JP2008253048A - 車両起動制御装置 - Google Patents

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Keiji Kaida
啓司 海田
Shoji Nagata
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Abstract

【課題】複数の制御装置にそれぞれ個別に起動指令が与えられる車両において、複数の起動指令信号の間に矛盾が生じているときに、状況によっては、車両を通常走行させることができるようにすることである。
【解決手段】車両起動制御システム10は、ECUグループ12,14,16と、IGリレー22,24,26と、IGリレーを介してECUグループに接続される低電圧バッテリ28と、IGリレーを駆動するIG回路32,34,36と、電源ECU38と、車両の駆動源40と、車両のシフト状態を検出するシフトセンサ18と、車両起動制御装置70とを含んで構成される。車両起動制御装置70は、複数の起動指令信号に矛盾があっても、Pレンジであって、SMR44がオン、あるいはREADYがオンのときは、所定の期間、車両を走行可能に維持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両起動制御装置に係り、特に複数の制御装置にそれぞれ個別に起動指令が与えられる車両における車両起動制御装置に関する。
車両には多くの電気機器、電子機器が搭載されており、これらを制御するために電気制御ユニット(ECU)と呼ばれる制御装置も搭載される。車両に搭載される電気機器、電子機器としては、たとえば、回転電機、各種小型アクチュエータ、各種センサ、空調機、ランプ、オーディオ機器等さまざまなものがある。これらの電気機器、電子機器は、相互に電源系や駆動条件が異なることがある。また、車両の状況によって、これらの電気機器、電子機器は、必ずしも同時に作動するわけではない。これらのことから、電気機器、電子機器を制御するECUは1つではなくて、複数のECUが用いられることが多い。
上記のように、制御対象の電気機器、電子機器を駆動条件や車両の状況において作動する条件等が異なるので、これを複数のグループに分けることができる。そして、その分け方に応じてECUもいくつかのグループに分けることが行われる。このように複数のECUをいくつかのECUグループに分けた場合に、各ECUグループへの起動指令は、各ECUグループごととなる。換言すると、各ECUグループごとに、それぞれ起動指令信号が伝送されることになる。原則的には、各ECUグループに対して、同時に起動指令が伝送され、複数の起動指令の内容は同じとなっている。
ところで、各ECUグループに起動指令を伝送する複数の伝送経路のどこかに故障が生じると、複数の起動指令信号の内容が異なることになる。つまり、原則的には同じ内容であるはずの複数の起動指令信号の間に矛盾が生じる。起動指令信号の間に矛盾が生じるときには、車両を走行不可とする処理を取ることが車両運行上安全である。しかし、複数の伝送経路の故障の内容によっては、必ずしも車両の走行を不可にしなくてもよい場合がある。したがって、複数の起動指令信号の間に矛盾が生じているときに、その原因を判断できることが好ましい。
例えば、特許文献1には、車両用電源供給システムにおいて、イグニッションキー等を含むキースイッチからエンジンルーム内コントローラを介してエンジン制御装置及びスタータモータへの電源供給制御を行う場合の通信異常に対するフェイルセーフ機能が述べられている。ここでは、キースイッチからエンジンルーム内コントローラへの信号線と、キースイッチから車室内コントローラを介してエンジンルーム内コントローラへの信号線が用いられ、後者による通信が異常であると判定すると、前者の信号に基づいて制御が行われる。
また、特許文献2には、IGスイッチのオンを保持するホールド回路を備える車両システム起動制御装置において、IGスイッチのオン・オフ操作の信頼性を高める構成が示されている。ここでは、ホールド回路を経由する主IG指令信号と、ホールド回路を経由しない副IG指令信号とが起動/停止判定回路に供給される。そして、この2つの信号に矛盾が生じた場合、駐車推定条件が成立するか否かに基づき、例えばシフトポジションがPあるいはサイドブレーキが引かれている場合等で駐車推定条件が成立するときはイグニッションスイッチがオフであると推定する。また、一時的駐車状態の誤判定をのぞくためにタイマーにより所定期間経過後に判定を行う。さらに、シフトポジションがPの場合に、トリップが終わってこれから駐車しようとする場合と、既に駐車させていてこれから起動しようとする場合とを区別するため、車両システムが現在起動されて動作中のとき(前者)にイグニッションスイッチのオン・オフ判定が行われる。これらによって、運転者の意に反し車両システムが停止されることを防止できると述べられている。
