JP2008251199A - アルカリ蓄電池用電極およびアルカリ蓄電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い圧力による圧延に耐えうる芯材を活用して活物質の占める体積比率を向上しつつ、渦巻状に捲回したときにこの芯材の構造に由来して起こるリーク不良を最小限にすることを目的とする。
【解決手段】本発明のアルカリ蓄電池用電極は、導電性の芯材を集電体とし、この芯材に複数の略矩形状の貫通孔を、芯材の長手方向に沿って平行する直線状に設け、芯材の長手方向における貫通孔の長さをb、芯材の長手方向における貫通孔どうしの間隔をyとしたとき、0.2b≦y≦0.5bの関係を満たすようにしたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のアルカリ蓄電池用電極は、導電性の芯材を集電体とし、この芯材に複数の略矩形状の貫通孔を、芯材の長手方向に沿って平行する直線状に設け、芯材の長手方向における貫通孔の長さをb、芯材の長手方向における貫通孔どうしの間隔をyとしたとき、0.2b≦y≦0.5bの関係を満たすようにしたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、アルカリ蓄電池に使用される電極に関し、より詳しくはこの電極を捲回したときに起こるリーク不良を低減する技術に関する。
近年、携帯電話、PHS、ノート型コンピュータ等の情報機器のみならず電気自動車の急激な普及に伴い、付加価値が高く小型軽量化が可能な高エネルギー密度の新しい二次電池が開発されている。このような状況下において、市場からは、電池のさらなる小型化、高容量化が要望されている。特にアルカリ蓄電池においては、限られた容積の中で、いかに活物質の占める体積比率を向上させるかが課題となっている。
アルカリ蓄電池では通常、芯材に活物質を塗着した負極が使用される。負極の芯材にはニッケルメッキされた鋼板に多数の円形の貫通孔が形成されたパンチングメタルが使用されており、各貫通孔を介してパンチングメタルの表裏に配置された活物質が連なっている。なお各貫通孔は、芯材の長手方向および幅方向にそれぞれ沿った状態で千鳥状に配置されている。この芯材を使用した負極と、正極とを、セパレータを間に挟んで積層して渦巻き状に捲回し、その捲回物を円筒状のケース内に同心状態で収容するとともに、ケース内に水酸化カリウム等の電解液を充填して、アルカリ蓄電池としている。なお負極の活物質は、ニッケルカドミウム蓄電池の場合にはカドミウムであり、ニッケル水素蓄電池の場合には水素吸蔵合金である。
このアルカリ蓄電池の負極は、活物質の占める体積比率を向上させる目的で、活物質を含むペーストを塗着した後に高い圧力により圧延する手段や、芯材の開口率を増加させて負極における芯材の比率を低下させる手段が試みられている。しかし過度の圧延は電極の反りを増大させ、加工性を悪化させる。一方、過度の開口率の増加は、電極の強度を低下させるとともに、電子の流れる芯材部分の減少により電気抵抗の上昇を引き起こす。
このような課題を解決するため、芯材の貫通孔を略矩形状にし、芯材の長手方向にそれぞれ平行で、かつ一定の間隔を開けた直線状に配置して芯材の引っ張り強度を向上させ、高い圧力による圧延に耐えうる形態とした上で、活物質の占める体積比率を向上させる方法が提案されている。
特開2002−343366号公報
しかし無作為に貫通孔を略矩形状にした芯材からなる電極を捲回すると、曲率の小さい捲回芯の近傍において、各貫通孔の四辺のうち捲回芯に平行な辺の周囲でクラックが発生して活物質が粉状に脱落し、リーク不良が増大するという欠点があった。
本発明はこのような問題を解決するものであり、高い圧力による圧延に耐えうる芯材を活用して活物質の占める体積比率を向上しつつ、渦巻状に捲回したときにこの芯材の構造に由来して起こるリーク不良を最小限にすることを目的とする。
上記課題を鑑みて、本発明のアルカリ蓄電池用電極は、導電性の芯材を集電体とし、この芯材に複数の略矩形状の貫通孔を、芯材の長手方向に沿って平行する直線状に設け、芯材の長手方向における貫通孔の長さをb、芯材の長手方向における貫通孔どうしの間隔を
yとしたとき、0.2b≦y≦0.5bの関係を満たすようにしたことを特徴とする。
yとしたとき、0.2b≦y≦0.5bの関係を満たすようにしたことを特徴とする。
また本発明のアルカリ蓄電池は、正極と負極とをセパレータを介して円筒状に捲回した電極群と電解液とを備え、上述した電極を正極および負極のいずれかとして用い、電極群の捲回芯の径をαとしたとき、芯材の長手方向における貫通孔どうしの間隔yとの関係が0.05α≦y≦0.5αを満たすようにしたことを特徴とする。
円筒状に捲回した電極群を有するアルカリ蓄電池を想定し、略矩形状の貫通孔の配置を捲回芯の近傍においてクラックの発生を抑制できるものとすることにより、リーク不良を最小限にできる。
本発明によれば、円筒状に捲回した電極群を有するアルカリ蓄電池に高い圧力による圧延に耐えうる芯材を活用して活物質の占める体積比率を向上できるので、高エネルギー密度化が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
第1の発明は、導電性の芯材を集電体とし、この芯材に複数の略矩形状の貫通孔を、芯材の長手方向に沿って平行する直線状に設け、芯材の長手方向における貫通孔の長さをb、芯材の長手方向における貫通孔どうしの間隔をyとしたとき、0.2b≦y≦0.5bの関係を満たすようにしたことを特徴とするアルカリ蓄電池用電極に関する。
図1は、本発明のアルカリ蓄電池用電極に用いる芯材12bの展開図である。帯状の芯材12bには、多数の略矩形状の貫通孔12aが設けられており、この芯材12bに水素吸蔵合金などの活物質を含むペーストが塗着されて電極が構成される。本発明は帯状の芯材12bの長手方向における貫通孔の長さをb、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔をyとしたとき、0.2b≦y≦0.5bの関係を満たすようにしたことを特徴とする。
