JP2008251823A - チップ型電子部品の外部電極形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】素体1の両端面に外部電極2a,2bを形成する方法であって、基材フィルムの片面に側鎖結晶性ポリマーを含有する粘着剤層を設けた第1の粘着テープを素体の一端面に貼付する工程と、素体の他端面に外部電極を形成する工程と、この外部電極に、基材フィルムの片面に側鎖結晶性ポリマーを主成分とする粘着剤層を設けた第2の粘着テープを貼付し、素体を第1の粘着テープから第2の粘着テープに転写する転写工程と、前記素体の一端面に外部電極を形成する工程と、素体の他端面の外部電極から第2の粘着テープを剥離する工程とを含み、前記転写工程における粘着力が(第1の粘着テープ)<(第2の粘着テープ)となるように構成されている。
【選択図】図1
Description
(a)第1の粘着テープを素体の一端面に貼付する工程。
(b)前記第1の粘着テープを貼付した素体の一端面と反対の他端面に、ディッピング等の方法で電極ペーストを塗布・乾燥して外部電極を形成する工程。
(c)この外部電極に第2の粘着テープを貼付し、素体を第1の粘着テープから第2の粘着テープに転写する転写工程。
(d)この転写工程後、前記素体の一端面に外部電極を形成する工程。
(e)ついで、素体の他端面の外部電極から第2の粘着テープを剥離する工程。
(A)工程中、素体を固定することができる。
(B)電極ペーストの塗付量を一定にする上で、粘着剤層表面に凹凸がない。
(C) 転写工程を素体や外部電極にストレスを与えることなく簡単に行うことができる。
(D)外部電極形成後、素体や外部電極にストレスを与えることなく簡単に粘着テープを剥離することができる。
(E)材料・設備投資等において、コストに優れる。
UV硬化テープでは、UV硬化装置が非常に大きく高価であるためラインが制限されると共に、コストが高くなるという問題がある。
しかしながら、特許文献3に記載されている方法では、特定の配向板およびホルダーを用いる必要があるので、必ずしも簡単に外部電極を形成することはできない。
この粘着テープは、基材フィルムと、この基材フィルムの片面に形成される側鎖結晶性ポリマーを含有する粘着剤層とから構成されるのが好ましい。
以下、本発明のチップ型電子部品の外部電極形成方法にかかる第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかるチップ型電子部品を示す拡大概略説明図である。図2および図3は、本実施形態にかかるチップ型電子部品の外部電極形成方法を示す工程図である。図4は、本実施形態にかかる第1,第2の粘着テープの各工程における粘着力と温度との関係を示す概略説明図である。
第1の粘着テープ:加熱剥離タイプ(基材フィルムの片面に加熱剥離タイプの粘着剤層を設けたものであり、側鎖結晶性ポリマーのスイッチング温度(Ts.1)が30℃以上である。)
第2の粘着テープ:冷却剥離タイプ(基材フィルムの片面に冷却剥離タイプの粘着剤層を設けたものであり、側鎖結晶性ポリマーのスイッチング温度(Ts.2)が30℃以上である。)
本実施形態は、図1に示すように、チップ型電子部品の素体1の両端面に導体膜からなる外部電極2a,2bを形成する方法である。具体的には、まず、図2(a)に示すように、第1の粘着テープ10を素体1の一端面1aに貼付する。ここで、第1の粘着テープ10は、基材フィルム3の片面に加熱剥離タイプの粘着剤層11を設けたものであり、図4に示すように、室温(通常、23℃)で粘着力を示しているので、この工程は室温で行えばよい。なお、室温が30℃以上(すなわち室温が第1の粘着テープ10のスイッチング温度(Ts.1)以上の温度)である場合には、この工程はスイッチング温度(Ts.1)未満の雰囲気温度で行えばよい。また、貼付する素体1の個数としては、効率よく外部電極を形成する上で、通常、複数個であり、複数個の素体1を多数の孔を有する治具を用いて粘着剤層11上に篩い落とすようにして均等に貼付するのが好ましい。
