JP2008251234A - コネクタおよびコネクタ用治具 - Google Patents

コネクタおよびコネクタ用治具 Download PDF

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Abstract

【課題】コストを極力抑えつつ、相手方コネクタとの接合時にて被覆電線を確実かつ容易に保護することが可能なコネクタおよびコネクタ用治具を提供すること。
【解決手段】コネクタ1Aは、被覆電線4に固着された接続端子を収容可能な複数のキャビティ3を有するコネクタ本体2と、このコネクタ本体2の後端から引き出された被覆電線4を囲うようにコネクタ本体2の後端における少なくとも両側部から後方へ延在する板状の把持部5とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両(例えば自動車)の電装品等において用いられるワイヤハーネス用のコネクタおよびコネクタ用治具に関し、特に、細線からなる被覆電線が引き出されたコネクタおよびコネクタ用治具に関わる。
従来、図8の如く、コネクタ60の電線導出部61を保護するために、コネクタ60の後部に、コネクタホルダ62を取り付ける技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このコネクタホルダ62は、コネクタ60を収容可能な収容部63を有するホルダ本体64と、このホルダ本体64に開閉可能に取り付けられた蓋体部65とを有したもので、このコネクタホルダ62のホルダ本体64の収容部63にコネクタ60を配置して蓋体部65を閉じてコネクタ60の電線導出部61をコネクタホルダ62によって覆うことにより、電線導出部61に触れることなく、コネクタ60を相手方コネクタに接合することができ、電線への負荷を抑えて損傷をなくしている。
実開平7−22481号公報
上記のコネクタホルダ62を用いることにより、電線導出部61を保護することができるが、各コネクタ60毎に、このコネクタ60の形状に合わせた複雑な構造のコネクタホルダ62を別個に新規作製する必要があるため、コストアップを招いていた。
また、コネクタ60にコネクタホルダ62を装着する作業が繁雑であり、このため、コネクタ60の相手方コネクタとの接続作業に手間を要する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、コストを極力抑えつつ、相手方コネクタとの接合時にて被覆電線を確実かつ容易に保護することが可能なコネクタおよびコネクタ用治具を提供することを目的としている。
前述した目的を達成するために、本発明に係るコネクタは、下記(1)〜(4)を特徴としている。
(1) 被覆電線に固着された接続端子を収容可能な複数のキャビティを有するコネクタ本体と、このコネクタ本体の後端から引き出された前記被覆電線を囲うように前記コネクタ本体の後端における少なくとも両側部から後方へ延在する板状の把持部とを有することを有すること。
(2) 上記(1)の構成のコネクタにおいて、
前記把持部は、前記コネクタ本体の後端における周縁から後方へ延在されていること。
(3) 上記(1)または(2)の構成のコネクタにおいて、
前記把持部には、切欠部が形成されていること。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかの構成のコネクタにおいて、
前記コネクタ本体と前記把持部とが、合成樹脂によって一体成形によって形成されていること。
上記(1)のコネクタによれば、被覆電線を囲う板状の把持部を、その外方側から、例えば、親指と人差し指とで挟んで把持して相手方コネクタに差し込むことができ、これにより、コネクタ本体の後端側から引き出された被覆電線を触ることによる被覆電線への影響を抑えることができる。
つまり、複雑な構造のホルダなどを用いる場合と比較して、コストを極力抑えつつ、相手方コネクタとの接合時にて、被覆電線が細線であっても確実かつ容易に保護することができ、また、部品点数の削減による材料削減を図り、省資源化を図ることができる。
上記(2)のコネクタによれば、コネクタ本体の後端における周縁から後方へ把持部が延在されているので、コネクタ本体の後端から引き出された被覆電線を更に良好に保護することができるとともに、把持部の剛性を高め、相手方コネクタへの接合時にて安定して把持することができる。