一般的に電極は、帯状の芯材12bとその長手方向が合うように作製され、幅方向が電極群を構成するときの捲回芯と平行になる。略矩形状の貫通孔12aを有する芯材12bを用いた電極を上述のように捲回した場合、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yが過度に広くなると活物質からなる合剤層にクラックが入り、活物質が脱落してリーク不良が多発する。
本発明者が鋭意検討した結果、略矩形状の貫通孔12aを有する芯材12bを使用した電極の場合、曲率が最小となる捲回芯の近傍において最も脱落しやすいのは、貫通孔12aの捲回芯と平行な辺の付近の活物質であることがわかった。図1に示すように、芯材12bは、貫通孔12aの割合が多いS部とこの割合が少ないL部とが、長手方向に沿って交互に存在することになる。略矩形状の貫通孔12aを持つ芯材12bを捲回すると、L部はS部と比べて剛性が高いために捲回時のストレスが大きくなる。このL部とS部との捲回されやすさの差に起因して活物質からなる合剤層に不連続点が発生して、クラックが発生するものと考えられる。またこの現象は曲率が最小となる捲回芯の近傍においてより顕著になると考えられる。本発明は、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yをある程度小さくすることにより、図1におけるL部の面積を実質上の影響がなくなるまで低減して、上述した課題を可決するものである。このためには芯材12bの長手方向における貫通孔の長さbと貫通孔12aどうしの間隔yとの関係をy≦0.5bとする必要があるが、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yが貫通孔
の長さbに対して過度に小さいと引張り強度が低下して高い圧力による圧延が困難になるので、0.2b≦y≦0.5bの関係を満たすようにする必要がある。
の長さbに対して過度に小さいと引張り強度が低下して高い圧力による圧延が困難になるので、0.2b≦y≦0.5bの関係を満たすようにする必要がある。
第2の発明は、第1の発明において、貫通孔12aの開口率を25〜55%としたことを特徴とする。電極中で活物質の占める体積比率を向上させるためには、高い圧力による圧延に耐えうる範囲で貫通孔12aの開口率を高めるのが好ましい。上述した観点に立てば開口率は25〜55%が好適範囲である。なお本発明が定義する開口率とは、貫通孔12aが穿孔されている部分の面積から計算したものであり、具体的には図2の左端のように貫通孔12aが穿孔されていない箇所を除いて計算したものである。
第3の発明は、第1の発明において、貫通孔12aを千鳥状に配置したことを特徴とする。貫通孔12aを千鳥状に配置することにより、芯材12bを穿孔する時に発生する歪みが隣りあう貫通孔12aの列間で打ち消しあうため、貫通孔12aを格子状に穿孔した場合と比較して芯材12bの波状の変形度合が小さく、活物質の塗工性に優れる。
第4の発明は、正極と負極とをセパレータを介して円筒状に捲回した電極群と電解液とを備え、第1〜4の発明のいずれかの電極を正極および負極のいずれかとして用い、電極群の捲回芯の径をαとしたとき、芯材の長手方向における貫通孔どうしの間隔yとの関係が0.05α≦y≦0.5αを満たすようにしたことを特徴とするアルカリ蓄電池に関する。
図2はアルカリ蓄電池の一部を破断して示す斜視図である。ニッケル水素蓄電池などのアルカリ蓄電池10は、長方形状をした負極12と、同様の長方形状をした正極13とを、セパレータ14を間に挟んで積層して、それぞれの長手方向に沿って渦巻き状に捲回した電極群が、円筒状のケース11内に同心状態で収容されている。このケース11は、一方の端面11aが閉鎖されており、その閉鎖された端面に、負極12の一方の側縁部が接触されて、その端面が負極側の集電部になっている。ケース11の他方の端面は開放されており、その開放された端面が、封口板15によって封止されている。封口板15には、正極13の一方の側縁部が接触されており、封口板15が、正極側の集電部になっている。ケース11内には、水酸化カリウムを主成分とするアルカリ水溶液からなる電解液が充填されている。本発明は電極群の捲回芯の径をαとしたとき、芯材の長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yとの関係が0.05α≦y≦0.5αを満たすようにしたことを特徴とする。
上述した関係式を満たすようにすることにより、捲回芯の近傍における負極12からの活物質(例えば水素吸蔵合金)の脱落を、電極群の構成として抑止できるので、第1〜4のアルカリ蓄電池用電極に係る発明の効果をより大きなものとすることができる。
本発明のアルカリ蓄電池用電極およびアルカリ蓄電池について、さらに詳述する。
負極12は、上述した芯材12bのほかに、ニッケル水素蓄電池の場合は活物質として水素吸蔵合金が用いられ、ニッケルカドミウム蓄電池の場合は活物質としてカドミウムが用いられる。
芯材12bは、鋼板やニッケル板などからなる。なお芯材12bの材質として鉄を用いる場合、その表面をニッケルなどでメッキ処理して耐食性を向上させるのが好ましい。
貫通孔12aのそれぞれの面積は、芯材12bに塗着されるペーストが離脱しないように、それぞれの開口面積が10mm2以下とするのが好ましい。なお略矩形状の角部をRカットしたもの、あるいは角部にカット加工を施したものであってもよい。