特開平11−132086号公報 特開2006−256562号公報
このように、従来技術においては、複数の起動指令信号の間に矛盾が生じているときに、その原因を判断することが述べられている。例えば、特許文献2においては、ホールド回路を経由する主IG指令信号と、ホールド回路を経由しない副IG指令信号との間に矛盾が生じる場合に、シフトポジションがPあるいはサイドブレーキが引かれているときにはイグニッションスイッチがオフであると推定し、また、誤判定をのぞくために、タイマーにより所定期間経過後にこの推定判定を行うことが述べられる。
上記従来技術においては、複数の起動指令信号の間に矛盾が生じているときに、限られた範囲でその原因を判断し、その判断に基づいて車両を走行不可とする処理が取られる。したがって、原因の内容によっては、車両を通常走行させることができる場合でも、車両を走行不可と判断されることが生じる。
本発明の目的は、複数の起動指令信号の間に矛盾が生じているときに、車両を通常走行させることができる場合には、車両の走行不可と判断することを回避できる車両起動制御装置を提供することである。
本発明に係る車両起動制御装置は、複数の制御装置にそれぞれ個別に起動指令を与える複数の起動指令信号の間において信号間論理矛盾が生じているか否かを判断する信号判断手段と、信号間論理矛盾が生じていると判断されたときに、車両を走行不可と判断せず車両を通常走行させ、さらに、車両の駆動電源回路のシステムメインリレーの接続の有無に基づいて、車両走行可否を判断する走行可否判断手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る車両起動制御装置において、システムメインリレーが接続されているか、あるいは車両が駆動力を出せる状態のときにオン信号を出力するレディ信号がオンの場合に、カウントを開始するカウンタを備え、走行可否判断手段は、車両の状態がPレンジの状態でない場合は、レディ信号をオフとせず車両を走行可とし、車両の状態がPレンジの状態の場合は、カウンタが所定カウントに達するまでレディ信号をオンのままとし、カウンタが所定カウントに達したときにレディ信号をオフとして車両を走行不可とすることが好ましい。
また、本発明に係る車両起動制御装置において、カウンタの所定カウントは、車両のバッテリの充電状態に基づいて設定されることが好ましい。
上記構成により、車両起動制御装置は、複数の起動指令信号の間において矛盾が生じている場合に、車両を走行不可と判断せず車両を通常走行させ、さらに、システムメインリレーの接続の有無に基づいて、車両走行可否を判断する。ここでシステムメインリレーが接続されていれば、車両の通常走行は可能である。したがって、車両の走行不可と判断することを回避して、車両を通常走行させることができる。
また、複数の起動指令信号の間において矛盾が生じているときに、システムメインリレーが接続されているか、あるいはレディ信号がオンであればカウンタのカウントを開始させ、車両の状態がPレンジの状態の場合は、カウンタが所定カウントに達するまでレディ信号をオンのままとする。車両がPレンジの状態のときは、ユーザは車両を停止させようとしていると通常は考えられるので、カウンタが所定カウントに達するまでは車両を通常走行可能として、その間に車両を待避させて停止させるようにすることができる。
また、車両のバッテリの充電状態に基づいて、カウンタの所定カウントが設定されるので、バッテリの電力を過度に消費しない範囲で、車両を通常走行させることができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、システムメインリレーを有する車両として、高電圧2次電池を備えるハイブリッド車両を説明するが、これ以外の車両、例えば燃料電池を搭載する車両であってもよい。また、以下では複数のECUが3つのグループに分けられ、各ECUグループはそれぞれ3つのECUを含むものとして説明するが、これは説明のための例示であって、複数の起動指令信号を有するものであれば、ECUグループの数はこれ以外のものであってもよく、各ECUグループに含まれるECUの数もこれ以外のものでもよい。例えば、2つまたは4以上のECUグループであるものでもよく、1つのECUグループが1つまたは2つ、あるいは4以上のECUから構成されるものでもよい。以下で説明する時間等は、例示であって、車両構成に応じて適宜変更が可能である。