上記(3)のコネクタによれば、把持部に切欠部が形成されているので、把持部が邪魔となることなく切欠部にて被覆電線の接続端子のキャビティへの挿入・抜取作業を容易に行なうことができる。
上記(4)のコネクタによれば、コネクタ本体と把持部とが合成樹脂によって一体成形されているので、容易に製造することができ、従って、省エネルギー化および解体・分別・分解の容易化を図ることができる。
また、前述した目的を達成するために、本発明に係るコネクタ用治具は、下記(5)〜(8)を特徴としている。
(5) 被覆電線に固着された複数の接続端子がキャビティに収容されて後端から前記被覆電線が引き出されたコネクタに取り付け可能なコネクタ用治具であって、互いに着脱可能に連結される一対の治具本体を有し、これら治具本体は、コネクタの後端部分を介して互いに近接させて連結させることにより、前記コネクタの後端から引き出された前記被覆電線を囲うように前記コネクタに取り付けられること。
(6) 上記(5)の構成のコネクタ用治具において、
前記治具本体は、前記コネクタの側部を保持可能な保持凹部を有すること。
(7) 上記(5)または(6)の構成のコネクタ用治具において、
前記治具本体は、前記コネクタの後端に係合可能な係止段部が形成されていること。
(8) 上記(5)〜(7)のいずれかの構成のコネクタ用治具において、
互いに連結される前記治具本体は、合成樹脂によってそれぞれ同一形状に一体成形されていること。
上記(5)のコネクタ用治具によれば、コネクタの後端部分を介してコネクタ用治具を構成する一対の治具本体を互いに近接させて連結させ、コネクタの後端から引き出された被覆電線を囲うようにコネクタに取り付けることにより、このコネクタ用治具を、その外方側から、例えば、親指と人差し指とで挟んで把持し、保持したコネクタを相手方コネクタに差し込むことができ、これにより、コネクタの後端側から引き出された被覆電線を触ることによる被覆電線への影響を抑えることができる。
つまり、コネクタの外形に合わせて個別に成形した複雑な構造のホルダと比較して、コストを極力抑えつつ、相手方コネクタとの接合時にて、被覆電線が細線であっても確実かつ容易に保護することができる。
また、コネクタを介して治具本体同士を互いに近接させることにより、容易にコネクタに装着することができ、相手方コネクタとの接続作業の円滑化を図ることができる。
また、相手方コネクタとの接合時にのみ取り付けるので、コネクタ自体の軽量・小形化を図ることができ、コネクタの材料削減を図り、省資源化を図ることができ、更には、他のコネクタへの再利用も可能である。
上記(6)のコネクタ用治具によれば、治具本体が、コネクタの側部を保持可能な保持凹部を有するので、この保持凹部にコネクタを嵌合させて容易に保持させることができ、装着作業の容易化を図ることができる。
上記(7)のコネクタ用治具によれば、治具本体に、コネクタの後端に係合可能な係止段部が形成されているので、相手方コネクタへの接合時にて、差し込み力を確実に保持したコネクタに伝えることができ、相手方コネクタへの差し込み作業をより円滑に行なうことができる。
上記(8)のコネクタ用治具によれば、互いに連結される治具本体が、樹脂によって同一形状に一体成形され、部品の共通化が図られているので、治具本体の成形用の金型の共通化も図ることができ、設備費を大幅に低減することができる。
本発明によれば、コストを極力抑えつつ、相手方コネクタとの接合時にて被覆電線を確実かつ容易に保護することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の実施形態に係るコネクタを、第1実施形態として説明する。
図1は第1実施形態に係るコネクタの後方側から視た斜視図である。
図1に示すように、コネクタ1Aは、合成樹脂の一体成形品からなるもので、箱形のコネクタ本体2を有している。このコネクタ本体2には、複数のキャビティ3が形成されており、これらキャビティ3には、細径電線等の被覆電線4の端部にて露出された芯線に圧着等によって固定された図示しない接続端子が後端側から挿入されて収納されている。
そして、上記コネクタ1Aは、その先端側を相手方コネクタに差し込むことにより、キャビティ3内の接続端子が相手方コネクタの接続端子に接続されて導通される。