ついで、第1の粘着テープ10を貼付した素体1の一端面1aと反対の他端面1bに外部電極2bを形成する。すなわち、図2(b)に示すように、上下を反転して他端面1bを面板4の表面に予め塗布されている電極ペースト5に押し付け、該他端面1bに電極ペースト5を所定厚さに塗布した後、この電極ペースト5をキュア処理して、図2(c)に示すように、他端面1bに導体膜からなる外部電極2bを形成する。なお、第1の粘着テープ10は加熱剥離タイプであり、加熱により粘着力が低下するので、キュア処理時に一時的に固定力が低下するが、発泡テープのように素体1が浮くわけではなく、必要以上の応力を素体1に与えない限り剥離せず、実工程において問題ない。また、電極ペースト5の塗布方法は、上記で例示した方法に限定されるものではなく、例えばスクリーン印刷やローラ等を用いて塗布してもよい。
ついで、図2(d)に示すように、外部電極2bに、第2の粘着テープ20を貼付し、図3(e)に示すように、素体1を第1の粘着テープ10から第2の粘着テープ20に転写する。ここで、第2の粘着テープ20は、基材フィルム3の片面に冷却剥離タイプの粘着剤層21を設けたものであり、第1の粘着テープ10および第2の粘着テープ20は、この転写工程における粘着力が(第1の粘着テープ)<(第2の粘着テープ)となるように構成されている。
上記のようにして転写した後、素体1の一端面1aに外部電極2aを形成する。この外部電極2aの形成は、図3(f),(g)に示すように、前記第II工程において説明した素体1の他端面1bに外部電極2bを形成する方法と同様にして行えばよい。なお、第2の粘着テープ20は冷却剥離タイプであり、冷却により粘着力が低下するので、図4に示すように、電極ペーストを塗付する工程では一時的に固定力が低下するが、いわゆるアンカー効果によって素体1と第2の粘着テープ20は固定されており、必要以上の応力を素体1に与えない限り剥離せず、実工程において問題はない。
ついで、素体1の外部電極2bから第2の粘着テープ20を室温で剥離する。ここで、上記した通り、素体1と第2の粘着テープ20はアンカー効果によって固定されているので、例えば第2の粘着テープ20に基材フォルム3側から軽く衝撃を与えると、簡単に外部電極2bから第2の粘着テープ20が剥離する。なお、室温が30℃以上である場合には、この工程は第2の粘着テープ20のスイッチング温度(Ts.2)未満の雰囲気温度で行えばよい。このように、本実施形態によれば、歩留りよく簡単に図1に示すような素体1の両端面に導体膜からなる外部電極2a,2bが形成されたチップ型電子部品を得ることができる。なお、第2の粘着テープ20の粘着力が十分に低下していない場合には、雰囲気温度をファン等の冷却手段を用いて冷却するか、冷却体をスポット的に第2の粘着テープ20に当てるようにして第2の粘着テープ20を冷却すればよい。
次に、第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図5は、本実施形態にかかる第1,第2の粘着テープの各工程における粘着力と温度との関係を示す概略説明図である。
第1の粘着テープ:冷却剥離タイプ(基材フィルムの片面に冷却剥離タイプの粘着剤層を設けたものであり、側鎖結晶性ポリマーのスイッチング温度(Ts.1)が30℃以上である。)
第2の粘着テープ:加熱剥離タイプ(基材フィルムの片面に加熱剥離タイプの粘着剤層を設けたものであり、側鎖結晶性ポリマーのスイッチング温度(Ts.2)が30℃以上である。)
次に、第3の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図6は、本実施形態にかかる第1,第2の粘着テープの各工程における粘着力と温度との関係を示す概略説明図である。
第1の粘着テープ:冷却剥離タイプ(基材フィルムの片面に冷却剥離タイプの粘着剤層を設けたものであり、側鎖結晶性ポリマーのスイッチング温度(Ts.1)が30℃以上である。)
第2の粘着テープ:冷却剥離タイプ(基材フィルムの片面に冷却剥離タイプの粘着剤層を設けたものであり、側鎖結晶性ポリマーのスイッチング温度(Ts.2)が30℃以上である。)
ここで、第1の粘着テープのスイッチング温度(Ts.1)は、第2の粘着テープのスイッチング温度(Ts.2)より高くなければならない(すなわちTs.1>Ts.2)。