図1は、ハイブリッド車両における車両起動制御装置70を備える車両起動制御システム10の構成図である。車両起動制御システム10は、3つのECUグループ12,14,16と、3つのIGリレー22,24,26と、IGリレーを介してECUグループに接続される低電圧バッテリ28と、IGリレーを駆動する3つのIG回路32,34,36と、ECUグループとは別のECUである電源ECU38と、車両の駆動源40と、車両のシフト状態を検出するシフトセンサ18と、これらの要素と接続され車両の起動を制御する車両起動制御装置70とを含んで構成される。車両起動制御装置70もECUの一種である。
ここで、車両の駆動源40と、シフトセンサ18の説明を先に行い、その後に、3つのECUグループ12,14,16等に関する説明を行う。
車両の駆動源40は、モータ・ジェネレータ50及びそのための駆動回路と、エンジン60とを含んで構成される。モータ・ジェネレータ50のための駆動回路は、高電圧バッテリ42と、システムメインリレー(SMR)44と、電圧変換器46と、インバータ48を含んで構成される。なお、SMR44と電圧変換器46との間と、電圧変換器46とインバータ48との間に、それぞれ平滑コンデンサが配置される。
モータ・ジェネレータ50は、車両が力行するときは駆動モータとして機能し、車両が制動するときは発電機として機能する回転電機である。かかるモータ・ジェネレータ50としては、三相同期回転電機を用いることができる。
高電圧バッテリ42は、充放電可能な蓄電装置であって、例えば、約200Vから約300Vの端子電圧を有するリチウムイオン組電池あるいはニッケル水素組電池、またはキャパシタ等を用いることができる。
SMR44は、高電圧バッテリ42と、電圧変換器46の側の回路部分との間の接続を開閉する電磁リレーである。なお、SMR44の接続状態は、図示されていない適当な検出手段によって検出され、検出結果は、車両起動制御装置70に伝送される。
電圧変換器46は、高電圧バッテリ42側の電圧を例えば約600Vに昇圧する機能を有する回路である。電圧変換器46は双方向機能を有し、インバータ48側からの電力を高電圧バッテリ42側に充電電力として供給するときには、インバータ48側の高圧を高電圧バッテリ42に適した電圧に降圧する作用も有する。
インバータ48は、高圧直流電力を交流三相駆動電力に変換しモータ・ジェネレータ50に供給する機能と、逆にモータ・ジェネレータ50からの交流三相回生電力を高圧直流充電電力に変換する機能とを有する回路である。
シフトセンサ18は、車両のシフト状態を検出する機能を有する。車両のシフト状態としては、車両を駐車させるときに用いられるPレンジ、車両を前進走行させるときに用いられるDレンジ、車両を後退させるときに用いられるRレンジ等がある。図1では、Pレンジが「P」で、Dレンジが「D」でそれぞれ表示されており、この場合には、車両のシフト状態がPレンジであることが示されている。なお、シフトセンサ18の検出結果は、車両起動制御装置70に伝送される。
次に、3つのECUグループ12,14,16等に関する説明を行う。3つのECUグループ12,14,16は、それぞれ3つのECUを含んで構成される。例えば、ECU1グループ12は、1A,1B,1Cの3つのECUを含み、ECU2グループ14は、2A,2B,2Cの3つのECUを含みECU3グループ16は、3A,3B,3Cの3つのECUを含む。各ECUグループ12,14,16は、制御の対象である電気機器、電子機器の種類、駆動条件、車両の状況において作動する条件等に応じてグループ分けされている。例えば、ECU1グループ12は、車両の駆動に関係する電気機器、電子機器を制御の対象とし、ECU2グループ14は、空調機、車載音響機器等を制御の対象とし、ECU3グループ16は、これら以外の電気機器、電子機器を制御の対象とするものとしてグループ分けすることができる。