このコネクタ本体2には、その後端における両側部に、短辺部分から後方へ延在する板状の把持部5が一体に形成されており、これら把持部5の間に、コネクタ本体2の後端から引き出された被覆電線4が配置され、これにより、被覆電線4が把持部5によって囲われている。
コネクタ1Aを相手方コネクタに差し込む場合、図2に示すように、作業者は、コネクタ1Aの把持部5を、その外方側から、例えば、親指と人差し指Hとで挟んで把持する。次いで、コネクタ1Aを把持した状態にて、相手方コネクタへ差し込む。
このように、作業者は、被覆電線4を囲う把持部5を把持するので、コネクタ本体2の後端側から引き出された被覆電線4を触ることなくコネクタ1Aを相手方コネクタに差し込むことが可能となる。
このように、上記第1実施形態に係るコネクタ1Aによれば、コネクタ本体2の後端における両側部から後方へ延在されて被覆電線4を囲う把持部5を、その外方側から、例えば、親指Oと人差し指Hとで挟んで把持して相手方コネクタに差し込むことができ、これにより、コネクタ本体2の後端側から引き出された被覆電線4を触ることによる被覆電線4への影響を抑えることができる。
つまり、複雑な構造のホルダなどを用いる場合と比較して、コストを極力抑えつつ、相手方コネクタとの接合時にて、被覆電線4が細線であっても確実かつ容易に保護することができ、また、部品点数の削減による材料削減を図り、省資源化を図ることができる。
また、コネクタ本体2と把持部5とが合成樹脂によって一体成形されているので、容易に製造することができ、従って、省エネルギー化および解体・分別・分解の容易化を図ることができる。
次に、コネクタの変形例について説明する。
図3は第1実施形態の変形例に係るコネクタの後方側から視た斜視図である。
図3に示すように、このコネクタ1Bは、コネクタ本体2の後端における外周から後方へ延在する板状の把持部5が一体に形成されており、これら把持部5の間に、被覆電線4が配置されて被覆電線4が把持部5に囲われている。
また、このコネクタ1Bでは、把持部5の長辺部分に、切欠部5aが形成されており、この切欠部5aにて、被覆電線4の接続端子のキャビティ3への挿入作業を容易に行なえるようになっている。
そして、上記コネクタ1Bは、その先端側を相手方コネクタに差し込むことにより、キャビティ3内の接続端子が相手方コネクタの接続端子に接続されて導通される。
このコネクタ1Bの場合も、作業者は、コネクタ1Bの把持部5を、その外方側から、例えば、親指Oと人差し指Hとで挟んで把持した状態にて、相手方コネクタへ差し込むことができる。
このように、作業者は、被覆電線4を囲う把持部5を把持するので、コネクタ本体2の後端側から引き出された被覆電線4を触ることなくコネクタ1Bを相手方コネクタに差し込むことが可能となる。
このように、上記第1実施形態の変形例に係るコネクタ1Bの場合も、コネクタ本体2の後端における周縁から後方へ延在されて被覆電線4を囲う把持部5を、その外方側から、例えば、親指Oと人差し指Hとで挟んで把持して相手方コネクタに差し込むことができ、これにより、コネクタ本体2の後端側から引き出された被覆電線4を触ることによる被覆電線4への影響を抑えることができる。
つまり、複雑な構造のホルダなどを用いる場合と比較して、コストを極力抑えつつ、相手方コネクタとの接合時にて、被覆電線4が細線であっても確実かつ容易に保護することができ、また、部品点数の削減による材料削減を図り、省資源化を図ることができる。
また、コネクタ本体2と把持部とが合成樹脂によって一体成形されているので、容易に製造することができ、従って、省エネルギー化および解体・分別・分解の容易化を図ることができる。
特に、コネクタ本体2の後端における周縁から後方へ把持部5が延在されているので、コネクタ本体2の後端から引き出された被覆電線4を更に良好に保護することができるとともに、把持部5の剛性を高め、相手方コネクタへの接合時にて安定して把持することができる。
また、把持部5に切欠部5aが形成されているので、把持部5が邪魔となることなく切欠部5aにて被覆電線4の接続端子のキャビティ3への挿入・抜取作業を容易に行なうことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の実施形態に係るコネクタ用治具を、第2実施形態として説明する。
図4は第1実施形態に係るコネクタ用治具の後方側から視た斜視図である。