正極13は、発泡ニッケルのような三次元金属多孔体からなる芯材に、活物質として水酸化ニッケルが充填されたものが一般的である。なお芯材にニッケル粉末を主成分とするペーストを塗着して焼結した後に水酸化ニッケル活物質を含浸させる形態(いわゆるシンター式正極)を採る場合、芯材として負極12と同様のもの(12b)を用いて本発明のアルカリ蓄電池用電極に該当する正極13が構成可能であるのはいうまでもない。
セパレータ14は、通常のアルカリ蓄電池のセパレータとして使用されるものであれば特に限定されないが、スルホン化処理されたポリプロピレン不織布を用いるのが好ましい。
ケース11は、鋼板やニッケル板などからなる。なお芯材12bの材質として鉄を用いる場合、その表面をニッケルなどでメッキ処理して耐食性を向上させるのが好ましい。
以下、本発明のアルカリ蓄電池用電極およびアルカリ蓄電池の実施例について説明する。
(実施例1)
負極12の芯材12bとして、ニッケルをメッキした鋼板(厚さ60μm)に、開口面積が1.8mm2の略矩形状の貫通孔12aを穿孔したものを用いた。具体的には、芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを1mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを1.8mm、芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを0.8mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを0.7mmとし、貫通孔12aを図1のように千鳥状に配置し、芯材12bにおける貫通孔12aの開口率を40%とした(y/b=0.39)。芯材12bの一部を幅10mm、長さ100mmのサンプルとして切り出し、JIS Z 2241に従って幅方向の引っ張り強度を測定したところ、40MPaであった。
負極12の芯材12bとして、ニッケルをメッキした鋼板(厚さ60μm)に、開口面積が1.8mm2の略矩形状の貫通孔12aを穿孔したものを用いた。具体的には、芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを1mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを1.8mm、芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを0.8mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを0.7mmとし、貫通孔12aを図1のように千鳥状に配置し、芯材12bにおける貫通孔12aの開口率を40%とした(y/b=0.39)。芯材12bの一部を幅10mm、長さ100mmのサンプルとして切り出し、JIS Z 2241に従って幅方向の引っ張り強度を測定したところ、40MPaであった。
この芯材12bに、水素吸蔵合金(組成式MmNi3.55Co0.75Al0.3Mn0.4(Mmは軽希土類元素の混合物)、ボールミルにより平均粒径が20μmとなるように粉砕)と結着剤との混合物からなるペーストを塗着して乾燥した。さらに総厚みが0.30mmとなるようにロールプレス機(線圧400t/cm)で圧延して、芯材12bの長手方向が長径となるように帯状に切断し、理論容量が10Ahの負極12を作製した。
この負極12を、スルホン化処理されたポリプロピレン不織布(厚み0.2mm)からなるセパレータ14を介して、発泡ニッケルに水酸化ニッケルを充填した帯状の正極13(厚み0.3mm、理論容量6.5Ah)と対峙させ、心棒を用いて捲回芯の径αが5mmとなるように帯状の長径に沿って渦巻き状に捲回し、ケース11(内径31mm、高さ63mm)の中に収容した(y/α=0.14)。さらに電解液として、水酸化カリウムを主成分とする比重1.3のアルカリ水溶液を注入して、ケース11の開口した端面を封口板によって封止することにより、Dサイズのニッケル水素蓄電池(理論容量6.5Ah)を作製した。
このニッケル水素蓄電池を1000セル作製し、電解液を注入する前に絶縁抵抗を測定した。150Vの電圧を付加し、2kΩ以下となったものをリーク不良と判断し、リーク不良率を算出した。その結果、リーク不良は0/1000であった。
(実施例2)
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを0.75mm、芯材12bの長手
方向における貫通孔12aの長さbを2.1mm(貫通孔12aの開口面積2.63mm2、開孔率40.3%、y/b=0.2)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。芯材12bに貫通孔12aを穿孔する際に軽微な変形(波打ち)が生じたが実用レベルでは問題はなく、実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、40MPaであった。この負極12を用いて、実施例1と同様にして(y/α=0.14)ニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は0/1000であった。
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを0.75mm、芯材12bの長手
方向における貫通孔12aの長さbを2.1mm(貫通孔12aの開口面積2.63mm2、開孔率40.3%、y/b=0.2)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。芯材12bに貫通孔12aを穿孔する際に軽微な変形(波打ち)が生じたが実用レベルでは問題はなく、実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、40MPaであった。この負極12を用いて、実施例1と同様にして(y/α=0.14)ニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は0/1000であった。