3つのIGリレー22,24,26は、3つのECUグループ12,14,16に対応して設けられ、対応する各ECUグループ12,14,16のそれぞれと、低電圧バッテリ28との間の接続を開閉する電気開閉器である。具体的には、ソレノイドに流す電流によって開閉を制御できる電磁リレーを用いることができる。例えばIG1リレー22は、ECU1グループ12に対応し、これが閉じるときに低電圧バッテリ28から電力がECU1グループ12を構成する3つのECUに供給され、これらのECUが起動する。同様に、IG2リレー24が閉じるとき、ECU2グループ14を構成する各ECUが起動し、IG3リレー26が閉じるとき、ECU3グループ16を構成する各ECUが起動する。すなわち、3つのIGリレー22,24,26は、ECUの起動リレーである。
3つのIG回路32,34,36は、3つのIGリレー22,24,26に対応し、電源ECU38の制御の下で、対応する各IGリレー22,24,26の開閉のために、対応するソレノイドに対し駆動電流を供給し、または駆動電流を遮断するリレー駆動回路である。例えば、IG1回路32はIG1リレー22のソレノイドに接続され、このソレノイドに駆動電流を供給することでIG1リレー22を閉じることができる。もちろん開閉論理を逆にして、ソレノイドに駆動電流を流すときIG1リレーを開くものとしてもよい。同様に、電源ECU38の制御の下で、IG2回路34はIG2リレー24の開閉を行うことができ、IG2回路34はIG2リレー24の開閉を行うことができる。
低電圧バッテリ28は、端子電圧が約12Vから約16Vの充放電可能な2次電池で、例えば鉛蓄電池を用いることができる。低電圧バッテリ28は、低電圧の下で作動する電気機器、電子機器に電力を供給する機能を有するが、図1においては、特にECUグループ12,14,16に電力を供給する機能を有する。
電源ECU38は、車両に搭載される電気機器、電子機器に電源から電力を供給する際の制御を実行するECUである。図1においては、特に、3つのIG回路32,34,36を制御して、3つのECUグループ12,14,16に低電圧バッテリ28の電力を供給して起動させ、あるいは低電圧バッテリ28からの電力供給を遮断して、3つのECUグループ12,14,16の作動を停止させる制御を行う。上記のように、この制御は、3つのIG回路32,34,36を介して実行される。
したがって、電源ECU38からの各IG回路32,34,36に対する制御信号が、各ECUグループ12,14,16に対し、起動または停止を指令するための制御信号となる。このように、電源ECU38からの制御信号が各IG回路32,34,36に供給されると、対応する各IGリレー22,24,26がそれぞれ閉じて、低電圧バッテリ28の電力が各ECUグループ12,14,16に供給される。これにより、各ECUグループ12,14,16において、それぞれを構成する各ECUがそれぞれ起動することになる。
なお、図1の例においては、各ECUグループ12,14,16に対して起動または停止を指令する信号は、各IGリレー22,24,26の出力信号である。すなわち、各IGリレー24,26,28の出力信号が「H」レベルのとき、すなわち、低電圧バッテリ28の端子電圧が供給されるときは、各ECUグループ12,14,16が起動する。また、各IGリレー24,26,28の出力信号が「L」レベル、すなわち、低電圧バッテリ28の端子電圧が供給されないときは、各ECUグループ12,14,16が停止する。
そこで、図1の例では、各IGリレー22,24,26の出力信号が、各ECUグループ12,14,16に対する起動指令信号の状態を示すものとして、車両起動制御装置70に伝送される。
電源ECU38の制御信号によって各ECUグループ12,14,16が起動または停止する経路において、何らかの故障があると、電源ECU38からの制御信号が実際に与えられたにも関わらず、対応するECUグループが起動しない。あるいは、電源ECU38からの制御信号が実際には与えられていないにもかかわらず、対応するECUグループが起動してしまう。かかる故障としては、IG回路の故障、IGリレーの故障、信号線の故障等がある。
電源ECU38の制御信号によって各ECUグループ12,14,16が起動または停止する経路は3つあるので、いずれかの1つ、または2つの経路に故障があると、電源ECU38から同じ制御信号が与えられたにも関わらず、3つのECUグループ12,14,16の間で、起動指令信号の状態が異なることが生じる。例えば、ECU2グループ14の起動または停止する経路にのみ故障がある場合には、電源ECU38から同じ制御信号が各IG回路32,34,36に与えられたにも関わらず、ECU1グループ12に対するIG1リレー22の出力信号とECU3グループ16に対するIG3リレー26の出力信号が同じであるが、ECU2グループ14に対するIG2リレー24の出力信号がこれらと相違する。
