(レ) その左右の揺動桿間のピン接合点(24)を境にして揺動桿(23)と本体フレーム(22)とのピン接合点(25)の反対側となる揺動桿の先端が自由端(26)となっており、
(ソ) その自由端(26)にフレーム桿(11)が接合されており、
(ツ) 左右の揺動桿(23a)と揺動桿(23b)のピン接合点(24)を境にして、左右の本体フレーム(22a・22b)と、左右のフレーム桿(11a・11b)と、左右の揺動桿(23a・23b)が、それぞれ左右対称形を成している前掲請求項1と2と3と4と5と6の何れかに記載の布バネ構造椅子。 - (ネ) 左右の揺動桿間(23a・23b)のピン接合点(24)とフレーム桿(11)の軸芯線を結ぶ直線(27)とネジ材の軸芯線(21)が、幾何学上の同じ平面上に位置している前掲請求項1と2と3と4と5と6と7の何れかに記載の布バネ構造椅子。
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