(実施例3)
芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを1.1mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを0.36mm(貫通孔12aの開口面積1.8mm2、開孔率39.7%、y/b=0.2)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。芯材12bに貫通孔12aを穿孔する際に軽微な変形(波打ち)が生じたが実用レベルでは問題はなく、実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、31MPaであった。この負極12を用いて、実施例1と同様にして(y/α=0.072)ニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は0/1000であった。
芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを1.1mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを0.36mm(貫通孔12aの開口面積1.8mm2、開孔率39.7%、y/b=0.2)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。芯材12bに貫通孔12aを穿孔する際に軽微な変形(波打ち)が生じたが実用レベルでは問題はなく、実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、31MPaであった。この負極12を用いて、実施例1と同様にして(y/α=0.072)ニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は0/1000であった。
(実施例4)
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを1.2mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを1.4mm(貫通孔12aの開口面積1.68mm2、開孔率40%、y/b=0.5)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。芯材12bに貫通孔12aを穿孔する際に軽微な変形(波打ち)が生じたが実用レベルでは問題はなく、実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、40MPaであった。この負極12を用いて、実施例1と同様にして(y/α=0.14)ニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は1/1000であった。
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを1.2mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを1.4mm(貫通孔12aの開口面積1.68mm2、開孔率40%、y/b=0.5)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。芯材12bに貫通孔12aを穿孔する際に軽微な変形(波打ち)が生じたが実用レベルでは問題はなく、実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、40MPaであった。この負極12を用いて、実施例1と同様にして(y/α=0.14)ニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は1/1000であった。
(実施例5)
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを1.2mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを1mm、芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを1.2mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを0.25mm(貫通孔12aの開口面積1.2mm2、開孔率40%、y/b=0.25)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。芯材12bに貫通孔12aを穿孔する際に軽微な変形(波打ち)が生じたが実用レベルでは問題はなく、実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、25MPaであった。この負極12を用いて、実施例1と同様にして(y/α=0.05)ニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は0/1000であった。
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを1.2mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを1mm、芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを1.2mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを0.25mm(貫通孔12aの開口面積1.2mm2、開孔率40%、y/b=0.25)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。芯材12bに貫通孔12aを穿孔する際に軽微な変形(波打ち)が生じたが実用レベルでは問題はなく、実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、25MPaであった。この負極12を用いて、実施例1と同様にして(y/α=0.05)ニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は0/1000であった。