例えば、電源ECU38からの制御信号が各IGリレー22,24,26を閉じるための制御信号であるときは、各IGリレー22,24,26の出力信号は、各ECUグループ12,14,16の起動指令信号である。したがって、上記の例では、電源ECU38から各ECUグループ12,14,16の起動に対し同じ制御信号が与えられたにも関わらず、ECU1グループ12の起動指令信号と、ECU3グループ16の起動指令信号とが同じであり、ECU2グループ14の起動指令信号がこれらと異なるものとなっている。この状態を、複数の起動指令信号の間において、信号間論理矛盾が生じている、と呼ぶことができる。
車両起動制御装置70は、信号間論理矛盾に適切に対応する機能を有する。具体的には、複数の起動指令信号の間に矛盾が生じているときに、車両を通常走行させることができる場合には、車両の走行不可と判断することを回避する機能を有する。車両起動制御装置70は、複数の起動指令信号の間に矛盾が生じているか否かを判断する信号判断モジュール74と、信号間論理矛盾が生じていると判断されたときに、SMR44の接続の有無に基づいて、車両走行可否を判断する走行可否判断モジュール76を含んで構成される。
さらに、車両起動制御装置70は、SMR44が接続されているか、あるいは車両が駆動力を出せる状態のときにオン信号を出力するレディ信号がオンの場合に、カウントを開始するカウンタ72を備える。そして、走行可否判断モジュール76は、シフトセンサ18の検出がPレンジの状態でない場合は、レディ信号をオフとして車両を走行不可とし、車両の状態がPレンジの状態の場合は、カウンタ72が所定カウントに達するまでレディ信号をオンのままとし、カウンタが所定カウントに達したときにレディ信号をオフとして車両を走行不可とする機能を有する。
カウンタ72は、走行可否判断モジュール76からのカウンタスタート指令によってカウントを開始し、所定のカウントに達すると、その旨を走行可否判断モジュール76に通知する機能を有する計数手段である。かかるカウンタ72は、適当なタイマを用いることができる。上記のように、走行可否判断モジュール76は、カウンタ72がカウントを開始して所定カウントに達するまでは車両を走行可能とする。その間は、車両のバッテリの電力を消費するので、所定カウントは、車両のバッテリの充電状態に基づいて設定されることが望ましい。例えば、カウンタ72にタイマを用いるとして、所定カウントを時間換算で約10秒程度と設定できる。この約10秒の設定を、バッテリの充電状態に応じて増減することができる。
かかる機能を有する車両起動制御装置70は、ECUで構成でき、例えば、車載に適したコンピュータで構成することができる。また、かかる機能は、ソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には、対応する車両起動制御プログラムを実行することで実現できる。
上記構成の車両起動制御システム10の動作、特に車両起動制御装置70の各機能につき、図2のフローチャートと、図3のタイムチャートを用いて説明する。図2は、複数の起動指令信号の間に矛盾が生じているときの車両の起動制御についての手順を示すフローチャートで、各手順は、車両起動制御プログラムの各処理手順に対応する。なお、以下では図1の符号を用いて説明する。
車両の起動制御に関する手順は、スタートスイッチがオンされて開始する(S10)。ここでスタートスイッチとは、車両の運転席等に設けられ、車両を起動するためにユーザが操作する押しボタン等の操作子である。スタートスイッチの一例を上げると、ユーザが指で押すことができ、指を離すと元の位置に復帰する自動復帰型の押しボタンである。そして、ユーザが1度ボタンを押すことで、空調機、車載用音響機器等の使用が可能になり、指を一旦離して再度ボタンを押すと、これによって駆動系が作動する。別のスタートスイッチの例をあげると、押しボタンを1度押すのみで、駆動系が作動する。すなわち、スタートスイッチは、車両を起動させるユーザの要望を、車両起動制御システム10に伝達する機能を有する操作子である。
スタートスイッチがオンされると、電源ECU38は、各ECUグループ12,14,16を起動させるために、各IG回路32,34,36に制御信号を出力する。これにより、故障がない限り、各IG回路32,34,36はオンする(S12)。各IG回路32,34,36がオンすると、故障がない限り、各IGリレー22,24,26は閉じ、したがって、故障がない限り、各IGリレー22,24,26の出力信号は「H」となる。
