JP2008251992A - 磁石の焼結体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容易に滑りを低減することができる磁石の焼結体を提供すること。
【解決手段】 本発明の磁石の焼結体は、磁性粉末を焼結してなる磁石の焼結体であって、
少なくとも一つの表面において、周期的な凹凸パターンが形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁石の焼結体に関する。
近年、磁石は、例えば、ハイブリッド自動車のモーターやハードディスクドライブに搭載される等、その用途が多岐にわたっている。そのため、磁石としては、用途に応じて多様な特性、形状、大きさ等を有するものが製造されている。
磁石の製造方法としては、磁石の原料粉末を油や有機溶媒等の分散媒(溶媒)と混合して得られたスラリーを成形した後、得られた成形体を焼成するという湿式成形のプロセスや、磁性粉末をそのまま成形して焼成する乾式成形のプロセスを経る方法が知られている。例えば、特許文献1には、湿式成形のプロセスとして、希土類磁石(希土類永久磁石)の製造方法において、希土類永久磁石用微粉と油とを混合したスラリーを濃縮して加圧成形し、成形体の溶媒を除去した後、焼結する製造方法が記載されている。
特開平10−241981号公報
上記のような製造方法においては、焼結後に得られた焼結体に対して、通常、用途に合わせて適当な大きさに切断したり、寸法精度を良くするために研磨したりする加工処理工程が行われる。また、表面上に所定の保護膜を形成する表面処理工程が行われることも多い。なお、以下の説明では、加工処理工程及び表面処理工程を合わせて後処理工程ということとする。
しかしながら、磁石の焼結体は通常、衝撃にそれ程強いものではなく、後処理工程等において何らかの衝撃が加わると割れ・欠けを生じ易い傾向にある。そして、このような割れ・欠けが生じると、その焼結体は、磁石として所望の用途に適用することが困難となる。そのため、焼結体において割れ・欠けが頻繁に生じると、特に高価な希土類元素を含む希土類磁石を製造する場合等においては、製造コストが無視出来ない程に増大してしまうことになる。
例えば、上述したような加工処理工程には、加工機としてワイヤーソー、内周歯切断機、外周歯切断機等を用いた切断工程があるが、この場合、焼結体は接着剤で固定されるか、アームに挟み込まれて保持された状態で切断される。この切断工程において、接着剤の強度不足やアームとの摩擦力の低下があると、処理時に焼結体が滑り、固定位置から動いてしまうことがあった。こうなると、焼結体に対し、切断の衝撃による割れ・欠けや、落下による割れ・欠けが発生したり、切断位置がずれたりするという不具合が生じ易くなる。
また、加工処理工程のうちの研磨工程では、縦型両頭研磨機、横型両頭研磨機等の装置が使用される。この際、焼結体の搬送は、焼結体をコンベヤーやローラー等によりガイドに沿って連続的に送り出すことによって行われる。研磨処理は、連続的に搬送される焼結体が砥石の間を通り、この際に焼結体が砥石に押しつけられる形で行われる。ところが、このような研磨工程では、加工時の負荷によって、コンベヤーやローラー等に過大な力が必要となり、そのため焼結体との間で滑りを生じることがあった。こうなると、滑りの際の衝撃による欠けが生じるおそれがあるほか、処理が停滞して生産性が低下するという不具合が生じる結果となる。
一方、焼結体は、後処理工程を行わずにそのまま磁石として用いることも可能であるが、製造後の焼結体は、当然ながら何らかの搬送手段(例えばコンベヤー等)によって移動させられることになる。しかし、従来は、搬送中に搬送手段から焼結体が滑り落ちることも少なくなかったため、後処理工程を行わない場合も、このような搬送時における焼結体の滑落を防止することが重要である。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、滑りを容易に低減することが可能な磁石の焼結体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の磁石の焼結体は、磁性粉末を焼結してなる磁石の焼結体であって、少なくとも一つの表面に、周期的な凹凸パターンが形成されていることを特徴とする。ここで、「周期的な凹凸パターンが形成されている」とは、所定の面上において、凹部又は凸部によって形成される一定の単位形状が、当該面内で規則的に繰り返し形成されていることを意味する。