次に、第4の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図7は、本実施形態にかかる第1,第2の粘着テープの各工程における粘着力と温度との関係を示す概略説明図である。
第1の粘着テープ:加熱剥離タイプ(基材フィルムの片面に加熱剥離タイプの粘着剤層を設けたものであり、側鎖結晶性ポリマーのスイッチング温度(Ts.1)が30℃以上である。)
第2の粘着テープ:加熱剥離タイプ(基材フィルムの片面に加熱剥離タイプの粘着剤層を設けたものであり、側鎖結晶性ポリマーのスイッチング温度(Ts.2)が30℃以上である。)
ここで、第2の粘着テープのスイッチング温度(Ts.2)は、第1の粘着テープのスイッチング温度(Ts.1)より高くなければならない(すなわちTs.2>Ts.1)。
使用した第1の粘着テープおよび第2の粘着テープは、以下の通りである。
第1の粘着テープ:加熱剥離タイプ[厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、厚さ30μmの加熱剥離タイプの粘着剤層を設けたものであり、側鎖結晶性ポリマーのスイッチング温度が50℃である(ニッタ株式会社製の感温性粘着テープ:製品名「インテリマーテープ」)。]
第2の粘着テープ:冷却剥離タイプ[厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、厚さ40μmの冷却剥離タイプの粘着剤層を設けたものであり、側鎖結晶性ポリマーのスイッチング温度が57℃である(ニッタ株式会社製の感温性粘着テープ:製品名「インテリマーテープ」)。]
上記工程の各温度における粘着テープの粘着強度をJIS Z 0234に準拠した方法で測定した。その結果を表1に示す。なお、単位はN/inchである。
上記の転写工程において転写できた個数と、最終的にチップを剥離し得られたチップ型電子部品の個数を、それぞれ下記式(I)に当てはめて歩留りを算出した。その結果を表1に示す。
使用した第1の粘着テープおよび第2の粘着テープは、以下の通りである。
第1の粘着テープ:120℃で発泡剤が発泡する熱発泡テープ
第2の粘着テープ:150℃で発泡剤が発泡する熱発泡テープ
使用した第1の粘着テープおよび第2の粘着テープは、以下の通りである。
第1,第2の粘着テープ:粘着テープ(基材フィルムの片面にポリアクリル酸エステルを主成分とする粘着剤層を設けたもの。)
1a 一端面
1b 他端面
2a,2b 外部電極
3 基材フィルム
4 面板
5 電極ペースト
10 第1の粘着テープ
11,21 粘着剤層
20 第2の粘着テープ
Claims (4)
- チップ型電子部品の素体の両端面に導体膜からなる外部電極を形成する方法であって、
基材フィルムの片面に側鎖結晶性ポリマーを含有する粘着剤層を設けた第1の粘着テープを前記素体の一端面に貼付する工程と、
前記第1の粘着テープを貼付した素体の一端面と反対の他端面に外部電極を形成する工程と、
この外部電極に、基材フィルムの片面に側鎖結晶性ポリマーを含有する粘着剤層を設けた第2の粘着テープを貼付し、素体を第1の粘着テープから第2の粘着テープに転写する転写工程と、
この転写工程後、前記素体の一端面に外部電極を形成する工程と、
この外部電極形成前または後に、前記第2の粘着テープの粘着力を低下させ、素体の他端面の外部電極から第2の粘着テープを剥離する工程とを含み、
前記第1の粘着テープおよび第2の粘着テープは、前記転写工程における粘着力が(第1の粘着テープ)<(第2の粘着テープ)となるように構成されていることを特徴とする、チップ型電子部品の外部電極形成方法。 - 前記転写工程において、前記第1の粘着テープの粘着力を低下させる請求項1記載の外部電極形成方法。
- 請求項1または2記載のチップ型電子部品の外部電極形成方法に使用することを特徴とする、チップ型電子部品の外部電極形成工程用粘着テープ。
- 基材フィルムと、この基材フィルムの片面に形成される側鎖結晶性ポリマーを含有する粘着剤層とから構成される請求項3記載の粘着テープ。
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