上記のように、各IGリレー22,24,26の出力信号は車両起動制御装置70に伝送されるので、ここで、複数の起動指令信号の間に矛盾が生じているか否かが判断される(S14)。この工程は、車両起動制御装置70の信号判断モジュール74の機能によって実行される。具体的には、各IGリレー22,24,26の出力信号が全部「H」で一致しているかが判断される。全部の出力信号が「H」であれば、起動指令信号の間に矛盾が生じていない、と判断される。出力信号の1つまたは2つが「L」であれば、起動指令信号の間に矛盾が生じている、と判断される。なお、全部の出力信号が「L」の場合は、起動指令信号の間に矛盾が生じていない、と判断されるが、この場合は、スタートスイッチが押されたにも関わらず、全ての起動指令信号がユーザの要望どおりでないので、車両に何らかの異常が発生している可能性があるものとして、別の処理が実行され、例えば後述するREADY信号がオフとされる。
S14において複数の起動指令信号の間に矛盾が生じていると判断されると、カウンタ72がクリアされる(S16)。S16を含めこれ以後の工程は、車両起動制御装置70の走行可否判断モジュール76の機能によって実行される。
そして、SMR44がオフか否かが判断される(S18)。SMR44がオフとは、SMR44が開放状態で、高電圧バッテリ42の電力がモータ・ジェネレータ50に供給されていない状態のことである。SMR44がオフのときはさらにREADYがオフか否かが判断される(S20)。READYとは、車両が駆動力を出せる状態のときにオン信号を出力する信号で、いわゆるレディ信号である。レディ信号がオフとは、車両の駆動源40が十分に作動していなくて車両が駆動力を出せる状態でない状態である。
そして、S20における判断が肯定の場合はS16に戻り、カウンタがクリアされているかを確認し、上記の工程を繰り返す。S18における判断が否定の場合、すなわちSMRがオンの場合にはS22に進む。また、S20における判断が否定の場合、すなわちREADYがオンの場合にもS22に進む。したがって、SMRがオンか、READYがオンか、いずれかが早く条件を満たしたときに、S22に進む。
S22では、カウンタ72がスタートし、カウントを開始する(S22)。そして、シフトセンサ18の作動について正常か否かが判断される(S24)。判断は、いずれかのシフト状態が出力されているか等で行うことができる。正常でないと判断されると、車両に何らかの異常が発生している可能性があるものとして、READYがオフとされる。
S24の判断が肯定であると、シフトセンサ18によって検出された状態がPレンジか否かが判断される(S26)。Pレンジでないと判断されるとS14に戻る。このような処理とするのは、シフト状態がPレンジにないときは、ユーザは、車両を停止状態にすることを要望していない、すなわち、走行を要望しているものと推測されるから、車両を走行可能のまま維持するためである。
S26の判断が肯定の場合は、カウンタ72のカウントが所定カウントToに達したか否かが判断される(S28)。カウントが所定カウントToに達すると、READYをオフとし(S30)、車両を走行不可とする。カウントが所定カウントToに達するまでは、READYはオフにされず、オンのままで、車両は走行可能の状態を維持する。
上記の例では、Toを約10秒とするので、複数の起動指令信号に矛盾があっても、Pレンジであって、SMR44がオン、あるいはREADYがオンのときは、約10秒間、車両を走行可能に維持できる。この時間を利用して、車両を安全な場所等に退避させることができる。
図3は、複数の起動指令信号に矛盾がある場合の処理の例をタイムチャートで説明するものである。以下では、図1、図2の符号を用いて説明する。図3において横軸は時間で、縦軸は各信号のレベルを示す。各信号は、上側から下側に向かって、IG1,IG2,IG3,SMR,READY,カウンタの順に並べられている。
ここで、IG1,IG2,IG3は、それぞれ、IGリレー22,24,26の出力信号、すなわち各起動指令信号であり、「H」レベルが起動指令を示し、「L」レベルが停止指令を示す。SMRは、SMR44の接続状態を示す信号で、「H」レベルはSMR44がオン、すなわち接続状態を示し、「L」レベルはSMR44がオフであることを示す。READYは、レディ信号で、「H」レベルがオン状態を示し、「L」レベルがオフである。カウンタは、カウンタ72のカウントの状態を示し、「L」レベルがクリア状態であり、カウントを開始すると、時間経過と共にレベルが上昇し、所定カウントで最大のレベルとなる。