このように、磁石の焼結体が周期的な凹凸パターンを有する面(以下、「粗面」という)を有することにより、例えば後処理時において焼結体を保持する際に、この粗面によって焼結体と保持手段との間の滑りが低減され、保持中の焼結体の滑落が生じ難くなる。また、焼結体の滑りを低減できるので、後処理工程中に焼結体が動くことによる失敗も少なくでき、製造歩留りを向上させることも可能となる。さらに、本発明の焼結体によれば、その搬送時における、搬送手段の保持面に対する焼結体の滑りも低減されるため、搬送中の滑落も生じ難くなる。そして特に、本発明の焼結体は、凹凸パターンが周期的に形成されているため、粗面であればどこを保持しても同様の滑り止め効果が得られ、後処理時や搬送時の滑落を容易に防止することができる。
上記本発明の焼結体は、上記凹凸パターンの深さが0.1〜0.2mmであると好ましい。このような深さで凹凸パターンが形成されていることで、上述したような滑り止め効果が特に良好に得られる。
また、本発明の焼結体において、凹凸パターンは、その凹部又は凸部により多角形の単位パターンが繰り返し配置された平面形状を形成していることが好ましい。このように多角形の単位領域が繰り返し配置されていることで、複数方向に対して同様の滑り止め効果が得られ、より確実に焼結体の滑りを防止することが可能となる。また、多角形の凹凸パターンとすれば、周期的な形状に加工し易く、パターンの形成が容易であるという効果も得られる。
特に、凹凸パターンは、その凹部又は凸部により六角形の単位パターンが隣接して繰り返し配置された平面形状を形成していると好適である。六角形のパターンが連続することにより、縦、横、斜めの全ての方向の滑り止め効果が得られるため、ほぼ全方向に対して十分に滑り止めが可能となる。また、六角形のパターンは、一つの面に対して、その全面に均一に形成することができることから、粗面の全領域で同様の滑り止め防止効果が得られるようにもなる。
本発明によれば、滑りを容易に低減することができる磁石の焼結体を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、好適な実施形態に係る磁石の焼結体を模式的に示す斜視図である。図示されるように、焼結体1は、平板状の形状を有しており、その一面が、周期的な凹凸パターンが形成された粗面3となっている。
焼結体1は、磁石の原料である磁性粉末を焼成して得られたものであり、一例として、希土類元素を含む希土類磁石の焼結体が挙げられる。希土類磁石としては、例えば、希土類元素として主にNdやPrを含むものが挙げられ、希土類元素と、希土類元素以外の遷移元素とを組み合わせた組成を有するものが好適である。具体的には、希土類元素(「R」で表す)としてNd、Pr、Dy及びTbのうちの少なくとも1種を含み、Bを必須元素として1〜12原子%含み、且つ残部がFeであるR−Fe−B系の組成を有するものが好ましい。このような希土類磁石は、必要に応じて、Co、Ni、Mn、Al、Cu、Nb、Zr、Ti、W、Mo、V、Ga、Zn、Si等の他の元素を更に含む組成を有していてもよい。
本実施形態における焼結体1の粗面3は、六角形のパターンが隣接して繰り返し配置された凹凸パターンを有している。ここで、図2は、図1に示す焼結体の粗面3に対する垂直方向の断面構成を模式的に示す図である。図1及び図2に示されるように、粗面3においては、六角形のパターンを形成している線に沿って凸部13が基準面Fから突出しており、これによって凹凸パターンが構成されている。なお、粗面3において、凸部13は、必ずしも図示のように基準面Fと明確に区別できるものである必要はなく、周囲と比べて相対的に突出していればよい。
このような構成を有する焼結体1においては、凹凸パターンの深さは、0.1〜0.2mmであることが好ましく、0.13〜0.18mmであることがより好ましい。ここで、「凹凸パターンの深さ」とは、凹凸パターンを形成している凸部の頂点から凹部の頂点までの距離を意味する。本実施形態の焼結体1においては、凸部13の頂点から基準面Fまでの距離Dがこれに該当する。凹凸パターンの深さが上記範囲であると特に良好な滑り止め効果が得られるようになる。焼結体1における凹凸パターンの深さが0.1mm未満であると、粗面3による滑り止めの効果が十分に得られなくなるおそれがある。一方、0.2mmを超えると、後処理工程等において焼結体1を多く研磨する必要があり、歩留まりが低下するほか、加工負荷が増大する傾向にある。また、後処理工程を行わない場合は、実質的に磁石の体積が小さくなるため、磁気特性の低減につながる可能性がある。