(実施例6)
実施例1と同じ負極12を用いて、捲回芯の径αが1.4mm(y/α=0.5)となるように帯状の長径に沿って渦巻き状に捲回したこと以外は実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は2/1000であった。
実施例1と同じ負極12を用いて、捲回芯の径αが1.4mm(y/α=0.5)となるように帯状の長径に沿って渦巻き状に捲回したこと以外は実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は2/1000であった。
(実施例7)
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを0.75mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを4.4mm、芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを1.9mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを1.7mm(貫通孔12aの開口面積3.3mm2、開孔率20.4%、y/b=0.39)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。実施例1と
同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、94MPaであった。一方、芯材12bにおける貫通孔12aの開口率が他の実施例と比べて小さいため、負極12は10%相当厚くなり、この負極12を用いて円筒状に捲回した電極群(y/α=0.34)の径もやや大きくなったが、ケース11への収容は可能であったので、実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は0/1000であった。
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを0.75mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを4.4mm、芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを1.9mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを1.7mm(貫通孔12aの開口面積3.3mm2、開孔率20.4%、y/b=0.39)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。実施例1と
同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、94MPaであった。一方、芯材12bにおける貫通孔12aの開口率が他の実施例と比べて小さいため、負極12は10%相当厚くなり、この負極12を用いて円筒状に捲回した電極群(y/α=0.34)の径もやや大きくなったが、ケース11への収容は可能であったので、実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は0/1000であった。
(実施例8)
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを1.5mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを1.7mm、芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを0.5mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを0.4mm(貫通孔12aの開口面積2.55mm2、開孔率60.7%、y/b=0.24)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、33MPaであった。ロールプレス機による圧延の際に軽微な変形(波打ち)が生じたが実用レベルでは問題はなく、この負極12を用いて、実施例1と同様にして(y/α=0.08)ニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は0/1000であった。
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを1.5mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを1.7mm、芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを0.5mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを0.4mm(貫通孔12aの開口面積2.55mm2、開孔率60.7%、y/b=0.24)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、33MPaであった。ロールプレス機による圧延の際に軽微な変形(波打ち)が生じたが実用レベルでは問題はなく、この負極12を用いて、実施例1と同様にして(y/α=0.08)ニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は0/1000であった。