図3において、時刻t1はスタートスイッチがオンされたときである。すなわち、図2のS10の時刻である。このとき、IG2とIG3は、「L」レベルから「H」レベルに変化しているが、IG1は「L」レベルのままである。すなわち、ここでは3つの起動指令信号の間で、信号間論理矛盾が生じている。これは、図2のS14において判断が肯定されたことに相当する。
次に、時刻t2において、SMRがオンし、時刻t3において、READYがオンしていることが示されている。これは、例えば、ECUグループ14が駆動系のものであるとすると、ここではIG2が「H」であるので、車両の駆動源40の制御が正常に開始でき、SMR44がオンし、ついで、適当な時間遅れで、車両が駆動力を出せる状態となってREADYがオンしたためである。
そして、SMRがオンであることは、図2のS18の判断が否定であり、READYがオンであることはS20の判断が否定であるので、S22に関連して説明したように、いずれか早く条件を満たしたときからカウンタ72がカウントをスタートする。ここでは、時刻t2のほうが早いので、t2からカウンタのレベルが時間経過と共に上昇する。
そして、時刻t4においてカウンタ72のカウントが所定カウントに達するまで、READYはオンのままで、時刻t2から起算して、所定カウントに相当する時間Toが経過する時刻t4において、READYがオフとなる。
上記のように、図3においては、例えば、Toを約10秒とすると、複数の起動指令信号に矛盾があっても、Pレンジであって、SMR44がオン、あるいはREADYがオンのときは、約10秒間、車両を走行可能に維持されることが示されている。
本発明に係る実施の形態の車両起動制御装置を備える車両起動制御システムの構成図である。 本発明に係る実施の形態において、複数の起動指令信号の間に矛盾が生じているときの車両の起動制御についての手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、複数の起動指令信号に矛盾がある場合の処理の例を説明するタイムチャートである。
符号の説明
10 車両起動制御システム、12,14,16 ECUグループ、18 シフトセンサ、22,24,26 IGリレー、28 低電圧バッテリ、32,34,36 IG回路、38 電源ECU、40 車両の駆動源、42 高電圧バッテリ、44 SMR、46 電圧変換器、48 インバータ、50 モータ・ジェネレータ、60 エンジン、70 車両起動制御装置、72 カウンタ、74 信号判断モジュール、76 走行可否判断モジュール。

Claims (3)

  1. 複数の制御装置にそれぞれ個別に起動指令を与える複数の起動指令信号の間において信号間論理矛盾が生じているか否かを判断する信号判断手段と、
    信号間論理矛盾が生じていると判断されたときに、車両を走行不可と判断せず車両を通常走行させ、さらに、車両の駆動電源回路のシステムメインリレーの接続の有無に基づいて、車両走行可否を判断する走行可否判断手段と、
    を備えることを特徴とする車両起動制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両起動制御装置において、
    システムメインリレーが接続されているか、あるいは車両が駆動力を出せる状態のときにオン信号を出力するレディ信号がオンの場合に、カウントを開始するカウンタを備え、
    走行可否判断手段は、
    車両の状態がPレンジの状態でない場合は、レディ信号をオフとせず車両を走行可とし、
    車両の状態がPレンジの状態の場合は、カウンタが所定カウントに達するまでレディ信号をオンのままとし、カウンタが所定カウントに達したときにレディ信号をオフとして車両を走行不可とすることを特徴とする車両起動制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両起動制御装置において、
    カウンタの所定カウントは、車両のバッテリの充電状態に基づいて設定されることを特徴とする車両起動制御装置。
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