また、焼結体1における凹凸パターンのピッチは、0.2〜0.6mmであると好ましく、0.3〜0.5mmであるとより好ましい。この「凹凸パターンのピッチ」とは、粗面3における任意の直線に沿う凹凸パターンにおいて、凸部又は凹部が繰り返される間隔をいうものとする。例えば本実施形態の焼結体1は、基準面Fから突出した凸部13が形成され、明確な凹部を有していないことから、凸部13間の間隔Pが「凹凸パターンのピッチ」に該当する。凹凸パターンがこのようなピッチを有するように周期的に形成されることで、粗面3による滑り止め効果が特に良好に得られる傾向にある。
次に、上述した構成を有する焼結体1の好適な製造方法について説明する。以下の説明では、希土類磁石の焼結体1を湿式成形によって製造する例について説明する。
焼結体1の製造においては、まず、上述したような所望の組成を有する焼結体(希土類磁石)が得られるような合金を準備する。この工程では、例えば、希土類磁石の組成に対応する金属等の元素を含む単体、合金や化合物等を、真空又はアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で溶解した後、これを用いて鋳造法やストリップキャスト法等の合金製造プロセスを行うことによって所望の組成を有する合金を作製する。
次に、得られた合金を粗粉砕して、数百μm程度の粒径を有する粒子とする。合金の粗粉砕は、例えば、ジョークラッシャー、ブラウンミル、スタンプミル等の粗粉砕機を用いるか、または、合金に水素を吸蔵させた後、異なる相間の水素吸蔵量の相違に基づく自己崩壊的な粉砕を生じさせる(水素吸蔵粉砕)ことによって行うことができる。
続いて、粗粉砕により得られた粉末を更に微粉砕することで、好ましくは1〜10μm、より好ましくは3〜5μm程度の粒径を有する希土類磁石の原料である磁性粉末(以下、単に「原料粉末」という)を得る。微粉砕は、粗粉砕された粉末に対し、粉砕時間等の条件を適宜調整しながら、ジェットミル、ボールミル、振動ミル、湿式アトライター等の微粉砕機を用いて更なる粉砕を行うことによって実施する。
次いで、得られた原料粉末と、溶媒とを混合し、原料粉末を含むスラリーを調製する。スラリーの製造に用いる溶媒としては、磁石の湿式成形におけるスラリーに用いられる溶媒を特に制限無く適用できる。例えば、鉱物油、合成油、植物油等の油や、アセトン、アルコールといった有機溶媒等が挙げられる。なかでも、磁性粉末の酸化を抑制するために、油が好ましい。また、溶媒以外に、所望の特性が得られる他の添加剤を更に加えることもできる。添加剤としては、例えば、磁性粉末の分散を促進することができるカチオン系、アニオン系、ベタイン系、非イオン系界面活性剤等の分散剤が挙げられる。
スラリーの製造においては、得られるスラリー中の原料粉末濃度が好ましくは60〜80質量%、より好ましくは65〜75質量%となるようにする。かかる原料粉末濃度を有するスラリーは、成形機への輸送に好適な流動性を有するものとなる。
また、スラリーを調製する際には、これよりも高い濃度で混練を行った後、得られた混練物に溶媒を加えることで上記濃度まで希釈するようにしてもよい。これにより、原料粉末同士の衝突等を高頻度で生じさせることができ、原料粉末に含まれる2次粒子等を解砕して一次粒子が均一に分散されたスラリーを得ることが可能となる。このようなスラリーによれば、後述する成形時の配向が生じ易くなり、高い配向度を有する磁石が得られるようになる。この混練時の原料粉末濃度は好ましくは85〜95質量%であり、より好ましくは88〜94質量%である。
このようにして製造したスラリーが、成形前に原料粉末と溶媒との分離を生じてしまっている場合は、成形前に、スラリー中の磁性粉末と溶媒とを再度分散させる工程を行ってもよい。こうすれば、スラリーの分離が少ない状態で成形を行うことができるようになり、成形体の重量ばらつき等を抑えることが可能となる。スラリーの分散は、ボールミル、超音波拡散、ホモジナイザー、アルティマイザー等を用いることによって行うことができる。
その後、原料粉末を含むスラリーを成形機に投入し、磁場を印加しながらスラリーの成形を行うことで、成形体を得る。この成形工程により、所定の配向度を有する成形体が得られる。成形は、例えば、プレス成形により行うことができ、具体的には、スラリーを金型キャビティ内に充填した後、充填されたスラリーを上パンチと下パンチとの間で挟むようにして加圧し、スラリー中の溶媒を抜き出しながら所定形状に加工する。