図4に示すように、本実施形態に係るコネクタ用治具10Aが適用されるコネクタ11は、合成樹脂の一体成形品からなるもので、箱形のコネクタ本体12を有している。このコネクタ本体12には、複数のキャビティ13が形成されており、これらキャビティ13には、細径電線等の被覆電線14の端部にて露出された芯線に圧着等によって固定された図示しない接続端子が後端側から挿入されて収納されている。
そして、上記コネクタ11は、その先端側を相手方コネクタに差し込むことにより、キャビティ13内の接続端子が相手方コネクタの接続端子に接続されて導通される。
このコネクタ11に適用されるコネクタ用治具10Aは、それぞれ合成樹脂によって一体成形された左右一対の治具本体21,22から構成されている。それぞれの治具本体21,22には、コネクタ11の側部が嵌合可能な保持凹部21a,22aがそれぞれ形成されている。一方の治具本体21には、保持凹部21aを構成する壁部の端面に、係合穴21bが形成されている。また、他方の治具本体22には、保持凹部22aを構成する壁部が係合板部22cとされており、この係合板部22cが係合穴21b内へ挿抜可能とされている。他方の治具本体22の係合板部22cには、ノコ歯形状の係合面22dが形成されており、一方の治具本体21の係合穴21bには、係合面22dに係合し、係合穴21bに挿入された他方の治具本体22の係合板部22cを所定の係合力にて保持する係合部を有している。
次に、上記コネクタ用治具10Aを用いてコネクタ11を相手方コネクタに差し込む場合について説明する。
まず、コネクタ11の後部における両側方に、コネクタ用治具10Aを構成する治具本体21,22を配置し、一方の治具本体21の係合穴21bに他方の治具本体22の係合板部22cを差し込みながら近接させる。このようにすると、治具本体21,22の保持凹部21a,22aにコネクタ11の両側部が嵌合され、コネクタ11の後部が治具本体21,22からなるコネクタ用治具10Aによって保持される。また、このとき、係合板部22cの係合面22dが係合穴21b内の係合部によって係合されることにより、治具本体21,22は、コネクタ11の後部を保持した状態にて、それぞれの連結状態が維持される。
そして、上記のように、コネクタ11の後部にコネクタ用治具10Aを取り付けたら、作業者は、コネクタ用治具10Aを、その両側方側から、例えば、親指Oと人差し指Hとで挟んで把持する。次いで、コネクタ用治具10を把持した状態にて、このコネクタ用治具10Aに保持されたコネクタ11を相手方コネクタへ差し込む。
従って、作業者は、コネクタ本体12の後端側から引き出された被覆電線14を触ることなくコネクタ11を相手方コネクタに差し込むことが可能となる。
相手方コネクタへの差し込みが完了したら、作業者は、係合板部22cを、係合力に抗して係合穴21bから引き抜き、コネクタ11からコネクタ用治具10Aを取り外すとともに、各治具本体21,22に分解し、次のコネクタ11の差し込み作業に用いる。
このように、上記第2実施形態に係るコネクタ用治具10Aによれば、コネクタ11の後端部分を介してコネクタ用治具10Aを構成する一対の治具本体21,22を互いに近接させてコネクタ11を挟むように連結させ、コネクタ11の後端から引き出された被覆電線4を囲うようにコネクタ11に取り付けることにより、このコネクタ用治具10Aを、その外方側から、例えば、親指Oと人差し指Hとで挟んで把持し、保持したコネクタ11を相手方コネクタに差し込むことができ、これにより、コネクタ11の後端側から引き出された被覆電線4を触ることによる被覆電線4への影響を抑えることができる。
つまり、コネクタの外形に合わせて個別に成形した複雑な構造のホルダと比較して、コストを極力抑えつつ、相手方コネクタとの接合時にて、被覆電線が細線であっても確実かつ容易に保護することができる。
また、コネクタ11を介して治具本体21,22同士を互いに近接させることにより、容易にコネクタ11に装着することができ、相手方コネクタとの接続作業の円滑化を図ることができる。
また、相手方コネクタとの接合時にのみ取り付けるので、コネクタ11自体の軽量・小形化を図ることができ、コネクタ11の材料削減を図り、省資源化を図ることができ、更には、他のコネクタ11への再利用も可能である。