(比較例1)
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを0.7mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを4mm(貫通孔12aの開口面積2.8mm2、開孔率39.7%、y/b=0.175)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。芯材12bに貫通孔12aを穿孔する際に重篤な変形(波打ち)が生じたので、実用レベルで問題があると判断し、以降の検討を中断した。
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを0.7mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを4mm(貫通孔12aの開口面積2.8mm2、開孔率39.7%、y/b=0.175)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。芯材12bに貫通孔12aを穿孔する際に重篤な変形(波打ち)が生じたので、実用レベルで問題があると判断し、以降の検討を中断した。
(比較例2)
芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを1.1mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを0.3mm(貫通孔12aの開口面積1.8mm2、開孔率40.8%、y/b=0.17)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、15MPaであった。ロールプレス機による圧延の際に重篤な変形(波打ち)が生じたので、実用レベルで問題があると判断し、以降の検討を中断した。
芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを1.1mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを0.3mm(貫通孔12aの開口面積1.8mm2、開孔率40.8%、y/b=0.17)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、15MPaであった。ロールプレス機による圧延の際に重篤な変形(波打ち)が生じたので、実用レベルで問題があると判断し、以降の検討を中断した。
(比較例3)
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを1.7mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを1mm(貫通孔12aの開口面積1.7mm2、開孔率40%、y/b=0.7)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、40MPaであった。この負極12を用いて、実施例1と同様にして(y/α=0.14)ニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は8/1000であった。
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを1.7mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを1mm(貫通孔12aの開口面積1.7mm2、開孔率40%、y/b=0.7)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、40MPaであった。この負極12を用いて、実施例1と同様にして(y/α=0.14)ニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は8/1000であった。
(比較例4)
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを1.1mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを1mm、芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを1.2mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを0.2mm(貫通孔12aの開口面積1.1mm2、開孔率39.9%、y/b=0.2)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、12MPaであった。
この極板はロールプレス機による圧延の際に重篤な変形(波打ち)が生じた。この波打ちを有する負極12は、捲回芯の径αを5mm以上にしても捲回のときに巻きズレや電極群の変形等の不具合を引き起こすことが懸念されたので、実用レベルで問題があると判断して以降の検討を中断するとともに、y/αを0.05未満にできないと判断した。
芯材12bの幅方向における貫通孔12aの長さaを1.1mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aの長さbを1mm、芯材12bの幅方向における貫通孔12aどうしの間隔xを1.2mm、芯材12bの長手方向における貫通孔12aどうしの間隔yを0.2mm(貫通孔12aの開口面積1.1mm2、開孔率39.9%、y/b=0.2)としたこと以外は、実施例1と同様にして負極12を作製した。実施例1と同様の方法に従って芯材12bの幅方向の引っ張り強度を測定したところ、12MPaであった。