成形時の加圧方向は、磁場の印加方向と同じとしてもよく、磁場の印加方向と垂直としてもよいが、磁場の印加方向と垂直に加圧を行うと、より優れた磁気特性が得られる傾向にある。また、成形時における磁場強度は、12〜20kOe(960〜1600kA/m)とすることができ、加圧は0.3〜3ton/cm(30〜300MPa)とすることができる。さらに、成形時間は、数秒〜数十秒とすることが好ましい。このような条件で磁場中、成形を行うことにより、良好な磁気特性を有する希土類磁石が得られ易い傾向にある。
成形体の形成後には、得られた成形体に対して例えば真空加熱を行うことで、成形体に残存している溶媒や添加剤等を除去する脱溶媒を行う。脱溶媒は、成形体中の溶媒の大部分を除去できるような条件とし、例えば、10〜3000Pa程度に減圧した条件下、100〜160℃で1〜5時間加熱することが好ましい。なお、かかる脱溶媒の工程では、通常は成形体の焼結は進行しないが、一部焼結が進行していても構わない。
そして、このようにして脱溶媒された成形体に対し、例えば、真空中又は不活性ガスの存在下、1000〜1200℃で1〜10時間加熱した後に、急冷することにより焼成を行い、これにより焼結体1を得る。焼成後には、得られた焼結体を焼成時よりも低い温度で加熱すること等によって、焼結体に時効処理を施してもよい。時効処理は、例えば、700〜900℃で1〜3時間、更に500〜700℃で1〜3時間加熱する2段階加熱や、600℃付近で1〜3時間加熱する1段階加熱等の適宜の条件で行う。このような時効処理によって、焼結体1の磁気特性を向上させることができる。
ここで、上述したような凹凸パターンからなる粗面3を有する焼結体1は、例えば、凹凸パターンを有する成形体を形成した後に、これを焼成する方法や、焼成後に得られた焼結体に対して凹凸パターンを形成する加工を施す方法によって得ることができる。まず、成形体の段階で凹凸パターンを形成する場合は、例えば、成形後に得られた成形体に対し、その所望の面に型を押し付け、この型の表面形状を成形体に転写することによって凹凸パターンを形成することが可能である。また、加工面に予め凹凸パターンが形成されたパンチを用いて成形を行ったり、パンチと成形体の間に所定の型を挟んで成形を行ったりすることで、成形と同時に成形体に凹凸パターンを転写することもできる。
一方、焼成後の焼結体に凹凸パターンを形成する場合は、例えば、所定形状の凹凸パターンが得られるように焼結体の表面に研磨やブラスト処理等の加工を施せばよい。ただし、このような焼結体に対する微細な加工は通常困難であることから、上述のように成形体の段階で凹凸パターンを形成しておくことが好ましい。
上記のようにして得られた焼結体1は、適宜切断、研磨等を施された後、必要に応じて保護層等を表面に形成されることにより、実用に即した形状の磁石となる。なお、焼結体1には殆どの場合何らかの加工が施されるため、通常、この焼結体1の粗面3を構成する凹凸パターンは除去されることになると考えられるが、そのまま磁石として用いたり、また保護層等を形成したりするのに特に支障がなければ、この凹凸パターンは必ずしも除去しなくてもよい。
以上、本発明の磁石の焼結体の好適な実施形態について説明を行ったが、本発明の焼結体は、上述した実施形態のものに限定されず、適宜変更が可能である。
まず、粗面3を構成する凹凸パターンは、周期的な形状を有してさえいれば、上述したような六角形の単位パターンが繰り返された形状に限定されない。例えば、図3は、粗面を構成する凹凸パターンの平面形状の第2の例を示す概略図である。図3に示す例では、上述した実施形態と同様の基準面Fから突出した凸部13が格子状に形成されている。これによって、正方形の単位パターンが隣接して繰り返し配置された平面形状を有する凹凸パターンが形成されている。このような凹凸パターンを有する粗面3も、焼結体1の滑りを低減する効果を十分に発揮することができる。また、凹凸パターンは、上記のように単位パターンが隣接して連続的に形成された平面形状を有している必要はなく、単位パターン同士が離れた状態で規則的に配置されたような平面形状であってもよい。
さらに、凹凸パターンは、上述したもののように凸部が線状に形成されることによって構成されるものに限らず、基準面に対して突出した所定形状の単位領域が周期的に繰り返し配置されることによって構成されていてもよい。例えば、図4は、粗面を構成する凹凸パターンの平面形状の第3の例を示す概略図であり、図5は、図4に示す粗面を有する焼結体のV−V方向からみた断面図である。この第3の例においては、焼結体1の表面に、基準面Fに対して突出した所定の面積を有する凸部23が複数形成され、且つ、この凸部23からなる単位領域が周期的に繰り返し形成されている。このような形状の凹凸パターンを有する粗面3によっても、焼結体1の滑りを十分に低減することができる。