また、治具本体21,22が、コネクタ11の側部を保持可能な保持凹部21a,22aを有するので、この保持凹部21a,22aにコネクタ11を嵌合させて容易に保持させることができ、装着作業の容易化を図ることができる。
次に、コネクタ用治具の変形例について説明する。
図5は第2実施形態の変形例に係るコネクタ用治具の後方側から視た斜視図である。
図5に示すように、コネクタ11に適用されるコネクタ用治具10Bは、合成樹脂によって一体成形された左右一対の治具本体21,22から構成されおり、これら治具本体21,22に形成された保持凹部21a,22aに、コネクタ11の側部が嵌合可能とされている。
ここで、このコネクタ用治具10Bでは、各治具本体21,22の保持凹部21a,22aの後端に、係止段部21e,22eが形成されており、保持凹部21a,22aにコネクタ11を保持させた際に、コネクタ11の後端部が係止段部21e,22eに係止されるようになっている。
このコネクタ用治具10Bの場合も、コネクタ11の後部における両側方に治具本体21,22を配置し、一方の治具本体21の係合穴21bに他方の治具本体22の係合板部22cを差し込みながら近接させと、治具本体21,22の保持凹部21a,22aにコネクタ11の両側部が嵌合され、コネクタ11の後部が治具本体21,22からなるコネクタ用治具10Bによって保持される。
そして、係合板部22cの係合面22dが係合穴21b内の係合部によって係合されることにより、治具本体21,22は、コネクタ11の後部を保持した状態にて、それぞれの連結状態が維持される。
このとき、このコネクタ用治具10Bでは、コネクタ11の後端部が係止段部21e,22eに係止された状態に、保持凹部21a,22aにコネクタ11が保持される。
そして、上記のように、コネクタ11の後部にコネクタ用治具10Bを取り付けた状態にて、コネクタ用治具10Bを、その両側方側から、例えば、親指Oと人差し指Hとで挟んで把持し、このコネクタ用治具10Bに保持されたコネクタ11を相手方コネクタへ差し込む。
従って、作業者は、コネクタ本体12の後端側から引き出された被覆電線14を触ることなくコネクタ11を相手方コネクタに差し込むことができる。
また、このとき、コネクタ11は、その後端部が係止段部21e,22eに係止されて後方への移動が規制されるので、コネクタ用治具10Bを把持して相手方コネクタへコネクタ11を差し込む際に、その差し込み力を確実にコネクタ11に伝えることができ、コネクタ11の相手方コネクタへの差し込み作業をより円滑に行なうことができる。
相手方コネクタへの差し込みが完了したら、作業者は、係合板部22cを、係合力に抗して係合穴21bから引き抜き、コネクタ11からコネクタ用治具10Bを取り外すとともに、各治具本体21,22に分解し、次のコネクタ11の差し込み作業に用いる。
このように、上記第2実施形態の変形例に係るコネクタ用治具10Bの場合も、コネクタ11の後端部分を介してコネクタ用治具10Bを構成する一対の治具本体21,22を互いに近接させてコネクタ11を挟むように連結させ、コネクタ11の後端から引き出された被覆電線4を囲うようにコネクタ11に取り付けることにより、このコネクタ用治具10Bを、その外方側から、例えば、親指Oと人差し指Hとで挟んで把持し、保持したコネクタ11を相手方コネクタに差し込むことができ、これにより、コネクタ11の後端側から引き出された被覆電線4を触ることによる被覆電線4への影響を抑えることができる。
つまり、コネクタの外形に合わせて個別に成形した複雑な構造のホルダと比較して、コストを極力抑えつつ、相手方コネクタとの接合時にて、被覆電線が細線であっても確実かつ容易に保護することができる。
また、コネクタ11を介して治具本体21,22同士を互いに近接させることにより、容易にコネクタ11に装着することができ、相手方コネクタとの接続作業の円滑化を図ることができる。
また、相手方コネクタとの接合時にのみ取り付けるので、コネクタ11自体の軽量・小形化を図ることができ、コネクタ11の材料削減を図り、省資源化を図ることができ、更には、他のコネクタ11への再利用も可能である。
また、治具本体21,22が、コネクタ11の側部を保持可能な保持凹部21a,22aを有するので、この保持凹部21a,22aにコネクタ11を嵌合させて容易に保持させることができ、装着作業の容易化を図ることができる。