この極板はロールプレス機による圧延の際に重篤な変形(波打ち)が生じた。この波打ちを有する負極12は、捲回芯の径αを5mm以上にしても捲回のときに巻きズレや電極群の変形等の不具合を引き起こすことが懸念されたので、実用レベルで問題があると判断して以降の検討を中断するとともに、y/αを0.05未満にできないと判断した。
(比較例5)
実施例1と同じ負極12を用いて、捲回芯の径αが1mm(y/α=0.7)となるように帯状の長径に沿って渦巻き状に捲回したこと以外は実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は15/1000であった。
実施例1と同じ負極12を用いて、捲回芯の径αが1mm(y/α=0.7)となるように帯状の長径に沿って渦巻き状に捲回したこと以外は実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を1000セル作製したところ、リーク不良率は15/1000であった。
以上の結果から、本発明を構成するアルカリ蓄電池用電極の芯材12bは、芯材の長手方向における貫通孔の長さをb、芯材の長手方向における貫通孔どうしの間隔をyとしたとき、0.2b≦y≦0.5bの関係を満たす必要があることがわかる。また貫通孔12aの開口率を25〜55%とするのが好ましいことがわかる。さらに電極群の捲回芯の径をαとしたとき、芯材の長手方向における貫通孔どうしの間隔yとの関係が0.05α≦y≦0.5αを満たすようにする必要があることがわかる。
本発明のアルカリ蓄電池用負極は、高い圧力による圧延に耐えうる芯材を活用できる上に、円筒状に捲回して電極群を構成する際の捲回芯の径を適正化することにより、リーク不良率の低いアルカリ蓄電池の構成要素となり得る。よって複数個のアルカリ蓄電池を電源に用いる電気自動車などの電源として利用可能性が高く、効果は大きい。
11 ケース
12 負極
12a 貫通孔
12b 芯材
13 正極
14 セパレータ
15 封口板
12 負極
12a 貫通孔
12b 芯材
13 正極
14 セパレータ
15 封口板
Claims (4)
- 導電性の芯材を集電体とするアルカリ蓄電池用電極であって、
前記芯材に複数の貫通孔を、芯材の長手方向に沿って平行する直線状に設け、
前記貫通孔を略矩形状とし、
前記芯材の長手方向における前記貫通孔の長さをb、前記芯材の長手方向における前記貫通孔どうしの間隔をyとしたとき、0.2b≦y≦0.5bの関係を満たすようにしたことを特徴とするアルカリ蓄電池用電極。 - 前記貫通孔の開口率を25〜55%とする、請求項1記載のアルカリ蓄電池用電極。
- 前記貫通孔を千鳥状に配置したことを特徴とする、請求項1記載のアルカリ蓄電池用電極。
- 正極と負極とをセパレータを介して円筒状に捲回した電極群と電解液とを備えるアルカリ蓄電池であって、
請求項1〜3のいずれかの電極を前記正極および負極のいずれかとして用い、
前記電極群の捲回芯の径をαとしたとき、前記芯材の長手方向における前記貫通孔どうしの間隔yとの関係が0.05α≦y≦0.5αを満たすようにしたことを特徴とするアルカリ蓄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007087441A JP2008251199A (ja) | 2007-03-29 | 2007-03-29 | アルカリ蓄電池用電極およびアルカリ蓄電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007087441A JP2008251199A (ja) | 2007-03-29 | 2007-03-29 | アルカリ蓄電池用電極およびアルカリ蓄電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008251199A true JP2008251199A (ja) | 2008-10-16 |
Family
ID=39975934
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007087441A Pending JP2008251199A (ja) | 2007-03-29 | 2007-03-29 | アルカリ蓄電池用電極およびアルカリ蓄電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008251199A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011125342A1 (ja) * | 2010-04-09 | 2011-10-13 | パナソニック株式会社 | アルカリ蓄電池用電極およびアルカリ蓄電池 |
CN104048977A (zh) * | 2013-03-14 | 2014-09-17 | 湘南科力远能源株式会社 | 多孔质体的重量测定方法、重量测定装置及重量测定程序 |
-
2007
- 2007-03-29 JP JP2007087441A patent/JP2008251199A/ja active Pending
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WO2011125342A1 (ja) * | 2010-04-09 | 2011-10-13 | パナソニック株式会社 | アルカリ蓄電池用電極およびアルカリ蓄電池 |
CN104048977A (zh) * | 2013-03-14 | 2014-09-17 | 湘南科力远能源株式会社 | 多孔质体的重量测定方法、重量测定装置及重量测定程序 |
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