また、上述した実施形態では、一つの表面のみが凹凸パターンを有する粗面3であるものを例示したが、焼結体は、複数の面が粗面であってもよく、全ての面が粗面であってもよい。このように複数の面が粗面であると、全ての面で滑り止め防止効果が得られるため、後処理時や搬送時に焼結体の向きが限定されず、作業が容易となる。ただし、磁石の製造において粗面3を除去しなければならない場合は、複数の面に対して除去処理を行う必要が生じるため、磁石の製造が煩雑となることもある。このように、焼結体においては、滑り止めが必要となる面が適宜粗面であることが好ましい。
さらに、上述した実施形態では、凹凸パターンがいずれも基準面Fから突出した凸部13によって形成されていたが、これに限定されず、凹凸パターンは、基準面よりも窪んだ凹部によって形成されてもよく、基準面に対する凸部及び凹部が混在して形成されていてもよい。
また、上述したような凹凸パターンの形状以外にも、本発明の焼結体は種々の変更が可能である。例えば、上記の焼結体1としては、平板状の外形を有するものを例示したが、その他、柱状、リング状等、所望とする形状を有していてもよい。さらに、上記実施形態では、磁石として希土類磁石の例を述べたが、これに限定されず、本発明は、その他の金属磁石やフェライト磁石等、磁性粉末の焼結によって得られる焼結磁石であれば特に制限無く適用することができる。
さらにまた、焼結体の製造方法としては、磁性粉末を溶媒に分散して成形する湿式成形方法について説明したが、本発明の焼結体は、このような湿式成形ではなく、乾式成形によって製造することもできる。なお、本発明の焼結体は、一つの磁石のみを形成することもあり、切り分けられて複数の磁石とされることもあるが、いずれにしても、焼結体が上記のような粗面を有していることで、その後処理や搬送時の滑落等を十分に防止することができる。
以上のような構成を有する本発明の磁石の焼結体によれば、少なくとも一つの表面が、凹凸パターンが形成された粗面となっているため、かかる粗面による滑り止め効果によって、例えば後処理時や搬送時における保持手段や搬送手段からの焼結体の滑落を防止することができる。したがって、磁石の製造段階において焼結体の割れ・欠け等が発生するのを大幅に抑制することができ、その結果、磁石の製造コストを低減することも可能となる。
特に、本発明の焼結体では、粗面を構成する凹凸パターンが周期的に形成されていることから、粗面であればどの位置でも同様に安定した滑り止め効果が得られる。そのため、上記のような滑落防止を容易且つ確実に図ることができる。また、例えば、凹凸パターンが周期的でなく不規則に形成されている場合には、保持する位置によっては滑りが生じ、焼結体が保持手段等から滑落したり、また、後処理中に焼結体がずれたりして加工ミス等の要因となるが、凹凸パターンが周期的に形成された本発明によれば、このような加工ミスを防ぐことも容易である。
好適な実施形態に係る磁石の焼結体を示す斜視図である。 図1に示す焼結体の粗面3に対する垂直方向の断面構成を模式的に示す図である。 粗面を構成する凹凸パターンの平面形状の第2の例を示す概略図である。 粗面を構成する凹凸パターンの平面形状の第3の例を示す概略図である。 図4に示す粗面を有する焼結体のV−V方向の断面構成の模式図である。
符号の説明
1…焼結体、3…粗面、13,23…凸部、F…基準面。

Claims (4)

  1. 磁性粉末を焼結してなる磁石の焼結体であって、
    少なくとも一つの表面に、周期的な凹凸パターンが形成されていることを特徴とする焼結体。
  2. 前記凹凸パターンの深さが0.1〜0.2mmである、ことを特徴とする請求項1記載の焼結体。
  3. 前記凹凸パターンは、その凹部又は凸部により多角形の単位パターンが繰り返し配置された平面形状を形成している、ことを特徴とする請求項1又は2記載の焼結体。
  4. 前記凹凸パターンは、その凹部又は凸部により六角形の単位パターンが隣接して繰り返し配置された平面形状を形成している、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の焼結体。
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