特に、治具本体21,22に、コネクタ11の後端に係合可能な係止段部21e,22eが形成されているので、相手方コネクタへの接合時にて、差し込み力を確実に保持したコネクタ11に伝えることができ、相手方コネクタへの差し込み作業をより円滑に行なうことができる。
次に、コネクタ用治具の他の変形例について説明する。
図6は第2実施形態の他の変形例に係るコネクタ用治具の後方側から視た斜視図である。
図6に示すように、コネクタ11に適用されるコネクタ用治具10Cは、合成樹脂によって同一形状にて一体成形された左右一対の治具本体21,22から構成されおり、これら治具本体21,22に形成された保持凹部21a,22aに、コネクタ11の側部が嵌合可能とされている。
これら治具本体21,22には、保持凹部21a,22aを構成する一方の壁部の端面に、係合穴21b,22bが形成されている。また、それぞれの治具本体21,22には、保持凹部21a,22aを構成する他方の壁部が係合板部21c,22cとされており、これら係合板部21c,22cが係合穴21b,22b内へ挿抜可能とされている。これら係合板部21c,22cには、ノコ歯形状の係合面21d,22dが形成されており、それぞれの治具本体21,22の係合穴21b,22bには、係合面21d,22dに係合し、係合穴21b,22bに挿入された係合板部21c,22cが所定の係合力にて保持されるようになっている。
このコネクタ用治具10Cの場合も、コネクタ11の後部における両側方に治具本体21,22を配置し、それぞれの治具本体21,22の係合穴21b,22bに係合板部21c,22cを差し込みながら近接させと、治具本体21,22の保持凹部21a,22aにコネクタ11の両側部が嵌合され、コネクタ11の後部が治具本体21,22からなるコネクタ用治具10Cによって保持される。
そして、係合板部21c,22cの係合面21d,22dが係合穴21b,22b内の係合部によって係合されることにより、治具本体21,22は、コネクタ11の後部を保持した状態にて、それぞれの連結状態が維持される。
そして、上記のように、コネクタ11の後部にコネクタ用治具10Cを取り付けた状態にて、コネクタ用治具10Cを、その両側方側から、例えば、親指Oと人差し指Hとで挟んで把持し、このコネクタ用治具10Cに保持されたコネクタ11を相手方コネクタへ差し込む。
従って、作業者は、コネクタ本体12の後端側から引き出された被覆電線14を触ることなくコネクタ11を相手方コネクタに差し込むことができる。
相手方コネクタへの差し込みが完了したら、作業者は、係合板部22cを、係合力に抗して係合穴21bから引き抜き、コネクタ11からコネクタ用治具10Cを取り外すとともに、各治具本体21,22に分解し、次のコネクタ11の差し込み作業に用いる。
このように、上記第2実施形態の他の変形例に係るコネクタ用治具10Cの場合も、コネクタ11の後端部分を介してコネクタ用治具10Cを構成する一対の治具本体21,22を互いに近接させてコネクタ11を挟むように連結させ、コネクタ11の後端から引き出された被覆電線4を囲うようにコネクタ11に取り付けることにより、このコネクタ用治具10Cを、その外方側から、例えば、親指Oと人差し指Hとで挟んで把持し、保持したコネクタ11を相手方コネクタに差し込むことができ、これにより、コネクタ11の後端側から引き出された被覆電線4を触ることによる被覆電線4への影響を抑えることができる。
つまり、コネクタの外形に合わせて個別に成形した複雑な構造のホルダと比較して、コストを極力抑えつつ、相手方コネクタとの接合時にて、被覆電線が細線であっても確実かつ容易に保護することができる。
また、コネクタ11を介して治具本体21,22同士を互いに近接させることにより、容易にコネクタ11に装着することができ、相手方コネクタとの接続作業の円滑化を図ることができる。
また、相手方コネクタとの接合時にのみ取り付けるので、コネクタ11自体の軽量・小形化を図ることができ、コネクタ11の材料削減を図り、省資源化を図ることができ、更には、他のコネクタ11への再利用も可能である。
また、治具本体21,22が、コネクタ11の側部を保持可能な保持凹部21a,22aを有するので、この保持凹部21a,22aにコネクタ11を嵌合させて容易に保持させることができ、装着作業の容易化を図ることができる。
特に、互いに連結される治具本体21,22が、樹脂によって同一形状に一体成形され、部品の共通化が図られているので、治具本体21,22の成形用の金型の共通化も図ることができ、設備費を大幅に低減することができる。
さて、ここで、本発明の上記第1、第2実施形態の更なる優位性を説明するため、図7に参考例を示す。図7はコネクタの参考例を示す後方側から視た斜視図である。
図7に示すように、このコネクタ31は、箱形のコネクタ本体32を有しており、このコネクタ本体32には、複数のキャビティ33が形成され、これらキャビティ33には、細径電線等の被覆電線34の端部にて露出された芯線に圧着等によって固定された図示しない接続端子が後端側から挿入されて収納されている。
そして、このコネクタ31の場合、作業者は、コネクタ本体32の両側部を、その外方側から、例えば、親指Oと人差し指Hとで挟んで把持せざるを得なくなる。
従って、このコネクタ31では、コネクタ本体32を把持して相手方コネクタへ差し込む際に、コネクタ本体32の後端側から引き出された被覆電線34を触ってしまい、該被覆電線34に、不必要な(即ち、必要以上の)負荷が加わってしまうため、特に強度の弱い細線を使用することが難しい等の問題がある。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
第1実施形態に係るコネクタの後方側から視た斜視図である。 第1実施形態に係るコネクタの相手方への差し込みの仕方を説明する後方側から視た斜視図である。 第1実施形態の変形例に係るコネクタの後方側から視た斜視図である。 第1実施形態に係るコネクタ用治具の後方側から視た斜視図である。 第2実施形態の変形例に係るコネクタ用治具の後方側から視た斜視図である。 第2実施形態の他の変形例に係るコネクタ用治具の後方側から視た斜視図である。 コネクタの参考例を示す後方側から視た斜視図である。 従来技術を示し、コネクタに取り付けられるコネクタホルダを説明する斜視図である。
符号の説明
1A,1B,11:コネクタ
2,12:コネクタ本体
3,13:キャビティ
4,14:被覆電線
5:把持部
5a:切欠部
10A,10B,10C:コネクタ用治具
21,22:治具本体
21a,22a:保持凹部
21e,22e:係止段部

Claims (8)

  1. 被覆電線に固着された接続端子を収容可能な複数のキャビティを有するコネクタ本体と、このコネクタ本体の後端から引き出された前記被覆電線を囲うように前記コネクタ本体の後端における少なくとも両側部から後方へ延在する板状の把持部とを有することを有することを特徴とするコネクタ。
  2. 前記把持部は、前記コネクタ本体の後端における周縁から後方へ延在されていることを特徴とする請求項1に記載したコネクタ。
  3. 前記把持部には、切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載したコネクタ。
  4. 前記コネクタ本体と前記把持部とが、合成樹脂によって一体成形によって形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載したコネクタ。
  5. 被覆電線に固着された複数の接続端子がキャビティに収容されて後端から前記被覆電線が引き出されたコネクタに取り付け可能なコネクタ用治具であって、
    互いに着脱可能に連結される一対の治具本体を有し、これら治具本体は、コネクタの後端部分を介して互いに近接させて連結させることにより、前記コネクタの後端から引き出された前記被覆電線を囲うように前記コネクタに取り付けられることを特徴とするコネクタ用治具。
  6. 前記治具本体は、前記コネクタの側部を保持可能な保持凹部を有することを特徴とする請求項5に記載したコネクタ用治具。
  7. 前記治具本体は、前記コネクタの後端に係合可能な係止段部が形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載したコネクタ用治具。
  8. 互いに連結される前記治具本体は、合成樹脂によってそれぞれ同一形状に一体成形されていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載したコネクタ用治具。
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